JP3331530B2 - 内燃機関用タペットにおけるチップ - Google Patents

内燃機関用タペットにおけるチップ

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JP3331530B2
JP3331530B2 JP03236394A JP3236394A JP3331530B2 JP 3331530 B2 JP3331530 B2 JP 3331530B2 JP 03236394 A JP03236394 A JP 03236394A JP 3236394 A JP3236394 A JP 3236394A JP 3331530 B2 JP3331530 B2 JP 3331530B2
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tappet
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の直動型の動
弁機構に用いられるタペットにおけるエンジンバルブの
軸端との当接部に嵌着されるチップに関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、DOHC式エンジン等に多用さ
れている直動型の動弁機構を略示するもので、(1)は、
上面閉塞されたアルミニウム合金製のタペット本体、
(2)は、タペット本体(1)の上面の円形凹所(3)内に嵌
挿された、弁隙間調整用の耐摩耗性金属材料製のシムで
ある。シム(2)の上面には回転カム(4)が接触してい
る。
【0003】タペット本体(1)の上壁(1a)の内底面中央
に形成された小径の有底孔(5)内には、上記シム(2)と
同様、耐摩耗性金属材料よりなるチップ(6)が嵌合さ
れ、有底孔(5)の下端周縁をかしめ(7)をもって締付け
ることにより固定されている。
【0004】タペット(T)は、上記タペット本体(1)、
シム(2)及びチップ(6)により構成されている。タペッ
ト本体(1)内には、エンジンバルブ(8)の上端部が収容
され、その軸端はチップ(6)と当接している。エンジン
バルブ(8)の上端部外周面には、1対のコッタ(9)を介
してスプリングリテーナ(10)が止着され、エンジンバル
ブ(8)は、スプリングリテーナ(10)とシリンダヘッド
(図示省略)との間に縮設したバルブスプリング(11)によ
り、常時上向に付勢されている。
【0005】上述したタペット(T)において、有底孔
(5)に嵌着される従来のチップ(6)の外周面には、図4
及び図5に示すような研摩跡又は切削跡が形成されてい
るのが一般的である。すなわち、図4に示すチップ(6)
には、その上下の面と面取部を除く外周面に、外周研削
時における砥石車による軸方向(上下方向)を向く研摩跡
(12)が、また図5に示す示すチップ(6)には、同じく円
周方向を向く研摩跡(13)がそれぞれ形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記前者のようなチッ
プ(6)を嵌合してなるタペット(T)では、研摩跡(12)が
軸方向を向いているため、長期の使用により万一有底孔
(5)の奥面が圧縮荷重により少しでも塑性変形すると、
チップ(6)が軸方向に容易に動き、有底孔(5)とチップ
(6)との間にガタが発生したり、ガタによるハンマー作
用により有底孔(5)の奥面の塑性変形量が増大する恐れ
がある。
【0007】一方、後者のチップ(6)のように円周方向
に研摩跡(13)が形成されていると、上記と同様、有底孔
(5)の奥面が少しでも塑性変形した際に、有底孔(5)内
においてチップ(6)が軸線回りに回転し易くなり、エン
ジンバルブ(8)とチップ(6)との互いの当接面や有底孔
(5)の摩耗を早める恐れがある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、有底孔内に強固に保持することにより、
ガタや回転等の発生するのを防止しうるようにした内燃
機関用タペットにおけるチップを提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のチップは、外周面に、軸方向と円周方向を
除いた無方向性の研摩跡を形成することにより粗面とし
たことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】チップの外周面に、軸方向と円周方向を除いた
無方向性の研摩跡を形成して粗面としたことにより、チ
ップをタペットの有底孔内に嵌合してかしめると、有底
孔とチップ外周面との間に大きな摩擦力が生じ、チップ
は有底孔内に強固に保持される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の実施例を示すもので、チップ(1
5)の外周面には粗面(16)、すなわち外周面における上下
の面と面取部を除く外周面には、表面あらさ(Rz)が1〜
150μm程度の、軸方向(上下方向)と円周方向を除いた無
方向性の研摩跡(17)が形成されている。なお、チップ(1
5)の上下の面は平滑に仕上げられている。
【0012】図2は、上記チップ(15)の外周面に無方向
性の研摩跡(17)を形成する要領を示している。
【0013】(18)は、研削盤のチャック(図示省略)によ
り把持された丸棒状ワーク、(19)は、ワーク(18)の側方
において軸方向に往復移動する砥石車である。
【0014】加工は、ワーク(18)と砥石車(19)とを共に
同方向に回転させた状態で、砥石車(19)を、予め設定し
た研削代分だけワーク(18)側に送り込みつつ、想像線示
のように軸方向に往復移動させて研摩すればよく、これ
により軸方向と円周方向を除いた研摩跡が形成される。
この際、往路と復路又はその移動途中において、ワーク
(18)の回転数か砥石車(19)の移動速度を適宜に変化させ
て研摩するのが望ましく、このようにすると、ワーク(1
8)の外周面に際立った無方向性の研摩跡(17)が形成され
る。
【0015】この研摩跡(17)が形成されたワーク(18)
を、例えば砥石車(19)の反対側に設けた突切りバイト
(図示省略)等により所定寸法に切断し、上下の端縁に面
取部を形成すれば、図1に示すようなチップ(15)が得ら
れる。なお、上記加工において、予め所定寸法のチップ
を形成し、その外周面を個別に、又は適宜の保持具によ
り同時に複数個支持して、砥石車(19)により研摩しても
よい。また、上記チップ(15)において、上下の面取部に
も無方向性の研摩跡を形成してもよい。
【0016】上述したような実施例のチップ(15)を、図
3に示すタペット(T)の有底孔(5)内に嵌合してかしめ
ると、チップ(15)外周面の無方向性の研摩跡(17)による
粗面(16)により、互いの接触面の摩擦係数(抵抗)が著し
く増大する。これにより、チップ(15)は有底孔(5)内に
強固に保持され、軸方向に移動したり回転したりするの
が防止される。
【0017】その結果、有底孔(5)とチップ(15)との間
にガタが発生して、打音や弁隙間が大きくなったり、エ
ンジンバルブ(8)とチップ(15)との互いの当接面や有底
孔(5)の摩耗量が増大したりするのを防止しうる。
【0018】上述した実施例では、チップ(15)の外周面
全周を粗面としてあるが、外周面の一部のみを粗面とす
ることもある。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、タペットの有底孔とチ
ップ外周面との間の摩擦係数が増大して、チップを有底
孔内に強固に保持することができるので、ガタや回転音
の発生する恐れがない。
【0020】その結果、打音や弁隙間が大きくなった
り、エンジンバルブとチップとの互いの当接面や有底孔
が極度に摩耗したりするのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すチップの正面図である。
【図2】チップの外周面に無方向性の研摩跡を形成する
要領を示す平面図である。
【図3】本発明が適用される直動型の動弁機構を示す中
央縦断正面図である。
【図4】従来のチップを示す正面図である。
【図5】同じく従来のチップの他の例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
(1)タペット本体 (1a)上壁 (2)シム (3)円形凹所 (4)回転カム (5)有底孔 (6)チップ (7)かしめ (8)エンジンバルブ (9)コッタ (10)スプリングリテーナ (11)バルブスプリング (12)(13)研摩跡 (15)チップ (16)粗面 (17)研摩跡 (18)ワーク (19)砥石車 (T)タペット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に、軸方向と円周方向を除いた無
    方向性の研摩跡を形成することにより粗面としたことを
    特徴とする内燃機関用タペットにおけるチップ。
JP03236394A 1994-03-02 1994-03-02 内燃機関用タペットにおけるチップ Expired - Fee Related JP3331530B2 (ja)

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