JP4581436B2 - 箱型状基礎の耐震評価装置及び方法、コンピュータプログラム、記録媒体、箱型状基礎の耐震設計方法 - Google Patents

箱型状基礎の耐震評価装置及び方法、コンピュータプログラム、記録媒体、箱型状基礎の耐震設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、地中連続壁を箱型に構築してなる箱型状基礎の耐震性能を評価するための装置及び方法、この方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに、このプログラムを記録した記録媒体に関する。さらに、本発明は、箱型状基礎の耐震設計を行う方法にも関する。
建築構造物の基礎形式の一つとして、連続地中壁を箱型に構築してなる箱型状基礎が知られている。この箱型状基礎の地震動に対する応答特性の解析は、従来、箱型状基礎と基礎内部及び基礎外部の地盤とを、複数の質点と、それらを連結するばね(連結ばね)とでモデル化して剛性方程式を解くことにより行うのが一般的であった。この解析手法では、連結ばねを水平面外方向の受働抵抗ばねと、水平面内方向の摩擦ばねとに区別せず設定しているか、もしくは、箱型状基礎を構成する地中壁の各壁面について、水平面外方向の受働抵抗ばねと、水平面内方向の摩擦ばねとを別個に計算し、それらを足し合わせて連結ばねを求めている。なお、この箱型状基礎の耐震性評価に関して、水平面外方向の受働抵抗ばねと、水平面内方向の摩擦ばねとを別個に計算するそれらのばねの計算方法については、非特許文献1,2に記載されている。また、例えば非特許文献3には、水平面外方向の受働抵抗ばねと、水平面内方向の摩擦ばねとを区別せず設定し、地中連続壁と杭の複合基礎の地震応答を解析する手法が提案されている。
茶谷、「水平力を受ける壁杭の挙動について」、日本建築学会構造系論文報告集 第406号、1989年12月 茶谷外、「壁杭の水平抵抗力の評価法について」、日本建築学会構造系論文報告集 第411号、1990年5月 増田外、「地中連続壁と杭の複合基礎の地震応答解析法」、日本建築学会構造系論文報告集 第437号、1992年7月
上述したように、従来の箱型状基礎の耐震評価計算手法では、受働抵抗ばねと摩擦ばねを壁面毎に個別に計算しているため、計算の手間が大きくなってしまう。また、受働抵抗ばねや摩擦ばねは非線形性を有しているが、上記従来の計算手法では、受働抵抗ばねと摩擦ばねとをまとめて連結ばねとしてモデル化してしまうため、各ばねの非線形性を十分に評価することができず、その分、計算精度が低下することにもなる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、地中連続壁を箱型に構築してなる箱型状基礎の耐震性を効率的かつ高精度に評価できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、地中連続壁を箱型に構築してなる箱型状基礎の耐震性を評価するための装置であって、
前記箱型状基礎の形状を表す形状データと、前記箱型状基礎を構成するコンクリート及び当該箱型状基礎が構築される地盤の特性を表す特性データとを取得するデータ取得手段と、
前記取得した形状データ及び特性データに基づいて、前記箱型状基礎と地盤とを結ぶ連結ばね全体の剛性を計算する全体剛性計算手段と、
該箱型状基礎を構成する壁面のうち、内部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、外部部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、内部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の摩擦ばねの剛性、及び、外部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の摩擦ばねの剛性を、それぞれ、前記全体剛性計算手段により計算された剛性を各剛性に対応する壁面の面積に応じて比例配分することにより計算する連結ばね計算手段と、
前記計算した各ばねの剛性に基づいて、前記箱型状基礎をばね−質点系のモデルとしてモデル化するモデル化手段と、
与えられた地震動に対する前記箱型状基礎の応答を、前記モデルを解くことにより計算する応答計算手段と、を備えることを特徴とする。
なお、本発明において、「コンクリート」は、鉄筋コンクリート、鉄骨コンクリート、及び、鉄骨鉄筋コンクリートを含む。
また、本発明において、前記応答計算手段は、前記与えられた地震動に応じた力を前記箱型状基礎とその内部地盤の外力として与えることにより前記モデルを解き、その際、前記箱型状基礎と内部地盤との間の受働抵抗ばね及び摩擦ばねと、内部地盤のせん断剛性とに応じた割合で、内部地盤に与える外力を低減させることとしてもよい。
また、前記連結ばね計算手段は、内部地盤及び外部地盤の夫々から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面A1及び壁面A3の夫々の面積をS1及びS3、内部地盤及び外部地盤の夫々から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面A2及びA4の夫々の面積をS2、S4とし、また、重み付け係数をCとして、
K1=K0・S1/(S1+S2+C・S3+C・S4)
K2=K0・S2/(S1+S2+C・S3+C・S4)
K3=K0・C・S3/(S1+S2+C・S3+C・S4)
K4=K0・C・S4/(S1+S2+C・S3+C・S4)
により、前記剛性K1〜K4を計算することを特徴とする。
また、前記モデル化手段は、前記受働抵抗ばね及び前記摩擦ばねの少なくとも一方に減衰要素を設けてモデル化することとしてもよい。
本発明によれば、地中壁を箱型に構築してなる箱型状基礎の耐震性を効率的かつ高精度に評価することができる。
図1は、本発明の一実施形態である箱型状基礎の耐震性評価装置10(以下、単に、評価装置10という)のハードウェア構成図である。同図に示すように、評価装置10は、CPU12、ROMやRAM等のメモリやハードディスク装置等を含む記憶部14、ディスプレイ装置16、キーボードやマウス等の入力装置18等を備えるコンピュータシステムにより構成されている。記憶部14には、解析プログラム20がインストールされており、CPU12がこの解析プログラム20を実行することにより評価装置10としての機能が実現される。解析プログラム20は、例えば、CD−ROMやDVD等の媒体を介して、あるいは、ネットワーク経由で外部サーバーからダウンロードされることにより、記憶部14に格納される。
図2は、本実施形態での解析対象となる箱型状基礎の一例を示す平面図である。なお、図2中には、地震発生時に地盤から箱型状基礎Aに作用する力も併せて示している。同図に示すように、箱型状基礎Aは、箱型に構築された地中壁により構成される。なお、箱型状基礎Aの内側の地盤を内部地盤、外側の地盤を外部地盤と称する。
図2に示すように、箱型状基礎Aに図中矢印で示す向きの地震力が入力された場合に、箱型状基礎Aの内壁面A1には内部地盤から、また、外壁面A2には外部地盤から、夫々、水平面外方向の受働抵抗力が作用する。また、箱型状基礎Aの内壁面A3には内部地盤から、外壁面A4には外部地盤から、夫々、水平面内方向の摩擦力が作用する。これら内部地盤及び外部地盤からの受働抵抗力及び摩擦力は、箱型状基礎Aの変位に応じた大きさとなるので、箱型状基礎と内部地盤及び外部地盤との間の受働抵抗ばね及び摩擦ばねとしてモデル化できる。なお、受動抵抗ばねと摩擦ばねを総称する場合は、連結ばねと称するものとする。
本実施形態の評価装置10は、解析対象である箱型状基礎、内部地盤、及び外部地盤を離散化して質点系にモデル化し、上記した受働抵抗ばね及び摩擦ばねと、箱型状基礎、内部地盤、及び外部地盤の夫々が有するばね特性とから、ばね−質点系のモデルを作成する。
図3は、評価装置10で作成されるばね−質点系のモデルの一例を示す。同図に示すように、箱型状基礎、内部地盤、及び、外部地盤が夫々質点100,102,104にモデル化されている。そして、箱型状基礎の質点100と内部地盤の質点102とが、互いに並列の内部地盤受働抵抗ばね106及び内部地盤摩擦ばね108により連結されると共に、箱型状基礎の質点100と外部地盤の質点104とが、互いに並列の外部地盤受働抵抗ばね107及び外部地盤摩擦ばね109により連結されている。また、箱型状基礎の質点100どうしの間は、箱型状基礎の曲げせん断剛性に対応したばね110で連結され、また、内部地盤の質点102どうし、及び、外部地盤の質点104どうしは、地盤のせん断剛性に対応したばね112,114で連結されている。
なお、図3のモデルでは、外部地盤受働抵抗ばね107と並列に粘性要素116を設けている。これは、外部地盤からの受働抵抗力が、箱型状基礎の変位速度が大きいほど大きな値となる特性を示すことが実験的に確かめられたため、その特性を反映させるためである。なお、地盤の性状によっては、外部地盤受働抵抗ばね107だけではなく、内部地盤受動抵抗ばね106に粘性要素を設けてもよいし、摩擦ばね108、109に粘性要素を設けてもよく、又は、摩擦ばね108,109のみに粘性要素を設けてもよい。あるいは、粘性要素を一切設けないこととしてもよい。
本実施形態の評価装置10は、図3に示すモデルを作成し、このモデルを表す剛性方程式を解くことにより、地震発生時に生ずる箱型状基礎の応力及びひずみを計算する機能を有している。
図4は、本実施形態の評価装置10の機能ブロック図である。同図に示す如く、評価装置10は、データ入力部50、全体ばね計算部52、連結ばね計算部54、モデル作成部56、低減係数計算部58、応答計算部60、非線形ばね設定部62、応答出力部64等の各機能部と、パラメータ記憶部66、非線形係数記憶部68等の各記憶部とを備えている。このうち、機能部50〜64はCPU12が解析プログラム20を実行することにより実現され、また、記憶部66,68は記憶部14に設けられる。
データ入力部50は、解析対象である箱型状基礎の形状を定義する形状データ、箱型状基礎を構成するコンクリート壁及び地盤の特性(具体的には、剛性及び密度)を表す特性データ、及び、地震動の加速度を表す加速度データの入力を受け付けて、パラメータ記憶部66に格納する。この入力された加速度データに対する箱型状基礎の応答が計算されることとなる。なお、動的解析を行う場合には、加速度データとして加速度の時間信号を入力し、静的解析を行う場合には、加速度データとして、加速度を示す一定値を入力するものとする。
全体ばね計算部52は、パラメータ記憶部66に格納された形状データ及び特性データに基づき、公知の三次元FEMや薄層要素法等を用いて、箱型状基礎全体のばね剛性(以下、全体ばね剛性K0と称す)を計算する。この箱型状基礎全体のばね剛性は、図3に例示するモデルにおける受働抵抗ばね及び摩擦ばねの総計に相当することとなる。
連結ばね計算部54は、パラメータ記憶部66に記憶された箱型状基礎の形状データに基づいて、箱型状基礎が内部地盤及び外部地盤の夫々から受働抵抗及び摩擦を受ける壁面の面積を計算し、それらの面積に応じて、全体ばね計算部52で計算された全体ばね剛性K0を配分することにより、内部地盤受働抵抗ばね106の剛性K1、外部地盤受働抵抗ばね107の剛性K2、内部地盤摩擦ばね108の剛性K3、及び、外部地盤摩擦ばね109の剛性K4を計算する。例えば、図2の例において、内部地盤から受働抵抗力及び摩擦力が作用する壁面A1,A3の面積S1,S3、並びに、外部地盤から受働抵抗及び摩擦が作用する壁面A2,A4の面積S2,S4の面積を求め、全体ばね剛性K0をこれら面積S1〜S4に応じて配分することにより、各ばねの剛性K1〜K4を求める。
ただし、その際、摩擦ばねと受働抵抗ばねとは性質が異なるため、摩擦ばねと受働抵抗ばねとに異なった重み付けをして、面積に応じた比例配分を行う。すなわち、単位面積当たりの受働抵抗力と摩擦力との関係を測定すると、図5に示すような関係となり、摩擦力は受働抵抗力のC倍(同図の例では、ほぼ0.7倍)となる。そこで、受働抵抗力が作用する面積S1,S2と、摩擦力が作用する面積S3,S4とが同じ場合に、摩擦ばねの剛性が受働抵抗ばねの剛性のC倍となるように、面積S3,S4に対して重み付けを行う。具体的には、
K1=K0・S1/(S1+S2+C・S3+C・S4)
K2=K0・S2/(S1+S2+C・S3+C・S4)
K3=K0・C・S3/(S1+S2+C・S3+C・S4)
K4=K0・C・S4/(S1+S2+C・S3+C・S4)
により、各ばねの剛性K1〜K4を計算する。
モデル作成部56は、連結ばね計算部54が計算した各ばねの剛性K1〜K4、パラメータ記憶部66に記憶された地盤と箱型状基礎の特性データ、及び、加速度データに基づいて、図3に例示するようなモデルを表す方程式(次式(1))を作成する。
Figure 0004581436
この方程式(1)において、[M]はモデル化した各質点の質量を表すマトリクスであり、地盤及び箱型状基礎の特性データに含まれる密度と、地盤及び箱型状基礎の離散化した各要素の体積とから求められる。ただし、外部地盤の各質点の質量は、内部地盤及び箱型状基礎の各質点の質量よりも十分に大きな値(例えば100倍〜1000倍)に設定する。
[C]は減衰マトリクスであり、地盤の特性データに含まれるせん断剛性と密度から求められる。また、[K]は弾性マトリクスであり、上記のように計算した各ばねの剛性K1〜K4と、箱型状基礎及び地盤のせん断剛性とにより構成される。なお、[f]は外力ベクトルである。
応答計算部60は、上記のようにモデル作成部56が作成した方程式(1)を解くことにより、箱型状基礎の応力及び変形を計算する。その際、外力ベクトル[f]を、静的耐震設計の場合と動的耐震設計の場合とで次のように設定する。
静的耐震設計計算の場合、上記モデルに、建物と箱型状基礎及び内部地盤の加速度に応じた慣性力と、外部地盤の変位に応じたばね力を外力ベクトル[f]として与える。なお、箱型状基礎と内部地盤の慣性力を求める際の加速度の値は、箱型状基礎の質点については、パラメータ記憶部66に記憶された加速度の値を用い、内部地盤の質点については、パラメータ記憶部66に記憶された加速度の値に、後述する低減係数αを乗じた値を用いる。
一方、動的耐震設計計算の場合は、上記モデルの基部に、地震動の加速度が作用するものとして外力ベクトル[f]を設定する。
ここで、低減係数αについて説明する。図6にモデル化して示すように、箱型状基礎の質点mと、内部地盤の質点mとの間の受働抵抗ばね定数及び摩擦ばね定数の和をKijとし、また、内部地盤の質点mのせん断剛性をKsとすると、箱型状基礎の質点mjに大きさ「1」の変位が入力された場合、内部地盤の質点mには、Kij/(Ks+Kij)の変位が生ずることになる。すなわち、内部地盤の変位は、箱型状基礎の変位のKij/(Ks+Kij)倍となる。そこで、低減係数計算部58により低減係数α=Kij/(Ks+Kij)を計算し、この低減係数αをパラメータ記憶部66に記憶された加速度データの値に乗ずることにより、内部地盤の慣性力を低減させるのである。
応答計算部60は、方程式(1)の解を繰り返し計算する過程で、非線形ばね設定部62が各ばねの剛性の値を変形量の値に応じて修正する。すなわち、図7に示すように、連結ばねの剛性Kの値は、ばね変形量yが大きくなるほど小さくなるような非線形を示すため、この非線形性を反映できるように、ばね変形量yに応じて連結ばねの剛性Kを修正するのである。なお、図7において、Kdはばね剛性の初期値(つまり、連結ばね計算部54により計算された剛性値)であり、Ksは変形量yが所定量(例えば1cm)のときのばね剛性である。この所定量(例えば1cm)は、静的耐震設計を行う場合のばねの変形レベルであり、したがって、Ksは、静的耐震設計を行う場合に用いられるばね剛性である。
本実施形態では、Kd,Ksの値から求まる非線形係数βを
β=(Kd/Ks)
により予め実験又は解析により求めて非線形係数記憶部68に記憶しておく。
非線形ばね設定部62は、この非線形係数βを用いて、各連結ばねの剛性Kを修正式
K’=Kd(βy)−0.5
により修正する。
この修正式から分かるように、y=1のときK’=Ksであり、修正されたK’は静的耐震設計を行う場合のばね剛性となる。
このように、本実施形態では、非線形係数βを用いて連結ばねを修正することにより、静的耐震設計を行う場合と動的耐震設計を行う場合とで、連結ばねのモデルを区別することが不要となる。
応答計算部60は、連結ばねの剛性が修正された方程式(1)を解いて、箱型状基礎の地震応答としての応力及び変形を計算し、その結果が応答出力部64により例えばディスプレイ装置16に表示され、あるいは、記憶部14の出力ファイルに出力される。これにより、計算された箱型状基礎の応力及び変形が許容値内であるかどうかを判断して、耐震設計を行うことができる。
図8は、上記したデータ入力部50、全体ばね計算部52、連結ばね計算部54、モデル作成部56、低減係数計算部58、応答計算部60、非線形ばね設定部62、及び、応答出力部64による処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、データ入力部50によりデータ入力が行われる(S102)。そして、計算ステップ数を表す変数Nが1に初期化され(S104)、次に、N回目の計算ステップでの加速度の値が決定される(S106)。具体的には、動的解析の場合は、S102で入力された加速度信号のN番目の値が今回の加速度値として決定される。一方、静的解析の場合は、S102で入力された静的な加速度値を所定のステップ数で刻んだ値のN倍が今回の加速度の値として計算される。例えば、入力された静的な加速度値をAとして、この値AまでMステップを掛けて増加させるとすれば、A・N/Mが今回の加速度の値となる。
次に、全体ばね計算部52により全体ばね剛性K0が計算され(S108)、連結ばね計算部54により各連結ばねの剛性K1〜K4が計算され(S110)、モデル作成部56により上記の方程式が作成される(S112)。次に、非線形ばね設定部60により、現在の各連結ばねの変形量に基づいて、上記方程式中のばね剛性が修正される(S114)。そして、応答計算部62により、静的耐震設計計算であるか動的耐震設計計算であるかに応じて(S116)、外力ベクトル[f]が設定されて(S118,S120)、方程式の解が計算される(S122)。
次に、Nの値が「1」だけ増加され(S124)、増加後のNの値が所定の最終値Neを超えていれば、計算は終了して、計算された解が応答出力部64により出力される(S126→S128)。一方、Nが最終値Neを超えていなければ、S106に戻り、次のステップでの計算が繰り返される。
図9は、本実施形態の評価装置10による計算例として、地表面加速度と箱型状基礎に生ずるせん断力との関係の計算結果を示す。なお、図9には、比較のため、従来法(水平面外方向の受働抵抗ばねと水平面内方向の摩擦ばねとを区別せず、まとめてモデル化する方法)による計算結果と、実験結果とを併せて示している。この実験結果は、計算の対象とした箱型状基礎を縮小した模型を作成し、その支持層下部から加振する遠心実験により得られたものである。
図9に示すように、本実施形態の評価装置10による計算結果は、従来法による計算結果に比べて、実験結果によく近似しており、箱型状基礎の応答を精度良く計算できていることがわかる。
以上説明したように、本実施形態の評価装置10によれば、箱型状基礎の全体ばね剛性を計算し、その全体ばね剛性を各壁面の面積に応じて配分することにより各連結ばねの剛性を計算するので、従来法のように、各壁面について受働抵抗ばねと摩擦ばねを計算するのに比べて、計算効率が向上すると共に、各壁面の受働抵抗ばねと摩擦ばねを足し合わせるのに比べて計算精度も向上する。
また、本実施形態では、非線形ばね設定部62が受働抵抗ばね及び摩擦ばねの各々について、その非線形性に応じてばね剛性を修正する。このため、各ばねの非線形性を考慮した計算を行うことができ、評価装置10による計算精度は一層向上する。また、その際、例えば、連結ばねの変形が1cmのときに、連結ばねが静的耐震設計で用いるばねの値となるように非線形係数βを設定しているので、静的耐震設計の場合と動的耐震設計の場合とで異なるモデルを用いることが不要となり、モデル作成の手間も省ける。
また、低減係数計算部58が計算した低減係数αの分だけ、内部地盤の変位量を低減させることで、地震時の内部地盤と箱型状基礎との挙動の差異を反映した計算を行うことができる。このため、内部地盤の慣性力を過大に評価して計算することがなくなり、合理的な耐震設計を行えるようになる。
本発明の一実施形態である箱型状基礎の耐震性評価装置10のハードウェア構成図である。 本実施形態での解析対象となる箱型状基礎の一例を示す平面図である。 本実施形態の評価装置で作成されるばね−質点系のモデルの一例を示す 本実施形態の評価装置の機能ブロック図である。 単位面積当たりの受働抵抗力と摩擦力との関係を示すグラフである。 内部地盤の慣性力を低減させるための低減係数を説明するための図である。 連結ばねの非線形性を示す図である。 本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の評価装置による計算結果を、従来法による計算結果及び実験結果と共に示す図である。
符号の説明
10 耐震性評価装置(評価装置)
12 CPU
20 解析プログラム
52 全体ばね計算部
54 連結ばね計算部
56 モデル作成部
58 低減係数計算部
60 応答計算部
62 非線形ばね設定部
64 応答出力部
100,102,104 質点
106 内部地盤受働抵抗ばね
107 外部地盤受働抵抗ばね
108 内部地盤摩擦ばね
109 外部地盤摩擦ばね
110,112,114 ばね
116 粘性要素

Claims (8)

  1. 地中連続壁を箱型に構築してなる箱型状基礎の耐震性を評価するための装置であって、
    前記箱型状基礎の形状を表す形状データと、前記箱型状基礎を構成するコンクリート及び当該箱型状基礎が構築される地盤の特性を表す特性データとを取得するデータ取得手段と、
    前記取得した形状データ及び特性データに基づいて、前記箱型状基礎と地盤とを結ぶ連結ばね全体の剛性を計算する全体剛性計算手段と、
    該箱型状基礎を構成する壁面のうち、内部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、外部部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、内部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の摩擦ばねの剛性、及び、外部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の摩擦ばねの剛性を、それぞれ、前記全体剛性計算手段により計算された剛性を各剛性に対応する壁面の面積に応じて比例配分することにより計算する連結ばね計算手段と、
    前記計算した各ばねの剛性に基づいて、前記箱型状基礎をばね−質点系のモデルとしてモデル化するモデル化手段と、
    与えられた地震動に対する前記箱型状基礎の応答を、前記モデルを解くことにより計算する応答計算手段と、を備えることを特徴とする箱型状基礎の耐震性評価装置。
  2. 前記応答計算手段は、前記与えられた地震動に応じた力を前記箱型状基礎とその内部地盤の外力として与えることにより前記モデルを解き、その際、前記箱型状基礎と内部地盤との間の受働抵抗ばね及び摩擦ばねと、内部地盤のせん断剛性とに応じた割合で、内部地盤に与える外力を低減させることを特徴とする請求項1記載の箱型状基礎の耐震性評価装置。
  3. 前記連結ばね計算手段は、内部地盤及び外部地盤の夫々から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面A1及び壁面A3の夫々の面積をS1及びS3、内部地盤及び外部地盤の夫々から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面A2及びA4の夫々の面積をS2、S4とし、また、重み付け係数をCとして、
    K1=K0・S1/(S1+S2+C・S3+C・S4)
    K2=K0・S2/(S1+S2+C・S3+C・S4)
    K3=K0・C・S3/(S1+S2+C・S3+C・S4)
    K4=K0・C・S4/(S1+S2+C・S3+C・S4)
    により、前記剛性K1〜K4を計算することを特徴とする請求項1又は2記載の箱型状基礎の耐震性評価装置。
  4. 前記モデル化手段は、前記受働抵抗ばね及び前記摩擦ばねの少なくとも一方に減衰要素を設けてモデル化することを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の箱型状基礎の耐震性評価装置。
  5. 地中連続壁を箱型に構築してなる箱型状基礎の耐震性を評価するための方法であって、コンピュータが、
    前記箱型状基礎の形状を表す形状データと、前記箱型状基礎を構成するコンクリート及び当該箱型状基礎が構築される地盤の特性を表す特性データとを取得するステップと、
    前記取得した形状データ及び特性データに基づいて、前記箱型状基礎全体の剛性を計算するステップと、
    該箱型状基礎を構成する壁面のうち、内部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、外部部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、内部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の摩擦ばねの剛性、及び、外部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の摩擦ばねの剛性を、それぞれ、前記全体剛性計算手段により計算された剛性を各剛性に対応する壁面の面積に応じて比例配分することにより計算するステップと、
    前記計算した各ばねの剛性に基づいて、前記箱型状基礎をばね−質点系のモデルとしてモデル化するステップと、
    与えられた地震動に対する前記箱型状基礎の応答を、前記モデルを表す方程式を解くことにより計算するステップと、を実行することを特徴とする箱型状基礎の耐震性評価方法。
  6. コンピュータに請求項5記載の方法を実行させるためのプログラム。
  7. 請求項6記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  8. 地中連続壁を箱型に構築してなる箱型状基礎の耐震設計方法であって、
    前記箱型状基礎の形状を表す形状データと、前記箱型状基礎を構成するコンクリート及び当該箱型状基礎が構築される地盤の特性を表す特性データとを取得するステップと、
    前記取得した形状データ及び特性データに基づいて、前記箱型状基礎全体の剛性を計算するステップと、
    該箱型状基礎を構成する壁面のうち、内部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、外部部地盤から水平面外方向の受働抵抗力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の受働抵抗ばねの剛性、内部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と内部地盤との間の摩擦ばねの剛性、及び、外部地盤から水平面内方向の摩擦力が作用する壁面における前記箱型状基礎と外部地盤との間の摩擦ばねの剛性を、それぞれ、前記全体剛性計算手段により計算された剛性を各剛性に対応する壁面の面積に応じて比例配分することにより計算するステップと、
    前記計算した各ばねの剛性に基づいて、前記箱型状基礎をばね−質点系のモデルとしてモデル化するステップと、
    与えられた地震動に対する前記箱型状基礎の応答を、前記モデルを表す方程式を解くことにより計算するステップと、を備えることを特徴とする箱型状基礎の耐震設計方法。
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