JP3323339B2

JP3323339B2 - 化粧料

Info

Publication number: JP3323339B2
Application number: JP28415894A
Authority: JP
Inventors: 淳小林; 哲治中村; 晴生小川
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1994-10-25
Filing date: 1994-10-25
Publication date: 2002-09-09
Anticipated expiration: 2017-09-09
Also published as: JPH08119826A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は化粧料に関し、更に詳し
くは、化粧水、乳液、クリーム等の可溶化、乳化組成物
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】化粧
水、乳液、クリーム等には香料、油脂、油溶性薬剤等の
非水溶性物質を安定配合させるため、可溶化剤、乳化剤
が使われている。既存の代表的な可溶化剤、乳化剤とし
て、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリン酸誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン
オレエート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
セチルエーテル等があるが、可溶化能や乳化能は十分満
足できるものではなく、加水分解の危険性もあった。

【０００３】また、通常これらの化粧料には皮膚に潤い
を持たせるために多価アルコールが配合されている。代
表的な多価アルコールとしては、グリセリン、ポリオキ
シエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビ
トール、グルコース誘導体等があるが、これらを配合し
た化粧料は使用感触としてべたつくという問題点があっ
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは係る事情に
鑑み鋭意研究の結果、特定の非イオン界面活性剤を配合
することにより、多価アルコールを５．０重量％以上配
合しても使用感触がべたつかず、かつ可溶化能、乳化能
に優れた化粧料が得られることを見い出し、本発明を完
成するに至った。

【０００５】即ち本発明は、（Ａ）一般式（Ｉ）：

【０００６】

【化２】

【０００７】［式中、Ｒは炭素数２０以上の脂肪族飽和
分岐アルキル基、ｍは平均付加モル数で１１〜１５（但
し、高級飽和分岐鎖アルコール母核とあわせた分子量が
９３０以上のポリオキシプロピレン付加物を示す。）の
数を示し、ｎは平均付加モル数で１５〜３０の数を示
す。］で表される高級飽和分岐鎖アルコールのポリオキシプロ
ピレン、ポリオキシエチレン付加物よりなる非イオン界
面活性剤の１種または２種以上を０．０１〜２０．０重
量％、及び（Ｂ）１，３−ブチレングリコール、グリセ
リン、ソルビトールおよびジプロピレングリコールから
選ばれる多価アルコールの１種または２種以上を５．０
重量％以上、を含有することを特徴とする可溶化化粧料
又は乳化化粧料である。

【０００８】本出願人は、水−アルコールベースのエア
ゾール組成物に乳化剤としてポリオキシプロピレンポリ
オキシエチレン付加型界面活性剤を用いると乳化安定性
の非常に優れたものが得られることをすでに見い出して
いる（特願平６−５５０６５号）。本発明者らは、ここ
で用いられているポリオキシプロピレンポリオキシエチ
レン付加型界面活性剤のうちの特定のものが、多価アル
コール配合の化粧料全般においても優れた乳化剤となり
得ることを見い出したものである。また、高級アルコー
ルポリオキシプロピレンポリオキシエチレン付加体は、
可溶化剤としても用いられることが知られているが（特
開昭５４−１３２４９１号公報）、べたつきを防ぐ効果
があることについては今までに知られてはいなかった。

【０００９】本発明の（Ａ）成分である上記一般式
（Ｉ）で表される非イオン界面活性剤は、Ｒが炭素数２
０以上の脂肪族飽和分岐アルキル基である。炭素数が２
０よりも少ないものでは、可溶化能が満足いくものでは
なかった。Ｒの具体例としては、例えば、２−オクチル
ドデシル基、２−オクチルテトラデシル基、２−オクチ
ルヘキサデシル基、２−オクチルオクチルデシル基、２
−デシルドデシル基、２−デシルテトラデシル基、２−
デシルヘキサデシル基、２−ドデシルテトラデシル基、
２−ドデシルヘキサデシル基等が挙げられる。

【００１０】ｍはポリオキシプロピレン付加物の平均付
加モル数で、１１〜１５、好ましくは１２〜１４であ
る。ｍが１５を超えると可溶化能が低下する。ｎはポリ
オキシエチレン付加物の平均付加モル数で、１５〜３
０、好ましくは１８〜２６である。ｎが１５未満および
３０を超えると可溶化能が低下する。さらにポリオキシ
プロピレン付加物は、高級飽和分岐鎖アルコール母核と
あわせた分子量が９３０以上である。

【００１１】本発明において、（Ａ）成分の１種または
２種以上の配合割合は、合計量で０．０１〜２０．０重
量％、好ましくは０．０５〜１０．０重量％である。
０．０１重量％未満では可溶化能、乳化能が不十分であ
り、２０．０重量％を越えるとゲル化してしまう。

【００１２】本発明に用いる多価アルコールとしては、
１，３−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトー
ルおよびジプロピレングリコールが挙げられる。これら
は化粧料全量中、５．０重量％以上、好ましくは５．０
〜２０．０重量％が用いられる。

【００１３】また本発明の化粧料には通常用いられる保
湿剤、油分、界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、皮脂吸
着剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、薬剤、
色素、香料、防腐剤、ｐＨ調整剤等を併用できることは
言うまでもない。

【００１４】

【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。

【００１５】実施例１乳液次の処方に従い常法により、乳液を製造した。脱臭ラノリン２．０重量％スクワラン３．０流動パラフィン２０．０月見草油０．５ホホバ油３．０１，３−ブチレングリコール８．０グリセリン４．０ヒアルロン酸０．１キサンタンガム０．１カルボキシビニルポリマー０．２２−デシルテトラデシルＰＯ(12)ＥＯ(19) １．５２−オクチルドデシルＰＯ(14)ＥＯ(21) １．５水酸化カリウム０．０７ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン０．０５防腐剤適量香料適量精製水残余

【００１６】実施例２化粧水次の処方に従い常法により、化粧水を製造した。グリセリン６．０重量％ソルビット３．０１，３−ブチレングリコール８．０ヒアルロン酸０．０５ビタミンＥアセテート０．１トリ２−エチルヘキサン酸グリセリル０．０５２−オクチルドデシルＰＯ(13)ＥＯ(24) ０．４防腐剤適量香料適量精製水残余

【００１７】実施例３クリーム次の処方に従い常法により、クリームを製造した。ワセリン６．０重量％スクワラン４．０流動パラフィン８．０グリセリン６．０ジプロピレングリコール６．０アルブチン０．６２−デシルテトラデシルＰＯ(13)ＥＯ(21) ３．０ビタミンＥ０．１防腐剤適量香料適量精製水残余

【００１８】比較例１実施例１の２−デシルテトラデシルＰＯ（１２）ＥＯ
（１９）、２−オクチルドデシルＰＯ（１４）ＥＯ（２
１）をＰＯＥ（５）ステアリルエーテル、ラウリン酸Ｐ
ＯＥ（３０）硬化ヒマシ油にそれぞれ変更した他は実施
例１に準じて乳液を製造した。

【００１９】比較例２実施例２の２−オクチルドデシルＰＯ（１３）ＥＯ（２
４）をＰＯＥ（２０）オクチルドデシルエーテルに変更
した他は実施例２に準じて化粧水を製造した。

【００２０】比較例３実施例３の２−デシルテトラデシルＰＯ（１３）ＥＯ
（２１）をＰＯＥ（２０）ソルビタンオレートに変更し
た他は実施例３に準じてクリームを製造した。

【００２１】比較例４実施例１の２−デシルテトラデシルＰＯ（１２）ＥＯ
（１９）、２−オクチルドデシルＰＯ（１４）ＥＯ（２
１）を２−ヘキサデカノールＰＯ（１１）ＥＯ（１
５）、２−デシルテトラデシルＰＯ（２０）ＥＯ（１
５）に変更した他は実施例１に準じて乳液を製造した。

【００２２】比較例５実施例２の２−オクチルドデシルＰＯ（１３）ＥＯ（２
４）を２−デシルテトラデシルＰＯ（１５）ＥＯ（４
０）に変更した他は実施例２に準じて化粧水を製造し
た。

【００２３】比較例６実施例３の２−デシルテトラデシルＰＯ（１３）ＥＯ
（２１）を２−デシルヘキサデシルＰＯ（１８）ＥＯ
（１５）に変更した他は実施例３に準じてクリームを製
造した。

【００２４】実施例１〜３、比較例１〜６で得られた化
粧料について、使用性（べたつき）を美容専門パネル１
０人の実使用試験によって判定、評価した結果を表に示
す。

【００２５】（判定） ◎：べたつかない。 ○：わずかにべたつくが、使用上問題のない範囲であ
る。 △：べたつく。 ×：著しくべたつく。

【００２６】

【表１】 ─────────────────────────── パネル１２３４５６７８９ 10 ─────────────────────────── 実施例１ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ○ 実施例２ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ 実施例３ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ─────────────────────────── 比較例１ × × △ △ × × × △ × △ 比較例２ △ × △ × △ △ × × × △ 比較例３ × △ × △ △ × × △ △ × 比較例４ △ × × △ △ × × △ △ △ 比較例５ × × △ △ × △ △ × △ × 比較例６ △ △ × △ × △ × △ △ × ───────────────────────────

【００２７】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明において、特
定の非イオン界面活性剤と多価アルコールとを組み合わ
せることにより、べたつきのない化粧料を提供すること
ができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小川晴生神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地株式会社資生堂第一リサーチセンター内 (56)参考文献特開平１−193210（ＪＰ，Ａ) 特開平５−179129（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−42328（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−56113（ＪＰ，Ａ) 特開昭54−132491（ＪＰ，Ａ) 特開昭53−130613（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】（Ａ）一般式（Ｉ）：【化１】［式中、Ｒは炭素数２０以上の脂肪族飽和分岐アルキル
基、ｍは平均付加モル数で１１〜１５（但し、高級飽和
分岐鎖アルコール母核とあわせた分子量が９３０以上の
ポリオキシプロピレン付加物を示す。）の数を示し、ｎ
は平均付加モル数で１５〜３０の数を示す。］で表される高級飽和分岐鎖アルコールのポリオキシプロ
ピレン、ポリオキシエチレン付加物よりなる非イオン界
面活性剤の１種または２種以上を０．０１〜２０．０重
量％、及び（Ｂ）１，３−ブチレングリコール、グリセリン、ソル
ビトールおよびジプロピレングリコールから選ばれる多
価アルコールの１種または２種以上を５．０重量％以
上、を含有することを特徴とする可溶化化粧料又は乳化化粧
料。
【請求項２】（Ａ）一般式（Ｉ）で表される非イオン
界面活性剤の１種または２種以上を０．０５〜１０．０
重量％、及び（Ｂ）多価アルコールの１種または２種以
上を５．０〜２０．０重量％を含有する請求項１記載の
可溶化化粧料又は乳化化粧料。