JP3332949B2 - 5,11,14−エイコサトリエン酸及び5,11,14,17−エイコサテトラエン酸並びにこれらを含有する脂質の製造方法 - Google Patents

5,11,14−エイコサトリエン酸及び5,11,14,17−エイコサテトラエン酸並びにこれらを含有する脂質の製造方法

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JP3332949B2 JP07775492A JP7775492A JP3332949B2 JP 3332949 B2 JP3332949 B2 JP 3332949B2 JP 07775492 A JP07775492 A JP 07775492A JP 7775492 A JP7775492 A JP 7775492A JP 3332949 B2 JP3332949 B2 JP 3332949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアラキドン酸生産能を有
する微生物又は、アラキドン酸生産能を有しかつΔ6不
飽和化活性の低下または欠損した微生物を利用した、発
酵法による5,11,14−エイコサトリエン酸、5,
11,14,17−エイコサテトラエン酸およびこれら
を含有する脂質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】5,11,14−エイコサトリエン酸
(TA)や5,11,14,17−エイコサテトラエン
酸(TTA)は、ナギ種子、ニオイヒバ(ビオタ)種
子、ハマグリやアサリ、ヒトデ、昆布やワカメ、コオロ
ギなどに含まれていることが知られている。しかしなが
ら、これらは含有量や供給の安定性の点で実用的とは言
えず、また微生物によってTAやTTAが生産されるこ
とはこれまで知られていない。また一般的にΔ5不飽和
化酵素は少なくとも8位と11位に二重結合を持つ炭素
数20の脂肪酸に作用するものであり、8位の二重結合
が欠如した脂肪酸に対して強い活性を示すことは知られ
ていない。
【0003】一方TAやTTAはアラキドン酸やEPA
の作用と拮抗するため、その生理活性が大いに期待され
ている(Biochinicaet BiophysicaActa, 1085(1991)371
-376、日本農芸化学会1992年度大会講演要旨集P6
5 2La15)。しかしながらTAやTTAを大量に
製造する方法は現在のところ全く知られておらず、この
ためTAやTTAの生産効率の高い製造方法の開発が強
く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、安価
な常用の培地を用い、必要に応じてα−リノレン酸や1
1,14−エイコサジエン酸、11,14,17−エイ
コサトリエン酸等を基質として培地に添加して、簡便に
効率よくTA及び/又はTTAを含有する油脂を製造す
る方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成するため種々研究した結果、アラキドン酸生産能
を有する微生物のΔ5不飽和化酵素が、8位の二重結合
が欠如した脂肪酸に対して強い活性を示すことを見い出
し、基質としてα−リノレン酸や11,14−エイコサ
ジエン酸、11,14,17−エイコサトリエン酸を培
地に添加することによりTAやTTAが生産できること
を、さらにアラキドン酸生産能を有しかつΔ6不飽和化
活性の低下または欠損した微生物を培養することによ
り、分取精製する際に邪魔になるジホモ−γ−リノレン
酸やアラキドン酸、エイコサペンタエン酸が少なくTA
やTTAの含有率の高いTAやTTAを含有する脂質を
生産することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】従ってこの発明は、アラキドン酸生産能を
有する微生物を、11,14−エイコサジエン酸もしく
はその誘導体、又はこれらを構成成分として含む油脂を
添加した培地で培養するか、あるいは該微生物が培養さ
れている培養液に11,14−エイコサジエン酸もしく
はその誘導体、又はこれらを構成成分として含む油脂を
添加してさらに培養することにより、5,11,14−
エイコサトリエン酸または5,11,14−エイコサト
リエン酸を含有する脂質を生成せしめ、そして5,1
1,14−エイコサトリエン酸を採取することを特徴と
する5,11,14−エイコサトリエン酸の製造方法;
及び
【0007】アラキドン酸生産能を有する微生物を、1
1,14−エイコサジエン酸もしくはその誘導体、又は
これらを構成成分として含む油脂を添加した培地で培養
するか、あるいは該微生物が培養されている培養液に1
1,14−エイコサジエン酸もしくはその誘導体、又は
これらを構成成分として含む油脂を添加してさらに培養
し、5,11,14−エイコサトリエン酸を含有する脂
質を採取することを特徴とする5,11,14−エイコ
サトリエン酸を含有する脂質の製造方法を提供しようと
するものである。
【0008】この発明はさらに、アラキドン酸生産能を
有する微生物を、α−リノレン酸もしくはその誘導体、
11,14,17−エイコサトリエン酸もしくはその誘
導体、又はこれらを構成成分として含む油脂を添加した
培地で培養するか、あるいは該微生物が培養されている
培養液にα−リノレン酸もしくはその誘導体、11,1
4,17−エイコサトリエン酸もしくはその誘導体、又
はこれらを構成成分として含む油脂を添加してさらに培
養することにより、5,11,14,17−エイコサテ
トラエン酸または5,11,14,17−エイコサテト
ラエン酸を含有する脂質を生成せしめ、そして5,1
1,14,17−エイコサテトラエン酸を採取すること
を特徴とする5,11,14,17−エイコサテトラエ
ン酸の製造方法;及び
【0009】アラキドン酸生産能を有する微生物を、α
−リノレン酸もしくはその誘導体、11,14,17−
エイコサトリエン酸もしくはその誘導体、又はこれらを
構成成分として含む油脂を添加した培地で培養するか、
あるいは該微生物が培養されている培養液にα−リノレ
ン酸もしくはその誘導体、11,14,17−エイコサ
トリエン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構成成分
として含む油脂を添加してさらに培養し、5,11,1
4,17−エイコサテトラエン酸を含有する脂質を採取
することを特徴とする5,11,14,17−エイコサ
テトラエン酸を含有する脂質の製造方法を提供する。
【0010】さらに本発明は、アラキドン酸生産能を有
し、かつΔ6不飽和化活性の低下または欠損した微生物
を培養して、5,11,14−エイコサトリエン酸また
はこれを含有する脂質を生成せしめ、そして5,11,
14−エイコサトリエン酸を採取することを特徴とする
5,11,14−エイコサトリエン酸の製造方法;及び
アラキドン酸生産能を有し、かつΔ6不飽和化活性の低
下または欠損した微生物を培養し、5,11,14−エ
イコサトリエン酸を含有する脂質を採取することを特徴
とする5,11,14−エイコサトリエン酸を含有する
脂質の製造方法を提供する。
【0011】本発明者らはさらに、アラキドン酸生産能
を有する微生物を11,14−エイコサジエン酸もしく
はその誘導体、又はこれらを含有する油脂が添加された
培地で培養する際、20℃以下で培養することにより、
TAとともにTTAを生産することができ、またアラキ
ドン酸生産能を有しかつΔ6不飽和化活性の低下または
欠損した微生物を培養する際、20℃以下で培養するこ
とにより、TAとともにTTAを生産することができる
ことを見出した。
【0012】従って本発明は、アラキドン酸生産能を有
する微生物を、11,14−エイコサジエン酸もしくは
その誘導体、又はこれらを構成成分として含む油脂を添
加した培地で20℃以下の温度で培養するか、あるいは
該微生物が培養されている培養液に11,14−エイコ
サジエン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構成成分
として含む油脂を添加して20℃以下の温度でさらに培
養することにより、5,11,14,17−エイコサテ
トラエン酸または5,11,14,17−エイコサテト
ラエン酸を含有する脂質を生成せしめ、そして5,1
1,14,17−エイコサテトラエン酸を採取すること
を特徴とする5,11,14,17−エイコサテトラエ
ン酸の製造方法;及び
【0013】アラキドン酸生産能を有する微生物を、1
1,14−エイコサジエン酸もしくはその誘導体、又は
これらを構成成分として含む油脂を添加した培地で20
℃以下の温度で培養するか、あるいは該微生物が培養さ
れている培養液に11,14−エイコサジエン酸もしく
はその誘導体、又はこれらを構成成分として含む油脂を
添加して20℃以下の温度でさらに培養し、5,11,
14,17−エイコサテトラエン酸を含有する脂質を採
取することを特徴とする5,11,14,17−エイコ
サテトラエン酸を含有する脂質の製造方法を提供する。
【0014】本発明は同様に、アラキドン酸生産能を有
し、かつΔ6不飽和化活性の低下または欠損した微生物
を20℃以下の温度で培養して、5,11,14,17
−エイコサテトラエン酸またはこれを含有する脂質を生
成せしめ、そして5,11,14,17−エイコサテト
ラエン酸を採取することを特徴とする5,11,14,
17−エイコサテトラエン酸の製造方法;及びアラキド
ン酸生産能を有し、かつΔ6不飽和化活性の低下または
欠損した微生物を20℃以下の温度で培養し、5,1
1,14,17−エイコサテトラエン酸を含有する脂質
を採取することを特徴とする5,11,14,17−エ
イコサテトラエン酸を含有する脂質の製造方法を提供す
る。
【0015】
【具体的な説明】本発明においては、アラキドン酸生産
能を有する微生物であれば、すべて使用することがで
き、アラキドン酸生産能を有する微生物としては、例え
ばモルティエレラ(Mortierella)属、コニ
ディオボラス(Conidiobolus)属、フィチ
ウム(Pythium)属、フィトフトラ(Phyto
phthora)属、ペニシリューム(Penicil
lium)属、クラドスポリューム(Cladospo
rium)属、ムコール(Mucor)属、フザリュー
ム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspe
rgillus)属、ロードトルラ(Rhodotor
ula)属またはエントモフトラ(Entomopht
hora)属に属する微生物を挙げることができる。
【0016】これらの属に属する具体的な微生物株とし
て、例えば、モルティエレラ・アルピナ(Mortie
rella alpina)IFO8568、コニディ
オボラス・スロモボイデス(Conidiobolus
thromoboides)CBS183.60、フ
ィチウム・イレグラレ(Pythium irregu
lare)CBS494.86、フィトフトラ・インフ
ェスタンス(Phytophthora infest
ans)IFO4872、ペニシリューム・シアネウム
Penicillium cyaneum)IFO5
337、クラドスポリューム・ヘルブラム(Clado
sporium herbarum)IFO3031
4、ムコール・アンビガス(Mucor ambigu
us)IFO6742、フザリューム・オキソポラム
Fusarium oxysporum)IFO59
42、アスペルギルス・カンディダス(Aspergi
llus candidus)IFO8816、ロード
トルラ・グラチニス(Rhodotorula glu
tinis)IFO0695、エントモフトラ・イグノ
ビリス(Entomophthora ignobil
is)CBS181.60、等を挙げることができる。
【0017】さらに、アラキドン酸生産能を有し、かつ
Δ6不飽和化活性の低下または欠損した微生物を使用す
ることができる。このような微生物は、例えばアラキド
ン酸生産能を有する微生物に突然変異操作を行い、Δ6
不飽和化酵素活性が低下又は欠失した変異株を誘発させ
ることによって得られる。突然変異操作としては、放射
線(X線、γ線、中性子線)や紫外線を照射したり、高
熱処理を行ったり、また微生物を適当なバッファー中な
どに懸濁し、変異源を加えて一定時間インキュベート
後、適当に希釈して寒天培地に植菌し、変異株のコロニ
ーを得るといった操作を行うこともできる。
【0018】変異源としては、ナイトロジェンマスター
ド、メチルメタンサルホネート(MMS)、N−メチル
−N′−ニトロソ−N−ニトロソグアニジン(NTG)
等のアルキル化剤や、5−ブロモウラシル等の塩基類似
体や、マイトマイシンC等の抗生物質や、6−メルカプ
トプリン等の塩基合成阻害剤や、プロフラビン等の色素
類や、4−ニトロキノリン−N−オキシド等のある種の
発癌剤や塩化マンガン、重クロム酸カリウム、亜硝酸、
ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、ホルムアルデヒド、
ニトロフラン化合物類などを挙げることができる。変異
に使用する微生物は、生育菌体(菌糸など)でも良い
し、胞子でも良い。こうして得られたモルティエレラ属
の変異株としては例えば、本発明者らが土壌から分離し
た菌株モルティエレラ・アルピナSAM0595の突然
変異株SAM1969(微工研菌寄第12901号)を
挙げることができる。
【0019】本発明に使用される生産株を培養するため
には、その菌株の胞子、菌糸、又は予め培養して得られ
た前培養液を、液体培地又は固形培地に接種し培養す
る。液体培地の場合に、炭素源としてはグルコース、フ
ラクトース、キシロース、サッカロース、マルトース、
可溶性デンプン、糖蜜、グリセロール、マンニトール等
の一般的に使用されているものが、いずれも使用できる
が、これらに限られるものではない。窒素源としてはペ
プトン、酵母エキス、麦芽エキス、肉エキス、カザミノ
酸、コーンスティプリカー等の天然窒素源の他に、尿素
等の有機窒素源、ならびに硝酸ナトリウム、硝酸アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム等の無機窒素源を用いること
ができる。
【0020】この他必要に応じリン酸塩、硫酸マグネシ
ウム、硫酸鉄、硫酸銅等の無機塩及びビタミン等も微量
栄養源として使用できる。これらの培地成分は微生物の
成育を害しない濃度であれば特に制限しない。実用上一
般に、炭素源は0.1〜30重量%、好ましくは1〜1
0重量%、窒素源は0.01〜5重量%、好ましくは
0.1〜2重量%の濃度とするのが良い。又、培養温度
は5〜40℃、好ましくは12〜30℃とし、培地のpH
は4〜10、好ましくは6〜9として通気攪拌培養、振
とう培養、又は静置培養を行う。培養は通常2〜10日
間行う。
【0021】固体培地で培養する場合は、固形物重量に
対して50〜100重量%の水を加えたふすま、もみが
ら、米ぬか等を用い、5〜40℃、好ましくは12〜3
0℃の温度において、3〜14日間培養を行う。この場
合に必要に応じて培地中に窒素源、無機塩類、微量栄養
源を加えることができる。
【0022】本発明においてアラキドン酸生産能を有す
る微生物を用いる場合、TAを蓄積させるため、TAの
基質を培地に添加する。基質としては11,14−エイ
コサジエン酸又はその誘導体、又はこれらを含有する油
脂が挙げられる。他方、TTAを選択的に蓄積させるた
めには、TTAの基質を培地に添加する。基質としては
11,14,17−エイコサトリエン酸又はその誘導
体、α−リノレン酸又はその誘導体、又はこれらを構成
成分として含有する油脂が挙げられる。
【0023】上記誘導体として、エステル、塩、アミド
等が挙げられる。エステルは、メチルエステル、エチル
エステル、オクチルエステル等のアルキルエステル、ト
コフェロールエステル、アシルグリセロール類、ホスフ
ァチジルコリンやホスファチジルエタノール等のリン脂
質類、スチロールエステル等が挙げられる。塩は主にア
ルカリ金属塩のリチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩
やアンモニウム塩等が挙げられる。アミドはアミノ酸と
結合したN−アシルグルタメートやN−アシルアスパレ
ート等及びN−2−アミノエタノール、N−ニコチノイ
ル−2−アミノエタノール、N−ピリドキシルアミド、
5−アミノペンチル−1−イミダゾール、3−アミノメ
チルピリジンとのアミド化合物等が挙げられる。
【0024】また、本発明においてアラキドン酸生産能
を有し、かつΔ6不飽和化活性の低下または欠損した微
生物を使用する場合には、基質の添加は必ずしも必要で
はないが、TAやTTAの蓄積を促進するため、TAや
TTAの基質を培地に添加することが好ましい。基質と
しては、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等
の炭化水素、酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン
酸、11,14−エイコサジエン酸、11,14,17
−エイコサトリエン酸等の脂肪酸、又はその塩(例えば
ナトリウム塩またはカリウム塩)、脂肪酸エステル、又
は脂肪酸を構成成分として含む油脂(例えばオリーブ
油、大豆油、綿実油、ヤシ油)等を挙げることができる
が、これらに限られるものではない。
【0025】これらの基質の総添加量は、培地に対して
0.001〜10重量%、好ましくは0.05〜10重
量%である。これらの基質は、生産微生物を接種する前
又はその直後の培地に加えてもよく、あるいは両時点で
加えてもよい。培養開始後の添加は1回でもよく、又は
複数回に分けて間欠的に添加してもよい。あるいは、連
続的に添加することもできる。
【0026】さらに本発明において、アラキドン酸生産
能を有する微生物を11,14−エイコサジエン酸又は
そのエステルや塩、これらを含有する油脂が添加された
培地で培養する際、20℃以下で培養することにより、
TAとともにTTAを生産することができる。またアラ
キドン酸生産能を有し、かつΔ6不飽和化活性の低下ま
たは欠損した微生物を培養する際、20℃以下で培養す
ることにより、TAとともにTTAを生産することがで
きる。
【0027】このようにして培養して、菌体内にTA及
び/又はTTAを含有する脂質が生成蓄積される。液体
培地を使用した場合には、培養菌体から、例えば、次の
ようにしてTA及び/又はTTAの採取を行う。
【0028】培養終了後、培養液より遠心分離及び濾過
等の常用の固液分離手段により培養菌体を得る。菌体は
十分水洗いし、好ましくは乾燥する。乾燥は凍結乾燥、
風乾等によって行うことができる。乾燥菌体は、好まし
くは窒素気流下で有機溶媒によって抽出処理する。有機
溶媒としてはエーテル、ヘキサン、メタノール、エタノ
ール、クロロホルム、ジクロロメタン、石油エーテル等
を用いることができ、又メタノールと石油エーテルの交
互抽出やクロロホルム−メタノール−水の一層系の溶媒
を用いた抽出によって良好な結果を得ることができる。
抽出物から減圧下で有機溶媒を留去することにより、高
濃度のTA及び/又はTTAを含有した脂質が得られ
る。
【0029】また、上記の方法に代えて湿菌体を用いて
抽出を行うことができる。メタノール、エタノール等の
水に対して相溶性の溶媒、又はこれらと水及び/又は他
の溶媒とから成る水に対して相溶性の混合溶媒を使用す
る。その他の手順は上記と同様である。
【0030】上記のようにして得られた脂質中には、T
A及び/又はTTAが脂質化合物、例えば脂肪の構成成
分として含まれている。これらの直接分離することもで
きるが、低級アルコールとのエステル、例えばTA及び
/又はTTAのメチルエステルとして分離するのが好ま
しい。このようなエステルにすることにより、他の脂質
成分から容易に分離することができ、また、培養中に生
成する他の脂肪酸、例えばパルミチン酸、オレイン酸等
(これらも、TA及び/又はTTAのエステル化に際し
てエステル化される)から容易に分離することができ
る。例えば、TA及び/又はTTAのメチルエステルを
得るには、前記の抽出脂質を無水メタノール−塩酸5〜
10%、BF3 −メタノール10〜50%等により、室
温にて1〜24時間処理するのが好ましい。
【0031】前記の処理液からTA及び/又はTTAの
メチルエステルを回収するにはヘキサン、エーテル、酢
酸エチル等の有機溶媒で抽出するのが好ましい。次に、
この抽出液を無水硫酸ナトリウム等により乾燥し、有機
溶媒を好ましくは減圧下で留去することにより主として
脂肪酸エステルからなる混合物が得られる。この混合物
中には、目的とするTA及び/又はTTAメチルエステ
ルの他に、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸
メチルエステル、オレイン酸メチルエステル等が含まれ
ている。これらの脂肪酸メチルエステル混合物からTA
及び/又はTTAメチルエステルを単離するには、カラ
ムクロマトグラフィー、低温結晶化法、尿素包接法、液
々向流分配クロマトグラフィー等を単独で、又は組み合
わせて使用することができる。
【0032】こうして単離されたTA及び/又はTTA
のメチルエステルからTA及び/又はTTAを得るに
は、アルカリで加水分解した後、エーテル、酢酸エチル
等の有機溶媒で抽出すればよい。また、TA及び/又は
TTAをそのメチルエステルを経ないで採取するには、
前記の抽出脂質をアルカリ分解(例えば5%水酸化ナト
リウムにより室温にて2〜3時間)した後、この分解液
から、脂肪酸の抽出・精製に常用されている方法により
抽出・精製することができる。
【0033】次に、実施例により、この発明をさらに具
体的に説明する。
【実施例】実施例1. グルコース2%、酵母エキス1%、及び1
1,14−エイコサジエン酸0.05%を含む培地(pH
6.0)10mlを50mlのエルレンマイヤーフラスコに
入れ、120℃で20分間殺菌した。以下に示す菌株を
それぞれ培地に1白金耳接種し、レシプロシェーカー
(110rpm)により、12℃及び28℃の2種類の温度
で10日間培養した。
【0034】菌株:(1)モルティエレラ・アルピナ
Mortierella alpina)IFO85
68 (2)フィチウム・イレグラレ(Pythium ir
regulare)CBS494.86 (3)フィトフトラ・インフェスタンス(Phytop
hthorainfestans)IFO4872 (4)エントモフトラ・イグノビリス(Entomop
hthoraignobilis)CBS181.60 (5)ペニシリューム・シアネウム(Penicill
ium cyaneum)IFO5337 (6)クラドスポリューム・ヘルブラム(Clados
poriumherbarum)IFO30314 (7)ムコール・アンビガス(Mucor ambig
uus)IFO6742 (8)フザリューム・オキソポラム(Fusarium
oxysporum)IFO5942 (9)アスペルギルス・カンディダス(Aspergi
llus candidus)IFO8816 (10)ロードトルラ・グラチニス(Rhodotor
ula glutinis)IFO0695 (11)コニディオボラス・スロモボイデス(Coni
diobolus thromoboides)CBS
183.60
【0035】培養後、濾過により菌体を回収し、十分水
洗した後、遠心エバポレーター(60℃、2時間)で乾
燥させ、そして塩化メチレン2ml、無水メタノール塩酸
(10%)2ml加え、50℃で3時間処理することによ
ってメチルエステル化し、n−ヘキサン4ml、水1mlを
加え、2回抽出し溶媒を遠心エバポレーター(40℃、
1時間)で留去した後、得られた脂肪酸メチルエステル
をガスクロマトグラフィーで分析した。表1にその結果
を示す。
【0036】 表 1 ────────────────────────────────── 脂肪酸生産量(mg/l) 28℃ 12℃ 生 産 菌 株 TA TTA TA TTA (1)モルティエレラ・アルピナ 109 <1 105 11 (2)フィチウム・イレグラレ 46 <1 39 8 (3)フィトフトラ・インフェスタンス 53 <1 39 5 (4)エントモフトラ・イグノビリス 60 <1 53 7 (5)ペニシリューム・シアネウム 60 <1 49 7 (6)クラドスポリューム・ヘルブラム 63 <1 52 5 (7)ムコール・アンビガス 42 <1 35 6 (8)フザリューム・オキソポラム 42 <1 38 8 (9)アスペルギルス・カンディダス 42 <1 35 5 (10)ロードトルラ・グラチニス 56 <1 48 5 (11)コニディオボラス・スロモボイデス 84 <1 70 5
【0037】得られたTA及びTTAは質量分析、NM
R分析等により同定した。28℃ではTAのみが生産さ
れ、そして12℃ではTAとTTAの両方が生産され
た。
【0038】実施例2.グルコース2%、酵母エキス1
%、及び11,14−エイコサジエン酸0.05%を含
む培地(pH6.0)10mlを50mlのエルレンマイヤー
フラスコに入れ、120℃で20分間殺菌した。モルテ
ィエレラ・アルピナIFO8568を培地に1白金耳接
種し、レシプロシェーカー(110rpm)により、12
℃、15℃、17℃、20℃、21℃、23℃、25℃
及び28℃の8種類の温度で10日間培養した。表2お
よび図1に結果を示す。
【0039】 表 2 ────────────────────── 脂肪酸生産量(mg/l) 温 度 TTA TA 12℃ 11 105 15 8 106 17 4 106 20 1 109 21 <1 108 23 <1 108 25 <1 109 28 <1 109 TAは温度にかかわらず生成したが、TTAは20℃以
下の時だけ生成した。
【0040】実施例3.グルコース2%、酵母エキス1
%、及び11,14,17−エイコサトリエン酸0.0
5%を含む培地(pH6.0)を用いて、実施例1で使用
したのと同じ菌株を用い、実施例1と同様の方法で培養
を実施した。表3に結果を示す。
【0041】 表 3 ────────────────────────────────── 脂肪酸生産量(mg/l) 28℃ 12℃ 生 産 菌 株 TA TTA TA TTA モルティエレラ・アルピナ <1 42 <1 53 フィチウム・イレグラレ <1 28 <1 32 フィトフトラ・インフェスタンス <1 22 <1 33 エントモフトラ・イグノビリス <1 27 <1 35 ペニシリューム・シアネウム <1 25 <1 28 クラドスポリューム・ヘルブラム <1 25 <1 25 ムコール・アンビガス <1 26 <1 26 フザリューム・オキソポラム <1 28 <1 30 アスペルギルス・カンディダス <1 22 <1 24 ロードトルラ・グラチニス <1 22 <1 24 コニディオボラス・スロモボイデス <1 32 <1 36 温度にかかわらずTTAのみ生成した。
【0042】実施例4.グルコース2%及び酵母エキス
1%を含む培地(pH6.0)を用いて、モルティエレラ
・アルピナ(Mortierella alpina
SAM0595の突然変異株SAM1969を用いて実
施例1と同様の方法で培養を実施した。表4に結果を示
す。
【0043】 表 4 ────────────────────────────────── 脂肪酸生産量(mg/l) 28 ℃ 12 ℃ 生 産 菌 株 TA TTA TA TTA 突然変異株SAM1969 118(9.0%) <1 105(8.1 %) 42(3.2%) 〔親株SAM0595(実施例1 109(3.2 %) <1 105(3.1 %) 11(0.3%)〕 培養条件) カッコ内の数値は全脂肪酸に対する比率(%)を示す。
【0044】実施例5.グルコース2%及び酵母エキス
1%に、第5表に示すTAもしくはTTAの前駆体また
はそれを含む油脂をそれぞれ0.1%添加した培地(pH
6.0)を用いて、実施例1と同様の方法で培養を実施
した。表5に結果を示す。
【0045】 表 5 ─────────────────────────────────── 脂肪酸生産量(mg/l) 28 ℃ 12 ℃ 添 加 物 TA TTA TA TTA 無添加 116 <1 105 42 ヘキサデカン 140 <1 133 60 オクタデカン 143 <1 137 61 パルミチン酸 151 <1 140 66 オレイン酸 151 <1 144 65 リノール酸 175 <1 154 81 α−リノレン酸 112 39 109 98 11,14−20:2 228 <1 210 84 11,14−20:2メチル 357 <1 343 130 11,14−20:2エチル 329 <1 315 126 11,14−20:2ナトリウム 210 <1 192 88 11,14,17−20:3 112 53 105 100 11,14,17−20:3メチル 109 84 100 130 オリーブ油 175 <1 157 60 サフラワー油 193 <1 172 61 アマニ油 147 28 133 57 20:2はエイコサジエン酸、20:3はエイコサトリ
エン酸を表す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はモルティエレラ・アルピナIFO856
8による5,11,14,17−エイコサテトラエン酸
(TTA)の生産に対する温度の影響を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 7/64 C12R 1:785) (C12P 7/64 C12R 1:66) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 7/64 CA(STN) REGISTRY(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モルティエレラ(Mortierella)属、コ
    ニディオボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pyth
    ium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリ
    ューム(Penicillium)属、クラドスポリューム(Clado
    sporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fu
    sarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロー
    ドトルラ(Rhodotorula)属またはエントモフトラ(Ent
    omophthora)属に属するアラキドン酸生産能を有する微
    生物を、11,14-エイコサジエン酸もしくはその誘導体、
    又はこれらを構成成分として含む油脂を添加した培地で
    培養するか、あるいは該微生物が培養されている培養液
    に11,14-エイコサジエン酸もしくはその誘導体、又はこ
    れらを構成成分として含む油脂を添加してさらに培養す
    ることにより、5,11,14-エイコサトリエン酸または5,1
    1,14-エイコサトリエン酸を含有する脂質を生成せし
    め、そして5,11,14-エイコサトリエン酸を採取する、こ
    とを特徴とする5,11,14-エイコサトリエン酸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 モルティエレラ(Mortierella)属、コ
    ニディオボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pyth
    ium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリ
    ューム(Penicillium)属、クラドスポリューム(Clado
    sporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fu
    sarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロー
    ドトルラ(Rhodotorula)属またはエントモフトラ(Ent
    omophthora)属に属するアラキドン酸生産能を有する微
    生物を、11,14-エイコサジエン酸もしくはその誘導体、
    又はこれらを構成成分として含む油脂を添加した培地で
    培養するか、あるいは該微生物が培養されている培養液
    に11,14-エイコサジエン酸もしくはその誘導体、又はこ
    れらを構成成分として含む油脂を添加してさらに培養
    し、5,11,14-エイコサトリエン酸を含有する脂質を採取
    する、ことを特徴とする5,11,14-エイコサトリエン酸を
    含有する脂質の製造方法。
  3. 【請求項3】 モルティエレラ(Mortierella)属、コ
    ニディオボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pyth
    ium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリ
    ューム(Penicillium)属、クラドスポリューム(Clado
    sporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fu
    sarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロー
    ドトルラ(Rhodotorula)属またはエントモフトラ(Ent
    omophthora)属に属するアラキドン酸生産能を有する微
    生物を、α−リノレン酸もしくはその誘導体、11,14,17
    -エイコサトリエン酸もしくはその誘導体、又はこれら
    を構成成分として含む油脂を添加した培地で培養する
    か、あるいは該微生物が培養されている培養液にα−リ
    ノレン酸もしくはその誘導体、11,14,17-エイコサトリ
    エン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構成成分とし
    て含む油脂を添加してさらに培養することにより、5,1
    1,14,17-エイコサテトラエン酸または5,11,14,17-エイ
    コサテトラエン酸を含有する脂質を生成せしめ、そして
    5,11,14,17-エイコサテトラエン酸を採取する、ことを
    特徴とする5,11,14,17-エイコサテトラエン酸の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 モルティエレラ(Mortierella)属、コ
    ニディオボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pyth
    ium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリ
    ューム(Penicillium)属、クラドスポリューム(Clado
    sporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fu
    sarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロー
    ドトルラ(Rhodotorula)属またはエントモフトラ(Ent
    omophthora)属に属するアラキドン酸生産能を有する微
    生物を、α−リノレン酸もしくはその誘導体、11,14,17
    -エイコサトリエン酸もしくはその誘導体、又はこれら
    を構成成分として含む油脂を添加した培地で培養する
    か、あるいは該微生物が培養されている培養液にα−リ
    ノレン酸もしくはその誘導体、11,14,17-エイコサトリ
    エン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構成成分とし
    て含む油脂を添加してさらに培養し、5,11,14,17-エイ
    コサテトラエン酸を含有する脂質を採取する、ことを特
    徴とする5,11,14,17-エイコサテトラエン酸を含有する
    脂質の製造方法。
  5. 【請求項5】 モルティエレラ(Mortierella)属に属
    し、アラキドン酸生産能を有し、かつΔ6不飽和化活性
    の低下または欠損した微生物を培養して、5,11,14-エイ
    コサトリエン酸またはこれを含有する脂質を生成せし
    め、そして5,11,14-エイコサトリエン酸を採取する、こ
    とを特徴とする5,11,14-エイコサトリエン酸の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 モルティエレラ(Mortierella)属に属
    し、アラキドン酸生産能を有し、かつΔ6不飽和化活性
    の低下または欠損した微生物を培養し、5,11,14-エイコ
    サトリエン酸を含有する脂質を採取する、ことを特徴と
    する5,11,14-エイコサトリエン酸を含有する脂質の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 モルティエレラ(Mortierella)属、コ
    ニディオボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pyth
    ium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリ
    ューム(Penicillium)属、クラドスポリューム(Clado
    sporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fu
    sarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロー
    ドトルラ(Rhodotorula)属またはエントモフトラ(Ent
    omophthora)属に属するアラキドン酸生産能を有する微
    生物を、11,14-エイコサジエン酸もしくはその誘導体、
    又はこれらを構成成分として含む油脂を添加した培地で
    20℃以下の温度で培養するか、あるいは該微生物が培養
    されている培養液に11,14−エイコサジエン酸もし
    くはその誘導体、又はこれらを構成成分として含む油脂
    を添加して20℃以下の温度でさらに培養することによ
    り、5,11,14,17-エイコサテトラエン酸または5,11,14,1
    7-エイコサテトラエン酸を含有する脂質を生成せしめ、
    そして5,11,14,17-エイコサテトラエン酸を採取する、
    ことを特徴とする5,11,14,17-エイコサテトラエン酸の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 モルティエレラ(Mortierella)属、コ
    ニディオボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pyth
    ium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリ
    ューム(Penicillium)属、クラドスポリューム(Clado
    sporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fu
    sarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロー
    ドトルラ(Rhodotorula)属またはエントモフトラ(Ent
    omophthora)属に属するアラキドン酸生産能を有する微
    生物を、11,14-エイコサジエン酸もしくはその誘導体、
    又はこれらを構成成分として含む油脂を添加した培地で
    20℃以下の温度で培養するか、あるいは該微生物が培養
    されている培養液に11,14-エイコサジエン酸もしくはそ
    の誘導体、又はこれらを構成成分として含む油脂を添加
    して20℃以下の温度でさらに培養し、5,11,14,17-エイ
    コサテトラエン酸を含有する脂質を採取する、ことを特
    徴とする5,11,14,17-エイコサテトラエン酸を含有する
    脂質の製造方法。
  9. 【請求項9】 モルティエレラ(Mortierella)属の属
    し、アラキドン酸生産能を有し、かつΔ6不飽和化活性
    の低下または欠損した微生物を20℃以下の温度で培養し
    て、5,11,14,17-エイコサテトラエン酸またはこれを含
    有する脂質を生成せしめ、そして5,11,14,17-エイコサ
    テトラエン酸を採取する、ことを特徴とする5,11,14,17
    -エイコサテトラエン酸の製造方法。
  10. 【請求項10】 モルティエレラ(Mortierella)属に
    属し、アラキドン酸生産能を有し、かつΔ6不飽和化活
    性の低下または欠損した微生物を20℃以下の温度で培養
    し、5,11,14,17-エイコサテトラエン酸を含有する脂質
    を採取する、ことを特徴とする5,11,14,17-エイコサテ
    トラエン酸を含有する脂質の製造方法。
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