JP3329387B2 - 培地濃縮物技術 - Google Patents
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Description
適合性処方組成物に選択的にサブグループ化した培地成
分に関する。上記濃縮処方組成物は安定で、細胞培地を
製造するのに使用することができる。
胞を維持および成長させるのに必要な栄養物を提供す
る。細胞培地の特徴および組成は、個々の細胞の必要条
件によって変化し得る。重要なパラメーターは浸透圧モ
ル濃度、pH、および栄養処方を含む。
多数の細胞型を成長させるのに使用されてきた。培地で
成長した細胞は利用できる栄養物を異化し、モノクロー
ナル抗体、ホルモン、成長因子等のような有用な生物学
的物質を産生する。上記物質は治療学的用途を有し、組
換えDNA技術の出現で細胞はこれらの物質を大量に産生
するように操作することができる。すなわち、試験管内
で細胞が成長する能力は、細胞生理学の研究にだけ重要
ではなく、それ以外の手段では費用効率的な方法により
得ることができない有用な物質の製造に必要である。
多数の培地は市販されている。細胞培地の典型的な栄養
物は、アミノ酸、塩、ビタミン、微量金属、糖、脂肪お
よび核酸を含む。しばしば、特に複合培地組成物では、
安定性の問題は毒性物質および/または必須栄養物の低
い有効濃度を生じ、それにより培地の機能的な有効期間
が限定される。例えば、グルタミンは試験管内で哺乳類
の細胞の培養で使用されるほとんど全ての培地の構成成
分である。グルタミンは、ピロリドンカルボン酸および
アンモニアに自然に分解する。崩壊速度はpHおよびイオ
ン条件により影響されるが、細胞培地では、これらの分
解物質の形成は避けることができない(トリッシュ等、
エクスペリメンタル・セル・リサーチ、第28巻、第360
−364頁(1962年))。
頁(1978年))は、過酸化水素のような光産物は細胞に
とって致命的で、ダルベッコの修正イーグルの培地(DM
EM)で産生されることを示した。リボフラビンおよびト
リプトファンまたはチロシンは光照射期間に過酸化水素
を形成するのに必要な成分である。ほとんどの哺乳類の
培地はリボフラビン、チロシンおよびトリプトファンを
含むので、毒性光産物はほとんどの細胞培地で産生され
得る。
た」方式で培地を作り、培地の長期間貯蔵を避けてい
る。典型的には乾燥粉末型である市販の培地はスクラッ
チ、すわわち各栄養物をそれぞれ加えて培地を作る好便
な別法として役立ち、また液体培地に関する幾つかの安
定性問題を避ける。しかしながら、製造者により供給さ
れたこれらの慣用処方組成物を除いて、限定された市販
培地しか入手できない。
のばすことができるが、乾燥粉末培地、特に大規模適用
に関する多くの問題がある。大きい培地体積の製造には
乾燥粉末培地の貯蔵設備が必要であり、栄養物成分を混
合および計量するのに必要な専門的な培地室はいうまで
もない。乾燥粉末培地の腐食性のため、混合タンクは定
期的に取り替えなければならない。
体細胞培地を安定化させる能率的で費用効率的な方法お
よび1倍培地組成物を製造する好便な方法の発達は細胞
培地技術の分野において重要な発達になる。
グループ化する方法に関し、その成分はサブグループに
より異なるが、例えば水、酸、アルカリまたはアルコー
ルを含む溶液中高濃度(10倍−100倍)でその後可溶化
することができる。任意の培地形成体は本発明の6種の
サブグループの1種またはそれ以上に分割することがで
きる。具体的なサブグループは酸可溶性サブグループ、
グルタミン含有サブグループ、アルカリ可溶性サブグル
ープ、アルコール可溶性サブグループ、弱酸−塩基可溶
性サブグループおよび補足剤含有サブグループを含む。
各成分の物理的および化学的特性(物理化学的特性)に
基づいた本発明のサブグループの1種に分割することが
できる。培地の成分は典型的にはアミノ酸、塩、ビタミ
ン、微量金属、糖、脂肪、核酸等を含む。これらの成分
は異なった溶解性および安定性特徴を有する。これらの
特徴に基づいて、分類構成が培地成分の適合性サブグル
ープ化を可能にさせた。
する方法に関する。この方法でサブグループ化した培地
成分は安定で、高濃度においても可溶性である。サブグ
ループを含む成分の上記濃縮溶液はその後、細胞の成長
または維持に適した希釈培地処方組成物を製造するのに
使用することができる。濃縮培地処方組成物(2−10
倍)または1倍細胞培地は、十分な量の濃縮サブグルー
プ溶液と十分な量の希釈剤(水、緩衝液等)を混合して
本発明により製造することができる。すなわち本発明
は、 (a)細胞培地の適合性成分を1またはそれ以上のサブ
グループに分割し、上記サブグループは (i )酸可溶性サブグループ、 (ii )弱酸−塩基可溶性サブグループ、 (iii)グルタミン含有サブグループ、 (iv )アルコール可溶性サブグループ、 (v )アルカリ可溶性サブグループ、および (vi )補足剤含有サブグループ を含み、 (b)担体に適合性成分の各サブグループを溶解して、
それぞれの担体中にサブグループを含む濃縮溶液を得
て、 (c)段階(b)で得られた各サブグループの十分量を
希釈剤の十分量と混合して細胞培地を製造する ことを含む細胞培地を製造する方法を対象とする。
それぞれの担体中にサブグループを含む濃縮溶液を得
て、 (c)段階(b)で得られた各サブグループの十分量を
希釈剤の十分量と混合してRPMI−1640培地を製造する ことを含むRPMI−1640培地を製造する方法を具体的に対
象とする。
きる。すなわち、DMEM培地の成分は、酸可溶性サブグル
ープ、弱酸−塩基可溶性サブグループおよびグルタミン
含有サブグループに分割することができ、それらは後に
混合および希釈して1倍製剤を得る。
ンと複合または混合することによるグルタミンの安定化
に関する。すなわち、本発明はグルタミンとグルタミン
を安定化させるのに有効な量の二価カチオンを含む要素
の組成物を対象とする。
を提供する。費用の減少は次の要因による。本発明の培
地濃縮物は1倍培地に必要な大きな撹拌タンクが必要で
はないので、ずっと小規模な製造設備で製造することが
できる。さらに、本発明の培地濃縮物は、在庫品、貯蔵
および労働費用を減少する「ちょうど間に合う」製造技
術を使用して、必要に応じて行う方式で製造することが
できる。培地の製造および積み出しに必要な時間は6−
8週間からわずか1日に減少することができる。さら
に、本発明の培地濃縮物は、各サブグループ化した成分
が容易に溶解するので、ボールミル機を使用しないで製
造することができる。さらに、本発明の培地サブグルー
プは室温で貯蔵することができ、冷蔵の必要がない。さ
らに、本発明は、先行技術により製造された多数のバッ
チのための多数の品質対照試験と比較して、1種だけ品
質対照試験が必要である多量の1倍培地(100,000リッ
トルまたはそれ以上)を製造するのに使用することがで
きる。重要なことには、本発明の培地濃縮物は、サブグ
ループ化した成分がより安定であるため、バッチ間で一
定している。すなわち、本発明は培地製剤の技術におい
て大きく進歩している。
−グルタミンと二価カチオンの様々な比率を試験し、L
−グルタミンの安定性を決定した。
量との連続した混合により、1倍培地組成物としたRPMI
−1640培地のモニターした経時的pHおよび浸透圧モル濃
度を示す。
ーした経時レベルを示す。試料は、濃縮したサブグルー
プと水との連続混合の間に混合室から取られた。
らなるキットを示す。濃縮したサブグループは混合およ
び希釈することができ、培地総量10,000リットルを得
る。
くの用語が広範囲に利用される。明細書および請求の範
囲の明確で矛盾のない理解および上記用語に与えられる
べき範囲を提供するために、次の定義が提供される。
何れかの任意の化合物を意味し、それは細胞の成長また
は増殖を維持または促進するために細胞培地で使用する
ことができる。「成分」、「栄養物」および「成分」と
いう語は互いに交換して使用することができ、上記化合
物を全て意味するということになる。細胞培地で使用す
る典型的な成分は、アミノ酸、塩、金属、糖、脂肪、核
酸、ホルモン、ビタミン、脂肪酸、蛋白質等を含む。試
験管内で細胞の成長を促進または維持する他の成分は、
個々の必要に応じて先行技術により選択することができ
る。
維持、培養または成長した細胞または組織を意味する。
な大きさのガラス、プラスチックまたは金属の容器を
「培養容器」と称する。
方組成物」は、細胞を培養または成長するための栄養溶
液を意味する。上記培地を構成する成分は、培養される
細胞の型により変化し得ることができる。栄養組成物に
加えて、浸透圧モル濃度およびpHが培地の重要なパラメ
ーターと考えられる。
理的および化学的特徴を有する。溶液で維持し、「安定
した」組合わせを形成することができるこれらの培地栄
養物は、「適合性成分」を意味する。「適合性成分」
は、成分が実質的に毒性化合物に崩壊または分解しない
かまたは、細胞培養により利用または異化することがで
きない化合物に崩壊または分解しない場合、「安定」で
あると言える。崩壊が検出されない場合または、1倍細
胞培地製剤での同じ成分の分解と比較して低速度で崩壊
がおこる場合もまた、成分は「安定である」と考慮され
る。例えば、1倍培地製剤のグルタミンはピロリドンカ
ルボン酸およびアンモニアに崩壊することが知られてい
る。二価カチオンと混合したグルタミンは、経時的に検
出される分解がほとんどまたはないので「適合性成分」
と考えられる。
の「溶解性」により決定される。「溶解性」または「可
溶性」という語は、他の成分と溶液を形成する成分の能
力を意味する。すなわち成分は、測定または検出できる
沈殿物を形成しないで溶液中に維持することができる場
合適合する。すなわち、本書に記載されるような「適合
性成分」の語は、個々の培地成分の混合を意味し、その
成分は濃縮または1倍処方組成物の一方として溶液に混
合される場合、「安定」であり、「可溶性」である。
らの成分は培地から培地に及ぶ。「1倍製剤」は、細胞
培地で見られるある種または全ての成分を含む任意の水
溶液を意味するということである。例えば、「1倍処方
組成物」は細胞培地またはその培地の成分の任意のサブ
グループを意味する。1倍溶液の成分の濃縮物は、細胞
を維持または成長するのに使用する細胞培養処方組成物
で見られるその成分の濃度とほぼ同じである。細胞を成
長させるのに使用する細胞培地は定義によると1倍処方
組成物である。多数の成分が存在する(適合性成分のサ
ブグループ中)場合、1倍処方組成物の各成分は、細胞
培地のこれらの成分の濃度とほぼ等しい濃度を有する。
例えば、RPMI 1640培地はとりわけL−アルギニン0.2g
/l、L−アスパラギン0.05g/lおよびL−アスパラギン
酸0.02g/lを含む。これらのアミノ酸の「1倍製剤」は
本発明による適合性成分であり、溶液にこれらの成分と
ほぼ同じ濃度を含む。すなわち、「1倍処方組成物」の
意味する場合、溶液中の各成分が記載された細胞培地で
見られるのと同じまたはほぼ同じ濃度を有することを意
図する。1倍処方組成物の培地成分の濃度は通常の技術
に既知であり、「血清なしの動物細胞培養の培地、補足
剤および基質の製造方法」、アラン、アール、リス、ニ
ューヨーク(1984年)を参照、それはその全体を本書に
包含させる。しかしながら、浸透圧モル濃度および/ま
たはpHは、特に成分がわずかしか1倍処方組成物に含ま
れていない場合、培地と比較して1倍処方組成物で異な
る。
成分が細胞培地の同じ成分より約10倍濃縮した溶液を意
味する。例えば、RPMI 1640培地はとりわけL−グルタ
ミン0.3g/lを含む。定義では、「10倍処方組成物」はグ
ルタミン約3.0g/lを含む。「10倍処方組成物」は1倍培
地で見られる約10倍の濃度で多数の付加的な成分を含む
ことができる。明らかなように、「25倍製剤」、「50倍
製剤」および「100倍製剤」は、1倍細胞培地と比較し
てそれぞれ約25、50または100倍濃度で成分を含む溶液
を示す。再び、培地処方組成物および濃縮処方組成物の
浸透圧モル濃度およびpHは変化し得る。
ループにより異なるが、水、水性酸、アルコールまたは
水性アルカリのような担体の適当な量に溶解することに
より濃縮処方組成物(10倍−100倍)にその後可溶化す
ることができる安定で適合性成分にサブグループ化する
ことに基づく。上記溶液を本書では「担体」と称する。
適当な条件下、これらのサブグループを再構成(混合)
し、2倍から10倍のような濃縮した(1倍以上)細胞培
地処方組成物を製造するかまたは、直接1倍細胞培地処
方組成物を再構成することができる。本発明の濃縮物培
地技術は適合性成分、上記サブグループの液体濃縮物の
製造、およびこれらの濃縮サブグループの十分量と希釈
剤の十分量とを混合して所望の培地処方組成物を製造す
ることに関する。
量金属、糖、脂肪、核酸等からなる。これらの各成分は
異なった溶解性および安定性特性を有する。例えば、ア
ミノ酸(グルタミンを除く)は可溶性で、酸性条件下
(pH約1.0)非常に安定であるが、ビタミン(チアミン
およびアスコルビン酸を除く)は希酸またはアルカリ性
条件下(pH4.0以上)可溶化する。培地成分の物理的特
性に基づいて、安定液体濃縮物を製造するのに使用する
ことができる任意の培地処方組成物をサブグループ化す
ることを可能にする分類方式が開発された。
ることができる6種のサブグループを定義する。既定の
細胞培地の成分は本発明により定義された少なくとも1
種のサブグループに分離することができる。適合性培地
成分を含む各サブグループは液体担体に溶解または乾燥
型で維持する。液体担体の型および分類した成分を溶液
に溶解するのに使用する方法は、サブグループにより変
化し、わずかな日常的な試験で通常の技術者により決定
することができる。
1倍培地処方組成物の同じ成分の濃度より濃縮してい
る。分類された成分は好ましくは25倍濃縮(25倍製剤)
であり、さらに好ましくは50倍濃縮(50倍製剤)であ
る。高濃縮処方組成物は、成分が可溶性で安定のままで
あることが提供される。
れ以上に分割し、分離濃縮溶液として製造するならば、
各濃縮物の適当な(十分な)量を希釈剤と混合して1倍
培地製剤を製造する。典型的に、使用した希釈剤は水で
あるが、緩衝液、生理食塩水溶液を含む他の溶液または
個々の培地成分を含む他の水溶液は、本発明により使用
することができる。
止するために滅菌する。滅菌は例えば、濃縮成分を混合
した後に無菌培養培地を製造する殺菌により遂行するこ
とができる。別法としては、各濃縮サブグループを滅菌
して無菌溶液として貯蔵することができる。これらの無
菌濃縮物はその後、無菌希釈剤と混合して濃縮1倍無菌
培地処方組成物を製造することができる。
縮サブグループまたは培地製剤を滅菌するのに使用する
ことができる。滅菌技術は滅菌する溶液の特性により変
化し得る。本発明による典型的な滅菌技術は、熱および
/または濾過滅菌を含む。他の滅菌の型は通常の技術の
1種で容易に明らかである。
る。培地処方組成物は文献でよく知られおり、そのうち
多くは市販されている。新規培地処方組成物および修正
された既知培地処方組成物は本発明により製造すること
ができる。すなわち、培地成分は本発明で定義したよう
に適合性サブグループに分割することができる。これら
の成分のサブグループはその後溶液状態で濃縮され、所
望ならば滅菌することができる。
DMEM、RPMI−1640、DMEM/F12、IMDM、MEM、M199、マッ
コイ5AおよびF12栄養素混合物(ギブコ/ブリル、カタ
ログおよびレファレンス・ガイド(1990年))を含む
が、これに限定されるものではない。
濃縮溶液を作る方法を提供し、その成分の十分な量が希
釈剤の十分な量と組合わせて混合される場合、細胞培地
を製造することができる。
サブグループを1またはそれ以上に分割することができ
る。本書に記載され、各サブグループにより含まれる成
分のリストは全てを含むものではないが、当業者は、成
分の物理化学的特性を知っているので、どのサブグルー
プがその成分と適合する他の成分を含むかを容易に決定
することができる。別法としては、新規成分の特性が知
られていない場合、日常の試験を好ましいサブグループ
に決定するのに使用することができる。例えば、本発明
により定義されるような特定の培地成分を含む各サブグ
ループは、新規成分を補足することができる。新規成分
は、結果として生ずる濃縮溶液が可溶性で安定である場
合、特定のサブグループに適合する。試験培地製造と培
地濃縮物技術によって作られない対照培地と比較するこ
とにより、当業者が好ましいサブグループをさらに決定
することができる。細胞の成長特徴、毒性物質の形成お
よび培地の貯蔵寿命は適合性成分の指標として使用する
ことができる。
より、任意のサブグループの成分と適合することができ
ないことがある。この場合には、別個のサブグループと
してこの成分を維持する必要があり得る。上記成分は、
十分な量の濃縮サブグループを希釈剤と混合する場合に
所望の1倍培地(本成分を含む)が製造されるように、
適当な濃度で希釈剤に加えることができる。別法として
は、不適合性成分を別個の濃縮溶液として加えることが
できる。すなわち、本発明は、本発明で定義される以外
の付加的なサブグループの開発を考慮しているが、その
サブグループは本書で定義された任意のサブグループと
適合することができない付加的な成分を安定化および可
溶化するものである。
ことができることは、以下に記載した各サブグループを
示す成分のリストから明らかである。特定の成分が2種
またはそれ以上のサブグループに適合することを示す場
合、その成分の総量が最終培地製剤と一致する限り、そ
の成分は様々な濃度でこれらのサブグループの1種また
はそれ以上に含むことができる。唯一の限定は、加えた
成分の量が特定のサブグループにおいて他の成分の溶解
性または安定性に悪影響しないことである。異なった培
地を製造するのに必要なサブグループの数および型は、
成分の複雑性および/または成分の物理化学的特性によ
り変化し得る。1種以上のサブグループへの成分の重複
は、こうして任意の培地を製造する万能分類方式を通常
の当業者に提供する。
ノ酸(グルタミンを除く)、チアミン、アスコルビン
酸、鉄(III)化合物、鉄(II)化合物、プリン、グル
タチオンおよび一塩基性リン酸ナトリウムを含む。これ
らの成分は酸性(pH約0−1.0)で可溶性で、これらの
条件下非常に安定である。
可溶性サブグループに含むことができる。典型的に、培
地はL−アミノ酸を含む。所望の培地製剤が必要とする
場合、グルタミンを除いて任意の組合わせの1種または
それ以上のアミノ酸を酸可溶性サブグループに含むこと
ができる。グルタミンは具体的に、グルタミン含有サブ
グループに含まれる。すなわち、本発明の酸可溶性サブ
グループに含むことができるアミノ酸は、所望の培地の
必要条件により異なるが、グリシン、アラニン、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、シ
ステイン、シスチン、メチオニン、アスパラギン、アス
パラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、フェ
ニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリ
ン、ヒスチジンおよびトリプトファンを含む。アミノ酸
誘導体は、その誘導体が本サブグループの他の成分およ
び特有な細胞培養の維持または増殖に適合するならば酸
可溶性グループに含むことができる。
の成分は、チアミン(ビタミンB1)、アスコルビン酸
(ビタミンC)、プリン類(グアニンおよびアデニン)
およびグルタチオンを含む。上記化合物の誘導体はよく
知られており、その誘導体が本サブグループに含まれる
他の成分および特定の細胞培養の維持または増殖にもは
や適合しない程には、物理化学的特性を変化しないなら
ば、酸可溶性グループに含むことができる。
な場合、同様に本サブグループに置くことができる。本
サブグループに含まれる他の成分の存在下で安定で可溶
性である上記鉄(III)および鉄(II)化合物は、当業
者によって容易に決定することができる。上記鉄(II
I)化合物の例は、Fe(NO3)3、FeSO4およびFeCl3を含
むが、これに限定されるものではない。
酸塩は、酸可溶性サブグループの中に含むことができ
る。典型的なリン酸塩の例は、NaH2PO4およびKH2PO4の
ような一塩基リン酸塩を含むが、これに限定されるもの
ではない。
に応じて、上記記載の適合性成分の様々な組合わせを含
むことができる。すなわち、本発明の分類構成により、
所望の培地で見られ酸性溶液に適合する成分が選択され
る。いったん本方法で分割すると、典型的に乾燥粉末型
(脱水)のこれらの成分は、pH約0−1.0の酸性溶液で
溶解する。生じた溶液は濃厚であるのが好ましい(10倍
−100倍)。すなわち、酸性溶液中の成分は、1倍培地
処方組成物で見られる同じ成分よりも濃縮されている。
培地の製造ごとに組成、浸透圧モル濃度およびpHがわず
かに変化し得る。さらに、酸可溶性サブグループは1つ
の培地と次のものとでは異なる。このことは他のサブグ
ループでも同様である。本発明は、酸可溶性培地成分を
含む安定な製品を製造する手段を提供する。上記製品は
成分の乾燥粉末混合物として維持することができるが、
好ましくは濃縮溶液として維持する。典型的に、酸可溶
性サブグループを含む濃縮溶液は多数のよく知られた技
術の1種により滅菌される。
る(トリッシュ、ジー・エル、エクスペリメンタル・セ
ル・リサーチ、第28巻、第360−364頁(1962年)、オズ
ターク、エス・エス等、バイオテクノロジカル・プログ
レス、第6巻、第121−128頁(1990年))。溶液中で
は、グルタミンはカルボン酸およびアンモニアに分解す
る。本発明による培地濃縮技術の出現がグルタミンの安
定化の製造を提供する。すなわち、グルタミンを含む細
胞培地は他のサブグループに加えてグルタミン含有サブ
グループを製造することにより作ることができる。
は、1種またはそれ以上の二価カチオンの添加により溶
液中で安定化することができる。Ca+2、Mg+2、Mn+2、Z
+2およびCu+2のような任意の二価カチオンをグルタミン
を安定化するのに使用することができる。MgCl2、CaC
l2、Ca(NO3)2およびMgSO4を含む(しかし、これに限
定されるものではない)容易に入手できる多くの塩は、
これらの二価カチオンを供給することができる。すなわ
ち、任意の適合性カルシウム塩、マグネシウム塩および
/またはマンガン塩は、このサブグループに含むことが
できる。上記塩はほとんどの任意培地の典型的な成分で
ある。それ故、培地製剤の二価塩は、グルタミンを安定
化させる本サブグループに含ませるべきである。二価カ
チオンが一般的に所望の培地の成分ではない場合には、
成長するべき細胞の成長または維持に悪影響しない二価
カチオンをグルタミン含有サブグループのグルタミンを
安定化するために加える。
に関する唯一の限定は、塩化カリウムのようなカリウム
塩を本グループに含むことができないことである。ナト
リウムおよびマグネシウムイオンがカリウムイオンの溶
解性を減少させる。さらに、Ca2+がリン酸イオンと不溶
性複合体を形成して溶液からCa2+を除去するため、リン
酸の金属塩は、本グループに置くことができない。
ミンを安定化させる二価カチオンの十分な量と混合され
る。このサブグループのグルタミンと二価カチオンの比
率は、好ましくは約2:1(重量/重量)であるが、2:1−
2.9:1の範囲でもある。上記溶液のpHもまたグルタミン
を安定化させるのに重要である。好ましいpHは4.0−6.0
の範囲である。グルタミン−二価カチオン溶液の最も好
ましいpHは約5.5である。塩基性pHはグルタミンの安定
性を低下させる傾向にあり、必要ならば、pHをグルタミ
ン含有サブグループと適合する酸、例えばHClで調節す
ることができる。
合、グルタミンは安定した可溶性複合体を形成する。こ
の複合体は、グルタミンのピロリドンカルボン酸および
アンモニアへの分解に有利に働かない。すなわち、グル
タミン金属複合体は安定な可溶性液体型で本必須栄養物
を提供する方法を提供する。
タミン、カルシウム塩および/またはマグネシウム塩を
含むことができる。D−パントテン酸カルシウムおよび
塩化ナトリウムもまたグルタミン含有サブグループに含
むことができる。
好ましい浸透圧モル濃度範囲を有することができる。浸
透圧モル濃度は培地の最終pHのように、各サブグループ
の成分の可溶化に使用する酸/塩基の量で変化する。当
業者は、培地処方組成物を製造するのに必要な各濃縮サ
ブグループの最終pHおよび体積を考慮にいれることによ
り所望の培地の好ましい最終浸透圧モル濃度を得るのに
必要な塩、例えば塩化ナトリウムの量を容易に決定する
ことができる。上記パラメーター(各サブグループのpH
および総塩含量)は、日常的な試験により容易に決定す
ることができる。例えば、成分を含むサブグループのpH
は、よく知られた技術により測定することができる。こ
れらの濃縮サブグループの適当な容積を混合することに
より製造される1倍培地製剤の浸透圧モル濃度は、培地
の最終浸透圧モル濃度を調節するために、もし必要なら
ば必要な塩化ナトリウムの量を決定することを当業者に
可能にする。塩化ナトリウムのこの量をグルタミン含量
サブグループに加えて、好ましい最終浸透圧モル濃度を
達成することができる。ほとんどの1倍培地製剤は最終
浸透圧モル濃度およびpHの広範囲必要条件を有し、それ
故サブグループのpHおよび塩濃度のわずかな変化は重大
ではない。
基可溶性サブグループと記載)の培地成分は、糖、デオ
キシリボース、リボース、ヌクレオチド、水溶性ビタミ
ン(チアミン、アスコルビン酸およびパントテン酸カル
シウムを除く)、リボフラビン、塩、例えば塩化カリウ
ムおよび塩化ナトリウム、微量金属、脂質、酢酸塩、リ
ン酸塩、HEPES、フェノールレッド、ピルビン酸塩およ
び緩衝液を含む。
ある。二塩基性リン酸ナトリウムおよび一塩基性リン酸
ナトリウムもまたここで分類することができる。二塩基
性および一塩基性リン酸ナトリウムの組合わせは、本濃
縮サブグループの緩衝系を提供する。本サブグループの
溶液のpHの調節は、水酸化カリウムではなく、適当な場
合、水酸化ナトリウムまたは塩酸の添加により作るのが
好ましい。
ループのように培地成分により決定する。すなわち、上
記成分の任意の組合わせは、弱酸−塩基可溶性グループ
に含むことができる。
することができ、上記成分の1種またはそれ以上を組合
わせて適合する任意の糖を含む。上記糖化合物はグルコ
ース、ガラクトース、マルトース、マンノース等および
それらの誘導体を含む。
含まれる場合、脂質を可溶化するための媒体として役立
つ。脂質は糖または塩分子上に乾燥保存した後、溶液に
可溶化することができる。簡潔に述べると、脂質をエタ
ノールの少量で可溶化し、その後糖/塩の乾燥粉末にゆ
っくり滴下する。混合物は3時間乾燥し、その後ボール
ミル処理する。糖−脂質または塩−脂質組成物は、その
後弱酸−塩基サブグループの他の成分を含む濃縮物とし
て製造することができる。
ロール、ビタミンA、2−メルカプトエタノール、ツイ
ーン80、メナジオンおよびビタミンEを含む任意の脂質
および/または脂肪可溶性成分(しかし、これに限定さ
れるものではない)は、塩または糖上に乾燥保存し、こ
うして本サブグループに含むことができる。
ドは、本発明による弱酸および塩基可溶性サブグループ
に含むことができる。これらの化合物およびそれらの誘
導体はよく知られている。例としてアデノシンおよびア
デノシン三リン酸を含む。この場合も、唯一の限定は、
成分が本サブグループで見られる他の成分と適合しなけ
ればならないことである。
スコルビン酸およびパントテン酸カルシウムを除く全て
の水溶性ビタミンおよびそれらの誘導体である。弱酸−
塩基可溶性グループに含むことができる上記水溶性ビタ
ミンは葉酸、ビオチン、ピリドキシン、ニコチン酸、リ
ボフラビン等を含む。
ープに含まれる。微量金属の例は、CuSO4、Na2SeO3、Zn
SO4およびCoCl2を含む。他の金属の微量もまた本グルー
プに含むことができる。適当な微量金属の選択および使
用する量は、通常の当業者により容易に決定することが
できる。
リウム、フェノールレッド、塩化ナトリウム、HEPESお
よびピルビン酸ナトリウムもまた弱酸−塩基サブグルー
プの適合性成分である。任意の上記化合物の誘導体もま
た、上記誘導体が適合性である限り、本グループで使用
することができる。
リボフラビンは光増感剤であり、ヒスチジン、メチオニ
ン、チロシンおよびトリプトファンとの相互作用を経て
過酸化水素の生成の原因となる主要な栄養物である(グ
リフィン、エフ・エム等、カンサー・リサーチ、第91
巻、第2241−2248頁(1981年)、ワング、アール・ジェ
イ等、イン・ビトロ、第14巻、第715−722頁(1978
年))。アミノ酸からリボフラビンを分離することによ
り、安定な濃縮サブグループをもたらす。
加える成分はピルビン酸塩である。ピルビン酸塩は、過
酸化水素と相互作用して酢酸、二酸化炭素および水を生
成する(ウエイル、エル、ゴードン、ダブリュー・ジー
およびブチャート、エイ・アール、アーカイブズ・オブ
・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス、
第33巻、第90−109頁(1951年))。過酸化水素は培養
細胞、細胞膜蛋白質、脂質および酵素に有害であるた
め、その増強を制御することが特定の培地において重大
である。すなわち、所望の培地がピルビン酸塩を必要で
はない場合でも、ピルビン酸塩の添加は弱酸−塩基可溶
性サブグループの安定性および本サブグループから製造
した培地の貯蔵寿命を増加するのに役立つ。
タミンまたは他の疎水性成分を含む培地製剤は、アルコ
ール可溶性グループに濃縮することができる。アルコー
ル可溶性グループに含むことができる他の疎水性化合物
は当業者によく知られている。
プロピレングリコールの少量で可溶化することができ
る。いったん可溶化すると、これらの成分はその後、よ
く知られた技術により微小流動物化し、小さい脂質ベシ
クルを形成する(リゲイト等、バイオ・ファーム、第2
巻(9)、第28−33頁(1989年))。簡潔には、微小流
動機(モデル110微小流動機)がせん断、乱流、および
キャビテイション力を組合わせることにより乳剤を製造
する。微小流動機を経る各回路は、乳化剤の平均小滴径
を減少して非常に安定である半微量粒子を最後に製造す
る。水溶性成分はまた、これらのベシクル内に捕獲し
て、その後培地に送達することができる。
よびそれらの誘導体もまた、本サブグループに含むこと
ができる。コルチゾール、プロゲステロン、エストロゲ
ン、テストステロン等を含むステロイドおよびそれらの
誘導体もまたアルコール可溶性サブグループに含むこと
ができる。
プに分割することができる。リノレイン酸、オレイン
酸、アラキドン酸等のような任意の脂肪酸は、この分類
に分けられる。もちろん、任意の脂質もまた含むことが
できる。脂質の例は、レシチン、スフィンゴミエリンお
よびリン脂質である。脂質(油)は、微小流動物化が脂
質ベシクルを製造するのに脂質(油)を必要とするた
め、通常本発明のサブグループの必要な成分である。培
地製剤が脂質を必要とするが、本発明の疎水性成分では
ない場合には、上記脂質は弱酸−塩基可溶性グループに
含むことができるため、アルコール可溶性サブグループ
を製造することは必要ではない。弱酸−塩基可溶性サブ
グループでは、脂質は糖および/または塩上で乾燥保存
する。
培地成分は、ツイン80および2−メルカプトエタノール
を含み得る。
る培地成分のために、アルカリ可溶性サブグループが用
いられる。このサブグループはアルカリpHにおいて安定
で可溶性のピリミジン類およびプリン類を含む。これら
の成分は、NaOHに溶解したとき、水性環境に可溶性のナ
トリウム塩を形成する。
よびその誘導体は、ウラシルおよびチミンを含む。キサ
ンチンおよびヒポキサンチンもまた本発明のアルカリ可
溶性サブグループに含まれ得るプリン類の例である。ア
ルカリ環境中で安定で可溶性の他の成分は、当分野の技
術者に既知であるかまたは容易に決定し得る。
類、ビタミン類、微量金属類、糖類、脂質類および核酸
類を含む。しかしながら、培地はしばしば蛋白、抗生物
質または組成が確定しないブロス/血清により補われ
る。このような補足物が特定の培地にとって必要な場
合、補足物は直接(例えば血清)使用し得、または濃縮
物(インシュリン、トランスフェリンおよび成長因子の
ような蛋白溶液)にすることができる。補足物含有サブ
グループは、次に、目的とする培地組成物を製造するた
めに、他の濃縮物サブグループを組み合わせ得る。
1つの適合成分としては分類されていない種々の成分
を、1個あるいはそれ以上の個別の補足物として加え得
る。したがって、本発明は、上記のサブグループと適合
しない1個またはそれ以上の補足物含有サブグループの
製造も目的とする。この補足物サブグループに含まれる
このような成分は、血清(胎児、馬、牛等)、イースト
レイト限外濾液、トリプトースリン酸ブロス、蛋白濃縮
物(インシュリン、トランスフェリン、成長因子類、ホ
ルモン類、アルブミン等)、抗生物質(ゲンタマイシ
ン、ペニシリン、ストレプトマイシン、アンフォテリシ
ンB等)、全卵限外濾過物、結合因子(フィブロネクチ
ン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン等)および
NaHCO3液体濃縮物(例えば、25×)を含む。最終培地製
剤に応じて、通常の当分野の技術者は、適合する補足物
を適当に選択し得る。
造に理想的に適合する。このようなキットは、1個また
はそれ以上のバイアル、試験管、びん、ドラムカンの様
な容器手段を近接区域に収容する区画形成となる運搬手
段としてを含み得る。それぞれの上記容器手段は上記の
適合成分の個々のサブグループの1つを含む。このよう
なサブグループは、水和物または脱水物が可能である
が、一般的には濃縮液体溶液である。このような溶液
は、本発明によると無菌であり得る。
て適合される培地成分の任意の組み合わせを含み得る。
弱酸塩基可溶性グループに含まれる適合成分またはそれ
の任意の組み合わせを第2の容器手段に含まれ得る。第
3および第4の容器手段は、それぞれアルカリ可溶性サ
ブグループおよびアルコール可溶性サブグループに含ま
れる成分の任意の組み合わせを含み得る。第5の容器手
段は、二価カチオンがグルタミンの安定化のために含ま
れる限りグルタミン含有サブグループを含み得る。第6
の容器手段は、補足物含有サブグループに挙げた成分を
含み得る。本発明で定義したサブグループで適合しない
他の成分は、1個またはそれ以上の別の容器手段に含ま
せて適合しない成分の混合を回避し得る。
むサブグループの数および型は、製造されるべき培地の
型に応じて変化し得る。一般的には、キットは特定の培
地を製造するのに必要なサブグループを含む各容器手段
を含む。しかしながら、異なった培地組成物を作るため
の種々のサブグループの異なった量を混合することによ
り、異なった培地を製造できるようにするために付加的
なサブグループを含む容器手段が本発明のキットに含ま
れ得る。
義したサブグループに分けることにより、1個またはそ
れ以上の適合成分の濃縮溶液を製造する手段を提供す
る。濃縮溶液として製造された(1×以上)これらのサ
ブグループは、目的とする培養培地を製造するために希
釈剤と組み合わせ得る。必要な濃縮溶液の量および希釈
剤の量は、各々のサブグループの濃度、サブグループの
数および最終培地製剤の濃度に応じて変化し得る。通常
の当分野の技術者は、目的とする培地を製造するに充分
な希釈剤の量および充分な濃縮溶液の量を容易に決定で
きる。
調整可能である。しかしながら、この培地は、特にもし
各々のサブグループ濃縮物のpHを、製造された培地のpH
が望む範囲内であるように調整していれば調整を必要と
しない。一般的に、望ましい浸透圧は計算することがで
き、望む浸透圧の最終培地を製造するために濃縮溶液の
塩の濃度の調整を行うことができる。
量の希釈剤と混合できる濃縮物を提供する。これらの濃
縮サブグループの混合はバッチまたは連続法で行うこと
ができる。バッチシステムでは、一定量の培地を製造す
るために、サブグループ濃縮物の適当量を希釈剤と混合
できる。連続システムでは、各々のサブグループ濃縮物
の充分量を連続的に充分量の希釈剤と混合チャンバー中
で混合し、一方培養培地は断続的に取出される。連続シ
ステムの明らかな利点は、1個の反応装置(混合チャン
バー)が、多数の培養容器または発酵タンク用の培地を
製造するために使用できることである。加えて、この方
法での培地の連続製造は、閉鎖無菌システムで遂行でき
る。
でも適当な培地濃縮物が製造できる。従って、このよう
な濃縮物を商業的に製造し、供給し、または研究室内研
究で作り、使用することができる。製造した濃縮物を得
た消費者は、経済的により有効な方法で培地を製造でき
る。例えば、混合タンクの寿命は、ある種の腐食性乾燥
粉末が培地製造に必要でないため、増加する。また、目
的とする培地の製造に必要な人数を少なくできる。
とし、明示しない限り本発明を限定しない目的で本明細
書に包含されている実施例により、さらに明確に理解で
きるであろう。
ムおよび硫酸マグネシウムと溶液中で混合した。図1は
L−グルタミンと二価カチオンの割合が2.5:1より著し
く上のとき、有意にグルタミンの安定性が減少すること
を示す。L−グルタミンは、O−フタルジアルデヒドで
プレカラム誘導体化により分析し、次に高速液体クロマ
トグラフィーを用いて検出した(ラジェンドラ・ダブリ
ュー、ジャーナル・オブ・リキッド・クロマトグラフィ
ー、10巻(5号)941−955頁(1987年))。
タミンは24週間安定のままである。グルタミンを含む細
胞培養培地はまた二価カチオンも含むが、培養培地中に
存在する他のアミノ酸と二価カチオンの相互関係によ
り、グルタミンは1×培地製剤では安定ではなく、4℃
でゆっくり減少し、3週間後には65−70%が残っている
だけである。(シグマ・セル・カルチャー・リージェン
ツ・カタログ(1991年)202頁)。
育に使用されている培地である。この培地のpHは約7
で、浸透圧は265から300の範囲が可能である。
塩類、ビタミン類、糖等を含む。この培地に検出される
成分はギブコ/ビーアールエル・カタログ・アンド・リ
ファレンス・ガイド118頁、1990年に記載されている。
割した。一度乾燥適合成分粉末を混合し、各々のサブグ
ループの濃縮溶液を製造した。各々の製造濃縮サブグル
ープの適当量を、次に1×RPMI−1640培地製剤の製造に
使用した。
培地の成分を示す。この濃度は1×製剤1リットル溶液
に対応する。酸可溶性サブグループの100×処方組成物
を製造するために、表1に示した各々の成分を酸可溶性
成分の乾燥粉末混合物(DPM)を製造するために配合し
た。例えば、0.2gのL−アルギニン、0.05gのL−アス
パラギン、0.02gのL−アスパラギン酸等は総量0.69gの
乾燥粉末混合物を製造するために添加した。
混合し、次に最終pHが0.85になるようにHClを加えた。5
N HCl約1.2mlを必要とした。得られた溶液はRPMI−1640
培地のための酸可溶性サブグループの100×製剤であ
る。
製造した:グルタミン含有サブグループおよび弱酸塩基
可溶性サブグループである。表3はRPMI−1640培地のた
めのグルタミン含有サブグループの乾燥粉末混合物を作
るために付加された成分を示す。最終pH約5.5の20mlの5
0×濃縮物を製造するために総量6.4gの成分の混合物を
約17.5mlの水に混合した。
混合物(DPM)を作るのに必要な成分の量を示す。pH約
8.3の20mlの溶液を製造するために約19.5mlの水を弱酸
塩基成分に添加した。このサブグループのすべての成分
は水可溶性であり、それゆえ塩または糖による粉末化作
用は必要ではない。
ープおよび弱酸塩基可溶性サブグループの再構成は、1
×RPMI−1640培地処方組成物を製造するために表2に示
すように遂行した。NaHCO3は別の補足物として添加し
た。この培地の浸透圧は濾過滅菌の前は276mOmであっ
た。別法として、NaHCO3の乾燥粉末再構成培地に添加す
るのではなく、NaHCO3の濃縮溶液を使用できる。
サブグループの再構成 再構成実験は15のバイオスピンバイオリアクターを
用いてRPMI−1640培地濃縮サブグループを使用して行っ
た。サブグループ当たり50×の培地サブグループ3種お
よび25×NaHCO3サブグループ2つを断続的にバイオリア
クターに250ml/時間の速度で注入した。脱イオン化蒸留
水を12.5/時間の速度でリアクターに注入した。灌流
濃縮物は、断続的に混合チャンバーに添加した。完全な
1×培地組成物がバイオスピンバイオリアクターから1
時間当たり12.5の速度で取出された。培地のpHは内部
的または外部的の両方で追跡した。培地パラメーター
(pH、浸透圧、アミノ酸類、グルコース、グルタミン)
は灌流中連続して測定した。実験の結果は、RPMI−1640
濃縮サブグループがバイオスピンバイオリアクター中で
再構成され、得られた1×培地処方組成物パラメーター
はRPMI−1640処方組成物と有意な相関性を示すことを示
唆する(図2、3および表5)。
ーアルエル・カタログ・アンド・リファレンス・ガイド
96頁、1990年、ダルベッコ・アールら、ビロロジー、8
巻396頁(1959年);およびスミス・ジェー・ディー
ら、ビロロジー、12巻、185頁(1960年)をこの培地の
成分を酸可溶性サブグループ、グルタミン含有サブグル
ープおよび弱酸塩基可溶性サブグループに分割すること
により製造した。DMEM培地の成分は表6、7、8および
9に示した濃縮サブグループとして分割し製造した。実
施例IIに記載したのと同様の方法を使用した。
グループの混合および希釈に使用した方法を示す。NaOH
は最終pHを7.3に調整するために添加した。NaHCO3は緩
衝剤として添加した。
の成分の溶解性のために使用する酸/塩基の量により変
わるであろう。もし浸透圧が上記の望む限界より高いと
き、NaCl濃度の調整が振盪圧を下げ得るであろう。
ングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンス、53巻288頁(1965年))は培地を酸可溶性サブグ
ループ、グルタミン含有サブグループおよび弱酸/塩基
サブグループに分割することにより製造される。それぞ
れのサブグループの成分は、表10、11および12に述べ
る。実施例IIに述べてあるのと同様の方法を用いて培地
濃縮物を製造し得る。
・アンド・リファレンス・ガイド、97頁(1990年))
は、この培地の成分を、酸可溶性サブグループ、グルタ
ミン含有サブグループ、および弱酸/塩基サブグループ
に分割することにより製造する。それぞれのサブグルー
プの組成は、表13、14および15にのべる。実施例IIに記
載のと同様の方法を培地濃縮物製造に用い得る。
ー、ビロロジー、8巻396頁(1959年);スミス・ジェ
ー・ディーら、ビロロジー、12巻185頁(1960);ティ
ッシュー・カルチャー・スタンダーズ・コミッティー、
イン・ビトロ、6巻293頁;イン・ビトロ、9巻6頁(1
970年);イスコーブ・エヌ・エヌおよびメルチャーズ
・エフ、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メデ
ィスン、147巻923頁)は、培地を酸可溶性サブグルー
プ、グルタミン含有サブグループおよび酸/塩基サブグ
ループに分割することにより製造する。それぞれのサブ
グループの成分は、表16、17および18に述べる。実施例
IIに述べたのと同様の方法で培地濃縮物を製造し得る。
白な本発明を実施するための上記の例の修飾は、以下の
請求の範囲の中に含まれる。
に適合する分野の技術者の技術レベルを表示している。
全ての刊行物および特許出願は、あたかも各々個々の刊
行物または特許出願の内容が具体的かつ個々に引用して
包含されるべく示されていると同様に本明細書に包含さ
れる。
明および例としていくつかの態様を述べたが、ある種の
変化および修飾が添付の請求の範囲内で行われるであろ
うということは明白である。
Claims (39)
- 【請求項1】下記工程を含むことを特徴とする、細胞培
養培地の製造方法: (a)細胞培養培地の成分を、次ぎのサブグループから
選択された少なくとも2つを含む適合する(compatibl
e)サブグループに分割する: i.酸可溶性サブグループ、 ii.弱酸塩基可溶性サブグループ、 iii.グルタミン含有サブグループ、 iv.アルコール可溶性サブグループ、 v.アルカリ可溶性サブグループおよび vi.補足物含有サブグループ;および (b)工程(a)で得られた各サブグループの充分量を
希釈剤の充分量と混合して細胞培養培地を調製する。 - 【請求項2】下記工程を含むことを特徴とする、細胞培
養培地の製造方法: (a)細胞培養培地の成分を、次ぎのサブグループから
選択された少なくとも2つを含む適合するサブグループ
に分割する: i.酸可溶性サブグループ、 ii.弱酸塩基可溶性サブグループ、 iii.グルタミン含有サブグループ、 iv.アルコール可溶性サブグループ、 v.アルカリ可溶性サブグループおよび vi.補足物含有サブグループ; (b)工程(a)で得られた各サブグループを担体に溶
解して各サブグループの濃縮溶液を得る;および (c)工程(b)で得られた各サブグループ溶液の充分
量を希釈剤の充分量と混合する。 - 【請求項3】細胞培養培地の成分が2〜6つの適合する
サブグループに分割される、請求項1または2記載の方
法。 - 【請求項4】細胞培養培地が10×処方組成物である、請
求項1〜3のいずれか記載の方法。 - 【請求項5】細胞培養培地が1×処方組成物である、請
求項1〜3のいずれか記載の方法。 - 【請求項6】細胞培養培地がRPMI−1640培地である、請
求項1〜5のいずれか記載の方法。 - 【請求項7】細胞培養培地がDMEM培地である、請求項1
〜5のいずれか記載の方法。 - 【請求項8】混合がバッチシステムで行われる、請求項
1〜7のいずれか記載の方法。 - 【請求項9】混合が連続システムで行われる、請求項1
〜7のいずれか記載の方法。 - 【請求項10】工程(b)で得られた濃縮溶液が10×よ
り大である、請求項2記載の方法。 - 【請求項11】工程(b)で得られた濃縮溶液が約50×
である、請求項2記載の方法。 - 【請求項12】工程(b)で得られた濃縮溶液が約100
×である、請求項2記載の方法。 - 【請求項13】酸可溶性サブグループがpH約1で安定か
つ可溶な成分を含む、請求項1〜12のいずれか記載の方
法。 - 【請求項14】酸可溶性サブグループがチアミン、アス
コルビン酸、第一鉄塩、第二鉄塩、リン酸塩およびグル
タミン以外のアミノ酸からなる群から選択される1つま
たはそれ以上の成分を含む、請求項13記載の方法。 - 【請求項15】弱酸塩基可溶性サブグループがpH約4か
ら9で安定かつ可溶な成分を含む、請求項1〜12のいず
れか記載の方法。 - 【請求項16】弱酸塩基可溶性サブグループが砂糖、デ
オキシリボース、リボース、ヌクレオチド、微量元素、
脂質、フェノールレッド、ピルビン酸ナトリウム、HEPE
S、Na2HPO4、NaCl、KCl、酢酸ナトリウムおよびチアミ
ン以外の水溶性ビタミン、アスコルビン酸およびD−パ
ントテン酸Caからなる群から選択される1つまたはそれ
以上の成分を含む、請求項15記載の方法。 - 【請求項17】グルタミン含有サブグループがグルタミ
ンおよびグルタミンを安定化させる量の少なくとも1つ
の2価カチオンを含む、請求項1〜12のいずれか記載の
方法。 - 【請求項18】2価カチオンがカルシウム、マグネシウ
ムまたはマンガンもしくはそれらの組み合わせである、
請求項17記載の方法。 - 【請求項19】グルタミン含有サブグループがさらに塩
化ナトリウムまたはD−パントテン酸Caもしくはそれら
の組み合わせを含む、請求項17または18記載の方法。 - 【請求項20】アルコール可溶性サブグループがコレス
テロール、リノール酸、リポ酸、脂溶性ビタミン、メナ
ジオン、2−メルカプトエタノール、脂質および脂肪酸
からなる群から選択された1つまたはそれ以上の成分を
含む、請求項1〜12のいずれか記載の方法。 - 【請求項21】アルカリ可溶性サブグループが1つまた
はそれ以上のpH約9.0で可溶性かつ安定な成分を含む、
請求項1〜12のいずれか記載の方法。 - 【請求項22】アルカリ可溶性サブグループがウラシ
ル、キサンチンおよびヒポキサンチンからなる群から選
択された1つまたはそれ以上の成分を含む、請求項21記
載の方法。 - 【請求項23】水性希釈剤の充分量と、担体に溶解され
た、次ぎのサブグループから選択された少なくとも2つ
のサブグループの成分の充分量を混合することを特徴と
する、細胞培養培地の製造法: i.酸可溶性サブグループ、 ii.弱酸塩基可溶性サブグループ、 iii.グルタミン含有サブグループ、 iv.アルコール可溶性サブグループ、 v.アルカリ可溶性サブグループおよび vi.補足物含有サブグループ。 - 【請求項24】選択されたサブグループが2〜6つであ
る、請求項23記載の方法。 - 【請求項25】混合がバッチシステムで行われる、請求
項23または24記載の方法。 - 【請求項26】混合が連続システムで行われる、請求項
23または24記載の方法。 - 【請求項27】下記工程を含むことを特徴とする、RPMI
−1640培地の製造方法: (a)RPMI−1640培地の成分を次のサブグループに分割
する: i.酸可溶性サブグループ、 ii.弱酸塩基可溶性サブグループおよび iii.グルタミン含有サブグループ; (b)各サブグループの適合する成分を担体に溶解させ
て、各サブグループの濃縮溶液を得る;および (c)工程(b)で得られた各サブグループの充分量を
希釈剤の充分量と混合してRPMI−1640培地を調製する。 - 【請求項28】下記工程を含むことを特徴とする、DMEM
培地の製造方法: (a)DMEM培地の成分を次ぎのサブグループに分割す
る: i.酸可溶性サブグループ、 ii.弱酸塩基可溶性サブグループおよび iii.グルタミン含有サブグループ; (b)各サブグループの適合する成分を担体に溶解させ
て、各サブグループの濃縮溶液を得る;および (c)工程(b)で得られた各サブグループの充分量を
希釈剤の充分量と混合してDMEM培地を調製する。 - 【請求項29】下記容器の2個またはそれ以上を収容す
るように区画形成されている運搬体を有することを特徴
とする、細胞培養培地を作るためのキット:、 (a)酸可溶性サブグループの適合成分を含む第1の容
器; (b)弱酸塩基可溶性サブグループの適合成分を含む第
2の容器; (c)グルタミン含有サブグループの適合成分を含む第
3の容器; (d)アルカリ可溶性サブグループの適合成分を含む第
4の容器; (e)アルコール可溶性サブグループの適合成分を含む
第5の容器;および (f)補足物含有サブグループの適合成分を含む第6の
容器。 - 【請求項30】運搬体が容器の2〜6個を収容するよう
に区画形成されている、請求項29記載のキット。 - 【請求項31】細胞培養培地がRPMI−1640培地である、
請求項29または30記載のキット。 - 【請求項32】細胞培養培地がDMEM培地である、請求項
29または30記載のキット。 - 【請求項33】容器の少なくとも1個の中の成分が溶液
である、請求項29〜32のいずれか記載のキット。 - 【請求項34】溶液が適合成分の濃縮溶液である、請求
項33記載のキット。 - 【請求項35】濃縮溶液が約25×である、請求項34記載
のキット。 - 【請求項36】濃縮溶液が約50×である、請求項34記載
のキット。 - 【請求項37】濃縮溶液が無菌である、請求項34〜36の
いずれか記載のキット。 - 【請求項38】下記容器を収容するように区画形成され
ている運搬体を有することを特徴とする、RPMI−1640培
地を作るためのキット: (a)酸可溶性サブグループの適合成分を含む第1の容
器; (b)弱酸塩基可溶性サブグループの適合成分を含む第
2の容器; (c)グルタミン含有サブグループの適合成分を含む第
3の容器。 - 【請求項39】下記容器を収容するように区画形成され
ている運搬体を有することを特徴とする、DMEM培地を作
るためのキット: (a)酸可溶性サブグループの適合成分を含む第1の容
器; (b)弱酸塩基可溶性サブグループの適合成分を含む第
2の容器; (c)グルタミン含有サブグループの適合成分を含む第
3の容器。
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