JP3333726B2 - 超電導コイル装置およびその作製方法 - Google Patents

超電導コイル装置およびその作製方法

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JP3333726B2 JP31369797A JP31369797A JP3333726B2 JP 3333726 B2 JP3333726 B2 JP 3333726B2 JP 31369797 A JP31369797 A JP 31369797A JP 31369797 A JP31369797 A JP 31369797A JP 3333726 B2 JP3333726 B2 JP 3333726B2
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泰司 藤本
雅雄 沖
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気浮上車両に
搭載される超電導コイル装置およびその作製方法関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図2は例えば実開昭59−98064号
公報に示された従来の超電導コイル装置を示す平面図で
ある。また、図3は図2のIII-III線に沿う矢視断面図
である。図において、1は超電導線材1aが断面矩形と
なるようにレーストラック形状に巻回され、エポキシ樹
脂などの樹脂が含浸されて一体化された超電導コイルで
ある。各々の超電導線材1aの間には、断面において碁
盤目状となるようにエポキシ樹脂層1bが形成されてい
る。2は超電導コイルの巻回方向である周長方向に沿っ
て概略等間隔に複数個配設されたスペーサである。スペ
ーサ2は、ガラス繊維強化プラスチック(以下GFRP
と呼ぶ)で板状に作製されて、超電導コイル1の所定箇
所の外周面、内周面および両側面を覆うように1箇所に
4枚が貼着されている。スペーサ2の外面は、各面とも
機械加工がされている。
【0003】スペーサ2のさらに外側には、この機械加
工面に係合するように、支持部材3がはめ合わされて配
置されている。支持部材3はステンレス鋼で厚板状に作
製され、分割部3cで1対の支持部材分割部材3a,3
bに2分割され、各々の分割面に形成されたコ字型部
で、超電導コイル1を両側面方向から挟むようにはめ合
わされている。支持部材3は、スペーサ2が配設されて
いる位置に各々1対が配設されている。支持部材3に
は、液体ヘリウムの通路3dが設けられている。
【0004】超電導コイル1は、スペーサ2および支持
部材3と共に、断面円形でレーストラック形状に形成さ
れた容器4内に収納されている。容器4は、超電導コイ
ル1の側面に垂直な方向に1対の容器分割部材4a,4
bに分割され、超電導コイル1を覆うように左右から突
き合わされて分割部4cを接合されて密閉されている。
支持部材3は、超電導コイル1と容器4との間に配置さ
れ、容器4の内壁から所定の距離を離すように超電導コ
イル1を支持している。超電導コイル1と容器4の間の
空間には、液体ヘリウムなどの冷媒が封入され、超電導
コイル1を冷却する。容器4のレーストラック上辺と下
辺は、2個の補強板5で接続されている。
【0005】図2におけるW1〜W7は、超電導コイル
1が通電されて磁石となったときの電磁力の方向を表
す。この電磁力W1〜W7は実際には、レーストラック
全周において超電導コイル1の外周面に垂直方向に発生
するが、図では1/4周分のみを記載し、また支持部材
3の位置に対応させて記載している。この電磁力W1〜
W7は、容器4や補強板5の引張り剛性との間でバラン
スが保たれている。そして、図3に矢印で示すように超
電導コイル1の外周面には、電磁力Wが分布荷重となっ
て働き支持部材3を外周方向に押圧している。
【0006】次に、この超電導コイル装置が搭載される
磁気浮上車両の断面図を図4に示す。図4において、超
電導コイル1が収納された超電導コイル外槽8および液
体ヘリウムを貯蔵するためのタンク9などを有するクラ
イオスタット10は、車両の台枠11の側面に固定され
ている。さらに台枠11上には空気バネなどを介して車
体12が搭載されている。13は地上側軌道の底面に設
置された浮上用地上コイル、14は地上側軌道の内側面
に設置された推進案内用地上コイルである。
【0007】車両が走行中には超電導コイル1と浮上用
地上コイル13との間には、車両を浮上させるため上下
方向に浮上力が働いている。また、超電導コイル1と推
進案内用地上コイル14との間には、車両前後方向に車
両を推進させるための推進力と車両を軌道の中心に保つ
ため車両の左右方向に働く案内力が働いている。これら
の推進力、浮上力および案内力には地上コイル配置敷設
ピッチにともなう磁場変動による脈流成分が含まれてお
り、超電導コイル1に周期的に加わる。
【0008】これらの力を超電導コイル装置側について
説明すると、レーストラック短辺方向に浮上力、レース
トラック長辺方向に推進力、そして図3の左右方向であ
る超電導コイル1の側面に垂直な方向に案内力が働いて
いる。超電導コイル1には、このような力と前記電磁力
Wが働いているが、このような力に対して、超電導コイ
ル1が容器4内で動かないように、超電導コイル装置は
製作時点において、超電導コイル1と支持部材3および
容器4間は、強固に締め付けられて作製されている。
【0009】図5は従来の超電導コイル装置の作製方法
を示す断面図である。容器4となる容器分割部材4a,
4bは、容器4の外径と概略同じ凹型の係合部を有する
治具11を外側にあてがわれ、図5の矢印方向すなわち
超電導コイル1の側面に垂直な方向に押圧される。支持
部材3の分割部3cは、この押圧力が超電導コイル1の
側面に伝わるように、予め若干の間隙を有するように形
成されている。容器分割部材4a,4bが図5の矢印方
向に押圧されたとき、容器4や支持部材3は剛性が大き
いのでほとんど縮まないが、超電導コイル1のエポキシ
樹脂層1bやスペーサ2は弾性率が低いので縮みαが発
生する。超電導コイル装置は、このように左右から押圧
された状態で、容器4の分割部4cが溶接されて作製さ
れる。
【0010】溶接が完了すると治具11が取り外され
る。治具11が取り外され押圧力が取り除かれると、超
電導コイル1は復元力で、元の状態に戻ろうとする。容
器4は、この復元力を支持部材3を介して内周面で受
け、周方向(矢印A方向に)に若干伸びる。これによ
り、超電導コイル1の縮みαは概略元の状態に戻る。そ
して、超電導コイル1やスペーサ2に残った復元力と、
容器4の周方向に発生する張力がつりあって力のバラン
スが保たれ、支持部材3のコ字型部は、超電導コイル1
の側面に密着した状態となる。しかし、超電導コイル装
置は、液体ヘリウム温度(4.2K)まで冷却されて超
電導特性を発揮するが、このとき超電導コイル装置の各
部材は熱収縮するので、これについて説明する。
【0011】各部材において、主な使用材料は、超電導
線材1aが銅とニオブチタン合金、スペーサ2がGFR
P、支持部材3と容器4がステンレス鋼である。そし
て、超電導コイル1は、前記のように超電導線材1aが
レーストラック形状に巻線された後、エポキシ樹脂が一
体に含浸されている。図6は、例えば特公平6−874
46号公報に記載された超電導コイル装置を構成する部
材の常温(温度300K)から液体ヘリウム温度(4.
2K)までの熱収縮率である。
【0012】図6に示されるように、超電導線材1aと
ステンレス鋼は同程度の熱収縮率であるが、エポキシ樹
脂は他の部材に比べてはるかに熱収縮率が大きい。言い
換えると、超電導コイル1のエポキシ樹脂層1bやGF
RPのスペーサ2は他の部材に比べて熱収縮率が大き
い。このような部材が組み合されて作製されている超電
導コイル装置の熱収縮を考えてみると、レーストラック
周長方向については、超電導コイル1は、たとえエポキ
シ樹脂で含浸されていても、超電導線材1aがレースト
ラック周長方向に巻回されているので、エポキシ樹脂の
熱収縮の影響をほとんど受けず超電導線材1aの熱収縮
率となる。スペーサ2の熱収縮が若干影響するが、スペ
ーサ2の大きさは、レーストラック周長寸法に比べて小
さい物になっているので影響が少ない。このため、この
レーストラック周長方向については、容器4と超電導コ
イル1間で、熱収縮率がほぼ同等であり、熱収縮差によ
る隙間や熱応力などは発生することが少ない。
【0013】一方、超電導コイル1の断面方向について
は、図3に示すとおり、エポキシ樹脂が碁盤目状の樹脂
層1bを形成しているので、超電導コイル1の左右巾方
向や上下厚み方向の熱収縮量はエポキシ樹脂に影響され
ることが大である。すなわち、超電導コイル1は支持部
材3や容器4より熱収縮量が大きい。さらに、スペーサ
2の熱収縮も加わるので、超電導コイル1の熱収縮量は
さらに大きくなる。液体ヘリウム温度における熱収縮量
は、作製時に超電導コイル1に加えられた縮みαより大
きいので、超電導コイル1の左右巾方向には、支持部材
3との間に隙間δ1が生じ、また、上下厚み方向には、
隙間δ2が生じる。上下厚み方向の隙間δ2について
は、超電導コイル1は電磁力Wによって外側の支持部材
3に押圧されているので、浮上用地上コイル9との間で
浮上力が働いても、容器4に対して移動することはな
い。しかし、超電導コイル1の左右巾方向すなわち超電
導コイル1の側面に垂直方向に生じた隙間δ1について
は、超電導コイル1と推進案内用地上コイル14との間
で働く案内力により、超電導コイル1が左右方向に移動
してしまうこととなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の超電
導コイル装置においては、以上のように構成されてお
り、超電導コイル1は断面方向において、支持部材3や
容器4より熱収縮量が大きいので、超電導コイル1の左
右巾方向に隙間δ1が生じてしまい、超電導コイル1は
案内力により左右方向に移動してしまう。そして、超電
導コイル1の移動によって発生する摩擦熱や超電導コイ
ル1に作用する応力によって超電導コイル1の超電導特
性が破壊されてしまうといった問題があった。
【0015】一方、超電導コイル1に対して働く前記の
ような力に対して、超電導コイル1が容器4内で移動し
ないように、製作時において、超電導コイル1と容器4
との間をさらに強固に締め付けて作製する方法が考えら
れる。すなわち、支持部材3の分割部3cに形成される
間隙をさらに大きく形成し、治具11が取り外された後
も、超電導コイル1の側面に所定の大きさの押圧力が残
るように、超電導コイル1にさらに大きな力を加えて作
製する方法が考えられる。しかし、超電導コイル1に所
定以上の大きな力が加わると超電導コイル1が破壊して
しまうため、この方法をとることは出来なかった。
【0016】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、超電導コイルが熱収縮しても支
持部材との間に隙間が形成されることのない超電導コイ
ル装置およびその作製方法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の超電導コイル
装置においては、超電導線材が環状に巻回され、樹脂が
含浸されて一体化された超電導コイルと、超電導コイル
の巻回方向に沿って超電導コイルを包囲するように形成
され、超電導コイルを密閉して収納し、内部に冷媒が封
入された容器と、超電導コイルと容器との間に、超電導
コイルの周長方向に所定の間隔を空けて複数個が配設さ
れ、容器から所定の距離を離して、超電導コイルを支持
する支持部材とを備えた超電導コイル装置であって、支
持部材は、それぞれ超電導コイルの側面と垂直な方向に
分割され、かつ、超電導コイルの側面側から超電導コイ
ルに接するようにあてがわれた際に両端部間に所定の隙
間を有する一対の支持部材分割部材から構成され、容器
は、超電導コイルの側面と垂直な方向に分割され、超電
導コイルの側面側から支持部材分割部材の外周面に接す
るようにあてがわれた際に両端部間に一対の支持部材分
割部材間の隙間より大きな隙間を有し、かつ、両端部に
係合部が設けられた一対の容器分割部材から構成され、
一対の容器分割部材が、係合部を押圧されて周方向に伸
張され、両端部を当接状態で接合一体化され、一対の支
持部材分割部材は、外周面に容器分割部材が径方向に収
縮する力を受けて、超電導コイルを両側面方向から押圧
している。
【0018】請求項2の超電導コイル装置においては、
係合部は突起である。
【0019】請求項3の超電導コイル装置の作製方法に
おいては、超電導線材が環状に巻回され、樹脂が含浸さ
れて一体化された超電導コイルと、超電導コイルの巻回
方向に沿って超電導コイルを包囲するように形成され、
超電導コイルを密閉して収納し、内部に冷媒が封入され
た容器と、超電導コイルと容器との間に、超電導コイル
の周長方向に所定の間隔を空けて複数個が配設され、容
器から所定の距離を離して、超電導コイルを支持する支
持部材とを備えた超電導コイル装置の作製方法であっ
て、支持部材は、それぞれ超電導コイルの側面と垂直な
方向に分割され、かつ、超電導コイルの側面側から超電
導コイルに接するようにあてがわれた際に両端部間に所
定の隙間を有する一対の支持部材分割部材にあらかじめ
構成され、容器は、超電導コイルの側面と垂直な方向に
分割され、超電導コイルの側面側から支持部材分割部材
の外周面に接するようにあてがわれた際に両端部間に一
対の支持部材分割部材間の隙間より大きな隙間を有し、
かつ、両端部に係合部が設けられた一対の容器分割部材
にあらかじめ構成され、支持部材分割部材を超電導コイ
ルの周長方向に所定の間隔を空けてそれぞれ超電導コイ
ルの側面側から超電導コイルの側面に接するように複数
対配設する支持部材分割部材配設工程と、一対の容器分
割部材をそれぞれ超電導コイルの側面側から支持部材分
割部材の外周面に接するように配設する容器分割部材配
設工程と、一対の容器分割部材の係合部を介して両端部
同士が接する方向に加圧し、一対の支持部材分割部材の
両端部同士をそれぞれ当接させる第1の加圧工程と、一
対の容器分割部材の係合部を介して両端部同士が接する
方向にさらに加圧し、一対の容器分割部材を周方向に伸
張させて一対の容器分割部材の両端部同士を当接させる
第2の工程と、一対の容器分割部材の両端部同士を当接
状態で接合一体化する容器分割部材工程とを備えてい
る。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
超電導コイル装置を示す断面図である。図1において、
容器15は、超電導コイル1の側面に垂直な方向に1対
の容器分割部材15a,15bに分割され、超電導コイ
ル1を覆うように左右から突き合わされて分割部15c
を接合されて密閉されている。分割部15cの両縁部に
は、分割部分に沿って係合部である突起15dが形成さ
れている。支持部材3は、従来と同じように、超電導コ
イル1の側面に垂直な方向に分割され、すなわち、分割
部3cで1対の支持部材分割部材3a,3bに2分割さ
れ、各々の分割面に形成されたコ字型部で、超電導コイ
ル1を両側面方向から挟むようにはめ合わされて配置さ
れている。そして、各々の支持部材分割部材3a,3b
の外周面は、容器15の内径と同じ径の断面半円形とさ
れている。容器15の分割部15cの間隙の大きさは、
支持部材3の分割部3cの間隙の大きさより大きくされ
ている。その他の構成は、従来のものと同一である。
【0021】本実施の形態の超電導コイル装置の作製方
法は、容器15の両側にそれぞれ治具16があてがわ
れ、図1の左右方向から押圧力2Pの力で押圧される。
治具16は、容器15の両突起15dのみに係合し、容
器15の外周面に接触しないように、凹部が深く形成さ
れている。治具16に加えられた押圧力2Pは、各々の
突起15dにそれぞれ押圧力Pとして加わる。超電導コ
イル1は、この押圧力2Pを支持部材3を介して側面で
受け、側面に垂直な方向に縮みαだけ縮む、このとき支
持部材3の分割部3cは互いに当接し、超電導コイル1
にさらなる押圧力が加わることはない。
【0022】一方、容器15は、分割部15cの間隙の
大きさが、支持部材3の分割部3cの間隙の大きさより
大きくされているので、支持部材3の外周面に沿って周
方向(矢印A方向)に所定長さ伸び、その後、分割部1
5cを互いに当接する。この状態で、容器15の分割部
15cが溶接されて密閉される。溶接が完了すると治具
16が取り外される。このとき、超電導コイル1は復元
力で、側面と垂直方向に伸びようとするが、容器4は周
方向に伸張された状態で接合されているので、容器4に
径方向に縮むような張力が働いていて、この張力は超電
導コイル1の復元力に打ち勝ち、超電導コイル1の縮み
αはもどることがない。
【0023】このため、超電導コイル1は、液体ヘリウ
ム温度(4.2K)まで冷却されて熱収縮しても、支持
部材3との間に左右方向(側面に垂直な方向)の隙間δ
1が生じることがなく、超電導コイル1と推進案内用地
上コイル14との間で案内力が働いても、超電導コイル
1が左右方向に移動してしまうことがない。
【0024】このように構成された超電導コイル装置に
おいては、作製時に容器4は周方向に伸張された状態で
溶接されているので、容器4に径方向に縮むような張力
が働き、超電導コイル1は、完成時に支持部材3を介し
て側面と垂直な方向に所定の応力を加えられた状態に作
製される。そのため、液体ヘリウム温度において熱収縮
しても、支持部材3との間に隙間が形成されることがな
く、案内力が働いても、超電導コイル1が左右方向に移
動してしまうことがない。また、係合部が突起15dで
あるので、これに係合する治具16は、形状が簡単なも
のとなり作製が容易である。
【0025】なお、本実施の形態の容器15の分割部1
5cに形成された係合部は、突起15dであるが、係合
部は、突起に限るものではなく、例えば凹部であっても
よい。係合部が凹部で有る場合、治具はこの凹部にかか
って係合するような形状となることが必要である。さら
に、係合部は、必ずしも分割部の両縁部にある必要はな
く端部付近で有れば良い。
【0026】さらに、本実施の形態の容器15の断面形
状は円形であるが、断面形状は円形に限るものではな
く、例えば、楕円形や矩形でもよい。断面が矩形の場
合、例えば、容器が超電導コイル1の側面に垂直な方向
に2個に分割された断面コ字型の部材が各々の開口部を
突き合わされたような形状であって、係合部が分割部の
両縁部にある場合は、断面コ字型の側面に垂直な2側面
が伸張されるので、同じ効果を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1の超電導コイル装置において
は、超電導線材が環状に巻回され、樹脂が含浸されて一
体化された超電導コイルと、超電導コイルの巻回方向に
沿って超電導コイルを包囲するように形成され、超電導
コイルを密閉して収納し、内部に冷媒が封入された容器
と、超電導コイルと容器との間に、超電導コイルの周長
方向に所定の間隔を空けて複数個が配設され、容器から
所定の距離を離して、超電導コイルを支持する支持部材
とを備えた超電導コイル装置であって、支持部材は、そ
れぞれ超電導コイルの側面と垂直な方向に分割され、か
つ、超電導コイルの側面側から超電導コイルに接するよ
うにあてがわれた際に両端部間に所定の隙間を有する一
対の支持部材分割部材から構成され、容器は、超電導コ
イルの側面と垂直な方向に分割され、超電導コイルの側
面側から支持部材分割部材の外周面に接するようにあて
がわれた際に両端部間に一対の支持部材分割部材間の隙
間より大きな隙間を有し、かつ、両端部に係合部が設け
られた一対の容器分割部材から構成され、一対の容器分
割部材が、係合部を押圧されて周方向に伸張され、両端
部を当接状態で接合一体化され、一対の支持部材分割部
材は、外周面に容器分割部材が径方向に収縮する力を受
けて、超電導コイルを両側面方向から押圧している。そ
のため、超電導コイルは、容器から支持部材を介して所
定の応力を加えられた状態にあり、熱収縮しても支持部
材との間に隙間が形成されることがなく、案内力が働い
ても、超電導コイルが移動してしまうことがない。
【0028】請求項2の超電導コイル装置においては、
係合部は突起である。そのため、係合部に係合する治具
の形状を簡単なものとすることができ作製が容易であ
る。
【0029】請求項3の超電導コイル装置の作製方法に
おいては、超電導線材が環状に巻回され、樹脂が含浸さ
れて一体化された超電導コイルと、超電導コイルの巻回
方向に沿って超電導コイルを包囲するように形成され、
超電導コイルを密閉して収納し、内部に冷媒が封入され
た容器と、超電導コイルと容器との間に、超電導コイル
の周長方向に所定の間隔を空けて複数個が配設され、容
器から所定の距離を離して、超電導コイルを支持する支
持部材とを備えた超電導コイル装置の作製方法であっ
て、支持部材は、それぞれ超電導コイルの側面と垂直な
方向に分割され、かつ、超電導コイルの側面側から超電
導コイルに接するようにあてがわれた際に両端部間に所
定の隙間を有する一対の支持部材分割部材にあらかじめ
構成され、容器は、超電導コイルの側面と垂直な方向に
分割され、超電導コイルの側面側から支持部材分割部材
の外周面に接するようにあてがわれた際に両端部間に一
対の支持部材分割部材間の隙間より大きな隙間を有し、
かつ、両端部に係合部が設けられた一対の容器分割部材
にあらかじめ構成され、支持部材分割部材を超電導コイ
ルの周長方向に所定の間隔を空けてそれぞれ超電導コイ
ルの側面側から超電導コイルの側面に接するように複数
対配設する支持部材分割部材配設工程と、一対の容器分
割部材をそれぞれ超電導コイルの側面側から支持部材分
割部材の外周面に接するように配設する容器分割部材配
設工程と、一対の容器分割部材の係合部を介して両端部
同士が接する方向に加圧し、一対の支持部材分割部材の
両端部同士をそれぞれ当接させる第1の加圧工程と、一
対の容器分割部材の係合部を介して両端部同士が接する
方向にさらに加圧し、一対の容器分割部材を周方向に伸
張させて一対の容器分割部材の両端部同士を当接させる
第2の工程と、一対の容器分割部材の両端部同士を当接
状態で接合一体化する容器分割部材工程とを備えてい
る。そのため、簡単な方法で容器に周方向の張力を持た
せることができ、超電導コイルは、容器から支持部材を
介して所定の応力を加えられた状態にあり、熱収縮して
も支持部材との間に隙間が形成されることがなく、推進
力と案内力が働いても、超電導コイルが移動してしまう
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の超電導コイル装置を示す断面図で
ある。
【図2】 従来の超電導コイル装置を示す平面図であ
る。
【図3】 図2のIII-III線に沿う矢視断面図である。
【図4】 超電導コイル装置が搭載される磁気浮上車両
の断面図である。
【図5】 従来の超電導コイル装置の作製方法を示す断
面図である。
【図6】 超電導コイル装置を構成する部材の常温から
液体ヘリウム温度までの熱収縮率を示す図である。
【符号の説明】
1 超電導コイル、1a 超電導線材、1b エポキシ
樹脂層(樹脂)、3支持部材、3a,3b 支持部材分
割部材、15 容器、15a,15b 容器分割部材、
15d 突起(係合部)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−107011(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 6/00 ZAA H01F 41/04 ZAA

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線材が環状に巻回され、樹脂が含
    浸されて一体化された超電導コイルと、 上記超電導コイルの巻回方向に沿って該超電導コイルを
    包囲するように形成され、上記超電導コイルを密閉して
    収納し、内部に冷媒が封入された容器と、 上記超電導コイルと上記容器との間に、該超電導コイル
    の周長方向に所定の間隔を空けて複数個が配設され、該
    容器から所定の距離を離して、該超電導コイルを支持す
    る支持部材とを備えた超電導コイル装置であって、 上記支持部材は、それぞれ上記超電導コイルの側面と垂
    直な方向に分割され、かつ、上記超電導コイルの側面側
    から該超電導コイルに接するようにあてがわれた際に両
    端部間に所定の隙間を有する一対の支持部材分割部材か
    ら構成され、 上記容器は、上記超電導コイルの側面と垂直な方向に分
    割され、上記超電導コイルの側面側から上記支持部材分
    割部材の外周面に接するようにあてがわれた際に両端部
    間に上記一対の支持部材分割部材間隙間より大きな隙
    間を有し、かつ、両端部に係合部が設けられた一対の容
    器分割部材から構成され、 上記一対の容器分割部材が、上記係合部を押圧されて周
    方向に伸張され、両端部を当接状態で接合一体化され、
    上記一対の支持部材分割部材は、外周面に該容器分割部
    材が径方向に収縮する力を受けて、上記超電導コイルを
    両側面方向から押圧していることを特徴とする超電導コ
    イル装置。
  2. 【請求項2】 上記係合部は、突起であることを特徴と
    する請求項1記載の超電導コイル装置。
  3. 【請求項3】 超電導線材が環状に巻回され、樹脂が含
    浸されて一体化された超電導コイルと、 上記超電導コイルの巻回方向に沿って該超電導コイルを
    包囲するように形成され、上記超電導コイルを密閉して
    収納し、内部に冷媒が封入された容器と、 上記超電導コイルと上記容器との間に、該超電導コイル
    の周長方向に所定の間隔を空けて複数個が配設され、該
    容器から所定の距離を離して、該超電導コイルを支持す
    る支持部材とを備えた超電導コイル装置の作製方法であ
    って、 上記支持部材は、それぞれ上記超電導コイルの側面と垂
    直な方向に分割され、かつ、上記超電導コイルの側面側
    から該超電導コイルに接するようにあてがわれた際に両
    端部間に所定の隙間を有する一対の支持部材分割部材に
    あらかじめ構成され、 上記容器は、上記超電導コイルの側面と垂直な方向に分
    割され、上記超電導コイルの側面側から上記支持部材分
    割部材の外周面に接するようにあてがわれた際に両端部
    間に上記一対の支持部材分割部材間隙間より大きな隙
    間を有し、かつ、両端部に係合部が設けられた一対の容
    器分割部材にあらかじめ構成され、 上記支持部材分割部材を上記超電導コイルの周長方向に
    所定の間隔を空けてそれぞれ上記超電導コイルの側面側
    から該超電導コイルの側面に接するように複数対配設す
    る支持部材分割部材配設工程と、 上記一対の容器分割部材をそれぞれ上記超電導コイルの
    側面側から上記支持部材分割部材の外周面に接するよう
    に配設する容器分割部材配設工程と、 上記一対の容器分割部材の係合部を介して両端部同士が
    接する方向に加圧し、上記一対の支持部材分割部材の両
    端部同士をそれぞれ当接させる第1の加圧工程と、 上記一対の容器分割部材の係合部を介して両端部同士が
    接する方向にさらに加圧し、該一対の容器分割部材を周
    方向に伸張させて該一対の容器分割部材の両端部同士を
    当接させる第2の工程と、 上記一対の容器分割部材の両端部同士を当接状態で接合
    一体化する容器分割部材工程とを備えたことを特徴とす
    る超電導コイル装置の作製方法。
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