JP3326822B2 - 酸化物分散強化型合金を用いたハースロール - Google Patents
酸化物分散強化型合金を用いたハースロールInfo
- Publication number
- JP3326822B2 JP3326822B2 JP24526492A JP24526492A JP3326822B2 JP 3326822 B2 JP3326822 B2 JP 3326822B2 JP 24526492 A JP24526492 A JP 24526492A JP 24526492 A JP24526492 A JP 24526492A JP 3326822 B2 JP3326822 B2 JP 3326822B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hearth roll
- alloy
- less
- hearth
- oxide dispersion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば鉄鋼業におい
て、鋼片や線材を圧延などにそなえて加熱するための加
熱炉に使用するハースロールの改良に関する。
て、鋼片や線材を圧延などにそなえて加熱するための加
熱炉に使用するハースロールの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ハースロールの材料としては
耐熱鋳造合金、代表的にはNi基超合金が用いられてき
た。 ところが、加熱炉のソーキングゾーンにおいては
温度が1100〜1350℃に達するので、ハースロー
ルは変形や摩耗が激しく、寿命が短い。
耐熱鋳造合金、代表的にはNi基超合金が用いられてき
た。 ところが、加熱炉のソーキングゾーンにおいては
温度が1100〜1350℃に達するので、ハースロー
ルは変形や摩耗が激しく、寿命が短い。
【0003】この対策として、現状ではロールを水冷し
て寿命延長をはかっているが、水冷は加熱炉の構造を複
雑にして設備費を高くする上に燃料費を増加させ、かつ
加熱が不均一になるという問題を招く。
て寿命延長をはかっているが、水冷は加熱炉の構造を複
雑にして設備費を高くする上に燃料費を増加させ、かつ
加熱が不均一になるという問題を招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
超合金中に酸化物を分散させて強化する技術を利用し
て、耐熱変形性、耐摩耗性、耐衝撃性を加えて耐酸化性
にすぐれた加熱炉のハースロールを提供することにあ
る。
超合金中に酸化物を分散させて強化する技術を利用し
て、耐熱変形性、耐摩耗性、耐衝撃性を加えて耐酸化性
にすぐれた加熱炉のハースロールを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の加熱炉のハース
ロールは、耐熱ステンレス鋼製スタブシャフトにハース
ロール部材をとりつけてなる加熱炉のハースロールにお
いて、ハースロール部材の材料として、重量で20〜4
0%のCr、5%以下のFe、5%以下のAlおよび5
%以下のTiを含有し、残部が実質的にNiからなる合
金のオーステナイトマトリクス中に微細な高融点金属酸
化物を0.1〜2%分散させた酸化物分散強化型合金を
使用したことを特徴とする。
ロールは、耐熱ステンレス鋼製スタブシャフトにハース
ロール部材をとりつけてなる加熱炉のハースロールにお
いて、ハースロール部材の材料として、重量で20〜4
0%のCr、5%以下のFe、5%以下のAlおよび5
%以下のTiを含有し、残部が実質的にNiからなる合
金のオーステナイトマトリクス中に微細な高融点金属酸
化物を0.1〜2%分散させた酸化物分散強化型合金を
使用したことを特徴とする。
【0006】高融点金属酸化物としては、Y2O3,Zr
O2,Al2O3,Ce2O3,Gd2O3,Sc2O3および
Eu2O3からえらんだ1種または2種以上を使用すると
よい。 上記のハースロール部材を製造するには、上記
の合金組成を与える金属または合金に、イットリアY2
O3などの高融点金属酸化物を混合し、混合物をメカニ
カル・アロイイング法により処理して、得られた合金粉
末を熱間で加工して所望のロール部材形状を与えればよ
い。
O2,Al2O3,Ce2O3,Gd2O3,Sc2O3および
Eu2O3からえらんだ1種または2種以上を使用すると
よい。 上記のハースロール部材を製造するには、上記
の合金組成を与える金属または合金に、イットリアY2
O3などの高融点金属酸化物を混合し、混合物をメカニ
カル・アロイイング法により処理して、得られた合金粉
末を熱間で加工して所望のロール部材形状を与えればよ
い。
【0007】メカニカル・アロイイング法は、合金成分
となる純金属または合金の粒子と、高融点金属酸化物の
微結晶とを、ボールミルたとえば高運動エネルギー型ボ
ールミルに入れて、粉砕とそれに伴う溶接を繰り返し行
なうことによって、各成分の微細粉末の緊密で均一な混
合物からなる粒状の製品を得る技術である。 続く熱間
加工の技術としては、HIP(熱間静水圧プレス)、熱
間押出し、真空ホットプレスおよびそれらに鍛造を組み
合わせた方法がある。
となる純金属または合金の粒子と、高融点金属酸化物の
微結晶とを、ボールミルたとえば高運動エネルギー型ボ
ールミルに入れて、粉砕とそれに伴う溶接を繰り返し行
なうことによって、各成分の微細粉末の緊密で均一な混
合物からなる粒状の製品を得る技術である。 続く熱間
加工の技術としては、HIP(熱間静水圧プレス)、熱
間押出し、真空ホットプレスおよびそれらに鍛造を組み
合わせた方法がある。
【0008】
【作用】本発明のハースロールにおいて、ハースロール
部材の合金組成を前記のように決定した理由は、つぎの
とおりである。
部材の合金組成を前記のように決定した理由は、つぎの
とおりである。
【0009】Cr:20〜40% 高温における耐酸化性向上のために、少なくとも20%
含有させる必要がある。多すぎるとオーステナイト組織
が不安定になり、靭性の低下を招く。
含有させる必要がある。多すぎるとオーステナイト組織
が不安定になり、靭性の低下を招く。
【0010】Al:5%以下、Ti:5%以下 これらの金属は、合金の耐酸化性を高めるために加え
る。 多量の添加は融点を低下させるため、上記限度内
とする。
る。 多量の添加は融点を低下させるため、上記限度内
とする。
【0011】高融点金属酸化物:0.1〜2% いうまでもなく、Ni基地中に分散してその高温強度を
高める。 この効果は0.1%以上の添加で得られ、1
%程度から鈍化し、2%でほぼ飽和する。
高める。 この効果は0.1%以上の添加で得られ、1
%程度から鈍化し、2%でほぼ飽和する。
【0012】
【実施例】「INCONEL Alloy MA75
8」を基礎とする組成の耐熱合金に種々の高融点金属酸
化物を分散させて、表1に示す組成(重量%、残部Ni)
をもった酸化物分散強化型合金を、メカニカル・アロイ
イング法により調製して粒子とした。
8」を基礎とする組成の耐熱合金に種々の高融点金属酸
化物を分散させて、表1に示す組成(重量%、残部Ni)
をもった酸化物分散強化型合金を、メカニカル・アロイ
イング法により調製して粒子とした。
【0013】
【表1】
【0014】上記の合金粒子を熱間押出しし、機械加工
によって試験片を得た。 比較のため、従来からハース
ロールの材料として使用されてきた「DCH27」合金
(0.36C−33Cr−30Ni−5W−0.3Ti
−Fe)をとりあげ、同様な試験片を用意した。
によって試験片を得た。 比較のため、従来からハース
ロールの材料として使用されてきた「DCH27」合金
(0.36C−33Cr−30Ni−5W−0.3Ti
−Fe)をとりあげ、同様な試験片を用意した。
【0015】各材料について、まず超高温における圧縮
試験を行なって、ハースロール材料としての耐久力を比
較した。 各試験条件下での変形量は、表2に示すとお
りである。
試験を行なって、ハースロール材料としての耐久力を比
較した。 各試験条件下での変形量は、表2に示すとお
りである。
【0016】
【表2】
【0017】No.1合金について、1300℃、応力
0.4kgf/mm2、3時間の場合に着目すると、従来品の
変形量は5.9%に達したが、本発明によるときは0.
28%に止まり、好成績が確認できた。
0.4kgf/mm2、3時間の場合に着目すると、従来品の
変形量は5.9%に達したが、本発明によるときは0.
28%に止まり、好成績が確認できた。
【0018】次に、大気中で1200℃に長時間加熱す
る試験を行ない、酸化増量を測定した。 その結果は表
3に示すとおりであって、本発明に従えば酸化増量は従
来の材料の1/10以下であることがわかる。
る試験を行ない、酸化増量を測定した。 その結果は表
3に示すとおりであって、本発明に従えば酸化増量は従
来の材料の1/10以下であることがわかる。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明に従い酸化物分散強化合金をハー
スロール部材に用いてハースロールをつくれば、加熱炉
の高温によく耐えて長寿命を示す。 実際の線材加熱炉
のソーキングゾーンに用いるハースロールに本発明を適
用した例では、在来品の10倍を超える寿命が得られ
た。
スロール部材に用いてハースロールをつくれば、加熱炉
の高温によく耐えて長寿命を示す。 実際の線材加熱炉
のソーキングゾーンに用いるハースロールに本発明を適
用した例では、在来品の10倍を超える寿命が得られ
た。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−17625(JP,A) 特開 平3−226517(JP,A) 特開 平2−141523(JP,A) 特開 平1−122611(JP,A) 特公 平3−17887(JP,B2) 特公 昭63−40858(JP,B2) 特公 昭62−27133(JP,B2) 特公 昭59−5664(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/00 115 C22C 19/03 C21D 9/56 101
Claims (2)
- 【請求項1】 耐熱ステンレス鋼製スタブシャフトにハ
ースロール部材をとりつけてなる加熱炉のハースロール
において、ハースロール部材の材料として、重量で20
〜40%のCr、5%以下のFe、5%以下のAlおよ
び5%以下のTiを含有し、残部が実質的にNiからな
る合金のオーステナイトマトリクス中に微細な高融点金
属酸化物を0.1〜2%分散させた酸化物分散強化型合
金を使用したことを特徴とするハースロール。 - 【請求項2】 高融点金属酸化物として、Y2O3,Zr
O2,Al2O3,Ce2O3,Gd2O3,Sc2O3および
Eu2O3からえらんだ1種または2種以上を使用した請
求項1のハースロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24526492A JP3326822B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 酸化物分散強化型合金を用いたハースロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24526492A JP3326822B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 酸化物分散強化型合金を用いたハースロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0693328A JPH0693328A (ja) | 1994-04-05 |
JP3326822B2 true JP3326822B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=17131098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24526492A Expired - Fee Related JP3326822B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 酸化物分散強化型合金を用いたハースロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3326822B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1994022606A1 (en) * | 1993-03-31 | 1994-10-13 | Hitachi Metals, Ltd. | Wear- and seizure-resistant roll for hot rolling |
JPWO2009150867A1 (ja) * | 2008-06-10 | 2011-11-10 | 日鉄ハード株式会社 | 溶射材料及びハースロール |
BRPI0909979A2 (pt) * | 2008-06-10 | 2015-10-27 | Nippon Steel Hardfacing | rolo de aquecimento e material de pulverização térmica |
-
1992
- 1992-09-14 JP JP24526492A patent/JP3326822B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0693328A (ja) | 1994-04-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS608296B2 (ja) | 液体金属高速中性子増殖炉用の分散強化フエライト型合金 | |
US5302181A (en) | Oxide-dispersion-strengthened heat-resistant chromium-based sintered alloy | |
JP2718132B2 (ja) | スキッドレール | |
US5608174A (en) | Chromium-based alloy | |
EP0256555B1 (en) | Dispersion strengthened alloys | |
JP3326822B2 (ja) | 酸化物分散強化型合金を用いたハースロール | |
JP2837798B2 (ja) | 耐食性、耐摩耗性及び高温強度にすぐれるコバルト基合金 | |
JP2684736B2 (ja) | 粉末冷間工具鋼 | |
US3715792A (en) | Powder metallurgy sintered corrosion and wear resistant high chromium refractory carbide alloy | |
US5209772A (en) | Dispersion strengthened alloy | |
JPH03232920A (ja) | 鉄/クロム分散強化合金を使用したスキッドレール | |
EP0497606A2 (en) | Oxide-dispersion-strengthened niobium-based alloys and process for preparing | |
JP3002215B2 (ja) | 耐熱合金およびそれを使用したスキッドレール | |
JP2001152208A (ja) | 酸化物分散強化型Ni基合金線およびその製造方法 | |
JPS60204868A (ja) | 高温耐摩耗性のすぐれた焼結合金鋼製熱間加工工具 | |
JP2692340B2 (ja) | 酸化物分散強化型フェライト鋼 | |
JPS5831061A (ja) | 高強度および高耐酸化性を有する炭化タングステン基超硬合金 | |
JP3087377B2 (ja) | TiまたはTi合金製の部材のための表面硬化材、表面硬化方法および表面硬化部材 | |
JPS6173867A (ja) | 分散強化型焼結合金鋼製熱間耐摩耗部材 | |
JPS609849A (ja) | 高強度で高耐酸化性の超硬合金 | |
JPH10280101A (ja) | 耐熱耐摩耗部材及びその製造方法 | |
JP2696624B2 (ja) | 酸化物分散強化フェライト系耐熱鋼板 | |
JPH08188844A (ja) | 酸化物分散強化型耐熱合金 | |
JPH101753A (ja) | 加熱炉スキッドボタン用耐熱合金 | |
JPH11222655A (ja) | 粉末高速度工具鋼およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |