JP2008101708A - スプライン結合構造及びスプライン装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スタビライザバー10の先端にテーパ部10bを形成し、リテーナ14の端部14aの内面の一部にテーパ部14dを形成し、ボルト16で締め上げて固定する。スタビライザバー10と筒部材12の結合体をリテーナ14の内筒面に押し付けるため、軸スプライン部10aと穴スプライン部12aのはめあいを「しまりばめ」にしなくても、係合緊密度を容易に増大させることができる。機械加工が容易となるため、作業効率が向上し、コストを低下させることができるとともに、ガタつきのないスプライン結合を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
図4に示すように、アクチュエータ54はブラシレスモータ56と減速機構58を有している。減速機構58は不思議遊星歯車機構である。ブラシレスモータ56のロータ60にはサンギア62がスプライン結合されている。サンギア62は、初段プラネタリアギア64に噛み合うように配置されている。初段プラネタリアギア64はサンギア66に回転可能に支持されているとともに、スタビライザバー50の軸(サンギア62,66の軸でもある)を中心に回転可能に支持されている。初段プラネタリアギア64は、リングギア70にも噛み合うように配置されている。即ち、初段プラネタリアギア64は、サンギア62とリングギア70との間で自転しつつ、スタビライザバー50の軸を中心として公転するように支持されている。リングギア68,70は相互に歯数が異なる内歯歯車である。リングギア68,70に噛み合う共通の遊星歯車として2段目のプラネタリアギア72を有している。プラネタリアギア72はスタビライザバー50の軸を中心として公転可能に支持されている。また、2段目のプラネタリアギア72は、サンギア66にも噛み合うように配置されている。即ち、2段目のプラネタリアギア72は、サンギア66とリングギア68,70との間で自転しつつ、スタビライザバー50の軸を中心として公転するように支持されている。
また、スタビライザバー52の一端はエンドプレート52eに一体成型されている。エンドプレート52eはハウジング74にスプライン結合されている。ハウジング74の内側にはリングギア70が一体的に形成されている。即ち、スタビライザバー52の一端はリングギア70に一体的に接合されている。
ブラシレスモータ56が回転されると、リングギア68,70が相対的に駆動され、リングギア68,70にそれぞれ結合されているスタビライザバー50,52が駆動される。スタビライザバー50の軸回転は、ハウジング74内に配置されている回転センサ80によって検出される。アクチュエータ54によって、スタビライザバー50,52のねじり力は可変制御され、車体のロール運動が抑制される。
ガタつきのないスプライン結合を実現するためには、通常、はめあいにしめしろを持たせた、いわゆる「しまりばめ」にすることが行われる。例えば、一方のスプライン溝にリード角を付けてリードスプラインとし、他方のスプライン溝に圧入して嵌合すれば、がたつきがなく、異音が発生しないスプライン結合を実現することができる。しかしながら、「しまりばめ」を行うためには高い機械加工精度が要求されるため、コストの増加と作業効率の低下は免れない。従って、「すきまばめ」でありながら、がたつきのないスプライン結合の実現が望まれていた。
上記の構成によれば、穴スプライン68sと軸スプライン50sのはめあいは「すきまばめ」であるため、人間の腕力程度の軽荷重で両者を結合することができる。しかも穴スプライン68sに軸スプライン50sを挿入した後は、歯形弾性部材82の弾性力によって、軸スプライン50sを穴スプライン68sに密着させることができる。特許文献1のスタビライザでは、「すきまばめ」でありながら、ガタつきのないスプライン結合を実現することができる。
本発明は上記の問題を鑑みて創作されたものであり、作業効率がよく、低コストでありながら、ガタつきのないスプライン結合を実現することができる技術を提供することを目的とする。
このスプライン結合では、第1の部材と第2の部材とが結合される際に、第1の部材のテーパ面と第2の部材のテーパ面とが当接する。第1の部材のテーパ面と第2の部材のテーパ面とが当接すると、第1の部材が第2の部材のテーパ面に沿ってスライドするため、第1の部材は、第2の部材のテーパ面が形成されている側と反対側へ移動する。この移動によって、第1の部材は第2の部材に押し付けられるため、スプライン溝同士が緊密に係合する(すなわち、緊密に噛み合う)。従って、ガタつきのないスプライン結合を実現することができる。
また、第1の部材と第2の部材にテーパ面を形成するだけなので、従来技術のようにスプライン溝の一部に切欠部を設ける必要はなく、また、歯形弾性部材も必要がない。このため、両者の組み付け作業を効率的に行うことができ、また、低コストで製造することができる。
車両のロール方向が変化するとスタビライザバー(ロータ)の回転方向が変化するため、スプライン結合のはめあいが「すきまばめ」であると、互いに形成されたスプライン溝の歯がぶつかり合って異音を発生させる。このスプライン結合に上記のスプライン結合構造を採用することによって、たとえはめあいを「すきまばめ」としても、がたつきを防止し、異音の発生を回避することができる。
このスプライン装置でも、上述したスプライン結合構造を利用している。このため、上述したスプライン結合構造により得られる作用効果を奏することができる。
(形態1) 第2の部材は、第1の部材のスプライン溝と係合するスプライン溝を有する部材と、第1の部材のテーパ面と当接するテーパ面を有する部材とを備えている。
(形態2) 第1の部材は略円柱形状であり、先端を面取りするようにテーパ面が形成されている。第2の部材は、一端が閉じられた略円筒形状であり、その閉じられた側の内面には第1の部材のテーパ面とテーパ角の等しいテーパ面が形成されている。第1の部材のテーパ面は軸を中心として一巡するように形成されているが、第2の部材のテーパ面は周方向の一部にのみ形成されている。
軸スプライン部10aには、両端が開放された略円筒形状の筒部材12が外嵌されている。筒部材12は、スタビライザバー10の軸方向に平行に伸びる内筒面と外筒面を有している。筒部材12の内筒面にはスプライン溝が形成されている(以降、筒部材12のスプライン溝が形成されている部分を穴スプライン部12aということがある)。穴スプライン部12aの各スプライン溝は、筒部材12の軸方向(すなわち、スタビライザバー10の軸方向)に平行に形成されている。穴スプライン部12aと軸スプライン部10aはスプライン結合しており、はめあいが「すきまばめ」となるように設定されている。スタビライザバー10と筒部材12が結合した状態では、スタビライザバー10のテーパ部10bが筒部材12の端部より外側へ突出している。筒部材12の一端(図1の左端)には、その外周面にねじ部12bが形成されている。なお、筒部材12には、減速機構を介してアクチュエータのロータが接続されるようになっている(図3,4参照)。
図1と図2に示すように、リテーナ14の端部14aの内面には、スタビライザバー10の軸と同心円の略ドーナツ形状の2つの平面14b,14cが2段に形成されている。中心側の平面14bと外周側の平面14cとの間の段部の一部にテーパ部14dが形成されている(すなわち、図2に示すように、テーパ部14dは周方向の一部に形成されている)。テーパ部14dのテーパ角は、スタビライザバー10のテーパ部10bのテーパ角に等しい。端部14aの中心にはボルト16を挿入するための貫通穴14eが形成されている。
本実施例では、軸スプライン部10aと穴スプライン部12aのはめあいが「すきまばめ」に設定されているため、高い機械加工精度が要求されず、スタビライザバー10と筒部材12は、スプライン溝を成形した後に熱処理を行うことができる。例えば、スタビライザバー10は、素材を機械加工(切削)によって荒加工し、次いで、荒加工後の成形体を転造することによってスプライン溝を成形し、最後に熱処理をすることによって製作することができる。したがって、熱処理前の金属(機械加工の容易な金属)に対して機械加工を行うため、機械加工を容易に行うことができる。また、スプライン溝を転造によって成形できるため、効率的(短時間)に成形することができる。これによって、軸スプライン部10aと穴スプライン部12aのはめあいを「しまりばめ」とする場合と比較して、飛躍的に製造コストを抑えることができる。
また、上述した実施例では、スタビライザバー10(軸スプライン)と結合する穴スプライン側の部材を、筒部材12とリテーナ14の2部材で構成したが、本発明はこのような形態に限られず、筒部材12とリテーナ14を一体(一部品)として穴スプライン側の部材を製作するようにしてもよい。
また、上述した実施例では、本発明のスプライン結合構造をスタビライザに適用した例であったが、本発明はこのような実施例に限られず、例えば、減速機付きモータの出力を伝達する伝達部に本発明のスプライン結合構造を適用することもできる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:筒部材、12a:穴スプライン部
14:リテーナ、14a:端部、14b:平面、14c:平面、14d:テーパ部、14e:貫通穴
16:ボルト
50:スタビライザバー、50a:軸受、50b:軸受、50c:切欠部、50s:軸スプライン
52:スタビライザバー、50e:エンドプレート
54:アクチュエータ
56:ブラシレスモータ
58:減速機構
60:ロータ、60b:軸受
62:サンギア
64:プラネタリアギア
66:サンギア
68:リングギア、68b:軸受部、68e:エンドプレート、68s:穴スプライン
70:リングギア
72:プラネタリアギア
74:ハウジング
76:ステータ
78:蓋部材
80:回転センサ
82:歯形弾性部材
Claims (5)
- 第1の部材と第2の部材とを結合するスプライン結合構造であって、
第1の部材は一方の端部に形成されたテーパ面とスプライン溝を有しており、
第2の部材は、第1の部材のテーパ面と当接するテーパ面と、第1の部材のスプライン溝に係合するスプライン溝を有しており、
第1の部材を第2の部材に向かって移動させて両部材を結合させた状態では、第1の部材と第2の部材の両スプライン溝が係合するとともに、第1の部材と第2の部材の両テーパ面が当接して第1の部材が第2の部材のテーパ面に案内されて移動することで両スプライン溝が押し付けあっていることを特徴とするスプライン結合構造。 - 第1の部材は棒状の部材であり、第2の部材は第1の部材の一方の端部を受け入れる穴を備えた部材であることを特徴とする請求項1に記載のスプライン結合構造。
- 第1の部材は車両に搭載されて車輪にねじりトルクを伝達するスタビライザバーであり、第2の部材はスタビライザバーのねじりトルクを制御するアクチュエータのロータであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスプライン結合構造。
- スプライン軸と、そのスプライン軸の一端を受け入れる穴が形成された被結合部材とを備えたスプライン装置であり、
スプライン軸は、前記一端の端面に形成されたテーパ面と、前記一端の近傍の外周面に形成されたスプライン溝とを有しており、
被結合部材は、穴の底部に形成されたテーパ面と、穴の内周面に形成されたスプライン溝とを有しており、
スプライン軸のテーパ面は周方向の少なくとも一部に形成される一方で、被結合部材のテーパ面は周方向の一部にのみ形成されており、
スプライン軸の一端が被結合部材の穴に受け入れられて両部材が結合した状態では、スプライン軸と被結合部材の両スプライン溝が係合し、かつ、スプライン軸と被結合部材の両テーパ面が当接してスプライン軸が軸直角方向に移動することで両スプライン溝の周方向の一部同士が押し付けあっていることを特徴とするスプライン装置。 - スプライン軸のテーパ面が周方向に一巡するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスプライン装置。
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JP2006027525A (ja) * | 2004-07-20 | 2006-02-02 | Aisin Seiki Co Ltd | スタビライザ制御装置 |
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2006
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