JP3334336B2 - 成形用樹脂組成物 - Google Patents
成形用樹脂組成物Info
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Description
ァー成形に適した充填材含有樹脂組成物に関し、特に、
電子部品の封止用材料として有用なエポキシ樹脂組成物
に関する。
半導体の封止には、経済的に有用なエポキシ樹脂組成物
のトランスファーモールドが行われている。特に、最近
では、LSIの表面実装が行われており、半導体の基盤
への実装時に半導体パッケージが直接半田浴中に浸漬さ
れる場合が増えてきている。この時、封止パッケージが
200 ℃以上の高温にさらされるため、封止パッケージ中
に吸湿していた水分が膨張してクラックが入ったり、熱
ストレスによる応力のため素子や金属フレームと封止材
界面との間に剥離を生じる。クラックや剥離界面から侵
入した湿気等の影響により、素子の不良が発生すること
が問題となっている。このため樹脂封止材には低吸湿性
および耐クラック性が要求される。現状では、o −クレ
ゾールノボラックのグリシジルエーテル化物やテトラメ
チルビフェノールのグリシジルエーテル化物等のエポキ
シ化合物を通常使用する。これらの化合物にシリカ等の
無機充填材を加えて封止材とするが、近年の技術動向と
して充填材の含有量を上げる検討がなされている。例え
ばシリカ系充填材の含量を増すことにより樹脂に由来す
る吸湿量を低減させ、かつシリコンチップと半導体パッ
ケージとの熱膨張率を近づけることで熱時の発生応力を
緩和する手法でパッケージクラックや剥離の発生を回避
する方策が有効とされてきている。
含量を極力増加させる手法が有効となるが、実際には上
限がある。例えば、理想的単一分散状態に近い単一球状
充填材を用いた場合、エポキシ樹脂封止材の場合では充
填材の含量をおよそ80重量%とした時に封止材の加熱
溶融時のフローは極端に短くなる。84重量%では事実
上流動性は無くなり、金型内の素子を封止することは不
可能となる。これを回避するため通常充填材は多成分系
のものが用いられる。しかしながらフィラーを高充填し
た場合には充填量を数%増加させるだけで実際のフロー
が半分以下に減少し実用不能となる場合がでる等の問題
があった。
性が優れ、低吸湿性、低熱膨張率の成形物を与える成形
用樹脂組成物を提供することである。
重ねた結果、特定配合の充填材を配合した樹脂組成物が
本発明の目的を達成することを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は以下の通りである。
1.5μm以下の球状粉末(x成分)と、平均粒径2μ
m以上15μm以下の球状粉末(y成分)と、平均粒径
が20μm以上70μm以下の球状粉末(z成分)から
なる充填材を含有してなり、x、y、z成分の体積の和
に占めるx、y、z成分の割合が、それぞれ10体積%
以上24体積%以下、0.1体積%以上36体積%以
下、57体積%以上76体積%以下であることを特徴と
する成形用樹脂組成物。
1.5μm以下の球状粉末(x成分)と、平均粒径2μ
m以上15μm以下の球状粉末(y成分)と、平均粒径
が20μm以上70μm以下の球状粉末(z成分)と、
破砕状粉末(m成分)からなる充填材を含有してなり、
x、y、z成分の体積の和に占めるx、y、z成分の割
合が、それぞれ10体積%以上24体積%以下、0.1
体積%以上36体積%以下、57体積%以上76体積%
以下であり、x、y、z、m成分の重量の和に占めるm
成分の割合が1重量%以上30重量%以下である成形用
樹脂組成物。
満であるエポキシ樹脂、フェノール系硬化剤、硬化促進
剤およびx、y、z、m成分からなるシリカ系充填材を
必須成分とし、該シリカ系充填材を全組成物に対し83
重量%以上94重量%以下含有してなり、EMMI−1
−66の規格に準じて175℃×70kg/ cm2 で測定し
たスパイラルフローが20インチ以上である上記(2)
記載の成形用樹脂組成物。
本発明で使用される球状粉末としては、例えばシリカ、
アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、珪
砂、珪石粉末、タルク、ホワイトカーボン、アエロジ
ル、ウォラストナイト、マイカ、クレー、ガラス球、金
属球等があり、熱膨張率および高純度の面から溶融シリ
カ粉末、結晶シリカ粉末、アルミナ粉末等からなる球状
粉末が好ましい。
ペクト比1.0〜1.2の実質的な球形であれば良い。
溶射法やゾル−ゲル法で作製された市販球状シリカ粉末
程度の球形度を持つものが好ましいが、これらより真球
に近い物はさらに好ましい。また、球形化処理が困難な
場合には微粉末化してからメカノケミカル的手法により
バインダを加えて球形化することによっても球状粉末が
得られる。
形体であれば良い。中でも合成あるいは天然の石英塊を
粉砕して得られる非晶性または結晶性の石英破砕状粉末
が適し、具体的には溶融破砕シリカ等が好適である。
の三群からなる。x、y、z成分の平均粒径はそれぞれ
0.1μm以上1.5μm以下、2μm以上15μm以
下、20μm以上70μm以下が好ましく、それぞれ
0.1μm以上1μm以下、2μm以上10μm以下、
20μm以上50μm以下であればなお好ましい。この
範囲を外れると樹脂組成物の流れ性が低下し、好ましく
ない。本発明で用いる各球状粉末の粒径分散は狭い方が
好ましく、さらには単一分散に近いものが適している。
このためx、y、z成分共に分級操作で粒径を揃える操
作を行ったものを使用することが好ましい。なお、本発
明での平均粒径とはレーザー散乱粒度分布計等の粒度分
布測定装置を用いて粒子径分布を測定した場合の、重量
累積50%の時の粒径値で定義される。
yとz成分の体積の和に対するx、y、z成分の体積の
割合として、それぞれ10体積%以上24体積%以下、
0.1体積%以上36体積%以下、57体積%以上76
体積%以下が良いが、さらには、それぞれ10体積%以
上20体積%以下、4体積%以上30体積%以下、60
体積%以上76体積%以下であればさらに好ましい。こ
の範囲の組成以外であると樹脂組成物の流れ性が低下
し、好ましくない。
z成分のそれぞれの重量を各成分の真比重で割った値を
それぞれの成分の体積として計算したものである。一般
に、粒子径分布を持つ粒子の見掛けの体積は、測定容器
への充填の仕方、異種の粒子の集合体を混合する場合に
はその混合の前後等で変化する。従って、本発明では粒
子集合体の各成分の体積%の計算に見掛けの体積を使わ
ない。
は平均粒径が1μm以上70μm以下、好ましくは1μ
m以上30μm以下のものが用いられる。破砕状粉末
(m成分)の配合比は球状粉末x、y、z成分および破
砕状粉末m成分の合計重量に対するm成分の重量の割合
が1重量%以上30重量%以下で規定される。配合量が
この範囲以下であると樹脂の種類、封止装置や金型の形
状によって発生するバリやフラッシュ(樹脂分のにじみ
出しによる樹脂薄膜)の低減効果に乏しく、この範囲を
超えると樹脂組成物の流れ性が低下する。
ておくことが好ましい。具体的には回転翼や空気を利用
するミキサーやコニーダー等の装置、容器を振動、震
盪、回転させる装置等を用いて混合することができる。
充填材が十分混合されているかどうかの判定には異なる
場所でのサンプルの粒度分布を測定し、それらが実質的
に同一であるかどうかを調べると良い。また、必要に応
じて充填材をカップリング剤や樹脂で予め処理して用い
ても良い。処理の方法としては溶媒を用いて混合した後
に溶媒を留去する方法や、直接充填材に配合し、混合機
を用いて処理する方法がある。本発明で使用される充填
材の使用量は、全組成物に対して、83重量%以上94
重量%以下が良く、88重量%以上94重量%以下がさ
らに好ましい。充填材の使用量がこの範囲未満であると
樹脂成分に由来する吸湿率、熱膨張係数の低減効果が薄
く、この範囲を超えると十分な流れ性が得られない。
または熱硬化性樹脂があげられる。特に充填材を高充填
する長所を活用できる半導体封止材用樹脂が適してお
り、中でも熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂が好適であ
る。エポキシ樹脂としては溶融粘度が150℃で1ポイ
ズ未満の公知のエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。エ
ポキシ樹脂の粘度が1ポイズ未満であると、十分な流れ
性を確保しつつ充填材を全組成物に対し90重量%以上
配合することができて好ましい。
と、フロログリシン、トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1,2,2,−テトラキス(4 −ヒドロキシフ
ェニル)エタン、1,3 −ビス〔ビス(4 −ヒドロキシフ
ェニル)メチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔ビス(4 −ヒ
ドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン等の三価以上のフ
ェノール類やカリクサレン等の環状フェノール類から誘
導されるグリシジルエーテル化合物、
イドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、
ビス(4 −ヒドロキシフェニル)メンタン、ビス(4 −
ヒドロキシフェニル)ジシクロペンタン、4,4'−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、ビス(4 −ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(4 −ヒドロキシ−3 −メチルフェ
ニル)エーテル、ビス(3,5 −ジメチル−4 −ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4 −ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4 −ヒドロキシ−3 −メチルフ
ェニル)スルフィド、ビス(3,5 −ジメチル−4 −ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス(4 −ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、ビス(4 −ヒドロキシ−3 −メチル
フェニル)スルホン、ビス(3,5 −ジメチル−4 −ヒド
ロキシフェニル)スルホン、1,1 −ビス(4 −ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,1 −ビス(4 −ヒドロ
キシ−3 −メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1 −ビ
ス(3,5 −ジメチル−4 −ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジヒ
ドロキシ−3,3',5,5' −テトラメチルビフェニル、ビス
(ヒドロキシナフチル)メタン、1,1'−ビナフトール、
1,1'−ビス(3 −t −ブチル−6 −メチル−4 −ヒドロ
キシフェニル)ブタン等の二価フェノール類から誘導さ
れるグリシジルエーテル化合物またはテトラブロムビス
フェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導
されるジグリシジルエーテル化合物、フェノール類と芳
香族カルボニル化合物との縮合反応により得られる多価
フェノールのグリシジルエーテル化合物、
ール、4 −アミノメタクレゾール、6 −アミノメタクレ
ゾール、4,4' −ジアミノジフェニルメタン、3,3' −ジア
ミノジフェニルメタン、4,4' −ジアミノジフェニルエー
テル、3,4'- ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス
(4 −アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4 −ビス(3 −
アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3 −ビス(4 −アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,3 −ビス(3 −アミノフェノ
キシ)ベンゼン、2,2 −ビス(4 −アミノフェノキシフ
ェニル)プロパン、p−フェニレンジアミン、m−フェ
ニレンジアミン、2,4 −トルエンジアミン、2,6 −トル
エンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、1,4 −シクロヘキサンビス(メチルアミ
ン)、1,3 −シクロヘキサンビス(メチルアミン)等か
ら誘導されるアミン系エポキシ樹脂、
酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸
から誘導されるグリシジルエステル系化合物、5,5 −ジ
メチルヒダントイン等から誘導されるヒダントイン系エ
ポキシ化合物、2,2 −ビス(3,4 −エポキシシクロヘキ
シル)プロパン、2,2 −ビス〔4 −(2,3 −エポキシプ
ロピル)シクロヘキシル〕プロパン、ビニルシクロヘキ
センジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル−3,4 −エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等
の脂環式エポキシ樹脂、ポリブタジエン等の不飽和炭化
水素化合物中の二重結合を酸化して得られる脂肪族エポ
キシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン等があり、こ
れらのエポキシ樹脂の一種または二種以上が使用され
る。中でも、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4 −ヒド
ロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5 −ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1 −ビス(4 −
ヒドロキシ−3 −メチルフェニル)シクロヘキサン、4,
4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジヒドロキシ−3,
3',5,5' −テトラメチルビフェニル、ビス(4 −ヒドロ
キシフェニル)メンタン、ビス(4 −ヒドロキシフェニ
ル)ジシクロペンタンのジグリシジルエーテル化合物が
粘度、接着性、低吸湿性の点から好ましい。
以外の樹脂の例としては、次の様なものがあげられる。
熱硬化性樹脂として、アクリル酸基、メタクリル酸基、
ビニルベンジル基等の不飽和結合を有する樹脂類、イソ
シアネート基を有する樹脂類、ベンゾシクロブテンと不
飽和結合との組合わせ等、Diels-Alder 反応を利用する
樹脂類、白金触媒存在下、ケイ化水素含有シロキサン類
と不飽和結合との反応を利用する樹脂類等があげられ
る。
ル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン等の耐熱性樹脂があげられる。
は公知のものが使用できる。これらを例示すると、フェ
ノール、o−クレゾール、カテコール等のフェノール類
やヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタレン等の
ナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類との
反応生成物であるポリフェノール系やポリナフトール系
ノボラック樹脂類、フェノール、o−クレゾール、カテ
コール等のフェノール類やヒドロキシナフタレン、ジヒ
ドロキシナフタレン等のナフトール類とキシリレンジク
ロリド等類との反応生成物であるポリアラルキルフェノ
ール樹脂類やポリアラルキルナフトール樹脂類、フェノ
ール、o−クレゾール、カテコール等のフェノール類や
ヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタレン等のナ
フトール類と、ジシクロペンタジエンやリモネン等の不
飽和脂環式炭化水素類との反応生成物である脂環式炭化
水素含有ポリフェノール樹脂類やポリナフトール樹脂
類、
シフェニル)−メタン、1,1,2,2,−テトラキス(4 −ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,3 −ビス〔ビス(4 −ヒ
ドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、1,4 −ビス〔ビ
ス(4 −ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン等を基
本骨格とする三価以上のフェノール類やカリクサレン等
の環状フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシナフ
タレン、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(4 −ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4 −ヒド
ロキシフェニル)ブタン、ビス(4 −ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,3,3 −トリメチル−1 −m−ヒドロキシフェニル
インダン−5 または7 −オール、ビス(4 −ヒドロキシ
フェニル)メンタン、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)
ジシクロペンタン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4 −ヒドロキシ−3 −メチルフェニル)エーテル、ビ
ス(3,5 −ジメチル−4 −ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(4 −ヒドロキシ−3 −メチルフェニル)スルフィド、
ビス(3,5 −ジメチル−4 −ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(4 −ヒドロキシ−3 −メチルフェニル)スルホン、
ビス(3,5 −ジメチル−4 −ヒドロキシフェニル)スル
ホン、1,1 −ビス(4 −ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1 −ビス(4 −ヒドロキシ−3 −メチルフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1 −ビス(3,5 −ジメチル−
4 −ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4'−ジヒ
ドロキシビフェニル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3',5,5'
−テトラメチルビフェニル、ビス(ヒドロキシナフチ
ル)メタン、1,1'−ビナフトール、1,1'−ビス(3 −t
−ブチル−6 −メチル−4 −ヒドロキシフェニル)ブタ
ン等の二価フェノール類またはテトラブロムビスフェノ
ールA等のハロゲン化ビスフェノール類、
の縮合反応により得られる多価フェノール、マレイン
酸、フタル酸、ナジク酸、メチル−テトラヒドロフタル
酸、メチルナジク酸等のポリカルボン酸およびその無水
物、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン、ジアミノジフェニルエーテル、フェニレンジア
ミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、キシリレンジ
アミン、トルエンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、
ジクロロ−ジアミノジフェニルメタン(それぞれ異性体
を含む)、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
等のポリアミン化合物、さらにはジシアンジアミド、テ
トラメチルグアニジン等、エポキシ基と反応可能な活性
水素含有化合物が例示できる。なかでも、フェノール系
ノボラック樹脂、ナフトール系ノボラック樹脂、フェノ
ール系アラルキル樹脂、ナフトール系アラルキル樹脂、
脂環式炭化水素含有ポリフェノール樹脂、脂環式炭化水
素含有ポリナフトール樹脂が硬化性及び耐湿性の点から
好ましく用いられる。
ポキシ樹脂に対するエポキシ硬化剤の配合割合は、0.
7〜1.2当量が良く、さらには等量配合が好ましい。
これらの配合が等量配合から極端にずれると、耐湿性、
硬化性等が低下するので好ましくない。
法について述べると、硬化促進剤を用いることにより容
易に短時間で硬化せしめることが可能となる。特に封止
材に用いる場合は必須である。このような触媒について
例示すると、トリフェニルホスフィン、トリ−4−メチ
ルフェニルホスフィン、トリ−4−メトキシフェニルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフ
ィン、トリ−2−シアノエチルホスフィンなどの有機ホ
スフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフ
ェニルボレート等の有機ホスホニウム塩、トリブチルア
ミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、トリアミルアミン等の
三級アミン、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、水
酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルアン
モニウムテトラフェニルボレート等の4級アンモニウム
塩、イミダゾール類、三弗化ホウ素錯体、遷移金属アセ
チルアセトナート、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−
ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、アセチルパーオキシド、メチルエチル
ケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、
t−ブチルハイドロパーオキシド、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のラジカル開始剤が例示されるが、これらに
限定されるものではない。これらの中でも、有機ホスフ
ィン化合物、イミダゾール類およびこれらの塩(具体的
には、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレ
ート、4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート
等)あるいはトリエチルアンモニウムテトラフェニルボ
レートが特に好ましい。
重量部に対して0.1〜10重量部が使用され、さらに
好ましくは0.5〜3重量部が使用される。使用量がこ
の範囲未満では短時間での成形が困難となり、成形物の
単位時間当たりの生産性が低下する。また、この範囲を
超えると高温での硬化性が必要以上に大きくなり、操作
性が難しくなったり、コンパウンドの保存安定性が低下
する等の問題点が生じる。
重合禁止剤を併用することも可能である。例示すると、
2,6−ジ−t−ブチル−4 −メチルフェノール、2,2'−
メチレンビス(4 −エチル−6 −t−ブチルフェノー
ル)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、4,4'−チオビス(3 −メチル−6 −t−ブチ
ルフェノール)、ハイドロキノンモノメチルエーテル等
のフェノール類、ハイドロキノン、カテコール、p−t
−ブチルカテコール、2,5 −ジ−t−ブチルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、ピロガロール等の多価フェノール、フェノチアジ
ン、ベンゾフェノチアジン、アセトアミドフェノチアジ
ン等のフェノチアジン系化合物、N−ニトロソジフェニ
ルアミン、N−ニトロソジメチルアミン等のN−ニトロ
ソアミン系化合物がある。
に応じて天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及び
その金属塩類、若しくはパラフィン等の離型剤あるいは
カーボンブラックのような着色剤、さらに、シランカッ
プリング剤等の表面処理剤等を添加してもよい。また難
燃化のために三酸化アンチモン、リン化合物、ブロム化
エポキシ樹脂等の難燃剤を加えてもよい。難燃効果を出
すためにはブロム化エポキシ樹脂が特に好ましい。
ストマーを添加またはあらかじめ反応して用いてもよ
い。具体的には、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体、シリコーンゴム、シリコーンオイ
ル等の添加型あるいは反応型のエラストマーが挙げられ
る。
ルあるいはコニーダー等の一般の混練機により、溶融混
合することによりコンパウンド化が可能である。
等、電子部品を封止するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の従来から公知の成形法により硬化成形すればよ
い。
標としてスパイラルフローが挙げられる。スパイラルフ
ローが20インチ以上との意味はEMMI−1−66の
規格に準じて175℃×70kg/ cm2 の条件で測定を行
った時、成形用樹脂組成物の硬化物の先端が20インチ
以上の点まで到達していることを意味する(EMMIは
Epoxy Molding Materials Instituteの略。米国プラス
チック工業協会規格。)。この値が20インチより小さ
くなると汎用的に使われているトランスファーモールド
法では金型内への組成物の未充填や一回当たりのコンパ
ウンド使用量を過剰に用いて高圧で成形を行わなければ
製品が得られない等の問題が生じる。また、この値が小
さいと1ショット当たりに成形できる金型内の製品個数
が少なくなる。これは単位時間当たりの生産性が低下す
ることにつながり、工業的に不利となる。スパイラルフ
ローの値が大きいと1ショット当たりの製品個数が多く
なるばかりでなく、粘度上昇を招くことから通常では使
用出来なかった高性能化のための樹脂成分や改質剤の使
用が可能となる等、処方応用の範囲が広がることを意味
する。この様に成形用樹脂組成物において十分なスパイ
ラルフローが確保できることは実使用上大きな利点が得
られることを意味する。
れに限定されるものではない。 参考例1〜20 表1に示す平均粒径等の物性を持つ球状シリカおよび破
砕状溶融シリカを用いて、表2および表3に示す体積%
で配合後、十分混合して参考例1〜20の充填材を得
た。なお、表1の平均粒径については、レーザー散乱粒
度分布計(Malvern 社製、Master Sizer MS-20を使
用。)を用いて粒度分布を測定した時の重量累積50%
の粒径値をもって平均粒径とした。
ラメチルビフェニルのグリシジルエーテル化物(溶融粘
度0.1ポイズ/150℃、住友化学工業社製)、硬化
剤としてフェノールノボラック(商品名タマノール759
、荒川化学社製)、硬化促進剤としてトリフェニルホ
スフィン、離型剤としてカルナバワックス、カップリン
グ剤(商品名SH-6040 、東レダウコーニングシリコーン
社製)と参考例1〜20の充填材をそれぞれ表4、表5
に示した量(g )で配合し、ロールで加熱混練し、プレ
ス成形を行った。さらに、180 ℃オーブン中で5 時間ポ
ストキュアーを行い、硬化成形物を得た。この硬化成形
物のガラス転移温度、吸水率、曲げ強度、成形性を測定
した。成形性については成形品のバリや表面の荒れ等の
製品外観を○、△、×の三段階で表示した。○は実用上
問題のないレベル、△は使用可能であるが○には劣るレ
ベル、×は実用できないレベルであることを示す。これ
らの結果を表4、表5に示す。
る。 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66の規格に準じ
て175 ℃×70kg/ cm2 の条件で行った(単位はinch)。 ・ガラス転移温度(Tg)、熱膨張率:熱機械的分析装
置(SHIMADZU DT-30 )を用いて測定した。
トロン万能材料試験機(SHIMADZU IS-10T )で測定し
た。 ・吸水率:恒温恒湿糟(TABAI PR-2)を用い、85℃/
85% RHの条件で模擬素子を封止したパッケージの重量変
化を測定した。 ・クラック性試験:模擬素子を実装したパッケージ8個
を用いて、85℃/85%RH×72時間の条件で吸水させてか
ら直ちに240 ℃のハンダ浴に30秒間浸し、パッケージク
ラックの発生の有無を調べた。
れ性を示し、充填材が高充填されていることから、硬化
物の樹脂に起因する吸湿性や熱膨張率の高さが低減され
ている。本発明の成形用樹脂組成物は特に半導体封止材
に適しているが、その他、充填材の高充填化が必要とさ
れる用途にも広く適用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 樹脂中に、平均粒径0.1μm以上1.5
μm以下の球状粉末(x成分)と、平均粒径2μm以上
15μm以下の球状粉末(y成分)と、平均粒径が20
μm以上70μm以下の球状粉末(z成分)と、破砕状
粉末(m成分)からなる充填材を含有してなり、x、
y、z成分の体積の和に占めるx、y、z成分の割合
が、それぞれ10体積%以上24体積%以下、0.1体
積%以上36体積%以下、57体積%以上76体積%以
下であり、x、y、z、m成分の重量の和に占めるm成
分の割合が1重量%以上30重量%以下であって、x、
y、z成分の割合の総和が100体積%である成形用樹脂
組成物。 - 【請求項2】 球状粉末x、y、z成分がそれぞれ球状シ
リカからなり、破砕状シリカ粉末m成分の平均粒径が1
μm以上30μm以下である請求項1記載の成形用樹脂
組成物。 - 【請求項3】 150℃での溶融粘度が1ポイズ未満であ
るエポキシ樹脂、フェノール系硬化剤、硬化促進剤およ
びx、y、z、m成分からなるシリカ系充填材を必須成
分とし、該充填材を全組成物に対し83重量%以上94
重量%以下含有してなり、EMMI−1−66の規格に
準じて175℃×70kg/ cm2 で測定したスパイラルフ
ローが20インチ以上である請求項1または2記載の成
形用樹脂組成物。
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