JP3327701B2 - 導電体の疵検出装置 - Google Patents

導電体の疵検出装置

Info

Publication number
JP3327701B2
JP3327701B2 JP24294794A JP24294794A JP3327701B2 JP 3327701 B2 JP3327701 B2 JP 3327701B2 JP 24294794 A JP24294794 A JP 24294794A JP 24294794 A JP24294794 A JP 24294794A JP 3327701 B2 JP3327701 B2 JP 3327701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exciting
inspection object
excitation
magnetic flux
flaw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24294794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08105860A (ja
Inventor
崎 敬 介 藤
田 一 臣 富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP24294794A priority Critical patent/JP3327701B2/ja
Publication of JPH08105860A publication Critical patent/JPH08105860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3327701B2 publication Critical patent/JP3327701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば棒鋼等の表面疵
の検出に利用しうる導電体の疵検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄鋼製品について表面疵を検出す
る場合、一般に渦流探傷方法や漏洩磁束探傷方法を用い
て検査が実施される。渦流探傷方法においては、励磁コ
イルで発生した磁界の中に検査対象物を通し、検査対象
物に渦電流を流す。そして、検査対象物の表面疵の有無
に応じて渦電流が変化するので、その変化によって生じ
る磁束を検知コイル等によって検出する。漏洩磁束探傷
方法においては、磁性体である検査対象物を磁化し、検
査対象物の疵によってその外側に漏れる漏洩磁束をセン
サを用いて検出する。
【0003】渦流探傷法は、検出力が良い反面、被検材
の表面状態の磁気的不均一に誘発される疑似不要雑音信
号で妨げられる事が多く、このため一般にコイルを差動
巻にして両コイルの信号の差によって表面疵の検査を行
っている。
【0004】図15に、最も一般的に使用される自己励
磁方式の貫通型コイルで被検材を検査する様子を示す。
貫通型コイル3の励磁及び疵検知を行うコイル4a,4
bは各々巻線方向が逆で差動巻となっており、被検材1
にワレ疵2があり被検材1が貫通コイル3を矢印20方
向に通過する場合、21に示す疵信号が得られる。貫通
型コイル3によるワレ疵2の検知信号は、ワレ疵2が被
検材1の長手方向にどんなに長くても同様であり、これ
はコイル4a,4bの信号の差を検知信号としているた
めワレ疵2のフロントでの信号aとテイルでの信号bの
2ケ所でしか信号が発生しない事による。また、検知信
号は、ワレ疵2のフロント及びテイル部の疵形状によっ
ても大きな影響を受け、疵が長手方向で急俊に変化すれ
ば検知信号も高くなるが緩やかであれば検知信号が低く
検出力が低下する等問題があり、貫通型コイル3による
ワレ疵2の検出は、疵深さの大きい疵のみにとどまって
いた。
【0005】この様な貫通型コイルの欠点を解消するた
めに、回転プロ−ブ型が考えられている。これは、図1
6に示す様に、励磁コイルと検知コイルを収納したプロ
−ブ5を矢印19に示すように被検材1の断面周方向に
回転させて、被検材1のワレ疵2に対して直角に通過さ
せて、図16に22として示す様に、プロ−ブ5がワレ
疵横切る毎に疵信号を検知し、ワレ疵に対する検出力の
向上を図るものである。しかし、プロ−ブ5をワレ疵2
に対して何回も横断させるためには、プロ−ブ5を被検
材1の回りで高速回転させねばならず、回転機構が複雑
且つプロ−ブ5の被検材1に対する追従が難しく、また
ワレ疵2が短い場合見逃す危険性も高い等問題も多い。
【0006】この様な問題点を解消するための従来技術
としては、例えば、特開昭62−6162号公報,特開
昭62−6163号公報,特開昭62−123352号
公報,特開昭62−145162号公報,特開昭62−
172258号公報,及び特開昭62−172259号
公報が公知である。
【0007】特開昭62−6162号公報では、励磁コ
イル及び検出コイルでなる検出ユニットを円周方向に多
数設置し、励磁コイルにより検査対象物の円周方向又は
断面方向の磁界を発生するとともに、多数の検出ユニッ
トをスイッチで順次に切換えることによって円周方向の
全体を検査可能にしている。
【0008】また特開昭62−6163号公報および特
開昭62−123352号公報では、励磁コイル及び検
出コイルでなる検出ユニットを円周方向に多数設置し、
励磁コイルにより検査対象物の円周方向又は断面方向の
磁界を発生するとともに、三相交流を用いて励磁コイル
を励磁し、スイッチを用いることなく、励磁位置を円周
方向に順次回転させるようにしている。
【0009】また特開昭62−145162号公報で
は、円周方向に多数設置された検出ユニットを互いに機
械的に分離し、検出ユニット毎に検査対象物とのギャッ
プを一定に維持するようにしている。
【0010】特開昭62−172258号公報および特
開昭62−172259号公報では、検査対象物の円周
方向に順次に回転する磁界を発生するとともに、該円周
方向に多数のセンサを配設し、発生した磁界の回転に同
期して、多数のセンサの出力を順次にサンプリングする
技術を開示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】これらの技術は、それ
ぞれに利点はあるにしても、以下の共通の欠点を内在し
ている。例えば、特開昭62−6162号では、図17
に示すような励磁コイルと検出コイルを用いるため、ま
た、特開昭62−6163号及び特開昭62−1233
52号では図18に示す励磁コイルを使用するため、更
に特開昭62−145162号では図19に示す励磁コ
イルを使用するために、励磁コイルからの磁束は被検査
材の半径方向に生ずる。これに対して、従来の図15に
示す貫通型の励磁方式では、被検査材の長手(軸)方向
に磁束を発生させる。
【0012】ところで、自動探傷におけるS/N(きず
信号Sとベ−スノイズNとの比率であり、きずの検出し
やすさを表す)は3倍以上必要と一般にいわれている
が、この信号のS/Nは、検出器と検査対象物のギャッ
プ変動により、検出器と検査対象物のギャップは小さい
程、S/Nは良くなるが、実際の検査工程は、例えば、
検査対象物である棒鋼を高速で搬送しながら検査を行う
ため、通材性との兼ね合いで極端にはギャップを狭くす
ることはできない。
【0013】また、搬送によって検査対象物は振動する
ので、検出器と被検査材とのギャップは常時変動する。
この際、励磁コイルからの磁束が被検査材の半径方向に
生ずるとギャップ変動により磁束密度が著しく変化する
ため、ベ−スノイズの変動が大きいばかりか、きず信号
の感度変化が極端に起こり、S/Nが著しく悪化する欠
点がある。
【0014】しかし、図15に示すように、励磁コイル
からの磁束を被検査材の軸方向に発生させた場合、ギャ
ップ変動による、被検査材の半径方向の磁束密度の変化
は比較的小さくなる利点がある。従って本発明は、前述
のプロ−ブ回転方式に代わって、被検査材の軸方向の磁
束を周方向に回転させながら発生させる事で、検査対象
物の疵に対して得られる信号のS/N比を改善し、疵検
出の信頼性を高めることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の導電体の疵検出装置は、所定の軸方向に
搬送される検査対象物の外周を囲む形である、第1の励
磁手段(4);前記検査対象物の外周を囲む形であり、
前記第1の励磁手段とは異なる位置に設置された、第2
の励磁手段(5);前記第1の励磁手段と第2の励磁手
段との間の、前記検査対象物の表面と対向する位置に設
置された磁束検出手段(6,7);および前記第1の励
磁手段と第2の励磁手段とが発生する磁界が、前記磁束
検出手段の位置にて、前記検査対象物の搬送方向に向い
ていて、かつ、前記検査対象物の円周方向に回転するよ
うに、磁界を発生させる、励磁制御手段(2A,2
B);を備える。
【0016】また、請求項2の導電体の疵検出装置は、
所定の軸方向に搬送される検査対象物(1)の外周を囲
む形でほぼ環状に配列された複数の励磁コイルを含む、
第1組の励磁手段(4);前記検査対象物の外周を囲む
形でほぼ環状に配列された複数の励磁コイルを含み、前
記軸方向に対して前記第1組の励磁手段とは異なる位置
に設置された、第2組の励磁手段(5);前記第1組の
励磁手段及び第2組の励磁手段が発生する磁界を、前記
検査対象物の円周方向に回転するとともに、第1組の励
磁手段と第2組の励磁手段の互いに前記軸方向に対向す
る励磁コイル対に、同一時点で互いに異なる磁極を形成
する、励磁制御手段(2A,2B);および前記第1組
の励磁手段と第2組の励磁手段との間の、前記検査対象
物の表面と対向する位置に設置された磁束検出手段
(6,7);を備える。
【0017】また、請求項3においては、前記磁束検出
手段は、各々前記検査対象物の円周方向の一部分と対向
する複数の検出手段を、前記検査対象物を囲む形で環状
に配設してなり、更に前記複数の検出手段のうち互いに
隣接する2つの検出手段が出力する信号の差分を検出す
る差分検知手段(71)を含む。
【0018】また、請求項4においては、前記励磁制御
手段は、3相以上の多相交流電源を含む。
【0019】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0020】
【作用】請求項1の発明においては、第1の励磁手段
(4)と第2の励磁手段(5)とがそれぞれ検査対象物
(1)の外周を囲む形で配置されており、第1の励磁手
段(4)と第2の励磁手段(5)とは検査対象物が搬送
される軸方向に対して互いにずれた位置に設置されてい
る。また、前記第1の励磁手段と第2の励磁手段との間
に、前記検査対象物の表面と対向するように、磁束検出
手段(6,7)が設置されている。そして、励磁制御手
段(2A,2B)は、前記第1の励磁手段と第2の励磁
手段とが発生する磁界が、前記磁束検出手段の位置に
て、前記検査対象物の搬送方向に向いていて、かつ、前
記検査対象物の円周方向に回転するように磁界を制御す
る。
【0021】また請求項2においては、第1組の励磁手
段(4)と第2組の励磁手段(5)とがそれぞれ検査対
象物(1)の外周を囲む形でほぼ環状に配列された複数
の励磁コイルを含んでおり、第1組の励磁手段(4)と
第2組の励磁手段(5)とは検査対象物が搬送される軸
方向に対して互いにずれた位置に設置されている。そし
て、励磁制御手段(2A,2B)は、第1組の励磁手段
及び第2組の励磁手段が発生する磁界を、前記検査対象
物の円周方向に回転するとともに、第1組の励磁手段と
第2組の励磁手段の互いに前記軸方向に対向する励磁コ
イル対に、同一時点で互いに異なる磁極を形成する。ま
た、磁束検出手段(6,7)は、第1組の励磁手段と第
2組の励磁手段との間に、前記検査対象物の表面と対向
するように設置される。
【0022】このように構成すると、磁束検出手段が設
置される第1組の励磁手段と第2組の励磁手段との間の
空間における磁界は、前記軸方向の成分(Bz)が支配
的になる。つまり、第1組の励磁手段の1つの磁極から
第2組の励磁手段の1つの磁極へ(又はその反対に)向
かう磁路が形成される。この磁路は、検査対象物の表面
に隣接しているので、それを通る磁束によって、検査対
象物上に渦電流が流れる。渦電流の流れる方向は各励磁
手段によって生成された磁束の向きによって定まるが、
検査対象物の表面に疵がある場合には、疵を迂回するよ
うに渦電流が流れる。磁束検出手段(6,7)は、検査
対象物上の渦電流によって生じる磁束を検出する。従っ
て、検査対象物上の疵の有無によって渦電流が変化する
と、それが磁束検出手段で検出され、疵の有無が検出さ
れる。第1組の励磁手段及び第2組の励磁手段が発生す
る磁界は、検査対象物の円周方向に回転するので、円周
方向の各々の位置の疵が検出可能である。
【0023】本発明では、検査対象物をその搬送方向
(Z)に向かって平行に励磁させた状態で、疵の検出を
実施するが、従来の疵検出装置では、検査対象物をその
円周方向又は断面方向に励磁した状態で疵の検出を実施
している。実験によれば、疵によって得られる信号のS
/N比は、検査対象物が静止している状態、及び搬送に
よって検査対象物が振動している状態(磁束検出手段と
検査対象物とのギャップが変動している状態)のいずれ
においても、本発明の装置の方が従来の装置よりもはる
かに良い結果が得られた。従って、信頼性の高い疵検出
が実現する。
【0024】請求項3においては、磁束検出手段は、各
々前記検査対象物の円周方向の一部分と対向する複数の
検出手段を、前記検査対象物を囲む形で環状に配設して
なり、更に前記複数の検出手段のうち互いに隣接する2
つの検出手段が出力する信号の差分を検出する差分検知
手段(71)を含む。即ち、検査対象物の円周方向に互
いに隣接する位置での磁束分布(渦電流によって生じる
磁束分布)の変化が、検査対象物上の疵として検出され
る。
【0025】請求項4においては、励磁制御手段は、3
相以上の多相交流電源を含む。即ち、多相交流電源を用
いて励磁磁界を回転させることによって、励磁磁界に生
じる空間高調波を低減することができ、磁界のむらが小
さくなり、より安定した疵検出が実現する。
【0026】
【実施例】実施例の疵検出装置の構成を図1に示し、図
1のII−II線断面を図2に示し、図1のIII−III線断面
を図3に示す。まず図1を参照して説明する。検査対象
物である棒鋼1は、熱間圧延ラインで製造されるもので
あり、その軸方向(長手方向)に高速で搬送されながら
連続的に圧延される。この例では、仕上圧延工程の出側
において、棒鋼1の通路を囲むように疵検出装置が配置
されている。なお、疵検出装置の位置において、棒鋼1
の温度はキュ−リ点以上であるため、棒鋼1は非磁性体
である。
【0027】疵検出装置の主要部は、3相交流電源2
A,2B,信号発生器3,第1励磁ユニット4,第2励
磁ユニット5,検出ユニット6及び検出回路7で構成さ
れている。第1励磁ユニット4は、棒鋼1を囲むように
配置された環状の鉄心40とそれに巻回された多数の励
磁コイル47で構成されている。励磁コイル47は、実
際には、図2に示すように円周方向に等間隔で配置され
た24個のコイルでなっている。またこれらのコイルは
点線で示すように結線されるので、これらは4個ずつ6
組の励磁コイルグル−プ41,42,43,44,45
及び46に区分される。即ち、図4に示すように、励磁
コイルグル−プ41,42,43,44,45及び46
は、それぞれ+U相,−V相,+W相,−U相,+V相
及び−W相の電源によって励磁される。
【0028】同様に、第2励磁ユニット5は、棒鋼1を
囲むように配置された環状の鉄心50とそれに巻回され
た多数の励磁コイル57で構成されている。励磁コイル
57は、実際には、図3に示すように円周方向に等間隔
で配置された24個のコイルでなっている。またこれら
のコイルは点線で示すように結線されるので、これらは
4個ずつ6組の励磁コイルグル−プ51,52,53,
54,55及び56に区分される。即ち、図4に示すよ
うに、励磁コイルグル−プ51,52,53,54,5
5及び56は、それぞれ−U相,+V相,−W相,+U
相,−V相及び+W相の電源によって励磁される。
【0029】図1に示すように、第1励磁ユニット4に
供給する電力は、3相交流電源2Aが生成し、第2励磁
ユニット5に供給する電力は、3相交流電源2Bが生成
する。3相交流電源2A及び2Bは、信号発生器3が出
力する3相交流信号に同期して、それぞれ3相(U,
V,W)の交流電力を生成する。従って、3相交流電源
2Aが出力する3相の交流電力と3相交流電源2Bが出
力する3相の交流電力との位相は互いに同期する。
【0030】そして、図4に示すように、棒鋼1の軸方
向に対して、第1励磁ユニット4と第2励磁ユニット5
の互いに対向する位置にある励磁コイルグル−プに供給
される電力は互いに極性が逆になっている。つまり、例
えば励磁コイルグル−プ41の通電によって発生する磁
極がS極の時には、励磁コイルグル−プ51の通電によ
って発生する磁極はN極になる。また、励磁コイルグル
−プ41の通電によって発生する磁極がN極の時には、
励磁コイルグル−プ51の通電によって発生する磁極は
S極になる。このため、第1励磁ユニット4と第2励磁
ユニット5の互いに対向する方向、つまり棒鋼1の軸方
向に向かう磁界が発生する。
【0031】検出ユニット6は、棒鋼1を囲むように環
状に構成されており、第1励磁ユニット4と第2励磁ユ
ニット5の中間の位置に配置されている。第1励磁ユニ
ット4と第2励磁ユニット5の励磁によって形成され
る、検出ユニット6の位置における棒鋼1の周囲の磁束
密度分布を、コンピュ−タシミュレ−ションによって計
算し求めた。その結果を図8に示す。なお、図8の上側
に示した実部と下側に示した虚部とは、互いに電源波形
の位相が90度ずれた状態を示している。
【0032】更に、検出ユニット6の位置における棒鋼
1の周囲の磁束密度分布を各軸方向の成分に分解した結
果を、円周方向各位置での磁束密度として図9に示す。
図9において、Bz,Bt,及びBrが、それぞれZ軸
方向(棒鋼の長手方向),棒鋼の径方向,および円周方
向の磁束密度を示している。つまり、検出ユニット6の
位置における磁束密度については、Z軸方向の成分が支
配的であることが、図9から理解できる。
【0033】また、検出ユニット6の位置におけるZ軸
方向の磁束密度分布の時間推移を図10に示す。ここ
で、Tは信号発生器3が出力する信号の1周期(1/60
秒)である。図10を参照すると、磁束密度の分布が、
時間とともに円周方向に移動することが理解できる。即
ち、検出ユニット6の位置に形成される磁界は、棒鋼1
の周囲を円周方向に回転する回転磁界になる。ある時点
においては、図1に示すように、第1励磁ユニット4上
に1つのS極と1つのN極とが形成され、第2励磁ユニ
ット5上に1つのN極と1つのS極とが形成され、第1
励磁ユニットのS極と第2励磁ユニットのN極との間、
ならびに第1励磁ユニットのN極と第2励磁ユニットの
S極との間の検出ユニット6の位置において、大きな磁
束密度が得られる。
【0034】次に、図11を参照して説明する。上述の
ように、第1励磁ユニット4と第2励磁ユニット5を励
磁すると、Z軸方向の磁界Hが棒鋼1の表面近傍に生じ
る。この磁界Hによって、導電体である棒鋼1の表面に
は、円周方向に向かって渦電流iが流れる。但し、棒鋼
1の表面に疵1aが存在する場合、渦電流は疵1aを迂
回するように流れるので、疵1aの近傍では、渦電流に
Z軸方向の成分i" が生じる。この渦電流i" によっ
て、円周方向の磁界H2が生じる。疵1aが存在しない
時には、円周方向の磁界H2はほとんど生じない。従っ
て、円周方向の磁界H2を監視すれば、疵1aの有無を
検出できる。
【0035】検出ユニット6は、円周方向の磁界H2を
検出するために設置されている。検出ユニット6の構成
を図12に示す。図12は、検出ユニット6の外観を円
周方向を縦方向に展開して示している。また、図12の
V−V線断面を図5に示す。図12を参照すると、検出
ユニット6はZ軸方向に互いに近接した状態で並べた2
列の検出部6A,6Bで構成されている。検出部6A
は、円周方向に等間隔で並べた30個のコイル板6A
a,6Ab,6Ac,6Ad,・・・・を備えている。
検出部6Bも同様である。これらのコイル板は、円周方
向に互いに隣接する2つずつが、それぞれ対になってい
る。
【0036】1対のコイル板6Aa,6Abの構成を図
6に示す。コイル板6Aa及び6Abは、各々、樹脂基
板61上にプリントされた箔状の導体によって形成され
る渦巻状のコイル62を有している。コイル62の外側
の一端には、リ−ド線63a又は63bが接続されてい
る。コイル板6Aaのコイル62の内側の一端と、コイ
ル板6Abのコイル62の内側の一端とは、導線64に
よって互いに接続されている。他のコイル板6Ac,6
Ad,6Ae,6Af,・・・についても同様である。
【0037】磁界H2によって生じる磁束が、コイル6
2と鎖交し、コイル62に電圧が誘起する。対のコイル
板(例えば6Aa,6Ab)と対向する位置の棒鋼表面
に疵1aが存在しない時には、2つのコイル62に誘起
する電圧はほぼ等しくなるが、対のコイル板の一方と対
向する位置の棒鋼表面に疵1aが存在し、他方の位置に
は疵が存在しない場合、2つのコイル62に誘起する電
圧に差が生じる。従って、疵1aがある時には、リ−ド
線63a,63b間に現われる電位差が大きくなるの
で、その電位差を監視することにより、疵1aを検出で
きる。
【0038】検出回路7のうち、一対のコイル板6A
a,6Abに接続された部分の構成を図7に示す。ま
た、図7に示す回路の各部の信号例を図13に示す。図
7を参照すると、差動増幅器71は、コイル板6Aaの
コイルが誘起する電圧SAと、コイル板6Abのコイル
が誘起する電圧SBとの差分を増幅し、信号SCとして
出力する。信号SCは、シュミットトリガ73に入力さ
れるとともに、反転増幅器72を介してシュミットトリ
ガ74に入力される。信号SCの振幅が所定以上になる
と、シュミットトリガ73及び/又は74の出力が高レ
ベルHになる。オアゲ−ト75は、シュミットトリガ7
3,74が出力する信号に基づいて、疵検出信号SDを
生成する。他のコイル板(6Ac,6Ad,6Ae,6
Af,・・・)の対についても、それぞれ図7に示すも
のと同一構成の検出回路が接続されている。
【0039】前述のように、第1励磁ユニット4と第2
励磁ユニット5の励磁によって生じる磁界Hは、回転磁
界であり、磁束密度の大きい部分が棒鋼1の円周方向に
一定の速度で回転する。そして、棒鋼1上の磁束密度の
大きい部分に渦電流が流れ、この渦電流を利用して疵の
有無が検出される。従って、磁界Hの回転に伴なって、
疵検出の対象になる位置も円周方向に移動する。棒鋼1
上の疵1aは、それと対向する位置に存在する対のコイ
ル板(例えば6Aa,6Ab)によって検出される。
【0040】この実施例では、Z軸方向に並べた2列の
検出部6A,6Bについて、コイル板の対が千鳥状にな
るように結線してある。即ち、図12に示すように、1
列目の検出部6Aについては、コイル板6Aa・6A
b,6Ac・6Ad,6Ae・6Af,・・・がそれぞ
れ対をなしているが、2列目の検出部6Bについては、
コイル板6Bb・6Bc,6Bd・6Be,6Bf・6
Bg,・・・がそれぞれ対をなしており、1列目の検出
部6Aの互いに隣接するコイル板対とコイル板対との間
に、2列目の検出部6Bのコイル板対が位置している。
【0041】例えば、円周方向のコイル板6Aa,6A
bの近傍の位置では、それらによって疵が検出される
が、コイル板6Ab,6Acの近傍では、コイル板対6
Aa・6Ab,又はコイル板対6Ac・6Adによって
疵を検出することは難しい。しかし、コイル板6Ab,
6Acの近傍では、2列目の検出部6Bのコイル板対6
Bb・6Bcによって疵を検出することができる。従っ
て、円周方向のどの位置においても疵検出ができ、疵検
出が不可能な領域(不感帯)は生じない。
【0042】図1の三相交流電源2Aの構成を図14に
示す。なお三相交流電源2Bの構成も図14と同一であ
る。図14を参照して説明する。3相電源21から供給
される交流電力は、サイリスタブリッジ22によって整
流され、インダクタ25及びコンデンサ26によって平
滑される。従って、コンデンサ26の端子間には直流電
圧が現われる。コンデンサ26の端子間に現われる電圧
は、サイリスタブリッジ22がトリガされる位相に応じ
て変化する。位相角算出器24に印加される電圧指令値
Vdcは、コンデンサ26の端子間に現われる直流電圧の
調整に利用される。位相角算出器24は、電圧指令値V
dcに対応するトリガ位相角αを算出する。ゲ−トドライ
バ23は、位相角算出器24が出力するトリガ位相角α
でサイリスタブリッジ22の各々のサイリスタをトリガ
するように、それぞれのゲ−ト端子に印加するトリガ信
号を生成する。即ち、各々のサイリスタがスイッチング
する交流波形のゼロクロス点をそれぞれ検出し、ゼロク
ロス点を検出してから位相角αに相当する時間が経過し
た時に、トリガ信号を生成する。
【0043】トランジスタブリッジ27は、コンデンサ
26の端子間に現われる直流電圧をスイッチングし、三
相交流電圧U,V,Wを生成する。トランジスタブリッ
ジ27のスイッチングを制御する信号は、比較器29に
よって生成され、ゲ−トドライバ28を介して各トラン
ジスタのベ−ス端子に印加される。比較器29の入力端
子には、信号発生器3の出力と三角波発生器30の出力
が接続されている。信号発生器3は、周波数が60Hz
の正弦波の三相交流電圧U1,V1,W1を出力する。
U1とV1およびV1とW1は、それぞれ120度の位
相差を有している。また三角波発生器30は、繰り返し
周波数が3KHzの三角波信号を出力する。比較器29
は、6個のアナログ比較器を内蔵しており、三相交流電
圧U1,V1,W1の正の半波及び負の半波の電圧を、
それぞれ独立したアナログ比較器で三角波発生器30が
出力する三角波の電圧と比較し、それらの比較結果を6
つの二値信号として出力する。これらの二値信号が、ゲ
−トドライバ28を介して、トランジスタブリッジ27
に印加され、トランジスタブリッジ27の出力に三相交
流電圧U,V,Wが現われる。
【0044】この実施例の疵検出装置における疵検出信
号(SC)は、非常に大きなS/N比を有していること
が実験により確かめられた。また、検出ユニット6と棒
鋼1とのギャップの変動量が1mm程度の場合であって
も、深さが0.5mmの疵に対して2.5程度のS/N
比が得られることが分かった。
【0045】なお上記実施例においては、検査対象物を
棒鋼として説明したが、導電体であれば、他の材質のも
のでも検査可能である。また実施例においては、励磁ユ
ニット4,5を付勢する電源として三相交流電源を用い
たが、三相を越える多相交流電源を用いてもよい。相数
が増えるに従って、励磁ユニット4,5によって生じる
磁界の空間高調波がより低減されるので、より安定した
疵検出が実現する。
【0046】また上記実施例においては、検出ユニット
6を円周方向に配設した多数のコイル板で構成したが、
従来より公知の様々な構成の磁界検出器を用いても、疵
を検出することが可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明では、検査対象物をその搬送方向
(Z)に向かって平行に励磁させた状態で疵の検出を実
施するので、疵によって得られる信号のS/N比が従来
と比べて大幅に改善され、信頼性の高い疵検出が実現す
る。また、励磁磁界を円周方向に回転するので、円周方
向の各々の位置で疵検出ができ、長手方向の疵も円周方
向の疵も共に検出可能である。
【0048】また請求項3においては、検査対象物の円
周方向に互いに隣接する位置での磁束分布(渦電流によ
って生じる磁束分布)の変化を、検査対象物上の疵とし
て検出するので、円周方向の小領域毎にそれぞれ疵の有
無を検出することができ、検出性能が向上する。例え
ば、深さが大きく異なる複数の疵が互いに近接した位置
に存在する検査対象物に対して両方の疵が検出可能であ
る。
【0049】また請求項4においては、多相交流電源を
用いて励磁磁界を回転させることによって、励磁磁界に
生じる空間高調波を低減することができ、磁界のむらが
小さくなり、より安定した疵検出が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の疵検出装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 図1のIII−III線断面図である。
【図4】 励磁ユニット4,5の励磁位相の分布を示す
斜視図である。
【図5】 検出ユニット6を示す図12のV−V線断面
図である。
【図6】 一対のコイル板6Aa,6Abを示す斜視図
である。
【図7】 検出ユニット6と検出回路7の一部分を示す
ブロック図である。
【図8】 検出ユニット6の位置における磁束密度分布
を示すベクトル図である。
【図9】 図8の磁束密度の各軸方向成分の円周方向分
布を示すグラフである。
【図10】 図9のBzの時間推移を示すグラフであ
る。
【図11】 棒鋼上の磁界と渦電流との関係を示す斜視
図である。
【図12】 検出ユニット6の外観の周方向を縦に展開
して示す展開図である。
【図13】 図7の回路の信号例を示すタイムチャ−ト
である。
【図14】 3相交流電源2Aの構成を示すブロック図
である。
【図15】 従来例の構成を示す模式図である。
【図16】 従来例の構成を示す模式図である。
【図17】 従来例の構成を示す模式図である。
【図18】 従来例の構成を示す模式図である。
【図19】 従来例の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1:棒鋼 1a:疵 2A,2B:3相交流電源 3:信号発生器 4:第1励磁ユニット 5:第2励磁ユニッ
ト 6:検出ユニット 6A,6B:検出部 6Aa,6Ab,6Ac,6Ad,・・・:コイル板 6Ba,6Bb,6Bc,6Bd,・・・:コイル板 7:検出回路 21:三相交流電源 22:サイリスタブリッジ 23,28:ゲ−ト
ドライバ 24:位相角算出器 25:インダクタ 26:コンデンサ 27:トランジスタ
ブリッジ 29:比較器 30:三角波発生器 40,50:鉄心 41〜46,51〜56:励磁コイルグル−プ 47,57:励磁コイル 61:樹脂基板 62:コイル 63a,63b:リ
−ド線 64:導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の軸方向に搬送される検査対象物の
    外周を囲む形である、第1の励磁手段;前記検査対象物
    の外周を囲む形であり、前記第1の励磁手段とは異なる
    位置に設置された、第2の励磁手段;前記第1の励磁手
    段と第2の励磁手段との間の、前記検査対象物の表面と
    対向する位置に設置された磁束検出手段;および前記第
    1の励磁手段と第2の励磁手段とが発生する磁界が、前
    記磁束検出手段の位置にて、前記検査対象物の搬送方向
    に向いていて、かつ、前記検査対象物の円周方向に回転
    するように、磁界を発生させる、励磁制御手段;を備え
    る導電体の疵検出装置。
  2. 【請求項2】 所定の軸方向に搬送される検査対象物の
    外周を囲む形でほぼ環状に配列された複数の励磁コイル
    を含む、第1組の励磁手段;前記検査対象物の外周を囲
    む形でほぼ環状に配列された複数の励磁コイルを含み、
    前記軸方向に対して前記第1組の励磁手段とは異なる位
    置に設置された、第2組の励磁手段;前記第1組の励磁
    手段及び第2組の励磁手段が発生する磁界を、前記検査
    対象物の円周方向に回転するとともに、第1組の励磁手
    段と第2組の励磁手段の互いに前記軸方向に対向する励
    磁コイル対に、同一時点で互いに異なる磁極を形成す
    る、励磁制御手段;および前記第1組の励磁手段と第2
    組の励磁手段との間の、前記検査対象物の表面と対向す
    る位置に設置された磁束検出手段;を備える導電体の疵
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記磁束検出手段は、各々前記検査対象
    物の円周方向の一部分と対向する複数の検出手段を、前
    記検査対象物を囲む形で環状に配設してなり、更に前記
    複数の検出手段のうち互いに隣接する2つの検出手段が
    出力する信号の差分を検出する差分検知手段を含む、前
    記請求項2記載の導電体の疵検出装置。
  4. 【請求項4】 前記励磁制御手段は、3相以上の多相交
    流電源を含む、前記請求項2記載の導電体の疵検出装
    置。
JP24294794A 1994-10-06 1994-10-06 導電体の疵検出装置 Expired - Fee Related JP3327701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24294794A JP3327701B2 (ja) 1994-10-06 1994-10-06 導電体の疵検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24294794A JP3327701B2 (ja) 1994-10-06 1994-10-06 導電体の疵検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08105860A JPH08105860A (ja) 1996-04-23
JP3327701B2 true JP3327701B2 (ja) 2002-09-24

Family

ID=17096597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24294794A Expired - Fee Related JP3327701B2 (ja) 1994-10-06 1994-10-06 導電体の疵検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3327701B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3243402B2 (ja) * 1995-11-02 2002-01-07 新日本製鐵株式会社 導電体の疵検出装置
JP3255834B2 (ja) * 1995-11-06 2002-02-12 新日本製鐵株式会社 導電体の疵検出装置
JP4039578B2 (ja) * 2002-04-26 2008-01-30 株式会社アヅマシステムズ 磁気プローブ
WO2004094939A1 (ja) * 2003-04-22 2004-11-04 Azuma Systems Co., Ltd 磁気プローブ
JP5403828B2 (ja) * 2011-03-22 2014-01-29 電子磁気工業株式会社 被検査体の磁化装置、磁粉探傷装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS626162A (ja) * 1985-07-03 1987-01-13 Nippon Steel Corp 渦流探傷方法
JPS626163A (ja) * 1985-07-03 1987-01-13 Nippon Steel Corp 回転磁界型渦流探傷方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08105860A (ja) 1996-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4602212A (en) Method and apparatus including a flux leakage and eddy current sensor for detecting surface flaws in metal products
US4303883A (en) Apparatus for detecting the center of a welded seam in accordance with fundamental harmonic component suppression
JP5201495B2 (ja) 磁気探傷方法及び磁気探傷装置
US3268805A (en) Seam tracking and flaw detection
US4477776A (en) Apparatus and process for flux leakage testing using transverse and vectored magnetization
US4818935A (en) Method and apparatus for non-destructively detecting defects in metal materials by using rotating magnetic fields generated by multiphase ac current
JP3327701B2 (ja) 導電体の疵検出装置
KR840001338A (ko) 통전되는 회전부재에서 이상검출을 위한 방법 및 그 장치
JP3255834B2 (ja) 導電体の疵検出装置
JP3243402B2 (ja) 導電体の疵検出装置
JPH10288603A (ja) 鋼材の表面疵検出方法
JPS62145162A (ja) 分割型回転磁界渦流探傷装置
US4835470A (en) Magnetizer having a main electromagnet and leakage flux reducing auxiliary electromagnets for magnetographic inspection
JP2004354282A (ja) 漏洩磁束探傷装置
JP2803917B2 (ja) 鋼板の磁気異方性検出方法
JPS626163A (ja) 回転磁界型渦流探傷方法
Garcia et al. Impact of saturation, current command selection, and leakage flux on the performance of sensorless-controlled three-pole active magnetic bearings
JPH061262B2 (ja) 渦流探傷装置
JPS62172258A (ja) 漏洩磁束探傷装置
RU2159946C2 (ru) Конвейерный металлоискатель
JP2697467B2 (ja) 漏洩磁束探傷法
JP2009287981A (ja) 渦電流探傷装置と渦電流探傷方法
RU2206951C1 (ru) Датчик для контроля изоляции листов шихтованных сердечников электрических машин
JPH05203629A (ja) 電磁気探傷方法およびその装置
JPS63235854A (ja) 探傷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020618

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees