JP3334005B2 - 電流制限回路 - Google Patents

電流制限回路

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JP3334005B2
JP3334005B2 JP17251693A JP17251693A JP3334005B2 JP 3334005 B2 JP3334005 B2 JP 3334005B2 JP 17251693 A JP17251693 A JP 17251693A JP 17251693 A JP17251693 A JP 17251693A JP 3334005 B2 JP3334005 B2 JP 3334005B2
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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電流制限回路に関し、例
えば、電力系統の電圧変動を抑制する無効電力補償装置
において、その出力電流の瞬時値を所定値に制限するた
めの電流制限回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、この種の無効電力補償装置を
その制御回路と共に示したブロック図である。図におい
て、制御対象である無効電力補償装置3は変圧器2を介
して補償対象である電力系統11に接続される。無効電
力補償装置3が系統11に出力する三相電流は変流器1
により検出され、これらの電流iR,iS,iTは座標変
換回路8により正相、逆相の直交2軸電流成分iPd,i
Pq,iNd,iNqに分解され、それぞれ電流実際値として
加算器7A〜7Dに導かれる。
【0003】一方、正相、逆相の各直交2軸電流成分指
令値iPd *,iPq *,iNd *,iNq *は、電流指令値設定器
9A〜9Dからそれぞれ送出されて電流制限回路10′
へ導かれ、その出力の電流指令値iPd **,iPq **,iNd
**,iNq **は前記加算器7A〜7Dへ導かれる。これら
の加算器7A〜7Dでは、それぞれの電流指令値と実際
値との偏差が演算される。演算された各電流偏差信号
は、それぞれ電流調節器6A〜6Dに導かれ、各偏差が
零となるように制御が行われる。
【0004】各電流調節器6A〜6Dの出力は出力電圧
演算回路5に入力され、この演算回路5において無効電
力補償装置3が出力すべき電圧指令値vR *,vS *,vT *
が求められる。これらの電圧指令値はPWM制御回路4
により、その出力電圧を得るために補償装置3のスイッ
チング素子に与えるゲートパルスに変換され、補償装置
3を制御する。
【0005】上記無効電力補償装置において、逆相電流
分を出力して三相不平衡運転すると、三相の各相電流の
ピーク値が不揃いになるとともに、本来三相平衡運転を
行った場合には相殺されていた3倍調波成分の高調波が
出力され、電流実際値のピーク値は電流指令値のピーク
値に一致しなくなる。従って、補償装置を保護する観点
から、補償装置の出力電流実際値iR,iS,iTを監視
し、各相電流の何れか一つが制限設定値を越えたときに
は速やかに電流指令値を絞り込む必要がある。前記電流
制限回路10′はこの電流制限を行うためのものであ
る。
【0006】以下に、電流制限回路10′の構成及びそ
の動作を説明する。補償装置3が系統11へ出力する電
流iR,iS,iTは三相全波整流回路105により全波
整流され、その全波整流信号(出力電流の最大値)Im
は除算器103の分母側に入力される。一方、除算器1
03の分子側には、電流制限値設定器104からの電流
制限設定値ImLMTが入力されている。
【0007】除算器103による除算結果である出力信
号は上下限リミッタ102により100〔%〕〜0
〔%〕に制限され、その出力である電流指令値制限信号
Lは乗算器101A〜101Dの制限入力端子に入力
される。ここで、上下限リミッタ102は入力信号をそ
の上限100〔%〕〜下限0〔%〕の範囲に制限するも
のである。乗算器101A〜101Dの残りの入力端子
には、電流指令値設定器9A〜9Dからのそれぞれの電
流指令値iPd *,iPq *,iNd *,iNq *が入力されている
ので、乗算器101A〜101Dの各出力は、入力信号
がKL倍された電流指令値iPd **,iPq **,iNd **,i
Nq **となる。
【0008】いま、全波整流信号Imが電流制限設定値
mLMTよりも小さい場合、除算器103の出力は1以上
となるが、上下限リミッタ102によって100〔%〕
に制限されるため、乗算器101A〜101Dへの制限
信号KLは100〔%〕となり、各乗算器101A〜1
01Dの出力はそれぞれの入力信号と等しくなって電流
指令値の制限は行われない。
【0009】一方、全波整流信号Imが電流制限設定値
mLMTよりも大きくなった場合は、除算器103の出力
はImの大きさに応じて1よりも小さな値となり、上下
限リミッタ102では制限されず、そのまま各乗算器1
01A〜101Dへ1よりも小さい制限信号KLとして
入力される。各乗算器101A〜101Dは、前述のご
とく電流指令値設定器9からの信号を制限信号であるK
L倍にして出力するので、電流制限回路10′の出力信
号は入力信号よりも小さな値に制限される。例えば、I
mがImLMTの2倍であったとすると、除算器103の出
力は1/2、上下限リミッタ102の出力は50〔%〕
となり、電流制限回路10′の出力である各電流指令値
Pd **,iPq **,iNd **,iNq **は各々iPd *,iPq *
Nd *,iNq *の1/2に制限されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図14(a)は不平衡
運転した場合の無効電力補償装置3の出力電流波形例
を、また、同図(b)はその三相全波整流信号Imの波
形を示している。同図(b)において、ImLMTは前述し
た電流制限値設定器104による電流制限設定値であ
り、この図はT相電流iTのピーク付近で全波整流信号
mが制限設定値ImLMTを越える一例である。同図
(c)は、電流指令値制限信号KLの一例、同図(d)
は電流制限回路10′を通った後の電流指令値i**の一
例である。
【0011】この図14から判るように、電流指令値が
制限される期間は、半周期毎の電流ピーク付近となる。
しかし、一般にこの種の電流制御系の応答は10〔ms
ec〕程度あるため、電流制御系はこの半周期毎に制限
された電流指令値に忠実に追従することができず、その
結果、電流制限設定値以上の電流実際値が繰返し流れ続
けて電力系統の重大事故になるという問題があった。本
発明は上記問題点を解決するためになされたもので、そ
の目的とするところは、電流制御系の応答遅れにより電
流実際値が制限設定値を越えた場合でも迅速かつ確実に
設定値以下に制限するようにした電流制限回路を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、三相電流を出力する電力変換装置の
出力電流制限回路であって、電力変換装置の電流指令値
に乗じる制限信号を、出力電流の三相全波整流信号が電
流制限設定値を越えた場合に小さくすることにより前記
電流指令値を制限する電流制限回路において、前記三相
全波整流信号の経路に、この整流信号が増加傾向にある
ときには小さな時定数で出力信号を増加させ、前記整流
信号が減少傾向にあるときには大きな時定数で出力信号
を減少させる非対称フィルタ手段を設け、この非対称フ
ィルタ手段の出力信号を前記電流制限設定値との比較に
用いるものである。
【0013】第2の発明は、第1の発明が前提とする電
流制限回路において、三相全波整流信号の経路に、この
整流信号の今回のサンプリングによる入力データが前回
のサンプリングによる出力データよりも小さい場合には
前回の出力データを更新することなくそのまま出力し、
今回の入力データが前回の出力データよりも大きい場合
には今回の入力データを出力して出力信号を更新すると
共に、この出力信号の更新が一定期間行われない場合に
はその期間経過時の入力データを強制的に出力信号とし
て更新するデータホールド手段を設け、このデータホー
ルド手段の出力信号を前記電流制限設定値との比較に用
いるものである。
【0014】第3の発明は、第1の発明が前提とする電
流制限回路において、制限信号の経路に、この制限信号
が減少傾向にあるときには小さな時定数で出力信号を減
少させ、前記制限信号が増加傾向にあるときには大きな
時定数で出力信号を増加させる非対称フィルタ手段を設
け、この非対称フィルタ手段の出力信号を新たな制限信
号として前記電流指令値との乗算に用いるものである。
【0015】第4の発明は、第1の発明が前提とする電
流制限回路において、制限信号の経路に、この制限信号
の今回のサンプリングによる入力データが前回のサンプ
リングによる出力データよりも大きい場合には前回の出
力データを更新することなくそのまま出力し、今回の入
力データが前回の出力データよりも小さい場合には今回
の入力データを出力して出力信号を更新すると共に、こ
の出力信号の更新が一定期間行われない場合にはその期
間経過時の入力データを強制的に出力信号として更新す
るデータホールド手段を設け、このデータホールド手段
の出力信号を新たな制限信号として前記電流指令値との
乗算に用いるものである。
【0016】
【作用】第1の発明においては、電力変換装置の三相出
力電流の全波整流信号を、信号の増加方向と減少方向で
時定数の異なる非対称フィルタ(一次遅れフィルタ)に
入力し、信号が増加傾向にあるときには小さな時定数で
増加し、信号が減少傾向にあるときには大きな時定数で
減少するような信号を出力電流実際値として出力させ、
そのピーク値を、電流制御系が応答する程度の期間連続
して電流制限設定値との比較に用いるようにする。これ
により、もとの電流指令値に乗算される制限信号を、電
流制御系が応答できるようになるまでの期間は100
〔%〕以下に保つことができ、出力電流実際値を確実に
電流制限設定値以下に制限することができる。
【0017】第2の発明においては、三相出力電流の全
波整流信号をデータホールド手段に入力し、今回のサン
プリングによる入力データが前回のサンプリングによる
出力データよりも小さい場合にはホールドされている前
回の出力データを更新することなくそのまま出力し、今
回の入力データが前回の出力データよりも大きい場合に
は今回の入力データを出力して出力信号を更新する。そ
して、この出力信号の更新がタイマ等による一定期間行
われない場合には、その期間経過時の入力データを強制
的に出力信号として更新する。このデータホールド手段
の出力信号を電流制限設定値との比較に用いることによ
り、電流実際値が電流制限設定値を越えた場合にもその
半周期以後は電流実際値を設定値以下に制限することが
できる。
【0018】第3の発明においては、電流指令値に乗算
される制限信号を、信号の増加方向と減少方向で時定数
の異なる非対称フィルタに入力し、信号が減少傾向にあ
るときには小さな時定数で減少し、信号が増加傾向にあ
るときには大きな時定数で増加するような信号を新たな
制限信号として出力させる。この新たな制限信号を、電
流制御系が応答できるようになるまでの期間は100
〔%〕以下に保つことにより、出力電流を確実に設定値
以下に制限することができる。
【0019】第4の発明においては、電流指令値に乗算
される制限信号をデータホールド手段に入力し、今回の
サンプリングによる入力データが前回のサンプリングに
よる出力データよりも大きい場合にはホールドされてい
る前回の出力データを更新することなく制限信号として
そのまま出力し、今回の入力データが前回の出力データ
よりも小さい場合には今回の入力データを新たな制限信
号として更新して出力する。そして、この更新がタイマ
等による一定期間行われない場合には、その期間経過時
の入力データを強制的に新たな制限信号として更新す
る。この新たな制限信号をもとの電流指令値との乗算に
用いることにより、電流実際値が電流制限設定値を越え
た場合にもその半周期以後は電流実際値を設定値以下に
制限することができる。
【0020】
【実施例】以下、図に沿って本発明の実施例を説明す
る。図1は第1の発明の一実施例の主要部を示すブロッ
ク図であり、図13と同一の機能については同一の番号
を付してある。この実施例が従来技術と異なるのは、全
波整流回路105の出力である三相全波整流信号(出力
電流実際値)Imを、非対称フィルタ106を通して除
算器103に入力するようにした点である。なお、非対
称フィルタ106の出力をIm′とする。
【0021】図2は、非対称フィルタ106にステップ
状の信号を入力した場合の入出力特性を示しており、非
対称フィルタ106の入力データをxn、今回出力デー
タをynで表してある。なお、1サンプリング前の出力
データ(前回出力データ)は図示されていないがyn-1
となる。この実施例では、入力データxnが前回出力デ
ータyn-1よりも小さくなるxn<yn-1の期間(t1〜t
2及びt3〜t4の期間)では、非対称フィルタ106が
ある時定数をもった一次遅れフィルタとして動作し、出
力データynを徐々に低下させて今回出力データynとす
る。すなわち、入力データが減少傾向にある場合には、
大きな時定数で出力データを減少させる。
【0022】一方、xn≧yn-1の期間(t2〜t3及びt
4以降の期間)では、非対称フィルタ106は時定数0
でゲイン1のアンプとして動作し、入力データxnをそ
のまま今回出力データynとして出力するように働く。
すなわち、入力データが増加傾向にある場合には、小さ
な時定数で出力データを増加させる。
【0023】図3は非対称フィルタ106による処理の
一例を示すフローチャートである。まず、入力データx
nと前回出力データyn-1の大きさを比較し(S1)、そ
の結果、xn<yn-1の場合には、数式1に示す一次遅れ
フィルタの演算式に従って今回出力データynを求める
(S3)。なお、数式1において、Tはフィルタの時定
数を決定する定数である。
【0024】
【数1】yn=(xn−yn-1)×T+yn-1
【0025】また、xn≧yn-1の場合は、入力データx
nをそのまま今回出力データynとする(S2)。こうし
て入力データxnと前回出力yn-1との関係に応じて各処
理を実行し、その後、次回の演算に備えて今回出力デー
タynの値を前回出力データyn-1として記憶装置(図示
せず)に格納する(S4)。上述した処理は入力信号の
サンプリングごとに繰返し実行される。なお、この処理
はマイクロコンピュータによるディジタル演算により行
うことができる。
【0026】図4は、本実施例における電流制限の様子
を示したものである。まず、時刻t10において全波整流
信号Imが制限設定値ImLMTを越え始めると乗算器10
1への制限信号KLが100〔%〕から低下し始め、全
波整流信号Imがピークとなる時刻t11において最大制
限設定値となる。この時刻t11以後に除算器103へ入
力される非対称フィルタ106の出力Im′は、非対称
フィルタ106の作用により図3のステップS3の処理
に従って大きな時定数で徐々に低下するため、電流制御
系が応答する程度の期間は、全波整流信号Imのピーク
値にほぼ等しい信号Im′が除算器103に継続して入
力されることになる。
【0027】この結果、時刻t12以後に全波整流信号I
mが制限設定値ImLMT以下になっても、除算器103の
出力は1より小さく、言い換えれば上下限リミッタ10
2の出力である制限信号KLは100〔%〕より小さい
状態を保つため、電流制限が継続される。これにより、
次の半周期以降には電流制御系が応答し、もとの電流指
令値i*よりも小さくなった指令値i**に基いて制御が
行われるので、全波整流信号Imのピーク値は制限設定
値ImLMTによって確実に制限されることになる。なお、
図4(a)において、破線で示す波形は従来技術による
全波整流信号である。
【0028】次に、図5は第2の発明の一実施例を示し
ている。この実施例が従来の技術と異なるのは、電流制
限回路10Aにおいて、全波整流信号Imをデータホー
ルド回路107を通して除算器103に入力するように
したことである。ここで、データホールド回路107の
出力をIm′とする。
【0029】図6は、データホールド回路107にステ
ップ状の信号を入力した場合の入出力特性を示してお
り、データホールド回路107の入力データをxn、今
回出力データをynで表わしている。なお、1サンプリ
ング前の前回出力データはyn-1である。同図におい
て、xnは時刻t21でステップ状に減少し、そのまま時
刻t23まで続く。しかし、今回出力データynはタイマ
時間T0の期間は時刻t21における値をホールドし続
け、タイムアップ時点t22で入力データと同一値を出力
するようになる。
【0030】このように本実施例では、xn≦yn-1の場
合は出力データの更新は行わず、この状態が連続して一
定時間(実施例ではタイマ時間T0)、例えば電力系統
周波数の一周期にわたって続いたときに強制的に出力デ
ータを更新して入力データに等しくする。そして、図6
の時刻t23のようにxn>yn-1となった場合には、これ
に直ちに追随させ、入力データをそのまま出力データと
して出力する。
【0031】図7は、データホールド回路107の処理
の一例を示すフローチャートである。まず、入力データ
nと前回出力データyn-1の大きさとを比較し(S1
1)、xn>yn-1の場合は今回出力データynとして入
力データxnをそのまま出力する(S12)。次に、次
回の演算に備えて今回出力データynの値を前回出力デ
ータyn-1として記憶装置に格納し(S13)、タイマ
をリセットして(S14)処理を終了する。
【0032】一方、xn≦yn-1の場合はタイマを更新し
(S15)、タイマ時間T0が経過してタイムアップし
たか否かを判断する(S16)。タイムアップした場合
にはS12以後のループへ処理を移す。タイムアップし
ていない場合には前回出力データyn-1を今回出力デー
タynとしてそのまま出力し(S17)、出力データの
更新を行わないで処理を終了する。
【0033】図8は、本実施例における電流制限の様子
を示している。時刻t31において全波整流信号Imが制
限設定値ImLMTを越え始めて乗算器101への制限信号
Lが100〔%〕から低下し始め、時刻t32で最大制
限設定値となる。その後、全波整流信号Imは低下する
が、データホールド回路107の出力信号Im′は、上
述したデータホールド作用により、タイマ時間T0が経
過するまでは最大値のまま除算器103に入力され続け
る。そして、全波整流信号Imが時刻t33で制限設定値
以下になっても、除算器103の出力は1より小さく、
上下限リミッタ102の出力である制限信号KLは10
0〔%〕より小さい状態を保つため、電流制限が継続さ
れる。
【0034】その結果、次の半周期以降には電流制御系
が応答し、前記同様にもとの指令値i*よりも小さい電
流指令値i**に基づいて制御が行われるので、全波整流
信号Imのピーク値は制限設定値ImLMTによって確実に
制限される。なお、図8(a)において、破線で示す波
形は従来技術における全波整流信号である。
【0035】図9は第3の発明の一実施例を示してい
る。この実施例が従来の技術と異なるのは、電流制限回
路10Bにおいて、電流指令値制限信号KLを非対称フ
ィルタ108を通して乗算器101に入力するようにし
た点である。ここで、非対称フィルタ108の出力を新
たな制限信号KL′とする。
【0036】図1の実施例では非対称フィルタ106を
全波整流信号Imの経路に挿入したが、図9の実施例で
は前記非対称フィルタ106の入出力特性(図2参照)
と逆の入出力特性を有する非対称フィルタ108を電流
指令値制限信号KLの経路に挿入したものであり、この
非対称フィルタ108からは図4(b)に示した制限信
号KLとほぼ同様の制限信号KL′が出力され、結果的に
同様の電流制限効果を得ることができる。
【0037】図10は、非対称フィルタ108による処
理のフローチャートを示している。まず、入力データx
nと前回出力データyn-1の大きさを比較し(S21)、
n>yn-1の場合には今回出力データynを、先の数式
1に示す一次遅れフィルタの演算式により求める(S2
2)。その後、次回の演算に備えて今回出力データyn
の値を前回出力データyn-1として記憶装置に格納する
(S23)。一方、xn≦yn-1の場合には、入力データ
nをそのまま今回出力データynとし(S24)、その
後、今回出力データynの値を前回出力データyn-1とし
て記憶装置に格納する(S23)。
【0038】このように、非対称フィルタ108は、入
力データが減少傾向にある場合には時定数0でゲイン1
のアンプとして動作し、入力データxnをそのまま今回
出力データynとして出力する。また、入力データが増
加傾向にある場合には、時定数Tの一次遅れフィルタと
なり、入力データを大きな時定数で徐々に増加させる。
【0039】このため、図1の実施例における非対称フ
ィルタ106と逆の入出力特性となり、図9におけるも
との制限信号KL(入力データxn)の減少時にはこれに
直ちに追従し、増加時には大きな時定数で増加する制限
信号KL′を出力することになるので、図4(b)に示
した制限信号KLとほぼ同様になる。従って、図1の実
施例とほぼ同様の電流制限効果を得ることができる。
【0040】図11は第4の発明の一実施例を示すもの
で、この実施例が従来技術と異なるのは、電流制限回路
10Cにおいて、もとの制限信号KLをデータホールド
回路109を通して乗算器101に入力するようにした
点である。なお、データホールド回路109の出力を新
たな制限信号KL′とする。図5の実施例では、データ
ホールド回路107を全波整流信号Imの経路に挿入し
たが、図11の実施例は、前記データホールド回路10
7の入出力特性(図6参照)と逆の入出力特性を有する
データホールド回路109を制限信号KLの経路に挿入
したもので、図8(b)に示した制限信号KLと同様の
制限信号KL′が得られ、同様の電流制限効果を得るこ
とができる。
【0041】図12はデータホールド回路109による
処理を示すフローチャートであり、ステップS31にお
ける判断内容の大小関係が図7のステップS11と異な
るほかは、実質的に図7と同一である。図12におい
て、まず、入力データxnと前回出力データyn-1の大き
さを比較し(S31)、xn<yn-1の場合は今回出力デ
ータynとして入力データxnをそのまま出力する(S3
2)。次に、次回の演算に備えて今回出力データyn
値を前回出力データyn-1として記憶装置に格納し(S
33)、タイマをリセットして(S34)処理を終了す
る。
【0042】一方、xn≧yn-1の場合はタイマを更新し
(S35)、タイマ時間T0が経過してタイムアップし
たか否かを判断する(S36)。タイムアップした場合
にはS32以後のループへ処理を移す。タイムアップし
ていない場合には前回出力データyn-1を今回出力デー
タynとしてそのまま出力し(S37)、出力データの
更新を行わないで処理を終了する。
【0043】このように、データホールド回路109
は、入力データが前回サンプリング時の出力データより
も小さくxn<yn-1のときは入力データxnをそのまま
出力するが、入力データが前回サンプリング時の出力デ
ータよりも大きくxn≧yn-1のときは一定期間出力デー
タの更新を行わないので、図6に示したデータホールド
回路107の入出力特性とは逆の入出力特性を有するこ
とになる。このため、図11における本来の制限信号K
L(入力データxn)の減少時にはこれに直ちに追従し、
増加時には出力データの更新は行わずにこの状態が一定
期間続いた場合に出力データを更新して入力データと等
しくするような制限信号KL′を出力することになるの
で、この新たな制限信号KL′は図8(b)に示した制
限信号KLとほぼ同様になる。従って、図5の実施例と
ほぼ同様の電流制限効果を得ることができる。なお、本
発明における非対称フィルタ機能やデータホールド機能
は、ソフトウェアまたはハードウェアの何れによっても
実現可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、三相全波
整流信号または電流指令値制限信号の経路に非対称フィ
ルタ機能やデータホールド機能を付加し、電流制御系が
電流指令値に追従できるようになるまでの期間、前記制
限信号の回復特性を遅らせるように構成したため、無効
電力補償装置等の電力変換装置の電流実際値が電流制限
設定値を越えたとしても、次の半周期以後は直ちに設定
値以内に制限して瞬時に出力電流を制限することができ
る。これにより、電力系統に重大な事故が発生するのを
未然に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】非対称フィルタの入出力特性の説明図である。
【図3】非対称フィルタによる処理を示すフローチャー
トである。
【図4】第1の発明の実施例における電流制限の様子を
示す波形図である。
【図5】第2の発明の実施例を示すブロック図である。
【図6】データホールド回路の入出力特性の説明図であ
る。
【図7】データホールド回路による処理を示すフローチ
ャートである。
【図8】第2の発明の実施例における電流制限の様子を
示す波形図である。
【図9】第3の発明の実施例を示すブロック図である。
【図10】非対称フィルタによる処理を示すフローチャ
ートである。
【図11】第4の発明の実施例を示すブロック図であ
る。
【図12】データホールド回路による処理を示すフロー
チャートである。
【図13】従来の技術を示す系統構成図である。
【図14】従来の技術による電流制限の様子を示す波形
図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C 電流制限回路 101 乗算器 102 上下限リミッタ 103 除算器 104 電流制限値設定器 105 全波整流回路 106,108 非対称フィルタ 107,109 データホールド回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−96624(JP,A) 特開 平6−165383(JP,A) 特開 昭62−16022(JP,A) 特開 昭58−186337(JP,A) 実開 平5−41347(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三相電流を出力する電力変換装置の出力
    電流制限回路であって、電力変換装置の電流指令値に乗
    じる制限信号を、出力電流の三相全波整流信号が電流制
    限設定値を越えた場合に小さくすることにより前記電流
    指令値を制限する電流制限回路において、 前記三相全波整流信号の経路に、この整流信号が増加傾
    向にあるときには小さな時定数で出力信号を増加させ、
    前記整流信号が減少傾向にあるときには大きな時定数で
    出力信号を減少させる非対称フィルタ手段を設け、この
    非対称フィルタ手段の出力信号を前記電流制限設定値と
    の比較に用いることを特徴とする電流制限回路。
  2. 【請求項2】 三相電流を出力する電力変換装置の出力
    電流制限回路であって、電力変換装置の電流指令値に乗
    じる制限信号を、出力電流の三相全波整流信号が電流制
    限設定値を越えた場合に小さくすることにより前記電流
    指令値を制限する電流制限回路において、 前記三相全波整流信号の経路に、この整流信号の今回の
    サンプリングによる入力データが前回のサンプリングに
    よる出力データよりも小さい場合には前回の出力データ
    を更新することなくそのまま出力し、今回の入力データ
    が前回の出力データよりも大きい場合には今回の入力デ
    ータを出力して出力信号を更新すると共に、この出力信
    号の更新が一定期間行われない場合にはその期間経過時
    の入力データを強制的に出力信号として更新するデータ
    ホールド手段を設け、このデータホールド手段の出力信
    号を前記電流制限設定値との比較に用いることを特徴と
    する電流制限回路。
  3. 【請求項3】 三相電流を出力する電力変換装置の出力
    電流制限回路であって、電力変換装置の電流指令値に乗
    じる制限信号を、出力電流の三相全波整流信号が電流制
    限設定値を越えた場合に小さくすることにより前記電流
    指令値を制限する電流制限回路において、 前記制限信号の経路に、この制限信号が減少傾向にある
    ときには小さな時定数で出力信号を減少させ、前記制限
    信号が増加傾向にあるときには大きな時定数で出力信号
    を増加させる非対称フィルタ手段を設け、この非対称フ
    ィルタ手段の出力信号を新たな制限信号として前記電流
    指令値との乗算に用いることを特徴とする電流制限回
    路。
  4. 【請求項4】 三相電流を出力する電力変換装置の出力
    電流制限回路であって、電力変換装置の電流指令値に乗
    じる制限信号を、出力電流の三相全波整流信号が電流制
    限設定値を越えた場合に小さくすることにより前記電流
    指令値を制限する電流制限回路において、 前記制限信号の経路に、この制限信号の今回のサンプリ
    ングによる入力データが前回のサンプリングによる出力
    データよりも大きい場合には前回の出力データを更新す
    ることなくそのまま出力し、今回の入力データが前回の
    出力データよりも小さい場合には今回の入力データを出
    力して出力信号を更新すると共に、この出力信号の更新
    が一定期間行われない場合にはその期間経過時の入力デ
    ータを強制的に出力信号として更新するデータホールド
    手段を設け、このデータホールド手段の出力信号を新た
    な制限信号として前記電流指令値との乗算に用いること
    を特徴とする電流制限回路。
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