JP3330834B2 - 車両の動力装置 - Google Patents

車両の動力装置

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JP3330834B2
JP3330834B2 JP00313197A JP313197A JP3330834B2 JP 3330834 B2 JP3330834 B2 JP 3330834B2 JP 00313197 A JP00313197 A JP 00313197A JP 313197 A JP313197 A JP 313197A JP 3330834 B2 JP3330834 B2 JP 3330834B2
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伸吉 宮沢
圭宏 吉田
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/02Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving cycles

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の動力装置に
係わり、特に、エンジンと、このエンジンから出力され
た回転を変速して駆動輪へ伝達する変速機とを備えた車
両の動力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動二輪車等の車両に用い
られる動力装置として、エンジンと、このエンジンから
出力された回転を変速して駆動輪へ出力する変速機とを
備えたものが知られており、前記変速機として一対のV
プーリと、これらの、Vプーリ間に巻回されたVベルト
によって構成されたものが多く用いられている。このベ
ルトドライブ式の無段変速機は、一般に、エンジンのク
ランクシャフトによって回転駆動させられる遠心式可変
径構造の駆動プーリと、駆動輪である後輪の近傍に配さ
れた可変径構造の従動プーリと、これらの両プーリ間に
巻回されたVベルトとを備え、前記駆動プーリの回転が
Vベルトを介して従動プーリの回転へ伝達され、さら
に、その従動プーリと同軸上に配された自動遠心式クラ
ッチ機構、および、この自動遠心クラッチに接続された
複数の減速ギヤ群(減速機構)を介して後輪に伝達され
るようになっている。そして、クランクシャフトの回転
速度等の変化によって駆動プーリおよび従動プーリに対
するVベルトの有効巻回半径が変化し、これによって自
動的に変速がなされるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な従来の動力装置にあっては、動力装置が全体として大
型であり、このように重量物である動力装置が全体とし
て大型であると、車両の重心位置が車両の中心から離れ
てしまい車両の重量バランスの調整が複雑化する等の不
具合が生じた。そこで、従来においてはこのような不具
合への改善が望まれており、本発明は、このような従来
の技術において残されている課題を解決せんとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シリンダブロックとクランクケースとクランクシャフト
とを備えるエンジンと、前記クランクシャフトに平行な
入力軸を有し前記エンジンから出力される回転を変速し
て駆動輪へ伝達する変速機とを備えるとともに、車体の
前後方向に前記エンジンのクランクシャフトを縦置き配
置し、前記エンジンと前記変速機とを車体の前後方向に
変位させて配置して、さらに前記クランクシャフトの軸
線方向で前記変速機と前記クランクケースおよび前記シ
リンダブロックとを一部重ねて配置した車両の動力装置
であって、前記エンジンのシリンダブロックは、その軸
線を略上下方向に配置し、前記変速機は、クランクシャ
フトより上方のクランクケース上半分方向に配置され、
前記エンジンのシリンダブロックの軸線と、前記変速機
の入力軸と前記エンジンのクランクシャフトの軸心とを
結んだ線分とを、互いに鋭角をなすV字状に配置するこ
とにより、前記変速機の軸を前記シリンダブロックに近
接配置してなることを特徴とする。請求項2記載の発明
は、シリンダブロックとクランクケースとクランクシャ
フトとを備えるエンジンと、前記クランクシャフトに平
行な入力軸を有し前記エンジンから出力される回転を変
速して駆動輪へ伝達する変速機とを備えるとともに、車
体の前後方向に前記エンジンのクランクシャフトを縦置
き配置し、前記エンジンと前記変速機とを車体の前後方
向に変位させて配置して、さらに前記クランクシャフト
の軸線方向で前記変速機と前記クランクケースおよび前
記シリンダブロックとを一部重ねて配置した車両の動力
装置であって、前記変速機は、斜板式油圧ポンプと斜板
式油圧モータとからなるとともに、これらポンプとモー
タとを同一軸線上に、かつ軸方向に隣り合わせて配置し
た静油圧式無段変速機とし、前記エンジンのシリンダブ
ロックは、その軸線を略上下方向に配置し、前記変速機
は、クランクシャフトより上方のクランクケース上半分
方向に配置され、前記エンジンのシリンダブロックの軸
線と、前記変速機の入力軸と前記エンジンのクランクシ
ャフトの軸心とを結んだ線分とを、互いに鋭角をなすV
字状に配置することにより、前記変速機の軸を前記シリ
ンダブロックに近接配置してなることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図3に基づき、
本発明の一の実施の形態について説明する。図1中符号
1は本実施の形態が適用された車両としてのスクータ型
の自動二輪車を示すものである。この自動二輪車1は、
車体の前方から後方(図1において左から右)に延びる
車体フレーム2と、車体フレーム2の前端に回動自在に
取り付けられたフロントフォーク3と、フロントフォー
ク3の下端に回転自在に支持された前輪4と、フロント
フォーク3の上端に取り付けられ前記前輪4を操舵する
ハンドル5と、車体フレーム2の略中間部の上部に取り
付けられたシート6と、車体フレーム2の略中央下部に
取り付けられた本実施の形態に係わる動力装置7とを備
えている。この動力装置7は、エンジン8と、このエン
ジン8から出力される回転を変速する静油圧式無段変速
機9(以下、単に無段変速機と略称する)と、この無段
変速機9によって回転駆動させられる動力伝達部材とし
てのドライブシャフト10(本実施の形態は、いわゆる
シャフトドライブを採用している)と、このドライブシ
ャフト10によって回転駆動させられる車軸11とから
成っており、ドライブシャフト10と車軸11との間に
は、図示せぬ一対のベベルギヤが介装されているととも
に、前記車軸11には後輪14が一体に取り付けられ
て、前記エンジン8の回転が、無段変速機9からドライ
ブシャフト10を経て、前記車軸11および後輪14へ
伝達されるようになっている。そして、前記エンジン8
および無段変速機9は、相互に平行となるように配設さ
れており、無段変速機9はエンジン8のクランクケース
1に一体に連設されたケーシングC2内に収納されてエ
ンジン8と一体化されている。
【0006】次いで、これらの詳細について説明する。
前記エンジン8は、図3に示すそのクランクケースC1
内に回転自在に装着されたクランクシャフト17が、車
体の長さ方向に沿うように縦置きとなされ、無段変速機
9も同様に車両の長さ方向に沿って配設されている。前
記クランクケースC1には、前記クランクシャフト17
と直交するようにシリンダブロック18、および、シリ
ンダヘッド19が順次連結され、シリンダブロック18
内には前記クランクシャフト17へコンロッド20を介
して連結されたピストン21が摺動自在に嵌装され、ま
た、シリンダヘッド19には、前記クランクシャフト1
7によりカムチェーン22を介して回転駆動させられる
カムシャフト23が回転自在に装着されている。このカ
ムシャフト23は、その回転により、前記シリンダヘッ
ド19に揺動自在に装着された図示せぬロッカーアーム
を揺動させて、図示せぬ吸・排気バルブの開閉をクラン
クシャフト17の回転に同期して行うようになってい
る。ここで、図1および図2から明らかなようにエンジ
ン8のシリンダブロック18は、その軸線を上下方向に
配置している。
【0007】前記無段変速機9は、定容量型の斜板式油
圧ポンプPと可変容量型の斜板式油圧モータMによって
構成されており、これらの斜板式油圧ポンプPと斜板式
油圧モータMとは同一軸線上に配設されるとともに軸方
向に隣り合わせて配置され、かつ無段変速機9は、図2
に示すように、車両の前方から見て前記クランクシャフ
ト17よりも上方に位置させられている。前記油圧ポン
プPは、クランクケースC1にボールベアリング30b
を介して回転自在に装着された入力筒軸30と、この入
力筒軸30にボルト止めされた支持筒31にボールベア
リング32を介して相対回転自在に支持されたシリンダ
ブロック33と、このシリンダブロック33の一端側
(図3における左側)に、その回転軸線まわりに間隔を
おきかつ回転軸線に平行となるように形成された奇数の
シリンダ孔34のそれぞれに摺動可能に嵌合させられる
多数のポンププランジャ35と、これらポンププランジ
ャ35の外端に前面を当接させるポンプ斜板36とから
構成される。ポンプ斜板36はその背面をアンギュラコ
ンタクトベアリング37を介し前記入力筒軸30のホル
ダ部30aによって支承されて、シリンダブロック33
の軸線と直交する仮想トラニオン軸線O1を中心にして
シリンダブロック33の軸線に対し一定角度傾斜させた
状態に保持される。前記アンギュラコンタクトベアリン
グ37は、入力筒軸30の斜板ホルダ部30aと協働し
てポンプ斜板36に調心作用を与えるように構成され
る。支持筒31の長さ方向の略中間部にはドリブンギヤ
38が一体に設けられており、該ドリブンギヤ38は、
クランクシャフト17に設けられたドライブギヤ39の
回転面と同一面に位置させられ、チェーン61によって
連結されていて、クランクシャフト17によって回転駆
動させられるようになっている。そして、前記ポンプ斜
板36は、クランクシャフト17による入力筒軸30の
回転によって回転させられて、ポンププランジャ35に
往復動を与えて吸入および吐出工程を繰返させる。
【0008】一方、前記油圧モータMは、前記油圧ポン
プPと共通して用いられるシリンダブロック33と、そ
の他端面に、シリンダブロック33の回転軸線まわりに
間隔をおきかつ回転軸線に平行となるように形成された
奇数のシリンダ孔40のそれぞれに摺動可能に嵌合させ
られる多数のモータプランジャ41と、これらモータプ
ランジャ41の外端面を当接させるモータ斜板42と、
このモータ斜板42の背面をアンギュラコンタクトベア
リング43を介して支承するモータ斜板ホルダ44と、
このモータ斜板ホルダ44の背面を支承するモータ斜板
アンカ45とから構成される。また、互いに当接するモ
ータ斜板ホルダ44およびモータ斜板アンカ45の対向
面は、シリンダブロック33の軸線とトラニオン軸線O
2との交点を中心とする球面に形成される。そして、こ
の油圧モータMにおいても前記アンギュラコンタクトベ
アリング43はモータ斜板ホルダ44と協働してモータ
斜板42に調心作用を与えるように構成される。前記モ
ータ斜板アンカ45は、その前端に連なる筒状のシリン
ダホルダ46とともにケーシングC2の後側壁に固着さ
れる。また、このシリンダホルダ46はボールベアリン
グ47を介してシリンダブロック33のほぼ中央部外周
を回転自在に支承する。前記モータ斜板42は、シリン
ダブロック33の軸線に対しほぼ直角となる直立位置
と、ある角度で傾倒する最大傾斜位置との間をモータ斜
板ホルダ44の回動によって移動するようになってい
る。そして、その傾斜状態では、シリンダブロック33
の回転に伴いモータプランジャ41に往復動を与えて膨
張および収縮行程を繰返させる。前記モータ斜板ホルダ
44の傾斜角度は、このモータ斜板ホルダ44に連結さ
れた図示せぬ傾動機構により調整されるようになってい
る。ここでは、傾動機構の詳細については省略する。
【0009】前記シリンダブロック33の中心部には出
力軸48が相対回動が拘束された状態で貫通させられて
おり、この出力軸48の一端部は、入力筒軸30に対し
て相対回転自在に支持されている。また、ドライブシャ
フト10は、無段変速機9の出力軸48と同軸上に配設
され、その端部どうしが、出力軸48の端部に形成され
たスプライン62を介して相対回転が拘束された状態で
連結されている。一方、出力軸48は、モータ斜板4
2、モータ斜板ホルダ44およびモータ斜板アンカ45
を貫通するように延びている。前記シリンダブロック3
3には、ポンプ側のシリンダ孔34群とモータ側のシリ
ンダ孔40群との間において、出力軸48を中心にして
同心に並ぶ環状の内側油路51および外側油路52と、
両油路51・52間の環状隔壁および外側油路52の外
周壁を放射状に貫通する、前記シリンダ孔34・40と
それぞれ同数の第1弁孔53および第2弁孔54と、各
弁孔53・54を前記外側油路52へ連通させる連絡油
路と、相隣るシリンダ孔34および第1弁孔53を相互
に連通するポンプポートaと、相隣るシリンダ孔40お
よび第2弁孔54を相互に連通する多数のモータポート
bとが設けられる。前記内側油路51は、シリンダブロ
ック33の内周面に環状溝として形成され、その開放面
は出力軸48の外周面により閉じられる。
【0010】前記第1弁孔53には、スプール型の第1
分配弁55が、また前記第2弁孔54には同じくスプー
ル型の第2分配弁56がそれぞれ摺動可能に嵌合されて
いる。そして、第1分配弁55の外端にはそれを囲む第
1偏心輪部57が、また第2分配弁56の外端にはそれ
らを囲む第2偏心輪58がそれぞれボールベアリング5
9・60を介して係合される。前記第1偏心輪部57は
支持筒31に一体に支持されて、仮想トラニオン軸線O
1に沿って入力筒軸30の中心(出力軸48の中心)か
ら所定距離偏心した位置に位置決めされている。また、
前記第2偏心輪58は、シリンダホルダ46によって出
力軸48の中心から偏心した位置に保持されている。こ
こで、本実施の形態においては、各プランジャ35・4
1の端部には球面状の凹部63が形成され、各斜板36
・42に、各プランジャ35・41の凹部63に嵌合当
接する球面形状の端部を有する突部64が形成されてい
る。また、エンジン8をそのクランクシャフト17が車
両の長さ方向に沿うように縦置き配置とし、無段変速機
9をその出力軸48が前記クランクシャフト17の軸心
と略平行となるように間隔をおき、かつ、両者が若干重
畳するようにして、図1および図2に示すように、クラ
ンクケースC1の上方に配置している。しかも、エンジ
ン8のシリンダブロック18の軸線と、変速機9の出力
軸48等の軸とエンジン8のクランクシャフト17の軸
心とを結んだ線分とが、図2から明らかなように互いに
鋭角をなすように配置されている。
【0011】このような構成の無段変速機9によれば、
支持筒31(入力筒軸30と一体的に回転する)とシリ
ンダブロック33間に相対回転が生じると、各第1分配
弁55は、第1偏心輪57により第1弁孔53において
偏心量の2倍の距離をストロークとしてシリンダブロッ
ク33の半径方向内方位置および外方位置間を往復動さ
せられる。そして、油圧ポンプPの吐出領域では、第1
分配弁55は前記内方位置側を移動させられ、これによ
って、対応するポンプポートaが外側油路52に連通さ
せられるとともに内側油路51と不通とされて、吐出行
程中のポンププランジャ35によりシリンダ孔34から
外側油路52へ作動油が圧送され、また、吸入領域で
は、第1分配弁55は前記外方位置側に移動して、対応
するポンプポートaを内側油路51に連通するとともに
外側油路52と不通にし、吸入行程中のポンププランジ
ャ35により内側油路51からシリンダ孔34に作動油
が吸入される。一方、シリンダブロック33が回転する
と、各第2分配弁56は、第2偏心輪58により第2弁
孔54において偏心量の2倍の距離をストロークとして
シリンダブロック33の半径方向内方位置および外方位
置間を往復動される。そして、油圧モータMの膨張領域
では、第2分配弁56は前記内方位置側を移動して、対
応するモータポートbを外側油路52に連通するととも
に内側油路51を不通にし、外側油路52から膨張行程
中のモータプランジャ41のシリンダ孔40に高圧の作
動油が供給され、また収縮領域では、第2分配弁56は
前記外方位置側を移動して、対応するモータポートbを
内側油路51に連通するとともに外側油路52と不通に
し、収縮行程中のモータプランジャ41のシリンダ孔4
0から内側油路51へ作動油が排出される。そして、ポ
ンププランジャ35は、吐出領域を通過する間、シリン
ダ孔34から外側油路52に作動油を圧送し、また吸入
領域を通過する間、内側油路51からシリンダ孔34に
作動油を吸入する。また、外側油路52に送られた高圧
の作動油は、油圧モータMの膨張領域に存するモータプ
ランジャ41のシリンダ孔40に供給される一方、収縮
領域に存するモータプランジャ41によりそのシリンダ
孔40から内側油路51へ作動油が排出される。この間
に、シリンダブロック33が吐出行程のポンププランジ
ャ35を介してポンプ斜板36から受ける反動トルク
と、シリンダブロック33が膨張行程のモータプランジ
ャ41を介してモータ斜板42から受ける反動トルクと
の和によって、シリンダブロック33は回転され、その
回転トルクは出力軸48からドライブシャフト10へ伝
達される。
【0012】この場合は、入力筒軸30に対する出力軸
48の変速比は次式によって与えられる。 変速比=1+油圧モータMの容量/油圧ポンプPの容量 したがって、油圧モータMの容量を零からある値に変え
れば、変速比を1からある必要な値まで変えることがで
きる。しかも、その油圧モータMの容量はモータプラン
ジャ41のストロークによって決定されるので、モータ
斜板ホルダ44の操作により、モータ斜板42を直立位
置からある傾斜位置まで傾動させることにより、変速比
が1からある値まで無段階に調整される。しかして、前
記構成の動力装置7によれば、無段変速機9が、この無
段変速機9の出力端である出力軸48においてその変速
操作を完了していることから、既に示したように、無段
変速機9から後輪14の車軸11へ至る間には、ドライ
ブシャフト10およびベベルギヤという動力伝達に必要
な最小限度の部材しか介在せず、したがって、変速に必
要な構成部材を駆動輪14側へ配設する必要がなく、か
つ、重量物であるエンジン8と無段変速機9とが車両の
略中央部に集中配置される。これによって、動力装置7
の重心が車両の前後方向略中央部へ近付けられるととも
に、駆動輪14側における慣性重量が軽減されてこの駆
動輪14を支持する懸架装置のバネ下荷重が軽減され
る。しかも、前記無段変速機9は、エンジン8のクラン
クケースC1の上半部方向に配置されていることから、
動力装置7の重心位置が上下方向においても車両の中心
部へ近付けられる。
【0013】したがって、これらの相乗作用により、車
両の重心が車両の中心近傍へ位置させられ、車両全体と
しての重量バランスが良好なものとなり、かつ、その調
整が容易となる。さらに、無段変速機9がクランクケー
スC1の上半部方向に配置されていることにより、最低
地上高が容易に確保され、したがって、エンジン8に併
設されるオイルパン等の設置が容易となる。一方、前記
構成の無段変速機9は、その長さ方向における重量バラ
ンスがほぼ均一化されていることから、本実施の形態の
ように無段変速機9をクランクシャフト17と平行に車
両の長さ方向に沿って配置することにより、動力装置7
ひいては車両の長さ方向における重量バランスのずれが
抑制され、バランス調整が一層容易なものとなる。さら
に、斜板36・42とプランジャ35・41との当接部
の構造を変更することにより、各プランジャ35・41
のシリンダブロック18からの突出量を小さくするとと
もに、各斜板36・42の強度を高めてその薄肉化を図
って、これらの斜板36・42のシリンダブロック18
側への接近を可能とし、これによって、無段変速機9の
長さ方向の寸法の小型化が可能となる。この結果、無段
変速機9を縦置きとした場合における動力装置7の長尺
化が極力抑制される。なお、前記実施の形態においては
示した各構成部材の諸形状や寸法、ならびに、配置は一
例であって、適用する車両の種類や設計要求等に基づき
種々変更可能である。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クランク軸を車体に縦置きし、そのシリンダ軸線を上下
配置して、エンジンのシリンダブロックの軸線と、変速
機の入力軸とエンジンのクランクシャフトの軸心とを結
んだ線分とを、互いに鋭角をなすV字状に配置すること
により、変速機の軸をシリンダブロックに近接配置して
なるため、シリンダブロックと変速機軸との間に生じ勝
ちなデッドスペースを減らした配置ができる。したがっ
て、コンパクトにすることができ、特にシリンダブロッ
クと変速機軸との配置方向である車幅方向の寸法を小さ
く抑えることができる上、重量物であるエンジンと変速
機とをより集中配置することができる。また、車体前方
から流れてくる走行風や冷却風の流れを妨げることが少
なく冷却上も好適である。加えて、変速機を、クランク
シャフトより上方のクランクケース上半分方向に配置し
ているため、車体正面から見たエンジンのシリンダブロ
ックの軸線と、変速機の軸とエンジンのクランクシャフ
トの軸心とを結んだ線分とが略正立のV字状となり、シ
リンダブロックの軸線と変速機の中心との水平距離を短
くすることができる。したがって、エンジンの幅方向の
寸法を小さくすることができ、さらに重量物が車体中心
部に配置されバランスの調整が容易になる効果がある。
さらに、エンジンと変速機とを車体の前後方向に変位さ
せて配置して、クランクシャフトの軸線方向で変速機と
クランクケースおよびシリンダブロックとを一部重ねて
配置しているため、車体の前後方向の寸法を小さく抑え
つつクランクシャフトと変速機の入力軸との軸間距離を
短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態を示すもので、この
一の実施の形態が適用された車両としての自動二輪車の
側面図である。
【図2】 本発明の一の実施の形態を示す正面図であ
る。
【図3】 図2におけるVI−VI線に沿う矢視断面図
である。
【符号の説明】
1 自動二輪車(車両) 7 動力装置 8 エンジン 9 静油圧式無段変速機 10 ドライブシャフト 11 車軸 14 後輪 17 クランクシャフト P 斜板式油圧ポンプ M 斜板式油圧モータ 48 出力軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 勉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社 本田技術研究所内 (72)発明者 片平 潔 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社 本田技術研究所内 合議体 審判長 粟津 憲一 審判官 ぬで島 慎二 審判官 藤井 昇 (56)参考文献 特開 昭63−103784(JP,A) 特開 昭63−137088(JP,A) 実開 昭62−54891(JP,U) 特公 昭63−46250(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62M 17/00 B62M 7/06 F02B 61/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックとクランクケースと
    ランクシャフトとを備えるエンジンと、前記クランクシ
    ャフトに平行な入力軸を有し前記エンジンから出力され
    る回転を変速して駆動輪へ伝達する変速機とを備えると
    ともに、車体の前後方向に前記エンジンのクランクシャ
    フトを縦置き配置し、前記エンジンと前記変速機とを車
    体の前後方向に変位させて配置して、さらに前記クラン
    クシャフトの軸線方向で前記変速機と前記クランクケー
    スおよび前記シリンダブロックとを一部重ねて配置した
    車両の動力装置であって、 前記エンジンのシリンダブロックは、その軸線を略上下
    方向に配置し、 前記変速機は、クランクシャフトより上方のクランクケ
    ース上半分方向に配置され、 前記エンジンのシリンダブロックの軸線と、前記変速機
    の入力軸と前記エンジンのクランクシャフトの軸心とを
    結んだ線分とを、互いに鋭角をなすV字状に配置するこ
    とにより、前記変速機の軸を前記シリンダブロックに近
    接配置してなることを特徴とする車両の動力装置。
  2. 【請求項2】 シリンダブロックとクランクケースと
    ランクシャフトとを備えるエンジンと、前記クランクシ
    ャフトに平行な入力軸を有し前記エンジンから出力され
    る回転を変速して駆動輪へ伝達する変速機とを備えると
    ともに、車体の前後方向に前記エンジンのクランクシャ
    フトを縦置き配置し、前記エンジンと前記変速機とを車
    体の前後方向に変位させて配置して、さらに前記クラン
    クシャフトの軸線方向で前記変速機と前記クランクケー
    スおよび前記シリンダブロックとを一部重ねて配置した
    車両の動力装置であって、 前記変速機は、斜板式油圧ポンプと斜板式油圧モータと
    からなるとともに、これらポンプとモータとを同一軸線
    上に、かつ軸方向に隣り合わせて配置した静油圧式無段
    変速機とし、 前記エンジンのシリンダブロックは、その軸線を略上下
    方向に配置し、 前記変速機は、クランクシャフトより上方のクランクケ
    ース上半分方向に配置され、 前記エンジンのシリンダブロックの軸線と、前記変速機
    の入力軸と前記エンジンのクランクシャフトの軸心とを
    結んだ線分とを、互いに鋭角をなすV字状に配置するこ
    とにより、前記変速機の軸を前記シリンダブロックに近
    接配置してなることを特徴とする車両の動力装置。
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