JP3323231B2 - ビューファインダおよびそれを具備するカメラ - Google Patents

ビューファインダおよびそれを具備するカメラ

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JP3323231B2
JP3323231B2 JP15175192A JP15175192A JP3323231B2 JP 3323231 B2 JP3323231 B2 JP 3323231B2 JP 15175192 A JP15175192 A JP 15175192A JP 15175192 A JP15175192 A JP 15175192A JP 3323231 B2 JP3323231 B2 JP 3323231B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビューファインダおよ
びビューファインダを具備するビデオカメラ等に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルを用いた表示装置は、CRT
を用いた表示装置に比較して軽量化および薄型化の可能
性が高いことから、研究開発が盛んである。近年では液
晶の旋光性を画像表示に応用したツイストネマティック
モード(TNモード)の液晶表示装置が実用化され、携
帯用ポケットテレビ、ビデオカメラのビューファインダ
などに用いられている。
【0003】以下、従来のビューファインダについて説
明する。例えば従来のビューファインダとして特開昭6
2−111233号公報に記載のものが示される。な
お、本明細書では少なくとも発光素子などの光源と画像
表示装置を具備し、両者が一体となって構成されたもの
をビューファインダと呼ぶ。
【0004】ビューファインダの外観形状を(図2)に
示す。また、従来のビューファインダの断面構成を(図
22)に示す。11はボデー、12は接眼カバー、23
0は接眼リング、229はTN液晶表示装置である。ボ
デー11には液晶表示装置、光源としてのバックライト
などの光源が格納されている。ボデー11と接眼リング
230の内部には拡大レンズ231、232が配置さ
れ、2つのレンズを組み合わせると拡大レンズとして機
能する。接眼リング230の挿入度合いの調整により観
察者の視力に合わせてピント調整ができる。TN液晶表
示装置229は、液晶層の膜厚が5μm程度であり、モ
ザイク状のカラーフィルタを有する。また、TN液晶表
示装置の両側にそれぞれ偏光子、検光子として機能する
偏光板228a,228bが配置されている。ビューフ
ァインダは、取付金具13によりビデオカメラ本体に装
着される。なお、各図面は理解を容易または/および作
図を容易にするため、省略または/および拡大縮小した
箇所がある。たとえばビューファインダの断面図では接
眼カバー等を省略している。以上のことは以下の図面に
対しても同様である。
【0005】(図22)に示した主要要素の斜視図を
(図23)に示す。光源は、内部に蛍光管が配置された
蛍光管ボックス226と、その全面に配置される拡散板
227とで構成されている。拡散板227は、蛍光板ボ
ックス226からの出射光を拡散し輝度が均一な面光源
にするために用いる。
【0006】従来のビューファィンダの光発生手段とし
ては棒状の蛍光管を用いる。蛍光管は液晶表示装置の表
示画面の対角長が1インチ程度と小型の場合は直径が2
〜5mmのものを用いる。液晶表示装置の表示画面の対
角長が1インチ以上の場合は前記蛍光管を複数本用いる
場合が多い。蛍光管からは前方及び後方に光が放射され
る。蛍光管の後方に放射される光を利用するために、蛍
光管の背後には凹状の反射板を配置する。前記反射板に
より蛍光管から後方に放射した光は前方に反射される。
蛍光管とTN液晶パネルの間には拡散板227を配置す
る。拡散板227は蛍光管からの光を拡散させ、面光源
化するために用いられる。前記拡散板227により面光
源が形成され、前記面光源からの光が液晶表示装置22
9に入射する。面光源の光発散面積は液晶表示装置22
9の画像表示領域と同一もしくはそれ以上である。液晶
表示装置229を構成するTN液晶パネルの前後には偏
光板228a,228bが配置される。拡散板227と
TN液晶パネル229間に配置された偏光板228a
(以後、偏光子と呼ぶ)は面光源からの光を直線偏光に
する機能を有する。TN液晶パネル229と表示画面の
観察者の間に配置された偏光板228b(以後、検光子
と呼ぶ)はTN液晶表示装置229に入射した光の変調
度合いに応じて、前記光を遮光する機能を持つ。通常、
偏光子228aと検光子228bは偏光方向が直交する
ように配置される。
【0007】以上のようにして、面光源が形成され、前
記面光源からの光は偏光子228aにより直線偏光に変
換される。TN液晶表示装置では前記直線偏光の光を印
加される映像信号にもとづき変調する。検光子228b
は変調度合いに応じて光を遮光もしくは透過させる。以
上のようにして画像が表示される。表示画像は検光子2
28bと観察者間に配置された拡大レンズ231および
232により拡大してみることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ビデオカメラは携帯
性、操作性の点からコンパクト・軽量であることが要求
される。そのため、ビューファインダ用ディスプレイと
して、液晶表示装置が導入されつつある。ところが、現
状では液晶表示装置を用いたビューファインダの消費電
力はかなり大きい。例えば、TN液晶表示装置を用いた
ビューファインダの消費電力は、TN液晶表示装置が約
0.1W、光源が約1.0Wを消費し、計1.1Wとい
う例がある。ビデオカメラは、コンパクト性および軽量
性を確保するために、バッテリーの容量が限られてい
る。ビューファインダの消費電力が大きい場合には、連
続使用時間が短くなるので大きな問題となる。
【0009】TN液晶表示装置の消費電力が大きい原因
として、次のようなことが考えられる。前述のように、
TN液晶を用いる液晶表示装置は、入射側と出射側に偏
光板が必要であり、この2枚の偏光板の総合透過率は約
30%である。これは光利用効率が最高でも30%しか
ないことを意味する。また、蛍光管および反射板からな
るライトボックスは、輝度むらの少ない面光源にする必
要がある。そこで、TN液晶表示装置229と蛍光管間
に拡散板227を配置する。光拡散度の低い拡散板を用
いると、(図24)に示すように蛍光管の発光パターン
241が現れ、それが液晶表示装置229の表示画面を
通して見え、表示品位を低下させる。そのため、拡散板
227は拡散度の高いものを用いるが、一般に拡散度を
高くすると拡散板の光透過率が低下する。必要な輝度を
得ようとすると光源からの光の出力量を多くするしかな
い。これは光源の消費電力の増大を招く。
【0010】本発明の目的は低消費電力、小型、軽量の
ビューファインダおよびビデオカメラを提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のビューファイン
ダは以下のとおりである。発光素子の小領域発光部から
広い立体角に放射された光は、集光レンズにより平行に
近く指向性の狭い光に変換され、光変調手段である液晶
表示装置に入射する。液晶表示装置として光の散乱度合
いにより映像を表示する高分子分散液晶表示装置を用い
る。液晶表示装置は映像信号に応じて集光レンズからの
出射光を変調して映像を表示する。表示画像は観察者の
眼と液晶表示装置間に配置された拡大レンズで拡大して
みることができる。
【0012】本発明のビューファインダでは光源の大き
さが小さくてすむため、光源の消費電力が従来の蛍光管
を用いるライトボックスに比較して小さくなる。また、
ビューファインダ全体を小型にすることが可能である。
また、高分子分散液晶表示装置を用いると、偏光板が不
要であり、光利用率が高いので、消費電力をさらに低減
できる。
【0013】本発明のビューファインダの発光素子とし
て、発光管、陰極線管、蛍光発光素子、LED(Light
Emitting Diode)を用いる。それぞれ、遮光板などによ
り小領域の発光部を実現している。つまり、良好な点光
源化を実現している。
【0014】また、本発明の陰極線管は、電子を放出す
るカソードと、前記電子を制御するグリッドと、前記電
子の衝突により可視光を発生させる蛍光体と、前記カソ
ードとグリッドと、蛍光体を保持する真空容器を具備す
る物である。蛍光対面を複数色に分割し、また、真空容
器にはめこんだ円筒磁石を用いて発光色を可変できるよ
うに構成する。
【0015】また、本発明のLEDは赤、緑、青の色成
分を含む光を放射する発光体を樹脂内に近接させてモー
ルドしたものである。さらに、樹脂を樹脂レンズとし、
アプラナティックの条件を満足させたものである。
【0016】また、本発明の発光管は光透過性を有する
ケースと、ケース内に封入された水銀分子と、ケース内
面に形成された蛍光体と、ケース内に位置するフィラメ
ントと、ケース内に位置し前記フィラメントが加熱され
ることにより放射される電子を加熱させ前記フィラメン
トに衝突させる機能を有するアノードを具備するもので
ある。ケースの内面もしくは外面にに遮光膜を形成し、
良好な点光源化を実現している。
【0017】さらに、本発明の蛍光発光素子は、光透過
性を有するケースと、ケース内に位置するカソードと、
前記カソードの加熱により放出される熱電子を制御する
アノードと、アノードの上層に形成された蛍光体を具備
する物である。蛍光体面は複数色に分割し、スライド等
を用いて発光色を可変できる。
【0018】
【作用】ビューファインダは、観察者の瞳の位置が接眼
カバー12によりほぼ固定される。接眼リングを用いな
い場合でも、表示画面が小さいため、広い視野角は要求
されない。つまり、ビューファインダに液晶表示装置を
用いる場合、その背後に配置する光源は指向性が狭くて
もさしつかえない。光源として蛍光灯バックライトを用
いる場合、その液晶表示装置の表示領域とほぼ同じ大き
さの領域からある方向の微小立体角内に進む光だけが利
用され、他の方向に進む光は利用されない。
【0019】本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
により平行に近い光に変換する。こうすると、集光レン
ズからの出射光は指向性が狭くなり、その狭い指向性は
ビューファインダの用途に十分となる。発光体の大きさ
が小さければ、当然、消費電力も少ない。
【0020】集光レンズが無収差で、透過率が100%
の場合、集光レンズを通して見た発光体の輝度は発光体
そのものの輝度と等しい。カラーフィルタ、偏光板を含
めた液晶表示装置の最大透過率を3%、集光レンズの透
過率を90%、ビューファインダとして必要な輝度を1
5[ft−L]とすると、光源に必要な輝度は約560
[ft−L]となる。本発明では、この程度の輝度を有
し、発光体が小さい物として、主として発光管、LE
D、蛍光発光素子、陰極線管を用いる。
【0021】本発明のビューファインダは、光源として
発光体が小さいもしくは発光領域が小さくできる発光素
子から広い立体角に放射される光を集光レンズにより効
率よく集光するので、蛍光灯バックライトを用いる場合
に比較して効率が高く、光源の消費電力も少ない。
【0022】本発明のビューファインダは画像表示装置
として主として高分子分散液晶を用いる。高分子分散液
晶を用いた液晶表示装置は、偏光板が不要であるため、
TN液晶を用いた液晶表示装置と比較した場合に、必要
な画面輝度を得るための光源の輝度が低くなる。従っ
て、光源の消費電力を大幅に低減できる。
【0023】本発明の陰極線管は、円筒磁石により蛍光
体への電子ビームの照射位置を可変できる。蛍光体を赤
・青・緑等複数色の領域に分割し、複数の色の領域に前
記電子ビームが照射されるようにする。円筒磁石により
電子ビームとを偏光することができるから複数色の発光
割合を可変できる。従って、発光色の白バランスを自由
に設定でき、良好なフルカラーの表示画像を得ることが
できる。
【0024】本発明のLEDは、各色の光を放射する複
数の発光体チップを1つの構成体にモールドした構成で
あるので、発光領域は小さくまとまり、液晶表示装置に
モザイク状カラーフィルタを用いれば、表示むらの少な
いカラー表示画像を容易に得ることができる。発光体が
3原色を発光する場合には、各発光体チップへの印加電
圧を制御することにより白バランスの良好なフルカラー
の表示画像を容易に得ることができる。
【0025】また、LEDの発光体を樹脂モールドし、
出射面を球面レンズとし、発光体から出射する光が球面
レンズに対してアプラナティックの条件を満足するよう
にする。すると、LEDから球面レンズに入射する光は
正弦条件を満足するために、観察者からみた液晶表示装
置の輝度均一性が良好になる。
【0026】本発明の発光管は、ケースの内面または/
および外面に遮光膜を形成することにより良好な点光源
化を実現している。また、直流点灯であるから駆動回路
も簡単であり、小型化できる。
【0027】本発明の蛍光発光素子は、蛍光体を複数色
に分割しており、それぞれの蛍光体色に対応してカソー
ドを設けている。従って、カソード電流を変化させるこ
とにより発光色を容易に可変できる。
【0028】
【実施例】以下の(図1)および(図3)から(図1
1)は、(図2)に示すボデー11内部の構成を示した
本発明のビューファインダの断面図である。(図2)は
本発明の第1の実施例におけるビューファインダの断面
図を示したものである。21は発光素子、23は集光レ
ンズ、24は液晶表示装置、25、26は拡大レンズで
ある。
【0029】一例として、液晶表示装置24の表示領域
の対角長は28mmであり、集光レンズ23は有効直径
が30mm、焦点距離が15mmである。集光レンズ2
3の焦点の近傍に発光素子21が配置されている。集光
レンズ23は平凸レンズであり、平面を発光素子21側
に向けている。ボデー11の端部に接眼リング27が装
着されている。また、ボデー11と、接眼リング27に
は、それぞれ拡大レンズ25、26が装着されている。
ボデーの内面は不要光を吸収するため黒色あるいは暗色
にしている。
【0030】22は中央部に円形の穴のあいた遮光板で
ある。より具体的にはピンホール板である。発光素子2
1から光が放射される領域を小領域にする機能を有して
いる。穴の面積が大きくなると液晶表示装置の表示画像
は明るくなるが、コントラストは低下する。これは集光
レンズで23に入射する光量は多くなるが、入射光の指
向性が悪くなるためである。前述のような液晶表示装置
の表示領域の対角長が28mmの場合、光を放射する領
域はおよそ15mm2以下にすべきである。これは直径
がほぼ4mmのピンホールの穴径に相当する。好ましく
は10mm2以下とすべきである。しかし、あまり穴の
直径を小さくしすぎると、光の指向性が必要以上に狭く
なり、ビューファインダを見る際に、視点を少しずらし
ただけで極端に表示画面が暗くなる。したがって、穴の
面積は少なくとも2mm2以上の領域を確保すべきであ
る。一例として、直線3mmの穴径の時、従来の面光源
を用いるビューファインダと同等以上の表示画面の輝度
が得られ、その時のコントラストは20以上であった。
なお、光を放射する領域の面積は後述する絞り、ピンホ
ール、発光素子の遮光膜などの穴径の考え方にも該当す
る。光を放射する領域、つまり穴径は直径0.5mmか
ら5mm以下の範囲と考えられるべきである。ただし、
これは表示画面の対角長が28mmの場合であって、対
角長が長くなれば、対角長に比例して穴径も大きくす
る。表示面積と光を放射する穴の面積比で規定すれば2
0:1以下にしなければならない。好ましくは40:1
以下である。しかし、視野角の問題から200:1以上
にすることが好ましい。
【0031】発光素子21から広い立体角に放射された
光は、集光レンズ23により平行に近く、指向性の狭い
光に変換され、液晶表示装置24の対向電極(図示せ
ず)側から入射する。液晶表示装置24は高分子分散液
晶装置を用いる。高分子分散液晶表示装置は、印加され
る映像信号に応じて液晶の光の透過量もしくは散乱度合
が変化して、画像を形成する。観察者は、接眼リング2
2に眼を密着させてもしくは接眼カバー12に密着させ
て、液晶表示装置24の表示画像を見ることになる。つ
まり、観察者の瞳の位置はほぼ固定されている。液晶表
示装置24の全画素が光を直進させる場合を仮定した
時、集光レンズ23は発光素子21から放射され、前記
集光レンズ23の有効領域に入射する光が拡大レンズ2
5、26を透過した後にすべて観察者の瞳に入射するよ
うにしている。2つのレンズ25、26を組合せると拡
大レンズとして機能するので、観察者は液晶表示装置2
4の小さな表示画像を拡大して見ることができる。つま
り、拡大した虚像を見ることができる。
【0032】ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼カバー12によりほぼ固定されるため、その背後に配
置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として蛍光管
を用いたライトボックスを用いる従来のビューファイン
ダでは、液晶表示装置の表示領域とほぼ同じ大きさの領
域からある方向の微小立体角内に進む光だけが利用さ
れ、他の方向に進む光は利用されない。つまり、光利用
効率が非常に悪い。
【0033】本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
23により平行に近い光に変換する。こうすると、集光
レンズ23からの出射光は指向性が狭くなる。観察者の
視点が固定されておれば前述の狭い指向性の光でもビュ
ーファインダの用途に十分となる。発光体の大きさが小
さければ、当然、消費電力も少ない。以上のように、本
発明のビューファインダは観察者が視点を固定して表示
画像を見ることを利用している。通常の直視液晶表示装
置では一定の視野角が必要であるが、ビューファインダ
は所定方向から表示画像を良好に観察できれば用途とし
て十分である。
【0034】集光レンズ23が無収差で、透過率が10
0%の場合、集光レンズを通して見た発光体の輝度は発
光体自身の輝度と等しい。カラーフィルタ、偏光板、画
像の開口率等を含めた液晶表示装置の最大透過率を3
%、集光レンズ23の透過率を90%、ビューファイン
ダとして必要な輝度を15〔ftーL〕とすると、光源
に必要な輝度は約560〔ftーL〕となる。これらを
満足する発光素子としては陰極線管,蛍光管等の発光原
理を用いた発光管,蛍光発光素子,キセノンランプ,ハ
ロゲンランプ,タングステンランプ,メタルハライドラ
ンプ,LED,EL(Electro Lumines
cence)などの電子の動作により発光する素子,P
DP(Plasma Display Panel)な
どの放電により発光するもの等の自己発光を行なうもの
が例示される。これらのどの発光素子でも光発生手段と
して用いてもよいが、中でも低消費電力、小型、白色発
光を行える等の点から、陰極線管、発光管、LEDおよ
び蛍光発光素子が最適である。
【0035】液晶表示装置24としてはTN液晶表示装
置を用いてもよいが、高分子分散液晶を用いた液晶表示
装置を用いることにより高輝度表示を行うことができ
る。高分子分散液晶表示装置は偏光板を用いない。偏光
子および検光子を総合した光透過率は約30%であるか
ら、高分子分散液晶表示装置はTN液晶表示装置に比較
してほぼ3倍の高輝度表示を行うことができる。液晶表
示装置24が透過状態の時に集光レンズ23により指向
性の狭い光を観察者の瞳に到達するようにしておき、映
像信号に応じて液晶表示装置24が光を散乱させて観察
者の瞳に到達しないようにして白黒表示を行える方式
が、本発明のビューファインダの光学系構成として適し
ている。その一例が高分子分散液晶を用いた液晶表示装
置であるが、ただし、これに限定するものではない。た
とえば散乱と透過との光変調動作を行えるものとして、
動的散乱モード(DSM)を用いた液晶パネル、散乱モ
ードの強誘電液晶パネル、PLZTを用いた表示パネル
などがあり、これらも同様に本発明の光変調装置として
用いることができる。
【0036】以下、高分子分散液晶および本発明の液晶
表示装置に用いる高分子分散液晶パネルについて簡単に
説明しておく。高分子分散液晶は液晶と高分子の分散状
態によって大きく2つのタイプに分けられる。1つは水
滴状の液晶が高分子中に分散しているタイプである。液
晶は高分子中に不連続な状態で存在する。以後、このよ
うな液晶をPDLCと呼び、また、前記液晶を用いた液
晶パネルをPN液晶パネルと呼ぶ。前記2種類の液晶パ
ネルで画像を表示するためには光の散乱・透過を制御す
ることにより行う。
【0037】PDLCは、液晶が配向している方向で屈
折率が異なる性質を利用する。電圧を印加していない状
態では、それぞれの水滴状液晶は不規則な方向に配向し
ている。この状態では、高分子と液晶に屈折率の差が生
じ、入射光は散乱する。ここで電圧を印加すると液晶の
配向方向がそろう。液晶が一定方向に配向したときの屈
折率をあらかじめ高分子の屈折率と合わせておくと、入
射光は散乱せずに透過する。
【0038】これに対して、PNLCは液晶分子の配向
の不規則さそのものを使う。不規則な配向状態、つまり
電圧を印加していない状態では入射した光は散乱する。
一方、電圧を印加し配列状態を規則的にすると光は透過
する。本発明において、PD液晶パネルとPN液晶パネ
ルのうち一方に限定するものではないが、説明を容易に
するためPD液晶パネルを例にあげて説明する。また、
PDLCおよびPNLCを総称して高分子分散液晶と呼
び、PD液晶パネルおよびPN液晶パネルを総称して高
分子分散液晶パネルと呼ぶ。また、高分子分散液晶層に
おいて水滴状に分散した液晶を水滴状液晶、前記水滴状
液晶の周辺部の樹脂成分ををポリマーと呼ぶ。
【0039】高分子分散液晶の動作について(図12
(a)(b))を用いて簡単に述べる。(図12(a)
(b))は高分子分散液晶の動作の説明図である。(図
12(a)(b))において、122はTFT等が形成
されるアレイ基板、124画素電極、121は対向電
極、125は水滴状液晶、126はポリマー、123は
対向電極基板である。画素電極124にはTFT(図示
せず)等が接続され、TFTのオン・オフにより画素電
極に電圧が印加されて、画素電極上の液晶配向方向を可
変させて光を変調する。(図12(a))に示すように
電圧を印加していない状態では、それぞれの水滴状液晶
125は不規則な方向に配向している。この状態ではポ
リマー126と水滴状液晶125とに屈折率差が生じ入
射光は散乱する。ここで(図12(b))に示すように
画素電極124に電圧を印加すると液晶の方向がそろ
う。液晶が一定方向に配向したときの屈折率をあらかじ
めポリマー126の屈折率と合わせておくと、入射光は
散乱せずにアレイ基板122より出射する。
【0040】本発明のビューファインダの高分子分散液
晶表示装置の高分子分散液晶に用いる液晶材料としては
ネマティック液晶、スメクティック液晶、コレステリッ
ク液晶が好ましく、単一もしくは2種類以上の液晶性化
合物や液晶性化合物以外の物質も含んだ混合物であって
もよい。なお、さきに述べた液晶材料のうち異常光屈折
率neと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビフェ
ニル系のネマティック液晶が最も好ましい。高分子マト
リック材料としては透明なポリマーが好ましく、ポリマ
ーとしては、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであ
っても良いが、製造行程の容易さ、液晶層との分離等の
点より紫外線硬化タイプの樹脂を用いるのが好ましい。
具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が例示さ
れ、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリルモノ
マー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ましい。
【0041】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールアクリレート等々である。
【0042】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0043】また重合を速やかに行う為に重合開始剤を
用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン−(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア651」)等が該当する。その他に任
意成分として連鎖移動剤、光増感剤、染料、架橋剤等を
適宜併用してもよい。
【0044】高分子分散液晶中の液晶材料の割合はここ
で規定していないが、一般には20重量%〜95重量%
程度がよく、好ましくは50重量%〜85重量%程度が
良い。20重量%以下であると水滴状液晶の量が少な
く、散乱の効果が乏しい。また、90重量%以下となる
と高分子と液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、
液晶とポリマーとの界面の割合は小さくなり散乱特性は
低下する。高分子分散液晶層の構造は液晶の比率によっ
て変わり、だいたい50重量%以下では液晶は独立した
ドロップレト状として存在し、50重量%以上となると
高分子と液晶が互いに入り組んだ連続層となる。
【0045】液晶15の膜厚は5〜30μmの範囲が好
ましく、さらには10〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くなりコントラストがとれなく
なる。逆に、厚いと高電圧駆動を行わなければならなく
なり、液晶を駆動するドライブICの設計などが困難と
なる。また、ドライブICの消費電力も増大する。
【0046】また、水滴状液晶の粒子径の平均値は0.
5μm以上3.0μm以下でなければ、散乱特性が悪く
十分なコントラストを得ることができない。さらには、
前記粒子径は1.5μm以上2.5μm以下の方が好ま
しい。PNLCのような場合、前記粒子径に該当するも
のはポリマーの穴径つまりポリマーネットワークの穴径
が前述の粒子径に該当する。
【0047】高分子分散液晶パネルは、各画素への印加
電圧を変えるとその画素の光散乱度合が変化する。電圧
無印加の場合に光散乱度合が最も大きく、印加電圧を大
きくすると、光散乱度合が減少する。指向性の狭い光を
液晶表示装置24に入射し、光散乱度合を変化させる
と、その画素から観察者の瞳に入射する光量が変化す
る。つまり、観察者からみた画素の輝度が変化するの
で、これを利用して画像表示を行う。
【0048】次に本発明のビューファインダに用いる液
晶表示装置の駆動回路部について説明する。なお、本発
明のビューファインダでは高コントラスト表示を行うた
め、液晶表示装置は、アクティブマトリックス型液晶パ
ネルを用いる。(図19)はアクティブマトリックス型
液晶パネルの等価回路図である。(図19)において、
1〜Gmはゲート信号線であり、その一端はゲートドラ
イブIC206に接続されている。ゲートドライブIC
206はスイッチング素子としての薄膜トランジスタ
(以後、TFTと呼ぶ)を動作状態による電圧(以後、
オン電圧と呼ぶ)または非動作状態にする電圧(以後、
オフ電圧と呼ぶ)を出力する。また、S1〜Snはソース
信号線であり、その一端はソースドライブIC207に
接続されている。TFT208は画素電極に接続され、
画素電極と対向電極間に高分子分散液晶210を狭持し
ている。また、TFT208の一端子には電荷蓄積素子
としての付加コンデンサ209が接続されている。
【0049】(図20)は液晶表示装置の信号回路ブロ
ック図である。(図20)において、211はビデオ信
号を所定値まで増幅するビデオアンプ、212は正極性
と負極性のビデオ信号を作る位相分割回路、213はフ
ィールドごとに極性が反転した交流ビデオ信号を出力す
る出力切り換え回路、215は液晶パネル、214はソ
ースドライブIC207およびゲートドライブIC20
6の同期および制御を行うためのドライバ制御回路であ
る。
【0050】以下、液晶表示装置の信号処理回路につい
て説明する。まず、ビデオ信号はビデオアンプ211に
よりビデオ出力振幅が液晶の電気光学特性に対応するよ
うに利得調整が行われる。次に、利得調整されたビデオ
信号は位相分割回路212に入り、正極性と負極性の2
つのビデオ信号が作られる。この2つのビデオ信号は出
力切り換え回路213に入り、フィールドごとに極性を
反転したビデオ信号が出力される。このようにフィール
ドごとに信号の極性を反転させるのは、交流電圧を印加
して液晶が劣化することを防止するためである。次に出
力切り換え回路213からのビデオ信号はソースドライ
ブIC207に入力され、ソースドライブIC207は
ドライブ制御回路214からの制御信号により、ビデオ
信号のレベルシフト、サンプルホールドなどの信号処理
を行い、ゲートドライブIC206と同期をとって液晶
パネル215のソース信号線に所定電圧を出力する。
【0051】ゲート信号線にオン電圧が印加されると、
前記ゲート信号線に接続されているTFTはオン状態と
なり、ソース信号線に出力されている映像信号を画素電
極に印加する。ゲート信号線にオフ電圧が印加されるこ
とによりTFTはオフ状態となり前記画素電圧に印加さ
れた信号は1フィールド間保持される。なお、高分子分
散液晶の場合は、TN液晶よりも高い駆動電圧が必要で
あり、最大プラスマイナス6.5ボルト程度の電圧を液
晶に印加しなければならない。
【0052】液晶表示装置24にはモザイク状のカラー
フィルタ(図示せず)が取り付けられている。画素配置
はデルタ配置であり、画素数は約55000画素であ
る。カラーフィルタは赤、緑、青のいずれかの色を透過
させる。カラーフィルタの構成物により各色の膜厚を制
御してもよい。カラーフィルタの膜厚はカラーフィルタ
の作製時に調整して形成する。つまりカラーフィルタの
膜厚を赤、緑、青で変化させる。カラーフィルタの膜厚
により各画素上の液晶の膜厚はそれぞれのカラーフィル
タ色に応じて調整する事ができる。特に高分子分散液晶
表示装置は、長波長の光(赤色光)に対する散乱特性が
悪い。そこで、赤の画素の液晶層厚を他の青、緑の画素
よりも液晶層厚を厚くすれば、散乱性能を向上させるこ
とができ、赤、緑、青の諧調性を揃えることができる。
【0053】液晶表示装置24からの出射光の一部は観
察者の瞳に入射するが、他の光は迷光となり、表示画像
のコントラストを低下させる要因となる。この問題を回
避するために、(図6)のように発光素子21と集光レ
ンズ23の間に絞り61を配置してもよい。絞り61は
中央部に円形状窓を有し、複数の絞りが同心円状に所定
の間隔を設けて複数枚配列されている。前記絞り61は
発光素子21から出た光が集光レンズ23の有効領域に
直接入射する光だけ通過するようにしている。また、ボ
デー11と接眼リング27の内面は、光の反射を防止す
るために黒色あるいは暗色としている。発光素子21か
ら放射される光のうち、不要な光は絞り61の遮光部で
吸収され、また、吸収されずにわずかに反射する光は他
の絞りの遮光部またはボデー11の内面で吸収されるの
で、集光レンズ23に入射しない。したがって、液晶表
示装置24への不要光入射による表示画像のコントラス
ト低下は非常に小さくなる。絞りは1枚でもよいが、枚
数が多いほど効果は大きくなる。
【0054】集光レンズ23は平面、つまり曲率半径の
大きい面を発光体21側に向けている。これは、正弦条
件を満足しやすくして、液晶表示装置24の表示画像の
輝度均一性を良好にするためである。ただし、集光レン
ズ23は前述の平凸レンズに限定するものではなく、通
常の正レンズでもよいことは言うまでもない。接眼リン
グ27のボデー11への挿入度合を調整することによ
り、観察者の視力に合わせてピント調整を行なうことが
できる。なお、接眼カバー12により観察者の眼の位置
が固定されるので、ビューファインダの使用中に視点位
置がずれることはほとんどない。視点が固定されておれ
ば液晶表示装置24への光の指向性が狭くても観察者は
良好な画像を見ることができる。さらに良好に見えるよ
うにするには発光素子21からの光の放射方向を最適な
方向に移動させればよい。そのため、発光素子21は、
前後あるいは左右に多少移動できるように位置調整機構
が付加しておくことが好ましい。なお、(図2)に示し
た正レンズ25をはずして、(図4)に示した構成で用
いることもできる。この場合、接眼リング27の移動に
より多少表示画面の拡大倍率は変化するが実用上は全く
問題がない。もちろん、観察者の視力にあわせてピント
調整もおこなえる。低コスト化も実現でき、また、小
型、軽量化も行える。さらに、発光素子21の発光領域
が小領域に形成されている場合は絞り22を省略できる
ことはあきらかである。
【0055】(図3)に示すように、絞り31を用いて
発光素子の発光面積を可変する構成にしてもよい。絞り
31をカメラに用いられているような可変絞りとし、絞
り31の穴径をボデー11の外部に取り出されたレバー
(図示せず)を回転させることにより変化させるように
するとよい。ただし、絞り31の中心が集光レンズ13
の中心軸を通るように配置する必要がある。絞り31の
大きさを変化させると、発光素子21の発光部の大きさ
が変化し、集光レンズ23から出射する光の指向性が変
化するので、液晶表示装置24の表示画像のコントラス
トを変化させることができる。視野角も調整できる。観
察者は表示画像を見ながら、最も良好な表示となる位置
にレバーを用いて調整することができる。
【0056】以上のように本発明のビューファインダは
発光素子21の小さな発光体から広い立体角に放射され
る光を、集光レンズ23により効率良く集光するので、
蛍光管を用いた面光源のバックライトを用いる場合に比
較して、光源の消費電力を大幅に低減することができ
る。
【0057】液晶表示装置24は高分子分散液晶表示装
置を用いることにより表示画像を高輝度化もしくは大幅
な低消費電力化が望めるが、当然のことながらTN液晶
表示装置を用いることもできる。TN液晶表示装置は光
の透過と遮光により画素を表示するが、本発明のビュー
ファインダの構成で発光素子21からの光を変調して拡
大レンズ26を通して虚像がみられることは明かであ
る。TN液晶表示装置の前後にそれぞれ偏光板を配置す
る必要がある。2枚の偏光板の透過率損失のため、必要
な輝度を確保するには、高分子分散液晶表示装置を用い
る場合より光源の出力が大きくなり、出力に比例して消
費電力が大きくなる。しかし、光源の発光体の大きさが
小さくてすむために、従来のビューファインダのように
バックライトを用いる場合より消費電力は少なくなる。
なお、前記TN液晶表示装置とは液晶分子のねじれ角が
90度以上のスーパーツイストネマティック(STN)
モードを用いた液晶表示装置を含んでいる。もちろん、
アクティブマトリックス型液晶パネルを用いた液晶表示
装置に限定するものではなく、単純マトリックス型液晶
パネルを用いたものでもよい。さらには、液晶表示装置
としては強誘電液晶を用いたものでもよい。以上のよう
に、本発明のビューファインダに用いる液晶表示装置と
しては高分子分散液晶表示装置に限定する物ではなく、
他の液晶表示装置でも良い。さらには光を変調できる表
示装置であれは何でもよい。たとえば、PLZTを用い
た表示パネルでもよい。
【0058】液晶表示装置24は通常ブラックマトリッ
クス(図示せず)が形成されている。ブラックマトリッ
クスは、液晶表示装置24の信号線上の液晶の動きを見
えなくするため、または/およびおよび画素をスイッチ
ングする薄膜トランジスタへの光を遮光するために用い
る。しかし、液晶表示装置24の画素数が少ない場合は
前記ブラックマトリックスが目立ち画像品位が低下して
しまう。液晶表示装置24と観察者の瞳との間に、光学
的ローパスフィルタとして回折格子を配置すれば、ブラ
ックマトリックスを目立ちにくくすることができる。こ
の構成の一例を(図5)に示す。回折格子81は2枚の
正レンズ25と26の間に配置している。また、正レン
ズ26の入射光側近傍、液晶表示装置24の出射光側に
配置してもよい。但し、配置位置により、回折格子81
のピッチ、高さ等を変える必要がある事は言うまでもな
い。回折格子81はブラックマトリックスを見えにくく
する効果がある。したがって、ブラックマトリックスが
見えず滑らかな表示画像が得られる。
【0059】回折格子81は透過型のものを用い、格子
の断面形状はサインカーブ状、円弧状、台形状などが考
えられる。回折格子81のパターンは1次元、2次元な
ど多くの変形が考えられる。また、ピッチは、液晶表示
装置14の画素の大きさが100〜30μmで、回折格
子81を液晶表示装置24の近くに配置する場合には、
100〜20μmの範囲が適当である。また、回折格子
81を拡大レンズの近くに配置する場合には、2〜0.
1mmが適当である。回折格子81の作製方法として
は、SiO2 などの無機物質をガラス基板上に蒸着して
パターニングする方法、ガラス基板上にポリマーとドー
パントの混合物をスピンコートし、パターンマスクを介
して露光した後、減圧加熱によってドーパントを昇華さ
せる方法などがある。
【0060】(図7)に示すように正レンズ25、26
をはずしてビューファインダを構成することもできる。
この場合、拡大レンズがないため、表示画面は小さくな
るが、観察者は接眼カバー((図7)には図示せず)あ
るいはボデー11に接眼して表示画像を見るため、実用
上はあまり支障はない。特に、液晶表示装置24の画像
表示面積が1.5インチ以上と大きくなると実用上は十
分である。
【0061】(図8)は、本発明のビューファインダの
第2の実施例の構成を示したものである。発光素子21
と集光レンズ23が配置された部分と、液晶表示装置2
4が配置された部分が角度θをもって構成され、ボデー
11は<の字型になっている。液晶表示装置24は高分
子分散液晶表示装置である。集光レンズ23からの出射
光は液晶表示装置24に斜めに入射する。拡大レンズ2
5と液晶表示装置24の画面中心を通る法線は一致させ
ている。角度θは液晶表示装置24の散乱特性にもよる
が3度〜20度の範囲であり、4度〜15度が最適であ
る。また、角度θを可変とすることも構成上容易であ
る。
【0062】(図1)および(図2)から(図7)に示
した構成では、液晶表示装置24を直進する光を表示画
像の白表示として認識するが、(図2)に示した構成で
は、液晶表示装置24で散乱し斜めに進む光を表示画像
の白表示として認識する。つまり、前者はポジ表示、後
者はネガ表示となる。ネガ表示をポジ表示に変換するに
は液晶表示装置24に加える映像信号を反転アンプ等を
用いて信号の極性を反転すればよい。
【0063】高分子分散液晶表示装置では液晶がオン状
態の透過光とオフ状態の散乱光の比をコントラストと呼
ぶ。(図8)に示したように、液晶表示装置24に平行
光を入射させて、発光素子21、集光レンズ23、液晶
表示装置24と眼の位置を一致させた場合、液晶のオン
状態の透過光はオフ状態の散乱光に比較して大きい。し
かし、(図8)に示した構成のように、液晶表示装置2
4に光を斜めに入射させて液晶表示装置24の表示画像
を見る場合、オフ状態の散乱光の方が透過光よりも大き
くなる角度がある。通常、角度θが数度以上で前述の現
象が発生する。(図8)に示した構成は、(図2)から
(図7)に示した構成に比較して表示画像は暗くはなる
が、角度θを選定することによりコントラストは良好と
なる。ビューファインダは表示画像を見る際に眼の位置
が固定されるため、コントラストが最良の表示画像が見
られるように所定角度θを調整することは容易である。
【0064】さらに本発明のビューファインダの第3の
実施例について説明する。(図9)から(図11)はそ
の構成例である。まず、ビューファインダの奥行きを短
くするためには(図9)のように構成する。発光素子2
1から放射された光はミラー91により90度方向をま
げられ集光レンズ23に入射する。ボデー11のうち発
光素子11が挿入された部分はビデオカメラ本体に挿入
される。つまり発光素子21が挿入されている部分を軸
として、正レンズ26が水平方向あるいは垂直方向に平
面を向けることが可能なように回転可能の構造にする。
液晶表示装置24の表示画像は上方向あるいは水平方向
と自由に方向を可変して見れるようになる。発光素子2
1からの光はミラー91により90度方向をまげられ集
光レンズ23に入射する。他の部分および事項について
はすでに説明した構成および内容と同一であるので説明
を省略する。
【0065】さらに、奥ゆきを短くするためには(図1
1)の構成にすることにより達成される。発光素子21
から放射された光はミラー111および91で曲げられ
集光レンズ23に入射する。なお、112および113
は円形の光透過穴である。
【0066】集光レンズ23は平凸レンズとしたが、液
晶表示装置24の表示画素数が比較的少ない場合あるい
は/および高品位の画質を要求されない場合は(図1
0)に示すように集光レンズ23をフレネルレンズ10
1に置き換えることもできる。フレネルレンズ101を
用いることによりフレネルレンズ101と液晶表示装置
24間の距離を短くすることができるから、ビューファ
インダの奥行きも短くすることができる。また、軽量化
も実現できる。同様に正レンズ26等もフレネルレンズ
に置き換えられることは言うまでもない。
【0067】本発明のビューファインダは、実施例の説
明に基づいて多くの変形が考えられる。それらの変形は
すべて本発明に属するものである。例えば、(図9)に
示すビューファインダに可変絞り31または/および回
折格子81を付加したビューファインダなどが該当す
る。同様に(図2)の集光レンズ23をフレネルレンズ
に置き換えることなども該当する。
【0068】本発明のビューファインダの発光素子21
として後述する本発明の発光素子を用いることにより、
より高輝度・高コントラスト表示および色温度調整でき
るビューファインダを実現できる。以下、本発明のビュ
ーファインダ用発光素子について説明する。
【0069】ビューファインダ用陰極線管の構成の一例
を(図17(a))に示す。(図17(a))におい
て、172はヒーターであり、173はヒーター172
の周辺部に配置されたカソードである。カソード173
は主として酸化バリウムを主成分とした材料で構成され
る。また、175、176はグリッドである。174
a、174b、174cはグリッドおよびカソードを保
持するための保持体である。178は蛍光体であり、1
77は蛍光体178の表面を覆っているごく薄いアルミ
膜である。蛍光体178は電気的に絶縁物であるから、
これに電子ビームがあたって負電荷をもった電子が注入
されると蛍光体面には次第に負電荷がたまって電位が下
がり、この為、アノード電圧を高くしても蛍光体面の電
位はある程度以上には上がらず明るさも増加しない。ア
ルミ膜177を形成することにより、蛍光体面の負の帯
電は取り去られて有効加速電圧の降下が防止される。し
たがって、電子ビームを十分に加速できるようになり蛍
光体178の発光輝度を増やすことができる。また、ア
ルミ膜177は光に対して鏡の働きをもち陰極線管の内
部へ向かう光を全面に反射するので輝度は増す。さらに
負イオン焼けも防止できる。なお、171はガラスから
なる真空ガラス容器である。また、179は金属からな
る薄膜であり、中央部に小領域の光の透過穴である。遮
光膜179により良好な点光源化することができる。本
発明の陰極線管は電子ビームの走査が必要でないため偏
光ヨークを具備しない。蛍光体としては白黒用としては
青色用のZnS:Ag,黄色用のZnCdS:Agを混
合したものが例示される。
【0070】また、蛍光体の塗布形状の一例として(図
15(a)(b))に示される形状・配置が例示され
る。(図15(a))の中心部より赤色発光・青色発光
および緑色発光の蛍光体の領域に3分割したものであ
る。蛍光体の青色は硫化亜鉛(銀を含む)、緑色は緑発
光の混晶硫化物(銅およびアルミを含む)である。ま
た、希土類蛍光体(酸化硫化イットリウムまたは酸化イ
ットリウムにユーロピウムを加えたものなど)が例示さ
れる。蛍光体の発光面積は直径10mm以下である。電
子ビームは発光色の白バランスがとれる位置に照射され
る。(図15(b))は中心部を白色つまり白発光の蛍
光体を塗布し、その周辺部を赤色発光・青色発光および
緑色発光の3領域に分割したものである。電子ビームは
通常は中央部の3色の混合点あるいは白色発光の蛍光体
に照射されるようにする。白バランスが取れないときは
(図5(a))の点線円で示すように電子ビームの照射
位置を移動し調整する。
【0071】前述の陰極線管は電子ビームを走査する偏
光ヨークを持たない。したがって、機構が単純である。
また、カソードと蛍光体との距離も短いため駆動電圧も
低い。
【0072】陰極線管についてその動作を説明する。ヒ
ーター172によりカソード173は加熱され熱電子が
放出される。前記熱電子はグリッドとの電位差により電
子ビームとなり加速され、蛍光体78に衝突し、蛍光体
178を発光させる。前記発光した光は発散光となる。
【0073】陰極線管には(図17(b))に示すよう
に電子ビーム集束用のグリッドを配置してもよい。(図
17(b))の陰極線管では電子ビーム集束用の第3グ
リッド181、第4グリッド182、第5グリッド18
3を配置している。グリッドは電子ビームを蛍光面上に
集束させる主集束電子レンズの機能を有している。前述
のグリッドにより、陰極線管は理想的な点光源化を計る
ことができる。なお、静電集束方式は(図17(b))
に示すユニポテンシャル型に限定するものではなくバイ
ポテンシャル型でもよいことは言うまでもない。また、
静電集束方式に限定するものではなく電磁集束方式でも
よい。
【0074】蛍光体に照射される電子ビームの位置を移
動させるには磁石を用いる。(図17(b))において
184は円筒磁石である。円筒磁石184は永久磁石あ
るいは電磁石のいずれであってもよい。円筒磁石184
は真空ガラス容器171に挿入し、回転できる大きさに
形成されており、また、図示していないが回転調整後、
固定できる調整機構を有している。円筒磁石184は電
子ビームに対し、垂直な磁界を発生させる。円筒磁石1
84を回転させることにより、その磁力によって電子ビ
ームは偏光される。たとえば、(図15(a))に示す
点線aの位置に電子ビームが照射されているとき、円筒
磁石184を調整することにより点線bの位置に移動で
きる。また、陰極線管の前後に円筒磁石184の位置を
動かすことにより偏心量も変化できる。つまり、発光素
子から出射される光の色温度を自由に変化することがで
きる。なお、(図15(b))に示すような蛍光体色の
配置の場合にも適用できることは明らかである。
【0075】白バランスを調整する方法は複数のカソー
ドを用いる方法もある。たとえば(図15(c))に示
す蛍光体の赤色・緑色・青色に対し、それぞれにカソー
ドを設ければよい。それぞれのカソードから放射される
電子ビームは対応する色の蛍光体に衝突し、光を放射さ
せる。各電子ビームの照射位置はできる限り近接される
ことが点光源化を計る上で好ましい。発光色の白バラン
スは各カソードに印加する電圧を制御することにより行
う。
【0076】点光源化および光の色温度を可変するため
には(図17(a))のように遮光膜179を形成する
他に(図16)に示すように後述のスライドをフェイス
ガラス面に取り付ける方法がある。スライドは(図1
6)の構成となっている。(図16(a))はスライド
の平面図、(図16(b))はスライドの断面図であ
る。161はカバーであり、陰極線管のフェイスガラス
の先端に挿入できるようになっている。163はスライ
ド板であり、前記中央部に貫通口があり支持体162と
カバー161に狭持される構造となっている。スライド
板163は外部力により偏心させることができ、したが
って、前記穴位置を移動できる。蛍光体178の配色状
態が(図15(a))あるいは(図15(b))の状態
の時、このスライドの機能が効果的になる。つまり、発
光領域をスライド板163の穴径よりも大きくしてお
き、スライド板163を偏心させることにより、発光色
の色温度が調整できるためである。
【0077】次に本発明のビューファインダ用発光管に
ついて説明する。(図14)に示すように発光管は外観
としては豆電球状の形状である。141はガラスからな
るケースであり直径は5mm〜20mmである。143
はフィラメントであり、直流4V〜8V程度の電圧を印
加し、フィラメント143を加熱する。144はアノー
ドであり印加電圧は直流10〜25V程度である。前記
アノード電圧により、フィラメント143の加熱により
放出された電子は加速される。ケース141内には水銀
分子(図示せず)が封入されており、前記加速された電
子は水銀分子と衝突する事により紫外線を放出する。こ
の紫外線が蛍光体142を励起し可視光が発生する。1
48は金属等からなる反射膜である。前記反射膜148
は、蛍光体142で発生した光を反射させ、光の前方へ
の光放射率を向上させる機能を有する。反射膜148は
ケース141の内面に形成するとしたが、これに限定す
るものではなくケース141の外側に形成してもよい。
また、(図14(b))に示すようにケースの外面に中
央部に円形の透過穴を有する遮光膜146を形成するこ
とにより良好な点光源化を実現することができる。
【0078】蛍光体142としては通常は陰極線管と同
様に白色表示用として青色と黄色の蛍光体を混合して全
面に形成すればよい。また、(図15(a)(b))に
示すように蛍光体赤色・青色・緑色の3分割して形成し
てもよい。以上のように構成し、(図14(c))に示
すようにスライド147を取り付けると放射光の色温度
を調整できる。
【0079】駆動はパルス駆動を行うことにより、放射
する光量を調整できる。パルスの周期は30ヘルツ以上
とし、好ましくは60ヘルツ以上とする。アノードに印
加する電圧をパルス信号とすることにより、パルス幅に
比例して放射光量を可変できる。パルス幅が1/2のと
き、対角長28mmの液晶表示装置では必要十分な表示
画面輝度を得ることができ、その時の本発明の発光管の
消費電力はフェラメントの電力を含めて0.25Wであ
った。なお、この時の発光管の輝度は約800(ft−
L)であった。
【0080】次に本発明のビューファインダ用LEDに
ついて説明する。LEDの構成を(図13(a))に示
す。133は樹脂レンズ、132は発光体、131は端
子である。発光体は赤、緑、青色の3色の発光チップで
構成され、各色の発光チップの各一本ずつの端子と共通
端子の計4本の端子を具備している。3つの発光チップ
は、透明樹脂でモールドされている。各色の発光チップ
は白色光となるように色バランスがとれるよう最適な個
数が密集してモールドされている。
【0081】LEDは、赤、緑、青の各発光チップに印
加する電圧または電流の制御により、発光色を調整する
ことができ、また、液晶表示装置24の表示画像の色度
調整を行なうことができる。この色度調整は、バックラ
イトを用いる場合に比べて、非常に容易である。
【0082】LEDのモールド樹脂の表面をレンズとし
て利用することができる。特に(図(b))に示すよう
に、モールド樹脂の表面を球面とし、発光体から出る光
がアプラナティックの条件を満足するとよい。モールド
樹脂のレンズ面の曲率半径をr、屈折率をnとして、レ
ンズ面の頂点135からS=(1+1/n)・rだけ離
れた位置に発光体138を配置するとよい。このとき、
レンズ面134による発光体138の像はレンズ面の頂
点135からS’=(1+n)・rだけ離れた位置13
9にできる。発光体138の大きさは集光レンズの直径
に比べて十分小さいので、点とみなす事ができる。な
お、137はレンズ面134の曲率中心であり、136
はレンズ面の法線である。LEDの発光体を樹脂モール
ドし、出射面を球面レンズとし、発光体から出射する光
が球面レンズに対してアプラナティックの条件を満足す
るようにすると、LEDから球面レンズに入射する光は
正弦条件を満足するために、観察者から見た液晶表示装
置の輝度均一性が良好になる。
【0083】ビューファインダ用発光素子として本発明
の蛍光発光素子の構成を(図18)に示す。(図18
(a))において、191はフェイスガラス(以後、ケ
ースと呼ぶ)、193はフィラメントカソード(以後、
カソードと呼ぶ)、197は金属材料等で構成する遮光
膜、194はアノード等の形成部、195は蛍光体、1
92はネサ膜である。
【0084】動作としては、カソード193は約400
〜800度の温度に加速され、熱電子を放射する。放射
した熱電子はアノード194の電位により加速され、ア
ノード193に突入し、蛍光体195を刺激し発光させ
る。蛍光体195は白色発光の場合は黄色と青色を混合
したものを用いる。青色用としてはZnS:Ag、黄色
用としてはZnCdS:Agが例示される。発光した光
はケース191の前面の遮光膜196の穴197より出
射する。また、前記遮光膜196はケース191の内面
に形成しても良い。なお、発光部と集光レンズ23間を
短距離にするためにはケース191のフェイスガラスを
凸レンズにすれば良い。
【0085】発光色の色温度を調整する方法として(図
18(b))に示すように複数のカソードを形成すれば
良い。(図18(b))に示す蛍光発光素子とは3つの
カソードを有する。なお、(図15(a))または(図
15(b))に示すように蛍光体192は赤・青・緑色
の3つの色素領域あるいは白、赤、青、緑の4つの色素
領域に分割されている。前述の3つのカソード202、
203、204はそれぞれの発光色の蛍光体に対応して
配置されている。前述のごとく構成することにより、
(図18(c))に示すようにカソードに流す電流
1,I2,I3で熱電子量を調整する。したがって、発
光色の色温度放射光の強度などを自由に調整できる。
【0086】前述のビューファインダ用発光素子は本発
明のビューファインダの発光素子21として用いること
により、非常に良好な表示画像のコントラストおよび表
示画像品位を実現できる。しかし、本発明の発光素子2
1としては前述のビューファインダ用発光素子に限定す
るものではない。たとえば、手軽に入手できる白色発光
を行える発光素子として、発光管としてはミニパイロ電
機社製のルナパステルシリーズ(直径7mm、10m
m)、冷陰極蛍光灯として松下電器産業社製の品番5−
C21T26E85Hがある。前述の発光管冷陰極蛍光
灯は遮光板などを用い、微小領域から光を放射されるよ
うに構成し、本発明のビューファインダの発光素子21
として用いる。
【0087】(図21)は本発明のビューファインダを
ビデオカメラにとりつけた状態の説明図である。ビュー
ファインダのボデー11は取り付け金具13によりビデ
オ本体にとりつけられている。24は高分子分散液晶表
示パネルであり、表示画面の対角長は約28mm(1.
1インチ)である。224は主として(図20)に示す
液晶パネルの駆動回路である。発光素子21としてミニ
パイロ電機社製の発光(ルナライト−07シリーズ)を
用いた。発光管の直径は7mmであり、白色発光を行
う。発光管へは発光管電源回路223から電圧の供給を
行う。発光管電源回路223は発光管21へヒーター電
圧2.5Vおよびアノード電圧18Vを供給する。両電
圧は直流電圧である。発光管電圧回路はアノード電圧を
パルス変調する回路を有している。パルス周期は60ヘ
ルツにしている。アノードに印加する電圧をパルス信号
とすることにより、パルス幅に比例して放射光量を可変
できる。パルス幅の割合はビデオ本体に取り付けられた
ボリウムを回転させることにより0から1/1まで連続
に変化させることができる。一実施例において、パルス
幅が1/2のとき、発光管の輝度は約800(ft−
L)である。1/1つまり、アノード電圧の連続印加状
態では2倍の1600(ft−L)になる。発光管の輝
度が800(ft−L)のとき光源部の消費電力は約
0.25Wであった。一方、CCDセンサ221からは
映像信号が出力され、液晶駆動回路224のビデオ増幅
器211に印加され、液晶表示装置24に画像が表示さ
れる。また、ビデオテープに記録された映像信号は再生
回路225により再生され、ビデオ増幅器211に印加
される。222はビデオカメラ本体に取り付けられたバ
ッテリーであり、発光管電源回路223、液晶駆動回路
224および再生回路225に電力を供給する。TN液
晶パネルを用いた従来のビューフアインダで消費される
電力は1.0W強であったが、本発明のビューファイン
ダで消費される電力は0.3W強であり、消費電力は約
1/3に低減した。
【0088】
【発明の効果】本発明のビューファインダは、発光素子
の小さな発光体から広い立体角に放射される光を集光レ
ンズで平行に近く指向性の狭い光に変換し、液晶表示装
置で変調して画像を表示するので、消費電力が少なく、
輝度むらも少ない。しかも、発光素子の駆動回路も従来
のビューファインダのようにバックライトを用いるもの
に比較して単純な構成となるため、コンパクトで軽量の
ビューファインダを提供できる。液晶表示装置として高
分子分散液晶表示装置を用いれば、TN液晶表示装置に
比較して消費電力をさらに低減できる。
【0089】また、本発明のビューファインダ用陰極線
管は、内部に赤・緑・青の蛍光体を具備し、蛍光体が微
小領域にまとまり非常に小型で、カラー表示のビューフ
ァインダを提供することができる。また、赤・緑・青の
各蛍光体への電子ビーム照射位置を円筒磁石を用いて変
化させて、あるいはスライド板を用いて容易に発光色の
色温度を調整することができる。
【0090】また、本発明のビューファインダ用LED
は、内部に赤・緑・青の蛍光体を具備し、発光体が小さ
くまとまっているため、小型、軽量カラー表示のビュー
ファインダを提供することができる。また、赤・緑・青
の各発光体への印加電圧を変化させて、容易に発光色の
白バランスを調整することができる。
【0091】本発明の発光管はケースに遮光膜などを形
成し、非常に小型・軽量であり良好な点光源化を実現し
ている。また、蛍光体に赤・緑・青色の領域を形成し、
スライドなどを用いることにより発光色の白バランス等
の調整も容易である。
【0092】また、本発明の蛍光発光素子は非常に小型
・軽量であり良好な点光源化を実現している。また、蛍
光体に赤・緑・青色の領域をもたせ、複数のカソードを
用いて前記領域に照射させる熱電子を加熱すること、あ
るいは、スライド板を用いることにより、容易に発光色
の色温度等を調整することができる。
【0093】本発明のビューファインダをビデオカメラ
に装着して用いれば、消費電力が少ないので連続使用時
間を大幅に長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるビューファインダの
断面図
【図2】ビューファインダの外観図
【図3】本発明の他の実施例におけるビューファインダ
の断面図
【図4】本発明の他の実施例におけるビューファインダ
の断面図
【図5】本発明の他の実施例におけるビューファインダ
の断面図
【図6】本発明の他の実施例におけるビューファインダ
の断面図
【図7】本発明の他の実施例におけるビューファインダ
の断面図
【図8】本発明の他の実施例におけるビューファインダ
の断面図
【図9】本発明の他の実施例におけるビューファインダ
の断面図
【図10】本発明の他の実施例におけるビューファイン
ダの断面図
【図11】本発明の他の実施例におけるビューファイン
ダの断面図
【図12】高分子分散液晶の動作の説明図
【図13】本発明のビューファインダ用LEDの断面図
および説明図
【図14】ビューファインダ用発光素子の断面図および
説明図
【図15】ビューファインダ用発光素子の蛍光面の平面
【図16】ビューファインダ用発光素子に用いる遮光部
品の平面および断面図
【図17】ビューファインダ用発光素子の断面図および
説明図
【図18】ビューファインダ用発光素子の断面図および
説明図
【図19】アクティブマトリックス型液晶パネルの等価
回路図
【図20】液晶表示装置の信号処理回路のブロック図
【図21】ビデオカメラの回路ブロック図
【図22】従来のビューファインダの断面図
【図23】従来のビューファインダの主要構成部品の斜
視図
【図24】ライトボックスの平面図
【符号の説明】
11 ボデー 12 接眼カバー 13 取り付け金具 21 発光素子 22、31、61 絞り 23 集光レンズ 24 液晶表示装置 25、26 拡大レンズ 27 接眼リング 81 回折格子 91、111 ミラー 101 フレネルレンズ 102、112、113 穴 121 対向電極基板 122 アレイ基板 123 対向電極 124 画素電極 125 水滴状液晶 126 ポリマー 132、138 発光体 133 樹脂レンズ 142、151、152、178、201 蛍光体 143 フィラメント 146、179、196 遮光膜 147 スライド 148 反射膜 161 カバー 162 支持体 163 スライド板 172 ヒーター 173、202、203、204 カソード 184 円筒磁石 197 穴 206 ゲートドライブIC 207 ソースドライブIC 208 TFT 209 付加コンデンサ 210 液晶(表示画素) 226 蛍光管ボックス 227 拡散板 228a、228b 偏光板 229 TN液晶表示装置 241 蛍光管の発光パターン
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−139918 (32)優先日 平成3年6月12日(1991.6.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−139919 (32)優先日 平成3年6月12日(1991.6.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 大前 秀樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−4181(JP,A) 特開 昭64−49379(JP,A) 特開 昭64−50677(JP,A) 特開 平1−129240(JP,A) 特開 平3−78374(JP,A) 実開 平2−106770(JP,U) 実公 昭61−44199(JP,Y2)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を略平行光に変換する集光
    手段と、 前記集光手段からの出射光を変調する液晶パネルと、 前記液晶パネルの表示画像を拡大して観察者に見えるよ
    うにする拡大レンズとを具備し、 前記光発生手段は、LEDの発光体を樹脂モールドしか
    つ光出射面を球面レンズとした発光素子を有し、 前記球面レンズの曲率半径をr、屈折率をnとした時、
    レンズ面の頂点から略(1+1/n)・rだけ離れた位
    置に前記発光素子の発光体が配置され、 前記集光手段が集光する前記発光素子の発光面積は、前
    記液晶パネルの表示面積よりも小さく、 前記集光手段は、前記液晶パネルが光を直進させる場合
    を仮定した時、前記発光素子から放射され、前記集光手
    段の有効領域に入射する光が前記拡大レンズを透過した
    後に観察者の瞳に入射するように配置され、かつ、前記
    集光手段が無収差で、透過率が100%の場合、前記集
    光手段を通して見た前記発光素子の発光部の輝度が発光
    部自身の輝度と略等しいように構成されていることを特
    徴とするビューファインダ。
  2. 【請求項2】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を略平行光に変換する集光
    手段と、 前記集光手段からの出射光を変調する液晶パネルと、 前記液晶パネルの表示画像を拡大して観察者に見えるよ
    うにする拡大レンズとを具備し、 前記光発生手段は、蛍光体の作用により白色光を発生す
    る発光素子、もしくは、赤色発光LEDと緑色発光LE
    Dと青色発光LEDからなる発光素子を有し、前記拡大
    レンズと前記液晶パネルの画面中心を通る法線は略一致
    され、 前記集光手段からの出射光は前記液晶パネルの法線に対
    して、角度θで前記液晶パネルに入射し、 前記角度θは3度〜20度の範囲であり、 前記液晶パネルに表示される画像は、映像信号を白黒反
    転させた画像が表示され、 前記集光手段が無収差で、透過率が100%の場合、前
    記集光手段を通して見た前記発光素子の発光部の輝度が
    発光部自身の輝度と略等しいように構成されていること
    を特徴とするビューファインダ。
  3. 【請求項3】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を略平行光に変換する集光
    手段と、 前記集光手段からの出射光を変調する液晶パネルと、 複数の絞りと、 前記液晶パネルの表示画像を拡大して観察者に見えるよ
    うにする拡大レンズとを具備し、 前記光発生手段は、蛍光体の作用により白色光を発生す
    る発光素子、もしくは、赤色発光LEDと緑色発光LE
    Dと青色発光LEDからなる発光素子を有し、前記絞り
    は、前記光発生手段と前記集光手段間に配置され、 前記絞りは、所定の間隔を設けて複数枚配列され、かつ
    前記絞りの開口部が略同心状となるように配置され、 前記集光手段は、前記液晶パネルが光を直進させる場合
    を仮定した時、前記発光素子から放射され、前記集光手
    段の有効領域に入射する光が前記拡大レンズを透過した
    後に観察者の瞳に入射するように配置され、かつ、前記
    集光手段が無収差で、透過率が100%の場合、前記集
    光手段を通して見た発光部の輝度が前記発光素子の発光
    部自身の輝度と略等しいように構成されていることを特
    徴とするビューファインダ。
  4. 【請求項4】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を略平行光に変換する集光
    手段と、 前記集光手段からの出射光を変調する液晶パネルと、 前記液晶パネルの表示画像を拡大して観察者に見えるよ
    うにする拡大レンズと、位置調整機構と、 回折格子とを具備し、 前記光発生手段は、蛍光体の作用により白色光を発生す
    る発光素子、もしくは、赤色発光LEDと緑色発光LE
    Dと青色発光LEDからなる発光素子を有し、 前記位置調整機構は、前記発光素子を前後あるいは左右
    に移動できるように構成され、 前記回折格子は前記観察者の瞳と前記液晶パネルとの間
    の光路に配置されており、 前記集光手段が集光する前記発光素子の発光面積は、前
    記液晶パネルの表示面積よりも小さく、 前記集光手段は、前記液晶パネルが光を直進させる場合
    を仮定した時、前記発光素子から放射され、前記集光手
    段の有効領域に入射する光が前記拡大レンズを透過した
    後に観察者の瞳に入射するように配置され、かつ、前記
    集光手段が無収差で、透過率が100%の場合、前記集
    光手段を通して見た前記発光素子の発光部の輝度が発光
    部自身の輝度と略等しいように構成されていることを特
    徴とするビューファインダ。
  5. 【請求項5】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を略平行光に変換する集光
    手段と、 前記集光手段からの出射光を変調する液晶パネルと、 前記液晶パネルの表示画像を拡大して観察者に見えるよ
    うにする拡大レンズと、位置調整機構とを具備し、 前記光発生手段は、蛍光体の作用により白色光を発生す
    る発光素子、もしくは、赤色発光LEDと緑色発光LE
    Dと青色発光LEDからなる発光素子と有し、前記位置
    調整機構は、前記発光素子を前後あるいは左右に移動で
    きるように構成され、 前記集光手段が集光する前記発光素子の発光面積は、前
    記液晶パネルの表示面積よりも小さく、 前記集光手段は、前記液晶パネルが光を直進させる場合
    を仮定した時、前記発光素子から放射され、前記集光手
    段の有効領域に入射する光が前記拡大レンズを透過した
    後に観察者の瞳に入射するように配置され、かつ、前記
    集光手段が無収差で、透過率が100%の場合、前記集
    光手段を通して見た前記発光素子の発光部の輝度が発光
    部自身の輝度と略等しいように構成されていることを特
    徴とするビューファインダ。
  6. 【請求項6】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を略平行光に変換する集光
    手段と、 前記集光手段からの出射光を変調する液晶パネルと、 前記液晶パネルの表示画像を拡大して観察者に見えるよ
    うにする拡大レンズと、絞りとを具備し、 前記光発生手段は、蛍光体の作用により白色光を発生す
    る発光素子、もしくは、赤色発光LEDと緑色発光LE
    Dと青色発光LEDからなる発光素子を有し、前記集光
    手段が集光する前記発光素子の発光面積は、前記液晶パ
    ネルの表示面積よりも小さく、 前記絞りは可変絞りであり、かつ前記発光素子の前面に
    配置され、絞りの穴径を変化させることにより前記集光
    手段が集光する前記光発生手段の発光面積を可変でき、 前記集光手段は、前記液晶パネルが光を直進させる場合
    を仮定した時、前記発光素子から放射され、前記集光手
    段の有効領域に入射する光が前記拡大レンズを透過した
    後に観察者の瞳に入射するように配置され、かつ、前記
    集光手段が無収差で、透過率が100%の場合、前記集
    光手段を通して見た前記発光素子の発光部の輝度が発光
    部自身の輝度と略等しいように構成されていることを特
    徴とするビューファインダ。
  7. 【請求項7】 CCDセンサと、 請求項1から請求項のいずれかに記載のビューファイ
    ンダとを具備することを特徴とするカメラ。
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