JP3327431B2 - 電動機 - Google Patents

電動機

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JP3327431B2
JP3327431B2 JP20655894A JP20655894A JP3327431B2 JP 3327431 B2 JP3327431 B2 JP 3327431B2 JP 20655894 A JP20655894 A JP 20655894A JP 20655894 A JP20655894 A JP 20655894A JP 3327431 B2 JP3327431 B2 JP 3327431B2
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動機、特に電動機の有
する改良されたステータ及びロータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図17に突極型の2極ロータ128をも
つ従来の同期電動機の断面図を示す。ステータ126
は、36個の巻き線用スロット127をもち、図18の
巻き線図に示す2極3相交流巻き線を持っている。これ
らにより形成される電動機は、ケース125に収納され
る。
【0003】この電動機の動作は、3相交流巻き線が任
意の回転位置へ起磁力を発生できることを利用して、ロ
ータの回転させたい回転位置へ前記起磁力を発生させる
事により所望の回転トルクを得るものである。
【0004】この電動機の駆動方法は、ロータ回転位置
検出手段を設け、図17に示したロータ回転角ARを認
識し、所望のトルクが発生するように適切な3相電流を
制御してトルクを得、速度制御、位置制御などを行う。
【0005】また他の方法としては、動かしたい位置へ
3相交流巻き線により起磁力を発生し、ロータをその所
望の回転位置へ動かし、その動作を連続させる事により
オープンループ制御で位置検出することなく速度制御、
位置制御を行うこともできる。
【0006】図19は従来のリラクタンスモータであ
る。ロータ122は、4個の突極124を持つ。ステー
タ121は、6個の突極129A,129B,129
C,129D,129E,129Fと各突極にそれぞれ
巻回された巻き線123とを持っている。突極129A
と129Dにそれぞれ巻回された各巻き線は、直列に巻
かれていて、AD相巻き線である。突極129Bと12
9Eにそれぞれ巻回された各巻き線は、直列に巻かれて
いて、BE相巻き線である。突極129Cと129Fに
それぞれ巻回された各巻き線は、直列に巻かれていて、
CF相巻き線である。
【0007】この電動機の動作は、AD,BE,CFの
各3相巻き線にロータ122の突極を磁気的に吸引する
方向に順次通電する事によりリラクタンス力を得、回転
トルクを得る。この電動機の駆動方法、応用方法は前述
の同期電動機と類似している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図17
に示した同期電動機においては、磁極の両端を使えなく
界磁面積が小さくなるので、誘導電動機に比較し同一値
の電流を流したときの発生トルクが小さくなるという課
題と界磁磁束の存在自由度が高いため大きなピークトル
クを得にくいという課題とがある。
【0009】図19に示したリラクタンスモータにおい
ては、ステータとロータの両方が回転方向に磁気的に不
連続であるため、トルクリップルが大きく発生するとい
う課題がある。
【0010】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、小型であっても
大きなトルクを発生でき、トルクリップルが小さい電動
機を提供することにある。
【0011】また、高い回転数では、いわゆる界磁弱め
制御も可能な電動機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る電動機は、径方向の磁気抵抗が大き
い部分と小さい部分とが全周でm個存在するステータ
と、ステータのロータ対向面に設けられ、回転トルクを
減ずるように作用する磁束を回転トルクの減少がより少
ない磁路へ誘導する補助手段と、補助手段が存在するス
テータ円周方向の角度幅を除いたステータの磁気抵抗が
小さい部分と対向する位置に配設され、径方向の磁気抵
抗が大きい部分と小さい部分とが全周でn(|m−n|
=K、Kは1以上の整数)個有するロータと、ステータ
の磁気抵抗が小さい部分を2箇所以上含んで巻回され、
K組の多相交流巻き線であるステータ巻き線とを備え、
補助手段は、駆動方向と反対方向に働く磁束を誘導する
バイパス磁路と磁束誘導巻き線を有することを特徴とす
る。
【0013】また、他の発明に係る電動機は、径方向の
磁気抵抗が大きい部分と小さい部分とが全周でm個有す
るステータと、径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい
部分とが全周でn(|m−n|=K、Kは1以上の整
数)個有するロータと、ステータのロータ軸が延びた方
向側面に配設され、回転トルクを減ずるように作用する
磁束を回転トルクの減少がより少ない磁路へ誘導する補
助手段と、ステータの磁気抵抗が小さい部分を2箇所以
上含んで巻回され、K組の多相交流巻き線であるステー
タ巻き線とを有し、補助手段は、駆動方向と反対方向に
働く磁束を誘導するバイパス磁路と磁束誘導巻き線を備
えることを特徴とする。
【0014】また、他の発明に係る電動機は、径方向の
磁気抵抗が大きい部分と小さい部分とが全周でm個有す
るステータと、径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい
部分とが全周でn(|m−n|=K、Kは2以上の整
数)個有するロータとを備え、ステータの巻き線は、ス
テータの磁気抵抗が小さい部分を2箇所以上含んで巻回
された5相以上の多相巻き線であって、各相の巻き線の
コイルピッチを電気角で180度より小さくしたことを
特徴とする。
【0015】
【0016】
【0017】また、電動機の全周において、ステータと
ロータとを通じる磁気抵抗の大きい部分の幅が磁気抵抗
の小さな部分の幅より大きいことを特徴とする。
【0018】
【0019】
【作用】本発明によれば、m,nは十分大きな値とし、
|m−n|を1もしくは2と小さな値とすることによ
り、ステータの突極とロータの突極の相対位置関係が少
しづつずれた複数のトルク発生機構を作り出し、電動機
出力トルクをその各発生トルクの総和とする事によりど
の回転角においてもトルクリップルを小さくすることが
できる。
【0020】
【0021】また、補助巻き線によりさらにトルク出力
の増大を図ることができる。
【0022】さらに、ステータとロータとの各突極の幅
を小さくすることにより、またステータ巻き線が発生す
る起磁力の回転角度を制御する事により、ステータとロ
ータとの鎖交磁束の量を制限できるようになり、高速回
転運転中の電動機の内部磁気エネルギの低減即ち電動機
駆動装置側からみた無効電力の低減を可能とし、力率の
改善を可能とした。また、本発明によれば、各巻き線の
鎖交磁束の量を制御できるのであるから高速回転におけ
るいわゆる界磁弱め制御、即ち、定パワー制御を実現す
ることができる。更に、ステータ巻き線の起磁力を制限
することなく、ステータとロータとの鎖交磁束の量を制
限できるようになるのであるから、その状態でさらに大
きな電流も流すことができ、高速回転の界磁弱め領域に
おいても大きなピークトルク出力を可能とした。
【0023】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明に係る電動機の
好適な実施例について説明する。本発明に係る一実施例
である電動機の断面図を図1に示す。この電動機のステ
ータ51は、磁気抵抗が大きい部分である凹部と磁気抵
抗が小さな部分である突部とを存在させるためにm個、
本実施例においては電動機巻き線配設用スロット53を
形作る歯52を兼ねた突部を36個持っており、各スロ
ット53には磁気抵抗の小さい部分を2箇所以上含んで
ステータ巻き線を巻回されている。これは、図18に示
す通常の交流回転機と同じ2極3相交流巻き線が巻回さ
れている。なお、図1における各スロット53に付され
たスロット番号と図18に示した電動機巻き線の数字と
は対応した数字であり、いずれかのスロットに巻き回さ
れた電動機巻き線を巻き線Nとして表すことにする。ロ
ータ54は、磁気抵抗が大きい部分と磁気抵抗が小さな
部分とを存在させるためにn個、本実施例においては突
部55を35個持っている。このように、ステータ51
とロータ54の突部は、|m−n|=1の関係を有して
いる。従って、ステータ51の突部とロータ54の突部
55とが互いに対向して磁気抵抗が小さくなる場所はロ
ータ54が35分の1回転すると1周して元に戻る関係
となっている。一方、ロータ54とステータ51間の磁
気抵抗が最小に小さくなっている場所の反対側即ち18
0度ずれた角度ではステータ51とロータ54間の磁気
抵抗は最大に大きくなる関係になっている。本実施例に
おける電動機は、このような形状のステータ51及びロ
ータ54の電磁鋼板が軸方向に積層されて構成されてい
る。勿論、電磁鋼板以外の磁性材料で同様の磁気回路を
構成しても同様の電磁気的動作を得る事ができる。これ
以降に示す各実施例においても同様とする。
【0024】次に図1の電動機の動作について説明す
る。
【0025】この電動機の各スロット53には図18に
示す2極3相交流巻き線が巻回されていて、これらのス
テータ巻き線、すなわち電動機巻き線へパワートランジ
スタなどにより制御して適切な3相交流電流を流す事に
より、任意のステータ角度にほぼ正弦波状の起磁力を発
生する事ができることは良く知られている。
【0026】今、例えば図1において、電動機巻き線へ
電流を流した場合の動作について説明する。簡略化のた
めに特定スロットに電流を流した場合について考えてみ
る。
【0027】巻き線3から巻き線3と対称の位置にある
巻き線21へ電流を流すと図1の右側から左側に向かっ
て起磁力が発生する。しかし、この状態ではステータ5
1とロータ54の磁気抵抗の関係は左右対象になってい
るので回転力は発生しない。巻き線7から巻き線7と対
称の位置にある巻き線25へ電流を流すと図1の右下側
から左上側に向かって起磁力が発生する。この状態では
ステータ51とロータ54の磁気抵抗の関係はアンバラ
ンスであり、右下側の磁気抵抗が左上側の磁気抵抗より
相対的に小さくなっており、起磁力が働いている方向の
全磁路の磁気抵抗が小さくなるように反時計方向の回転
力が発生する。この回転力について図2で説明する。
【0028】図2には、電動機の要部が示され、ステー
タ60の一部、ロータの突部61及び電動機巻き線6
2、63がそれぞれ示されている。電動機巻き線62か
ら電動機巻き線63へ電流CTを流すとステータとロー
タ間に起磁力が発生し、磁束FLが発生し、回転力F1
が発生する。これらの各物理量について分析する。
【0029】前提条件として、磁束FLはステータ、ロ
ータ間のエアギャップが十分小さく、ステータの突部と
ロータの突部とが対向している部分のみに磁束が存在す
ると仮定して数値的な取扱いを行う。また、起磁力Hと
磁束密度BBとは図3に示したような関係で、電流CT
により磁気飽和しない線形な範囲で動作させるものと仮
定する。通常、磁気抵抗はエアギャップ部が支配的であ
り、この例においては全て磁気抵抗はエアギャップ部で
発生するものとする。また、電動機巻き線62、63は
1ターンとし、ステータ、ロータの軸方向の長さをLと
する。
【0030】回転方向に働く力即ち回転力の他にラジア
ル方向に働く力も存在するが、ラジアル方向に働く力は
電動機の軸受けで支えられ、あるいは電動機の他の部分
のラジアル方向の力とキャンセルされる関係であること
からラジアル方向への変位は無いので数値計算上は無視
することにする。従って、ラジアル方向への仕事量は零
である。
【0031】今、電動機巻き線62、63へ定電流CT
が流されており、時間△t間にロータが△Xの距離をF
1の方向へ動いたと仮定する。この時の注入電力EIN
は、
【数1】 EIN=V・I・△t =△FL/△t・CT・△t =BB・△X・L・CT ・・(1) となる。
【0032】起磁力CT、エアギャップ長LG、面積S
S、磁束密度BB、透磁率MY(4π×10-7H/
m)、磁気抵抗MRとの関係は、次の通りである。
【0033】
【数2】 MR≒LG/(MY・SS) ・・(2)
【数3】 FL=BB・SS=CT/MR ≒CT・MY・SS/LG ∴BB≒CT・MY/LG EIN=BB・△X・L・CT ≒△X・L・CT2 ・MY/LG ・・(3) また一方、電動機の内部磁気エネルギE1と微小変化△
X移動後の内部磁気エネルギE2は、磁気エネルギが図
3のBB−H特性の左側の面積である事から次のように
なる。
【0034】
【数4】 E2−E1=1/2・△FL・CT =1/2・BB・△X・L・CT ・・(4) 微小変化△Xの前後のエネルギ関係は、機械的出力エネ
ルギをEOとすると次のようになる。
【0035】
【数5】 EIN+E1=EO+E2 ∴EO=EIN+E1−E2 =BB・△X・L・CT−1/2・BB・△X・L・CT =1/2・BB・△X・L・CT =1/2EIN ・・(5) 電動機の回転力F1は機械的出力エネルギEOとの関
係、式(3)、(5)より次のようになる。
【0036】
【数6】 F1=EO/△X =1/2・BB・△X・L・CT/△X =1/2・BB・L・CT =1/2・L・CT2 ・MY/LG ・・(6) このように、電動機の回転力を電流値CTと電動機の各
サイズL,LGで表す事ができる。
【0037】結論としては回転力は電動機の長さL,電
流の二乗CT2 に比例し、エアギャップ長LGに反比例
する事になる。また、注入エネルギEINの半分は磁気
エネルギとなり、残り半分が機械的出力EOとなってい
る。
【0038】以上の論理は、図3に示す電磁気関係にお
いて、磁気飽和しない部分で動作させる事を前提に考え
てきたが、次に磁気飽和する場合について考えてみる。
注入電力EINは次のようになる。
【0039】
【数7】 EIN=V・I・△t =△FL/△t・CT・△t =B0 ・△X・L・CT ・・(7) 磁気飽和しても電流CTに比例した電力注入が行われる
事になる。磁気飽和する様な起磁力、即ち、電流値をC
T0 とする。内部磁気エネルギE1,E2は次のように
なる。
【0040】
【数8】 E2−E1=1/2・△FL・CT0 =1/2・B0 ・△X・L・CT0 ・・(8) 回転力F1は、次のようになる。
【0041】
【数9】 F1=EO/△X =(EIN+E1−E2)/△X =(B0 ・△X・L・CT−1/2・B0 ・△X・L・CT0 )/△X =B0 ・L・CT−1/2・B0 ・L・CT0 ・・(9) 今、例えば、磁気飽和する起磁力の3倍の電流CT=3
・CT0 を流したとすると、回転力F1は次のようにな
る。
【0042】
【数10】 F1=B0 ・L・3・CT0 −1/2・B0 ・L・CT0 =5/2・B0 ・L・CT0 ・・(10) この場合、注入電力の5/6が回転エネルギに変換さ
れ、内部磁気エネルギへ変換されたエネルギは注入電力
のわずか1/6である事が解る。即ち力率良く運転する
ためには磁気飽和領域で運転すれば良い事になる。
【0043】また、直流電動機、永久磁石型同期電動機
等の電動機では、フレミング左手則により、回転力FF
は式(11)であることは良く知られている。
【0044】ここで、平均磁束密度BBは、通常の電動
機設計ではスロット部と歯の部分とが50%ずつにある
と仮定すると、飽和磁束密度B0 の約半分の値となると
仮定している。
【0045】
【数11】 FF=2・BB・L・CT =B0 ・L・CT ・・(11) 式(10)と式(11)を比較すると、図2の回転力F
1は磁束の飽和領域で使用すれば界磁磁束を他の手段で
生成する直流電動機等の従来の電動機の回転力FFに近
づくことが示唆されている。
【0046】ここで、図2において、電動機の回転力F
1とステータの突部の幅、ロータの突部の幅、及びステ
ータの突部とロータの突部とが対向している部分の幅X
とは関係がない事も明らかになった。
【0047】図4は図2と比較し、ほぼ同じスペースに
2組の突部をもたせている。したがって図2において電
動機巻き線62、63に流した電流CTを図4の電動機
巻き線66、67に流し、さらに直列に電動機巻き線6
8、69に流せば発生する回転力F2は、式(6)、式
(10)で示される回転力F1の2倍の回転力となる。
【0048】また、電動機巻き線67、68に流される
電流は、同じ値で逆向きの電流であるから起磁力がキャ
ンセルし合っている。即ち電動機巻き線66から電動機
巻き線69へ電流CTを流した場合と等価であり、電動
機巻き線67、68を除去する事ができる。結果とし
て、電動機巻き線の長さは、コイルエンド部がわずかに
長くなるだけで、2倍の回転力F2が得られた事にな
る。
【0049】さらに、電動機巻き線の長さをほとんど変
えずにステータ、ロータの突部の数をNN倍に増加する
ことにより、同じスペースで回転力をNN倍に増加でき
ることを示唆している。電動機のコイルエンドが少し長
くなることはその分だけ銅損も増加するが、電動機全体
の損失、効率としては小さな問題である。
【0050】次に、電動機の銅損に関し、コイルエンド
の長さと電動機効率との関係を考えてみる。
【0051】図5において、70はロータ、71は電動
機巻き線、LCEはコイルエンドの長さ、LLはロータ
の有効長である。電動機の形状は、細長い形状から太く
短い電動機まで種々形状の電動機が使われている。今ロ
ータ径一定として考えた場合、コイルエンド長LCEに
比較しロータ有効長LLを十分大きな値とすればコイル
エンドの銅損は相対的に小さな値となり無視できる。
【0052】電動機の基本性能として[回転トルク/単
位体積]ということについて考える。論理の簡略化のた
めに電動機内部の磁気エネルギの変化分E1−E2につ
いては無視することにする。一般例として図5の様な電
動機形状を想定すると、[回転トルク/単位体積]は一
定電流を電動機巻き線71に流した状態でいかに大きな
回転力FFを得るかという問題に置き換える事ができ
る。回転力FFは、式(1)より次のように表すことが
できる。
【0053】
【数12】 FF≒EIN/△X =CT・△FL/△X ≒CT・dFL/dX ・・(12) 直流電動機、永久磁石型同期電動機等の電動機では、フ
レミング左手則により回転力FFは式(11)よりFF
=2・BB・L・CTであり、
【数13】 dFL/dX=2・BB・LL ・・(13) となる。これはロータ70の回転と同期して磁束密度B
Bの磁束が電動機巻き線を横切る関係である事を示して
いる。
【0054】本発明は式(13)で示されるdFL/d
Xより大きな値を得、かつ、トルクリップルが小さく、
高速回転も可能な電動機を提案するものである。従っ
て、式(12)が示すように大きな電力注入が大きな回
転力FFになり、そのためには大きなdFL/dXが得
られるように電動機巻き線へ電流を流せば良く、必ずし
も磁束FLもしくは磁束密度BBが大きな値である必要
はない。この具体的事例を既に図2と図4の比較におい
て示した。
【0055】図4において、電動機巻き線67、68を
除去し電動機巻き線66、69へ電流CTを十分磁気飽
和するように流した時、そのdFL/dXは式(13)
の2倍の値となり、従来の直流電動機等が発生する回転
力FFの2倍の値となる。
【0056】以上のような基礎技術に基づいて、図1に
示した本実施例における電動機の動作について説明す
る。
【0057】今、例えば巻き線3から巻き線21へ電流
CTを流すと左側半分はロータ54の突部55の数が3
5なので、図2、図4で説明したように式(6)あるい
は式(9)の関係より、左側半分のロータ54の突部5
5へは35/2倍に近い回転力FCが発生している。但
し、この時同時に電動機の右側半分は、全く逆の動作を
行い、反時計方向の回転力FCCが発生しており、電動
機の右側半分と左側半分とがキャンセルし合い、合計の
回転力は零となっている。この電動機の左右がバランス
しているわけである。しかし、この電動機の部分的な回
転力は従来電動機に比較し強大なものであることは事実
である。この電動機の駆動方法は、既に紹介したよう
に、上記磁気的バランスを崩せば良い事になる。
【0058】この電動機の具体的駆動方法の一つは、図
18に示す2極3相交流巻き線を巻回し、適切な角度に
起磁力を生成する方法である。3相電流を通電すれば起
磁力が発生し、磁気抵抗の小さくなる回転方向へ回転力
FFが発生することになる。3相交流電流による起磁力
分布は正弦波状であり、発生回転力FFは少し複雑な関
係となる。
【0059】今、例えば簡単な例として、巻き線7から
巻き線25へ電流を流すと図1の右下側から左上側に向
かって起磁力が発生する。この状態ではステータ51と
ロータ54の磁気抵抗の関係はアンバランスであり、右
下側の磁気抵抗が左上側の磁気抵抗より相対的に小さく
なっており、起磁力が働いている方向の全磁路の磁気抵
抗が小さくなるように反時計方向の回転力が発生する。
右下側の磁束密度が左上側の磁束密度より大きく、右下
側の回転力FCCが左上側の回転力FCより大きいとい
うことも言える。正確には、対向するステータ51の突
部とロータ54の突部55とに印加される起磁力を求
め、式(6)あるいは式(9)に従って回転力を求め、
電動機全周について累積する必要がある。
【0060】このように、ステータ51の突部とロータ
54の突部55の個数をわずかに異なるようにすること
でステータ51の突部とロータ54の突部55との相対
関係が少しずつずれて存在するので、それぞれの発生ト
ルクを合計した電動機出力トルクのトルクリップルが小
さいという特徴がある。ステータ51の突部とロータ5
4の突部55とのわずかな差は、前述したような|m−
n|=1かあるいは|m−n|=2程度である。いずれ
にしても、電動機の右側半分は反時計方向の回転力FC
Cを発生し、左側半分は時計方向の回転力FCを発生す
る。また、ステータ51の突部とロータ54の突部55
との相対的位置関係はバーニア構造となっているため、
ロータ54が1回転する間に35回転する関係となる。
【0061】従って、この電動機の駆動周波数は、ある
回転速度での駆動周波数を比較すると、例えば2極永久
磁石型同期電動機を駆動する3相交流周波数の35倍の
周波数で駆動する事になる。
【0062】以上の説明は、m=36,n=35の場合
で、m>nの場合であり、図1のように上側でステータ
の突部とロータの突部が一致している場合を想定する
と、各部で発生する回転力の方向は図1に示すFC,F
CCの方向となる。また、ロータの回転方向と3相交流
電流の位相回転方向とは逆方向となる。
【0063】一方、m=36,n=37でm<nの場合
は、図1のように上側でステータの突部とロータの突部
が一致している場合を想定すると、各部で発生する回転
力の方向は図1に比較しFC,FCCの方向が逆の方向
となる。また、ロータの回転方向と3相交流電流の位相
回転方向とは同じ方向となる。
【0064】図1に示した電動機の他の巻き線構成例と
して、2極の多相交流ステータ巻き線、例えば図6に示
したような5相の電動機巻き線を配設する場合について
説明する。
【0065】図6では簡略化のため集中巻きで示してい
るが、全周に5相の電動機巻き線を巻回し、順次各相の
電流を通電する事により式(6)、式(9)等で表され
る回転力を任意に得るものである。またこの時、駆動し
たい方向へ回転力を発生する部分のみで磁束がループす
るようにし、駆動したい方向と反対方向へ回転力を発生
する部分では磁束密度が小さくなるように各電動機巻き
線の電流を制御すれば効率よく大きな回転力を得る事が
できる。即ち、例えば図1の状態において時計方向に駆
動したい場合、電動機に左側半分で磁束がループし、右
側半分ではほとんど磁束が存在しないようにすれば良
い。
【0066】具体的な例としては、巻き線の相数を大き
くしコイルピッチを電気角で180度より小さくし、電
動機全周の一部の巻き線にだけ適宜電流を流し必要な起
磁力だけを発生させるようにすれば、有効な回転トルク
だけを発生させ効率よく回転トルクを得ることができ
る。
【0067】この他にも各種の多相の電動機巻き線、変
形した電動機巻き線が可能である。例えば、良く用いら
れる手法としては起磁力の高調波を減少させる目的で単
節、分布巻きがあるが、同様の目的で、部分的な電動機
巻き線を追加あるいは削除する方法などもある。
【0068】図7は、本発明に係る他の実施例を示した
図であり、図1のステータ構造を変形した図である。図
7には、実際にはその要部のみが示されており、本実施
例における電動機は、図1の3スロット分の電動機巻き
線が集中的に巻回されているスロット56と、ステータ
の磁気的な抵抗部を作るための凹部57と、を有してい
る。このような構造とする事により電動機巻き線の簡略
化を図ることができる。その反面、欠点としては、起磁
力分布が正弦波から次第に外れ、高調波を多く含むよう
になる傾向がある。
【0069】なお、本実施例における電動機の構造は、
磁気抵抗が大きい部分と磁気抵抗が小さな部分とがステ
ータ及びロータにそれぞれm個、n個存在すればよく、
必ずしもステータ及びロータに幾何学的凹凸部を持たせ
る必要はない。例えば図8に示した空隙部73のよう
に、ロータの外周は円形で、内部構造を工夫する事によ
り磁気抵抗を作るなどの種々変形が可能である。
【0070】但し、図1に示した電動機において注意す
べきこともある。それは、磁気回路の機磁力に対し磁気
回路が不平衡なのでロータの軸方向に起磁力が発生する
事になり、モータ構成上ロータ軸磁束は有害な場合もあ
る。従って、ロータ軸からの漏れ磁束が問題となる場合
は、ロータの軸あるいはモータ前後のフランジあるいは
モータのケースなどを非磁性体とすること等により軸方
向の磁気抵抗を大きくしておく必要がある。
【0071】回転トルクのアンバランス及びラジアル方
向の磁気的吸引力のアンバランスについては、通常の回
転機において例えば2極電動機を4極電動機と同様に、
全周即ち機械的な360度に図1に示した電動機の電気
角的かつ機械角的に360度の構成要素を複数、例えば
2組組み込む事により、即ち、機械角180度の間に図
1の電動機を回転方向に圧縮して配置することにより解
消する事ができる。
【0072】このような多極化は、一電動機巻き線当た
りの鎖交磁束の回転角度変化率を下げるものの、コイル
エンドの長さを短くする事ができ、特にモータの長さが
短い場合はコイルエンド部の銅損を減少させる事ができ
る事になり、その意味でモータ効率を向上させる効果が
ある。また、この多極化は、ステータヨーク部の厚みを
低減させる効果もある。
【0073】図9に本発明に係る他の実施例を示す。こ
の実施例は、高速回転においても回転容易でかつ大きな
回転トルクを発生可能とするものである。図1に示した
電動機のステータ及びロータの磁気抵抗の小さい突部と
磁気抵抗の大きい凹部との合計した幅の比がほぼ1:1
であったのに対し、図9に示した本実施例においては、
電動機の突部と凹部との比を、突部の比が小さくなるよ
うにして磁気抵抗を大きくしている。すなわち、磁気抵
抗の大きい部分の幅が磁気抵抗の小さな部分の幅より大
きくすることを特徴としている。この結果、図9におい
て下部の方はある範囲においてステータの突部とロータ
の突部とが対向しておらず、磁気抵抗が非常に大きくな
っている。
【0074】このような状態で例えば巻き線10、28
に電流を流し右下から左上の方向に起磁力を発生させた
場合、起磁力を小さくすることなく即ち通電電流を小さ
くすることなくその位相制御により、磁束の総通路幅を
非常に小さくする事ができ、磁束の大きさを小さくする
事ができる。このように電流位相を、起磁力がより下部
側から上部側に働くようにシフトすると、発生磁束を小
さくする事ができ、各電動機巻き線に回転時に発生する
逆誘起電圧を小さな値とする事ができる。
【0075】従って、直流電動機におけるいわゆる界磁
弱めによる高速回転と同等の動作が可能となる。またこ
のような高速回転時においても通電電流CTを大きく流
す事が可能なので大きなトルク発生も可能である。
【0076】次に、回転力をさらに増加させる技術につ
いて説明する。
【0077】定性的には、磁束をバイパスする磁気回路
を付加する事によって、駆動したい方向と反対の方向の
回転力を発生する磁束を減少させ、電動機内部で発生し
ている回転力をより有効に活用するものである。既に説
明したように、例えば、巻き線7から巻き線25へ電流
を流すと図1の右下側から左上側に向かって起磁力が発
生する。この時各部の磁束密度の差により反時計方向回
転力FCCの方が時計方向回転力FCより大きいためそ
の差分の回転力を得る事ができる。
【0078】しかし、この時、駆動したい方向の反対方
向の回転力FCを小さくする事ができれば、電動機の回
転力、出力はさらに大きな値となる。
【0079】この実施例について、図10を用いて具体
的に説明する。図1に比較し巻き線1、6、7、12、
13、18、19、24、25、30、31、36が6
相の巻き線A1、A2、B1、B2、C1、C2、D
1、D2、E1、E2、F1、F2にそれぞれ置き換わ
っている。この6相の電動機巻き線は例えば図6の5相
巻き線図を6相にしたようなものである。図11に各電
動機巻き線が発生する起磁力、磁束の関係を、図10を
簡略化しイメージ的に示す。
【0080】例えば、巻き線8から巻き線26へ流れる
電流は、起磁力78、79を発生する。今、追加した巻
き線A2、A1へ電流を流すと起磁力80、81、82
を発生する。起磁力81は起磁力78を助長し、起磁力
79とキャンセルする関係となる。そして、起磁力7
8、81で励起された磁束は、起磁力80の方向へ誘導
される。起磁力80の方向へ発生する磁束は、図10に
示したロータ回転位置では左右対象となっており、電動
機の回転力を発生しない。結果として、起磁力79によ
り励起されていた磁束は減少し、時計方向の回転力も減
少し、電動機の反時計方向の総合計回転力は増加する事
になる。
【0081】図10に示した実施例は、図1と比較する
と、一部のスロットの電動機巻き線を除去し磁束誘導巻
き線A1〜F2を配設するようにしたが、図1の各スロ
ット電動機巻き線に重畳するなど種々の変形が可能であ
る。
【0082】図12に本発明の他の実施例を示す。ステ
ータ95は、図1の電動機に相当する駆動部を2組、磁
束をバイパスする磁路を2組備えている。ステータ95
の右側部には12個の突部102を持ち、この機械角で
約130度の部分が電気角的には360度の機能を果た
すように3相交流巻き線が配設されている。この12個
の突部102に対向するロータ84の突部の数は11個
である。更に、回転トルクを減ずるように作用する磁束
を回転トルクの減少がより少ない磁路へ誘導する補助手
段として、駆動方向と反対の方向に働く磁束を誘導する
バイパス磁路96と磁束誘導巻き線97、98とを有
し、それと対称の位置には、同様にバイパス磁路99と
磁束誘導巻き線100、101とを有する。
【0083】一方、図12に示した電動機の左側約13
0度の部分は右側と対象な構造となっている。即ち、ス
テータの左側部にも図1に相当する12個の突部103
を持ち、この機械角で約130度の部分が電気角的には
360度の機能を果たすように3相交流巻き線が配設さ
れている。ステータ左側部の12個の突部103に対向
するロータ84の突部の数は11個である。
【0084】図12に示した電動機は、電動機中心に対
し点対称に構成されており、回転力を除く他の力は、ロ
ータ軸を中心としてキャンセルするように構成してい
る。磁束誘導巻き線97、98、100、101により
得られる起磁力は、図10に示した電動機と同様に回転
力を増す起磁力は助長し、回転力を妨げる起磁力はキャ
ンセルするように配置、通電できる構造となっている。
バイパス磁路96、99は、ロータ84がどの回転角に
あってもロータの3個の突極と対向する形状となってお
り、ロータ84とステータ95間の磁気抵抗の回転位置
依存性がないように作られているため、起磁力及び磁束
の有無に関わらずこの部分では回転力を発生しない。
【0085】次に、この電動機の具体的動作について説
明する。
【0086】この電動機には前述したように多相交流巻
き線が用いられているが、説明を簡略化するために特定
の電動機巻き線に電流が流れた場合の動作について考え
てみる。
【0087】図12の状態において反時計方向にロータ
84を回転させる場合、巻き線G1からG2へ電流を流
すことで起磁力104を得ることができ、反時計方向の
回転力を得る事ができる。しかし、同時に起磁力105
も発生するため時計方向の回転力も発生する。
【0088】この時、磁束誘導巻き線100から101
へ電流を流すと、106、107、108の方向へ起磁
力が発生することになるので、起磁力104を助長し、
起磁力105を減少させ、起磁力105の方向の磁束を
起磁力106の方向へ誘導する働きをなす。この結果、
反時計方向回転力は増加し、時計方向回転力は減少する
ので、右側半分の発生する回転力の合計としては反時計
方向回転力が発生する。
【0089】全く同様な動作が左側の巻き線H1,H2
および磁束誘導巻き線97、98でも行われ、電動機の
合計回転力としては右側半分で得られた回転力の2倍の
回転力を得る事ができる。巻き線H1,H2,97,9
8に流される電流による動作については説明を省略す
る。
【0090】今、駆動する回転方向に関係なく回転力を
発生する起磁力及び磁束は、ステータ95側からロータ
84側へ向かうように制御すると仮定すれば、磁束を誘
導するバイパス磁路96、99へは常にロータ84側か
らステータ95側へ起磁力及び磁束が向かうようにすれ
ば良い。従って、磁束誘導巻き線97、98、100、
101へは直流を流しておけば良いことになり、比較的
簡単な直流駆動回路で実現する事ができる。また、他の
方法として、他の巻き線へ流す3相交流電流をダイオー
ドで整流し巻き線97、98、100、101へ直列に
接続するなど、比較的負担の少ない回路での制御も可能
である。
【0091】具体的な例として、3相交流巻き線がスタ
ー結線する場合は各相の巻き線を結線する巻き線の中心
部へ3相全波整流回路を設け、3相各相の巻き線を3相
全波整流回路の交流端子に接続し、直流整流端子を前記
磁束誘導巻き線97、98、100、101へ接続し直
流電流を流すようにする方法もある。この場合は、前記
3相全波整流回路は電動機内部もしくは近傍へ配置し電
動機への配線を簡略化することができる。
【0092】ところで、図12に示す磁束のバイパス磁
路96、99は軸方向に作る事も可能である。その例を
図13及び図14に示す。
【0093】ステータ51の磁気的共通部からロータ5
4の磁気的共通部へ駆動方向と反対の方向に働く磁束を
誘導するバイパス磁路113とその磁束誘導巻き線83
とを設けるものである。この構成により図10の場合と
同じ効果を得ることができる。
【0094】なお、軸方向の磁束は軸方向の力を発生す
るが、この力は電動機の軸受けで支持され、回転力は発
生しない。あるいは、軸方向磁路を複数作り、それらの
軸方向の力が互いにキャンセルするように構成すること
も可能である。
【0095】また、図6に示したような多相の巻き線を
図12、図13、図14の電動機に適用し必要な部分の
みに起磁力を生成する場合は、バイパス磁路96、9
9、113が存在するだけで回転力を減少させる側の磁
気抵抗を減少させる効果があり、磁束誘導巻き線97、
98、100、101、83が無くてもそれなりの効果
を発揮する。
【0096】図15に本発明に係る他の実施例としてそ
の電動機の断面図を示す。
【0097】この電動機のステータ51は、図1で示し
たものと同様な構造である。ロータ115は、34個の
突部114を持っている。従って、ステータ51の突部
とロータ115の突部114とが互いに対向して磁気抵
抗が小さくなる場所は、ロータ115が1/34回転す
ると1/2回転するという関係となっている。ロータ1
15とステータ51間の磁気抵抗が小さくなっている場
所の90度ずれた角度ではステータ51とロータ115
間の磁気抵抗は大きくなる関係になっている。電動機各
部へロータ115とステータ51間に磁束が存在すると
仮定すると、ロータ115各部に発生する回転力は図1
5に示すように、時計方向回転力FC1、FC2及び反
時計方向回転力FCC1、FCC2となる。
【0098】今、例えば巻き線3から巻き線21へ電流
を流すと、各部分的回転力はキャンセルし合い総合計回
転力はほとんど零となる。巻き線9から巻き線27へ電
流を流すと、FC1、FC2に該当する部分へは大きな
起磁力が発生し、FCC1、FCC2に該当する部分へ
は小さな起磁力しか発生しないので、相対的に時計方向
の回転力が発生する事になる。
【0099】図15の電動機の巻き線としては、上記説
明のように図18の巻き線が可能である。また、図1に
示した電動機がそうであるように図6のような多相巻き
線として、必要な回転力が得られる部分の巻き線に通電
する事も勿論可能である。
【0100】また、図18のような相数の多い多相巻き
線にして、駆動方向に有利な部分のみに起磁力を発生さ
せる事により、より効率よい運転も可能である。同様
に、電動機内部で生成する磁束量が小さくなるように電
流位相を制御すれば、高速回転及び高速回転における大
トルク出力の実現も可能である。
【0101】図15に示した電動機は、図12に示した
電動機の変形例と同様に、多極化及び不要な磁束をバイ
パスする磁路等の補助手段の適用も可能であり、有効で
ある。
【0102】また、特に図示しないが、|m−n|=
k、m>k、n>kで、kは3以上の整数であるような
ステータとロータの構造で、多相の巻き線を配設し適宜
各相に電流を流すことにより、図1、図15の電動機と
同様な回転力を得る事ができる。この時各相電流の位相
回転速度はロータの回転速度のおおよそn/k倍とな
る。
【0103】また、この電動機においても、図12に示
した電動機の変形例と同様に、多極化及び不要な磁束を
バイパスする磁路等の補助手段の適用も可能であり、有
効である。
【0104】以上、本発明に係る電動機について多くの
実施例をあげて説明したが、各実施例の構成の一部が欠
落した構造においても類似の効果が得られ、本発明に含
むものである。例えば図16の電動機は、図1において
ステータの突部を半分除去したものである。動作原理は
図1の電動機とほぼ同じであり、磁路数は減りその分回
転トルクは減るが巻き線の配設スペースを増加でき、巻
き線数が減るので巻き線を簡素化できるという利点もあ
る。
【0105】このようにステータもしくはロータの突部
を部分的に除去し類似の効果を得る事ができ、いずれも
本発明に含むものである。
【0106】なお、ステータの突部の数m,ロータの突
部の数nの限界最大値は、ステータとロータとの磁気抵
抗の関係が本発明の主旨に沿う限界値でもあり、ステー
タとロータとのギャップ長とステータの突部の隣接間隔
及びロータの突部の隣接間隔とに関係した数となる。具
体的には、ロータ外周をギャップ長で割った値までの数
は取り得る。
【0107】また、ステータ及びロータの突極部形状に
ついても主に矩形形状の場合について説明したが、特に
矩形である必要はなく、またスキュー等の変形も可能で
ある。
【0108】また、電動機の複合化も可能であり、回転
方向の複合化即ち多極化については本実施例においても
触れたが、回転軸方向の複合化、径方向の複合化、それ
らのさらに複合化なども可能であり、本発明に含むもの
である。
【0109】また、本発明を複合して変形した例とし
て、ロータとステータとの突極部のピッチが互いに異な
る部分を複数組作り、所望トルクに応じて適宜該当する
巻き線へ通電する事により回転力を得る事も可能であ
る。
【0110】以上、説明した本発明電動機の主な磁束の
方向はラジアル方向であるが、磁束の方向がロータ回転
軸の方向であり、ステータとロータとがロータ回転軸方
向に対向している構造の電動機に変形することも可能で
ある。例えばいわゆるフラット型の電動機などである。
【0111】また、回転型の電動機について説明した
が、回転型だけでなく本発明を直線状に、あるいは曲線
状に展開したリニアモータ等も本発明に含むものであ
る。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、電動機の出力トルク
は、ステータの突極とロータの突極の相対位置関係が少
しづつずれた複数のトルク発生機構により得るのでトル
クリップルを小さくすることができる。
【0113】
【0114】また、磁束を誘導するバイパス磁路、磁束
誘導巻き線等の補助手段によりさらにトルク出力の増大
を図ることができる。
【0115】さらに、ステータとロータとの各突極の幅
を小さくすることにより、またステータ巻き線が発生す
る起磁力の回転角度を制御する事により次のような効
果、特徴をより顕著なものとした。
【0116】第一に、ステータとロータとの鎖交磁束の
量を制限できるようになり、高速回転運転中の電動機の
内部磁気エネルギの低減即ち電動機駆動装置側からみた
無効電力の低減を可能とし、力率の改善を可能とした。
【0117】第二に、各巻き線の鎖交磁束の量を制御で
きるのであるから高速回転における界磁弱め制御即ち定
パワー制御を実現できることも意味している。
【0118】そして、第三に、ステータ巻き線の起磁力
を制限することなく、ステータとロータとの鎖交磁束の
量を制限できるようになるのであるから、その状態でさ
らに大きな電流も流すことができ、高速回転の界磁弱め
領域においても大きなピークトルク出力を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動機の一実施例を示した断面図
である。
【図2】図1に示した電動機の回転力を説明するために
用いる図である。
【図3】起磁力と磁束密度との関係を示した図である。
【図4】図1に示した電動機の回転力を説明するために
用いる図である。
【図5】電動機の要部であり、コイルエンドの長さと電
動機効率との関係を説明するために用いる図である。
【図6】本発明に係る電動機の他の実施例において配設
される5相の電動機巻き線を示した図である。
【図7】本発明に係る電動機の他の実施例を説明するた
めにその要部を示した図である。
【図8】本発明に係る電動機の他の実施例を説明するた
めにその要部を示した図である。
【図9】本発明に係る電動機の他の実施例を示した断面
図である。
【図10】本発明に係る電動機の他の実施例を示した断
面図である。
【図11】図10に示した電動機において各電動機巻き
線が発生する起磁力、磁束の関係を示した図である。
【図12】本発明に係る電動機の他の実施例を示した断
面図である。
【図13】本発明に係る電動機の他の実施例を示した断
面図である。
【図14】図13に示した電動機の縦断面図である。
【図15】本発明に係る電動機の他の実施例を示した断
面図である。
【図16】本発明に係る電動機の他の実施例を示した断
面図である。
【図17】突極型の2極ロータをもつ従来の同期電動機
の断面図である。
【図18】電動機のステータに巻き回される2極3相交
流巻き線を示した図である。
【図19】従来のリラクタンスモータを示した図であ
る。
【符号の説明】
51、60、74、95 ステータ 52 歯 53、56 スロット 54、70、75、84、115 ロータ 55、61、114 ロータの突部 57 凹部 62、63、66、67、68、69、71 電動機巻
き線 73 空隙部 83、97、98、100、101 磁束誘導巻き線 96、99、113 バイパス磁路 102、103 ステータの突部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい
    部分とが全周でm個存在するステータと、ステータのロータ対向面に設けられ、回転トルクを減ず
    るように作用する磁束を回転トルクの減少がより少ない
    磁路へ誘導する補助手段と、 補助手段が存在するステータ円周方向の角度幅を除いた
    ステータの磁気抵抗が小さい部分と対向する位置に配設
    され、 径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい部分とが
    全周でn(|m−n|=K、Kは1以上の整数)個有す
    るロータと、ステータの磁気抵抗が小さい部分を2箇所以上含んで巻
    回され、K組の多相交流巻き線であるステータ巻き線
    と、 を備え、 補助手段は、駆動方向と反対方向に働く磁束を誘導する
    バイパス磁路と磁束誘導巻き線を有する ことを特徴とす
    る電動機。
  2. 【請求項2】 径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい
    部分とが全周でm個有するステータと、 径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい部分とが全周で
    n(|m−n|=K、Kは1以上の整数)個有するロー
    タと、 ステータのロータ軸が延びた方向側面に配設され、回転
    トルクを減ずるように作用する磁束を回転トルクの減少
    がより少ない磁路へ誘導する補助手段と、 ステータの磁気抵抗が小さい部分を2箇所以上含んで巻
    回され、K組の多相交流巻き線であるステータ巻き線
    と、 を有し、 補助手段は、駆動方向と反対方向に働く磁束を誘導する
    バイパス磁路と磁束誘導巻き線を備える ことを特徴とす
    る電動機。
  3. 【請求項3】 径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい
    部分とが全周でm個有するステータと、 径方向の磁気抵抗が大きい部分と小さい部分とが全周で
    n(|m−n|=K、Kは2以上の整数)個有するロー
    タと、 を備え、 ステータの巻き線は、ステータの磁気抵抗が小さい部分
    を2箇所以上含んで巻回された5相以上の多相巻き線で
    あって、各相の巻き線のコイルピッチを電気角で180
    度より小さくした ことを特徴とする電動機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の電動
    機において、 電動機の全周において、ステータとロータとを通じる磁
    気抵抗の大きい部分の幅が磁気抵抗の小さな部分の幅よ
    り大きいことを特徴とする電動機。
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