JP3334016B2 - 抗糖尿病活性物質及び抗糖尿病合併症活性物質とその製造方法 - Google Patents

抗糖尿病活性物質及び抗糖尿病合併症活性物質とその製造方法

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舜朗 川岸
俊彦 大澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はワイルドライス、黒
米、赤米若しくはムラサキコーン又は紫大根から抗糖尿
病活性物質及び抗糖尿病合併症活性物質を得ることを目
的とした抗糖尿病活性物質及び抗糖尿病合併症活性物質
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来糖尿病又は糖尿病に関連する種々の
合併症(例えば動脈硬化とか白内障、老化など)に対す
る特効薬は知られていない。従来カルボニル試薬である
アミノグアニジンは抗糖尿病薬として注目され様々な臨
床実験が行われている。
【0003】またお茶の抽出成分が抗糖尿病活性がある
といわれているが、その他の天然食品素材に含まれてい
る有効成分による成人病の抑制に関する研究は行われて
いない。
【0004】ワイルドライスをはじめ、黒米などの有色
穀類、豆類などが抗酸化性を示すことが知られていた。
【0005】
【発明により解決すべき課題】前記アミノグアニジンは
合成であるから、長期の使用に対し難点があるので、長
期使用に対して副作用その他の難点がない天然食品素材
を対象として、抗糖尿病活性又は抗糖尿病合併症活性の
ある物質について研究することを課題とした。そこでワ
イルドライスなどの有色穀物類、豆類について、種々の
クロマトグラフィにより抗糖尿病活性物質を単離、構造
決定し、さらに抑制機構の解明、その応用並びに抽出物
の精製などを開発すべく努力した。
【0006】
【課題を解決する為の手段】然るにこの発明は、ワイル
ドライスをアルコール抽出した所、前記アミノグアニジ
ンと同等の効果のある天然抽出物を得ることに成功した
のである。
【0007】即ち物の発明はワイルドライス、黒米、赤
米若しくはムラサキコーン又は紫大根の40%〜80%
アルコール抽出物であることを特徴とする抗糖尿病活性
物質及び抗糖尿病合併症活性物質である。
【0008】
【0009】次に方法の発明は、ワイルドライス、黒
米、赤米若しくはムラサキコーン又は紫大根を適宜大き
さに粉砕し、ついでノーマルヘキサンで脱脂した後40
%〜80%のアルコールで抽出処理し、前記抽出物を常
法により精製することを特徴とした抗糖尿病活性物質及
び抗糖尿病合併症活性物質の製造方法である。
【0010】
【実施例1】ワイルドライス10Kgを十分水洗し水き
り後、粉砕し、これを60リツトルのノーマルヘキサン
に入れて脱脂操作を2回行つた。ついで95%エタノー
ル60リツトルで2回抽出し、抽出物60gを得た。前
記抽出物をXAD−2カラムクロマトグラフィーによ
り、40%〜80%のメタノール区分による抗糖尿病活
性物質9gを得た。
【0011】
【実施例2】ワイルドライス10Kgを十分水洗し水き
り後、粉砕し、これを100リットルのノーマルヘキサ
ンに入れて脱脂操作を2回行つた。ついで95%メタノ
ール70リットルで2回抽出、抽出物80gを得た。前
記抽出物をXAD−2カラムクロマトグラフィーによ
り、40%〜80%のメタノール区分による抗糖尿病活
性物質11gを得た。
【0012】前記のようにして単離した物を用いて蛍光
分析法の検討を行い、抗糖尿病合併症活性物質を検討し
た。
【0013】検討系として(1) 牛血清アルブミン/グル
コース系 (2) Nαボックリジン/グルコース系 を用いてアミノ
カルボニル反応により生成する蛍光物質を指標として用
い、初期段階のシッフ塩基とアマドリ化合物の生成を励
起325nmによる405nmの蛍光により測定、後期
段階のAGE化合物を励起370nmによる440nm
の蛍光により測定した。
【0014】
【実験例1】ワイルドライスをノーマルヘキサンで脱脂
して95%エタノールで抽出し、さらにXAD−2カラ
ムクロマトグラフィーにより水の区分、20%、40
%、60%、80%、100%のメタノール区分、アセ
トン区分に分画した。
【0015】前記各画分と、アミノグアニジンとの抗糖
尿病活性について比較実験した。
【0016】 反応条件 牛血清アルブミン 4mg/ml グルコース 1M 燐酸バツファ 1/15M(PH7.2) 抽出物 0.3mg/ml
【0017】前記反応条件のもとに、60℃で1日、3
日、6日間インキュベートした後、蛍光分析法により阻
害活性を測定した所、表1の結果を得た。
【0018】
【表1】
【0019】表1により、ワイルドライスの40%〜8
0%のアルコール抽出区分は、抗糖尿病合併症の指標の
一つである蛍光物質の生成阻害が、抗糖尿病合併症の試
薬であるアミノグアニジンと同等又はそれ以上の活性を
持つことが判明した。
【0020】
【実験例2】Nαボツクリジン/グルコース系による天
然抽出物の抗糖尿病活性について、実験例1と同様のワ
イルドライス抽出物について比較した。
【0021】 反応条件 Nαボツクリジン 10mM グルコース 250mM 燐酸バッファ(PH7.2) 1/15M 抽出物 0.3mg/ml
【0022】前記反応条件のもとに、1日、3日、5
日、7日間インキュベートした後蛍光分析法により阻害
活性を測定した所、表2の結果を得た。
【0023】
【表2】
【0024】表2によれば、ワイルドライスの40%〜
80%のアルコール抽出区分は、抗糖尿病合併症活性が
大きいことが証明された。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、ワイルドライス、黒
米、赤米若しくはムラサキコーン又は紫大根などのアル
コール抽出物には、抗糖尿病活性、抗糖尿病合併症活性
がある。
【0026】従つてこれを使用すれば、抗糖尿病及び抗
糖尿病合併症について、著しく抑制効果がある。また製
造簡単で、多量生産できると共に、高度の生産技術を必
要としないなどの諸効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における各サンプル−阻害率グラフ
【図2】同じく各サンプル−阻害率グラフ
【図3】同じく各サンプル−阻害率グラフ
【図4】同じく各サンプル−阻害率グラフ
フロントページの続き (56)参考文献 Nutr.Rep.Int.,1987, Vol.36,No.6,pp.1185− 1195 Nutr.Rep.Int.,1984, Vol.30,No.1,pp.45−54 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 A61P 3/10 C07G 17/00 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイルドライス、黒米、赤米若しくはム
    ラサキコーン又は紫大根の40%〜80%アルコール抽
    出物であることを特徴とする抗糖尿病活性物質及び抗糖
    尿病合併症活性物質。
  2. 【請求項2】 ワイルドライス、黒米、赤米若しくはム
    ラサキコーン又は紫大根を適宜大きさに粉砕し、ついで
    ノーマルヘキサンで脱脂した後、40%〜80%のアル
    コールで抽出処理し、前記抽出物を常法により精製する
    ことを特徴とした抗糖尿病活性物質及び抗糖尿病合併症
    活性物質の製造方法。
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JP2006335752A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Oriza Yuka Kk アルドース還元酵素阻害剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Nutr.Rep.Int.,1984,Vol.30,No.1,pp.45−54
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