JP3325604B2 - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒

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JP3325604B2
JP3325604B2 JP17433092A JP17433092A JP3325604B2 JP 3325604 B2 JP3325604 B2 JP 3325604B2 JP 17433092 A JP17433092 A JP 17433092A JP 17433092 A JP17433092 A JP 17433092A JP 3325604 B2 JP3325604 B2 JP 3325604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガス浄化用触媒に
関し、特に酸素高濃度、水蒸気雰囲気の排気ガスに対し
て安定した活性を示す排気ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの排気ガス浄化用触媒としてC
O及びHCの酸化とNOxの還元とを同時に行う三元触
媒が用いられており、この三元触媒はエンジンの空燃比
が理論空燃比である14.7付近で高い浄化効率となる
ことが知られている。
【0003】一方、エンジンに関しての燃料規制に対応
するためリーンバーンエンジンが実用化されているが、
このような希薄燃焼方式における排気ガスは酸素が高濃
度であるため、上記三元触媒ではNOxを効果的に除去
することができない。
【0004】そこで、酸素高濃度雰囲気のもとで排気ガ
ス中のNOxをN2とO2とに分解し浄化することができ
る触媒としてCu等の活性種を金属含有シリケートに担
持させてなる、いわゆるゼオライト触媒が有望視されて
いる。さらに、上記ゼオライト触媒については、排気ガ
スの多様な状態に対応して常にNOx除去能力の優れた
排気ガス浄化用触媒とするための種々の対策が検討され
ている。
【0005】例えば、特開平3−143547号公報に
は、酸素の共存下におけるNOxを効率よく除去しよう
とする技術が提案されている。上記公報に開示されてい
る技術は、活性種としての銅が含有されるべき結晶性シ
リケートを特定の組成を有するものとすることによっ
て、酸素の共存下においても排気ガス中のNOxをN2
とO2とに分解する活性を安定して得ようとするもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、NOx
浄化触媒として、その浄化温度域及びNOx浄化率の点
で有望な上記ゼオライト触媒も、排気ガスが高温でH2
Oリッチな雰囲気のもとでは触媒機能が劣化する。その
理由は、熱によりゼオライト触媒の結晶構造が破壊され
ること、担持されている活性種としての金属が熱により
シンタリングすること並びにH2O(水蒸気)によって
上記結晶中のAlが脱離することに起因すると考えられ
る。
【0007】上記のような状態となったゼオライト触媒
は活性サイトが失なわれるため、NOx,HCの吸着特
性が低下すること及び活性種のシンタリングによりNO
xの分解が進み難いことによって、特に排気ガス温度の
低温側である300〜400℃でのNOx浄化率が低下
するという問題点がある。
【0008】そのため、実車のような排気ガス温度が低
温から高温に至るまでの範囲で常に変化する場合にはN
Oxの浄化積算値が大きく低下することが避けられな
い。
【0009】また、上記特開平3−143547号公報
に記載されているような触媒は、排気ガスが特にH2
リッチのガス雰囲気であるときにH2Oの共存により生
ずる難点に対する対策が充分でない懸念がある。
【0010】上記に鑑みて本発明は、金属含有シリケー
トに活性種を担持してなるゼオライト触媒にみられるよ
うな排気ガス中のH2Oによる特性の劣化を、上記ゼオ
ライト触媒と特定の組成物とを混合することによって解
消し、これにより、実用的な排気ガス浄化用触媒とする
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
したような課題を解決するため鋭意研究に努めた結果、
希薄燃焼エンジンにおける酸素高濃度の排気ガス中のN
Oxを、高温でH 2 Oが存在する雰囲気下において、C
u等の活性種を担持した結晶性金属含有シリケートより
なるゼオライト触媒によって除去するに際し、上記ゼオ
ライト触媒にシリカ成分含有組成物を添加して排気ガス
浄化用触媒を構成すれば上記シリカ成分含有組成物によ
ってH2Oの存在下であっても触媒の劣化が抑制される
のでないかとの知見を得た。
【0012】この知見に基いて、さらに実験を重ねた結
果、結晶性金属含有シリケートが活性種を担持してなる
いわゆるゼオライト触媒に非結晶性シリケートを混合し
てなる排気ガス浄化用触媒は、排気ガス中のH2Oによ
り受ける影響が僅少で、優れたNOxの浄化特性を有す
ることを確認し、本発明を完成した。
【0013】したがって、上記した目的を達成するた
め、請求項1の発明は、結晶性ゼオライト触媒と、Mg
O・SiO2等の非結晶性シリケートとを混合すること
によって、H2Oの存在下においても排気ガス中でのN
Oの吸着特性を向上させ、これにより、NOx浄化特性
の劣化を防止しようとするものである。
【0014】具体的に、請求項1の発明の講じた解決手
段は、活性種が担持された結晶性金属含有シリケートと
Mg、In、Y、Sn、Ca及びTbから選択される金
属の非結晶性シリケートとが混合されてなる構成の排気
ガス浄化用触媒とするものである。
【0015】本発明に係る排気ガス浄化用触媒において
は、Cu,Co等の活性種を担持した結晶性金属含有シ
リケートと、Mg、In、Y、Sn、Ca及びTbから
選択される金属の非結晶性シリケートとが混合された構
成となっているため、後記実施例において詳細なデータ
を示すように従来の結晶性金属含有シリケートに活性種
を担持せしめたゼオライト触媒のみからなる排気ガス浄
化用触媒に比べて、O2及びH2Oが共存する雰囲気の排
気ガス中のNOx浄化率が改善されており浄化性能の向
上が可能となったのである。
【0016】上記した機能は、上記活性種を担持した結
晶性金属含有シリケートとMgO・SiO2等の非結晶
性シリケートとが混合される、例えばMgO・SiO
2が酸点及びNOx吸着特性を有すること、例えばCu
等の活性種のシンタリングを立体的に防止することと、
結晶性ゼオライトの細孔に比較して大きな拡散通路が確
保されること、非結晶性シリケートは撥水性を有するこ
と等の作用によってもたらされるものである。
【0017】特に、上記非結晶性シリケートが混合され
、製造上ゼオライト触媒の劣化を促進するアルミナ
バインダを用いる必要がなくなることは、排気ガス浄化
用触媒における熱、H2O等による特性の劣化の抑制に
大きく貢献する。
【0018】上記結晶性金属含有シリケートとしては、
結晶の骨格を形成する金属としてAlを用いたアルミノ
シリケート(ゼオライト)が好適であり、その他に上記
Alに代えて或いはAlと共にGa,Ce,Mn,Tb
等の金属を骨格形成材料として用いた結晶性金属含有シ
リケートも適用することができる。ゼオライトとしては
A型,Y型,モルデナイト,ZSM−5等が好適であ
る。
【0019】上記結晶性金属含有シリケートに担持され
る活性種としてはCuが好適であり、Cuの他にCo,
Cr,Ni,Fe,Mn,貴金属等も好ましく使用する
ことができる。
【0020】また、本発明において上記活性種が担持さ
れた結晶性金属含有シリケートと、非結晶性シリケー
が混合される際に、希土類元素、アルカリ土類元素、
遷移金属、Ib〜IVb族元素のうちから選ばれる一種以
上の金属を添加することは、耐熱性等の触媒性能を向上
させるのに有効である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づき
説明する。
【0022】実施例1〜3は、活性種が担持された結晶
性金属含有シリケートと非結晶性シリケートとが混合さ
れてなる排気ガス浄化用触媒についてのものである。
【0023】(実施例1) Cuイオン交換した結晶性金属含有シリケートとしての
ゼオライト(Na型ZSM−5,ケイバン比=30)
に、Cuに対してモル比で1:1となるように硝酸マグ
ネシウムを加え、さらにMgO・SiO2(Si/Mg
=1〜200)が得られるようにSiO2ゾルを加え
る。この時、溶液のpHは酸側でもアルカリ側でもよい
が、金属イオン交換ゼオライトのためには強酸及び強ア
ルカリは悪く、弱アルカリ側にあることが好ましい。上
記Si/Mg比の値が小さく換言すればMg量が多い
と、ゲル化したMgO・SiO2が溶液の粘度を増大さ
せ分散性を悪くするので、そのような場合はイオン交換
水を用いて希釈する必要がある。
【0024】具体的には、Cuイオン交換したゼオライ
ト(Na型ZSM−5,ケイバン比=30)20gに対
し2.9gの硝酸マグネシウムを加え、イオン交換水で
十分に分散させた後、Si/Mg比が4となるようにS
iO2ゾルを加えた。この後150℃で乾燥し、触媒材
料を得た。この触媒材料をコージェライト製(400セ
ル/平方インチ)のハニカム担体(25cc)に25重
量%となるようにウォッシュコートすることによって本
発明に係るCu/Z+非結晶性Mgシリケート触媒を調
製した。
【0025】上記実施例1の触媒を触媒Iと称し、Cu
を担持したゼオライトのみの触媒を従来例と称する。
尚、触媒I及び従来例中のZは結晶性金属含有シリケー
ト(ゼオライト)を表わしており、以後も同様とする。
【0026】触媒I及び従来例の各触媒について、リー
ン条件下でのNOx浄化率を測定、評価し、その結果を
図1に示した。さらに、触媒I及び従来例の各触媒につ
いて、リーン条件で運転するエンジンにて耐久サイクル
モードを行った後、実車ガス耐久後のNOx浄化率を測
定、評価し、その結果を図2に示した。
【0027】尚、リーン条件下でのNOx浄化率は、所
望のリーン条件に相当するモデルガスを使用する通常の
測定方法によって測定した。また、耐久サイクルモード
は、触媒入口ガス温度について下記のようなサイクルを
反復繰り返し、所定反復回数後のNOx浄化率を測定す
るものである。
【0028】 (450℃定常1分)→(500℃上昇)→(500℃
定常1分)→(450℃降温)のサイクルの繰り返し また、上記リーン条件下及び耐久サイクルモード後にお
けるNOx浄化率測定の際のモデルガスの一例を挙げる
と、SV=25000h-1であり、組成はNOx=21
00ppm,HC=5500ppmC,O2=7.5
%,H2=650ppm,CO2=10%,CO=0.1
8%,N2=Bl.としたものである。
【0029】(実施例2) 上記実施例1におけるMgO・SiO2の代わりにY2
3・SiO2を生成するように、Cuイオン交換したゼオ
ライト(Na型ZSM−5,ケイバン比=30)に硝酸
イットリウムを加えた後SiO2ゾルを加えた。その
後、混合、乾燥することによりY23・SiO2をCu
イオン交換した上記ゼオライト中に分散して触媒材料を
得た。この触媒材料をハニカム担体(25cc)に25
重量%となるようにウォッシュコートすることによって
本発明に係るCu/Z+非結晶性Yシリケート触媒を調
製した。この触媒を触媒IIと称する。
【0030】また、硝酸イットリウムをInの給源物質
に代える他は上記操作に準じた操作を行い、本発明に係
るCu/Z+非結晶性Inシリケート触媒を調製した。
この触媒を触媒IIIと称する。
【0031】触媒II及び触媒III各々について、リーン
条件下でのNOx浄化率を評価し、その結果を図1に併
せて示した。さらに、触媒II及び触媒IIIの各触媒につ
いても耐久サイクルモードを行った後、実車耐久後のN
Ox浄化率を評価し、その結果を図2に併せ示した。測
定方法は上記実施例1と同様とした。
【0032】図1及び図2のグラフに示される結果によ
れば、本発明に係る実施例1〜2における排気ガス浄化
用触媒の触媒I〜IIIは従来例の触媒に比べて優れた低
温活性及びNOx浄化率を有していることが分かる。
【0033】(実施例3) 上記実施例1の触媒Iについて、非結晶性シリケートで
あるMgO・SiO2のCu/Zに対する混合の割合が
変化した時の状態を評価した。Cuに対するMgの割合
が1:0.5及び1:2となるように策定して上記実施
例1と同様の測定方法によって測定し、その結果を表1
に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示される結果によれば、混合の割合
に影響されることなくO2及びH2Oの存在下における耐
久後のNOx浄化率は優れた値を示していることが分か
る。
【0036】また、非結晶性シリケートの金属につい
て、Mg,Y,Inの他にSn,Ca,Tb等の金属の
非結晶性シリケートについてもCu/Zと混合された場
合の特性を検討するため各状態でのNOx浄化率を測定
し、その結果を表2に示した。この測定は、触媒入口ガ
ス温度450℃においてA/F=22に相当するリーン
条件のモデルガスをSV=89000h-1で流通させる
ことによって行った。
【0037】また、MgO・SiO2とY23・SiO2
とが併せて混合される場合のCu,Mg,Yの割合はC
u:Mg:Y=1:1:1とした。尚、表2において、
*1は混合対象のCuを担持する結晶性金属含有シリケ
ートが(Na型ZSM−5,ケイバン比=30)のもの
であることを示し、*2は上記結晶性金属含有シリケー
トがGaを含む金属含有シリケート(Si/Al=2
0,Si/Ga=80)のものであることを示してい
る。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示される結果によれば、金属種に関
係なく非結晶性シリケートが混合される本発明に係る触
媒は、O2及びH2Oの共存下において優れたNOx浄化
活性を有している。したがって、この優れたNOx浄化
率は主として非結晶性金属シリケートを組成するシリケ
ートの混合によって発現するものであると推考すること
ができる。また、混合対象となる結晶性金属含有シリケ
ートの材質を問わず混合して得られる触媒の特性が安定
していることが看取される。
【0040】次に、参考例1〜3は、活性種が担持され
た結晶性金属含有シリケートと金属ケイ酸塩とが混合さ
れてなる排気ガス浄化用触媒についてのものである。
【0041】(参考例1) Cuイオン交換したゼオライト(Na型ZSM−5,ケ
イバン比=30)に、5重量%のMgSiO3を加え、
バインダーを加えた後イオン交換水で十分に分散した。
そして、このものを上記実施例1で用いたものと同様な
ハニカム担体(25cc)に25重量%となるようにウ
ォッシュコートすることによってCu/Z+Mgケイ酸
塩触媒を調製した。上記MgSiO3は、硝酸マグネシ
ウムにSiOゾルを加え、混合、乾燥し、大気中で13
00℃×5時間焼成することにより得たものである。上
記触媒を触媒IVと称する。
【0042】上記触媒IVについて、リーン条件下での初
期NOx浄化率を測定し、その結果を図3に示した。測
定に際してのモデルガスは上記実施例1におけるものと
同じ組成のもので、SV=89000h-1となるように
して測定した。
【0043】図3のグラフに示される結果によれば、低
温活性に富み、しかも優れたNOx浄化率が得られてい
ることが分かる。
【0044】また、リーン条件で運転するエンジンにて
耐久サイクルモードを行った後、実車ガス耐久後のNO
x浄化率を測定したところ優れた低温活性及びNOx浄
化率を示す傾向が維持されていた。
【0045】この参考例1において、結晶性金属含有シ
リケートに担持されるCuのイオン交換率は140%と
なされている。このような結晶性のCu/ZとMgケイ
酸塩とが混合され上記のようにハニカム担体にウォッシ
ュコートされた触媒である触媒IVと、上記結晶性のCu
/Zがアルミナバインダーによってハニカム担体にウォ
ッシュコートされた触媒である参考例A及び上記結晶性
のCu/Zがシリカバインダーによってハニカム担体に
ウォッシュコートされた触媒である参考例Bとについて
初期NOx浄化率とエージング後のNOx浄化率とを測
定し、各々を図3に併せ示した。
【0046】上記エージングは、O2=10%,H2O=
10%,He=Bl.のガスを用い600℃×8時間エ
ージングしたものである。尚、NOx浄化率は上記触媒
IVの初期NOx浄化率測定時と同様のモデルガスで測定
した。
【0047】再び図3のグラフに示される結果による
と、O2及びH2Oの共存するエージングにおいて、アル
ミナバインダーが用いられた参考例Aの触媒はアルミナ
の存在によって触媒特性の劣化が促進されているのに対
、触媒IVは触媒特性の劣化が抑制されていることが分
かる。
【0048】(参考例2) 上記参考例1におけるMgSiO2の代わりに金属ケイ
酸塩としてのY2SiO5を10重量%となるようにCu
イオン交換したゼオライト(Na型ZSM−5,ケイバ
ン比=30)中に分散、混合した。そして、このものを
上記参考例1で用いたものと同様なハニカム担体(25
cc)に25重量%となるようにウォッシュコートする
ことによってCu/Z+Yケイ酸塩触媒を調製した。
【0049】この触媒及び従来例としてのCu/Z触媒
について、リーン条件下で触媒入口ガス温度450℃に
おける初期NOx浄化率を測定し、次にリーン条件下で
運転するエンジンにて耐久サイクルモードを行った後、
2O及びO2共存下で600℃×8時間のエージング後
及びO2存在下で700℃×6時間のエージング後の触
媒入口ガス温度450℃におけるNOx浄化率各々を測
定して各測定結果を表3に示した。尚、モデルガスはA
/F=22モードに相当する組成のものとし、SV=8
9000h-1となるように流通させた。
【0050】
【表3】
【0051】表3に示される結果によれば、本発明に係
るCu/Z+Yケイ酸塩からなる触媒は、耐久後も優れ
たNOx浄化率を示し、特にH2Oの存在による劣化が
効果的に抑制されていることが分かる。
【0052】(参考例3) 上記参考例1におけるMgSiO3及び上記参考例2
おけるY2SiO5の代わりに、種々の金属種をもつケイ
酸塩、例えばInケイ酸塩、Snケイ酸塩、Caケイ酸
塩を上記Cuが担持された結晶性金属含有シリケート中
に分散、混合した。各々の混合量は5重量%とした。そ
して、これらのものを上記参考例2で用いたものと同様
なハニカム担体(25cc)に25重量%となるように
ウォッシュコートすることによってCu/Z+Inケイ
酸塩触媒、Cu/Z+Snケイ酸塩触媒及びCu/Z+
Caケイ酸塩触媒を調製した。
【0053】これらの触媒の各試料について、リーン条
件下で触媒入口ガス温度450℃における初期NOx浄
化率を測定し、次にリーン条件で運転するエンジンにて
耐久サイクルモードを行った後、H2O及びO2共存下で
600℃×8時間のエージング後の触媒入口温度450
℃におけるNOx浄化率各々を測定して各測定結果を表
4に示した。
【0054】上記測定時のモデルガスはA/F=22モ
ードに相当する組成のものとし、SV=89000h-1
となるように流通させた。
【0055】また、表4において、*1は混合対象のC
uを担持する結晶性金属含有シリケートがNa型ZSM
−5(ケイバン比=30)のものであることを示し、*
2は上記結晶性金属含有シリケートがGaを含む金属含
有シリケート(Si/Al=20,Si/Ga=80)
のものであることを示している。
【0056】
【表4】
【0057】表4に示される結果によれば、Cu/Z+
Inケイ酸塩,Cu/Z+Snケイ酸塩,Cu/Z+C
aケイ酸塩からなる触媒は、上記表3に示される従来例
のCu/Z触媒に対比して耐熱後も優れたNOx浄化率
を示し、特にH2Oの存在による劣化が効果的に抑制さ
れていることが分かる。さらに、混合対象となる結晶性
金属含有シリケートの材質を問わず特性の安定した触媒
が得られていることも分かる。
【0058】(触媒装置以下に示すのは 、上記実施例1〜3及び参考例1〜3
おけるH2O及びO2の共存下において優れたNOx浄化
特性を示す排気ガス浄化用触媒の触媒機能を、より効果
的に発現させようとする触媒装置についてのものであ
る。
【0059】上記Cu/Z+非結晶性シリケート及びC
u/Z+金属ケイ酸塩を始めとする触媒本体が充填され
てなる触媒装置における熱的挙動を検討した。
【0060】先ず、図4に示すように、触媒装置A内に
充填された触媒本体Bにおける排気ガスの上流側と下流
側及び軸心部と周縁部をカバーする位置に測温点1〜9
を設定し、各測温点に熱電対からなる測温センサーCを
配設し触媒本体Bの各測温点1〜9での触媒温度を測定
できるようにした。そして、定常運転(A/F=20)
に相当するモデルガスを所定触媒入口ガス温度となるよ
うに流すと共に触媒本体Bにおける排気ガス上流側から
下流側へ向っての断面上に上記ガスの熱による等温線を
現出させることによって触媒本体Bの温度分布を検認し
た。
【0061】それによると、従来例の触媒装置aにおい
ては、図7に示すように、500℃以上の高温域は触媒
本体bの軸線上の下流側に発生し、該高温域を取り巻く
ように400℃以上の亜高温域が発生していることが確
認された。したがって、従来例の触媒装置aでは、上流
側から流入する排気ガスの主流は触媒本体bの軸心部及
び軸心を取り巻く部分を流通しており、このような限ら
れた部分のみが排気ガスの浄化に関与しており、触媒本
体bの年輪状の外周部は排気ガスの浄化に寄与していな
い状況が明らかとなった。
【0062】そこで、触媒装置Aに流入する排気ガスを
触媒本体Bの上流側の端面全域に拡散させ、全面域にわ
たって均等に流入させることによってガス流量を触媒本
体B全体に均質とし、触媒本体B全体で例えばNOx浄
化反応を起こさせると共に触媒単位質量当りのガス流速
を低下させることを考慮した。
【0063】以下、上記意図を達成するための具体的手
段を説明する。
【0064】担体容量が1.3リットルのコージェライ
ト製ハニカム担体に、上記実施例1〜3及び参考例1〜
に示されるようなNOx浄化に有用な排気ガス浄化用
触媒材料の約200gを担持させて触媒本体Bを形成し
た。
【0065】そして、再び図4に示すように、触媒装置
Aにおける排気ガス上流側に排気ガス流量が触媒本体B
の上流側端面に対して一様に分布し流入量が均一になる
ように調整した整流板Dを設けた。この整流板Dを設け
たものについて、上記と同様の定常運転(A/F=2
0)に相当するモデルガスを流して上記側温点1〜9に
おける温度を測定して等温線を作成した。
【0066】その結果は、図5に示すように、500℃
以上の高温域は中心部から周縁部に拡大されており、4
00℃以上の亜高温域は触媒本体Bの上流側付近で触媒
本体Bを横断するように広がっており、軸心から年輪状
に外周縁に至る全域が排気ガスの浄化に寄与するように
なっていることが分かる。
【0067】図6に示されるのは、上記図4に示される
触媒装置の変形例の触媒装置である。この変形例のもの
上記図4に示される触媒装置と同様の触媒本体Bが用
いられると共に、上記整流板Dに付加して上記触媒本体
Bの軸線方向に空気を吹込む空気吹込み部Eが設けられ
たものとなっている。
【0068】この触媒本体Bの上流側に整流板Dと空気
吹込み部Eとを備えた変形例の触媒装置Alについて、
上記と同様に各測温点における温度を測定して等温線を
作成したところ、図6に併せ示すように、触媒本体Bの
各部にわたって排気ガスの浄化が効率よく行われてい
た。特に、触媒本体Bの軸線近傍の温度は、どのような
運転条件においても650℃以上となることはなかっ
た。
【0069】さらに、上記図4に示される触媒装置
の変形例の触媒装置及び従来例の触媒装置について、触
媒入口ガス温度の変化に対応する触媒のNOx浄化率を
測定し、その結果を表5に示した。
【0070】
【表5】
【0071】表5に示される結果によれば、同質の触媒
本体であっても、触媒装置内の上流側に整流板及び空気
吹込み部が設けられた触媒装置は、触媒本体における熱
挙動が改善されており、その結果、排気ガスの浄化特性
の向上が達成されていることが明らかである。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る排気ガス浄化用触媒によると、活性種が担持された
結晶性金属含有シリケートと、Mg、In、Y、Sn、
Ca及びTbから選択される金属の非結晶性シリケー
が混合されているため、触媒自体に撥水性が付与さ
れ、活性種のシンタリングが防止されるので、酸素高濃
度及び水蒸気雰囲気下におけるNOx浄化特性の劣化は
抑止され、耐熱性及び耐水性は向上する。さらに、低温
活性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1〜2における初期浄化率
を示すグラフ図である。
【図2】上記実施例1〜2における実車ガス耐久後浄化
率を示すグラフ図である。
【図3】参考例1の初期浄化率及びエージング後浄化率
を示すグラフ図である。
【図4】触媒装置の縦断面図である。
【図5】触媒装置における等温分布を説明する縦断面図
である。
【図6】触媒装置の変形例の縦断面図である。
【図7】従来例における等温分布を説明する断面図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹本 崇 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−28452(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 B01D 53/86

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性種が担持された結晶性金属含有シリ
    ケートと、Mg、In、Y、Sn、Ca及びTbから選
    択される金属の非結晶性シリケートとが混合されてなる
    ことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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