JP2001245687A - n−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質及びその製造方法 - Google Patents

n−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 n−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪
酸の微生物による製造方法の提供。 【解決手段】 アラキドン酸生産能を有する微生物を、
パルミトレイン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構
成成分として含有する油脂を添加した培地で培養し、培
養物から脂質を採取することを特徴とするn−4系及び
/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質の製造
方法、並びにアラキドン酸生産能を有する微生物から得
られた、パルミチン酸からステアリン酸への脂肪酸鎖長
延長活性が低下又は欠損した微生物を培養し、培養物か
ら脂質を採取することを特徴とするn−4系及び/又は
n−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質の製造方法。
本発明によれば、従来微生物によっては製造できなかっ
た、炭素原子数18個以上のn−4系及び/又はn−7
系の高度不飽和脂肪酸を微生物により製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アラキドン酸生産
能を有する微生物から得られた、パルミチン酸からステ
アリン酸への脂肪酸鎖長延長活性が低下又は欠損した微
生物を培養することにより、もしくは、アラキドン酸生
産能を有する微生物を、パルミトレイン酸もしくはその
誘導体、又はこれらを構成成分として含有する油脂を添
加した培地で培養することにより、培養物からn−4系
及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質を
採取すること、あるいは該脂質からn−4系及び/又は
n−7系高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリド、
又はn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を分
離精製することを特徴とするn−4系又はn−7系高度
不飽和脂肪酸、又はこれらを含有する脂質の製造方法、
並びにn−4系又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有す
る脂質、及びこれらを含有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にn−4系又はn−7系高度不飽和
脂肪酸とは、二重結合を2つ以上持ち、かつメチル基末
端から数えて4番目又は7番目の炭素にメチル基側最初
の二重結合を持つ脂肪酸である。n−4系又はn−7系
高度不飽和脂肪酸の二重結合は、通常生体内に存在する
リノール酸やα−リノレン酸、アラキドン酸などのn−
3系、n−6系高度不飽和脂肪酸の二重結合とは異なっ
た配置をとっており、これら通常の脂肪酸の作用と拮抗
すると考えられるため、その生理作用が期待され、ま
た、食品、化粧品、医薬品、動物飼料などへの応用が期
待されている。
【0003】実際、炭素数18以上のn−7系高度不飽
和脂肪酸は必須脂肪酸の欠乏した動物体内に存在するこ
とが知られており、動物体内で様々な作用を持つと考え
られている(Wolff RL "New trends in lipid and lipo
protein analyses" AmericanOil Chemists' Society, 1
47-180, 1995 )。炭素数が16のn−4系又はn−7
系高度不飽和脂肪酸は微生物や藻類に存在することが知
られているが、炭素数が18以上のn−4系又はn−7
系高度不飽和脂肪酸の供給源は上記動物が知られている
のみで、上記動物の体内からの抽出は、供給の安定性や
含量が低い点に問題があり、実用性は低かった。
【0004】このため、特に炭素数が18以上のn−4
系又はn−7系高度不飽和脂肪酸、又はこれらを含有す
る脂質の製造方法、並びに炭素数が18以上のn−4系
又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質又はトリ
グリセリド、及びこれらを含有する組成物の開発が強く
望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、炭素
数が18以上のn−4系又はn−7系高度不飽和脂肪
酸、もしくはこれらを含有する脂質又はトリグリセリド
の製造方法、並びに炭素数が18以上のn−4系又はn
−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質又はトリグリセ
リド、及びこれらを含有する組成物を提供しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために種々研究した結果、アラキドン酸生
産能を有する微生物を、パルミトレイン酸もしくはその
誘導体、又はこれらを構成成分として含有する油脂を添
加した培地で培養することにより、n−4系及び/又は
n−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質を生成するこ
とを見い出した。さらに、アラキドン酸生産能を有する
微生物からパルミチン酸からステアリン酸への脂肪酸鎖
長延長活性が低下又は欠損した微生物を取得し、これを
培養することにより、n−4系及び/又はn−7系高度
不飽和脂肪酸を含有する脂質を生成することをも見い出
し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、アラキドン酸生産能を
有する微生物を、パルミトレイン酸もしくはその誘導
体、又はこれらを構成成分として含有する油脂を添加し
た培地で培養し、そして培養物から脂質を採取すること
を特徴とするn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂
肪酸を含有する脂質の製造方法;並びにアラキドン酸生
産能を有する微生物から得られた、パルミチン酸からス
テアリン酸への脂肪酸鎖長延長活性が低下又は欠損した
微生物を培養し、そして培養物から脂質を採取すること
を特徴とするn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂
肪酸を含有する脂質の製造方法を提供する。
【0008】本発明はさらに、脂質中の全脂肪酸に対し
て7, 10, 13, 16−エイコサテトラエン酸の含量
が1.5重量%以上である7, 10, 13, 16−エイ
コサテトラエン酸を含有する脂質、脂質中の全脂肪酸に
対して5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸の
含量が0.5重量%以上である5, 8, 11, 14−オ
クタデカテトラエン酸を含有する脂質、脂質中の全脂肪
酸に対して8, 11, 14−オクタデカトリエン酸の含
量が0.1重量%以上である8, 11, 14−オクタデ
カトリエン酸を含有する脂質、
【0009】脂質中の全脂肪酸に対して炭素数が18以
上のn−4系高度不飽和脂肪酸の含量が2.8重量%以
上である炭素数が18以上のn−4系高度不飽和脂肪酸
を含有する脂質、脂質中の全脂肪酸に対して7, 10,
13−エイコサトリエン酸の含量が0.1重量%以上で
ある7, 10, 13−エイコサトリエン酸を含有する脂
質、脂質中の全脂肪酸に対して5, 8, 11−オクタデ
カトリエン酸の含量が0.1重量%以上である5, 8,
11−オクタデカトリエン酸を含有する脂質、脂質中の
全脂肪酸に対して8, 11−オクタデカジエン酸の含量
が0.1重量%以上である8, 11−オクタデカジエン
酸を含有する脂質、
【0010】脂質中の全脂肪酸に対して炭素数が18以
上のn−7系高度不飽和脂肪酸の含量が0.3重量%以
上である炭素数が18以上のn−7系高度不飽和脂肪酸
を含有する脂質、トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
7, 10, 13, 16−エイコサテトラエン酸の含量が
1.5重量%以上である7, 10, 13, 16−エイコ
サテトラエン酸を含有するトリグリセリド、トリグリセ
リド中の全脂肪酸に対して5, 8, 11, 14−オクタ
デカテトラエン酸の含量が0.5重量%以上である5,
8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸を含有するト
リグリセリド、
【0011】トリグリセリド中の全脂肪酸に対して8,
11, 14−オクタデカトリエン酸の含量が0.1重量
%以上である8, 11, 14−オクタデカトリエン酸を
含有するトリグリセリド、トリグリセリド中の全脂肪酸
に対して炭素数が18以上のn−4系高度不飽和脂肪酸
の含量が3.0重量%以上である炭素数が18以上のn
−4系高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリド、ト
リグリセリド中の全脂肪酸に対して7, 10, 13−エ
イコサトリエン酸の含量が0.1重量%以上である7,
10, 13−エイコサトリエン酸を含有するトリグリセ
リド、
【0012】トリグリセリド中の全脂肪酸に対して5,
8, 11−オクタデカトリエン酸の含量が0.1重量%
以上である5, 8, 11−オクタデカトリエン酸を含有
するトリグリセリド、トリグリセリド中の全脂肪酸に対
して8, 11−オクタデカジエン酸の含量が0.1重量
%以上である8, 11−オクタデカジエン酸を含有する
トリグリセリド、及びトリグリセリド中の全脂肪酸に対
して炭素数が18以上のn−7系高度不飽和脂肪酸の含
量が0.3重量%以上である炭素数が18以上のn−7
系高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリド、並びに
これらの脂質又はトリグリセリドを含有する組成物を提
供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においてn−4系又はn−
7系高度不飽和脂肪酸とは、炭素数が18以上で二重結
合を2つ以上持ち、かつメチル基末端から数えて4番目
又は7番目の炭素にメチル基側最初の二重結合を持つ脂
肪酸であり、具体的には、n−4系高度不飽和脂肪酸と
しては7, 10, 13, 16−エイコサテトラエン酸
や、5,8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸、8,
11, 14−オクタデカトリエン酸が、n−7系高度
不飽和脂肪酸としては7, 10, 13−エイコサトリエ
ン酸や、5, 8, 11−オクタデカトリエン酸、8, 1
1−オクタデカジエン酸が挙げられる。
【0014】また本発明においては、アラキドン酸生産
能を有する微生物であれば、すべて使用することができ
る。アラキドン酸生産能を有する微生物としては、モル
ティエレラ(Mortierella )属、コニディオボラス(Co
nidiobolus)属、フィチウム(Pythium )属、フィトフ
トラ(Phytophthora)属、ペニシリューム(Penicilliu
m )属、クラドスポリューム(Cladosporium)属、ムコ
ール(Mucor )属、フザリューム(Fusarium)属、アス
ペルギルス(Aspergillus )属、ロードトルラ(Rhodot
orula )属、エントモフトラ(Entomophthora )属、エ
キノスポランジウム(Echinosporangium)属、サプロレ
グニア(Saprolegnia )属に属する微生物を挙げること
ができる。モルティエレラ(Mortierella )属モルティ
エレラ(Mortierella )亜属に属する微生物では、例え
ばモルティエレラ・エロンガタ(Mortierella elongat
a)、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigu
a)、モルティエレラ・フィグロフィラ(Mortierella h
ygrophila)、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella
alpina)等を挙げることができる。
【0015】具体的にはモルティエレラ・エロンガタ
Mortierella elongata)IFO8570 、モルティエレラ・
エキシグア(Mortierella exigua)IFO8571 、モルティ
エレラ・フィグロフィラ(Mortierella hygrophila)IF
O5941 、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpi
na)IFO8568 、ATCC16266 、ATCC32221 、ATCC42430 、
CBS219.35 、CBS224.37 、CBS250.53 、CBS343.66 、CB
S527.72 、CBS529.72 、CBS608.70 、CBS754.68 等の菌
株を挙げることができる。
【0016】これらの菌株はいずれも、大阪市の財団法
人醗酵研究所(IFO )、米国のアメリカン・タイプ・カ
ルチャー・コレクション(American Type Culture Coll
ection, ATCC)、又はCentrralbureau voor Schimmelcu
ltures(CBS )からなんら制限なく入手することができ
る。また本発明の研究グループが土壌から分離した菌株
モルティエレラ・エロンガタSAM0219 (微工研菌寄第87
03号)(微工研条寄第1239号)を使用することもできる
が、これらの菌株に限定しているわけではない。これら
のタイプカルチャーに属する菌株、あるいは自然界から
分離した菌株をそのまま用いることができるが、増殖及
び/又は単離を1回以上行うことによって得られる元の
菌株とは性質の異なる自然突然変異株を用いることもで
きる。
【0017】さらに本発明において、アラキドン酸生産
能を有する微生物から得られたパルミチン酸からステア
リン酸への脂肪酸鎖長延長反応が低下又は欠損した微生
物は、上記アラキドン酸生産能を有する微生物を用い
て、例えば以下に記載する変異処理によって得ることが
できる。また、アラキドン酸生産能を有する微生物のパ
ルミチン酸からステアリン酸への脂肪酸鎖長延長反応に
関与する酵素の活性を低下または欠失させる遺伝子操作
によっても得ることができる。その例として、該酵素を
コードする遺伝子のノックアウトや、アンチセンスによ
る不活化などが挙げられるが、これらの方法に限定して
いるわけではない。
【0018】さらに本発明には、n−4系及び/又はn
−7系高度不飽和脂肪酸の脂質又はトリグリセリド中の
割合を全体的に高めるため、あるいは特定の脂肪酸の割
合を高めるために、上記アラキドン酸生産能を有する微
生物又は該微生物から得られるパルミチン酸からステア
リン酸への脂肪酸鎖長延長反応が低下又は欠損した微生
物に対して、変異処理や遺伝子操作を施すことによって
得られる微生物の使用も包含される。その一例として、
アラキドン酸生産能を有する微生物から得られるΔ12
不飽和化反応が低下又は欠損した微生物を使用すること
ができる。
【0019】すなわち該微生物をパルミトレイン酸もし
くはその誘導体、又はこれらを構成成分として含有する
油脂を添加した培地で培養することにより、n−4系高
度不飽和脂肪酸の割合が少ないか又は含有しない、n−
7系高度不飽和脂肪酸含有脂質を得ることができる。ま
たこのΔ12不飽和化反応が低下又は欠損した微生物に
さらに変異処理や遺伝子操作を施して得られるパルミチ
ン酸からステアリン酸への脂肪酸鎖長延長反応が低下又
は欠損した微生物を使用することによっても、n−4系
高度不飽和脂肪酸の割合が少ないか又は含有しない、n
−7系高度不飽和脂肪酸含有脂質を得ることができる。
【0020】また、Δ6不飽和化反応が強化された微生
物を用いることにより、n−7系高度不飽和脂肪酸の割
合を高めることが可能であり、あるいはΔ12不飽和化
反応が強化された微生物を用いることにより、n−4系
高度不飽和脂肪酸の割合を高めることが可能である。本
発明において変異処理は、放射線(X線、ガンマー線、
中性子線)照射や紫外線照射、高熱処理等を行ったり、
また微生物を適当なバッファー中などに懸濁し、変異原
を加えて一定時間インキュベート後、適当に希釈して寒
天培地に植菌し、変異株のコロニーを得るといった一般
的な突然変異操作を行うこともできる。
【0021】変異原としては、ナイトロジェンマスター
ド、メチルメタンサルホネートやN-メチル-N'-ニトロ-N
- ニトロソグアニジン(NTG )等にアルキル化剤、5-ブ
ロモウラシル等の塩基類似体、マイトマイシンC 等の抗
生物質、6-メルカプトプリン等の塩基合成阻害剤、プロ
フラビン等の色素類、4-ニトロキノリン-N- オキシド等
のある種の発がん剤、塩化マンガン、ホルムアルデヒド
等の化合物を挙げることができる。また、使用する微生
物は、生育菌体(菌糸)でもよいし、胞子でもよい。
【0022】例えば本発明の変異株として、アラキドン
酸生産能を有するモルティエレラ・アルピナIFO8568 か
ら本発明者らが誘導した,脂肪酸鎖長延長活性が低下し
たモルティエレラ・アルピナSAM 2268(FERM P-17762)
を使用することができるが、この菌株に限定しているわ
けでなく、アラキドン酸生産能を有し脂肪酸鎖長延長活
性が低下又は欠損した菌株をすべて使用することができ
る。
【0023】本発明に使用される菌株を培養する為に
は、その菌株の胞子、菌糸、又は予め培養して得られた
前培養液を、液体培地又は固体培地に接種し培養する。
液体培地の場合に、炭素源としてはグルコース、フラク
トース、キシロース、サッカロース、マルトース、可溶
性デンプン、糖蜜、グリセロール、マンニトール等の一
般的に使用されているものが、いずれも使用できるが、
これらに限られるものではない。
【0024】窒素源としてはペプトン、酵母エキス、麦
芽エキス、肉エキス、カザミノ酸、コーンスティープリ
カー、大豆タンパク、脱脂ダイズ、綿実カス等の天然窒
素源の他に、尿素等の有機窒素源、ならびに硝酸ナトリ
ウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無機窒
素源を用いることができる。この他必要に応じリン酸
塩、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅等の無機塩及び
ビタミン等も微量栄養源として使用できる。
【0025】これらの培地成分は微生物の生育を害しな
い濃度であれば特に制限はない。実用上一般に、炭素源
は0.1 〜40重量% 、好ましくは1〜25重量% の濃度
とするのが良い。炭素源は培養途中に逐次流加しても構
わない。又、初発の窒素源添加量は0.1〜10重量% 、
好ましくは0.1〜6重量% とし、培養途中に窒素源を流
加しても構わない。
【0026】本発明の微生物の培養温度は使用する微生
物によりことなるが、5〜40℃、好ましくは10〜3
0℃とし、培地のpHは4 〜10、好ましくは5〜9 として
通気攪拌培養、振盪培養、又は静置培養を行う。培養は
通常2 〜30日間、好ましくは5 〜20日間、より好ま
しくは5 〜15日間行う。固体培養で培養する場合は、
固形物重量に対して50〜100 重量% の水を加えたふす
ま、もみがら、米ぬか等を用い、5〜40℃、好ましくは
10〜30℃の温度において、3 〜14日間培養を行う。この
場合に必要に応じて培地中に窒素源、無機塩類、微量栄
養源を加えることができる。
【0027】本発明においては、n−4系及び/又はn
−7系高度不飽和脂肪酸の生成量を高めるために、テト
ラデカン、ヘキサデカン等の炭化水素、テトラデカン
酸、ヘキサデカン酸等の脂肪酸又はその塩(例えばナト
リウム塩、カリウム塩等)及びエステル、又は該脂肪酸
が構成成分として含まれる油脂(例えば、ヤシ油、パー
ム核油)等を基質として添加することができる。またア
ラキドン酸生産能を有する微生物を用いる場合には、前
駆体としてパルミトレイン酸もしくはその誘導体、又は
これらを構成成分として含有する油脂を添加する。これ
ら基質又は前駆体それぞれの総添加量は培地に対して0.
001 〜10重量% 、好ましくは0.5 〜10重量% である。
【0028】これらの添加物は生産微生物を接種する前
又はその直後に加えてもよく、又は培養を開始した後に
加えてもよく、あるいは両時点で加えてもよい。培養開
始後の添加は1 回でもよく、又は複数回に分けて間欠的
に添加してもよい。あるいは、連続的に添加することも
できる。又、これらの添加物を唯一の炭素源として培養
してもよい。また、n−4系及び/又はn−7系高度不
飽和脂肪酸含有脂質又はトリグリセリドを商品化が可能
な収率で得るには、液体培地を用い、通気撹拌培養が好
ましく、通常の撹拌式発酵槽、あるいは気泡塔型培養装
置を使用することもできる。通気量としては0.1〜3
vvmが、撹拌速度としては10〜500 rpmが望まし
い。
【0029】このように培養して、菌体内にn−4系及
び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質が生
成蓄積される。液体培地を使用した場合には、菌体培養
によって脂質を製造する途中の培養液もしくはその殺菌
した培養液、または培養終了時の培養液もしくはその殺
菌した培養液、またはそれぞれから集菌した培養菌体も
しくはその乾燥物からn−4系及び/又はn−7系高度
不飽和脂肪酸含有脂質を採取する。例えば培養菌体から
は次のようにしてn−4系及び/又はn−7系高度不飽
和脂肪酸含有脂質の採取、および該脂質からn−4系及
び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸含有トリグリセリド
又はn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸の単
離を行う。
【0030】培養終了後、培養液より遠心分離法や濾過
等の常用の固液分離手段により培養菌体を得る。菌体は
十分水洗し、好ましくは乾燥する。乾燥は凍結乾燥、風
乾等によって行うことができる。乾燥菌体は、例えばダ
イノミルや超音波などにより破砕した後、好ましくは窒
素気流下で有機溶媒によって抽出処理する。有機溶媒と
してはエーテル、ヘキサン、メタノール、エタノール、
クロロホルム、ジクロロメタン、石油エーテル等を用い
ることができ、又メタノールと石油エーテルの交互抽出
やクロロホルム- メタノール- 水の一層系の溶媒を用い
た抽出によっても良好な結果を得ることができる。抽出
物から減圧下で有機溶媒を留去することにより、n−4
系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有した脂質
が得られる。
【0031】また上記の方法に代えて湿菌体を用いて抽
出をおこなうことができる。この場合にはメタノール、
エタノール等の水に対して相溶性の溶媒、又はこれらと
水及び/又は他の溶媒とからなる水に対して相溶性の混
合溶媒を使用する。その他の手順は上記と同様である。
上記のようにして得られた脂質中には、n−4系及び/
又はn−7系高度不飽和脂肪酸が、トリグリセリド、ジ
グリセリド、モノグリセリド、ステロールエステルなど
の中性脂質や、フォスファチジルコリン、リゾフォスフ
ァチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、
リゾフォスファチジルエタノールアミン、フォスファチ
ジルイノシトール、リゾフォスファチジルイノシトー
ル、フォスファチジルセリン、リゾフォスファチジルセ
リン、フォスファチジン酸、リゾフォスファチジン酸な
どの極性脂質の構成成分として、あるいは遊離脂肪酸と
して存在している。
【0032】例えばモルティエレラ亜属に属する微生物
を用いて製造されるn−4系及び/又はn−7系高度不
飽和脂肪酸を含有する脂質の油脂組成としては、中性脂
質が70〜100重量%、極性脂質が0〜30重量%で
あり、中性脂質の主な成分であるトリグリセリドは70
〜99重量%である。また該脂質の脂肪酸組成として
は、脂質中の全脂肪酸に対して、7, 10, 13, 16
−エイコサテトラエン酸が1.5〜70重量%、好まし
くは2.0〜70重量%、より好ましくは5.0〜70
重量%、
【0033】5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエ
ン酸が0.5〜60重量%、好ましくは0.6〜60重
量%、より好ましくは1.0〜60重量%、8, 11,
14−オクタデカトリエン酸が0.1〜60重量%、好
ましくは0.5〜60重量%、より好ましくは0.7〜
60重量%、7, 10, 13−エイコサトリエン酸が
0.1〜60重量%、好ましくは0.4〜60重量%、
より好ましくは0.5〜60重量%、5, 8, 11−オ
クタデカトリエン酸が0.1〜60重量%、好ましくは
0.2〜60重量%、より好ましくは0.3〜60重量
%、8, 11−オクタデカジエン酸が0.1〜60重量
%、好ましくは0.2〜60重量%、より好ましくは
0.3〜60重量%、
【0034】また脂質中のトリグリセリド中の全脂肪酸
に対して、7, 10, 13, 16−エイコサテトラエン
酸が1.5〜70重量%、好ましくは4.8〜70重量
%、より好ましくは7.8〜70重量%、5, 8, 1
1, 14−オクタデカテトラエン酸が0.5〜60重量
%、好ましくは1.0〜60重量%、より好ましくは
2.1〜60重量%、
【0035】8, 11, 14−オクタデカトリエン酸が
0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜60重量%、
より好ましくは0.8〜60重量%、7, 10, 13−
エイコサトリエン酸が0.1〜60重量%、好ましくは
0.5〜60重量%、より好ましくは1.1〜60重量
%、5, 8, 11−オクタデカトリエン酸が0.1〜6
0重量%、好ましくは0.2〜60重量%、8, 11−
オクタデカジエン酸が0.1〜60重量%、好ましくは
0.2〜60重量%である。
【0036】なお本発明においては、脂質中の全脂肪酸
に対して7, 10, 13, 16−エイコサテトラエン酸
の含量が1.5重量%以上、好ましくは2.0重量%以
上、より好ましくは5.0重量%以上である7, 10,
13, 16−エイコサテトラエン酸を含有する脂質、脂
質中の全脂肪酸に対して5, 8, 11, 14−オクタデ
カテトラエン酸の含量が0.5重量%以上、好ましくは
0.6重量%以上、より好ましくは1.0重量%以上で
ある5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸を含
有する脂質、
【0037】脂質中の全脂肪酸に対して8, 11, 14
−オクタデカトリエン酸の含量が0.1重量%以上、好
ましくは0.5重量%以上、より好ましくは0.7重量
%以上である8, 11, 14−オクタデカトリエン酸を
含有する脂質、脂質中の全脂肪酸に対して炭素数が18
以上のn−4系高度不飽和脂肪酸の含量が2.8重量%
以上、好ましくは3.5重量%以上、より好ましくは
6.8重量%以上である、炭素数が18以上のn−4系
高度不飽和脂肪酸を含有する脂質、脂質中の全脂肪酸に
対して7, 10, 13−エイコサトリエン酸の含量が
0.1重量%以上、好ましくは0.4重量%以上、より
好ましくは0.5重量%以上である、7, 10, 13−
エイコサトリエン酸を含有する脂質、
【0038】脂質中の全脂肪酸に対して5, 8, 11−
オクタデカトリエン酸の含量が0.1重量%以上、好ま
しくは0.2重量%以上、より好ましくは0.3重量%
以上である5, 8, 11−オクタデカトリエン酸を含有
する脂質、脂質中の全脂肪酸に対して8, 11−オクタ
デカジエン酸の含量が0.1重量%以上、好ましくは
0.2重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上で
ある8, 11−オクタデカジエン酸を含有する脂質、あ
るいは脂質中の全脂肪酸に対して炭素数が18以上のn
−7系高度不飽和脂肪酸の含量が0.3重量%以上、好
ましくは0.9重量%以上、より好ましくは1.2重量
%以上である炭素数が18以上のn−7系高度不飽和脂
肪酸を含有する脂質、を得ることができる。
【0039】なお、上記の脂質とは、その分子内で高級
脂肪酸が何らかの化学結合、代表的にはエステル結合を
形成した、水に不溶でかつアルコール、クロロホルム、
ベンゼンなどの有機溶媒に可溶な物質を言う。n−4系
及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有した脂質の
例としては、n−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂
肪酸、n−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸の
低級アルキルエステル、n−4系及び/又はn−7系高
度不飽和脂肪酸を構成成分として含むグリセリンエステ
ル又はステロールエステル、及びこれらのうちの任意の
2種以上の混合物などが挙げられる。
【0040】上記n−4系及び/又はn−7系高度不飽
和脂肪酸の低級アルキルエステルとは、炭素数1〜6
個、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個の低
級アルコールとn−4系及び/又はn−7系高度不飽和
脂肪酸のエステルを言う。また、n−4系及び/又はn
−7系高度不飽和脂肪酸を構成成分として含むグリセリ
ンエステルとは、グリセリン1分子に対して、少なくと
も1分子のn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪
酸がエステル結合した物質を言う。
【0041】その例として、トリグリセリド、ジグリセ
リド、モノグリセリド、フォスファチジルコリン、リゾ
フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノール
アミン、リゾフォスファチジルエタノールアミン、フォ
スファチジルイノシトール、リゾフォスファチジルイノ
シトール、フォスファチジルセリン、リゾフォスファチ
ジルセリン、フォスファチジン酸、リゾフォスファチジ
ン酸、グリセロ糖脂質などが挙げられる。
【0042】また、n−4系及び/又はn−7系高度不
飽和脂肪酸を構成成分として含むステロールエステルと
は、ステロールとn−4系及び/又はn−7系高度不飽
和脂肪酸がエステル結合した物質を言う。その例とし
て、コレステロールエステル、デスモステロールエステ
ルなどが挙げられる。n−4系及び/又はn−7系高度
不飽和脂肪酸を含有した脂質は以上の例に限定されず、
スフィンゴリン脂質、他のリン脂質、セラミド、スフィ
ンゴ糖脂質、他の糖脂質など、上記の定義に包含される
任意の脂質を含む。
【0043】さらに本発明においては、脂質中のトリグ
リセリド中の全脂肪酸に対して7, 10, 13, 16−
エイコサテトラエン酸の含量が1.5重量%以上、好ま
しくは4.8重量%以上、より好ましくは7.8重量%
以上である、7, 10, 13, 16−エイコサテトラエ
ン酸を含有するトリグリセリド、トリグリセリド中の全
脂肪酸に対して5, 8, 11, 14−オクタデカテトラ
エン酸の含量が0.5重量%以上、好ましくは1.0重
量%以上、より好ましくは2.1重量%以上である、
5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸を含有す
るトリグリセリド、
【0044】トリグリセリド中の全脂肪酸に対して8,
11, 14−オクタデカトリエン酸の含量が0.1重量
%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは
0.8重量%以上である、8, 11, 14−オクタデカ
トリエン酸を含有するトリグリセリド、トリグリセリド
中の全脂肪酸に対して炭素数が18以上のn−4系高度
不飽和脂肪酸の含量が3.0重量%以上、好ましくは
6.6重量%以上、より好ましくは10.4重量%以上
である炭素数が18以上のn−4系高度不飽和脂肪酸を
含有するトリグリセリド、
【0045】トリグリセリド中の全脂肪酸に対して7,
10, 13−エイコサトリエン酸の含量が0.1重量%
以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは
1.1重量%以上である7, 10, 13−エイコサトリ
エン酸を含有するトリグリセリド、トリグリセリド中の
全脂肪酸に対して5, 8, 11−オクタデカトリエン酸
の含量が0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以
上である5, 8, 11−オクタデカトリエン酸を含有す
るトリグリセリド、
【0046】トリグリセリド中の全脂肪酸に対して8,
11−オクタデカジエン酸の含量が0.1重量%以上、
好ましくは0.2重量%以上である8, 11−オクタデ
カジエン酸を含有するトリグリセリド、トリグリセリド
中の全脂肪酸に対して炭素数が18以上のn−7系高度
不飽和脂肪酸の含量が0.3重量%以上、好ましくは
0.9重量%以上、より好ましくは1.5重量%以上で
ある炭素数が18以上のn−7系高度不飽和脂肪酸を含
有するトリグリセリド、を得ることができる。
【0047】培養物から採取したn−4系及び/又はn
−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質からn−4系及
び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリ
セリドを分離精製するには、常法に従って、例えば脱酸
法、脱臭法、脱ガム法、脱水法、水蒸気蒸留法、分子蒸
留法、冷却分離法、カラムクロマトグラフィー法などに
より行う。例えば前述の操作に従って培養物からヘキサ
ンを用いてn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪
酸を含有する脂質を抽出し、この抽出油から例えば脱
酸、脱臭、脱ガム等の精製処理によりn−4系及び/又
はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリド
を得ることができる。
【0048】n−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂
肪酸を含有する脂質からn−4系及び/又はn−7系高
度不飽和脂肪酸を分離するには、混合脂肪酸あるいは混
合脂肪酸エステルの状態で、常法により、例えば、尿素
付加法、冷却分離法、カラムクロマトグラフィー法など
により濃縮分離することにより行う。より具体的にはn
−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を直接分離
することもできるが、低級アルコールとのエステル、例
えばn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸のエ
チルエステルとして分離するのが好ましい。
【0049】このようなエステルにすることにより、他
の脂質成分から容易に分離することができ、また、培養
中に生成する他の脂肪酸、例えばパルミチン酸等(これ
らも、n−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸の
エステル化に際してエステル化される)から容易に分離
することができる。例えば、高度不飽和脂肪酸のエチル
エステルを得るには、前記の抽出脂質を無水エタノール
- 塩酸5 〜10% 、BF3-エタノール10〜50% 等により、室
温にて1 〜24時間処理するのが好ましい。
【0050】前記の処理液からn−4系及び/又はn−
7系高度不飽和脂肪酸のエチルエステルを回収するに
は、ヘキサン、エーテル、酢酸エチル等の有機溶媒で抽
出するのが好ましい。次に、この抽出液を無水硫酸ナト
リウム等により乾燥し、有機溶媒を好ましくは減圧下で
留去することにより脂肪酸エステルを主成分として含む
混合物が得られる。この混合物には、目的とするn−4
系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸のエチルエステ
ルの他に、パルミチン酸エチルエステル等の脂肪酸エチ
ルエステルが含まれている。
【0051】この混合物はそのまま又は本発明の脂肪酸
の濃度を高め本発明の組成物に使用することができる。
これらの脂肪酸エチルエステル混合物からn−4系及び
/又はn−7系高度不飽和脂肪酸のエチルエステルを単
離するには、カラムクロマトグラフィー、低温結晶化
法、尿素包接法、液々交流分配クロマトグラフィー等を
単独で、又は組み合わせて使用することができる。
【0052】こうして単離されたn−4系及び/又はn
−7系高度不飽和脂肪酸のエチルエステルから遊離のn
−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を得るに
は、アルカリで加水分解した後、エーテル、酢酸エチル
等の有機溶媒で抽出すればよい。また、n−4系及び/
又はn−7系高度不飽和脂肪酸をそのエチルエステルを
経ないで摂取するには、前記の抽出脂質をアルカリ分解
(例えば5%水酸化ナトリウムにより室温にて2 〜3 時
間)した後、この分解液から、脂肪酸の抽出・精製に常
用されている方法により抽出・精製することができる。
得られた遊離の本発明の脂肪酸及びその塩もまた本発明
の組成物のために使用することができる。
【0053】本発明のn−4系及び/又はn−7系高度
不飽和脂肪酸を含有する脂質又はトリグリセリドは炭素
数18以上で二重結合数が2以上であるn−4系及び/
又はn−7系高度不飽和脂肪酸を豊富に含有しており、
その用途に関しては無限の可能性があり、食品、飲料、
化粧品、医薬品、動物用飼料などの原料並びに添加物と
して使用することがでる。例えば、一般食品、飲料、機
能性食品、栄養補助食品、調製乳、化粧水、乳液、経腸
栄養剤、粉末、顆粒、トローチ、シロップ、錠剤、カプ
セル剤、輸液、注射剤、塗布用ゲル、湿布、粉末飼料、
固形飼料、液状飼料などを挙げることができるが、これ
らに限定するものではなく、その使用目的、使用量、加
工形態に関して何ら制限を受けるものではない。
【0054】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。しかし、本発明は、実施例に限定されな
い。実施例1. モルティエレラ・アルピナ IFO8568の変異
処理によるパルミチン酸からステアリン酸への脂肪酸鎖
長延長活性が低下した菌株の取得 モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IFO8
568 をCzapek寒天培地(0.2% NaNO3、0.1% K2HPO4 、0.
05% MgSO4 ・7H2O、0.05% KCl 、0.01% FeSO4・7H2O、3
%シュークロース、2%寒天、pH6.0 )300mL を含む大型
スラント瓶に植菌し、28℃で2週間培養した。
【0055】培養後、滅菌水50mLを加え振り混ぜ、4
重のガーゼで濾過し、8,000 ×g で10分間遠心した
後、50mM トリス緩衝溶液(pH7.5 )に懸濁して胞子懸
濁液を調製した。1×106 /mLの胞子懸濁液1.5mL
に、0.5%NTG (N−メチル−N’−ニトロ−N−ニ
トロソグアジニン)溶液0.5mLを加えて、28℃で1
5分間変異処理を行った。10%Na2S2O3 を3mL加え、
5,500 ×g で10分間遠心した後、滅菌水で洗浄し、NT
G 処理胞子懸濁液を得た。
【0056】NTG 処理胞子懸濁液を、GY寒天培地(1%
グルコース、0.5%酵母エキス、0.005 %トリトンX-
100 、1.5%寒天、pH6.0 )に塗布し、28℃で生育
したコロニーを別のGY寒天培地に移した。生育した菌体
の一部を乾燥させ、常法に従い、塩酸メタノールで菌体
内の脂肪酸をメチルエステル化した後、ヘキサンで抽出
し、ヘキサンを留去して得られた脂肪酸メチルエステル
をガスクロマトグラフィーで分析した。約1,000 個のコ
ロニーを調べた結果、パルミチン酸からステアリン酸へ
の脂肪酸鎖長延長活性が低下した菌株SAM 2268(FERM P
-17762)が得られた。
【0057】実施例2. アラキドン酸生産能を有する
微生物によるn−4系、n−7系高度不飽和脂肪酸の製
造方法 下記のアラキドン酸生産能を有する微生物の一白金耳
を、10mLエルレンマイヤーフラスコに入れた液体培地2
mL( グルコース2%、酵母エキス1%、パルミトレイン
酸1%又はなし) に植菌し、28℃、120rpmで7日間振と
う培養した。培養後、菌体を濾過により集め、乾燥し
た。常法に従い、塩酸メタノールで菌体内の脂肪酸をメ
チルエステル化した後、ヘキサンで抽出し、ヘキサンを
留去して得られた脂肪酸メチルエステルをガスクロマト
グラフィーで分析した。結果を表1に示す。
【0058】(1)モルティエレラ・アルピナ(Mortie
rella alpina)IFO8568 (2)モルティエレラ・フィグロフィラ(Mortierella
hygrophila)IFO5941 (3)エキノスポランジウム・トランスベルサレ(Echi
nosporangium transversale )NRRL3116 (4)サプロレグニア・ラポニカ(Saprolegnia lappon
ica )CBS313.81
【0059】
【表1】
【0060】実施例3. パルミトレイン酸誘導体の効
モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IFO8
568 の一白金耳を、10mLエルレンマイヤーフラスコに入
れた液体培地2mL(グルコース2%、酵母エキス1%、
表2に示したパルミトレイン酸誘導体1%)に植菌し、
28℃で、120rpmで7日間振とう培養した。培養後、実施
例2と同様にメチルエステル化し、得られた脂肪酸メチ
ルエステルをガスクロマトグラフィーで分析した。結果
を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】実施例4. 脂肪酸鎖長延長活性低下株に
よる製造方法 モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)SAM
2268(FERM P-17762)の一白金耳を、10mLエルレンマイ
ヤーフラスコに入れた液体培地2mL(グルコース4%、
酵母エキス1%)に植菌し、28℃で、120rpmで6、1
0、12及び14日間振とう培養した。培養後、実施例
2と同様にメチルエステル化し、得られた脂肪酸メチル
エステルをガスクロマトグラフィーで分析した。また、
同条件で6、10、12及び14日間培養した別の菌体
を回収し、乾燥後、クロロホルム−メタノール抽出法に
より脂質を抽出した。
【0063】さらに常法に従い、抽出した脂質を、薄層
クロマトグラフィー、ケイ酸カラムクロマトで分画して
トリグリセリドを得た。得られたトリグリセリドは上記
の方法でメチルエステル化し、ガスクロマトグラフィー
で分析した。経時変化を表3及び表4に示す。なお、1
4日間培養した菌体から抽出した脂質の組成を調べたと
ころ、中性脂質が90重量%(トリグリセリドは抽出し
た脂質の89重量%)、極性脂質が10重量%であっ
た。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】実施例5. 基質の添加効果 モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)SAM
2268(FERM P-17762)の一白金耳を、10mLエルレンマイ
ヤーフラスコに入れた液体培地2mL(グルコース2%、
酵母エキス1%、表4に示した化合物1%)に植菌し、
28℃で、120rpmで7日間振とう培養した。培養後、実施
例2と同様にメチルエステル化し、得られた脂肪酸メチ
ルエステルをガスクロマトグラフィーで分析した。結果
を表5に示す。
【0067】
【表5】
【0068】実施例6. n−7系高度不飽和脂肪酸を
含みn−4系高度不飽和脂肪酸を含まない脂質の製造方
モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IFO8
568 又はΔ12不飽和化反応欠損株であるモルティエレ
ラ・アルピナ(Mortierella alpina)SAM 1861(微工研
条寄第3590号)の一白金耳を、10mLエルレンマイヤーフ
ラスコに入れた液体培地2mL(グルコース5%、酵母エ
キス1%、パルミトレイン酸1%)に植菌し、12〜28℃
で、120rpmで7日間振とう培養した。培養後、実施例2
と同様にメチルエステル化し、得られた脂肪酸メチルエ
ステルをガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表
6に示す。
【0069】
【表6】
【0070】Δ12不飽和化反応欠損株であるSAM 1861
株を用いると、n−7系からn−4系への変換が起こら
ないため、本菌株から得られる脂質には、n−7系高度
不飽和脂肪酸が含まれているが、n−4系高度不飽和脂
肪酸は含まれていなかった。
【0071】実施例7. カプセル剤の調製 ゼラチン100 重量部及び食品添加用グリセリン35重量部
に水を加え50〜60℃で溶解し、粘度20000cpsのゼラチン
皮膜を調製した。次に実施例3に記した方法で得た乾燥
菌体を破砕した後、ヘキサンで抽出したヘキサン抽出油
又はこれを脱酸、脱臭、脱ガム処理したトリグリセリド
に、3重量%のビタミンE油を混合し、内容物を調製し
た。これらを用いて、常法に従い、カプセル成型及び乾
燥を行い、1粒当たり180 mgの内容物を含有するソフト
カプセルを製造した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/232 A61K 31/232 4C087 35/74 35/74 G 4C206 C11B 3/00 C11B 3/00 4H059 7/00 7/00 C11C 1/04 C11C 1/04 1/08 1/08 3/00 3/00 C12N 1/14 C12N 1/14 B //(C12P 7/64 (C12P 7/64 C12R 1:645) C12R 1:645) (C12N 1/14 (C12N 1/14 B C12R 1:645) C12R 1:645) Fターム(参考) 2B150 AB20 DA54 DA58 4B018 MD10 MD14 MD80 ME14 MF01 4B064 AD85 AD88 CA05 CC01 CD07 CE08 DA10 4B065 AA58X AC14 AC16 BA18 BA24 BB10 BB15 BB29 BC03 BC09 BC26 BD15 BD16 BD50 CA12 CA13 CA41 CA44 4C083 AC122 AC421 AC422 AD442 AD662 CC01 DD50 4C087 AA01 AA04 BC04 BC05 BC06 BC07 BC08 BC11 CA19 CA37 ZC80 4C206 AA01 AA03 AA04 DB09 DB48 MA01 MA04 ZC80 4H059 BA33 BA34 BA83 BB05 BB06 BB57 BC48 CA06 CA07 CA11 CA24 CA31 CA38 EA21

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラキドン酸生産能を有する微生物を、
    パルミトレイン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構
    成成分として含有する油脂を添加した培地で培養し、そ
    して培養物から脂質を採取することを特徴とするn−4
    系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 アラキドン酸生産能を有する微生物を、
    パルミトレイン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構
    成成分として含有する油脂を添加した培地で培養し、培
    養物から脂質を採取し、そして該脂質からトリグリセリ
    ドを分離精製することを特徴とするn−4系及び/又は
    n−7系高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 アラキドン酸生産能を有する微生物を、
    パルミトレイン酸もしくはその誘導体、又はこれらを構
    成成分として含有する油脂を添加した培地で培養し、培
    養物から脂質を採取し、そして該脂質からn−4系及び
    /又はn−7系高度不飽和脂肪を分離精製することを特
    徴とするn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 n−4系及び/又はn−7系高度不飽和
    脂肪酸が、7, 10, 13, 16−エイコサテトラエン
    酸、5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸、
    8, 11, 14−オクタデカトリエン酸、7, 10, 1
    3−エイコサトリエン酸、5, 8, 11−オクタデカト
    リエン酸、及び8, 11−オクタデカジエン酸から選ば
    れた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アラキドン酸生産能を有する微生物が、
    モルティエレラ(Mortierella )属、コニディオボラス
    Conidiobolus)属、フィチウム(Pythium)属、フィ
    トフトラ(Phytophthora)属、ペニシリューム(Penici
    llium )属、クラドスポリューム(Cladosporium)属、
    ムコール(Mucor )属、フザリューム(Fusarium)属、
    アスペルギルス(Aspergillus )属、ロードトルラ(Rh
    odotorula )属、エントモフトラ(Entomophthora
    属、エキノスポランジウム(Echinosporangium)属、又
    はサプロレグニア(Saprolegnia )属に属する微生物で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 アラキドン酸生産能を有する微生物が、
    モルティエレラ属モルティエレラ亜属に属する微生物で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 アラキドン酸生産能を有する微生物が、
    モルティエレラ属アルピナ種(Mortierella alpina)に
    属する微生物であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 アラキドン酸生産能を有する微生物から
    得られる、パルミチン酸からステアリン酸への脂肪酸鎖
    長延長活性が低下又は欠損した微生物を培養し、そして
    培養物から脂質を採取することを特徴とするn−4系及
    び/又はn−7系高度不飽和脂肪酸を含有する脂質の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 アラキドン酸生産能を有する微生物から
    得られる、パルミチン酸からステアリン酸への脂肪酸鎖
    長延長活性が低下又は欠損した微生物を培養し、培養物
    から脂質を採取し、そして該脂質からトリグリセリドを
    分離精製することを特徴とするn−4系及び/又はn−
    7系高度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 アラキドン酸生産能を有する微生物か
    ら得られる、パルミチン酸からステアリン酸への脂肪酸
    鎖長延長活性が低下又は欠損した微生物を培養し、培養
    物から脂質を採取し、そして該脂質からn−4系及び/
    又はn−7系高度不飽和脂肪を分離精製することを特徴
    とするn−4系及び/又はn−7系高度不飽和脂肪の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 n−4系及び/又はn−7系高度不飽
    和脂肪酸が、7, 10, 13, 16−エイコサテトラエ
    ン酸、5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸、
    8, 11, 14−オクタデカトリエン酸、7, 10, 1
    3−エイコサトリエン酸、5, 8, 11−オクタデカト
    リエン酸、及び8, 11−オクタデカジエン酸から選ば
    れた少なくとも1つであることを特徴とする請求項8〜
    10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 アラキドン酸生産能を有する微生物
    が、モルティエレラ(Mortierella )属、コニディオボ
    ラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pythium )属、
    フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリューム(Pe
    nicillium )属、クラドスポリューム(Cladosporium
    属、ムコール(Mucor )属、フザリューム(Fusarium
    属、アスペルギルス(Aspergillus )属、ロードトルラ
    Rhodotorula )属、エントモフトラ(Entomophthora
    )属、エキノスポランジウム(Echinosporangium
    属、又はサプロレグニア(Saprolegnia )属に属する微
    生物であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか
    1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 アラキドン酸生産能を有する微生物
    が、モルティエレラ属モルティエレラ亜属に属する微生
    物であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1
    項に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 アラキドン酸生産能を有する微生物
    が、モルティエレラ属アルピナ種(Mortierella alpin
    a)に属する微生物であることを特徴とする請求項8〜
    13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 脂質中の全脂肪酸に対して7, 10,
    13, 16−エイコサテトラエン酸の含量が1.5重量
    %以上である7, 10, 13, 16−エイコサテトラエ
    ン酸を含有する脂質。
  16. 【請求項16】 脂質中の全脂肪酸に対して5, 8, 1
    1, 14−オクタデカテトラエン酸の含量が0.5重量
    %以上である5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエ
    ン酸を含有する脂質。
  17. 【請求項17】 脂質中の全脂肪酸に対して8, 11,
    14−オクタデカトリエン酸の含量が0.1重量%以上
    である8, 11, 14−オクタデカトリエン酸を含有す
    る脂質。
  18. 【請求項18】 脂質中の全脂肪酸に対して炭素数が1
    8以上のn−4系高度不飽和脂肪酸の含量が2.8重量
    %以上である炭素数が18以上のn−4系高度不飽和脂
    肪酸を含有する脂質。
  19. 【請求項19】 脂質中の全脂肪酸に対して7, 10,
    13−エイコサトリエン酸の含量が0.1重量%以上で
    ある7, 10, 13−エイコサトリエン酸を含有する脂
    質。
  20. 【請求項20】 脂質中の全脂肪酸に対して5, 8, 1
    1−オクタデカトリエン酸の含量が0.1重量%以上で
    ある5, 8, 11−オクタデカトリエン酸を含有する脂
    質。
  21. 【請求項21】 脂質中の全脂肪酸に対して8, 11−
    オクタデカジエン酸の含量が0.1重量%以上である
    8, 11−オクタデカジエン酸を含有する脂質。
  22. 【請求項22】 脂質中の全脂肪酸に対して炭素数が1
    8以上のn−7系高度不飽和脂肪酸の含量が0.3重量
    %以上である炭素数が18以上のn−7系高度不飽和脂
    肪酸を含有する脂質。
  23. 【請求項23】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    7, 10, 13, 16−エイコサテトラエン酸の含量が
    1.5重量%以上である7, 10, 13, 16−エイコ
    サテトラエン酸を含有するトリグリセリド。
  24. 【請求項24】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    5, 8, 11, 14−オクタデカテトラエン酸の含量が
    0.5重量%以上である5, 8, 11, 14−オクタデ
    カテトラエン酸を含有するトリグリセリド。
  25. 【請求項25】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    8, 11, 14−オクタデカトリエン酸の含量が0.1
    重量%以上である8, 11, 14−オクタデカトリエン
    酸を含有するトリグリセリド。
  26. 【請求項26】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    炭素数が18以上のn−4系高度不飽和脂肪酸の含量が
    3.0重量%以上である炭素数が18以上のn−4系高
    度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリド。
  27. 【請求項27】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    7, 10, 13−エイコサトリエン酸の含量が0.1重
    量%以上である7, 10, 13−エイコサトリエン酸を
    含有するトリグリセリド。
  28. 【請求項28】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    5, 8, 11−オクタデカトリエン酸の含量が0.1重
    量%以上である5, 8, 11−オクタデカトリエン酸を
    含有するトリグリセリド。
  29. 【請求項29】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    8, 11−オクタデカジエン酸の含量が0.1重量%以
    上である8, 11−オクタデカジエン酸を含有するトリ
    グリセリド。
  30. 【請求項30】 トリグリセリド中の全脂肪酸に対して
    炭素数が18以上のn−7系高度不飽和脂肪酸の含量が
    0.3重量%以上である炭素数が18以上のn−7系高
    度不飽和脂肪酸を含有するトリグリセリド。
  31. 【請求項31】 請求項15から30のいずれかに記載
    された脂質又はトリグリセリドを含有する食品組成物。
  32. 【請求項32】 請求項15から30のいずれかに記載
    された脂質又はトリグリセリドを含有する化粧品組成
    物。
  33. 【請求項33】 請求項15から30のいずれかに記載
    された脂質又はトリグリセリドを含有する医薬品組成
    物。
  34. 【請求項34】 請求項15から30のいずれかに記載
    された脂質又はトリグリセリドを含有する動物用飼料。
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