JP3334556B2 - 分光放射照度計 - Google Patents
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関し、さらに詳細には、受光センサによる光の積算時間
を算出し自動的に設定することができる積算時間自動設
定機構を備えた分光放射照度計に関するものである。
示す図である。同図において、測定光源1からの光は導
光ファイバ2で導光され、アパーチャ3(例えばスリッ
ト)を介してアルミミラー4に入射し、回折格子5(グ
レーティング)に導かれる。回折格子5からでた光は、
CCD、シリコンフォトダイオード等からなる1次元の
アレーセンサ6(以下、受光センサ6という)上に結像
する。回折格子5から回折してでてくる光は、干渉して
波長に応じて異なった方向に放射されるので、上記光は
波長に応じて受光センサ6上の異なった位置に照射され
る。
異なった波長の光が照射され、各ピクセルには受光した
光の放射照度および受光時間に応じた電荷が蓄積され
る。したがって、回折格子5からでてくる光を所定時
間、上記受光センサ6の各ピクセルに照射し各ピクセル
に蓄積された電荷を読み出すことにより、各波長におけ
る放射照度の値に対応した電気信号、すなわち、光のエ
ネルギーの分光分布に相当する電気信号を得ることがで
きる。
気信号を処理する信号処理系の構成を示す図である。上
記のように受光センサ6の各ピクセルに、各波長の光の
エネルギーに相当した電荷が蓄積されると、各ピクセル
に蓄積された電荷は所定のタイミングで順次読み出さ
れ、アナログ電流信号としてアンプ7に送出される。な
お、上記のように受光センサ6の各ピクセルの電荷を所
定のタイミングで順次読み出す場合には、受光センサ6
の全ピクセルを同時にオンにして各ピクセルへの電荷の
蓄積を同時に開始すると、各ピクセルに電荷が蓄積され
る時間が異なることとなる。そこで、各ピクセルの読み
出しタイミングに応じて各ピクセルをオンにする時間を
ずらせ、各ピクセルに電荷が蓄積される時間が等しくな
るように制御している。
グの電圧信号としてA/Dコンバータ8に送出し、A/
Dコンバータ8は上記アナログ電圧信号をデジタル信号
に変換する。演算装置10はA/Dコンバータ8が出力
するデジタル信号を演算処理し、各波長の放射照度を求
める。すなわち、各ピクセルに蓄積された電荷量に相当
するデジタル信号を、受光センサ6の感度特性(通常、
波長が短くなる程感度は低下する)に応じて補正し、補
正した信号を各ピクセルに光が照射された時間で除し
て、各波長の放射照度を求める。演算装置10により求
めた各波長の放射照度は例えばディスプレイ11に送出
され、ディスプレイ11上に、横軸を波長、縦軸を放射
照度とした分光放射照度特性が表示される。
ら送出される電流信号、すなわち、各ピクセルに蓄積さ
れる電荷量は、光に対して次の(1)式の関係にある。 (放射照度)×(積算時間)∝(電荷の量) (1) 上記「積算時間」は受光センサ6の各ピクセルに光が照
射されピクセルに電荷が蓄積される時間(受光時間)で
ある。一方、光の放射エネルギーは次の(2)式の関係
にある。 (光の放射エネルギー[J/cm2] ) =(放射照度[W/cm2] )×(積算時間[sec] )(2) すなわち、「光の放射エネルギー」と「各ピクセルに蓄
積される電荷量」は比例関係にある。なお、前記した演
算装置10は、A/Dコンバータ8から上記「光の放射
エネルギー」に相当するデジタル信号が送られてくる
と、該デジタル信号を上記「積算時間」で除して、各波
長毎の「放射照度」を求めている。
に、積算時間を長くすると蓄積される電荷の量が大きく
なるので、S/N比が向上し、測定精度の高精度化を図
ることができる。しかしながら、光の放射エネルギーと
受光センサ6の各ピクセルに蓄積される電荷量が比例関
係にある範囲、すなわち、入射光に対して、受光センサ
6の出力が線形性を保持する範囲は有限であり、積算時
間がある一定の長さを越え、受光センサ6に蓄積される
光の放射エネルギーが一定の大きさを越えると、受光セ
ンサ6の出力は飽和してしまい一定の値となる。このた
め、受光センサ6のピクセルの一部において上記のよう
な飽和状態が生ずると、その飽和したピクセルに対応し
た波長における放射照度が実際の値より小さな値として
表示されることになる。
S/N比を満たす程度に長く、かつ、飽和が生じない程
度の時間に設定する必要がある。例えば、図10(a)
に示すように、受光センサ6の特性が積算時間Aのとき
は全ピクセルが測定可能な全波長域で飽和せず、また、
積算時間Bのときは、波長域Cに相当するピクセル群が
必ず飽和し、波長域C以外のピクセル群では飽和しない
ものとすると、積算時間Aで測定した場合には、同図
(b)の実線に示すような分光放射照度特性が得られる
が、積算時間Bで測定した場合には、同図の点線に示す
ように、波長域Cにおいて一定値となり、正しい分光放
射照度特性を得ることができない。なお、図10(a)
に示す受光センサの特性は、波長域Cに相当するピクセ
ル群の各ピクセルの概略特性であり、各ピクセルにおい
て放射照度は異なるので、線形性が成立する領域での最
大積算時間Tmax は各ピクセル毎に異なる。
は、受光センサ6から送出される信号が飽和しないよう
に積算時間を設定することが必要であり、高精度な測定
を行うためには、受光センサ6の線形性が成立する範囲
で最大積算時間を設定することが望ましい。なお、前記
図9に示した信号処理系においては、通常、受光センサ
6から送出し得る信号のフルスケール値(線形性が成立
する範囲内での最大値)をアンプ7で電圧信号に変換し
た値と、A/Dコンバータ8から送出し得るデジタル信
号の最大値(フルスケール値)とが一致するように製作
・調整されており、受光センサ6のピクセルが飽和した
とき、A/Dコンバータ8の出力もフルスケール値にな
る。以下、上記A/Dコンバータ出力のフルスケール値
を、「フルスケールADC」と呼ぶこととする(ADC
はアナログ信号をデジタル信号に変換した値を意味す
る)。したがって、上記構成の分光放射照度計において
は、受光センサの各ピクセルに蓄積される光の放射エネ
ルギーのうちの最大値が上記フルスケールADCになる
ように積算時間を設定するのが望ましいこととなる。
射照度特性の表示の変化を説明する図である。同図にお
いて、(a)は積算時間を適切な値に設定したときに表
示される分光放射照度特性の一例を示す図であり、同図
は、測定可能ないかなる波長領域においても飽和が発生
せず、また、要求されるS/N比を充分満たしている場
合の表示例である。このような表示は、受光センサの各
ピクセルに蓄積される光の放射エネルギーのうちの最大
値が上記フルスケールADCになるように積算時間を設
定したときに得られる。
が小さくなった場合に表示される分光放射照度特性の一
例を示す図である。積算時間が短すぎると、同図に示す
ように分光放射照度特性にノイズが重畳し、高精度な測
定を行うことができない。図11(c)は積算時間が長
すぎ、受光センサ6中の一部のピクセルが飽和した場合
に表示される分光放射照度特性の一例を示す図である。
積算時間が長すぎると、S/N比は大きくなるが、同図
に示すように一部が飽和し正しい分光放射特性を得るこ
とができない。
いと高精度な測定を行うことができないため、従来にお
いては、次のようにして積算時間を設定して分光放射特
性を測定していた。 (1)適当な積算時間を設定して、分光放射特性を測定
する。 (2)デイスプレイ上に表示される分光放射照度特性の
グラフの形状を観察し、グラフの形状が上記図11
(b)のようであれば、積算時間を上記(1)で設定し
た時間より長くする。また、グラフの形状が上記図11
(c)のようであれば、積算時間を上記(1)で設定し
た時間より短くする。 (3)再度、分光放射照度特性を測定し、グラフの形状
を観察する。そして、分光放射照度特性が図11(a)
のように表示されるまで、積算時間の再設定と調整を繰
り返す。
光放射照度が既知の標準光源を測定し、測定された値が
既知の標準光源の分光放射照度特性と一致するように前
記演算装置10のパラメータが調整される。したがっ
て、同じ光量の光源を測定するのであれば、予め定めら
れた積算時間で適切な測定が可能なはずだが、実際には
各分光放射照度計毎に特性が若干異ななるため、上記予
め定められた積算時間では適切な測定を行うことはでき
ない。これは、回折格子5の回折効率が各分光放射照
度計毎に異なる、アルミミラー4の反射率が異なる、
受光センサ6の光電変換率が受光センサにより異な
る、等の理由によるものであり、結局、各分光放射照度
計毎に上記(1)〜(3)の手順により、積算時間を設
定することが必要となる。
射照度測定においては、S/Nが大きく高精度であり、
測定対象となる波長域で飽和が発生しないように積算時
間を設定する必要があるが、従来においては上記したよ
うに、何度か予備的な測定を行い適切な積算時間を設定
する必要があった。上記作業は、分光放射照度の測定条
件(光源の出力、光源と受光センサとの距離等)が変わ
る毎に行う必要があり、このため、測定作業に時間がか
かるといった問題があった。また、上記積算時間の設定
は、表示された分光放射照度分布の波形を観察しながら
行うので、作業者個々の判断に依存し積算時間の設定に
ある程度の熟練を必要とするとともに、測定精度が作業
者の主観に依存してしまうといった問題があった。
より表示される分光放射照度特性が変わることを説明す
るために概略的に示したものであり、実際の分光放射照
度分布波形は、鋭く立ち上がったピーク部やなだらかな
平坦部等を有することが多い。そのため、表示される分
光放射照度分布の波形におけるピーク部がノイズによる
ものか実際の信号であるのか、あるいは、分光放射照度
分布の波形における平坦部が飽和によるものであるのか
実際の信号であるのか判断することは難しく、作業者に
ある程度の熟練を要求されることとなる。
してなされたものであって、その目的とするところは、
積算時間を短時間に設定することができ、また、作業者
の熟練度に関係なく適切な積分時間を自動的に設定する
ことができる分光放射照度計を提供することである。
ては、次のように解決する。 (1)被測定光を受光し、被測定光を波長に応じて異な
った方向に分光させる分散素子と、上記分散素子から放
出される光を設定された積算時間だけ受光し、各波長に
おける光エネルギーに相当した出力を発生する複数の受
光素子からなる受光センサと、上記受光センサの各受光
素子から送出される信号を波長毎の放射照度に変換する
演算処理部とを備えた分光放射照度計において、演算処
理部は受光センサにおける積算時間を制御する積算時間
制御手段と、上記受光センサの各受光素子の出力の内の
最大値を求めるピーク値検出手段と、上記ピーク値検出
手段により検出された最大値と、上記受光素子が飽和し
ているときに送出される出力とを比較して、受光素子の
出力が飽和しているか否かを判定する飽和判定手段と、
上記受光センサにおける積算時間と、上記受光素子の出
力が飽和していないときの上記積算時間における受光素
子の出力の内の最大値と上記受光素子が飽和し ていると
きの出力との比率とから、上記受光素子における積算時
間を算出する積算時間算出手段とを備えており、下記の
ようにして、上記積算時間を自動設定する。
の積算時間に設定して、上記受光センサにより上記第1
の積算時間の間、被測定光を受光させ、受光センサの各
受光素子の出力が飽和しているか否かを判定し、 (ロ)受光素子の出力が飽和していない場合には、上記
第1の積算時間を積算時間算出手段に与え、 (ハ)第1の積算時間における受光素子の出力の内の少
なくとも一部の出力が飽和していると判定された場合に
は、上記第1の積算時間より短い第2の積算時間を設定
して、該第2の積算時間の間、上記受光センサに測定光
を受光させ、上記ピーク値検出手段により検出された第
2の積算時間における受光素子の出力の内の最大値と、
上記受光素子が飽和しているときに送出される出力とを
比較して、受光素子の出力が飽和しているか否かを判定
する処理を、上記第2の積算時間を順次減少させながら
繰り返し、受光素子の出力が飽和しない積算時間を求
め、受光素子の出力が飽和しなくなったときの積算時間
を積算時間算出手段に与え、 (ニ)上記積算時間が受光センサの全受光素子が測定光
の光エネルギーを測定するに必要な下限値に達したと
き、上記演算処理部は測定光の照度が高すぎることを指
示する出力を送出し、 (ホ)積算時間算出手段は、上記受光素子が飽和してい
ないときの上記第1もしくは第2の積算時間と、該第1
もしくは第2の積算時間における受光素子の出力のうち
の最大値と上記受光素子が飽和しているときの出力との
比率とに基づき上記受光素子における積算時間を算出す
る。
のようにして分光放射照度計の積算時間を設定している
ので、短時間に適切な積算時間を設定できるともに、熟
練していない作業者でも精度の良く分光放射照度を測定
することができる。
照度計の概略構成を示すブロックである。同図には分光
放射照度計の光学系は示されていないが、分光放射照度
計の光学系としては前記図8に示したものと同様のもの
を使用することができる。また、本実施例の信号処理系
は、前記図9に示したものと同様、受光センサ6、アン
プ7、A/Dコンバータ8、演算装置10、ディスプレ
イ11から構成されおり、本実施例においては、演算装
置10に、A/Dコンバータ8が出力するADCを分光
放射照度に変換するADC−放射照度変換部30を設け
るとともに、積算時間を自動的に算出し適切な積算時間
を設定する積算時間設定部20が設けられている。
C−放射照度変換部30のブロック図である。積算時間
設定部20は、同図に示すように、ピークADC検出部
21、飽和判定部22、積算時間算出部23、積算時間
制御部24から構成される。そして、ピークADC検出
部21において、A/Dコンバータ8が出力する分光放
射照度分布データのピークADCを求め、飽和判定部2
2で、ピークADC検出部21が出力するピークADC
とA/Dコンバータ8のフルスケールADCとを比較し
て、分光放射照度分布データが飽和しているか否かを判
定する。
データが飽和していない場合に上記ピークADCとフル
スケールADCから70%積算時間tFS70(ピークAD
Cに相当する信号を出力したピクセルから、フルスケー
ルADCの70%に相当する信号を出力させる積算時間
に相当)を求める。また、積算時間制御部24は、分光
放射照度分布データが飽和している場合に、受光センサ
6の積分時間を選定して、受光センサ6の積分時間を制
御する。ADC−放射照度変換部30は、変換処理部3
1から構成され、前記図9で説明したように、A/Dコ
ンバータ8が出力する70%積算時間分光放射照度分布
ADCを受光センサ6の感度特性に応じて補正し、補正
した信号を各ピクセルに光が照射された時間で除して、
各波長の放射照度を求める。
設定処理を示すフローチャートであり、同図を参照しな
がら上記処理について説明する。 (1)まず、演算装置10の記憶部10bに、演算の初
期値となる特定の積算時間t1 、および積算時間の下限
値tmin を記憶させる。なお、上記特定の積算時間t1
は、受光センサ6で使用できる積算時間の範囲内(通常
20ms〜20000ms)の適当の値を採ることがで
きるが、演算精度等を考慮すると実際の測定において使
用されることが多い平均的な積算時間とするのが望まし
く、ここでは200msとする。また、上記積算時間の
下限値tmin は、受光センサ6の全ピクセルに蓄積され
た電荷を読み出すのに必要な時間である。すなわち、前
記したように、受光センサ6に蓄積された電荷は所定の
タイミングで順次読み出されるので、全ピクセルに蓄積
された電荷を全て読み出すにはある程度の時間が必要で
ある。上記下限値tmin は上記読み出し時間に相当し、
これより積算時間を短くすることはできない。
部24は記憶部10bから上記特定の積算時間t1 を読
み出し、受光センサ6へオン信号を送出し、時間t1 経
過後、受光センサ6へオフ信号を送出する。 (3)受光センサ6の各ピクセルは上記積算時間t1 の
間だけ動作し、受光した光のエネルギーに相当した電荷
を蓄積する。受光センサ6の各ピクセルに蓄積された電
荷はアンプ7で電圧信号に変換され、さらにA/Dコン
バータ8でデジタル信号に変換され、演算装置10に読
み込まれ、記憶部10bに記憶される(図3のステップ
S1)。よって、記憶部10bには各ピクセル毎(各波
長毎)のADC、すなわち、分光放射照度分布ADCが
記憶される。なお、A/DコンバータのフルスケールA
DCは、ここでは214=16384とする。
検出部21は記憶部10bに記憶されている積算時間t
1 のときの各ピクセル毎のADCのデータを呼び出し、
呼び出したデータの最大値(ピークADC)を選択する
(図3のステップS2)。 (5)飽和判定部22は、上記ピークADCと予め記憶
しておいたA/DコンバータのフルスケールADCとを
比較し、飽和の有無を判定する。例えば、A=〔フルス
ケールADC〕−〔積算時間t1 のときのピークAD
C〕の演算を行い、上記演算結果Aが0か負(飽和して
いる)、もしくは、正(飽和していない)かを判定し、
受光センサ6のピクセルのうち飽和しているピクセルが
あるか否かを調べる(図3のステップS3)。
いと判定された場合には、図3のステップS9に行き、
70%積算時間tFS70の算出を行い、分光放射照度特性
の表示処理を行う。以下、図4により上記処理を説明す
る。積算時間算出部23は、上記積算時間t1 のときの
ピークADCとフルスケールADCから、図4のステッ
プT1に示す式により70%積算時間tFS70を算出す
る。すなわち、「ピークADC」、「フルスケールAD
C」、「積算時間t1 」、「70%積算時間tFS70」は
次の(3)式に関係にあるから、次の(4)式により7
0%積算時間tFS70が算出される。
うに70%積算時間tFS70を用いているが、必ずしも7
0%である必要はなく、受光センサ6の特性により適宜
選定することができる。通常、受光センサ6はフルスケ
ールに近づくにつれ、積算時間と蓄積される電荷量の関
係が線形でなくなる場合が多いので、積算時間と電荷量
の線形関係が確実に成り立つ70%を選定している。
FS70が求まると、積分時間制御部24は、前記したよう
に受光センサ6の各ピクセルへオン信号を送出し、上記
70%積算時間tFS70経過後、各ピクセルへオフ信号を
送出する。これにより、受光センサ6の各ピクセルは上
記70%積算時間tFS70の間だけ動作し、各ピクセルに
は受光した光のエネルギーに相当した電荷が蓄積され
る。受光センサ6の各ピクセルに蓄積された電荷に相当
した信号は、前記したように演算装置10に読み込ま
れ、記憶部10bに記憶される(図4のステップT
2)。
変換処理部31は上記記憶部10bに記憶された70%
積算時間tFS70のときの各ピクセル毎のADCのデータ
を呼び出し、前記したように、受光センサ6の感度特性
に応じて補正し、補正した信号から波長毎の分光放射照
度(mw/cm2/nm ) を求める。すなわち、変換処理部31
は下記の(5)式により各波長毎の分光放射照度を求め
る。 分光放射照度(mw/cm2/nm ) ={〔補正した各ピクセル
毎のADC〕×A}(J/cm2/nm)/積算時間tFS70(sec)
(5) ここで、上記Aは各ピクセル毎のADCを各ピクセル毎
(各波長毎(nm) )の光エネルギー(J/cm2) に換算する
ための補正定数であり、波長毎に異なった値を採る(図
4のステップT3)。 (9)上記のようにして求めた各波長毎の分光放射照度
はディスプレイ11に送られ、画面上に分光放射照度特
性を示すグラフが表示される(図4のステップT4)。
6の内の一部のピクセルが飽和していると判定された場
合には、積算時間制御部24は記憶部10bから前記積
算時間の下限値tmin (例えば20ms)を読み出し、
前記したように受光センサ6を積算時間tmin の間だけ
動作させる。そして、受光センサ6の各ピクセルに蓄積
された電荷に相当したADCを記憶部10bに記憶する
(図3のステップS10)。 (11)ピークADC検出部21は前記(4)で説明し
たように上記積算時間tmin のときのピークADCを選
択する(図3のステップS11)。 (12)飽和判定部22は前記(5)で説明したように
上記ピークADCと予め記憶しておいたA/Dコンバー
タのフルスケールADCとピークADCとを比較し、飽
和の有無を判定する(図3のステップS12)。そし
て、飽和していない場合には、図3のステップS9に行
き、前記(6)〜(9)で説明したように、積算時間t
FS70を求め、分光放射照度特性値の表示処理を行う。
分光放射照度変換部30の変換処理部31において、積
算時間tmin のときの各波長毎のADCを分光放射照度
に変換し(図3のステップS13)、ディスプレイ11
の画面上に、上記分光放射照度特性をグラフ表示すると
ともに、測定光の照度が高すぎることを表示する(図3
のステップS14)。上記のように測定光の照度が高す
ぎることが表示された場合には、例えば、光路中に減光
フィルタを設置して、受光センサ6に入射する光量を減
少させることにより、正しい分光放射照度の測定が可能
となる。この場合には、測定結果を上記減光フィルタに
おける光の減光分を考慮して換算する必要がある。
積算時間t1 、および積算時間の下限値tmin を用い
て、適切な積算時間tFS70を自動的に算出し、算出した
積算時間tFS70を用いて分光放射照度特性を求めている
ので、適切な積分時間を自動的に設定し、分光放射照度
特性を大きなS/N比で精度よく測定することができ
る。また適切な積算時間を自動的に設定することができ
るので、測定作業を短時間に行うことができ、また熟練
度の低い作業者でも精度よく分光放射照度特性を測定す
ることができる。
時間設定処理を示すフローチャートであり、同図により
本実施例の処理を説明する。なお、図5において、ステ
ップS1からS3までの処理、およびステップS9にお
ける処理は前記図3に示したステップS1から3までの
処理と同じであり、また図6の処理は、図3のステップ
S10からS14の処理と同じである。
に、演算の初期値となる特定の積算時間t1 、および積
算時間の下限値tmin を記憶させたのち、積算時間制御
部24により、受光センサ6を上記積算時間t1 の間だ
け動作させ、記憶部10bに分光放射照度分布ADCを
記憶させる(図5のステップS1)。そして、ピークA
DC検出部21において、ピークADCを選択する(図
5のステップS2)。さらに、飽和判定部22におい
て、ピークADCと予め記憶しておいたA/Dコンバー
タのフルスケールADCとピークADCとを比較し、飽
和の有無を判定する(図5のステップS3)。
いないと判定された場合には、ステップS9に行き、前
記と同様、70%積算時間tFS70の算出を行い、分光放
射照度特性の表示処理を行う。 (3)飽和判定部22において、飽和していると判定さ
れた場合には、積算時間制御部24において、前回の積
算時間より短い積算時間tnow を選定する。例えば、前
回の積算時間が200msの場合には、積算時間tnow
=200ms/2のような演算を行い、tnow =100
msを得る(ステップS4)。ついで、積算時間制御部
24は積算時間tnow と積算時間の下限値tmin を比較
し、積算時間tnow が積算時間の下限値tmin を下回っ
ているかを判定する(ステップS5)。そして、積算時
間tnow が積算時間の下限値tmin を下回っている場合
には、図6のステップS10に行く。また、下回ってい
ない場合にはステップS6に行く。
御部24は、前記したように受光センサ6を上記積算時
間tnow の間だけ動作させ、記憶部10bに分光放射照
度分布ADCを記憶させる(図5のステップS6)。そ
して、ピークADC検出部21において、ピークADC
を選択する(図5のステップS7)。さらに、飽和判定
部22において、ピークADCと予め記憶しておいたA
/DコンバータのフルスケールADCとを比較し、飽和
の有無を判定する(図5のステップS8)。 (5)飽和判定部22における判定の結果、飽和してい
ない場合には、ステップS9に行き、前記したように7
0%積算時間tFS70の算出を行い、分光放射照度特性の
表示処理を行う。また、飽和している場合には、ステッ
プS4に戻り、上記(3)(4)の処理を行う。
w が積算時間の下限値tmin を下回っていると判断され
た場合には、図6のステップS10に行き、前記した
(10)〜(13)で説明した処理を行う。すなわち、
積算時間が下限値tmin のときのADCを採取してピー
クADCを求め、A/DコンバータのフルスケールAD
CとピークADCとを比較し、飽和の有無を判定する
(図6のステップS10〜S12)。そして、飽和して
いない場合には、ステップS9に行き、前記したように
70%積算時間tFS70の算出を行い、分光放射照度特性
の表示処理を行う。また、飽和している場合には、積算
時間tmin のときの各波長毎のADCを分光放射照度に
変換し(図6のステップS13)、ディスプレイ11の
画面上に、上記分光放射照度特性をグラフ表示するとと
もに、被測定光の照度が高すぎることを表示する(図6
のステップS14)。
の初期値となる特定の積算時間t1でADCの採取を行
って飽和しているか否かを判定し、積算時間t1 で飽和
する場合に、積算時間を短くしながらADCの採取を行
って飽和しなくなる積算時間を求めて適切な積算時間t
FS70を自動的に算出し、算出した積算時間tFS70を用い
て分光放射照度特性を求めているので、適切な積分時間
を自動的に設定し、分光放射照度特性を大きなS/N比
で精度よく測定することができる。また適切な積算時間
を自動的に設定することができるので、測定作業を短時
間に行うことができ、また熟練度の低い作業者でも精度
よく分光放射照度特性を測定することができる。
定処理を示すフローチャートであり、同図により本実施
例の処理を説明する。なお、図7において、ステップS
1からS9までの処理は前記図5に示したステップS1
からS9までの処理と同じであり、また、図7の以降
は、前記図6に示したステップS10からS14の処理
と同じである。そして、本実施例においては、ステップ
S4の前にステップR1が追加され、ステップS5とS
6の間にステップR2および「n<Nの判定分岐処理」
が追加されており、この部分が第2の実施例と相違して
いる。そこで、以下、上記相違点のみについて説明す
る。ステップS3において、前記したようにフルスケー
ルADCとピークADCとを比較し、飽和の有無を判定
した結果、飽和していると判定された場合には、以下の
処理を行う。
にある不図示のn値設定部でn=0に設定し、前記した
ようにステップS4において、前回の積算時間より短い
積算時間tnow を選定する。ついで、ステップS5にお
いて、積算時間tnow と積算時間の下限値tmin を比較
し、積算時間tnow が積算時間の下限値tmin を下回っ
ているかを判定する。 (2)積算時間tnow が積算時間の下限値tmin を下回
っている場合には、図6のステップS10に行き、以
降、前記第1の実施例の(10)〜(13)で説明した
処理を行う。また、下回っていない場合にはステップR
7においてn=n+1とする。ついで、記憶部10bに
予め記憶された繰り返し数の上限値Nを読み出し、nが
Nより小さいかを判定する。
たように、ステップS6〜ステップS8において、積分
時間tnow でADCを採取し、ピークADCを選択し
て、ピークADCとフルスケールADCを比較して飽和
の有無を判定する。 (4)飽和していない場合には、ステップS9に行き、
前記したように70%積算時間tFS70の算出を行い、分
光放射照度特性の表示処理を行う。また、飽和している
場合には、ステップS4に戻り、上記(1)〜(3)の
処理を行う。 (5)上記(2)において、nがNより小さくないと判
定された場合には、繰り返し回数nが上限値Nに達した
ので、図6のステップS10に行き、以降、前記第1の
実施例の(10)〜(13)で説明した処理を行う。以
上のように、本実施例においては、再測定を行う数nの
上限値Nを定め、再測定回数が上限値Nに達すると、測
定を終了するようにしているので、測定時間の長期化を
回避することができる。
以下の効果を得ることができる。 (1)受光センサの各受光素子の飽和を判定し、受光素
子が飽和しないときの積算時間と、受光素子が飽和しな
いときの受光素子の出力の内の最大値、および、受光素
子が飽和したとき送出される出力に基づき、適切な積算
時間を自動的に算出し設定しているので、表示される分
光放射照度分布の波形を観察しながら行っていた従来方
法に比べ、短時間に適切な積算を設定することができ
る。 (2)作業者の個々の判断に依存することなく、適切な
積算時間を設定することができ、また、未熟練の作業者
でも適切な積算時間を設定し、精度よく分光放射照度を
測定することができる。 (3)受光センサから受光データを読み出すに必要な時
間以下に積算時間を設定しても受光素子の飽和が解消さ
れない場合に、その旨を表示するように構成することに
より、作業者は、測定光の放射照度が大きすぎることを
識別することができる。
示すブロックである。
変換部のブロック図である。
ローチャート1である。
ローチャート2である。
すフローチャート1である。
すフローチャート2である。
すフローチャートである。
る。
ある。
れる分光放射照度特性を説明する図である。
表示の変化を説明する図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 被測定光を受光し、被測定光を波長に応
じて異なった方向に分光させる分散素子と、 上記分散素子から放出される光を設定された積算時間だ
け受光し、各波長における光エネルギーに相当した出力
を発生する複数の受光素子からなる受光センサと、 上記受光センサの各受光素子から送出される信号を波長
毎の放射照度に変換する演算処理部とを備えた分光放射
照度計であって、 上記演算処理部は、上記受光センサにおける積算時間を
制御する積算時間制御手段と、 上記受光センサの各受光素子の出力の内の最大値を求め
るピーク値検出手段と、 上記ピーク値検出手段により検出された最大値と、上記
受光素子が飽和しているときに送出される出力とを比較
して、受光素子の出力が飽和しているか否かを判定する
飽和判定手段と、 上記受光センサにおける積算時間と、上記受光素子の出
力が飽和していないときの上記積算時間における受光素
子の出力の内の最大値と上記受光素子が飽和していると
きの出力との比率とから、上記受光素子における積算時
間を算出する積算時間算出手段とを備えており、 上記積算時間制御手段は、第1の積算時間を設定して、
該第1の積算時間の間、上記受光センサに測定光を受光
させ、 上記飽和判定手段は、上記ピーク値検出手段により検出
された上記第1の積算時間における受光素子の出力のう
ちの最大値と上記受光素子が飽和しているときに送出さ
れる出力とを比較して、受光素子の出力が飽和している
か否かを判定し、受光素子の出力が飽和していない場合
には、上記第1の積算時間を積算時間算出手段に与え、 上記飽和判定手段において、第1の積算時間における受
光素子の出力の内の少なくとも一部の出力が飽和してい
ると判定された場合には、上記積算時間制御手段は、上
記第1の積算時間より短い第2の積算時間を設定して、
該第2の積算時間の間、上記受光センサに測定光を受光
させ、上記ピーク値検出手段により検出された第2の積
算時間における受光素子の出力の内の最大値と、上記受
光素子が飽和しているときに送出される出力とを比較し
て、受光素子の出力が飽和しているか否かを判定する処
理を、上記第2の積算時間を順次減少させながら繰り返
し、受光素子の出力が飽和しない積算時間を求め、受光
素子の出力が飽和しなくなったときの積算時間を積算時
間算出手段に与え、 また、上記積算時間が受光センサの全受光素子が測定光
の光エネルギーを測定するに必要な下限値に達したと
き、上記演算処理部は測定光の照度が高すぎることを指
示する出力を送出し、 上記積算時間算出手段は、上記受光素子が飽和していな
いときの上記第1もしくは第2の積算時間と、該第1も
しくは第2の積算時間における受光素子の出力のうちの
最大値と上記受光素子が飽和しているときの出力との比
率とに基づき上記受光素子における積算時間を算出し、 上記積算時間算出手段により算出された積算時間により
測定光の分光放射照度を測定することを特徴とする分光
放射照度計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10418897A JP3334556B2 (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 分光放射照度計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10418897A JP3334556B2 (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 分光放射照度計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10300579A JPH10300579A (ja) | 1998-11-13 |
JP3334556B2 true JP3334556B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=14374024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10418897A Expired - Lifetime JP3334556B2 (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 分光放射照度計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3334556B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5018409B2 (ja) * | 2007-11-07 | 2012-09-05 | コニカミノルタオプティクス株式会社 | 光量測定装置 |
JPWO2009147908A1 (ja) * | 2008-06-06 | 2011-10-27 | コニカミノルタセンシング株式会社 | 光測定装置、光測定方法、およびプログラム |
JP6529480B2 (ja) * | 2016-11-30 | 2019-06-12 | 株式会社熊平製作所 | 分光分析装置およびそれを備えた液体検査装置 |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP10418897A patent/JP3334556B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10300579A (ja) | 1998-11-13 |
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