JP3326562B2 - 建物の動特性評価方法 - Google Patents
建物の動特性評価方法Info
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- JP3326562B2 JP3326562B2 JP2001060899A JP2001060899A JP3326562B2 JP 3326562 B2 JP3326562 B2 JP 3326562B2 JP 2001060899 A JP2001060899 A JP 2001060899A JP 2001060899 A JP2001060899 A JP 2001060899A JP 3326562 B2 JP3326562 B2 JP 3326562B2
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- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物各階の動特性
(質量、減衰係数及び剛性)を推定する方法に関する。
(質量、減衰係数及び剛性)を推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の建物の動特性評価においては、建
物の常時微動測定あるいは建物頂部に設置した起振機等
による強制振動試験により、建物の固有周期及び減衰定
数を推定している。
物の常時微動測定あるいは建物頂部に設置した起振機等
による強制振動試験により、建物の固有周期及び減衰定
数を推定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の建物の動特性評
価にあっては、建物の固有周期及び減衰定数のみしか推
定できないため、施工された建物に地震波が作用した場
合、かかる建物が設計時に意図したとおりの応答性状を
示すのかどうか検証できないという問題点があった。
価にあっては、建物の固有周期及び減衰定数のみしか推
定できないため、施工された建物に地震波が作用した場
合、かかる建物が設計時に意図したとおりの応答性状を
示すのかどうか検証できないという問題点があった。
【0004】また、大きな地震を受けた建物について、
その損傷状況を明らかにしようとした場合、従来の建物
の動特性評価にあっては、建物の固有周期及び減衰定数
のみしか推定できないため、建物の損傷箇所を特定でき
ないという問題点もあった。
その損傷状況を明らかにしようとした場合、従来の建物
の動特性評価にあっては、建物の固有周期及び減衰定数
のみしか推定できないため、建物の損傷箇所を特定でき
ないという問題点もあった。
【0005】本発明は、建物が振動した際の特定階の応
答値を計測することにより、該建物において対象とする
階の動特性を推定する方法を提供することを目的とす
る。
答値を計測することにより、該建物において対象とする
階の動特性を推定する方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、建物の特定階に予めセンサーを
設置し、該建物を起振機等により強制加振し、前記セン
サーにより検知した前記建物当該階の応答値を用い、最
小二乗法により、最上階より順次、前記建物各階の動特
性を推定していくことを特徴とする。
に、本発明においては、建物の特定階に予めセンサーを
設置し、該建物を起振機等により強制加振し、前記セン
サーにより検知した前記建物当該階の応答値を用い、最
小二乗法により、最上階より順次、前記建物各階の動特
性を推定していくことを特徴とする。
【0007】上記において、建物を強制加振せず、建物
の常時微動を測定し、該測定データに対して最小二乗法
を適用し、建物各階の動特性を推定していく方法も可能
性としては考えられるが、ノイズや風が常時微動測定デ
ータに影響し、建物の動特性の推定精度、特に、減衰の
推定精度が低下する。
の常時微動を測定し、該測定データに対して最小二乗法
を適用し、建物各階の動特性を推定していく方法も可能
性としては考えられるが、ノイズや風が常時微動測定デ
ータに影響し、建物の動特性の推定精度、特に、減衰の
推定精度が低下する。
【0008】また、常時微動は建物の様々な振動モード
を含んでいるため、例えば、建物の水平方向の動特性を
推定する場合においては、建物の捩れ振動の影響を常時
微動測定データから分離しなければならないが、実質上
不可能である。
を含んでいるため、例えば、建物の水平方向の動特性を
推定する場合においては、建物の捩れ振動の影響を常時
微動測定データから分離しなければならないが、実質上
不可能である。
【0009】しかし、建物を強制加振すれば、ノイズや
風の影響さらには捩れ振動の影響等を実質無視できるよ
うになり、建物の動特性を高い精度で推定することが可
能となる。
風の影響さらには捩れ振動の影響等を実質無視できるよ
うになり、建物の動特性を高い精度で推定することが可
能となる。
【0010】以下、本発明について、建物の加振に使用
する起振機等の出力が計測できる場合と、できない場合
とに分けたうえで理論的な説明を行う。
する起振機等の出力が計測できる場合と、できない場合
とに分けたうえで理論的な説明を行う。
【0011】先ず、建物の加振に使用する起振機等の出
力が計測できる場合から説明する。
力が計測できる場合から説明する。
【0012】建物最上階の運動方程式は一般に次のよう
に表わすことができる。
に表わすことができる。
【0013】
【数1】
【0014】建物の特定階の加速度、速度及び変位は、
建物当該階に設置したセンサーにより検出される。ま
た、起振機の力も起振機出力を計測することにより検出
される。これら検出された時刻ごとの物理値を
建物当該階に設置したセンサーにより検出される。ま
た、起振機の力も起振機出力を計測することにより検出
される。これら検出された時刻ごとの物理値を
【数1】式に代入し、行列表示すると次のようになる。
【0015】
【数2】 但し、
【数2】式中における各変数の左添字は、時刻t=t1
…tzを示している。
…tzを示している。
【0016】上記
【数2】式における未知量は、最上階の質量mn、減衰
係数cn及び剛性knであり、最小二乗法を適用するこ
とにより、これら未知量を推定することができる。
係数cn及び剛性knであり、最小二乗法を適用するこ
とにより、これら未知量を推定することができる。
【0017】次に、最上階の下の階の運動方程式は以下
のように表わすことができる。
のように表わすことができる。
【0018】
【数3】
【0019】ここで、上記
【数3】式を次のように変形する。
【0020】
【数4】
【0021】上記
【数4】式において、最上階の減衰係数cn及び剛性k
nは前記
nは前記
【数2】式を最小二乗法を用いて解くことにより既に推
定されている。従って、
定されている。従って、
【数4】式における未知量は、最上階の下の階の質量m
n−1、減衰係数cn−1及び剛性kn−1である。
n−1、減衰係数cn−1及び剛性kn−1である。
【数4】式に、センサーにより検出された時刻ごとの物
理値を代入し、行列表示すると次のようになる。
理値を代入し、行列表示すると次のようになる。
【0022】
【数5】
【0023】上記
【数5】式を最小二乗法を用いて解くことにより、最上
階の下の階の質量mn−1、減衰係数cn−1及び剛性
kn−1は推定される。
階の下の階の質量mn−1、減衰係数cn−1及び剛性
kn−1は推定される。
【0024】上記の一連の方法を繰り返すことにより、
全ての階の質量、減衰係数及び剛性を推定することがで
きる。
全ての階の質量、減衰係数及び剛性を推定することがで
きる。
【0025】次に、起振機の出力が計測できない場合に
おける建物の動特性評価方法について説明する。
おける建物の動特性評価方法について説明する。
【0026】建物を人力加振等により強制振動させた後
の、最上階の自由振動に関する運動方程式は次のように
なる。
の、最上階の自由振動に関する運動方程式は次のように
なる。
【0027】
【数6】
【0028】上記
【数6】式を次のように変形する。
【0029】
【数7】
【0030】建物の減衰係数及び剛性と異なり、建物の
質量については、設計図書を基に、ある程度、精確に算
出することは可能である。そこで、最上階の質量を設計
図書より算出することにすれば、上記
質量については、設計図書を基に、ある程度、精確に算
出することは可能である。そこで、最上階の質量を設計
図書より算出することにすれば、上記
【数7】式における未知量は、最上階の減衰係数cnと
剛性knのみとなり、これら未知量については、起振機
の出力が計測できる場合と同様の方法により推定するこ
とができる。
剛性knのみとなり、これら未知量については、起振機
の出力が計測できる場合と同様の方法により推定するこ
とができる。
【0031】また、最上階の下の階以降については、前
記
記
【数4】式が成立し、起振機の出力が計測できる場合と
同様の方法を用いることにより、対象とする階の質量、
減衰係数及び剛性を推定することができる。
同様の方法を用いることにより、対象とする階の質量、
減衰係数及び剛性を推定することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。図1は、7階建て建物を起
振機を用いて加振することにより、該建物の動特性を推
定する際、使用できるセンサー数が建物階数に比べて少
ない場合における本発明の実施例について示したもので
ある。
き図面を参照して説明する。図1は、7階建て建物を起
振機を用いて加振することにより、該建物の動特性を推
定する際、使用できるセンサー数が建物階数に比べて少
ない場合における本発明の実施例について示したもので
ある。
【0033】先ず、図1左図に示すように、建物の最上
階から4階までセンサー1を設置し、起振機2により該
建物を加振し、かかる建物の応答及び起振機の出力をコ
ンピュータ3に記録する。これらの測定結果に対して、
最上階より順次、最小二乗法を適用し、最上階から4階
までの建物の動特性を推定する。
階から4階までセンサー1を設置し、起振機2により該
建物を加振し、かかる建物の応答及び起振機の出力をコ
ンピュータ3に記録する。これらの測定結果に対して、
最上階より順次、最小二乗法を適用し、最上階から4階
までの建物の動特性を推定する。
【0034】次に、図1右図に示すように、前記建物の
4階から1階までセンサー1を設置し、前記起振機2に
より前記建物を加振し、かかる建物の応答をコンピュー
タ3に記録する。これらの測定結果に対して、3階より
順次、最小二乗法を適用し、3階から1階までの前記建
物の動特性を推定する。
4階から1階までセンサー1を設置し、前記起振機2に
より前記建物を加振し、かかる建物の応答をコンピュー
タ3に記録する。これらの測定結果に対して、3階より
順次、最小二乗法を適用し、3階から1階までの前記建
物の動特性を推定する。
【0035】上記の方法を用いることにより、建物階数
に比べてセンサー数が少ない場合においても建物全ての
階の動特性を推定することが可能である。
に比べてセンサー数が少ない場合においても建物全ての
階の動特性を推定することが可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような方法を用
いることにより、以下に記載されるような効果を奏す
る。
いることにより、以下に記載されるような効果を奏す
る。
【0037】建物各階の動特性(質量、減衰係数及び剛
性)を高い精度で推定できる。
性)を高い精度で推定できる。
【0038】建物各階の動特性が推定できるため、建物
が設計者の意図通りに施工されたかどうかを検証するこ
とができる。
が設計者の意図通りに施工されたかどうかを検証するこ
とができる。
【0039】また、建物にダンパーを設置した制震建物
においては、該建物の減衰特性が明らかになるため、設
置したダンパーの性能を検証することができる。
においては、該建物の減衰特性が明らかになるため、設
置したダンパーの性能を検証することができる。
【0040】さらに、建物が大きな地震を受けた場合
に、被災後の建物各階剛性を本発明を用いて推定するこ
とにより、該建物の損傷箇所を明らかにすることができ
る。
に、被災後の建物各階剛性を本発明を用いて推定するこ
とにより、該建物の損傷箇所を明らかにすることができ
る。
【図1】建物階数に比べて使用するセンサー数が少ない
場合における本発明の実施例
場合における本発明の実施例
1 センサー 2 起振機 3 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 7/02
Claims (1)
- 【請求項1】 建物の特定階に予めセンサーを設置し、
該建物を起振機等により強制加振し、前記センサーによ
り検知した前記建物当該階の応答値を用い、最小二乗法
により、最上階より順次、前記建物各階の動特性を推定
していくことを特徴とする建物の動特性評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001060899A JP3326562B2 (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | 建物の動特性評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001060899A JP3326562B2 (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | 建物の動特性評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002228540A JP2002228540A (ja) | 2002-08-14 |
JP3326562B2 true JP3326562B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=18920265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001060899A Expired - Fee Related JP3326562B2 (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | 建物の動特性評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3326562B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4257279B2 (ja) * | 2004-09-08 | 2009-04-22 | 積水化学工業株式会社 | 固有振動数測定システム |
JP5914085B2 (ja) * | 2012-03-26 | 2016-05-11 | 戸田建設株式会社 | 多目的動的試験方法とその装置 |
JP6487880B2 (ja) * | 2016-07-25 | 2019-03-20 | パナソニックホームズ株式会社 | 建物の構造パラメータ同定システム及び方法 |
JP6264498B1 (ja) * | 2017-09-21 | 2018-01-24 | 株式会社システムアンドデータリサーチ | 減衰定数の推定方法 |
JP7270427B2 (ja) | 2019-03-18 | 2023-05-10 | 株式会社Nttファシリティーズ | 建物健全性検証システム、建物健全性検証方法、および建物健全性検証システムの製造方法 |
-
2001
- 2001-01-30 JP JP2001060899A patent/JP3326562B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
中村充、安井譲,日本建築学会構造系論文集「微動測定に基づく地震被災鉄筋建物の層損傷評価」,日本,1999年 3月,第517号 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002228540A (ja) | 2002-08-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
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