JP3334280B2 - 水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法 - Google Patents

水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法

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JP3334280B2
JP3334280B2 JP24926493A JP24926493A JP3334280B2 JP 3334280 B2 JP3334280 B2 JP 3334280B2 JP 24926493 A JP24926493 A JP 24926493A JP 24926493 A JP24926493 A JP 24926493A JP 3334280 B2 JP3334280 B2 JP 3334280B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なる水
溶性活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法に関する。
さらに詳細には、本発明の水溶性活性エネルギー線硬化
型樹脂は、水により任意に希釈可能であって、コーティ
ング剤、印刷インキ、フォトレジスト、接着剤ならびに
製版材などの広範な用途に適した極めて有用な、電子線
や紫外線などの、いわゆる活性エネルギー線により硬化
可能な樹脂である。
【0002】
【従来の技術】環境汚染の低減や作業環境の改良を目的
に、コーティング剤、印刷インキなど各用途分野におい
て、水性化要求は強く、一部の分野において熱硬化型水
性コーティング剤の実用化が始まっている。しかし、そ
れぞれの用途分野において、性能を劣化させることな
く、さらに省エネルギーである、水性化された活性エネ
ルギー線硬化型樹脂は、未だに、ほとんど見い出されて
いない。特に、食品包装フィルムや飲料罐のコーティン
グ剤には、レトルト工程における耐熱水性が要求される
ものも少なくないが、この要求を満たしていないのが現
状である。また、フォトレジスト及び製版材用途におい
ては、画像処理工程、廃液処理工程ならびに各種作業上
の安全性の面からも、有機溶剤を含まない水溶性のタイ
プへの要求が強いが、満足すべき水溶性の活性エネルギ
ー線硬化型樹脂はほとんどない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前述し
たような状況に鑑み、既存の水性樹脂では満足できない
ような用途に対しても用いることができ、しかも、耐熱
水性、硬化性ならびに架橋性に優れた、水溶化された、
活性エネルギー線硬化型樹脂について、鋭意検討し、本
発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リヒドロキシ化合物、ラジカル重合性不飽和基含有ポリ
ヒドロキシ化合物、陰イオン性親水基含有ポリヒドロキ
シ化合物、ポリイソシアネート化合物及びラジカル重合
性不飽和基含有モノヒドロキシ化合物を反応させて得ら
れるポリウレタン樹脂の陰イオン性親水基を三級アミン
で中和することを特徴とする水溶性活性エネルギー線硬
化型樹脂の製造方法に関するものである。
【0005】本発明の水溶性活性エネルギー線硬化型ポ
リウレタン樹脂は、従来公知の水性の活性エネルギー線
硬化型ポリウレタン樹脂に比較し以下の特徴を有する。
すなわち、本発明ではラジカル重合性不飽和基の導入に
際し、ラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合
物およびラジカル重合性不飽和基含有モノヒドロキシ化
合物を使用し、ポリウレタン樹脂の分子側鎖ならびに分
子末端の両方にラジカル重合性不飽和基を導入すること
により、硬化皮膜の架橋密度の調節を容易にし、塗膜に
要求される耐熱水性ならびに硬化性を飛躍的に向上させ
た水溶性活性エネルギー線硬化型ポリウレタン樹脂を提
供するものである。
【0006】本発明において使用されるポリヒドロキシ
化合物としては、一般にポリウレタン樹脂の製造に使用
される公知のポリヒドロキシ化合物が挙げられる。例え
ば、エチレングリコール、1,2または1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペン
チルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパ
ン、トリエチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクト
ンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがあ
り、これらは単独あるいは2種以上の併用でもよい。
【0007】本発明において使用されるラジカル重合性
不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物は、ポリウレタン樹
脂の分子側鎖にラジカル重合性不飽和基を導入するため
に使用されるもので、1分子中に、1個以上のラジカル
重合性不飽和基と2個以上の水酸基を併せ有する化合物
であり、例えば、グリセロールモノアクリレート、グリ
セロールモノメタクリレート、グリセロールモノアリレ
ート等の化合物が挙げられる。またラジカル重合性不飽
和基含有ポリヒドロキシ化合物は、ジエタノールアミン
や2−ヒドロキシメチルアミノエタノールの如き分子中
に1個の2級アミノ基と2個の水酸基を有する化合物の
2級アミノ基に、イソホロンジイソシアネートと2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートの1:1モル付加化合物の
如き分子中にイソシアネート基とラジカル重合性不飽和
基を併せ有する化合物のイソシアネート基を反応させる
ことによっても得ることができる。また、エチレングリ
コールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステル、
ジエチレングリコールジグリシジルエーテルのジアクリ
ル酸エステル、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ルのジメタアクリル酸エステル、1,6−ヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテルのジアクリル
酸エステル等の化合物はラジカル重合性不飽和基と水酸
基がそれぞれ2官能性であり使用可能である。以上列挙
したこれらのラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキ
シ化合物は、単独あるいは2種以上の併用でもよい。
【0008】本発明において使用される陰イオン性親水
基含有ポリヒドロキシ化合物は、ポリウレタン樹脂に陰
イオン性親水基を導入するために使用されるもので、例
えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジ
メチロール酢酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、あ
るいは、トリオール化合物と酸無水物化合物の反応によ
って得られる半エステル化合物、ジメチルスルフォイソ
フタル酸ナトリウムとグリコール類をグリコール類過剰
の条件下でエステル交換反応させることによって得られ
るスルフォネートジオール化合物等が挙げられ、これら
は単独あるいは2種以上併用してもよい。
【0009】本発明において使用されるポリイソシアネ
ート化合物としては、例えば、1,4−テトラメチレン
ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ノルボル
ナンジイソシアナトメチル、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシア
ナトメチル)シクロヘキサン、α,α,α’,α’−テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられ、
これらを単独あるいは2種以上併用してもよい。
【0010】本発明において使用されるラジカル重合性
不飽和基含有モノヒドロキシ化合物は、ポリウレタン樹
脂の分子末端にラジカル重合性不飽和基を導入するため
に使用されるもので、一つには、不飽和モノヒドロキシ
化合物があり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルセロソル
ブ、N−メチロールアクリルアミド、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルモノヒドロキシペンタアクリレート、ステアリン酸変
性ペンタエリスリトールジアクリレート、エチレンオキ
サイドプロピレンオキサイド変性フタル酸モノメタクリ
レート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ートジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)
アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレー
ト、グリセロール(メタ)アクリレートアルキレート、
グリセロール(メタ)アクリレートアルケニレート、ビ
ス(アクリロキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシ
アヌレートなどがある。
【0011】また、一つには、(メタ)アクリル酸とモ
ノエポキシ化合物を付加することにより、あるいは、
(メタ)アクリル酸を開始種としてエポキシモノマーを
開環重合させることによっても活性水素原子とラジカル
重合性不飽和基を併せ有する化合物を得ることができ
る。モノエポキシ化合物としては、メチルグリシジルエ
ーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル、バーサチック酸10のグリ
シジルエステル(シェル化学製カージュラE10)など
があり、エポキシモノマーとしては、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどを
挙げることができる。エポキシモノマーの開環重合物の
例としては、ポリオキシエチレングリコール(n=2〜
9)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
グリコール(n=5〜12)モノ(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレングリコール(n=7)ポリオキ
シプロピレングリコール(m=3)モノメタアクリレー
ト、ポリオキシエチレングリコール(n=10)ポリオ
キシテトラメチレングリコール(m=5)モノメタアク
リレート、ポリオキシプロピレングリコール(n=15
〜18)ポリオキシテトラメチレングリコール(m=5
〜8)モノメタアクリレート等を挙げることができる。
【0012】また、不飽和モノヒドロキシ化合物を開始
種としてε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロ
ラクトン等のラクトンモノマーを開環重合させることに
よっても水酸基とラジカル重合性不飽和基を併せ有する
化合物を得ることができ、その例として、ダイセル化学
工業(株)製のプラクセルFMシリーズ(ラクトン変性
ヒドロキシエチルメタアクリレート)、及びプラクセル
FAシリーズ(ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレ
ート)を挙げることができる。
【0013】以上列挙したこれらのラジカル重合性不飽
和基含有モノヒドロキシ化合物は、単独あるいは2種以
上の併用でもよい。
【0014】本発明のラジカル重合性不飽和基および陰
イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂は、一般のポリウ
レタン樹脂と同様の公知の方法により製造することがで
きる。すなわち、はじめにポリヒドロキシ化合物、ラジ
カル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物および陰
イオン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物の混合物とポ
リイソシアネート化合物を反応させ末端イソシアネート
基の中間体を得た後、ラジカル重合性不飽和基含有モノ
ヒドロキシ化合物を反応させて得ることができる。
【0015】この際、反応系の温度は通常50〜150
℃であるが、ラジカル重合性不飽和基の重合を防ぐため
100℃以下が好ましく、必要に応じて、重合禁止剤、
ウレタン化反応触媒を使用するとよい。重合禁止剤とし
ては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエー
テル、ハイドロキノンモノ−t−ブチルエーテル、フェ
ノチアジン等があり、また、ウレタン化反応触媒として
は、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート等の有
機錫化合物がある。
【0016】またポリウレタン樹脂の製造には必要に応
じて有機溶剤を利用できる。これら有機溶剤としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン等が挙げられる。
【0017】本発明のポリウレタン樹脂において、数平
均分子量は、1000〜20000とすることが好まし
く、より望ましくは2000〜10000である。
【0018】本発明のポリウレタン樹脂は必要に応じて
鎖伸長をおこなう。すなわち、ラジカル重合性不飽和基
および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂の製造に
際し、遊離イソシアネート基を残存させておき、三級ア
ミンで中和し水溶化する際に同時に鎖伸長もおこなう。
鎖伸長剤としては、水、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホ
ロンジアミン等がある。また三級アミンとしては、トリ
エチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、トリブ
チルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアリ
ルアミン、N−メチルジアリルアミン、N,N−ジメチ
ルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミ
ン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメ
チルプロパノールアミン、N,N−ジエチルプロパノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル
ジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、
2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、
N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン等が
挙げられる。これらの三級アミンは目的とする硬化物の
特性に応じて、単独の使用でも2種以上の併用でもよ
い。
【0019】本発明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹
脂においては、上記の如く、中和し水溶化した後、ポリ
ウレタン製造の際に有機溶剤を使用した場合はこれを除
去する。また、樹脂濃度は、希釈する水の量により各用
途分野に適した値となるように調節する。
【0020】本発明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹
脂のラジカル重合性不飽和基の濃度は、ラジカル重合性
不飽和基1グラム当量当たり、該樹脂の重量が1000
0グラム以下、好ましくは7000グラム以下であるこ
とが望ましい。この重量が10000グラムを越えると
活性エネルギー線を照射しても充分な硬化が得られな
い。
【0021】また、本発明の水溶性活性エネルギー線硬
化型樹脂の陰イオン性親水基の濃度は、陰イオン性親水
基1グラム当量当たり、該樹脂の重量が250〜200
0グラムの範囲にあることが好ましい。陰イオン性親水
基の濃度がこの範囲を越えると、該樹脂の水溶性が低下
し安定な水溶液が得られず、一方、陰イオン性親水基の
濃度がこの範囲未満であると、充分な耐熱水性が得られ
なくなる。
【0022】このようにして得られる本発明の水溶性活
性エネルギー線硬化型樹脂に、さらに必要に応じて、本
発明の目的を逸脱しない範囲、とりわけ、水溶性、耐熱
水性、保存安定性などを保持できる範囲内で、各種の機
能を付与するため、着色剤、体質顔料、滑剤、可塑剤、
消泡剤、酸化防止剤、カップリング剤及びキレート剤な
どの添加剤や他の水溶性樹脂などを添加することができ
る。
【0023】本発明で言う活性エネルギー線とは、電子
線、紫外線あるいはγ線の如き、電離性放射線や電磁波
などを総称するものである。また、紫外線を照射して硬
化させる場合には、必要に応じて、紫外線の照射により
ラジカルを発生する光(重合)開始剤を樹脂100重量
部に対して0.1〜15重量部程度添加するとよい。光
(重合)開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)ケトン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N
−(2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチ
ル)ベンゼンメタマミニウムブロマイド、(4−ベンゾ
イルベンジル)トリメチルアンモニウムクロライド、2
−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−
N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロ
ライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9
−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−
N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロラ
イドの如き、水溶性、あるいは樹脂水溶液に溶解可能
な、ラジカル重合開始剤が好ましい。
【0024】また、このような光(重合)開始剤に、公
知慣用の光増感剤をも併用することができる。かかる光
増感剤もまた、アミン類、尿素類、硫黄化合物、燐化合
物及び塩素化合物等のうち、水溶性、あるいは樹脂水溶
液に溶解可能なものが好ましい。
【0025】本発明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹
脂は、ポリウレタン樹脂の分子側鎖ならびに分子末端の
両方に導入されたラジカル重合性不飽和基により活性エ
ネルギー線硬化が可能で、且つ、陰イオン性親水基を三
級アミンで中和し造塩することにより水溶化が可能であ
る。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例ならびに応用例を挙げ
てさらに具体的に説明するが、以下において、部および
%は特に断りのない限り、全て重量基準であるものとす
る。
【0027】実施例1 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン417
部、ポリエステルジオール334部((株)クラレ製ポ
リメチルペンタンアジペート、数平均分子量200
0)、グリセロールモノアクリレート24.3部、2,
2−ジメチロールプロピオン酸44.7部、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.52部、ジブチル錫ジラウ
レート0.26部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空
気を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネー
ト185部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させ
イソシアネート基含有量1.30重量%の中間体を得
た。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート34.8
部を添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート
基含有量0.16重量%のラジカル重合性不飽和基およ
び陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0028】40℃に冷却後、トリエチルアミン33.
7部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1503部の入った5リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−1)を得た。この樹
脂の不揮発分は30.5重量%、ガードナー粘度はLで
あった。また、ラジカル重合性不飽和基1グラム当量当
たりの該樹脂の重量は1340グラム、陰イオン性親水
基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1870グラム
であった。
【0029】実施例2 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン464
部、ポリエステルジオール251部((株)クラレ製ポ
リメチルペンタンアジペート、数平均分子量100
0)、グリセロールモノアクリレート36.5部、2,
2−ジメチロールプロピオン酸67.0部、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル0.58部、ジブチル錫ジラウ
レート0.29部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空
気を吹き込みながら、次に、トリレンジイソシアネート
261部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイ
ソシアネート基含有量2.30重量%の中間体を得た。
次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート63.8部を
添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含
有量0.31重量%のラジカル重合性不飽和基および陰
イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0030】40℃に冷却後、トリエチルアミン50.
5部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1690部の入った5リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−2)を得た。この樹
脂の不揮発分は29.7重量%、ガードナー粘度はRで
あった。また、ラジカル重合性不飽和基1グラム当量当
たりの該樹脂の重量は870グラム、陰イオン性親水基
1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1390グラムで
あった。
【0031】比較例1 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン354
部、ポリエステルジオール200部((株)クラレ製ポ
リメチルペンタンアジペート、数平均分子量100
0)、エチレングリコール12.4部、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸53.6部、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル0.44部、ジブチル錫ジラウレート0.
22部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込
みながら、次に、イソホロンジイソシアネート222部
を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネ
ート基含有量1.90重量%の中間体を得た。次に、2
−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を添加し、
80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.
26重量%の末端ラジカル重合性不飽和基および陰イオ
ン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0032】40℃に冷却後、トリエチルアミン40.
4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1285部の入った3リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−3)を得た。この樹
脂の不揮発分は29.9重量%、ガードナー粘度はO−
Pであった。また、ラジカル重合性不飽和基1グラム当
量当たりの該樹脂の重量は1470グラム、陰イオン性
親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1330グ
ラムであった。
【0033】応用例1 実施例1で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各
成分を配合し充分に混合し、攪拌して、淡黄色透明の水
性塗料を調製した。
【0034】 樹脂(A−1) 100部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン
【0035】得られた上記塗料をアルミニウム板に、ド
ローダウンロッド#8を用いて塗布し、80℃、60秒
間熱風乾燥した後、100mJの紫外線を照射し、硬化
させ、およそ5μmの厚さの塗膜を得た。
【0036】応用例2 樹脂(A−1)に替えて、実施例2で得られた樹脂(A
−2)の同量を用いるように変更した以外は、応用例1
と同様にして、塗料を得て、塗布し硬化させた。下記の
各成分を配合したものは、応用例1と同様、淡黄色透明
であった。
【0037】 樹脂(A−2) 100部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン
【0038】応用例3 実施例1で得られた樹脂(A−1)をアルミニウム板
に、ドローダウンロッド#8を用いて塗布し、80℃、
60秒間熱風乾燥した後、アメリカESI社製電子線照
射装置エレクトロカーテンを用い、165kV−2mA
の電子線、照射線量30kGyを照射し、硬化させ、お
よそ5μmの厚さの塗膜を得た。
【0039】比較応用例1 樹脂(A−1)に替えて、比較例1で得られた樹脂(A
−3)の同量を用いるように変更した以外は、応用例3
と同様にして、塗料を得て、塗布し電子線を照射した。
【0040】それぞれの塗装板について性能評価試験を
行い、その結果を表1に示した。なお、各性能の評価
は、以下にような方法で行った。
【0041】 硬化性 :指触によりべたつきを評価。 ○:べたつきがない △:べたつきがすこしある ×:べたつきがひどい
【0042】密着性 :碁盤目状傷つけ後のセ
ロテープによる塗膜の剥離度合い(%)。
【0043】硬度 :鉛筆硬度による。
【0044】耐衝撃性 :デュポン衝撃試験によ
る条件、300gw−30cm。 ○:全く塗膜の破壊(ひび割れ)がない △:塗膜の破壊している部分がある ×:塗膜の破壊が激しい
【0045】耐レトルト性 :130℃、2kgw/
cm2の水蒸気中及び水中に、30分間、暴露した後の
塗膜の状態を観察。 ○:全く塗膜が変化していない △:塗膜の変化が見られる(白化、発泡など) ×:塗膜の変化が激しい
【0046】ゲル分率 :塗装板をメチルエチル
ケトン(MEK)還流中に1時間浸漬した時に、MEK
に抽出されずに塗装板に残存した塗膜重量(重量%)。
【0047】
【表1】
【0048】表1から、本発明に係わる水溶性活性エネ
ルギー線硬化型樹脂は、耐熱水性、耐熱性に優れた塗膜
を形成し得ることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】本発明の水溶性活性エネルギー線硬化型
樹脂は、有機溶剤を含有せず、水溶性であり、活性エネ
ルギー線の照射により良好な硬化性を示し、加えて耐熱
水性はじめ優れた諸性質を有し、とりわけ、コーティン
グ剤、印刷インキならびに製版材などの用途に極めて有
用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08L 75/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシ化合物、ラジカル重合性
    不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物、陰イオン性親水基
    含有ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物
    及びラジカル重合性不飽和基含有モノヒドロキシ化合物
    を反応させて得られるポリウレタン樹脂の陰イオン性親
    水基を三級アミンで中和することを特徴とする水溶性活
    性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂の数平均分子量が10
    00〜20000である請求項1記載の水溶性活性エネ
    ルギー線硬化型樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合性不飽和基1グラム当量当
    たりの重量が10000グラム以下である請求項1また
    は請求項2記載の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 陰イオン性親水基1グラム当量当たりの
    重量が250〜2000グラムである請求項1、請求項
    2または請求項3記載の水溶性活性エネルギー線硬化型
    樹脂の製造方法。
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