JPH06336A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

排気ガス浄化装置

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JPH06336A
JPH06336A JP4166424A JP16642492A JPH06336A JP H06336 A JPH06336 A JP H06336A JP 4166424 A JP4166424 A JP 4166424A JP 16642492 A JP16642492 A JP 16642492A JP H06336 A JPH06336 A JP H06336A
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nox
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明秀 高見
Tomoji Ichikawa
智士 市川
Yasuto Watanabe
康人 渡辺
Takashi Takemoto
崇 竹本
Hideji Iwakuni
秀治 岩国
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Abstract

(57)【要約】 【目的】NOx浄化用触媒の高温での劣化を防止しなが
ら、低温から高温の広い排気ガス温度域においてNOx
を効率良く浄化できるようにする。 【構成】貴金属を活性種として有する低温活性のNOx
触媒4を上流側に、高温活性のNOx触媒5を下流側に
配置し、低温活性NOx触媒4によって排気ガス低温時
のNOx浄化を保証することにより、高温活性NOx触
媒5をエンジンから離して配置できるようにし、その熱
劣化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガス浄化用触媒及
び排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排気ガス浄化用触媒として、C
O(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)の酸化と、NO
x(窒素酸化物)の還元とを同時に行なう三元触媒が一
般に知られている。この三元触媒は、例えばγ−アルミ
ナにPt(白金)及びRh(ロジウム)を担持させてな
るもので、エンジンの空燃比(A/F)を理論空燃比1
4.7付近に制御したときに、高い浄化効率が得られ
る。
【0003】一方、自動車の分野では上記空燃比を高く
してエンジンの低燃費化を図るという要請がある。その
場合、排気ガスは酸素過剰の所謂リーン雰囲気となるた
め、上記三元触媒では、COやHCは酸化浄化すること
ができても、NOxの還元浄化ができなくなる。
【0004】そこで、近年は、遷移金属をイオン交換担
持させてなるゼオライト触媒の研究が進められている。
このゼオライト触媒の場合、リーン雰囲気においても、
NOxを直接、あるいは共存する還元剤(例えば、C
O,HC等)により、N2 とO2 とに接触分解させるこ
とができる。
【0005】例えば、特開昭63−49234号公報に
は、ハロゲン化物を主成分とし酸化触媒作用を有する高
温活性の第1触媒を排気ガス流れの上流側に、ゼオライ
トを主成分とする低温活性の第2触媒を上記第1触媒の
下流側にそれぞれ配置してなる排気ガス浄化装置が記載
されている。
【0006】すなわち、上記排気ガス浄化装置は、第1
触媒によって排気ガス中のNO成分をNO2 に酸化させ
て第2触媒でNO2 の分解を行なわしめるものであり、
第1触媒と第2触媒との各々の最高活性温度が異なるた
めに、高温活性の第1触媒を排気ガス流れの上流側に、
低温活性の第2触媒を同下流側に配置せしめているもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如きゼ
オライトを用いる触媒は、実験室レベルでは比較的高い
浄化能を有する(例えば80%を越えるNOx浄化率が
得られる)ものの、耐熱性が低いという問題がある。す
なわち、ゼオライト系のNOx浄化用触媒の活性温度域
は350〜600℃付近にあるが、実車においては排気
ガス温度が時に800℃から900℃に近い高温になる
ことがある。その場合、上記ゼオライト触媒は、活性種
としての遷移金属が高温でシンタリングを起こす等の構
造変化を起こして活性が低下する。このような触媒の高
温での劣化は水の存在下で顕著となる。
【0008】一方、上記ゼオライト系のNOx浄化用触
媒は、上述の如き活性温度域を有するから、エンジンの
軽負荷運転時のように排気ガス温度が低いときには、N
Oxの浄化率が低下するという問題がある。これに対し
て、排気ガス温度が高いエンジン直下流に同触媒を配置
することが考えられるが、上述の如く耐熱性が低いこと
から、エンジンの高負荷運転時に触媒の劣化を招き易く
なる。また、排気通路に当該NOx浄化用触媒をバイパ
スする通路を接続し、排気ガスを高温時にバイパス通路
に流すことも考えられるが、このバイパス時にNOxを
浄化せずに排出させる結果になって好ましくない。
【0009】すなわち、本発明の課題は、上記NOx浄
化用触媒の高温での劣化を防止しながら、低温から高温
の広い排気ガス温度域においてNOxを効率良く浄化で
きるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明は、
このような課題に対して、上述のゼオライト系の触媒の
ような耐熱性が十分でない触媒よりも排気ガス流れの上
流側に、低温活性で且つ耐熱性を有する触媒を配置する
ものである。
【0011】すなわち、上記課題を解決する第1の手段
は、排気ガス中のNOx成分を分解するNOx浄化用触
媒(以下、高温活性NOx触媒という)と、上記高温活
性NOx触媒よりも排気ガス流れの上流側に配置され、
当該高温活性NOx触媒よりも低温において活性が発現
するよう貴金属を活性種として有し上記排気ガス中のN
Ox成分を分解する低温活性のNOx浄化用触媒(以
下、低温活性NOx触媒という)とを備えていることを
特徴とする排気ガス浄化装置である。
【0012】また、上記課題を解決する第2の手段は、
上記上記第1の手段において、その低温活性NOx触媒
よりもさらに上流側に該NOx触媒よりも高温において
活性が発現し排気ガス中のNOx成分を分解するNOx
浄化用触媒(以下、これを前置きNOx触媒という)が
配置されていることを特徴とする排気ガス浄化装置であ
る。
【0013】−手段の詳細− 上記高温活性NOx触媒及び前置きNOx触媒として
は、限定する意味ではないが、触媒温度が350〜60
0℃においてNOxの浄化を行なうようなものであれば
よい。もちろん、さらに高温、あるいは低温において活
性を有するものであってもよい。かかる触媒としては、
例えば、ミクロの細孔を有する結晶質多孔体であるゼオ
ライト等の金属含有シリケートに活性種として遷移金属
をイオン交換等によって担持せしめてなるものが好適で
ある。ゼオライトを用いる場合、耐熱性の点では水素型
ゼオライトが好適である。このゼオライトとしては、A
型、X型、Y型、ZSM−5、フェリエライト、モルデ
ナイトなど各種のものを使用することができる。
【0014】また、上記ゼオライトに代えて、他の金属
含有シリケート、例えば、2種以上の金属を結晶の骨格
構成元素とする複合金属含有シリケートを採用すること
ができ、また、Alを含まない非アルミノ金属含有シリ
ケートも採用することができる。上記骨格構成金属元素
Meとしては、3A族のSc,Y,La,Ce,Nd,
Tb、4A族のTi,Zr、5A族のV,Nb、6A族
のCr,Mo,W、7A族のMn,Tc,Re、8族の
Fe,Co,Ni,Rh,Pd,Pt、1B族のCu、
2B族のZn、3B族のAl,Ga,In、4B族のG
e,Sn、5B族のSb,Bi等を採用することができ
る。また、以上の骨格構成元素MeとSiとの比につい
ては、Si/Me>5が好適である。
【0015】上記遷移金属としては、Cuが好適である
が、それ以外のCo、Cr、Ni、Fe、Mn、Zr、
Mo、Zn、Y、Ce、Tb、あるいは貴金属等の他の
遷移金属も好ましく使用することができ、さらに、異な
る2種以上の遷移金属を組み合わせて、あるいは、遷移
金属とCa、Mg、Ge、Ga、Sn、Pb、Bi等の
ような非遷移金属とを組合せて使用するようにしてもよ
い。
【0016】低温活性NOx触媒としては、限定する意
味ではないが、触媒温度が250〜400℃においてN
Oxを浄化するようなものであればよく、もちろん、さ
らに高温あるいは低温において活性を有するものであっ
ても差し支えはない。要は、上記高温活性NOx触媒よ
りも低温域に活性を有することが条件である。かかる触
媒としては、例えばγ−アルミナ、MgO、SiO2
上述の金属含有シリケートなど高比表面積酸化物に貴金
属を担持せしめたものが好適である。すなわち、貴金属
活性種は、排気ガス中のHCの燃焼に有効であり、この
HCの燃焼によって触媒の温度上昇を図り、排気ガス温
度が低い時点からのNOxの浄化を促し、さらに、上記
HCの燃焼によってNOxの還元を促し、該NOxの浄
化率を高めることができる。
【0017】上記貴金属としては、Rhが好適であり、
また、Pt、Pd、Ru、Os、Ir、Ag、Auのよ
うな他の貴金属も単独で、若しくは上記Rhと組み合わ
せて使用し得る。
【0018】また、上記高温活性、前置き、並び低温活
性の各触媒は、触媒材料を担体に担持せしめて使用する
ことができ、あるいは、ペレットタイプとして使用する
ことができる。上記触媒材料を担体に担持せしめる場
合、担体としては、コーディライト製のハニカム担体が
好適である。
【0019】−第1の手段の作用− 上記第1の手段の場合、排気ガス温度が低いときには、
主として低温活性NOx触媒がNOxの浄化に寄与し、
高温活性NOx触媒の当該浄化への寄与率は低い。そし
て、上記低温活性NOx触媒は、高温活性NOx触媒の
上流側に配置されているため、エンジン始動時のような
排気ガス温度がかなり低いときでも、NOxの分解させ
ることができる。
【0020】しかも、上記低温活性NOx触媒は、排気
ガス中のHCの燃焼に有効な貴金属を活性種として有す
るから、排気ガス温度が低いときでもHCの燃焼により
発生する熱を利用して触媒温度を高めることができ、排
気ガス低温時におけるNOxの分解に有利である。
【0021】しかして、排気ガス温度が高いときには、
主として上記高温活性NOx触媒がNOxの分解に寄与
する。このとき、高温の排気ガスは上流側の低温活性N
Ox触媒を通過した後に上記高温活性NOx触媒に接触
するため、上記低温活性NOx触媒が高温活性NOx触
媒を過熱から保護する。その際、当該低温活性NOx触
媒は高い温度にさらされることになるが、その活性種と
しての貴金属は高温でのシンタリングが少なく耐熱性の
点で有利である。
【0022】−第2の手段の作用− 第2の手段の場合、前置きの高温活性NOx触媒は、浄
化装置全体としてのNOx浄化率を高めるのに有効であ
り、排気ガス温度が上記低温活性NOx触媒での浄化に
は高すぎ、その下流側に配置されている高温活性NOx
触媒での浄化も、そこに到達する時点では排気ガス温度
が途中の冷却で低くなるため十分に期待できない、とい
うときに有効に働く。よって、より広い排気ガス温度域
にわたってNOxの浄化を行なうことができるようにな
る。
【0023】
【発明の効果】従って、上記第1及び第2の各手段によ
れば、高温活性NOx触媒の上流側に貴金属を活性種と
して有する低温活性NOx触媒が配置されているから、
高温活性NOx触媒が熱劣化することを防止しながら、
排気ガス温度が低い時から高い時まで広い温度域にわた
って排気ガス中のNOxを効率良く浄化することができ
る。
【0024】また、第2の手段によれば、低温活性NO
x触媒のさらに上流側に高温活性の前置きNOx触媒を
配置しているため、浄化装置全体としてのNOx浄化率
を高めながら、さらに広い排気ガス温度域にわたってN
Oxを浄化することができるようになる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0026】−触媒の配置− 図1に示す配置例において、1はエンジン、2は排気通
路であり、該排気通路2の上流、中流、下流の各位置
に、前置きNOx触媒3、低温活性NOx触媒4、高温
活性NOx触媒5が順に配置され、さらに高温活性NO
x触媒5よりも下流に三元触媒6が配置されている。上
記前置きNOx触媒3と低温活性NOx触媒4とは、1
つの第1触媒容器7内において空隙8を存して前後に配
置されている。また、上記高温活性NOx触媒5と三元
触媒6とは、上記第1触媒容器7の下流側に配置された
1つの第2触媒容器9内において前後に配置されてい
る。
【0027】図2に示すものにおいては、上記排気通路
2に第1触媒容器7をバイバスするバイパス通路10を
設け、該バイパス通路10にバイパスバルブ11を設け
ているものであり、他は図1のものと同じ構成である。
バイパスバルブ11は、排気ガスが所定値以上の高温時
に開となり、排気ガスを第2触媒容器7に直接流すよう
にする。このものによれば、排気ガス温度が高いときに
前置きNOx触媒3を過熱から保護することができる。
尚、図示は省略するが、前置きNOx触媒3の入口部位
に温度センサが設けられていて、バイパスバルブ11は
当該温度センサによって検出される温度が高い所定値以
上のときに開作動するものである。
【0028】−触媒について− 上記前置きNOx触媒3及び高温活性NOx触媒5は、
ゼオライトにCuをイオン交換によって担持させてなる
触媒材料(以下、Cuゼオライトという)をコーディラ
イト製ハニカム担体に担持させたものであり、触媒活性
温度域は350〜600℃である。上記低温活性NOx
触媒4は触媒材料としてRhを担持させてなる高比表面
積のγ−アルミナ(以下、Rhアルミナという)であ
り、触媒活性温度域は250〜400℃である。また、
三元触媒はγ−アルミナにPt及びRhを担持させてな
る。
【0029】−浄化テスト− まず、従来例の確認テストとして、上流位置(エンジン
1との間隔は30cm)にCu/ゼオライトを上述のハニ
カム担体に担持せさてなる触媒をおき(中流.下流位置
はなし、三元触媒有)、以下の条件で初期及び耐久テス
ト後の活性(浄化率)を調べた。活性評価条件及び耐久
テスト条件は次の通りである。
【0030】<活性評価条件> エンジン:1.3リットル,A/F:22,触媒温度:
450℃ <耐久テスト> エンジン:1.3リットル,A/F:22,排気ガス温
度:600℃,運転時間:20時間 結果は表1に示されている。
【0031】
【表1】 なお、表1において、初期(%) は初期浄化率を意味し、
耐久(%) は耐久テスト後の浄化率を意味する。この点は
後に示す表2も同じである。
【0032】次に、図1に示す排気ガス浄化装置(以
下、実施例1という)において、エンジンを1.6リッ
トルとする他は上記従来例と同じ条件で初期及び耐久テ
スト後の活性(NOx浄化率)を調べた。
【0033】また、上記低温活性NOx触媒の触媒材料
をRhアルミナに代えてPtをゼオライトに担持してな
るもの(Ptゼオライト)とした実施例2、その他、上
記上流位置、中流位置及び下流位置に適宜の触媒を配置
してなる実施例3,4及び比較例1〜4につき同様にし
て活性を調べた。結果を表2に示す。なお、各例はいず
れも下流側に上記実施例1と同じ三元触媒を有する。
【0034】
【表2】 なお、表2において、低下(%) は、初期浄化率から耐久
テスト後の浄化率の低下率を意味する。
【0035】−テスト結果について− 初期活性及び耐久テスト後の活性のいずれにおいても、
実施例1,2は比較例のものよりも良い結果を示してい
る。
【0036】実施例1,2の初期活性が高いのは、上流
位置の前置きNOx触媒(Cuゼオライト)が有効に働
いているためと認められる。この点については、同じく
上流位置にCuゼオライト触媒を有する比較例1、比較
例2、比較例4が比較的高い初期活性を示していること
からもわかる。
【0037】実施例1,2の耐久テスト後の活性が高い
のは、中流位置の低温活性NOx触媒(Rhアルミナま
たはPtゼオライト)の作用によるものと認められる。
つまり、当該低温活性NOx触媒がその下流の高温活性
NOx触媒を過熱から保護し、その劣化を防止している
ものである。このことは、低温活性NOx触媒を備えて
いない比較例4の耐久テスト後の活性が低いことから裏
付けられる。
【0038】また、実施例3,4は、上流位置と中流位
置との関係で本発明の構成が採用されているものである
が、初期活性はそれほど高くないものの、浄化率の低下
率は低くなっている。
【0039】−空隙8について− 次に図1の第1触媒容器7内において、前置きNOx触
媒3と低温活性NOx触媒4との間に設けられている空
隙8の意味について説明する。この空隙8は、前置きN
Ox触媒3の後部及び低温活性NOx触媒4の前部の過
熱を防止するものである。
【0040】上記過熱防止について実験データに基づい
て説明する。表3に示すように、上記空隙8の寸法(前
置きNOx触媒3と低温活性NOx触媒4との間隔)が
互いに異なる5種類の供試材〜を準備した。なお、
表3中の「空隙比率」は、前置きNOx触媒3と低温活
性NOx触媒4とを合わせた長さに対する空隙8の割合
を表わす。
【0041】
【表3】
【0042】そして、表4に示す運転条件でエンジン
(1.5リットル)をA/F=20〜22で運転し、各
供試材につき、図1における触媒入口P1 点の温度、前
置きNOx触媒3の中央部P2 の温度及び低温活性NO
x触媒4の中央部P3 の温度を測定した。結果を表4及
び図3に示す。
【0043】
【表4】
【0044】上記触媒入口P1 点の温度及び前置きNO
x触媒3の中央部P2 の温度は、いずれの供試材も大差
はなく、表4に示す通りである。これに対して、低温活
性NOx触媒4の中央部P3 の温度は各供試材で異な
り、空隙8の寸法が大きいものほど温度が低いという結
果になっている。
【0045】すなわち、前置きNOx触媒3ではHCの
燃焼など触媒反応熱によって温度が上昇するが、供試材
,の場合は、空隙8が狭いことから、低温活性NO
x触媒4の前部中心部が前置きNOx触媒3からの伝熱
によって大きく上昇しているものと認められる。また、
前置きNOx触媒3に関しても、低温活性NOx触媒4
によって後方への放熱が妨げられる結果、後部中心部が
異常昇温する傾向にある。
【0046】これに対して、供試材〜の場合は、上
記空隙8が広いために、該空隙8が前置きNOx触媒3
から低温活性NOx触媒4への直接的な伝熱を防止する
断熱作用を発揮するとともに、前置きNOx触媒3から
の放熱を触媒容器7の中心部から周辺部に分散させる機
能を発揮し、これにより、低温活性NOx触媒4の前部
中心部の局部的な過熱が防止されているものと認められ
る。また、同時に前置きNOx触媒3の後部中心部の異
常昇温も抑えられる。
【0047】上記供試材ととにつき、上記各運転条
件で最高NOx浄化率を測定したところ、図4に示す結
果が得られ、上記空隙8の大小はNOx浄化率に大きな
影響を与えないことが確認できた。
【0048】次に長さ180mmの触媒容器7において上
記空隙8の寸法を30mmに固定し、表5に示すように、
前置きNOx触媒3の長さを互いに異なるものにした5
種類の供試材,〜を準備し、上記各運転条件にお
いて各々のNOx浄化率を測定した。結果は図5に示さ
れている。なお、表5中の「全体での割合」は、触媒有
効長さ150mmに占める前置きNOx触媒3の割合を表
わす。
【0049】
【表5】
【0050】図5から、前置きNOx触媒3の容量が大
きすぎると、当該触媒でHCがほとんど消費され、低温
活性NOx触媒4が有効に働かなくなるため、NOx浄
化率が低くなること、逆に前置きNOx触媒3の容量が
小さすぎると、NOx浄化率が低下することがわかる。
【0051】−低温活性NOx触媒について− 次に、低温活性NOx触媒4として好適な例を説明す
る。それは、金属含有シリケートにRh及びPdのうち
の少なくとも一方とPtとを担持させてなる触媒であ
る。まず、その一例として、Pt−Rhゼオライトにつ
いて説明する。
【0052】(Pt−Rhゼオライト) 触媒の調製 Na型ZSM−5粉末に塩化白金酸水溶液及び硝酸ロジ
ウム水溶液を加え、40〜50℃で加熱撹拌を行ない、
蒸発乾固させた。この後に150℃の大気中で3時間以
上の乾燥処理を施して、Pt−Rhゼオライト(塩化白
金酸+硝酸ロジウム)を得た。なお、上記Na型ZSM
−5のSiO2 /Ai2 3 比は、20〜200程度と
することができるが、30〜50が好適である。また、
そのカチオン種としては、Na+ でなくとも、他のアル
カリ金属イオン、あるいはアルカリ土類金属イオン、H
+ 、アンモニウムイオン等であってもよい。
【0053】次に上記Pt−Rhゼオライトにバインダ
として水和アルミナを20wt%になるように加えた後、
適量の水を加えて、ウォッシュコート用スラリーを得
た。そして、当スラリーにコーディライト製ハニカム
(400セル/inch2 )を浸漬し余分のスラリーをエア
ブローによって吹き飛ばした後、乾燥し、大気中で50
0℃×2時間の焼成処理を施して、得られたものを供試
材とした。ハニカム担体における触媒材料担持量は20
wt%となるようにした。
【0054】触媒の活性評価 上記触媒につき、常圧固定床流通式評価装置によって表
6に示す組成の模擬排気ガスでNOx浄化率を測定し
た。
【0055】
【表6】
【0056】結果は、上記塩化白金酸水溶液及び硝酸ロ
ジウム水溶液の混合溶液に代えて、2価Ptアンミン結
晶を用いたPtゼオライト(2価Ptアンミン結晶)、
塩化白金酸水溶液のみを用いたPtゼオライト(塩化白
金酸)及び2価Ptアンミン結晶と硝酸ロジウムとを用
いたPt−Rhゼオライト(2価Ptアンミン結晶+硝
酸ロジウム)についての測定結果と共に図6に示されて
いる。これから、Pt−Rhゼオライトの場合は、Pt
ゼオライトよりも200〜300℃の温度域での活性が
高いことがわかる。
【0057】(Pt,Rh,Pdの担持比率)次に上記
ゼオライトに担持させるべきPt,Rh,Pdという3
元素の担持比率を適宜変えてなる各触媒につき、初期の
触媒活性及び700℃×6時間の加熱処理後の触媒活性
を先の場合と同じ条件で調べた。結果は初期活性につい
ては図7に、加熱処理後の触媒活性については図8に示
されている。この両図における各プロットの横に記載の
数値は最高NOx浄化率を表わす。
【0058】同図から、Pt−Rhの組み合わせにおい
て初期活性及び加熱処理後の活性の両者に好結果が得ら
れること、また、その担持比率は、Pt/Rh=7/3
以上が好ましいことがわかる。なお、上限はPt/Rh
=20程度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気ガス浄化装置を示すブロック図
【図2】排気ガス浄化装置の他の例を示すブロック図
【図3】前置きNOx触媒と低温活性NOx触媒との間
の空隙の大小が低温活性NOx触媒の温度に及ぼす影響
を示すグラフ図
【図4】上記空隙の大小がNOx浄化率に及ぼす影響を
示すグラフ図
【図5】前置きNOx触媒の長さがNOx浄化率に及ぼ
す影響を示すグラフ図
【図6】各種の低温活性NOx触媒のNOx浄化特性を
示すグラフ図
【図7】低温活性NOx触媒におけるPt,Rh,Pd
の担持比率と初期NOx浄化率との関係を示す三角座標
【図8】低温活性NOx触媒におけるPt,Rh,Pd
の担持比率と加熱処理後のNOx浄化率との関係を示す
三角座標図
【符号の説明】
1 エンジン 2 排気通路 3 前置きNOx触媒 4 低温活性NOx触媒 5 高温活性NOx触媒 6 三元触媒 7 第1触媒容器 8 空隙 9 第2触媒容器 10 バイパス通路 11 バイパスバルブ
フロントページの続き (72)発明者 竹本 崇 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 岩国 秀治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気ガス中のNOx成分を分解するNOx
    浄化用触媒と、 上記NOx浄化用触媒よりも排気ガス流れの上流側に配
    置され、上記NOx浄化用触媒よりも低温において活性
    が発現するよう貴金属を活性種として有し上記排気ガス
    中のNOx成分を分解する低温活性のNOx浄化用触媒
    とを備えていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】上記低温活性のNOx浄化用触媒よりもさ
    らに上流側に該NOx浄化用触媒よりも高温において活
    性が発現し排気ガス中のNOx成分を分解するNOx浄
    化用触媒が配置されている請求項1に記載の排気ガス浄
    化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001207834A (ja) * 2000-01-20 2001-08-03 Mazda Motor Corp エンジンの排気浄化装置

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