JP3322658B2 - 防水シートの貼付方法及び貼付装置 - Google Patents

防水シートの貼付方法及び貼付装置

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JP3322658B2
JP3322658B2 JP2000015125A JP2000015125A JP3322658B2 JP 3322658 B2 JP3322658 B2 JP 3322658B2 JP 2000015125 A JP2000015125 A JP 2000015125A JP 2000015125 A JP2000015125 A JP 2000015125A JP 3322658 B2 JP3322658 B2 JP 3322658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルト舗装
(透水性アスファルト舗装を含む)を施す橋梁や道路の
コンクリート面あるいは鋼製床版面に敷設して、下地面
への接着を容易にかつ確実に行うことのできる防水シー
トの貼付方法及び貼付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】土木並びに建築の工事に於いては、床面
となるコンクリート面あるいは鋼製床版面の防水工事は
その工事の生命線とも言える重要な部分となっている。
防水の不完全な土木あるいは建築構造物はその構造物の
耐久性が著しく短くなるばかりでなく、構造物内に設置
する諸資産を損失することになりかねない。以下、主に
土木工事に於ける防水の例をコンクリート橋梁(屋上駐
車場などのコンクリート構造物を含む)とコンクリート
舗装を例に取り説明する。
【0003】コンクリート橋梁は、そのコンクリート床
面上にアスファルト舗装が施される場合が多いが、この
アスファルト舗装を透過した雨水がコンクリートの床
面、あるいはコンクリートの亀裂などから、コンクリー
ト内部の鉄筋に到達し、鉄筋を腐食させ、コンクリート
橋梁自体の寿命を縮めることとなり易い。こうした事態
を防止するため、アスファルト舗装を施す前に、コンク
リート床面に防水層を施工している。
【0004】この防水層としては、従来から、塗布型防
水材やシート系防水材などが使用されている。塗布型防
水材は、ゴムアスファルトを高温で溶融させたものをコ
ンクリート床面にムラなく流し塗りし、放冷後、ゴムア
スファルトの層を形成させるようにしたものである。ま
た、クロロプレンゴムなどの合成ゴムを溶剤でカットバ
ックして製造した塗布材を床版面に塗布し、溶剤が揮散
後、均一なゴム皮膜を形成させるようにしたものなども
ある。塗布型防水材の場合、一回の塗布で形成できる層
の厚みが薄く、塗りムラも予想される。従って、防水層
としての機能を充分に持たせるため、一回の塗布でな
く、一定の乾燥時間をおいて、何層にも塗布するなどの
煩雑な施工を余儀なくされている。
【0005】また、シート系防水材としては、ゴムアス
ファルトなどを不織布などの繊維材と組み合わせてシー
ト化したものを、加熱溶融したアスファルトなどの接着
材を使って、コンクリート床面に全面接着させて防水層
を形成している。しかし、この場合、高温で溶けたアス
ファルトを用いてコンクリート床面に張り付けるため、
危険な作業となり、臭気など施工現場周囲に及ぼす影響
も良くなかった。また、施工は煩雑で時間を要し、熟練
を要するものであった。
【0006】また、近年、めざましい実用化が展開され
ている透水性(排水性)アスファルト舗装は、通水でき
る微細間隙を有するように粒度調整された骨材と改質さ
れたアスファルトとを混合して舗設することにより、舗
装自体が透水性を有するものとなっている。これによ
り、降雨時の溜まり水の減少と自動車の走行性の向上、
あるいは降雨初期のハイドロプレーニング現象の防止に
貢献している。
【0007】しかし、この透水性アスファルト舗装は耐
久性が未だ乏しいために、耐久性の高いコンクリートを
基盤として施し、そのコンクリート舗装の上に透水性ア
スファルト舗装をオーバーレイする構造を採用するよう
になってきている。これは、道路としての耐久性はコン
クリート舗装からなる基盤で保証し、透水性アスファル
ト舗装は、寿命が来たら、打ち替え施工するという考え
に基づくものである。
【0008】従来、このコンクリート舗装面に透水性ア
スファルト舗装を施すときは、単にシール層と称するタ
ックコート、すなわちアスファルトとの接着を高めるた
めに用いられるアスファルト乳剤もしくはカットバック
アスファルトを塗布することのみによって透水性アスフ
ァルト舗装を補い防水性を確保することとしていた。
【0009】しかしながら、基盤のコンクリートは道路
の耐久性を保証する構成部分であるのに、道路の表面か
ら見えないため、コンクリートの表面に亀裂などの欠陥
を生じても検知出来ず、また、その床面に透水性アスフ
ァルト舗装が施されているため、雨水は常にコンクリー
ト床面を流れることになる。そのため、亀裂などの欠陥
が生じると、そこから雨水が浸透して内部の鉄筋を腐食
させ、寿命を縮めることになりかねないことから、コン
クリート床面の防水が重要視されてきている。
【0010】しかし、この種の道路は道路橋の様な限ら
れた範囲ではなく、長い距離と広い面積であり、その防
水層の形成を道路橋で用いられているような上記の工法
で行うには施工における工期面の延長、施工コストの増
大、施工熟練者の不足などから大きな問題となる。その
ような状況から、この透水性アスファルト舗装の下面に
おける防水層の形成工法には、施工が煩雑でなく、短期
に行え、熟練者を要しない新たな手段が待望されている
のが実状である。
【0011】また、橋梁や屋上駐車場、コンクリート道
路などを含め、このような広い面積、長い距離にわたる
工事では防水層の確実な施工をその全てに於いて保証す
る手段が無く、各々の施工業者の時間を掛けた管理に頼
っていたのが実状である。この防水層の施工の良否が誰
にでも、容易にかつ施工と同時に判るような施工方法が
あれば工期も短縮し、管理の手間も省けることから期待
されていたのが事実である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の工法では、例えば、アスファルトを高温で溶融して、
これを接着剤としてコンクリートや鋼製の床面に流し塗
りした上にアスファルトシートを貼り付けるといった工
法を採る必要があった。こうした工法は安全面でも好ま
しくなく、また、臭気等の影響も少なからずあった。ま
た、防水という重要な工程での接着の良否に関して、接
着の確実さが施工している作業者の目で見ることができ
ないので施工上でのミスや不具合が発生していた。その
ため、工期が延びるといった問題があった。
【0013】そこで、本発明の目的とするところは、安
全面と作業環境面の解決を図るとともにコンクリートや
鋼製床版などの下地面に対する接着の確実さを施工して
いる作業者の目で見て容易に判るようにする防水シート
の貼付方法及び貼付装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載の防水シートの貼付方法
は、橋梁や道路を構成するコンクリート又は鋼製床版
(1)と、その床面に舗装されるアスファルト層(2)
との間に敷設されコンクリート又は鋼製床版(1)の防
水を行い、かつ少なくともコンクリート又は鋼製床版
(1)に貼り付けられる面が熱可塑性材料(6)からな
る防水シート(3)の貼付方法であって、防水シート
(3)の貼り付け面にガラス粉末(8)またはガラス短
繊維を付着させて、通常の状態では、貼り付け面が乱反
射して光沢性が無いが、貼り付け面を加熱した状態で
は、ガラス粉末(8)またはガラス短繊維が熱可塑性材
料(6)の中に取り込まれて貼り付け面が反射して光沢
性を有するようにし、ガラス粉末(8)またはガラス短
繊維が付着した防水シート(3)の貼り付け面に、15
0度から500度の熱風をノズル(30)から噴射して
加熱しながら、貼り付け面が光沢性を有するタイミング
で防水シート(3)をコンクリート又は鋼製床版(1)
の被着面に貼り付けることを特徴とする。
【0015】また、請求項2に記載の防水シートの貼付
方法は、橋梁や道路を構成するコンクリート又は鋼製床
版(1)と、その床面に舗装されるアスファルト層
(2)との間に敷設されコンクリート又は鋼製床版
(1)の防水を行い、かつ少なくともコンクリート又は
鋼製床版(1)に貼り付けられる面が熱可塑性材料
(6)からなる防水シート(3)の貼付方法であって、
防水シート(3)の貼り付け面に複数の凹凸部を形成
し、通常の状態では、貼り付け面が乱反射して光沢性が
無いが、貼り付け面を加熱した状態では、複数の凹凸部
が熱可塑性材料(6)の中に取り込まれて貼り付け面が
反射して光沢性を有するようにし、複数の凹凸部が形成
された防水シート(3)の貼り付け面に、150度から
500度の熱風をノズル(30)から噴射して加熱しな
がら、貼り付け面が光沢性を有するタイミングで防水シ
ート(3)をコンクリート又は鋼製床版(1)の被着面
に貼り付けることを特徴とする。
【0016】さらに、請求項3に記載の防水シートの貼
付装置は、橋梁や道路を構成するコンクリート又は鋼製
床版(1)と、その床面に舗装されるアスファルト層
(2)との間に敷設されコンクリート又は鋼製床版
(1)の防水を行い、かつ少なくともコンクリート又は
鋼製床版(1)に貼り付けられる面が熱可塑性材料
(6)からなり、貼り付け面にガラス粉末(8)または
ガラス短繊維を付着させて、通常の状態では、貼り付け
面が乱反射して光沢性が無いが、貼り付け面を加熱した
状態では、ガラス粉末(8)またはガラス短繊維が熱可
塑性材料(6)の中に取り込まれて貼り付け面が反射し
て光沢性を有するようにした防水シート(3)を搭載し
た自走式または手押し式の台車(20)と、防水シート
(3)の端部が巻かれ、回転により防水シート(3)を
その端部からコンクリート又は鋼製床版(1)の施工面
に貼り付ける、台車(20)に備わるローラー(21)
と、および、コンクリート又は鋼製床版(1)の施工面
の直前で、防水シート(3)の貼り付け面に150度か
ら500度の熱風を噴射して全幅を加熱する、台車(2
0)に備わる熱風送風機(22)のノズル(23)と、
を有し、防水シート(3)の貼り付け面を溶融しながら
貼り付けていくことを特徴とする。
【0017】また、請求項4に記載の防水シートの貼付
装置は、橋梁や道路を構成するコンクリート又は鋼製床
版(1)と、その床面に舗装されるアスファルト層
(2)との間に敷設されコンクリート又は鋼製床版
(1)の防水を行い、かつ少なくともコンクリート又は
鋼製床版(1)に貼り付けられる面が熱可塑性材料
(6)からなり、貼り付け面に複数の凹凸部を形成し、
通常の状態では、貼り付け面が乱反射して光沢性が無い
が、貼り付け面を加熱した状態では、複数の凹凸部が熱
可塑性材料(6)の中に取り込まれて貼り付け面が反射
して光沢性を有するようにした防水シート(3)を搭載
した自走式または手押し式の台車(20)と、防水シー
ト(3)の端部が巻かれ、回転により防水シート(3)
をその端部からコンクリート又は鋼製床版(1)の施工
面に貼り付ける、台車(20)に備わるローラー(2
1)と、および、コンクリート又は鋼製床版(1)の施
工面の直前で、防水シート(3)の貼り付け面に150
度から500度の熱風を噴射して全幅を加熱する、台車
(20)に備わる熱風送風機(22)のノズル(23)
と、を有し、防水シート(3)の貼り付け面を溶融しな
がら貼り付けていくことを特徴とするものである。
【0018】なお、カッコ内の記号は、図面および後述
する発明の実施の形態に記載された対応要素または対応
事項を示す。
【0019】これらの発明は、本発明者らが、橋梁の床
版や屋上駐車場並びに排水性舗装下面に設けるコンクリ
ート舗装の防水などのような広い面積、長い距離の防水
工事を確実な信頼性を持って、早い速度で施工すること
を主眼にテストを繰り返すことにより開発に至った。な
お、この開発に当たっては近年問題視されている工事現
場に於ける二酸化炭素の発生の問題にも焦点をあてた。
その結果、現場でプロパンガスや重油などの燃料を用い
ず、極めて冷工法に近い方法で、これまで最も防水の信
頼性が高かった熱アスファルト工法を上回る信頼性を確
保できる工法に至った。
【0020】具体的には次の通りである。本発明の請求
項1に記載の防水シートの貼付方法によれば、貼り付け
面に付着させたガラス粉末またはガラス短繊維による乱
反射/反射にともなう光沢性の無/有を利用し、シート
裏面の熱可塑性材料の表面を観察するだけで貼り付けの
タイミングが容易に検知できる。これを観察しておけば
施工面への貼りつけ状態が確実であることを確認できる
ものである。
【0021】すなわち、シート裏面の熱可塑性材料は加
熱してゆくと軟化し始め、その後は表面から次第に溶融
状態となる。シートの熱可塑性材料表面は製造直後はか
なりの粘着性をもつ材料であるため、容易に表面に粉体
などを付着させることができる。この性質を利用して本
発明者らはガラス粉末ならびに微細なガラス繊維を付着
させておくと、未溶融の状態では表面が乱反射し、ざら
ざらな状態を呈するが、溶融を開始するとガラス粉末や
ガラス繊維が熱可塑性材料の中に取り込まれて表面から
消え、その段階で表面が光沢性を有して見えるようにな
る。ガラス粉末やガラス繊維は直径0.5ミリ未満のも
のが良く判別でき、ガラス繊維の場合は長さが1ミリ未
満のものが良好である。この方法によれば施工面への貼
りつけ状態の良否が判断できるので、貼り付け直前の表
面の反射率をセンサーで検知すれば、貼り付け状態の品
質管理を施工の最初から最後まで管理することもでき、
自動的に記録するようにすることも可能である。このよ
うな処理を経て製造した防水シートを貼りつけする施工
面にその熱可塑性材料の面が連続的に被さって行くよう
にシートを準備し、この熱可塑性材料と施工面との間に
熱風送風機により150度から500度の温度の熱風を
当てることによりシートの熱可塑性材料の表面を加熱溶
融して、その溶融した状態で即座に施工面に貼りつける
ものである。
【0022】また本発明は、貼り付け面を加熱する場合
に、ノズルから噴射した熱風を使用するので、これまで
のプロパンガスや重油・灯油での炎を左右に動かしなが
ら加熱するトーチ工法(例えば、特開平11−3362
66号公報に記載)とは異なり、炎のような温度の不均
一が無く、温度が過剰に掛かる部分と掛からない部分が
混在するようなことがない。また、炎と違い必要とする
温度を自在に変えることができるので熱風の吹き出し口
をシート幅の全幅に広げて全幅を同時に処理することも
できる。また、トーチ工法では作業者が注意していない
と、過剰に炎を当てすぎてシートを破ることがあるが、
本発明では一部分に過剰な温度が掛かりすぎることが無
いのでシートを破る率は極端に少ない。シートの全幅を
同時に加熱すれば熱可塑性材料の溶融状態が全く均一に
なるので、これまでのトーチ工法のように溶融した部分
とそうでない部分が一緒に貼りつけられたり、まだ溶融
していない部分の溶融に時間を掛ける必要も無い。ま
た、本発明の工法で有れば機械化が容易となり、シート
を送り込む装置、施工面の直前でシートの熱可塑性材料
面の全幅を熱風で溶融しながら、施工面に貼りつけて行
く装置、シートを施工面に押しつけて均す装置を組み合
わせて機械化することができる。熱風の温度が均一で温
度制御が容易であるのでトーチ工法のような機械化上の
問題も少ない。
【0023】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明と同様に、複数の凹凸部を形成したシー
ト裏面の熱可塑性材料の表面を観察するだけで貼り付け
のタイミングが容易に検知できるものであるが、前記の
ようなガラス粉末やガラス繊維を用いない方法に係わ
る。複数の凹凸部の形成としては、たとえば、シート裏
面の熱可塑性材料の表面に格子状の突起を付けたり、波
形の紋を付けたりすることでも、熱溶融した時点で熱可
塑性材料の表面の反射率が変わり、この反射率の違いを
施工の良否の判断や、施工管理の自動化、機械化に利用
できる。
【0024】本発明の請求項3及び請求項4に記載の防
水シートの貼付装置は、防水シートを簡単な機械で行う
ことにより貼り付け施工の速度を向上したことに係わ
る。前述のように本発明では、温度制御が自由に効く熱
風を用い、この熱風でシートの全幅にわたり、熱可塑性
材料表面を溶融する。溶融に必要な最短時間は防水シー
トの表面の反射率で管理できるのでこれを貼り付けの速
度調整にも利用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の第一実施形態に係る防水
シートの貼付方法について説明する。これは、図1に示
すように橋梁や道路を構成するコンクリート又は鋼製床
版などの下地面1と、その下地面1の床面に舗装される
アスファルト層2との間に敷設され下地面1の防水を行
い、かつ少なくとも下地面1に貼り付けられる面が熱可
塑性材料6からなる防水シート3の貼付方法である。
【0026】防水シート3は、図2に示すようにシート
の基材となる熱可塑性材料6に石油アスファルトとSB
SまたはSIS系の熱可塑性エラストマーあるいはAP
P(アタクチックポリプロピレン)との混合物を用い、
常温でも粘着性のある材料を製造し、これを溶融した状
態で加熱したコーティングロール上に存在させながらシ
ートの補強芯材5を通してシートを製造し、同時にシー
トの表面に硅砂の細粒4を付着させたものである。この
硅砂の細粒4は防水シートを施工したあとでその上にア
スコン合材を転圧するときに、アスコン合材との接着を
高めるためのものであり、通常の防水シートにも施され
ている。
【0027】また防水シート3のコンクリート又は鋼製
床版などの下地面1側の貼り付け面となる裏面には、長
径0.3ミリのガラス粉末8を1.2g/m2の割合で
均一に散布、散在させるように付着させた。これにより
通常の状態では、ガラス粉末8の存在により貼り付け面
が乱反射して光沢性が無いが、貼り付け面を加熱した状
態では、ガラス粉末8が熱可塑性材料6の中に取り込ま
れるので貼り付け面が反射して光沢性を有するようにな
る。なおガラス粉末8にかえて、ガラス短繊維を散布、
散在させるようにしてもよい。ガラス粉末8が付着され
た防水シート3の裏面は、離型性の有るフィルム7で覆
れ、防水シート3は全体的に巻物状になっている。
【0028】上述した防水シート3を用いて下地面1を
施工する方法について説明すると、図3に示すように、
防水シート3を予め下地面1の施工面の貼り付け箇所に
仮設置し、裏面の離型フィルム7を取り除いて巻き戻
す。その後、150度から500度(本実施形態では4
00度とした)の熱風を発生できる装置のノズル30か
ら熱風を防水シート3の貼り付け面の全幅にわたって噴
射して加熱を開始する。
【0029】これによれば、防水シート3に熱風を当て
始めてから6秒後には熱可塑性材料6の表面はざらざら
した状態から光沢のある状態となり、表面が溶融し下地
面1に強く接着する状態が一目瞭然となった。この貼り
付け面が光沢性を有するタイミングで、連続する防水シ
ート3の表面を加熱しながら下地面1に貼り付けてい
く。このとき防水シート3表面を熱風で暖めながらの施
工速度は120m/hr(時)であった。
【0030】次に機械化された防水シート3の貼付装置
について説明する。この装置は、図4に示すように、構
造的に簡単なもので、主に必要本数(本実施形態では3
個)の防水シート3を搭載した自走式(手押し式にして
もよい)の台車20と、台車20に備わる貼り付け用の
ローラー21と、同じく台車20に備わる熱風送風機2
2のノズル23とを有する。ローラー21は防水シート
3の端部が巻かれ、回転により防水シート3をその端部
から下地面1の施工面に貼り付けるものであり台車20
の前車輪としての機能も果たす。熱風送風機22のノズ
ル23は下地面1の施工面の直前で、防水シート3の貼
り付け面に400度の熱風を噴射して全幅を加熱する。
その他、台車20には後車輪としての機能を果たすとと
もに貼り付けられた防水シート3をその上から転圧する
転圧用ローラー25と、ローラー21に送られる前段階
で防水シート3から離型フィルム7を巻き取るためのロ
ーラー26が備わっている。
【0031】これによれば、通常のトーチ工法と違って
熱風の温度を制御できるので、温度を上昇させると共
に、貼り付け速度を向上させることが容易にできる。そ
の上、簡単な機械化により、シート交換の手間や離型フ
ィルム7の処理の時間も短縮できる。この装置を用い
て、熱風の風量を増加すると同時に貼り付け速度も速め
たところ、165m/hr(時)の速度での貼り付けす
ることが可能であった。なお、貼り付け後の防水シート
3の接着状態を確認したところ、その全てに於いて接着
不良個所は無かった。
【0032】次に、本発明の第二実施形態に係る防水シ
ートの貼付方法について説明する。図5に示すように、
本発明の第一実施形態と同様に防水シート3は、補強芯
材5が埋設されたシートの基材となる熱可塑性材料6の
表面に硅砂の細粒4を付着させたものである。そして、
防水シート3の裏面は離型性のあるフィルム9で覆う
が、この離型性のあるフィルム9は製造時に上下から加
圧して複数の格子状の凹凸部を表面に有するものとし
た。防水シート3の熱可塑性材料6面がまだ完全に冷却
していない段階で、このフィルム9で覆うので、図6に
示すように冷却したあとには格子状の凹凸部が防水シー
ト3の可塑性材料6の表面に残存する。
【0033】複数の凹凸部によって、通常の状態では、
防水シート3の貼り付け面が乱反射して光沢性が無い
が、貼り付け面を加熱した状態では、複数の凹凸部が熱
可塑性材料6の中に取り込まれて貼り付け面が反射して
光沢性を有する。したがって、複数の凹凸部が形成され
た防水シート3の貼り付け面に、400度の熱風を噴射
して加熱しながら、貼り付け面が光沢性を有するタイミ
ングで防水シート3を下地面1の被着面に貼り付けるこ
とができる。これによれば、接着不良個所を無くすこと
ができる。
【0034】なお、第二実施形態では複数の凹凸部を格
子状としたが、図7に示すように、波形紋状にしてもよ
い。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の請求項1及び請
求項2に記載の発明は、加熱溶解したゴムアスファルト
をコンクリ−トなどからなる下地面に流し塗りしたり、
溶融したアスファルトを用いてシ−トを貼り付けたりと
いう様な従来の工法と違い、多くの機械や燃料を多用す
ることがない。また、トーチ工法のように、シートやコ
ンクリートなどからなる下地面をガスバーナーで加熱す
ることも無いので、二酸化炭素ガスの発生も無く、地球
に優しい工法である。また、防水シートの良否は施工面
に強力に接着しているかどうかで決まり、この管理のた
めや接着不足の部分の手直しに多くの時間と労力を要し
ていたが、本発明ではこれらの管理や手直しをする必要
が無いほど確実に接着が出来るので施工管理が容易であ
る。
【0036】また、従来は施工面へのシートの接着を確
実にするため、別に熔解したアスファルトを施工面とシ
ートとの間に流したり、余分な時間を設けて加熱したり
していたが、本工法では容易にかつ連続的に貼りつける
ことが出来るので工期、熟練作業員数などを大幅に削減
でき経済的である。さらに、コンクリートなどからなる
下地面を一度に広い面積で貼りつけるのではなくシート
の溶融した部分だけを連続的に貼りつけてゆくので、空
気がシートと下地面との間に残ってそのまま貼りつけら
れるようなことが無く、防水シートの最大の欠点である
ふくれを生じにくい。
【0037】また、トーチを用いた工法の様に、炎の不
均一な温度による加温ではなく、常に一定した温度と風
量の制御が可能な工法であるので、施工速度が一定化し
やすく、貼りつけを機械化することが容易である。ま
た、シートの接着状態がシート表面の反射率でわかるの
で、これをセンサーで拾いながら装置を動かして行くこ
ともできる。同時にこの電気信号を利用すれば貼りつけ
工事の全てにわたる品質記録を残すこともできる。ま
た、施工は炎や溶解したアスファルトを用いなくて良い
ので、安全で作業環境上も優れる。以上のような総合的
な効果により、建設コストを削減することが出来る。
【0038】本発明の請求項3及び請求項4に記載の防
水シートの貼付装置によれば、防水シートを簡単な機械
で行うことにより貼り付け施工の速度を向上させること
ができる。また温度制御が自由に効く熱風を用い、この
熱風でシートの全幅にわたり、熱可塑性材料表面を溶融
することもできる。溶融に必要な最短時間は防水シート
の表面の反射率で管理できるのでこれを貼り付けの速度
調整にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る防水シートを示す
断面図である。
【図2】図1に示す防水シートの細部を示した断面図で
ある。
【図3】本発明の第一実施形態に係る防水シートの貼付
方法を示す側面図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る防水シートの貼付
装置を示す側面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る防水シートを示す
断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る防水シートの凹凸
部を示す斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る防水シートの、別
の凹凸部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コンクリートや鋼製床版などの下地面 2 アスファルト層 3 防水シート 4 硅砂の細粒 5 補強芯材 6 熱可塑性材料 7 離型フィルム 8 ガラス粉末 9 離型フィルム 20 台車 21 ローラー 22 熱風送風機 23 ノズル 25 転圧用ローラー 26 ローラー 30 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−92905(JP,A) 特開 平3−43541(JP,A) 特開 昭48−11377(JP,A) 特開 昭58−208044(JP,A) 特開 昭63−295769(JP,A) 特開 平10−102421(JP,A) 特開 平11−336266(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/08 E01C 3/06 E01C 11/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁や道路を構成するコンクリート又は
    鋼製床版と、その床面に舗装されるアスファルト層との
    間に敷設されコンクリート又は鋼製床版の防水を行い、
    かつ少なくともコンクリート又は鋼製床版に貼り付けら
    れる面が熱可塑性材料からなる防水シートの貼付方法で
    あって、 前記防水シートの貼り付け面にガラス粉末またはガラス
    短繊維を付着させて、通常の状態では、貼り付け面が乱
    反射して光沢性が無いが、貼り付け面を加熱した状態で
    は、ガラス粉末またはガラス短繊維が熱可塑性材料の中
    に取り込まれて貼り付け面が反射して光沢性を有するよ
    うにし、 ガラス粉末またはガラス短繊維が付着した防水シートの
    貼り付け面に、150度から500度の熱風をノズルか
    ら噴射して加熱しながら、貼り付け面が光沢性を有する
    タイミングで防水シートを前記コンクリート又は鋼製床
    版の被着面に貼り付けることを特徴とする防水シートの
    貼付方法。
  2. 【請求項2】 橋梁や道路を構成するコンクリート又は
    鋼製床版と、その床面に舗装されるアスファルト層との
    間に敷設されコンクリート又は鋼製床版の防水を行い、
    かつ少なくともコンクリート又は鋼製床版に貼り付けら
    れる面が熱可塑性材料からなる防水シートの貼付方法で
    あって、 前記防水シートの貼り付け面に複数の凹凸部を形成し、
    通常の状態では、貼り付け面が乱反射して光沢性が無い
    が、貼り付け面を加熱した状態では、複数の凹凸部が熱
    可塑性材料の中に取り込まれて貼り付け面が反射して光
    沢性を有するようにし、 複数の凹凸部が形成された防水シートの貼り付け面に、
    150度から500度の熱風をノズルから噴射して加熱
    しながら、貼り付け面が光沢性を有するタイミングで防
    水シートを前記コンクリート又は鋼製床版の被着面に貼
    り付けることを特徴とする防水シートの貼付方法。
  3. 【請求項3】 橋梁や道路を構成するコンクリート又は
    鋼製床版と、その床面に舗装されるアスファルト層との
    間に敷設されコンクリート又は鋼製床版の防水を行い、
    かつ少なくともコンクリート又は鋼製床版に貼り付けら
    れる面が熱可塑性材料からなり、貼り付け面にガラス粉
    末またはガラス短繊維を付着させて、通常の状態では、
    貼り付け面が乱反射して光沢性が無いが、貼り付け面を
    加熱した状態では、ガラス粉末またはガラス短繊維が熱
    可塑性材料の中に取り込まれて貼り付け面が反射して光
    沢性を有するようにした防水シートを搭載した自走式ま
    たは手押し式の台車と、 防水シートの端部が巻かれ、回転により防水シートをそ
    の端部からコンクリート又は鋼製床版の施工面に貼り付
    ける、台車に備わるローラーと、および、 コンクリート又は鋼製床版の施工面の直前で、防水シー
    トの貼り付け面に150度から500度の熱風を噴射し
    て全幅を加熱する、台車に備わる熱風送風機のノズル
    と、を有し、防水シートの貼り付け面を溶融しながら貼
    り付けていくことを特徴とする防水シートの貼付装置。
  4. 【請求項4】 橋梁や道路を構成するコンクリート又は
    鋼製床版と、その床面に舗装されるアスファルト層との
    間に敷設されコンクリート又は鋼製床版の防水を行い、
    かつ少なくともコンクリート又は鋼製床版に貼り付けら
    れる面が熱可塑性材料からなり、貼り付け面に複数の凹
    凸部を形成し、通常の状態では、貼り付け面が乱反射し
    て光沢性が無いが、貼り付け面を加熱した状態では、複
    数の凹凸部が熱可塑性材料の中に取り込まれて貼り付け
    面が反射して光沢性を有するようにした防水シートを搭
    載した自走式または手押し式の台車と、 防水シートの端部が巻かれ、回転により防水シートをそ
    の端部からコンクリート又は鋼製床版の施工面に貼り付
    ける、台車に備わるローラーと、および、 コンクリート又は鋼製床版の施工面の直前で、防水シー
    トの貼り付け面に150度から500度の熱風を噴射し
    て全幅を加熱する、台車に備わる熱風送風機のノズル
    と、を有し、防水シートの貼り付け面を溶融しながら貼
    り付けていくことを特徴とする防水シートの貼付装置。
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