JP3325522B2 - 金属膜の形成方法及び電極の形成方法 - Google Patents

金属膜の形成方法及び電極の形成方法

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JP3325522B2 JP20802298A JP20802298A JP3325522B2 JP 3325522 B2 JP3325522 B2 JP 3325522B2 JP 20802298 A JP20802298 A JP 20802298A JP 20802298 A JP20802298 A JP 20802298A JP 3325522 B2 JP3325522 B2 JP 3325522B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、金属膜の形成方法
及び電極の形成方法に関する。更に詳しくは、本発明
は、無機基板との密着性を向上させることができるメッ
キ法による金属膜及び電極の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板等の無機基板に金属膜及び電
極を形成する方法として、メッキ法、蒸着法、スパッタ
法、化学気相成長(CVD)法、陽極接合法等が知られ
ている。これら方法の内、蒸着法、スパッタ法、化学気
相成長(CVD)法及び陽極接合法は、製造装置が高価
であり、かつ製造工程が複雑なため製造コストが高いと
いう欠点がある。これに対して、メッキ法は、製造装置
が比較的安価で、製造工程も単純で製造コストが安いと
いう利点がある。
【0003】しかしながら、無機基板にメッキ法により
金属膜を形成した場合、一般に無機基板と金属膜との密
着性は分子間力によるため、非常に弱いことが知られて
いる。従って、メッキ金属膜は基板から剥離しやすい欠
点がある。メッキ金属膜の弱い密着性を改善するため
に、無機基板の表面をエッチング等の手法で粗面化した
後、メッキ法により金属膜を形成する方法が知られてい
る。無機基板の表面を粗面化することにより密着性が改
善される理由は、金属膜が応力等により剥がれようとす
るときに、金属膜がエッチングにより形成された無機基
板の凸部で引っ掛かり、剥がれにくくなること(所謂、
アンカー効果)による。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機基
板の表面を粗面化する方法では、粗面化された無機基板
は光を散乱するため、この方法をPDP、LCD等のフ
ラットディスプレイに適用した場合、コントラストが低
下する問題がある。本発明は、コントラストを低下する
ことなく、また簡単なプロセスによって、メッキ金属膜
の密着力を強化することができる金属膜及び電極の形成
方法を提供することも目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、陽
極接合法に着目し、その技術を無機基板上に形成したメ
ッキ金属膜の密着力を強化する手段として利用すること
により上記課題を解決することができることを確認し本
発明に至った。かくして本発明によれば、無機基板上に
メッキ法により金属膜を形成した後、該金属膜に正電
圧、無機基板に負電圧を印加して、金属膜と無機基板の
界面に静電引力を生成させることで金属膜を無機基板に
強固に密着させることを特徴とする金属膜の形成方法が
提供される。
【0006】更に、本発明によれば、無機基板上に金属
膜をメッキした後、該金属膜に正電圧、無機基板に負電
圧を印加して、金属膜と無機基板の界面に静電引力を生
成させることで金属膜を無機基板に強固に密着させ、該
無機基板に密着した金属膜を所定の形状にパターニング
して電極を形成することを特徴とする電極の形成方法が
提供される。
【0007】また、本発明によれば、無機基板上に所定
パターンの金属膜をメッキした後、該金属膜に正電圧、
無機基板に負電圧を印加して、金属膜と無機基板の界面
に静電引力を生成させることで金属膜を無機基板に強固
に密着させ、該無機基板に密着した金属膜を所定の形状
にパターニングして電極を形成することを特徴とする電
極の形成方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用することができる無
機基板としては、特に限定されず、パイレックスガラス
基板、ソーダライムガラス基板、セラミックス基板等の
無機絶縁性基板、表面に無機絶縁性膜が形成されたシリ
コン基板等の無機半導体基板が挙げられる。この内、無
機絶縁性基板を使用することが好ましい。
【0009】次に、無機基板上にメッキ形成される金属
膜を構成する材料は、酸化されやすい材料であれば特に
限定されない。そのような材料として、ニッケル、コバ
ルト、銅、亜鉛、クロム、鉄等の金属や、それら金属の
合金が挙げられる。メッキ金属膜(以下、金属膜と記
す)の形状は、無機基板の全面に形成された金属膜、ス
トライプ状、格子状等の金属膜パターンが挙げられる。
【0010】上記の金属膜を無機基板に強固に密着させ
る密着力強化法は、図1に示すように、負電圧印加用電
極3を介して無機基板1に負電圧を印加し、無機基板1
上の金属膜2に正電圧を印加し、無機基板1と金属膜2
との界面に静電引力を生成させる方法である。ここで、
周知の陽極接合法と対比してみると、陽極接合法は、金
属膜の接合面が露出しているために、当該接合面には1
0〜100Å程度の自然酸化膜が既に形成されてしまっ
ている。これに対して、本発明の方法は、無機基板にメ
ッキした金属膜であるため、それらの界面に自然酸化膜
は形成されていない。この差は接合する又は密着させる
ために必要な蓄積電荷量に影響する。即ち、陽極接合法
では、一般に0.01C/cm2 程度の蓄積電荷量を必
要としており、この蓄積電荷量は、界面において、金属
が無機基板の表面に露出するための陰性元素の電荷量の
数十〜数百倍である。この理由は、上記のように蓄積し
た電荷が、それにより空間を埋めることの他に、自然酸
化膜を金属イオン又は陰性元素が通過できるだけの電界
を形成するために使用されているためであると考えられ
る。しかし、本発明では、界面に自然酸化膜が形成され
ていないため、陽極接合法の1/10000〜1/10
倍程度(即ち、1×10-6〜1×10-3C/cm2 )の
蓄積電荷量で十分な密着力を得ることができる。また、
接合前又は接合中に行われる加熱温度を低くすることが
でき、接合後の冷却時間の短縮、スループットの向上、
コストの低減を実現することができる。
【0011】即ち、接合時に金属膜と無機基板の界面に
蓄積する電荷量は、無機基板に存在する陰性元素による
表面電荷密度の1/1000〜10倍程度であることが
好ましく、特に1/100〜1倍であることが好まし
い。1/1000より少ない場合、密着力が十分向上し
ないため好ましくなく、10倍より大きい場合、金属の
酸化が進み、界面に応力が形成され密着性が低下するた
め好ましくない。本発明において、陰性元素とは、酸
素、窒素等の無機基板を構成する元素の内、電気陰性度
の大きい元素を意味する。この陰性元素は、密着力強化
時に金属膜と電気化学的に結合するので、金属膜と無機
基板との界面に静電引力を生成させ強固な密着力を実現
することができる。
【0012】上記本発明の密着力強化の条件は、温度、
印加電圧、印加時間、無機基板の材質(抵抗率)、厚み
に関連している。いま、印加電圧をV(V)、印加時間
をt(秒)、無機基板の厚みをd(cm)、温度をT
(℃)、無機基板の抵抗率をρ(T)(Ω・cm)とし
て、目標とする電荷蓄積量をC(C/cm2 )とする
と、これらには Vt/ρ(T)d=C の関係が成り立つ(但し、上記式は界面での空間電荷形
成が無視できる領域において成り立つ)。ここで例え
ば、V=1000V、t=300秒、d=0.3cm、
C=1×10-5C/cm2 とすると、ρ(T)=1010
Ω・cmとなる。この値中、ρとTは無機基板の材質に
より決まる値である。例えば、ソーダライムガラスから
なる無機基板の場合、T=87℃で、ρ=1010Ω・c
mになる。また、パイレックスガラスからなる無機基板
の場合、T=164℃で、ρ=1010Ω・cmになる。
上記条件は、金属膜と無機基板との電気化学的な接合に
必要な条件である。従って、上記温度以上で密着力強化
を行うと、電気化学的な密着力に加えて、界面で純粋な
化学反応による結合効果(所謂、アニール効果)による
密着力の向上も得られる。但し、温度を上げ過ぎると、
密着力強化時の雰囲気中に含まれる酸素により、金属膜
が酸化されてしまう恐れがある。しかしながら、本発明
の方法では、陽極接合法では困難であった低温領域にお
いて、電気化学的な密着力強化を得ることができるた
め、温度を上げ過ぎることによる金属層の表面の酸化も
陽極接合法と比較して著しく抑制することができる。
【0013】また、本発明の密着力強化法が、陽極接合
法より少ない蓄積電荷で済むもう一つの理由として、陽
極接合法では、空間が存在する金属膜と無機基板との界
面を接合させるために大きな圧力が必要であるにもかか
わらず、クーロン力は極めて弱いため、非常に大きな電
荷の蓄積が必要となることが挙げられる。即ち、空間の
広がりに比べて変動が極めて少ない領域では、平行平板
間に電荷が蓄積しているモデルに近似できるが、このよ
うな場合、第一次近似としてクーロン力は(蓄積電荷密
度)/(ギャップ間距離)に比例すると考えられる。こ
こで、陽極接合法は空間間隔が最大約1μm、本発明の
密着力強化法では最大約1nmであるため、同じ電荷密
度であれば、クーロン力は約1000倍異なることとな
る。このような観点からも、本発明では、陽極接合法に
比べて必要な蓄積電荷量を少なくすることができること
が説明できる。
【0014】また、陽極接合法が、分離している板状又
は箔状の金属膜と無機基板とを、圧力をかけつつ接合し
ているのに対して、本発明では金属膜は無機基板に分子
間力により密着しているため、密着力強化時に圧力をか
けなくても、金属膜と無機基板との界面の気泡等による
空間を容易に排除することができる。よって、陽極接合
法で課題とされていた、気泡の発生を本発明では考慮す
る必要がない。しかも、本発明では、圧力をかける必要
がないので、無機基板の表面に傷がつくことを防ぐこと
ができる。更に、基板に凹凸がある場合でも、本発明の
方法を使用して密着力の向上した金属膜を得ることがで
きる。
【0015】本発明の形成方法により得られた金属膜
は、無機基板上に金属膜を形成することが望まれる用途
全てに使用することができる。その用途としては、例え
ば、圧力センサーのような測定装置の電極、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置等の表示装
置の電極や電磁シールドが挙げられる。この内、表示装
置の電極の形成に使用することが好ましい。
【0016】電極の形成方法としては、無機基板上にメ
ッキ法により金属膜を形成し、無機基板に負電圧、金属
膜に正電圧を印加して無機基板と金属膜との密着力を強
化した後、金属膜を所望の電極形状にパターニングして
電極を得るか、又は無機基板上にメッキ法により所望の
電極パターンを有する金属膜を形成し、無機基板に負電
圧、金属膜に正電圧を印加して無機基板と金属膜との密
着力を強化し、その金属膜を電極として形成することが
できる。
【0017】上記電極の形成方法をPDPに適用した場
合について述べる。一般的なPDPの構成を図2に示
す。なお、図2のPDP20は、ACメモリ駆動方式の
面放電型のPDPであるが、本発明の方法は、他の駆動
方式及び/又は構造のPDPにも使用することができ
る。PDP20は、表示側基板と背面基板とからなる。
表示側基板は、無機基板27(例えば、ガラス基板)上
にバス電極となる金属膜26(例えば、Cr/Cu/C
rの積層膜、Al)と透明電極25(例えば、ITO、
NESA(SnO2))からなる表示電極がストライプ
状に形成され、この電極を覆うように誘電体層24が形
成され、誘電体層24上には保護膜29が形成されてな
る構成を有している。ここで金属膜26の形成に本発明
の電極の形成方法を使用することができる。一方、背面
基板は、無機基板23(例えば、ガラス基板)上にアド
レス電極Aがストライプ状に形成され、アドレス電極A
が誘電体層28で覆われ、誘電体層28上に隔壁21が
形成され、隔壁21間の誘電体層28上及び隔壁の壁面
にRGBの三原色の蛍光体22を覆ってなる構成を有し
ている。ここでアドレス電極Aの形成に本発明の電極の
形成方法を使用することができる。なお、図2中、Dは
表示面、EUは単位発光素子、EGは1画素を意味す
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。 実施例1 まず、ガラス基板(旭硝子社製PD−200、歪み点5
70℃)上に、無電解メッキ法により厚さ0.1μmの
Coからなる金属膜を形成した。なお、無電解メッキ法
には、Co無電解メッキ液としてワールドメタル社製の
コンバス−Pを使用した。得られた金属膜を、JIS規
格番号H0211のスクラッチ試験により密着力を評価
した。この金属膜は、スクラッチ試験では測定すること
が困難なほど密着力が弱かった。なお、密着力は、数m
N以下であると推測される。
【0019】ここで、メッキ法の特徴を利用して、ガラ
ス基板両面に金属膜を形成し、基板表面側の金属膜を表
示電極等の金属膜とし、基板裏面側の金属膜を以下に記
載する負電圧印加用電極として使用した。次に、温度2
70℃で15分間保持した後、印加電圧400V、窒素
ガス雰囲気下で密着力強化を行い、密着力と蓄積電荷量
を測定した。結果を表1に示す。なお、温度を200℃
にすること以外は、前記と同様にして密着力強化を行
い、得られた金属膜の密着力と蓄積電荷量を測定した。
【0020】
【表1】
【0021】上記表1から明らかなように、密着力を格
段に向上させることができた。更に、温度270℃で1
5分間保持した金属膜に5×10-4C/cm2 の電荷を
蓄積させたときの印加電圧及び金属膜−無機基板間に流
れる電流(説明の便宜上、接合電流と記す)の時間経過
を測定した。結果を図3に示す。図3から明らかなよう
に、接合電流は徐々に増加し、約20秒で電流が飽和し
ている。また、飽和時の面積当たりの蓄積電荷量は、
2.3×10-4C/cm2 であった。
【0022】また、温度200℃で15分間保持した厚
さ0.2μmの金属膜に蓄積させる電荷量を異ならせる
ことにより、蓄積電荷量と密着力との関係を調べた。そ
の結果を図4に示す。図4から、蓄積電荷量を増加させ
ることにより、密着力も向上することが判った。なお、
本実施例に使用したガラス基板は、バルク状態での抵抗
率の温度変化から計算すると、公知の陽極接合法では、
約400℃で加熱する必要があると推測される。従っ
て、本実施例によれば、接合時の温度をより低くするこ
とができるため、冷却を短時間で行うことができる。ま
た、ソーダライム基板を使用した場合でも、約70℃の
温度で接合することができると推測される。
【0023】この後、上記密着力強化法により処理され
た金属膜の表面における自然酸化膜を除去し、更にPd
イオンによる触媒付与工程に付した後、Cuを無電解メ
ッキ法により金属膜上に0.1μm厚さで成膜し、続い
て電解メッキ法により4μmの厚さのCu膜を成膜し
た。得られた金属膜及びCu膜に剥離は生じなかった。
【0024】実施例2 図5(a)〜(f)に基づいてPDPの表示電極を形成
した。無機基板31上に、1000ÅのCo層33を無
電解メッキ法で積層し、密着力強化を施した。次いで、
Co層33上に、Cu層38を電解メッキ法で2μmの
厚さで積層した(図5(a)参照)。次いで、フォトレ
ジストを全面に塗布し、露光・現像することにより電極
の形成を所望する領域にのみマスク39を形成した。こ
の後、塩化第二鉄水溶液を使用してCu層38及びCo
層33を一括にエッチングすることにより、伝導層35
及び下地層37を形成した(図5(b)参照)。
【0025】この後、NaOH水溶液によりフォトレジ
ストの除去と脱脂を行い、酢酸を使用して伝導層35の
表面の自然酸化膜を除去した。次いで、ワールドメタル
社製のコバルトメッキ液コンバス−Mを使用して、伝導
層35の表面を覆うように、選択的に厚さ0.3μmの
Coからなる保護層36を形成した。従って、無機基板
31上に下地層(Co)37、伝導層(Cu)35及び
保護層(Co)36からなるバス電極が形成できた(図
5(c)参照)。
【0026】次に、バス電極を覆うように基板31上に
厚さ0.3μmのITO膜32aを形成した(図5
(d)参照)。ITO膜32aは、インジウム及びスズ
の有機金属化合物を含むペーストを無機基板31上に塗
布・焼成することにより形成した。次いで、フォトレジ
ストを全面に塗布し、露光・現像することにより透明電
極の形成を所望する領域にのみ膜厚3μmのマスク40
を形成した。このマスク40を使用して塩酸水溶液によ
りITO膜32aをウエットエッチングすることによ
り、透明電極32を形成した(図5(e)参照)。
【0027】マスク40を除去した後、無機基板31全
面に、低融点ガラス粉末、エチルセルロース(バインダ
ー樹脂)及びα−テルピネオール(溶剤)からなる低融
点ガラスペーストを塗布した。この低融点ガラスペース
トを空気中で500〜600℃で焼成することにより、
誘電体層31を形成した。この後、誘電体層31上に蒸
着法により厚さ1μmのMgOからなる保護層42を形
成することにより、PDPの表示側基板を製造すること
ができた(図5(f)参照)。
【0028】上記表示側基板とは別に、無機基板上にN
i層をメッキ法により積層し、密着力強化を施した。N
i層をエッチングすることによりアドレス電極を形成し
た。次いで、公知の手段により誘電体層、隔壁及び蛍光
体層を形成することにより背面基板を製造することがで
きた。表示側基板及び背面基板を貼り合わせて、放電空
間に放電ガスを封入することにより、図2に示す如きP
DPを得ることができた。
【0029】実施例3 厚さ2μmのCu層38を硫酸銅と硫酸とを含む水溶液
を用いた電解メッキ法で形成し、該Cu層38の形成前
に、Co層33上に厚さ1000ÅのCu層を無電解メ
ッキ法で形成すること以外は、図5(a)と同様の工程
を繰り返した。なお、電解Cuメッキ実施前に薄いCu
層を形成することは、基板の対角線長さが数十cm以上
のような大型ガラス基板においては、望ましい状況で電
解Cuメッキを行うために重要な意味を持つ。即ちCo
層33のシート抵抗は、高々数十Ω/□なので、電解メ
ッキの初期において、メッキ時のCo層を流れるメッキ
電流による電圧降下によって、ガラス基板中央部のCo
には電解メッキを行うのに十分な電圧が供給されないと
いう状況が発生する。
【0030】このとき、Coとメッキ液のCu2+イオン
とで酸化還元反応が進行してCoがイオンとなって溶出
する代わりにCuが析出し、ある程度の膜厚のCuが形
成されればシート抵抗が下がり、電圧降下の問題は解決
され、それ以降は正常に電解メッキされる。この反応が
起きるおかげで、そのような電圧降下により、基板中央
部に十分な印加電圧がかからない場合でも、Co層33
の膜厚が十分ならば電圧降下の問題は解決される。
【0031】しかしながら、Co層33の膜厚が少ない
場合には、CuとCoとの置換反応が、ガラス界面まで
到って、金属膜とガラスとの密着がとれなくなり剥がれ
る。また、Cu2+イオンが電解Cuメッキ液中に溶出す
ることにより、メッキ液の寿命が短くなるといった問題
点も発生する。従って、以上の2点を解決するために、
電解Cuメッキ前に無電解Cuメッキ膜を形成すること
は有効な方法である。上記工程以外は、図5(b)〜
(f)と同様の工程を経ることによりPDPの表示側基
板を製造することができた。
【0032】実施例4 図6(a)〜(f)に基づいてPDPの表示電極を形成
した。まず、基板31上にCo層33及びCu層43を
無電解メッキ法によりそれぞれ厚さ1000Åで形成し
た(図6(a)参照)。
【0033】更に、厚さ5μmでフォトレジストを基板
全面に塗布し、バス電極用の伝導層の形成を所望する領
域を露光・現像することにより、該領域に開口部を有す
るマスク34を形成した。このマスク34を使用して、
電解メッキ法により厚さ2μmのCuからなる伝導層3
5を形成した(図6(b)参照)。なお、メッキ条件
は、酸性硫酸銅を主成分として含む水溶液(商品名ミク
ロファブ、EEJA社製)をメッキ液として使用し、液
温30℃、電流密度2A/dm2 とした。
【0034】マスク34を除去した後、バス電極に密着
力強化を施し、次いで図5(c)〜(f)と同様の工程
を経ることによりPDPの表示側基板を製造することが
できた(図6(c)〜(f)参照)。
【0035】実施例5 図7(a)〜(e)に基づいてPDPの表示電極を形成
した。図7(a)〜(e)に示す形成方法は、透明電極
2を印刷法で形成すること(図7(d)参照)以外は、
図6(c)〜(f)と同様の工程を経ることによりPD
Pの表示側基板を製造することができた。
【0036】
【発明の効果】本発明の金属膜及び電極の形成方法によ
れば、無機基板上に密着性に優れたメッキ膜からなる金
属膜及び電極を得ることができる。また、無機基板の金
属膜形成面に密着力強化のための粗面化処理等を全く行
わないので、光透過性を損なうことがなく、表示電極へ
の適用において、コントラストを低下させることがな
い。しかも、密着力強化工程は、安価な製造設備でかつ
簡単な処理で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属膜形成法の概念図である。
【図2】PDPの概略斜視図である。
【図3】実施例1の密着力強化のための時間に対する印
加電圧と接合電流との関係を示すグラフである。
【図4】実施例1の密着力強化時の蓄積電荷量と密着力
との関係を示すグラフである。
【図5】実施例2及び3のPDPの表示側基板の製造工
程の概略断面図である。
【図6】実施例4のPDPの表示側基板の製造工程の概
略断面図である。
【図7】実施例5のPDPの表示側基板の製造工程の概
略断面図である。
【符号の説明】
1、31 無機基板 2 金属膜 3 負電圧印加用電極 20 PDP 21 隔壁 22 蛍光体 23、27 無機基板 24、28、41 誘電体層 25、32 透明電極 26 金属膜 29、42 保護膜 A アドレス電極 D 表示面 EU 単位発光素子 EG 1画素 32a ITO膜 33 Co層 34、39、40 マスク 35 伝導層 36 保護層 37 下地層 38、43 Cu層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 滋雄 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−222128(JP,A) 特開 平9−328372(JP,A) 特開 平9−123341(JP,A) 特開 平9−61799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/31 C25D 5/48 C25D 11/00 301 G09F 9/30 312

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機基板上にメッキ法により金属膜を形
    成した後、該金属膜に正電圧、無機基板に負電圧を印加
    して、金属膜と無機基板の界面に静電引力を生成させる
    ことで金属膜を無機基板に強固に密着させることを特徴
    とする金属膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 無機基板が、ガラス基板又はセラミック
    ス基板である請求項1の金属膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 無機基板が金属膜形成面と異なる面に負
    電圧印加用電極を有し、その負電圧印加用電極が金属膜
    と同時にメッキ法で形成される請求項1又は2の金属膜
    の形成方法。
  4. 【請求項4】 金属膜を無機基板に強固に密着させる工
    程が、無機基板の表面に存在する陰性元素の電荷量の1
    /1000〜10倍の電荷蓄積量となるよう調整された
    電圧下で行われる請求項1〜3のいずれかの金属膜の形
    成方法。
  5. 【請求項5】 金属膜を無機基板に強固に密着させる工
    程が、真空、還元性ガス又は不活性ガス雰囲気下で行わ
    れる請求項1〜4のいずれかの金属膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 無機基板上に金属膜をメッキした後、該
    金属膜に正電圧、無機基板に負電圧を印加して、金属膜
    と無機基板の界面に静電引力を生成させることで金属膜
    を無機基板に強固に密着させ、該無機基板に密着した金
    属膜を所定の形状にパターニングして電極を形成するこ
    とを特徴とする電極の形成方法。
  7. 【請求項7】 無機基板上に所定パターンの金属膜をメ
    ッキした後、該金属膜に正電圧、無機基板に負電圧を印
    加して、金属膜と無機基板の界面に静電引力を生成させ
    ることで金属膜を無機基板に強固に密着させ、該無機基
    板に密着した金属膜を所定の形状にパターニングして電
    極を形成することを特徴とする電極の形成方法。
  8. 【請求項8】 無機基板における電極形成面と反対側の
    面に、負電圧印加用の電極を金属膜のメッキ形成工程で
    同時に形成する請求項6又は7の電極の形成方法。
  9. 【請求項9】 電極が、プラズマディスプレイパネルの
    放電用電極である請求項6〜8のいずれかの電極の形成
    方法。
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