JP3334302B2 - 遊星ギヤ減速機構を有するスタータの製造方法 - Google Patents
遊星ギヤ減速機構を有するスタータの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関を始動するた
めの遊星ギヤ減速機構を有するスタ−タ及びその製造方
法に関する。
めの遊星ギヤ減速機構を有するスタ−タ及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の遊星ギヤ減速機構を有するスター
タにおいて、遊星ギヤ減速機構の遊星ギヤ軸と遊星ギヤ
軸支持体との結合は、実開昭59ー121474号公
報、実開平1ー69183号公報、実開平4ー3226
8号公報、日本電装公開公報72ー055号に示される
ように、予めドライブシャフトと一体に成形された遊星
ギヤ軸支持体に遊星ギヤ軸嵌入孔を穿設し、ピン(ロー
ラ)等で構成される遊星ギヤ軸をこの嵌入孔に圧入など
の方法を採用している。
タにおいて、遊星ギヤ減速機構の遊星ギヤ軸と遊星ギヤ
軸支持体との結合は、実開昭59ー121474号公
報、実開平1ー69183号公報、実開平4ー3226
8号公報、日本電装公開公報72ー055号に示される
ように、予めドライブシャフトと一体に成形された遊星
ギヤ軸支持体に遊星ギヤ軸嵌入孔を穿設し、ピン(ロー
ラ)等で構成される遊星ギヤ軸をこの嵌入孔に圧入など
の方法を採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
方法によると、実開平4ー32268号公報が開示する
ように、遊星ギヤ軸と遊星ギヤ軸支持体の結合強度を得
るために遊星ギヤ軸支持体の巾を厚くする必要があっ
た。しかしながらこのように遊星ギヤ軸支持体を厚肉化
することは、遊星ギヤ軸支持体の径が大きいことも含め
てドライブシャフトの慣性質量の増大を招き、その結
果、ピニオンギヤの回転中における再噛合時に過大な衝
撃が発生して、ピニオンギヤやリングギヤの歯先が破損
するという問題があった。
方法によると、実開平4ー32268号公報が開示する
ように、遊星ギヤ軸と遊星ギヤ軸支持体の結合強度を得
るために遊星ギヤ軸支持体の巾を厚くする必要があっ
た。しかしながらこのように遊星ギヤ軸支持体を厚肉化
することは、遊星ギヤ軸支持体の径が大きいことも含め
てドライブシャフトの慣性質量の増大を招き、その結
果、ピニオンギヤの回転中における再噛合時に過大な衝
撃が発生して、ピニオンギヤやリングギヤの歯先が破損
するという問題があった。
【0004】なお、上記した遊星ギヤ軸支持体の厚肉化
の代わりに遊星ギヤ軸支持体の熱処理加工により上記結
合強度を増大することも実施しているが、それでも遊星
ギヤ軸支持体の相当な厚肉化が必要であった。また、ド
ライブシャフトと遊星ギヤ軸支持体(以下、支持体とす
る)を一体成形するには、従来、鍛造によりドライブシ
ャフトを押し拡げて支持体を形成しているものの、ドラ
イブシャフトの径に対して支持体の径が大きいので、多
段階の鍛造処理を行わねばならず、工程が複雑であると
いう問題もあった。
の代わりに遊星ギヤ軸支持体の熱処理加工により上記結
合強度を増大することも実施しているが、それでも遊星
ギヤ軸支持体の相当な厚肉化が必要であった。また、ド
ライブシャフトと遊星ギヤ軸支持体(以下、支持体とす
る)を一体成形するには、従来、鍛造によりドライブシ
ャフトを押し拡げて支持体を形成しているものの、ドラ
イブシャフトの径に対して支持体の径が大きいので、多
段階の鍛造処理を行わねばならず、工程が複雑であると
いう問題もあった。
【0005】更に、遊星ギヤ軸を支持体に圧入する場
合、複数(例えば3個)の遊星ギヤ軸に合せ、支持体に
対し穴明け加工、バリ防止加工及び圧入工程が必要であ
り、工程が複雑であるという問題もあった。本発明は、
上記問題点に鑑みなされたものであり、遊星ギヤ軸支持
体の格段の重量低減が可能な遊星ギヤ減速機構を有する
スタータを提供することを、その第1の目的としてい
る。
合、複数(例えば3個)の遊星ギヤ軸に合せ、支持体に
対し穴明け加工、バリ防止加工及び圧入工程が必要であ
り、工程が複雑であるという問題もあった。本発明は、
上記問題点に鑑みなされたものであり、遊星ギヤ軸支持
体の格段の重量低減が可能な遊星ギヤ減速機構を有する
スタータを提供することを、その第1の目的としてい
る。
【0006】また、本発明は、遊星ギヤ軸支持体及び遊
星ギヤ軸の製造が簡単な遊星ギヤ減速機構を有するスタ
ータの製造方法を提供することを、その第2の目的とし
ている。
星ギヤ軸の製造が簡単な遊星ギヤ減速機構を有するスタ
ータの製造方法を提供することを、その第2の目的とし
ている。
【0007】
【0008】 本発明の遊星ギヤ減速機構を有するスター
タの製造方法は、スタ−タモ−タのア−マチャシャフト
の一端部外周に形成されたサンギヤと、前記ア−マチャ
シャフトと同一軸心に沿ってハウジングに回転自在に支
持されるとともに一端部が前記アーマチャシャフトの一
端部に近接して配設されるドライブシャフトと、前記ド
ライブシャフトに相対回転自在かつ軸方向へ摺動自在に
嵌着されるピニオンギヤと、前記ドライブシャフトと平
行に前記サンギヤ側へ突設される遊星ギヤ軸を有すると
ともに前記ドライブシャフトの一端部に嵌着、固定され
る遊星ギヤ軸支持体と、前記遊星ギヤ軸に回転自在に支
持されて前記サンギヤと噛合する遊星ギヤと、前記ハウ
ジングに固定又は摩擦結合されるとともに前記遊星ギヤ
と噛合するインタ−ナルギヤとを備える遊星ギヤ減速機
構を有するスタータの製造方法において、原材料として
の金属板をプレス成形して、前記遊星ギヤ軸支持体用の
第一の金属板部分並びに前記第一の金属板部分から所定
の一方向に延在する前記遊星ギヤ軸用の第二の金属板部
分を前記金属板から切り取るとともに前記第二の金属板
部分の基端部を折り曲げることにより前記遊星ギヤ軸支
持体に対して直角に屈曲して断面角形に作製した前記遊
星ギヤ軸を前記遊星ギヤが回転自在に嵌着される軸受け
ブッシュの角穴に嵌入することを特徴としている。
タの製造方法は、スタ−タモ−タのア−マチャシャフト
の一端部外周に形成されたサンギヤと、前記ア−マチャ
シャフトと同一軸心に沿ってハウジングに回転自在に支
持されるとともに一端部が前記アーマチャシャフトの一
端部に近接して配設されるドライブシャフトと、前記ド
ライブシャフトに相対回転自在かつ軸方向へ摺動自在に
嵌着されるピニオンギヤと、前記ドライブシャフトと平
行に前記サンギヤ側へ突設される遊星ギヤ軸を有すると
ともに前記ドライブシャフトの一端部に嵌着、固定され
る遊星ギヤ軸支持体と、前記遊星ギヤ軸に回転自在に支
持されて前記サンギヤと噛合する遊星ギヤと、前記ハウ
ジングに固定又は摩擦結合されるとともに前記遊星ギヤ
と噛合するインタ−ナルギヤとを備える遊星ギヤ減速機
構を有するスタータの製造方法において、原材料として
の金属板をプレス成形して、前記遊星ギヤ軸支持体用の
第一の金属板部分並びに前記第一の金属板部分から所定
の一方向に延在する前記遊星ギヤ軸用の第二の金属板部
分を前記金属板から切り取るとともに前記第二の金属板
部分の基端部を折り曲げることにより前記遊星ギヤ軸支
持体に対して直角に屈曲して断面角形に作製した前記遊
星ギヤ軸を前記遊星ギヤが回転自在に嵌着される軸受け
ブッシュの角穴に嵌入することを特徴としている。
【0009】好適な態様において、前記第二の金属板部
分は、前記第一の金属板部分の外周端から前記第一の金
属板の面方向に平行な前記一方向に延在するように原材
料としての前記金属板から切り取られる。
分は、前記第一の金属板部分の外周端から前記第一の金
属板の面方向に平行な前記一方向に延在するように原材
料としての前記金属板から切り取られる。
【0010】
【作用及び発明の効果】本発明のスタータの製造方法に
おいて、遊星ギヤ軸は遊星ギヤ軸支持体と一体形成され
ており、遊星ギヤ軸支持体はドライブシャフトに嵌着、
固定される。このようにすれば、以下の作用効果を奏す
る。まず、遊星ギヤ軸支持体の格段の重量低減が可能と
なるので、ドライブシャフトの慣性質量の低減が実現で
き、ピニオンギヤ回転中における再噛合時のピニオンギ
ヤ又はリングギヤの歯先破損を防止することができる。
おいて、遊星ギヤ軸は遊星ギヤ軸支持体と一体形成され
ており、遊星ギヤ軸支持体はドライブシャフトに嵌着、
固定される。このようにすれば、以下の作用効果を奏す
る。まず、遊星ギヤ軸支持体の格段の重量低減が可能と
なるので、ドライブシャフトの慣性質量の低減が実現で
き、ピニオンギヤ回転中における再噛合時のピニオンギ
ヤ又はリングギヤの歯先破損を防止することができる。
【0011】また、遊星ギヤ軸支持体が薄肉であるの
で、その弾性変形を増大することができ、この結果、遊
星ギヤ軸支持体の弾性変形を利用してピニオン噛合時の
衝撃を減ずることもできる。更に、本発明のスタータの
製造方法において、遊星ギヤ軸支持体及び遊星ギヤ軸
は、金属板からのプレス加工により成形される。このよ
うにすれば、遊星ギヤ軸支持体及び遊星ギヤ軸の製造が
従来より格段に簡単となる。
で、その弾性変形を増大することができ、この結果、遊
星ギヤ軸支持体の弾性変形を利用してピニオン噛合時の
衝撃を減ずることもできる。更に、本発明のスタータの
製造方法において、遊星ギヤ軸支持体及び遊星ギヤ軸
は、金属板からのプレス加工により成形される。このよ
うにすれば、遊星ギヤ軸支持体及び遊星ギヤ軸の製造が
従来より格段に簡単となる。
【0012】すなわち、従来必要であったドライブシャ
フトの多段階の鍛造が不要となり、支持体の穴明けや遊
星ギヤ軸の製造及び圧入などの加工も不要となる。更
に、本発明の遊星ギヤ軸支持体一体型の遊星ギヤ軸製造
方法では、遊星ギヤ支承用の軸受けブッシュに角穴を設
けて遊星ギヤ軸の角形形状に適合させているので、遊星
ギヤを断面角形の遊星ギヤ軸より相対回転可能に支承す
ることができる。また、好適な態様において、第二の金
属板部分は、前記第一の金属板部分の外周端から前記第
一の金属板の面方向に平行な前記一方向に延在するよう
に原材料としての前記金属板から切り取られる。
フトの多段階の鍛造が不要となり、支持体の穴明けや遊
星ギヤ軸の製造及び圧入などの加工も不要となる。更
に、本発明の遊星ギヤ軸支持体一体型の遊星ギヤ軸製造
方法では、遊星ギヤ支承用の軸受けブッシュに角穴を設
けて遊星ギヤ軸の角形形状に適合させているので、遊星
ギヤを断面角形の遊星ギヤ軸より相対回転可能に支承す
ることができる。また、好適な態様において、第二の金
属板部分は、前記第一の金属板部分の外周端から前記第
一の金属板の面方向に平行な前記一方向に延在するよう
に原材料としての前記金属板から切り取られる。
【0013】
(実施例1)本発明の遊星ギヤ減速機構を有するスタ−
タの一実施例を図1に示す。ハウジング1の右端にはセ
ンターケース5を介してスタ−タモ−タ2が不図示のス
ルーボルトにより締結されており、スタ−タモ−タ2の
図中、上方に隣接してマグネットスイッチ3がハウジン
グ(本発明でいうハウジング)1に締結されている。
タの一実施例を図1に示す。ハウジング1の右端にはセ
ンターケース5を介してスタ−タモ−タ2が不図示のス
ルーボルトにより締結されており、スタ−タモ−タ2の
図中、上方に隣接してマグネットスイッチ3がハウジン
グ(本発明でいうハウジング)1に締結されている。
【0014】スタ−タモ−タ2のア−マチャシャフト2
1の右端部はスタ−タモ−タ2の図示省略したエンドブ
ラケットにより軸支されている。22はスタ−タモ−タ
2のヨ−クを兼ねるケースである。アーマチャシャフト
(スタ−タモ−タ1の回転軸)21の左端部は、外周に
サンギヤ80が形成された径大部21bと、径大部21
bから更に突出する径小部21aとからなる。径小部2
1aはドライブシャフト4の右端凹部内に嵌入され、ド
ライブシャフト4により円筒軸受けを介して相対回転自
在に支持されている。
1の右端部はスタ−タモ−タ2の図示省略したエンドブ
ラケットにより軸支されている。22はスタ−タモ−タ
2のヨ−クを兼ねるケースである。アーマチャシャフト
(スタ−タモ−タ1の回転軸)21の左端部は、外周に
サンギヤ80が形成された径大部21bと、径大部21
bから更に突出する径小部21aとからなる。径小部2
1aはドライブシャフト4の右端凹部内に嵌入され、ド
ライブシャフト4により円筒軸受けを介して相対回転自
在に支持されている。
【0015】ドライブシャフト4は、ア−マチャシャフ
ト21と同一軸心に沿って図中、左方に延設されてお
り、その左端部は軸受け(図示せず)を介してハウジン
グ1に、その右端部は軸受け41を介してセンターケー
ス(本発明でいうハウジング)5に支持されている。ド
ライブシャフト4の中央部外周にはヘリカルスプライン
溝42が形成されており、このヘリカルスプライン溝4
2に一方向クラッチ6のスプライン筒部61がヘリカル
スプライン結合している。一方向クラッチ46は、図示
しないもののその外周側部材であるクラッチアウタと内
周側部材であるクラッチインナとを備え、クラッチアウ
タの内周面にはクラッチローラ及びクラッチスプリング
が収容されるローラ室が凹設されている。スプライン筒
部61はクラッチアウタ及びクラッチインナのどちらか
と一体に形成され、その他方はピニオンギヤ7と一体に
形成されている。そして、一方向クラッチ4及びピニオ
ンギヤ7はドライブシャフト4に相対回転自在かつ軸方
向へ摺動自在に嵌着されている。
ト21と同一軸心に沿って図中、左方に延設されてお
り、その左端部は軸受け(図示せず)を介してハウジン
グ1に、その右端部は軸受け41を介してセンターケー
ス(本発明でいうハウジング)5に支持されている。ド
ライブシャフト4の中央部外周にはヘリカルスプライン
溝42が形成されており、このヘリカルスプライン溝4
2に一方向クラッチ6のスプライン筒部61がヘリカル
スプライン結合している。一方向クラッチ46は、図示
しないもののその外周側部材であるクラッチアウタと内
周側部材であるクラッチインナとを備え、クラッチアウ
タの内周面にはクラッチローラ及びクラッチスプリング
が収容されるローラ室が凹設されている。スプライン筒
部61はクラッチアウタ及びクラッチインナのどちらか
と一体に形成され、その他方はピニオンギヤ7と一体に
形成されている。そして、一方向クラッチ4及びピニオ
ンギヤ7はドライブシャフト4に相対回転自在かつ軸方
向へ摺動自在に嵌着されている。
【0016】ハウジング1に支持される揺動支持ピン1
1にはシフトレバ−31が枢支されており、シフトレバ
−31の一端はスプライン筒部61の外周に係合して、
一方向クラッチ4及びピニオンギヤ7を軸方向へ進退さ
せる。シフトレバ−31の他端はマグネットスイッチ3
のプランジャから伸びるプランジャシャフト32に係合
して、プランジャシャフト32により揺動する。
1にはシフトレバ−31が枢支されており、シフトレバ
−31の一端はスプライン筒部61の外周に係合して、
一方向クラッチ4及びピニオンギヤ7を軸方向へ進退さ
せる。シフトレバ−31の他端はマグネットスイッチ3
のプランジャから伸びるプランジャシャフト32に係合
して、プランジャシャフト32により揺動する。
【0017】次に、遊星ギヤ減速機構8を説明する。遊
星ギヤ減速機構8は、サンギヤ80、遊星ギヤ83、イ
ンタ−ナルギヤ85からなる。ドライブシャフト4の右
端には、板状の遊星ギヤ軸支持体81が設けられてお
り、遊星ギヤ軸支持体81の後端面からドライブシャフ
ト4と平行に突出する複数の遊星ギヤ軸82には軸受け
ブッシュ84を介してそれぞれ遊星ギヤ83が回転自在
に嵌着されている。
星ギヤ減速機構8は、サンギヤ80、遊星ギヤ83、イ
ンタ−ナルギヤ85からなる。ドライブシャフト4の右
端には、板状の遊星ギヤ軸支持体81が設けられてお
り、遊星ギヤ軸支持体81の後端面からドライブシャフ
ト4と平行に突出する複数の遊星ギヤ軸82には軸受け
ブッシュ84を介してそれぞれ遊星ギヤ83が回転自在
に嵌着されている。
【0018】これら遊星ギヤ83は、その径小側にてサ
ンギヤ80と噛合し、その径大側にてセンターケース5
の後端部の内周面に形成されたインタ−ナルギヤ85の
内歯と噛合している。センターケース5は後端開口の底
付円筒形状を有しており、遊星ギヤ減速機構8を収容す
るギヤ室を有している。センターケース5の後端開口は
隔壁板50によりモータ2から遮蔽されている。
ンギヤ80と噛合し、その径大側にてセンターケース5
の後端部の内周面に形成されたインタ−ナルギヤ85の
内歯と噛合している。センターケース5は後端開口の底
付円筒形状を有しており、遊星ギヤ減速機構8を収容す
るギヤ室を有している。センターケース5の後端開口は
隔壁板50によりモータ2から遮蔽されている。
【0019】次に、本実施例の特徴をなす遊星ギヤ軸支
持体81及び遊星ギヤ軸82の拡大側面断面図である図
2及び前方矢視拡大正面図である図3を参照して説明す
る。遊星ギヤ軸支持体(以下支持体ともいう)81は、
図3(a),(b)に示すように、低炭素鋼を素材とす
る厚さ約4mmの板材からプレス成形にて成形され、外
周部1ケ所又は複数ケ所(図では3ケ所)をプレス成形
により折り曲げて、遊星ギヤ軸82を製作している。し
たがてこの実施例では、遊星ギヤ軸82の径方向断面は
図2に示すように角形となっている。この実施例では遊
星ギヤ軸82の長さは8mm、支持体81の径dは44
mmである。
持体81及び遊星ギヤ軸82の拡大側面断面図である図
2及び前方矢視拡大正面図である図3を参照して説明す
る。遊星ギヤ軸支持体(以下支持体ともいう)81は、
図3(a),(b)に示すように、低炭素鋼を素材とす
る厚さ約4mmの板材からプレス成形にて成形され、外
周部1ケ所又は複数ケ所(図では3ケ所)をプレス成形
により折り曲げて、遊星ギヤ軸82を製作している。し
たがてこの実施例では、遊星ギヤ軸82の径方向断面は
図2に示すように角形となっている。この実施例では遊
星ギヤ軸82の長さは8mm、支持体81の径dは44
mmである。
【0020】一方、ドライブシャフト4の右端部には径
小部45が形成されており、この径小部45は支持体8
1の中央孔81aに圧入されている。なお、支持体81
とドライブシャフト4との接合強度を向上するために、
溶接、圧入・溶接、ロー付等の接合方法を採用すること
もできる。また、ドライブシャフト4の径小部45及び
支持体81の中央孔81aを角形化したり、軸方向条溝
及びそれに嵌合する突条を形成してもよい。
小部45が形成されており、この径小部45は支持体8
1の中央孔81aに圧入されている。なお、支持体81
とドライブシャフト4との接合強度を向上するために、
溶接、圧入・溶接、ロー付等の接合方法を採用すること
もできる。また、ドライブシャフト4の径小部45及び
支持体81の中央孔81aを角形化したり、軸方向条溝
及びそれに嵌合する突条を形成してもよい。
【0021】したがって、オイルレスブッシュからなる
軸受けブッシュ84の中央孔も嵌着される角形の遊星ギ
ヤ軸形状に合わせて角形に形成されて遊星ギヤ軸82に
嵌着されている。上述の遊星ギヤ軸支持体の材質、寸法
は一例を示したもので、その設計変更は自由である。
軸受けブッシュ84の中央孔も嵌着される角形の遊星ギ
ヤ軸形状に合わせて角形に形成されて遊星ギヤ軸82に
嵌着されている。上述の遊星ギヤ軸支持体の材質、寸法
は一例を示したもので、その設計変更は自由である。
【0022】次に、上記装置の作動を説明する。マグネ
ットスイッチ3を起動すると、レバ−31が揺動し、レ
バ−31が一方向性クラッチ6及びピニオンギヤ7を前
進させる。ピニオンギヤ7がリングギヤ9に衝接する直
前にマグネットスイッチ3の接点が閉じ、スタ−タモ−
タ2に電流が流れ、スタータモータ2が起動される。
ットスイッチ3を起動すると、レバ−31が揺動し、レ
バ−31が一方向性クラッチ6及びピニオンギヤ7を前
進させる。ピニオンギヤ7がリングギヤ9に衝接する直
前にマグネットスイッチ3の接点が閉じ、スタ−タモ−
タ2に電流が流れ、スタータモータ2が起動される。
【0023】アーマチャシャフト21の回転トルクは、
サンギヤ80を介して遊星ギヤ83、ドライブシャフト
4、スプライン筒部61、一方向性クラッチ6、ピニオ
ンギヤ7、リングギヤ9を通じて内燃機関(図示せず)
に減速して伝達される。なお、ドライブシャフト4の回
転によりスプライン筒部61はヘリカルスプライン溝4
2から前進スラストを受け、一方向性クラッチ6及びピ
ニオンギヤ7の前進を促進する。
サンギヤ80を介して遊星ギヤ83、ドライブシャフト
4、スプライン筒部61、一方向性クラッチ6、ピニオ
ンギヤ7、リングギヤ9を通じて内燃機関(図示せず)
に減速して伝達される。なお、ドライブシャフト4の回
転によりスプライン筒部61はヘリカルスプライン溝4
2から前進スラストを受け、一方向性クラッチ6及びピ
ニオンギヤ7の前進を促進する。
【0024】また、マグネットスイッチ3及びスタータ
モータ2への通電が遮断されると、レバー31により一
方向クラッチ6及びピニオンギヤ7が後退し、スタータ
は停止する。以下、本実施例の支持体81及び遊星ギヤ
軸82の作用効果を説明する。まず、支持体81を板材
からプレス成形により成形し、かつ、外周部を折り曲げ
ることにより遊星ギヤ軸82を支持体81と一体に成形
するので、支持体81は従来のピン圧入方式の場合のよ
うに厚肉とする必要がなく、支持体81の重量軽減によ
りドライブシャフト4の慣性質量を削減できるので、ピ
ニオンギヤ7の噛合衝撃を軽減することができる。ま
た、薄肉化された支持体81及び遊星ギヤ軸82の弾性
変形により、ピニオンギヤ7の噛合衝撃を軽減すること
もできる。これらの効果により、ピニオンギヤ7の再作
動時のピニオンギヤ7及びリングギヤ9の歯先破損が防
止出来る。
モータ2への通電が遮断されると、レバー31により一
方向クラッチ6及びピニオンギヤ7が後退し、スタータ
は停止する。以下、本実施例の支持体81及び遊星ギヤ
軸82の作用効果を説明する。まず、支持体81を板材
からプレス成形により成形し、かつ、外周部を折り曲げ
ることにより遊星ギヤ軸82を支持体81と一体に成形
するので、支持体81は従来のピン圧入方式の場合のよ
うに厚肉とする必要がなく、支持体81の重量軽減によ
りドライブシャフト4の慣性質量を削減できるので、ピ
ニオンギヤ7の噛合衝撃を軽減することができる。ま
た、薄肉化された支持体81及び遊星ギヤ軸82の弾性
変形により、ピニオンギヤ7の噛合衝撃を軽減すること
もできる。これらの効果により、ピニオンギヤ7の再作
動時のピニオンギヤ7及びリングギヤ9の歯先破損が防
止出来る。
【0025】また、加工が極めて容易となり、部品点数
の削減も実現することができる。更に、遊星ギヤ軸82
及び軸受けブッシュ84の中央孔が角形であるので、遊
星ギヤ軸82の加工が容易となり、また、ブッシュ84
の摺動面はその外周面のみとなるので、摺動面積を大き
くでき、ブッシュ84の面圧低減によりブッシュ84の
小型化が実現する。
の削減も実現することができる。更に、遊星ギヤ軸82
及び軸受けブッシュ84の中央孔が角形であるので、遊
星ギヤ軸82の加工が容易となり、また、ブッシュ84
の摺動面はその外周面のみとなるので、摺動面積を大き
くでき、ブッシュ84の面圧低減によりブッシュ84の
小型化が実現する。
【0026】また、軸受けブッシュ84の自転が無いの
で、自転によるブッシュ84から油が飛出すことがな
く、その長寿命化が実現する。なお、従来のオイルレス
ブッシュは自転するので遠心力で油が外方へ飛ばされブ
ッシュの内周面側摺動面における潤滑油が不足し易かっ
た。 (変形態様)図4では、支持体81aの外周面から放射
状に延設された爪100を折り曲げて遊星ギヤ軸82a
を形成している。
で、自転によるブッシュ84から油が飛出すことがな
く、その長寿命化が実現する。なお、従来のオイルレス
ブッシュは自転するので遠心力で油が外方へ飛ばされブ
ッシュの内周面側摺動面における潤滑油が不足し易かっ
た。 (変形態様)図4では、支持体81aの外周面から放射
状に延設された爪100を折り曲げて遊星ギヤ軸82a
を形成している。
【0027】図5では、図4のように形成された遊星ギ
ヤ軸82aの角部を面取りしたものである。すなわち、
遊星ギヤ軸82、82aは角形以外にも構わない。図6
では、支持体81bと一体の角形の遊星ギヤ軸82bに
対してオイルレスブッシュの替わりに、ボールベアリン
グ84bを用いたものであり、又はニードルベアリング
等を使用してもよい。
ヤ軸82aの角部を面取りしたものである。すなわち、
遊星ギヤ軸82、82aは角形以外にも構わない。図6
では、支持体81bと一体の角形の遊星ギヤ軸82bに
対してオイルレスブッシュの替わりに、ボールベアリン
グ84bを用いたものであり、又はニードルベアリング
等を使用してもよい。
【0028】図7では、板材からなる支持体81cをバ
ーリング加工して遊星ギヤ軸82cを形成してボールベ
アリング84cを圧入したものである。なお、このバー
リング加工は、支持体81のプレス成形と同時に行うこ
ともできる。図8では、板材からなる支持体81をバー
リング加工して中央筒部81eを形成し、この中央筒部
81eにドライブシャフト4を圧入したものである。バ
ーリング加工の代わりに、複数の爪を前方へ折り曲げて
ドライブシャフト4との接触面積を稼いでもよい。
ーリング加工して遊星ギヤ軸82cを形成してボールベ
アリング84cを圧入したものである。なお、このバー
リング加工は、支持体81のプレス成形と同時に行うこ
ともできる。図8では、板材からなる支持体81をバー
リング加工して中央筒部81eを形成し、この中央筒部
81eにドライブシャフト4を圧入したものである。バ
ーリング加工の代わりに、複数の爪を前方へ折り曲げて
ドライブシャフト4との接触面積を稼いでもよい。
【0029】図9では、支持体81fの平均外径を低減
して、支持体81fが周方向へ弾性変形しやすくしたも
のであり、このようにすれば、ピニオンギヤ7の噛合衝
撃をこの支持体81fの周方向弾性変形により一層吸収
することができる。
して、支持体81fが周方向へ弾性変形しやすくしたも
のであり、このようにすれば、ピニオンギヤ7の噛合衝
撃をこの支持体81fの周方向弾性変形により一層吸収
することができる。
【図1】本発明の遊星ギヤ減速機構を有するスタ−タの
一実施例を示す部分断面図である。
一実施例を示す部分断面図である。
【図2】(a)は図1の要部拡大断面図であり、(b)
はその前方矢視正面図である。
はその前方矢視正面図である。
【図3】(a)は他の態様を示す前方矢視正面図であ
り、(b)はその側面図である。
り、(b)はその側面図である。
【図4】他の態様を示す前方矢視正面図である。
【図5】他の態様を示す前方矢視正面図である。
【図6】(a)は図1の要部拡大断面図であり、(b)
はその前方矢視正面図である。
はその前方矢視正面図である。
【図7】他の態様を示す要部拡大断面図である。
【図8】他の態様を示す要部拡大断面図である。
【図9】他の態様を示す前方矢視正面図である。
1はハウジング、2はスタ−タモ−タ、3はマグネット
スイッチ、4はドライブシャフト、5はセンターケース
(ハウジング)、6は一方向クラッチ、7はピニオンギ
ヤ、8は遊星ギヤ減速機構、9はリングギヤ、21はア
ーマチャシャフト、80はサンギヤ、81は遊星ギヤ軸
支持体、82は遊星ギヤ軸、83は遊星ギヤ、84は軸
受けブッシュ、85はインタ−ナルギヤ。
スイッチ、4はドライブシャフト、5はセンターケース
(ハウジング)、6は一方向クラッチ、7はピニオンギ
ヤ、8は遊星ギヤ減速機構、9はリングギヤ、21はア
ーマチャシャフト、80はサンギヤ、81は遊星ギヤ軸
支持体、82は遊星ギヤ軸、83は遊星ギヤ、84は軸
受けブッシュ、85はインタ−ナルギヤ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−224754(JP,A) 特開 昭58−77952(JP,A) 実開 昭60−101252(JP,U) 実開 昭53−159468(JP,U) 実開 昭58−140348(JP,U) 実開 昭58−140347(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02N 15/02 F16H 1/28
Claims (2)
- 【請求項1】スタ−タモ−タのア−マチャシャフトの一
端部外周に形成されたサンギヤと、前記ア−マチャシャ
フトと同一軸心に沿ってハウジングに回転自在に支持さ
れるとともに一端部が前記アーマチャシャフトの一端部
に近接して配設されるドライブシャフトと、前記ドライ
ブシャフトに相対回転自在かつ軸方向へ摺動自在に嵌着
されるピニオンギヤと、前記ドライブシャフトと平行に
前記サンギヤ側へ突設される遊星ギヤ軸を有するととも
に前記ドライブシャフトの一端部に嵌着、固定される遊
星ギヤ軸支持体と、前記遊星ギヤ軸に回転自在に支持さ
れて前記サンギヤと噛合する遊星ギヤと、前記ハウジン
グに固定又は摩擦結合されるとともに前記遊星ギヤと噛
合するインタ−ナルギヤとを備える遊星ギヤ減速機構を
有するスタータの製造方法において、 原材料としての金属板をプレス成形して、前記遊星ギヤ
軸支持体用の第一の金属板部分並びに前記第一の金属板
部分から所定の一方向に延在する前記遊星ギヤ軸用の第
二の金属板部分を前記金属板から切り取るとともに前記
第二の金属板部分の基端部を折り曲げることにより前記
遊星ギヤ軸支持体に対して直角に屈曲して断面角形に作
製した前記遊星ギヤ軸を前記遊星ギヤが回転自在に嵌着
される軸受けブッシュの角穴に嵌入することを特徴とす
る遊星ギヤ減速機構を有するスタータの製造方法。 - 【請求項2】前記第二の金属板部分は、前記第一の金属
板部分の外周端から前記第一の金属板の面方向に平行な
前記一方向に延在するように原材料としての前記金属板
から切り取られることを特徴とする請求項1記載の遊星
ギヤ減速機構を有するスタータの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32390393A JP3334302B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 遊星ギヤ減速機構を有するスタータの製造方法 |
US08/353,984 US5577977A (en) | 1993-12-22 | 1994-12-06 | Starter equipped with planetary gear reduction mechanism |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32390393A JP3334302B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 遊星ギヤ減速機構を有するスタータの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07180642A JPH07180642A (ja) | 1995-07-18 |
JP3334302B2 true JP3334302B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=18159903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32390393A Expired - Fee Related JP3334302B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 遊星ギヤ減速機構を有するスタータの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
US (1) | US5577977A (ja) |
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DE102010028415B4 (de) * | 2010-04-30 | 2020-02-13 | Seg Automotive Germany Gmbh | Freilauf mit integrierter Dämpfung |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA448146A (en) * | 1948-04-27 | Maremont, Automotive Products | Disc mounting | |
US2178443A (en) * | 1938-12-03 | 1939-10-31 | Jr Walter J Wallace | Mechanical movement |
US2212321A (en) * | 1940-02-26 | 1940-08-20 | Lacharite Maurice | Device for multiplying the rotation of a shaft |
US3154970A (en) * | 1961-11-15 | 1964-11-03 | Fichtel & Sachs Ag | Planet carrier for planetary gear |
DE2503518A1 (de) * | 1975-01-29 | 1976-08-19 | Zahnradfabrik Friedrichshafen | Planetenradtraeger aus blechteilen |
FR2307620A1 (fr) * | 1975-04-14 | 1976-11-12 | Garconnet Michel | Outil de serrage et de desserrage |
JPS59121474A (ja) * | 1982-12-27 | 1984-07-13 | Toyota Tsusho Kk | 「けい」光記号識別装置 |
US4573364A (en) * | 1984-08-15 | 1986-03-04 | General Motors Corporation | Gear reduction starter drive |
JPS63219871A (ja) * | 1987-03-10 | 1988-09-13 | Mitsubishi Electric Corp | スタ−タ装置 |
JPS6469183A (en) * | 1987-09-10 | 1989-03-15 | Seiko Epson Corp | Video and information transmission system |
SU1649134A1 (ru) * | 1988-11-10 | 1991-05-15 | Кировоградский Проектно-Конструкторский Институт По Почвообрабатывающим И Посевным Машинам | Соединение деталей |
DE4004104A1 (de) * | 1990-02-10 | 1991-08-14 | Diehl Gmbh & Co | Verbindungseinrichtung fuer das schaltgestaenge von kraftfahrzeugen |
JPH0432268A (ja) * | 1990-05-29 | 1992-02-04 | Canon Inc | 大面積太陽電池基板の連続製造方法 |
DE4138548C1 (ja) * | 1991-11-23 | 1993-03-18 | Mercedes-Benz Aktiengesellschaft, 7000 Stuttgart, De | |
FR2695700B1 (fr) * | 1992-09-16 | 1994-11-18 | Somfy | Réducteur à planétaire. |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP32390393A patent/JP3334302B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1994
- 1994-12-06 US US08/353,984 patent/US5577977A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5577977A (en) | 1996-11-26 |
JPH07180642A (ja) | 1995-07-18 |
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JPH09195903A (ja) | スタータ |
Legal Events
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