JP3325129B2 - 作業車の動力取出装置 - Google Patents

作業車の動力取出装置

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JP3325129B2
JP3325129B2 JP24125394A JP24125394A JP3325129B2 JP 3325129 B2 JP3325129 B2 JP 3325129B2 JP 24125394 A JP24125394 A JP 24125394A JP 24125394 A JP24125394 A JP 24125394A JP 3325129 B2 JP3325129 B2 JP 3325129B2
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直樹 山梶
孝則 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラクタ等の作業車にお
いて、作業機を駆動する為の動力取出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、一対の操向輪を軸支するアク
スルケースの前方側で、車体フレームに吊持された動力
伝動ケースを設けた技術は公知とされているのである。
例えば実開昭58−80318号公報に記載の技術の如
くである。しかし、該動力伝動ケースは、車体の前方に
装着された除雪機等の作業機を駆動する為の専用の動力
伝動ケースである。
【0003】車体の下腹部に作業機が装着される場合に
は、実開昭60−134023号公報の如き技術が採用
とされている。この場合には、固定輪を駆動する伝動ミ
ッションにおいて、該ミッションの入力回転に同期した
エンジン動力を取出せるように、ミッションケースの腹
部にミッドPTO軸を配設している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の従来技術によれ
ば、動力伝動ケースは、アクスルケースを前後軸線回り
で左右揺動自在に支持するためのセンターピン装置に対
して干渉しないように車体フレームの前方寄りに配置さ
れるため機体前後長が大きくなる不具合があった。ま
た、後者の従来技術によれば、ミッドPTO軸の伝動系
統がミッションケース内に、固定輪の駆動系統とともに
収容されるのでミッションケースが大形化すると共にミ
ッドPTO軸が後輪側へ寄ってしまい、車体の下腹部に
配置した作業機に対する接続用伝動軸が長尺化する傾向
にあった。本発明の主たる目的は、従来、固定輪駆動用
のミッションケースに配置されていたミッドPTO軸を
アクスルケースの側に配置すると共に、該アクスルケー
スを左右方向への揺動を妨げることなく、ミッドPTO
軸を駆動する動力伝動ケースに対して可及的に接近配置
させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。請求項1においては、一対の操向輪
を軸支するアクスルケースの前後の一方側に、エンジン
動力を受けて駆動される伝動軸を備えた動力伝動ケース
を車体フレームに吊持し、アクスルケース或いは動力伝
動ケースに、前後軸心を有する中空筒状のセンタピボッ
ト部Xを設け、アクスルケースと動力伝動ケースを互い
にセンタピボット部Xを介し連結してアクスルケースを
センタピボット部Xの回りで揺動自在に構成する一方、
アクスルケースの他方側に第1PTO軸を支持させ、エ
ンジン動力を受けて駆動される伝動軸を動力伝動ケース
に設け、該伝動軸を前記センタピボット部Xの内孔へ挿
通して、前記第1PTO軸に連動連結したのである。
【0006】請求項2によれば、前記アクスルケースに
設けた前記操向輪を駆動するための推進軸と、前記第1
PTO軸とを車幅方向で並置させたものである。
【0007】請求項3によれば、前記動力伝動ケース
に、該ケース内の潤滑油で油圧アクチュータを駆動する
ための油圧ポンプを含む油圧供給装置を一体的に構成し
たものである。
【0008】請求項4によれば、前記動力伝動ケース
に、エンジン動力を受けて駆動される第2PTO軸を装
備させたものである。
【0009】
【作用】次に作用を説明する。請求項1では、アクスル
ケースの前後一方側は動力伝動ケースに対してセンタピ
ボット部を介して連結されているので、両者を可及的に
接近配置させながら、アクスルケースはセンタピボット
部という前後軸心を中心に左右方向へ揺動する。そし
て、アクスルケース側に配置した第1PTO軸は、車体
の下腹部に配置した作業機を駆動するためのミッドPT
O軸として機能すると共に作業機に対する接続用伝動軸
は短くて済む。また、第1PTO軸を駆動するための動
力伝動ケースの伝動軸をセンタピボット部に対して同心
配置したことにより、該伝動軸はアクスルケースが揺動
する際の障害になることはない。
【0010】請求項2では、推進軸と、第1PTO軸と
が、車体の幅方向で並置されているので、アクスルケー
スの後方に突出したPTO軸は、アクスルケースの揺動
と共に揺動し、操向輪の駆動と作業機の駆動とを、干渉
することなく行うことが可能となったのである。
【0011】請求項3によると前記アクチュエータとし
て、例えば、前記一対の操向輪を操向駆動するためのパ
ワーステアリングシリンダを設ける場合や、前記第1P
TO軸への動力伝達を断接可能とする油圧作動型クラッ
チを設ける場合などに、前記油圧供給装置は動力伝動ケ
ース内の潤滑油を汲み上げてこれらを駆動する。
【0012】請求項4によると、動力伝動ケースに装備
させた第2PTO軸は、車体の前部に搭載する作業機駆
動用のフロントPTO軸として機能し、多種の作業用途
に対応することができる。
【0013】
【実施例】次に実施例を説明する。図1は本発明の作業
車の動力取出装置を搭載したトラクタの全体側面図、図
2は作業車の全体的な動力伝達構成を示す展開模式図、
図3は図1のトラクタの前面図、図4は同じく図3の平
面図、図5はエンジンEの前部と動力伝動ケースKとア
クスルケースFの部分の側面断面図、図6は図5のA−
A断面矢視図、図7は図5のB−B断面矢視図、図8は
図5のC−C断面矢視図、図9は図5のD−D断面矢視
図、図10はアクスルケースFとデフ装置DFの部分の
側面断面図、図11はPTOクラッチ15の部分の上面
断面図である。
【0014】図1において、本発明の作業車の動力取出
装置を搭載したトラクタの全体構成を説明する。左右の
車体フレーム3,3の間にエンジンEが防振載置され、
エンジンEの後方に順に、ダンパー装置13を収容した
ダンパーハウジング、HSTケースH、ミッションケー
スMが連設されて機体を構成している。エンジンEから
後方へ突出したクランク軸にダンパー装置13が装着さ
れ、該ダンパー装置13を介したエンジン動力が、連結
軸39を介してHSTケースH内の、油圧式無段変速装
置及びミッションケースM内の、歯車伝動装置を経て、
該ミッションケースMから突出した後車軸により固定
(後)輪8を駆動する。
【0015】また、HSTケースH内の油圧式無段変速
装置を経た回転が、前輪駆動連結軸23を介してアクス
ルケースF内のデフ装置DFに伝達されて、アクスルケ
ースFに操向可能に装着された操向(前)輪7,7を駆
動するようになっている。また車体フレーム3の前方寄
り位置に動力伝動ケースKが吊り下げ支持されており、
該動力伝動ケースKの下部位置には前方へ突き出た第2
(フロント)PTO軸11が装備されている。アクスル
ケースFには後方へ突き出た第1(ミッド)PTO軸2
1が装備され車体の下腹部に搭載した芝刈作業機Rを接
続用伝動軸6を介して駆動している。
【0016】ダンパーケース9の上方の位置にはステア
リングバルブ装置1が配置されており、該ステアリング
ルブ装置1の上方にステアリングハンドル5が配置され
ている。17は、車体の後部に連結したロータリ耕耘機
等の作業機を昇降操作するための油圧リフト装置であ
る。
【0017】図2において、全体の動力伝達系統を詳細
に説明する。連結軸39の後端に連結した入力軸28に
よりチャージポンプCPと、油圧ポンプPが駆動されて
いる。該油圧ポンプPを貫通して後方へ突出した入力軸
28がミッションケースMの内部に突出し、該軸28の
後端の固定ギア40と、リアPTO変速軸29の前端の
遊嵌ギア41とが噛合されている。該遊嵌ギア41とリ
アPTO変速軸29とを係脱自在なリアPTOクラッチ
18がリアPTO変速軸29の前方に配置されている。
前記リアPTO変速軸29の後方にはギア47と48が
固設されており、PTOカウンター軸30の上の、遊嵌
ギア49と50に常時噛合している。そして、PTOカ
ウンター軸30に対して相対回転可能で且つ軸方向摺動
自在に設けた変速シフター51を前後に摺動して遊嵌ギ
ア49,50のいずれかに係合させることにより、PT
Oカウンター軸30に高低2速の変速が得られる。
【0018】PTOカウンター軸30の後端の固定ギア
52とリアPTO軸16上の固定ギア53とが噛合して
第3(リア)PTO軸16を駆動している。油圧ポンプ
Pから吐出された圧油により、油圧モータMoが駆動さ
れて油圧式無段変速装置が構成されている。該油圧モー
タMoの出力軸22がHSTケースHの前後に突出され
ている。該出力軸22の後端の固定ギア42が変速カウ
ンター軸31の前方の固定ギア43と噛合し、該変速カ
ウンター軸31の後方には固定ギア46を設けている。
変速軸32の上に遊嵌ギア44と、相対回転不能でかつ
軸方向摺動自在な変速ギア45が設けられており、遊嵌
ギア44は固定ギア43に常時噛合している。該変速ギ
ア45を遊嵌ギア44と噛み合わせるか、或いは固定ギ
ア46と噛み合わせることにより、高低2段の変速が変
速軸32に得られる。
【0019】出力軸22の前方突出部分は、前輪駆動連
結軸23を介して第1推進軸24の後端に連結されてい
る。該第1推進軸24と第2推進軸33との間には前輪
駆動クラッチ25が介装されている。該第2推進軸33
の上の固定ギア61とピニオン軸34上の固定ギア62
とが噛合している。ピニオン軸34の先端のピニオン部
分がデフ装置DFのデフリングギアと噛合している。該
デフ装置DFより左右へ前車軸12,12が突出されて
いる。
【0020】次に動力伝動ケースK及びそれに関連する
部分について図2と図5を参酌しながら説明する。即
ち、エンジンEのクランク軸が前方へ突出した部分に
は、従動軸19を備えた弾性カップリング2が接続され
ている。動力伝動ケースKは、ケース本体Kaと蓋体K
bを前後に互いに接合して構成され、図8に示すように
蓋体Kbの略中間部に設けた左右方向への張り出し部K
c,Kcを左右の車体フレーム3,3に固定することに
より吊持されるようになっている。ケース本体Kaと蓋
体Kbの間には、入力軸27、中間軸35、伝動軸20
a、第2PTO軸11をそれらが互いに平行するように
して横架している。入力軸27の一端は蓋体Kbより後
方へ突き出て前記従動軸19に対して連結軸26を介し
て接続し他端はケース本体Kaの前面に露出し、該前面
に装着された油圧ポンプFPのポンプ軸に結合し、これ
を駆動している。該入力軸27の動力伝動ケースKの内
部に位置した部分にはギア54が固定され、該固定ギア
54が中間軸35上のギア55と噛合し、該ギア55が
伝動軸20a上の遊嵌ギア56と噛合している。該遊嵌
ギア56と伝動軸20aとの間には両者を互いに係脱自
在とするPTOクラッチ15が介装されている。伝動軸
20aの前端の固定ギア57が、第2PTO軸11の上
の固定ギア58と噛合している。該第2PTO軸11の
軸端はケース本体Kaから前方に突き出て、車体の前方
に搭載される除雪機等の作業機の駆動に用いられる。
【0021】動力伝動ケースKの後方に配置するアクス
ルケースFは、ケース本体Faと蓋体Fbを前後に互い
に接合して構成されるものであり、図7に示すようにケ
ース本体Faの内部にデフ装置DFとアクスル軸12が
収容されている。そして、ケース本体Faの前面には、
前後方向の軸心を備えた中空筒状のセンタピボット部X
が一体的に形成されている。一方、前記動力伝動ケース
Kの蓋体Kbの後面には、その中心が前記伝動軸20a
の軸心に一致する円形孔Kdが設けられ、軸受100を
介して前記センタピボット部Xを軸受嵌合していると共
に前記伝動軸20aが同心状にその中へ延伸している。
また、センタピボット部Xの前後軸心と一致して前後方
向に延びる伝動軸20bがアクスルケースF内に収容さ
れ支持されていて、その前端は継手101を備えて前記
伝動軸20aの軸端に結合しており、後端は蓋体Fbよ
り後方へ突出している。一方、アクスルケースFの後方
で左右のフレーム3,3の間には軸受装置36を横架し
ており、該軸受装置36によって前記伝動軸20bの後
端がその軸心回りで回転自在に支持されるようになって
いるのである。
【0022】したがってアクスルケースFは、動力伝動
ケースKと軸受装置36との間で、センタピボット部X
の前後軸心、即ち、伝動軸20a,20b回りで左右方
向へ揺動自在に構成されているのであり、該伝動軸20
bの後端はセンターピン軸として機能するのである。ア
クスルケースFのケース本体Faと蓋体Fbには第1P
TO軸21を横架し、その軸端を後方へ突出させてい
る。そして、ケース本体Faと蓋体Fbの間にスペース
Gを形成し、該スペースG内を横断する伝動軸20bの
部分に固定ギア59が設けられ、該固定ギア59が第1
PTO軸21の上の固定ギア60と噛合して、伝動軸2
0a,20bの回転を第1PTO軸21に伝達すべく構
成している。なお、本実施例では、2本の伝動軸20
a,20bを継手101により接続することにより組立
の簡単化が図られているも、1本の伝動軸20として構
成することも可能である。
【0023】アクスルケースFのケース本体Faと蓋体
Fbに形成した前記スペースG内には更に、図10に示
すように、ケース本体Fa内のデフ装置DFに対する動
力伝達手段が構成されている。即ち、前記油圧モータM
oから変速動力が付与される第1推進軸24を軸受支持
したカバー24aを蓋体Fbの後面に装着し、第1推進
軸24に対して前輪駆動クラッチ25を介して接合離脱
される第2推進軸33が、前記第1推進軸24と同心配
置されるようにしてケース本体Faと蓋体Fbの間に横
架すると共に、デフ装置DFのデフリングギアに噛み合
うピニオン部分を有するピニオン軸34を第2推進軸3
3と平行にケース本体Faと蓋体Fbの間に横架してい
る。そして、第2推進軸33上の固定ギア61に対して
ピニオン軸34上の固定ギア62を常時噛み合わせるこ
とによって前記動力伝達手段が構成されているのであ
る。そして、これら第1,第2推進軸24,33と前記
第1PTO軸21とは図7に示されているように、車幅
方向で相互に並置するようにレイアウトされている。
【0024】図3・図4において、トラクタの前面図と
前方部分の平面図に示したように、動力伝動ケースKの
ケース本体Kaの上側部にはPTOクラッチ15の制御
バルブ4が固設されており、また前部には油圧ポンプF
Pを収容したポンプケース14が装着され、該ポンプケ
ース14の前面には、油圧ポンプFPにより吐出された
圧油をパワーステアリングシリンダ37の油圧源とする
為の油圧取出ポート63と、戻り油ポート64が開口し
て設けられ、夫々のポートはステアリングバルブ装置1
に対して配管接続されている。油圧ポンプFPのポンプ
ケース14内には、図11の油圧回路部分にて示すよう
に、油圧ポンプFPからの吐出油を2方向へ分ける減圧
弁式の分流弁V1と、前記分流弁V1を作動させるため
の抵抗弁V2と、パワーステアリングシリンダの作動圧
力を規定するリリーフ弁V3とを収容して油圧供給装置
を構成している。そして、油圧ポンプFPによって汲み
上げられた動力伝動ケースK内の潤滑油は分流弁V1に
よって分割され、その第1分流ポートから出力される圧
油を前記制御バルブ4を通じてPTOクラッチ15の作
動に用い、第2分流ポートから出力される圧油をステア
リングバルブ装置1を通じてパワーステアリングシリン
ダ37の駆動に用いている。
【0025】前記パワーステアリングシリンダ37はア
クスルケースFの上方の車体フレーム3内に横架されて
いて、図4に示すように、そのシリンダ基部37aを車
体フレーム3に固定し、ピストンロッド37bを前輪
7,7の一方に設けたナックルアーム7aに接続してい
る。前輪7,7の一対はパワーステアリングシリンダ3
7が伸縮駆動することによって、やや車体内側に傾斜し
た上下軸心回りで操向するよう相互に連係されている。
【0026】図6においては、動力伝動ケースKの蓋体
Kbの、ケース本体Kaに対する接合面が示されてお
り、該接合面の中に上下方向に沿って延びる油溝70を
設けている。該油溝70の下端は、ケース本体Kaの底
部に横架した油フィルタ71と接続し、油70の上端
は、ケース本体Kaの接合面に開口した油圧ポンプFP
のサクションポート72と接続している。したがって動
力伝動ケースKは、油圧ポンプFPのための油タンクを
兼用しており、動力伝動ケースK内の潤滑油は油溝70
を介して油圧ポンプFPへ吸い込まれる際に、油フィル
タ71によって濾過されるようになっているのである。
【0027】前記PTOクラッチ15を断接操作するた
めの制御バルブ4における入力ポートと、前記ポンプケ
ース14の分流弁V1における第1分流ポートとの間は
動力伝動ケースKのケース本体Kaの肉厚壁内に設けた
油路(図示せず)にて接続している。また、図11に示
すように、前記動力伝動ケースKのケース本体Kaに支
持した側の前記伝動軸20aの軸端には、PTOクラッ
チ15の油室15aにつながる油路受継部20cが形成
されており、該油路受継部20cに対して制御バルブ4
の出力ポートが、ケース本体Kaと蓋体Kbの肉厚壁内
に設けた油路84を通じて接続されている。PTOクラ
ッチ15のクラッチハウジング85の外側方位置に摩擦
パッド80が配置されて、連れ回り防止ブレーキが構成
されている。即ち、制御バルブ4によってPTOクラッ
チ15が接合状態となっている場合には、油路84に導
入される油圧力により連れ回り防止アクチュエータ81
がバネ82の付勢力に抗して摩擦パッド80をクラッチ
ハウジング85の外周から離間する方向へ移動して、P
TOクラッチ15の回転を可能としている。制御バルブ
4が切換られて、PTOクラッチ15が断切状態となっ
た場合には、制動バネ82の付勢力を受けて、連れ回り
防止アクチュエータ81が突出し、摩擦パッド80をク
ラッチハウジング85に押し付け、PTOクラッチ15
の連れ回り回転を阻止する。前記動力伝動ケースKのケ
ース本体Kaにおいて、前記油路84の開口端にはPT
Oクラッチ15の作動圧を規定するためのリリーフ弁8
3を設けている。油路84の油圧は、リリーフバルブ8
3により一定圧に調整され、該規定圧力以上になってリ
リーフされた油は、伝動軸20a内に設けた油路を通じ
てPTOクラッチ15の摩擦板の潤滑油として供給され
るように構成している。
【0028】
【発明の効果】本発明は次のような効果を奏するのであ
る。請求項1の如く構成したので、アクスルケースの前
後一方側は動力伝動ケースに対してセンタピボット部を
介して連結されており、アクスルケースと動力伝動ケー
スとを可及的に接近配置させることを可能としながら
も、アクスルケースはセンタピボット部という前後軸心
を中心として左右方向へ揺動することができる。そし
て、アクスルケース側に配置した第1PTO軸はミッド
PTO軸として、車体の下腹部に配置した作業機を駆動
し、該作業機に対する接続用伝動軸を短くすることがで
きる。また、動力伝動ケースの、第1PTO軸を駆動す
るための伝動軸をセンタピボット部に対して同心配置し
たことにより、該伝動軸はアクスルケースが揺動する際
に何ら障害にならない。
【0029】請求項2の如く構成したので、推進軸と、
第1PTO軸とが、車体の幅方向で並置され、アクスル
ケースの後方に突出したPTO軸は、アクスルケースと
揺動と共に揺動し、操向輪の駆動と作業機の駆動とを、
干渉することなく行うことが可能となり、第1PTO軸
がアクスルケース側に配置されていても、機体地上高を
低めてしまうようなことがなくされる。
【0030】請求項3の如く構成したので、前記アクチ
ュエータとして、例えば、前記一対の操向輪を操向駆動
するためのパワーステアリングシリンダを設ける場合
や、前記第1PTO軸への動力伝達を断接可能とする油
圧作動型クラッチを設ける場合等に、前記油圧供給装置
は動力伝動ケース内の潤滑油を汲み上げてこれらを駆動
することができるので、専用の油タンクを機体に搭載す
る必要がなくされ、機体全体のコンパクト化が図れる利
点がある。また、パワーステアリングシリンダとPTO
クラッチの如く、どちらもエンジンEより前方に配置さ
れている油圧アクチュエータに対して、エンジンの前方
に配置した油圧ポンプより圧油を供給するので、油通路
を短くでき圧力損失を抑制することができたのである。
【0031】請求項4の如く構成したので、動力伝動ケ
ースに装備させた第2PTO軸は、車体の前部に搭載す
る作業機駆動用のフロントPTO軸として機能し、多種
の作業用途に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業車の動力取出装置を搭載したトラ
クタの全体側面図。
【図2】作業車の全体的な動力伝達構成を示す展開模式
図。
【図3】図1のトラクタの前面図。
【図4】同じく図3の平面図。
【図5】エンジンEの前部と動力伝動ケースKとアクス
ルケースFの部分の側面断面図。
【図6】図5のA−A断面矢視図。
【図7】図5のB−B断面矢視図。
【図8】図5のC−C断面矢視図。
【図9】図5のD−D断面矢視図。
【図10】アクスルケースFとデフ装置DFの部分の側
面断面図。
【図11】PTOクラッチ15の部分の上面断面図。
【符号の説明】
E エンジン F アクスルケース K 動力伝動ケース M ミッションケース X センタピボット部 4 制御バルブ 11 第2(フロント)PTO軸 15 PTOクラッチ 20 センターピン軸 21 第1(ミッド)PTO軸 24 推進軸 FP 油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−50820(JP,A) 特開 平4−100733(JP,A) 特開 平7−47861(JP,A) 実開 昭63−162652(JP,U) 実開 昭58−80318(JP,U) 実開 昭60−134023(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/28 - 17/36 B62D 49/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の操向輪を軸支するアクスルケース
    の前後の一方側に、エンジン動力を受けて駆動される伝
    動軸を備えた動力伝動ケースを車体フレームに吊持し、
    アクスルケース或いは動力伝動ケースに、前後軸心を有
    する中空筒状のセンタピボット部Xを設け、アクスルケ
    ースと動力伝動ケースを互いにセンタピボット部Xを介
    し連結してアクスルケースをセンタピボット部Xの回り
    で揺動自在に構成する一方、アクスルケースの他方側に
    第1PTO軸を支持させ、エンジン動力を受けて駆動さ
    れる伝動軸を動力伝動ケースに設け、該伝動軸を前記セ
    ンタピボット部Xの内孔へ挿通して、前記第1PTO軸
    に連動連結したことを特徴とする作業車の動力取出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の作業車の動力取出装置に
    おいて、前記アクスルケースに設けた前記操向輪を駆動
    するための推進軸と、前記第1PTO軸とを車幅方向で
    並置させたことを特徴とする作業車の動力取出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の作業車の動力取出装置に
    おいて、前記動力伝動ケースに、該ケース内の潤滑油で
    油圧アクチュータを駆動するための油圧ポンプを含む油
    圧供給装置を一体的に構成したことを特徴とする作業車
    の動力取出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の作業車の動力取出装置に
    おいて、前記動力伝動ケースに、エンジン動力を受けて
    駆動される第2PTO軸を装備させたことを特徴とする
    作業車の動力取出装置。
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