JP3328137B2 - 結着樹脂およびトナー - Google Patents

結着樹脂およびトナー

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JP3328137B2
JP3328137B2 JP14828196A JP14828196A JP3328137B2 JP 3328137 B2 JP3328137 B2 JP 3328137B2 JP 14828196 A JP14828196 A JP 14828196A JP 14828196 A JP14828196 A JP 14828196A JP 3328137 B2 JP3328137 B2 JP 3328137B2
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将幸 丸田
克敏 青木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真、静電記録
等において光半導体上に形成された潜像を可視画像化す
るためのトナー及び該トナーに用いる結着樹脂に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真記録は、米国特許第22976
91号、第2357809号明細書等に記載されている
如く、光半導体層を一様に帯電させ、次いでその層を露
光せしめ、その露光された部分の電荷を消滅せしめるこ
とにより静電潜像を形成し、さらに該静電潜像にトナー
と呼ばれる電荷を有する着色微粉体を付着させることに
より、可視画像化させ(現像工程)、得られた可視画像
を紙などの転写材に転写せしめた後(転写工程)、加
熱、圧力あるいその他の適当な定着方法にて永久定着せ
しめる(定着工程)工程からなる。また、トナーを転写
した後、光半導体層上に残留したトナーを除去するため
のクリーニング工程が設けられる。この様に、トナーは
単に現像工程のみならず、転写工程、定着工程、クリー
ニング工程等の各工程において要求される機能を全て備
えていなければならない。
【0003】トナーの定着方法としては、トナーを加熱
溶解し紙などに定着する加熱定着方法、及び圧力により
トナーを塑性変形し紙に定着する圧力定着方法が代表的
な方法であるが、装置の簡便性及び定着後の画像の品位
等の見地より、トナーの加熱媒体として熱ロールを使用
する、ヒートロール定着法が最もよく用いられている。
【0004】加熱定着方法においてトナーは、なるべく
低い温度で溶解し紙等の媒体に固定されねばならない。
近年、特に省エネルギーの観点よりトナーの低温定着性
への要求は強い。このような低温定着性の要求を達成す
る手段としては、トナー中にポリエステル樹脂を含有す
る結着樹脂を用いることが有効である。結着樹脂として
ポリエステル樹脂が定着性に優れるのは、分子の主鎖中
にエステル基を含有しているためトナーとして使用可能
なガラス転移温度を保ったまま、低分子化が可能である
こと、また、末端基にカルボキシル基を有することよ
り、紙との接着性に優れるためであると考えられる。酸
基の多いポリエステル樹脂を使用する場合、カルボキシ
ル基がトナー中に含まれる着色剤、帯電制御剤などの分
散を向上させるため、良好な発色性、帯電性を得やす
い。しかしながら、通常の重合法により酸価の高いポリ
エステル樹脂を得ようとする場合には、モノマー中の酸
成分を多くして反応を途中で停止し、末端にカルボキシ
ル基を多く残留させる必要があるため、成分中に低分子
量のポリマーが多く含有されやすく、トナーの保存性や
帯電性に悪影響を与えやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の問題点を解決できる、酸価の高いポリエステル樹脂を
含有する結着樹脂を提供すること、及び該結着樹脂を用
いて保存性と帯電性に優れたトナーを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル
樹脂の解重合反応により得られる樹脂を結着樹脂として
使用することによりトナーの保存性が向上すること、ま
た、酸価が10mgKOH/g以上、水酸基価が10m
gKOH/g以下のポリエステル樹脂を使用すれば、さ
らに帯電の安定性が向上することを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、(1) 一価カル
ボン酸、多価カルボン酸、及びそれらの反応性誘導体よ
りなる群から選ばれた一種以上のカルボキシル基を含有
する化合物を解重合剤として用いて行う、数平均分子量
が15,000以上のポリエステル樹脂の解重合反応に
より得られるものを含有することを特徴とする結着樹
脂、(2) 解重合反応により得られるポリエステル樹
脂の重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnで表される
分子量分散度が、1〜6であることを特徴とする前記
(1)記載の結着樹脂、(3) 解重合反応により得ら
れるポリエステル樹脂の水酸基価が10mgKOH/g
以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載
の結着樹脂、(4)結着樹脂と着色剤を含有してなるト
ナーにおいて、前記(1)〜(3)いずれか記載の結着
樹脂を用いることを特徴とするトナー、並びに(5)
着色剤が有機有彩色色材を含有することを特徴とする前
記(4)記載のトナー、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の結着樹脂は、一価カルボン酸、多価カル
ボン酸、及びそれらの反応性誘導体よりなる群から選ば
れた一種以上のカルボキシル基を含有する化合物を解重
合剤として用いて行う、数平均分子量が15,000以
上のポリエステル樹脂の解重合反応により得られるもの
を含有することを特徴とするものである。
【0009】本発明において解重合反応に供されるポリ
エステル樹脂の酸成分としては、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、n−ドデセ
ニル琥珀酸、イソドデセニル琥珀酸、イソオクチル琥珀
酸、n−オクチル琥珀酸、n−ブチル琥珀酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸等及びそれらの無水物、及びそ
れらの低級アルキルエステル等の通常のポリエステル樹
脂の製造に使用される化合物が使用できる。これらのう
ち、特にイソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸等が好
適に使用される。
【0010】また、本発明において解重合反応に供され
るポリエステル樹脂のアルコール成分としては、ポリオ
キシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(1
6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスロトー
ル、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノール
A、ソルビトール、またはそれらのエーテル化ポリヒド
ロキシ化合物、即ち、ポリオキシエチレン(10)ソル
ビトール、ポリオキシエチレン(3)グリセリン、ポリ
オキシエチレン(4)ペンタエリスロトール等が挙げら
れる。これらのうち、特にエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ポリオキシプロピレン(2.2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が
好適に使用される。
【0011】本発明において結着樹脂として用いるポリ
エステル樹脂を得るには、まず、上記アルコール成分と
酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、160℃〜300
℃、好ましくは160〜250℃の温度で縮重合し、高
重合度のポリエステル樹脂を得る。この際反応を促進せ
しめるため、通常使用されているエステル化触媒、例え
ば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジメチル錫エマレート、三酸化アン
チモン、テトラブチルチタネート、二酸化ゲルマニウ
ム、トリフェニルホスフェート等を使用することができ
る。次いで、得られた高重合度のポリエステル樹脂に解
重合剤を添加し、160〜300℃、好ましくは160
〜250℃の温度で解重合反応を行い所望の分子量のポ
リエステル樹脂を得る。
【0012】解重合剤としては、一価カルボン酸、多価
カルボン酸、及びそれらの反応性誘導体よりなる群から
選ばれた一種以上のカルボキシル基を含有する化合物で
あり、例えば、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、トリメチ
ル酢酸、t−ブチル酢酸、安息香酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のカル
ボン酸類、及びその低級アルキルエステル類、無水フタ
ル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸
無水物類等が挙げられる。これらのうち、特にトリメリ
ット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等が好適
に使用される。解重合剤の使用量は、解重合後の樹脂の
分子量により適宜決定される。
【0013】本発明において解重合反応に供されるポリ
エステル樹脂の数平均分子量は、好ましくは15,00
0以上、さらに好ましくは、15,000〜30,00
0、特に好ましくは15,000〜25,000であ
る。数平均分子量が15,000未満であると、解重合
後に低分子量成分が増加しトナーの保存性が悪化する傾
向がある。また、解重合反応により得られるポリエステ
ル樹脂の重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnで表さ
れる分子量分散度は、好ましくは1〜6であり、さらに
好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。分子
量分散度が6を超えても同様に解重合後に低分子量成分
が増加しトナーの保存性が悪化する傾向がある。解重合
反応により得られるポリエステル樹脂の数平均分子量
は、1,000〜6,000、好ましくは1,000〜
4,000である。本発明において数平均分子量及び分
子量分散度を測定する方法としては、通常のゲル・パー
ミュレーション・クロマトグラフィ(GPC)が都合良
く用いられる。また、測定時に使用する溶剤としては、
クロロフォルム、テトラヒドロフランが好ましい。検出
にはRI検出器が使用され、測定値は標準ポリスチレン
試料の測定により作成された検量線を使用し計算され
る。
【0014】解重合反応により得られるポリエステル樹
脂の酸価及び水酸基価はJIS K−0070により測
定することができる。解重合反応により得られるポリエ
ステル樹脂の酸価は、好ましくは10mgKOH/g以
上、さらに好ましくは10〜50mgKOH/gであ
る。酸価が10mgKOH/g未満の場合、定着強度が
弱くなりやすく、かつ充分な帯電性が得られにくい。ま
た、水酸基価は、好ましくは10mgKOH/g以下、
さらに好ましくは0.1〜10mgKOH/gである。
水酸基価が10mgKOH/gを越える場合は、分子中
の官能基数が多くなりすぎ、帯電の環境依存性が大きく
なる傾向がある。
【0015】解重合反応により得られるポリエステル樹
脂の軟化点は、好ましくは80〜140℃、さらに好ま
しくは80〜120℃である。本発明において、軟化点
とは高化式フローテスター(島津製作所製)を用い、1
cm3 の試料を昇温速度6℃/min で加熱しながらプラン
ジャーにより20kg/cm2 の荷重を与え、直径1mm、長さ
1mmのノズルを押し出すようにし、これによりフローテ
スターのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描
きそのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する
温度をいう。
【0016】解重合反応により得られるポリエステル樹
脂のガラス転移温度は、好ましくは45〜85℃、さら
に好ましくは50〜70℃であり、ASTM D341
8−75に準拠した方法で測定することができる。本発
明において、ガラス転移温度とはDSC(示差走査熱量
計、セイコー電子工業社製)を用い、昇温速度10℃/mi
n で測定した際に、ガラス転移温度以下のベースライン
の延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点ま
での間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をいう。
本発明の結着樹脂は、このようにして解重合反応により
得られるポリエステル樹脂を含有するものであり、結着
樹脂中に、0.1〜100重量%、好ましくは5〜10
0重量%含有する。
【0017】また、本発明のトナーは、結着樹脂と着色
剤を含有してなるトナーにおいて、上記結着樹脂を用い
ることを特徴とするものである。
【0018】また、トナーに使用される着色剤は、特に
有機有彩色色材を含有する場合に効果が顕著である。着
色剤として特に限定されるものではないが、例えば、、
カーボンブラック:C.I.ピグメント・イエロー1、
同3、同74、同97、同98等のアセト酢酸アリール
アミド系モノアゾ黄色顔料:C.I.ピグメント・イエ
ロー12、同13、同14、同17等のアセト酢酸アリ
ールアミド系ジスアゾ黄色顔料:C.I.ソルベント・
イエロー19、同77、同79、C.I.ディスパース
・イエロー164等の黄色染料:C.I.ピグメント・
レッド48、同49:1、同53:1、同57、同5
7:1、同81、同122、同5等の赤色もしくは紅色
顔料:C.I.ソルベント・レッド49、同52、同5
8、同8等の赤色系染料:C.I.ピグメント・ブルー
15:3等の銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系
染顔料:C.I.ピグメント・グリーン7、同36(フ
タロシアニン・グリーン)等の緑色顔料等が使用可能で
ある。これらの染顔料は単独で用いても2種以上混合し
て用いても良い。その使用量は、解重合反応により得ら
れるポリエステル樹脂を含む結着樹脂100重量部に対
して0.1〜10重量部が好ましい。
【0019】負帯電性トナーに使用可能な帯電制御剤と
しては、クロム・アゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバ
ルト・アゾ錯体染料、サリチル酸もしくはその誘導体の
クロム・亜鉛・アルミニウム・ほう素錯体もしくは塩化
合物、ナフトール酸もしくはその誘導体のクロム・亜鉛
・アルミニウム・ほう素錯体もしくは塩化合物、ベンジ
ル酸もしくはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム
・ほう素錯体もしくは塩化合物、長鎖アルキル・カルボ
ン酸塩、長鎖アルキル・スルフォン酸塩などの界面活性
剤類が例示可能である。その使用量は、解重合反応によ
り得られるポリエステル樹脂を含む結着樹脂100重量
部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0020】また、正帯電性トナーに使用できる帯電制
御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフ
ェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフ
ォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミ
ジン塩等の誘導体等、N,N−ジメチルアミノメチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類の含窒
素官能基を有するモノマーを共重合したラジカル重合性
共重合体等が例示可能である。その使用量は、解重合反
応により得られるポリエステル樹脂を含む結着樹脂10
0重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0021】本発明のトナーは電子写真、静電記録等に
おいて光半導体上に形成された潜像を可視画像化するた
めに用いられるが、トナー中には、フェライト等の磁性
体、導電性調整剤、酸化錫、シリカ、アルミナ、ジルコ
ニア、チタニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、体質顔料、
繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、離型剤等が必
要に応じて加えられても良い。
【0022】さらに、トナー表面には、流動性を調整し
現像ロール上へのトナー搬送を制御するためや、感光体
上へのトナー・フィルミングを防止したり、感光体上の
残留トナーのクリーニング性を向上するために各種添加
剤が添加される。これらの添加剤としては、シリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の
無機酸化物、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒
子、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその金属塩、カー
ボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素、窒化ほう素等が
挙げられる。
【0023】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例、及び試験例
により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らの実施例等によりなんら限定されるものではない。 ポリエステル樹脂の製造例1 テレフタル酸1245g、イソフタル酸1245g、ネ
オペンチルグリコール1248g、エチレングリコール
744gを5L四つ口フラスコに入れ、温度計、ステン
レス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取
り付け、電熱マントル中250℃で4時間常圧にて反応
した後、三酸化アンチモン0.875g、トリフェニル
ホスフェート0.548g及びテトラブチルチタネート
0.102gを添加し、0.3mmHgに減圧し、28
0℃で縮重合反応を行い、数平均分子量17,000の
ポリエステル樹脂を得た。次いで解重合剤として、トリ
メリット酸44.0gを投入し、不活性雰囲気中、常圧
にて270℃で1時間解重合反応を行いポリエステル樹
脂を得た。島津製作所製フローテスターを用いてポリ
エステル樹脂の軟化点を測定したところ106.5℃
であった。また、DSCにより測定したガラス転移温度
は63.8℃、東ソー(株)製GPCにて測定した数平
均分子量は2,460、分子量分散度(Mw/Mn)は
3.7であった。また、酸価(JIS K−0070)
は65.8mgKOH/g、水酸基価(JIS K−0
070)は2.8mgKOH/gであった。
【0024】ポリエステル樹脂の製造例2 テレフタル酸1990g、イソフタル酸500g、ネオ
ペンチルグリコール2496gを原料とし、製造例1と
同様にして数平均分子量19,000のポリエステル樹
脂を得た。次いで、解重合剤として、トリメリット酸4
4.0gを投入し、不活性雰囲気中、常圧にて270℃
で1時間解重合反応を行いポリエステル樹脂を得た。
ポリエステル樹脂の軟化点は111.6℃、ガラス転
移温度は67.5℃、数平均分子量は3,840、分子
量分散度は3.2、酸価は32.5mgKOH/g、水
酸基価は4.4mgKOH/gであった。
【0025】ポリエステル樹脂の製造例3 テレフタル酸1245g、イソフタル酸1245g、ネ
オペンチルグリコール1250g、エチレングリコール
750gを原料とし、製造例1と同様にして数平均分子
量17,000のポリエステル樹脂を得た。次いで、解
重合剤として、トリメリット酸40.0gを投入し、不
活性雰囲気中、常圧にて270℃で1時間解重合反応を
行いポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂の
軟化点は114.1℃、ガラス転移温度は66.8℃、
数平均分子量は5,000、分子量分散度は4.2、酸
価は22.2mgKOH/g、水酸基価は9.3mgK
OH/gであった。
【0026】ポリエステル樹脂の製造例4 テレフタル酸1990g、イソフタル酸500g、トリ
メリット酸44.0g、ネオペンチルグリコール249
6gを原料として、直接重合反応を行いポリエステル樹
脂を得た。ポリエステル樹脂の軟化点は110.1
℃、ガラス転移温度は57.8℃、数平均分子量は2,
200、分子量分散度は7.6、酸価は32.2mgK
OH/g、水酸基価は26.7mgKOH/gであっ
た。
【0027】実施例1 ポリエステル樹脂 100重量部 FUJI FAST RED 9900RM(富士色素社製 Pigment Red 122) 7重量部 亜鉛錯体(オリエント化学製 E−84) 2.5重量部 低分子量ポリプロピレン・ワックス 2重量部 上記組成を溶融混練した後、粉砕分級したもの100重
量部に対し、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 RX
−50)0.6重量部を高速攪拌機を用いて混合し個数
平均粒径8.0μmのトナーとした。
【0028】実施例2 ポリエステル樹脂 100重量部 FUJI FAST RED 9900RM(富士色素社製 Pigment Red 122) 7重量部 亜鉛錯体(オリエント化学製 E−84) 2.5重量部 低分子量ポリプロピレン・ワックス 2重量部 上記組成を溶融混練した後、粉砕分級したもの100重
量部に対し、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 RX
−50)0.6重量部を高速攪拌機を用いて混合し個数
平均粒径8.2μmのトナーとした。
【0029】実施例3 ポリエステル樹脂 100重量部 FUJI FAST RED 9900RM(富士色素社製 Pigment Red 122) 7重量部 亜鉛錯体(オリエント化学製 E−84) 2.5重量部 低分子量ポリプロピレン・ワックス 2重量部 上記組成を溶融混練した後、粉砕分級したもの100重
量部に対し、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 RX
−50)0.6重量部を高速攪拌機を用いて混合し個数
平均粒径8.3μmのトナーとした。
【0030】比較例1 ポリエステル樹脂 100重量部 FUJI FAST RED 9900RM(富士色素社製 Pigment Red 122) 7重量部 亜鉛錯体(オリエント化学製 E−84) 2.5重量部 低分子量ポリプロピレン・ワックス 2重量部 上記組成を溶融混練した後、粉砕分級したもの100重
量部に対し、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 RX
−50)0.6重量部を高速攪拌機を用いて混合し個数
平均粒径8.1μmのトナーとした。
【0031】試験例 ソニーテクトロニクス社製プリンターPHASER−5
40を使用して、5000枚印字後の画像濃度、及び3
0℃、80%RH環境下での画像濃度をマクベス濃度計
にて測定した。また、各トナー50gを250ccポリ
瓶に入れ密栓した後、50℃に設定した恒温槽に5日間
放置し、放置前後の凝集度をホソカワミクロン社製パウ
ダーテスターを使用して、定法に従い測定した。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すとおり、本発明のトナー(実施
例1〜3)は5000枚印字前後で画像濃度が安定し、
高温高湿環境下でも良好な画像が得られた。また、50
℃で5日間放置しても凝集度が増加することもない。そ
れに対し、直接重合法で製造したポリエステル樹脂を使
用したトナー(比較例1)は、5000枚印字後の画像
濃度が過剰となり、高温高湿環境下でも画像濃度が上昇
した。また、50℃で5日間放置した場合、凝集度が増
加し使用できない状態となった。
【0034】
【発明の効果】本発明において結着樹脂として用いられ
るポリエステル樹脂は、高酸価のため、定着性に優れて
おり、トナー中の着色剤及び帯電制御剤などの分散を向
上させるため、良好な発色性、帯電性を得やすい。さら
に、樹脂を酸成分による分解で得るために、低分子量成
分が残存しにくく、ガラス転移温度及び軟化点の制御が
容易であり、トナーの定着性及び保存性の制御が容易に
できる。また、本発明の効果は着色剤として有機有彩色
色材を含有するカラートナーにおいて顕著に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−26201(JP,A) 特開 平5−171106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08L 67/00 - 67/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一価カルボン酸、多価カルボン酸、及び
    それらの反応性誘導体よりなる群から選ばれた一種以上
    のカルボキシル基を含有する化合物を解重合剤として用
    いて行う、数平均分子量が15,000以上のポリエス
    テル樹脂の解重合反応により得られるものを含有するこ
    とを特徴とする結着樹脂。
  2. 【請求項2】 解重合反応により得られるポリエステル
    樹脂の重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnで表され
    る分子量分散度が、1〜6であることを特徴とする請求
    項1記載の結着樹脂。
  3. 【請求項3】 解重合反応により得られるポリエステル
    樹脂の水酸基価が10mgKOH/g以下であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の結着樹脂。
  4. 【請求項4】 結着樹脂と着色剤を含有してなるトナー
    において、請求項1〜3いずれか記載の結着樹脂を用い
    ることを特徴とするトナー。
  5. 【請求項5】 着色剤が有機有彩色色材を含有すること
    を特徴とする請求項4記載のトナー。
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