JP3330315B2 - ポリプロピレン組成物 - Google Patents

ポリプロピレン組成物

Info

Publication number
JP3330315B2
JP3330315B2 JP36901097A JP36901097A JP3330315B2 JP 3330315 B2 JP3330315 B2 JP 3330315B2 JP 36901097 A JP36901097 A JP 36901097A JP 36901097 A JP36901097 A JP 36901097A JP 3330315 B2 JP3330315 B2 JP 3330315B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
weight
propylene
mfr
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP36901097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11189700A (ja
Inventor
邦夫 岩浪
明 小林
三弘 村山
祐二 藤田
隆之 永井
孝夫 野村
雅敏 松田
修 鬼頭
久幸 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polychem Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polychem Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Japan Polychem Corp
Priority to JP36901097A priority Critical patent/JP3330315B2/ja
Priority to EP98124590A priority patent/EP0926195A1/en
Priority to KR1019980057987A priority patent/KR19990063394A/ko
Priority to AU98189/98A priority patent/AU9818998A/en
Priority to US09/220,440 priority patent/US6156836A/en
Publication of JPH11189700A publication Critical patent/JPH11189700A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3330315B2 publication Critical patent/JP3330315B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形性に優れ
たポリプロピレン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは、低密度でありながら
機械物性、成形性が良好であることから各種の分野に広
く利用されている。しかしながら、耐衝撃性や耐熱性に
劣るため、その改良を目的として多段重合で得られるエ
チレン−プロピレンブロック共重合体に、エチレン−プ
ロピレン共重合体ゴムやエチレン−ブテン共重合体ゴム
などのゴム成分とタルクなどの無機フィラーを添加した
種々のポリプロピレン樹脂組成物が提案されている。
【0003】例えば、特開平1−149845号公報
は、(a)エチレン含有量20〜60重量%の沸騰キシ
レン可溶分を5〜12重量%含み、重合体全体のエチレ
ン含有量が1〜7重量%で、かつメルトフローレートが
15〜50g/10分のプロピレン−エチレンブロック
共重合体59〜74重量%と、(b)プロピレン含有量
が20〜60重量%で、かつムーニー粘度ML1+4(1
00℃)が100〜150のエチレン−プロピレン共重
合体ゴム35〜20重量%と、(c)比表面積が300
00cm2/g以上で、平均粒径0.5〜2.0μmで
あるタルク3〜6重量%を配合してなる樹脂組成物を開
示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリプロピレン
組成物は、ゴムの添加により耐衝撃性を改良したり、無
機フィラーの添加により剛性を向上させているのが一般
的であり、耐衝撃性の改良に対しては剛性が犠牲にな
り、剛性の向上に対しては耐衝撃性が犠牲となるため、
個々の組成物の使用範囲は広いものではなかった。例え
ば自動車用途ではバンパー等の外装部品は耐衝撃性を改
良した材料を用い、インスツルメンタルパネル等の内装
材は剛性を向上した材料を用いており、両者に共通する
ポリプロピレン系材料はこれまで無かった。また、生産
効率の向上や軽量化のために成形品の薄肉化が進展して
おり、従来以上の流動特性が求められている。本発明の
第1の課題は従来材料より大幅に物性バランスを向上
し、従来にない広い用途に向けた材料、例えば、自動車
内外装共通に使えるような材料を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、従来のポリプロピレン系
組成物にない優れた薄肉成形性を提供することにある。
更に、本発明の第3の課題は、従来のポリプロピレン系
材料の射出成形に伴い発生しているフローマークを大幅
に低減した材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究の結果、特定の広角X線回折
による回折ピーク強度比を持つポリプロピレンを主成分
とする組成物が機械物性、射出成形性に優れ、かつ良好
な成形品表面を有することを見出し、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、(A)MFRが60
〜120g/10分のエチレン−プロピレンブロック共
重合体であって、そのホモポリプロピレン部分のアイソ
タクチック分率が96%以上、MFRが150〜250
g/10分であり、かつエチレン−プロピレン共重合体
部分の含有量が5〜10重量%であり、その共重合体部
分のプロピレン含有量が60〜70重量%である結晶性
エチレン−プロピレンブロック共重合体54〜65重量
%と(B)熱可塑性エラストマー17〜24重量%と
(C)平均粒径が5μm以下のタルク15〜25重量%
からなり、ASTM法で測定した機械物性が下記の通り
であり、 曲げ弾性率≧1800MPa 引張り降状強度≧20MPa 引張り伸度≧200% 23℃ Izod 衝撃強度≧180J/m −30℃ Izod 衝撃強度≧30J/m ロックウェル硬度(Rスケール)≧74 熱変形温度(HDT 18.5kg)≧73℃ 脆化温度≦−20℃ MFR=30〜60g/10分 かつ、射出成形によるASTM1号ダンベルの中心付近
の広角X線回折による回折ピーク強度比から求められる
b軸配向度が720以上であるポリプロピレン組成物で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン組成物
を、以下に詳細に説明する。 [1]ポリプロピレン組成物の物性 本発明のポリプロピレン組成物は、射出成形によるAS
TM1号ダンベルの中心付近の広角X線回折による回折
ピーク強度比のb軸配向が720以上である必要があ
る。ここでb軸配向強度比は次式で表される。
【0008】
【数1】 (式中、I(040)は広角X線回折による2θ=1
3.93における(040)面に起因するピーク強度を
示し、また、I(110)は広角X線回折による2θ=
16.68における(110)面に起因するピーク強度
を示す。) b軸配向度が720未満では射出成形物の強度、脆化温
度、硬度が劣る。
【0009】さらに、本発明のポリプロピレン組成物は
ASTM法で測定した機械物性が次の条件を満たすこと
が必要である。 曲げ弾性率≧1800MPa 引張り降状強度≧20MPa 引張り伸度≧200% 23℃ Izod 衝撃強度≧180J/m −30℃ Izod 衝撃強度≧30J/m ロックウェル硬度(Rスケール)≧74 熱劣化温度(HDT 18.5kg)≧73℃ 脆化温度≦−20℃ MFR=30〜60g/10分 これらの値の範囲外では用途が狭まり、かつ薄肉の射出
成形品が得られない。
【0010】[2]ポリプロピレン組成物の組成成分 本発明の組成物は、(A)特定の結晶性エチレン−プロ
ピレンブロック共重合体、(B)特定の熱可塑性エラス
トマーおよび(C)特定のタルクを特定量溶融混練する
ことによって得られる。以下各成分について説明する。
【0011】(A)エチレン−プロピレンブロック共重
合体 本発明において使用する(A)エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体は、実質的に(a)結晶性プロピレン重
合体部分と、(b)エチレン−プロピレン共重合体部分
からなるものであるが、その他に(c)結晶性エチレン
ホモ重合体部分を少量含有するものでもよい。 (a)結晶性プロピレン重合体部分は、プロピレンのホ
モ重合体であり、その部分のメルトフローレート(23
0℃、荷重2.16kg、以下MFRという)が150
〜250g/10分、かつアイソタクチックペンタッド
分率(IPF)が96%以上、好ましくは98%以上で
ある。MFRが低いと成形性が悪く、高すぎると物性が
低下する。また、IPFが低いと組成物全体のb軸配向
度が低くなり表面硬度が不足し、耐傷付性が問題とな
る。
【0012】ここで、アイソタクチックペンタッド分率
(IPF)とは、Macromolecules,6巻,
925頁(1973年)記載の方法、すなわち13C−N
MRを使用する方法で測定されるポリプロピレン分子鎖
中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。
換言すれば、アイソタクチックペンタッド分率は、プロ
ピレンモノマー単位が4個連続してメソ結合した連鎖の
中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ただ
し、ピークの帰属に関しては、Macromolecu
les,8巻,687頁(1975年)に記載の方法に基
づいて行った。具体的には13C−NMRスペクトルのメ
チル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの強度
分率としてアイソタクチックペンタッド単位を測定し
た。
【0013】(b)エチレン−プロピレン共重合体部分
は、結晶性の低いエチレン−プロピレンランダム共重合
体の部分である。このエチレン−プロピレン共重合体部
分のプロピレン含有量は、60〜70重量%であること
が必須であり、また、このエチレン−プロピレン共重合
体部分は、少量(5モル%以下程度)の第3成分、例え
ばブテン−1、オクテン−1等のα−オレフィン等をさ
らに含有していてもよい。プロピレン含有量が60重量
%未満、または70重量%を超えると、いずれも延性が
低下する。
【0014】前述したような各部分を含有する(A)エ
チレン−プロピレンブロック共重合体の(a)結晶性プ
ロピレン重合体部分と、(b)エチレン−プロピレン共
重合体部分の含有量は、(a)+(b)の合計を100
重量%として、(a)結晶性プロピレン重合体部分が9
0〜95重量%である。一方、(b)エチレン−プロピ
レン共重合体部分は5〜10重量%である。共重合体部
分が多いと表面硬度、熱変形温度が低下し、製品に傷が
付きやすいという問題があり好ましくない。また、
(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体のMFR
は、60〜120g/10分、好ましくは80〜100
g/10分である。MFRの値が60g/10分未満で
は組成物の流動性が悪化し、成形性、特に射出成形性が
悪化し、かつ、耐傷付性が不足する。一方、MFRが1
20g/10分を超えると機械的強度が低下するために
好ましくない。
【0015】このような(A)エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体は、例えば慣用のプロピレン重合法の一
段以上の工程で(a)結晶性プロピレン重合体部分(プ
ロピレンホモ重合体)を重合した後、引き続き一段以上
の工程で(b)エチレン−プロピレン共重合体部分を重
合する多段重合によって得ることができ、気相法、スラ
リー法など任意の方法にて製造できる。
【0016】なお、(a)結晶性プロピレン重合体部分
(b)エチレン−プロピレン共重合体部分および(c)
結晶性エチレンホモ重合体部分は、例えば(A)エチレ
ン−プロピレンブロック共重合体を沸騰キシレンに溶解
し、冷却後に(a)結晶性プロピレン重合体部分および
(c)結晶性エチレンホモ重合体部分を不溶部として、
可溶部の(b)エチレン−プロピレン共重合体部分を分
離し、前記不溶部を100℃に再加熱して(a)結晶性
プロピレン重合体部分を不溶部として、それぞれ分離定
量することができる。
【0017】(B)熱可塑性エラストマー 本発明において使用する(B)熱可塑性エラストマー
は、一種または複数種のスチレン−エチレン・ブチレン
−スチレンブロック共重合体(以下SEBS)である。
本発明において使用するSEBSは、次の構造式
(I)で示されるものである。 PS−PEB−PS (I) (上記式中、PSはポリスチレンブロックであり、PE
Bはポリエチレン・ブテンブロックである。) このようなSEBSは、スチレンと1,3−ブタジエン
とをブロック共重合したものを水素添加したものであ
る。
【0018】このSEBSの水素添加量は、90モル%
以上で、好ましくは不飽和結合を有さないものが、耐候
性、リサイクル性等の上から好ましい。また、SEBS
のMFRは、0.5〜15g/10分、好ましくは1〜
12g/10分である。複数種のSEBSを使用する場
合、混合したSEBSのMFRがこの範囲に入ることが
好ましい。MFRが0.5未満では流動性が不足するた
めに成形性が悪化し、耐衝撃性も不足する。一方、MF
Rが15g/10分を超えると、延性や耐衝撃性が不足
するために好ましくない。さらに、SEBSを構成する
ポリスチレン部分の含有量は、10〜30重量%が好ま
しい。ポリスチレン部分の含有量が、10重量%未満で
は耐衝撃性が悪化し、一方30重量%を超えると延伸が
不足するために好ましくない。
【0019】(C)タルク 本発明において使用する(C)タルクは、レーザー回折
散乱式粒度分布測定装置により測定した平均粒径が5μ
m以下のものである。タルクの平均粒径が5μmを超え
ると、剛性や寸法安定性が不足するために好ましくな
い。また、タルクは、変性シリコーンやチタネートカッ
プリング剤等で表面処理すると、組成物の剛性や耐熱性
をより向上させることができるために好ましい。また予
め(A)成分の一部でマスターバッチ化しておいて用い
ることもできる。
【0020】本発明のポリプロピレン組成物は、例えば
自動車の内外装材などその用途によっては、前記の各成
分(A)、(B)および(C)の合計100重量部に対
し、さらに、酸化防止剤、熱安定剤および光安定剤を各
0.01〜2重量部程度添加することが好ましい。成分
の各々が0.01重量部未満では各々の効果が十分でな
く、一方、2重量部を超えるとそれ以上の効果がないば
かりでなくポリプロピレン組成物の物性を低下させるた
めに好ましくない。
【0021】その場合使用する酸化防止剤としては、フ
ェノール系、リン系等のものがあげられる。フェノール
系のものとして、例えばテトラキス−[メチレン−3
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチル−フェノール、トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート等があ
げられる。
【0022】また、リン系のものとして、例えばトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシル−ホス
ファイト−5−t−ブチル)等があげられる。
【0023】熱安定剤としては、例えばジステアリルチ
オプロピオネイト、ジラウリルチオプロピオネイト等イ
オウ系のものがあげられる。
【0024】さらに、光安定剤としては、例えばビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セ
バケイト、ジメチル−1(2−ヒドロキシエチル)−4
−ヒドロキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジンとコハク酸の縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エ
チレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮
合物等があげられる。
【0025】本発明のポリプロピレン組成物は、その他
にその改質の目的として、他の添加剤、例えば離型剤、
帯電防止剤、可塑剤、難燃剤、滑剤、銅害防止剤、有機
もしくは無機の顔料およびその分散剤等を添加すること
ができる。前記の各種添加剤や顔料は、各成分の混合時
に添加するのが一般的であるが、高濃度のマスターバッ
チを予め作成しておき射出成形時に後ブレンドしてもよ
い。
【0026】[3]配合割合 前述したような各種成分の配合割合は、(A)エチレン
−プロピレンブロック共重合体が54〜65重量%であ
り、(B)熱可塑性エラストマーが17〜24重量%で
あり、(C)タルクが15〜25重量%である。 (A)エチレン−プロピレンブロック共重合体が54重
量%未満では得られる組成物の剛性、耐熱性、硬度等が
低下しやすく、一方、65重量%を超えると強度、延性
等が低下する。また、(B)熱可塑性エラストマーが1
7重量%未満では脆化温度が高く、耐衝撃性が低下し、
一方、24重量%を超えると強度、剛性、耐熱性、硬度
等が低下する。さらに、(C)タルクが15重量%未満
では剛性、耐熱性が低下し、一方、25重量%を超える
と延性が低下する。
【0027】[4]製造方法 本発明のポリプロピレン組成物は、前記の各種の成分を
予めドライブレンドした後、1軸押出機、2軸押出機、
バンバリーミキサー、ニーダー等に供給し、180〜3
00℃、好ましくは190〜210℃で溶融混練するこ
とによって製造する。
【0028】
【実施例】本発明を以下の実施例および比較例によりさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、原料となる樹脂及びタルクは、以下
のものを使用した。
【0029】[1]エチレン−プロピレンブロック共重
合体(BPP)
【表1】 (1)MFR:ASTM D1238により230℃、
2.16kg荷重で測定(単位はg/10分)。 (2)Cv:エチレン−プロピレンブロック共重合体中
のエチレン−プロピレン共重合体部分(常温キシレン可
溶部分)の含有量(単位は重量%)。 (3)IPF:13C−NMRスペクトル分析法による。
【0030】[2]熱可塑性エラストマー (1)SEBS
【表2】
【0031】(2)比較のためのオレフィン系熱可塑性
エラストマー
【表3】
【0032】[3]タルク:MT5D ;富士タルク製
(レーザー散乱法による平均粒子径=4.5μm)
【0033】実施例1〜14、比較例1〜12 前記の各原料を表4〜表5に示す割合で配合し、スーパ
ーミキサーでドライブレンド後、連続混練機(神戸製鋼
製2FCM、L/D=5)に投入し200℃、800r
pm、吐出量80kg/hrで混練し、ペレットを得
た。ブレンド時には酸化防止剤としてIr1010(チ
バガイギー製)とMark2112(旭電化製)を各
0.1phrずつ添加した。
【0034】次に、得られた各ペレットを射出成形機
(新潟鉄工製 NN350/シリンダー温度210℃、
金型温度30℃)により射出成形して物性測定用の試験
片を得た。このようにして得られた各試験片に対して、
次の物性測定及び各試験を行い、その結果を表4〜表5
に示す。さらに、t=2.5mmの自動車バンパー(フ
ロント用:全長約2.4m)の金型を用いて充填状況お
よび成形後の外観について評価を行った結果(宇部興産
製 3500t縦型射出成形機/シリンダー温度220
℃、金型40℃の条件で成形)を表4〜表5に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】(1)MFR:ASTM D1238によ
り230℃、2.16kg荷重で測定(単位はg/10
分)。 (2)引張り伸度:ASTM D638により測定(単
位は%)。 (3)引張降状強度:ASTM D638により測定
(単位はMPa)。 (4)曲げ弾性率:ASTM D790により測定(単
位はMPa)。 (5)曲げ強度:ASTM D790により測定(単位
はMPa)。 (6)Izod衝撃強度:ASTM D256により2
3℃及び−30℃で測定(単位はJ/m)。 (7)熱変形温度(HDT):ASTM D648によ
り18.5kg/cm2で測定(単位は℃)。 (8)ロックウエル硬度:ASTM D785により測
定(スケールはR)。 (9)脆化温度:ASTM D746により測定(単位
は℃)。 (10)b軸配向:射出成形により得られたASTM1
号ダンベル試験片の中央部付近の広角X線回折を行う。
その散乱スペクトルの2θ=13.93に(040)面
に起因するピーク強度と2θ=16.68に(110)
面に起因するピーク強度の比から求めた。
【0038】(11)鉛筆硬度(耐傷付性) 射出成形品の耐傷付性の評価として鉛筆硬度試験は射出
成形後23℃にて、72時間以上放置したサンプルで行
う。サンプルを水平な台の上に固定し、約45度の角度
で鉛筆を持ち、芯が折れない程度にできる限り強く(約
3Kgf)サンプル表面に強く押しつけながら、試験者
の前方に均一速度(約1cm/s)で約1cm押し出し
てサンプル表面を引っかく。1回引っかくごとに鉛筆の
芯先端を新たに研いで、同一硬度記号の鉛筆で5回ずつ
試験を繰り返す。5回のうち2回以上傷(鉛筆の跡が明
瞭に見えるもの)がついた1段階下の硬度記号を材料の
鉛筆硬度とした。但し、試験用鉛筆はJIS S 60
06に規定するものを用い、鉛筆の硬度は硬度記号の9
Hが、最も硬く、6Bが最も軟らかいものとし、硬い方
を上位とする。また、鉛筆は削って芯を円柱状に約3m
m露出させ、次に硬い平らな面で研磨紙(最大粒子径4
6μm以下のもの)に芯を直角に当てて円を描きながら
静かに研ぎ、先端が平らで角が鋭くなるようにする。経
験的に鉛筆硬度が2B以上であれば耐傷付性は問題無い
と判断される。
【0039】(12)−20℃落錘衝撃試験(耐衝撃
性) 射出成形品の耐衝撃性の評価として−20℃での落錘衝
撃試験は重さ10Kg、直径10cmの半球状の撃芯を
1mの高さより落下させその破壊形態を確認した。 (13)充填性:成形品の目視により、未充填、ひけ、
ばりを観察した。いずれも該当しないものを良好とし
た。 (14)外観:目視にて、フローマークの有無を観察し
た。
【0040】表4〜表5より明らかなように本発明の実
施例1〜14の組成物は、b軸配向が720以上となり
良好な機械物性を示し、得られた射出成形による大型薄
肉部品の成形性及び外観も良く、成形品の表面硬度及び
衝撃強度も優れていた。
【0041】これに対して比較例の組成物はb軸配向が
720未満であるか、表面硬度、HDT、耐傷付性、衝
撃強度等が悪いか、またはMFRが不足し成形性が十分
でない。比較例1では、エチレン−プロピレンブロック
共重合体のMFRが低いため組成物のMFRが請求範囲
からはずれ、薄肉成形において充填不十分であった。比
較例2では、エチレン−プロピレンブロック共重合体の
立体規則性が低いため剛性や表面高度が不足し、製品の
耐傷付性が問題となる。比較例3では、エチレン−プロ
ピレンブロック共重合体のホモPPのMFRが低く薄肉
成形において充填不十分であった。比較例4は、エチレ
ン−プロピレンブロック共重合体の共重合部分の割合が
少ないため物性が悪く成形外観も良くない。比較例5
は、エチレン−プロピレンブロック共重合体の共重合部
分のプロピレン含量が低いため外観が悪く、比較例6〜
8は、熱可塑性エラストマーとしてエチレン−α−オレ
フィン共重合体を用いたため脆化温度が高く低温耐衝撃
性が不足していることを示している。また、比較例9〜
12は、エチレン−プロピレンブロック共重合体や熱可
塑性エラストマーの割合が請求範囲からはずれると物
性、成形性が低下することを示している。
【0042】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン組成物は、成形
性に優れ、かつ機械物性も良好なバランスを有するもの
である。従って、射出成形条件の幅を広げることができ
るために、特に薄肉大型製品の成形が容易になる。した
がって、自動車用部品の内外装材、家電部品等の工業材
料の射出成形によって得られる製品において有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 祐二 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリ ケム株式会社四日市技術センター内 (72)発明者 永井 隆之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 松田 雅敏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 鬼頭 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岩井 久幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 中島 庸子 (56)参考文献 特開 平5−311032(JP,A) 特開 平8−41276(JP,A) 特開 平9−71695(JP,A) 特開 平9−241473(JP,A) 特開 平9−278954(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00 C08K 3/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)MFRが60〜120g/10分
    のエチレン−プロピレンブロック共重合体であって、そ
    のホモポリプロピレン部分のアイソタクチックペンタッ
    ド分率が96%以上、MFRが150〜250g/10
    分であり、かつエチレン−プロピレン共重合体部分の含
    有量が5〜10重量%であり、その共重合体部分のプロ
    ピレン含有量が60〜70重量%である結晶性エチレン
    −プロピレンブロック共重合体54〜65重量%と
    (B)一種または複数種のスチレン−エチレン・ブチレ
    ン−スチレンブロック共重合体からなる熱可塑性エラス
    トマー17〜24重量%と(C)平均粒径が5μm以下
    のタルク15〜25重量%からなり、ASTM法で測定
    した機械物性が下記の通りであり、 曲げ弾性率≧1800MPa 引張り降状強度≧20MPa 引張り伸度≧200% 23℃ Izod 衝撃強度≧180J/m −30℃ Izod 衝撃強度≧30J/m ロックウェル硬度(Rスケール)≧74 熱変形温度(HDT 18.5kg)≧73℃ 脆化温度≦−20℃ MFR=30〜60g/10分 かつ、射出成形によるASTM1号ダンベルの中心付近
    の広角X線回折による回折ピーク強度比から求められる
    b軸配向度が720以上であるポリプロピレン組成物。
JP36901097A 1997-12-26 1997-12-26 ポリプロピレン組成物 Expired - Fee Related JP3330315B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36901097A JP3330315B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 ポリプロピレン組成物
EP98124590A EP0926195A1 (en) 1997-12-26 1998-12-23 Polypropylene resin composition
KR1019980057987A KR19990063394A (ko) 1997-12-26 1998-12-24 폴리프로필렌 수지 조성물
AU98189/98A AU9818998A (en) 1997-12-26 1998-12-24 Polypropylene resin composition
US09/220,440 US6156836A (en) 1997-12-26 1998-12-24 Polypropylene resin composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36901097A JP3330315B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 ポリプロピレン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11189700A JPH11189700A (ja) 1999-07-13
JP3330315B2 true JP3330315B2 (ja) 2002-09-30

Family

ID=18493329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36901097A Expired - Fee Related JP3330315B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 ポリプロピレン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3330315B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4889136B2 (ja) * 1999-12-09 2012-03-07 株式会社プライムポリマー プロピレン系樹脂組成物
JP2001181473A (ja) 1999-12-27 2001-07-03 Japan Polychem Corp 成形性、物性に優れるポリプロピレン系樹脂組成物
KR100541582B1 (ko) * 2001-03-15 2007-04-16 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 폴리프로필렌 수지 조성물로 되는 자동차 부품
KR20030015634A (ko) * 2001-08-17 2003-02-25 금호석유화학 주식회사 자동차 내장재용 열가소성 수지조성물
WO2009022647A1 (ja) 2007-08-10 2009-02-19 Toyoda Gosei Co., Ltd. 樹脂組成物及び樹脂製品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11189700A (ja) 1999-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190127563A1 (en) Thermoplastic mixture with high flexibility and high melting point
EP2261277B1 (en) Polypropylene-based resin composition and molded article thereof
EP0739943B1 (en) Thermoplastic resin composition and injection molded article thereof
US6156836A (en) Polypropylene resin composition
EP0794225A1 (en) Thermoplastic resin composition
CN108350240B (zh) 用于汽车内饰的具有力学性能间的优异平衡的高流动性tpo组合物
JP4881522B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
EP1477525B1 (en) Polyolefin composition
JP3330314B2 (ja) ポリプロピレン樹脂組成物
JP3330315B2 (ja) ポリプロピレン組成物
EP3484955B1 (en) Polyolefin compatibilizer composition for compounding to improve stiffness and impact balance
JP3485756B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP3414549B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびその射出成形体
US6593409B2 (en) Thermoplastic resin composition and injection-molded article thereof
KR102187566B1 (ko) 폴리프로필렌 수지 조성물 및 이의 성형품
JP3238575B2 (ja) 自動車内装用樹脂組成物
JPH07157627A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
CN108570203B (zh) 聚丙烯树脂组合物及其成型产品
JPH0820690A (ja) ポリプロピレン樹脂複合組成物
KR100842161B1 (ko) 흐름성과 무광 특성이 우수한 고충격 폴리프로필렌 수지조성물
JP3119511B2 (ja) 自動車用樹脂組成物
KR20060123914A (ko) 폴리프로필렌 수지 조성물
JP3119512B2 (ja) 自動車用樹脂組成物
KR20040065079A (ko) 내압특성과 내충격성이 우수한 자동차용 고투명성폴리프로필렌 수지조성물
JP3196547B2 (ja) ポリプロピレン複合組成物

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees