JP3322084B2 - 電気車両の制動装置 - Google Patents

電気車両の制動装置

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JP3322084B2
JP3322084B2 JP20108295A JP20108295A JP3322084B2 JP 3322084 B2 JP3322084 B2 JP 3322084B2 JP 20108295 A JP20108295 A JP 20108295A JP 20108295 A JP20108295 A JP 20108295A JP 3322084 B2 JP3322084 B2 JP 3322084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体圧制動及び回
生制動を併用して車両を制動する電気車両の制動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電気車両においては流体圧制動及び回生
制動を併用することが可能であり、また流体圧制動に比
べ回生制動を優先的に使用することにより車両のエネル
ギ効率を良好に保つことが可能である。流体圧制動に比
べ回生制動を優先的に使用するためには、車両操縦者か
らの要求制動力が小さい間、例えばブレーキペダルの踏
込が浅い間は駆動輪への流体圧の伝達を遮断する必要が
ある。そのためには、例えば特開平5−176407号
公報に示されるように、ブレーキペダルの踏込に応じた
油圧を発生させるマスタシリンダと、駆動輪に油圧制動
力を作用させるホイールシリンダとの間に、制動油の導
入を遮断する弁を設ければよい。回生制動力を優先使用
する領域では、この弁を閉じる。また、この弁から見て
マスタシリンダ側にストロークシミュレータを設けてお
けば、ブレーキペダルの踏始めに弁によって制動油導入
が遮断されているにもかかわらず、ブレーキペダルがス
トロークするからいわゆる「硬さ」を感じることがな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現状では、流体圧制動
(例えば油圧制動)のみの車両が広く普及している。従
って、望ましくは、流体圧制動のみの場合のストローク
特性に近いストローク特性を実現したい。上述の公報に
記載されたストロークシミュレータはこの目的の達成に
役立つものではあるが、反面でいくつかの不具合を有し
ている。第1に、ストロークシミュレータを設けること
により装置構成の複雑化、肥大化が発生する。第2に、
弁が開いた直後にホイールシリンダ側に急速に制動用非
圧縮性流体(例えば制動油)が導入されその結果ブレー
キペダルの入込み等のフィーリング悪化が生じる、とい
う問題点や、専ら回生制動力を使用する領域から専ら流
体圧制動力を使用する領域へと移行する際にホイールシ
リンダ側に急速に制動用非圧縮性流体(例えば制動油)
が導入されその結果ブレーキペダルの入込み等のフィー
リング悪化が生じる、という問題点を、ストロークシミ
ュレータでは解決できない。
【0004】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、制動初期に制動用
非圧縮性流体をホイールシリンダに導入する初期導入制
御を実行することにより、ストロークシミュレータを用
いることなしに、いわゆる「ペダルの入込み」等の問題
を防ぎ、以てより簡素な構成でよりフィーリングのよい
制動を実現することを目的とする。本発明は、さらに、
推定流量に適応した初期導入制御を実行することによ
り、回生による制動エネルギ回収量を確保しながら、
「回生制動から流体圧制動へ移行する際のペダルの入込
み」等を好適に防止し、かつ、ブレーキペダルの踏み方
等によりばらつかない流体圧制動力制御を実現すること
を目的とする。本発明は、弁が完全に閉じている領域を
無くすことにより、いわゆる「ブレーキの硬さ」を防
ぎ、以て流体圧制動機構のみの場合により近いフィーリ
ングを実現することを目的とする。本発明は、初期導入
制御の終了条件を制動初期における車速に応じて変化さ
せることにより、違和感のない減速度を実現することを
目的とする。本発明は、ストローク特性の勾配を滑らか
にすることにより、ブレーキの硬さをより低減すること
を目的とする。本発明は、付加的な機構の導入により、
上述の目的をより簡素な制御論理にて実現可能にするこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前提となる電気
車両の制動装置は、ホイールシリンダ圧に応じた流体圧
制動力を駆動輪に作用させる手段と、外部からその開弁
値を制御可能で、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ
圧との差圧が開弁値を上回るまで、マスタシリンダから
ホイールシリンダへの制動用非圧縮性流体の導入を遮断
する弁と、上記差圧に応じた回生制動力を駆動輪に作用
させる手段と、を備える。
【0006】本発明の第1の構成に係る電気車両の制動
装置は、上記前提となる構成において、マスタシリンダ
圧及びホイールシリンダ圧に基づきマスタシリンダから
ホイールシリンダへの制動用非圧縮性流体の流量を推定
する手段と、制動が要求された後推定された流量が初期
導入終了値に至るまで、開弁値を上記差圧に比べ小さな
値に制御することにより弁を強制的に開かせ、以てマス
タシリンダからホイールシリンダに制動用非圧縮性流体
を初期導入させる手段と、を備えることを特徴とする。
本構成においては、制動用非圧縮性流体の初期導入が実
行される結果、制動初期においてもある程度の流量が発
生し、いわゆる制動初期における「入込み」は感じられ
なくなる。また、使用する制動力を回生制動力から流体
圧制動力へと切り替える際にはすでにある程度の制動用
非圧縮性流体がホイールシリンダに導入されているか
ら、回生から流体圧への移行時における「入込み」も生
じにくい。さらに、ブレーキペダルの踏み方等に依存し
にくい性質を有する流量に基づき、初期導入終了判定が
実行されているから、初期導入が適切なタイミングで終
了しかつブレーキペダルの踏み方等によりばらつかない
流体圧制動力制御が実現される。その結果、例えば、回
生による制動エネルギ回収量を十分確保しつつ「入込
み」等を防止する、といった動作が達成される。上述の
作用は、ストロークシミュレータを用いることなしに実
現されるから、装置構成はより簡素になる。
【0007】本発明の第2の構成に係る電気車両の制動
装置は、上記前提となる構成において、制動が要求され
た後所定条件が成立するまで、開弁値を上記差圧に比べ
小さな値に制御することにより弁を強制的に開かせ、以
てマスタシリンダからホイールシリンダに制動用非圧縮
性流体を初期導入させる手段と、初期導入の終了後、マ
スタシリンダからホイールシリンダへと制動用非圧縮性
流体が徐々に導入されるよう、かつ弁が全閉でない状態
を保ちつつ、開弁値を漸増させる手段と、を備えること
を特徴とする。本構成においても、第1の構成にて生じ
る作用のうち少なくとも初期導入の実行に伴う作用が発
生する。加えて、初期導入終了後の開弁値漸増制御の間
は弁が完全に閉じることがないから、ストローク特性の
勾配が、「ブレーキの硬さ」が生じない滑らかな勾配と
なり、流体圧制動機構のみの場合により近いフィーリン
グとなる。
【0008】本発明の第3の構成に係る電気車両の制動
装置は、第1の構成において、初期導入の終了後、マス
タシリンダからホイールシリンダへと制動用非圧縮性流
体が徐々に導入されるよう、開弁値を漸増させる手段を
備えることを特徴とする。本構成においては、第1及び
第2の構成双方の作用が生じるため、流体圧制動機構の
みの場合にさらに近いフィーリングとなる。
【0009】本発明の第4の構成に係る電気車両の制動
装置は、第1又は第3の構成において、制動が要求され
た時点での駆動輪の速度に応じ初期導入終了値を変更設
定する手段を備えることを特徴とする。本構成において
は、初期導入の終了条件が制動初期における車速に応じ
て変化するため、ブレーキペダルの踏込等に対し違和感
のない減速度が実現される。
【0010】本発明の第5の構成に係る電気車両の制動
装置は、第2又は第3の構成において、初期導入の終了
後、上記流量に応じ開弁値の増加勾配を逐次変更する手
段を備えることを特徴とする。本構成においては、初期
導入終了後において緩やかにストロークしていくから、
ブレーキの硬さがより低減される。
【0011】本発明の第6の構成に係る電気車両の制動
装置は、第1、第2、第3又は第5の構成において、上
記流路上弁とホイールシリンダの間に設けられ、指令に
応じホイールシリンダ圧を減ずるホイールシリンダ圧減
圧機構を備えることを特徴とする。本構成においては、
ホイールシリンダ圧減圧機構にてホイールシリンダ圧を
減ずることが可能になるから、回生制動力の目標値の決
定に際してホイールシリンダ圧を考慮する必要がなくな
り、制御論理がより簡素になる。また、第4の構成のよ
うに速度に応じ初期導入終了条件を変える制御が不要に
なるから、この面でも制御論理がより簡素になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。
【0013】図1には、本発明の第1実施形態に係る電
気自動車のシステム構成が示されている。この実施形態
は前輪駆動車の例である。また、車両走行用モータであ
る交流モータ12に対しては、車載の電池14から駆動
電力が供給されている。その際、電池14から放電され
る直流電力を交流電力に変換するために、インバータ1
3が用いられている。インバータ13による電力変換
は、モータECU(電子制御ユニット)15により制御
される。モータECU15は、車両操縦者のキースイッ
チ操作に応じこの制御を開始/終了する。モータECU
15は、車両操縦者によるアクセルペダルやシフトレバ
ーの操作を参照する一方でモータ12の回転数、ひいて
は駆動輪たるフロントホイールの速度を検出し、これら
の結果に基づき決定したトルク指令に相当するトルクが
モータ12から出力されることとなるよう、電力変換を
制御する。
【0014】この図に示される車両は、制動手段として
油圧制動及び回生制動双方を有している。まず、油圧制
動の手段としては、ブレーキペダル1からフロントブレ
ーキディスク7及びリアブレーキディスク9に至る油圧
伝達系統を有している。すなわち、ブレーキペダル1が
踏まれるとこれに応じた油圧(マスタシリンダ圧)Pm
cがマスタシリンダ2において発生し、発生したマスタ
シリンダ圧Pmcは、後述のフロント回生油圧バルブ1
0又はリア回生油圧バルブ11が開いているときは、フ
ロントホイールシリンダ6又はリアホイールシリンダ8
に伝達される。フロントホイールシリンダ6に油圧(ホ
イールシリンダ圧)Pwcが発生するとフロントブレー
キディスク7に油圧制動力が作用し、リアホイールシリ
ンダ8にホイールシリンダ圧Pwcが発生するとリアブ
レーキディスク9に油圧制動力が作用する。
【0015】次に、回生制動は、回生ECU16の制御
の下モータECU15、インバータ13及びモータ12
により実行される。すなわち、回生ECU16から回生
制動力Tregに関する指令が与えられるとモータEC
U15はこの回生制動力がモータ12の出力トルクとし
て実現されるようインバータ13による電力変換動作を
制御する。この状態では、モータ12を介して回収され
た制動エネルギが電力として電池14に充電される。従
って、油圧制動力に対し回生制動力を優先的に使用した
ほうが、制動エネルギを再利用できるため、一般に車両
のエネルギ効率が高くなる。なお、上述のように回生制
動力は実際には回生トルクTregとして実現されるか
ら、以下の説明では回生制動力のことを回生トルクと呼
び、また油圧制動力のことも同様に油圧トルクと呼ぶこ
とにする。
【0016】回生ECU16は、ブレーキペダル1に付
設されている図示しないブレーキスイッチがオンした場
合や、油圧センサ3により検出されるマスタシリンダ圧
Pmcが所定値P0を超えた場合に、車両操縦者がブレ
ーキペダル1を踏み込んだと見なし、回生・油圧間の制
動トルク配分やフロント・リア間のトルク配分の制御を
開始する。すなわち、油圧トルクに比べ回生トルクを優
先的に使用する場合には、回生ECU16はフロント回
生油圧バルブ10の開弁値を十分に高い値とすることに
より、フロント回生油圧バルブ10を閉じ、マスタシリ
ンダ2からフロントホイールシリンダ6への油圧伝達を
遮断する。これと共に、回生ECU16は、油圧センサ
3により検出されるマスタシリンダ圧Pmcと油圧セン
サ4により検出されるフロント側のホイールシリンダ圧
Pwcとの差を求め、この差圧Pmc−Pwcに相当す
る回生トルクTregを発生させる。また、回生トルク
に比べ油圧トルクを優先的に使用する場合には、回生E
CU16はフロント回生油圧バルブ10の開弁値を十分
に低い値に設定することにより、マスタシリンダ2から
フロントホイールシリンダ6へと制動油を導入する。さ
らに、回生ECU16は、フロント回生油圧バルブ10
と同様の構成を有するリア回生油圧バルブ11や、リア
側のホイールシリンダ圧Pwcを検出する油圧センサ5
を利用して、フロント・リア間のトルク配分を制御す
る。
【0017】フロント回生油圧バルブ10及びリア回生
油圧バルブ11は、図2に示されるように、プランジャ
18及びこのプランジャ18を図中左右方向に駆動する
ためのソレノイド17を有している。回生ECU16
は、ソレノイド17に流す電流(バルブ指令電流)を変
化させることにより、フロント回生油圧バルブ10及び
リア回生油圧バルブ11の開弁値を変化させる。フロン
ト回生油圧バルブ10及びリア回生油圧バルブ11は、
その前後の差圧Pmc−Pwcが開弁値を下回っている
間は閉じており、開弁値を上回ると開く。フロント回生
油圧バルブ10及びリア回生油圧バルブ11が開いてい
る間は、フロント回生油圧バルブ10又はリア回生油圧
バルブ11によりその前後の差圧が保持される。
【0018】このようなシステムを設計する際に問題と
なるのは、油圧制動系統のストロークs対ペダル踏力の
特性(あるいは制動油流量q対マスタシリンダ圧Pmc
の特性)を、どのようにして通常の油圧制動系統のそれ
に近付けるかである。すなわち、上述のようなフロント
回生油圧バルブ10にて油圧伝達を遮断し回生優先の制
動力配分制御を実行すると、図3において曲線ABCE
Fで表されるように、曲線ADFにて表される油圧単独
使用時の特性とは異なる特性となる。これは、回生トル
クを優先的に発生させる必要上、制動初期においてフロ
ント回生油圧バルブ10を閉ざし(B点)、フロント回
生油圧バルブ10が開いた時点(C点)からフロントホ
イールシリンダ6に制動油を導入する、といった制御を
行うことによる。曲線ABCEFのように、ブレーキが
硬く感じられる領域(BC)が生じまた「入込み」の領
域(CE)が生じる特性は、曲線ADFにて表される特
性に慣れた操縦者にとっては不自然に感じられる。
【0019】さらに、回生トルクに関しては、トルクハ
ンチング防止や電力消費(界磁電流等による)の抑制の
ため、低速領域でその上限値を厳しく制限することが多
い。従って、図4に示されるように制動の進行に伴い車
両の速度(モータ12の回転数)が低下していくと、図
5に示される“必要制動トルク”(マスタシリンダ圧P
mcに相当)の変化に伴い回生使用領域から油圧使用領
域への切り替わりが起こる。すなわち、図5及び図6に
示されるように、必要制動トルクが回生トルク上限値よ
り小さい領域では回生トルクのみが使用され、必要制動
トルクが回生トルク上限値を上回り始めると油圧トルク
が使用され始め(H点)、回生トルク上限値が0に至る
と(I点)油圧トルクのみとなる。このような回生から
油圧への切り替わりの際には、フロントホイールシリン
ダ6に急峻に制動油が導入されることになるから、ブレ
ーキペダル1の入込みが生じる。
【0020】これらの不具合のうち、制動初期における
「入込み」や回生から油圧への切り替わりの際の「入込
み」を防ぐためには、フロントホイールシリンダ6への
制動油の初期導入を行えばよい。すなわち、図3にて曲
線ADEFで表されているように、制動初期の油圧トル
ク効始めのストロークs1までは(D点)、フロント回
生油圧バルブ10の開弁値を十分低くすることによりフ
ロントホイールシリンダ6へ制動油を導入し(初期導
入)、その後フロント回生油圧バルブ10の開弁値を十
分高くすることにより回生優先の制動力配分制御、ひい
ては制動エネルギの回収を実行し、フロント回生油圧バ
ルブ10が開いた後にブレーキペダル1が再びストロー
クし始める(EF間)、といった手順を実行する。これ
により、CE間のような「入込み」の領域は生じなくな
り、また、回生から油圧への切り替わりに伴う「入込
み」も防止できる。
【0021】しかし、それでもなお、E間のように
「硬い」領域が残る。さらに、油圧センサ4は配線の引
回しの都合上フロント回生油圧バルブ10近傍に、すな
わちフロントホイールシリンダ6から離れた位置に設け
る必要があるから、配管の抵抗により圧力伝達が遅れ
る。そのため、初期油圧導入終了判定を油圧センサ4の
出力Pmcに基づき行うと、図7に示されるように制御
誤差が発生する。この制御誤差は、ブレーキペダル1の
踏込速度等に依存するため、そのばらつきも無視できな
い。
【0022】残るこれらの問題を解決すべく、本実施形
態においては、図8中AGFで示されるようなストロー
ク対踏力特性が実現されるよう、フロント回生油圧バル
ブ10の制御を行っている。図8中AGFで示される特
性が同図中“バルブ全閉制御”と記載されているADE
Fの特性、すなわち図3中“初期油圧導入あり”で表さ
れる特性と相違し得る点は、D点ではなくG点にて初期
油圧導入が終了していることと、初期油圧導入終了後の
勾配がDEのように急ではなくGFのように緩やかであ
ることである。
【0023】このような特徴を有する特性AGFは、回
生ECU16に内蔵される図9の構成にて実現されてい
る。
【0024】図9に示されるように、回生ECU16
は、目標ストローク特性計算器19を内蔵している。目
標ストローク特性計算器19は、油圧センサ3及び4に
より検出されるマスタシリンダ圧Pmc及びホイールシ
リンダ圧Pwcに基づき、目標ストローク特性、すなわ
ち図8中のAGFを計算し、その結果を疑似弾性制御部
21に供給する。また、ストローク推定器20は、同様
に油圧センサ3及び4から得られるマスタシリンダ圧P
mc及びホイールシリンダ圧Pwcに基づき現時点にお
けるストロークの推定値すなわち推定ストロークsを求
め、疑似弾性制御部21に供給する。ここに、制動油は
非圧縮性流体とみなすことができるからブレーキペダル
1の踏み方によらずフロント回生油圧バルブ10を流れ
る制動油の流量は一定であるとみなすことができ、また
流量qはストロークsに対応している。従って、推定ス
トロークsを求めるに際しては、次の式
【数1】 に従い流量qを推定し、この推定流量qを推定ストロー
クsに換算する、といった手順を踏まえればよい。な
お、式(1)に含まれる平方根の演算を回生ECU16
に演算式として実装するのが困難である場合には、図1
0に示されるようなSQRTマップを回生ECU16に
搭載するようにすればよい。疑似弾性制御部21は、目
標ストローク特性計算器19により得られた目標ストロ
ークと、ストローク推定器20により得られた推定スト
ロークとに基づき、バルブ指令電流、すなわちフロント
回生油圧バルブ10におけるプランジャ18のスプール
位置yを制御するための電流を決定し出力する。例え
ば、ストローク推定器20により得られた推定ストロー
クsの値が、目標ストローク特性計算器19により得ら
れた目標ストローク特性を構成する点Gのストロークs
0に等しい場合、疑似弾性制御部21は、フロント回生
油圧バルブ10に指令を与え初期導入を終了させる。
【0025】このような制御を実行することにより、適
切なタイミングで、すなわちそれまでに十分に回生を行
うことができかつブレーキペダル1の「入り込み」を好
適に防止することができるようなタイミングで、初期導
入を終了させることができる。さらに、ブレーキペダル
1の踏み方に依存しない量である流量qに基づきフロン
ト回生油圧バルブ10を制御しているから、油圧センサ
4とフロントホイールシリンダ6の間の配管の抵抗によ
る制御誤差やその変動の影響を受けることもない。加え
て、疑似弾性制御部21は、推定ストロークsを目標ス
トローク特性に参照しながらバルブ指令電流を生成して
いる。すなわち、図8中の目標ストローク特性AGFの
うちGF間において滑らかな勾配となるよう、フロント
回生油圧バルブ10の開弁値を漸増する制御を行ってい
る。このような制御を行っているため、本実施形態にお
いては、ADEFで表される特性と異なり、ブレーキペ
ダル1の「硬さ」を感ずる領域DEが発生することがな
い。
【0026】また、ブレーキペダル1を踏み始めた時点
における車速(モータ12の回転数)によっては、図1
1に示されるように、制動初期において必要制動トルク
が回生トルク上限値を上回る状況も発生し得る。このよ
うな状況が生じた場合、必要制動トルクから回生制動ト
ルク上限値を減じた分の制動トルクを、油圧トルクとし
て実現する必要がある。この場合、本実施形態において
は、図12に示されるように、G点を例えばG´点に移
し従って初期導入を終了するストロークをs0からs´
に移す、といった制御を実行している。このような制御
を実行すべく、本実施形態においては、目標ストローク
特性計算器19が、図13に示されるs0決定マップに
従い、ストロークs0の値を踏始め車速に応じて変化さ
せている。このように、初期導入を終了させるストロー
クs0の値を踏始め車速に応じて変化させることによ
り、図11に示されるように制動初期において油圧トル
クを使用しなければならない状況に好適に対処可能にな
る。さらに、s0決定マップを適宜設定することによ
り、違和感のない減速度を得ることができる。
【0027】また、回生ECU16に内蔵されるスプー
ル位置推定器22(図9参照)は、マスタシリンダ圧P
wc、フロント側のホイールシリンダ圧Pwc及び疑似
弾性制御部21により求められたバルブ指令電流に基づ
き、フロント回生油圧バルブ10におけるプランジャ1
8の位置yを推定している。このようにして得られた推
定スプール位置yに基づきストローク推定器20がスト
ロークsを推定するようにすれば、図14に示されるよ
うに、GF間の勾配を、踏始め車速の変化に伴うG点の
移動にもかかわらず常に滑らかな勾配とすることができ
る。なお、スプール位置推定器22を使用する場合に
は、ストローク推定器20においては、式(1)に代え
次の式
【数2】 を使用する。図15には、この実施形態における回生E
CU16の動作の流れが示されている。この図に示され
るように、回生ECU16は、まず所定の初期化処理を
実行した上で(101)、図1に示される各種のセンサ
からその出力信号を入力し(102)、雑音除去等のた
め入力結果をローパスフィルタリングした上で(10
3)、ステップ104以降の動作を実行する。ステップ
104においては、回生ECU16は、モータECU1
5を介しシフト位置に関する情報を入力し、現在のシフ
ト位置がD、すなわち車両の走行を意図するポジション
であるか否かを判定する。その結果、シフト位置がDで
ないと判定された場合には、回生ECU16は、出力す
べき回生トルクの値を0に、バルブ指令電流の値を0に
それぞれ設定し(105)、決定した回生トルク及びバ
ルブ指令電流をそれぞれ出力する(106,107)。
回生ECU16は、車両操縦者によりキースイッチがオ
フされるまでの間は、ステップ102〜107の動作を
繰り返し実行し、オフされると所定の終了処理を実行す
る(109)。
【0028】ステップ104においてシフト位置がDで
あると判定された場合には、回生ECU16は、ブレー
キスイッチがオンしているか否か及びマスタシリンダ圧
Pmc所定値P0を上回っているか否かを判定する
(110)。ブレーキスイッチがオンしておらずまたマ
スタシリンダ圧Pmcが所定値P0を上回ってもいない
場合には、車両操縦者がブレーキペダル1を踏んでいな
いとみなすことができるため、回生ECU16は回生ト
ルクを0、バルブ指令電流を0、そしてs0Flagを
オフとしたうえで(122)、ステップ106及び10
7を実行する。従って、この状態では、回生トルクは出
力されずかつフロント回生油圧バルブ10も閉じた状態
を保つ。
【0029】ステップ110においてブレーキスイッチ
がオンしているか又はマスタシリンダ圧Pmcが所定値
P0を上回っていると判定された場合には、回生ECU
16は、車両操縦者によってブレーキペダル1が踏まれ
ているとみなし、s0Flagがオフしているか否かを
判定する(111)。s0Flagがオフしている場合
には、それまでブレーキスイッチがオンしておらずかつ
マスタシリンダ圧Pmcが所定値P0を上回ってもいな
かった状態であるとみなすことができるため、回生EC
U16はまずs0Flagをオンさせたうえで、図13
に示されるs0決定マップを用いてストロークs0を計
算する(112)。ステップ111においてs0Fla
gがオフしていないと判定された場合にはこのステップ
112は省略される。ステップ112実行後、又はステ
ップ111においてs0Flagがオフしていないと判
定された後には、ステップ113及び114が実行され
る。ステップ113においては、スプール位置推定器2
2により前述の原理で推定スプール位置yの演算が実行
され、ステップ114においてはストローク推定器20
により前述の原理で推定ストロークsが決定される。回
生ECU16は、ステップ113及び114実行後s>
s0であるか否かを判定する(115)。s>s0が成
立していない場合には、ブレーキペダル1の踏み込みが
浅くそのストロークがまだG点に達していないとみなす
ことができるため、回生ECU16はバルブ指令電流を
0に設定する(118)。逆にs>s0が成立している
場合には、前述の目標ストローク特性計算器19により
目標ストローク特性が計算され(116)、さらに疑似
弾性制御部21によるバルブ指令電流が計算される(1
17)。ステップ117又は118実行後は、回生EC
U16は、モータの定格や電池14の電圧等に基づき回
生トルク上限値Tmaxを計算し(119)、その上で
次の式
【数3】 に基づき回生トルクTregの指令値を計算する(12
0)。回生ECU16は、その後、求めた回生トルクT
regの指令値を電池14の電圧等の制約条件に基づき
調整したうえで(121)、ステップ106及び107
を実行する。このような手順により、前述の作用効果が
実現される。
【0030】図16には、本発明の第2実施形態に係る
電気自動車のシステム構成が示されている。このシステ
ムにおいては、フロント回生油圧バルブ10とフロント
ホイールシリンダ6の間にホイール圧減圧機構23が設
けられている。ホイール圧減圧機構23は、図17に示
されるように、可変容積室24の容積をピストン25に
より変化させることが可能な構成を有している。可変容
積室24は、フロント回生油圧バルブ10とフロントホ
イールシリンダ6の間の油圧配管と連通しており、従っ
て、可変容積室24の容積を増大させることによりフロ
ントホイールシリンダ6から制動油を抜くことができ
る。また、ピストン25は、ボールねじ26によって駆
動されており、またボールねじ26はホイール圧制御モ
ータ27により回転駆動されている。ホイール圧制御モ
ータ27は回生ECU16により制御される。
【0031】図18には、この実施形態における回生E
CU16の動作の流れが示されている。この実施形態に
おいては、ステップ120において回生トルクTreg
の指令値を計算する際に前述の式(3)ではなく次の式
【数4】 が使用される。また、ステップ120実行後回生ECU
16は、次の式
【数5】 に基づきホイールシリンダ圧Pwcの目標値Pwcsを
計算し(123)、計算した目標値Pwcsに基づき次
の式
【数6】 を用いてホイール圧制御モータに対して指令するトルク
Twcを計算している(124)。このように、ステッ
プ120において式(4)により、すなわちホイールシ
リンダ圧Pwcを用いることなく、回生トルクTreg
の指令値を計算することができるのは、ステップ124
において計算したトルクTwcに従いホイール圧減圧機
構23のホイール圧制御モータ27を駆動することによ
り、フロントホイールシリンダ6から制動油を抜くこと
ができるためである。また、回生トルクTregの指令
値を計算した後ステップ121のような調整を行う必要
がないのは、ステップ124を実行する際電池14の電
圧等の制約条件を反映させることができるためである。
さらに、ステップ113を実行するのに先立ちステップ
111及び112を実行する必要がないのは、車速の変
化に伴う初期導入タイミングの変更をステップ124に
よるホイール圧減圧機構23を用いた減圧により、実現
できるためである。なお、ステップ125においては、
このような減圧を可能にするため、初期的に、ホイール
圧制御モータ27を駆動し可変容積室24の体積を0に
している。
【0032】従って、本実施形態によれば、前述の第1
実施形態に比べ簡素な制御論理にて同様の作用効果を得
ることが可能になる。また、前述の第1実施形態では、
図11に示されるような状況下で制動初期に差圧トルク
が導入されてしまうと、その後回生トルク上限値が十分
大きくなり必要制動トルクを上回るに至った状態でも、
回生トルクを増加させることができなくなる(図19参
照)。これに対し、本実施形態のようにホイール圧減圧
機構23を設けた場合には、図20に示されるように、
ブレーキペダル1が踏み戻されるより以前の時点で油圧
トルクを減少させることができ、従って回生トルクを最
大で回生トルク上限値まで増加させることができる。こ
れにより、第1実施形態に比べ、よりエネルギ効率がよ
い電気自動車を実現することができる。
【0033】なお、以上の説明では、前輪駆動車の電気
自動車を本発明の適用対象としたが、本発明の適用対象
は、前輪駆動車に限定されるものではない。また、ホイ
ール圧減圧機構23の具体的な構成は、先に図示した構
成とは異なる構成とすることができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の構
成によれば、制動用非圧縮性流体の初期導入を実行する
ようにしたため、制動初期における「入込み」や使用す
る制動力を回生制動力から流体圧制動力へと切り替える
際の「入込み」が生じにくく、従ってより良好なブレー
キフィーリング乃至ストローク特性が得られる。その
際、ストロークシミュレータが不要であるから、装置構
成はより簡素になる。さらに、ブレーキペダルの踏み方
等に依存しにくい性質を有する流量に基づき、初期導入
終了判定を実行しているため、適切なタイミングで、す
なわち回生による制動エネルギ回収量を十分確保でき
「入込み」等も防止できるタイミングで初期導入を終了
することができ、かつ、ブレーキペダルの踏み方等によ
りばらつかない流体圧制動力制御を実現できる。
【0035】本発明の第2の構成によれば、制動用非圧
縮性流体の初期導入を実行するようにしたため、第1の
構成により得られる効果のうち少なくとも初期導入の実
行に伴う効果を得ることができる。さらに、初期導入終
了後マスタシリンダからホイールシリンダへと制動用非
圧縮性流体が徐々に導入されるよう、かつ弁が全閉でな
い状態を保ちつつ、開弁値を漸増させるようにしたた
め、初期導入終了後弁が完全に閉じることがないから、
ストローク特性が滑らかな勾配となる結果「ブレーキの
硬さ」という問題がなくなり、流体圧制動機構のみの場
合により近いフィーリングとなる。
【0036】本発明の第3の構成によれば、第1及び第
2の構成双方の効果を得ることができ、流体圧制動機構
のみの場合にさらに近いフィーリングを実現できる。
【0037】本発明の第4の構成によれば、制動が要求
された時点での駆動輪の速度に応じ初期導入終了値を変
更設定するようにしたため、ブレーキペダルの踏込等に
対し違和感のない減速度を実現できる。
【0038】本発明の第5の構成によれば、初期導入の
終了後、流量に応じ開弁値の増加勾配を逐次変更するよ
うにしたため、初期導入終了後において緩やかにストロ
ークしていくこととなり、ブレーキの硬さをより低減で
きる。
【0039】本発明の第6の構成によれば、流路上弁と
ホイールシリンダの間に、指令に応じホイールシリンダ
圧を減ずるホイールシリンダ圧減圧機構を設けるように
したため、ホイールシリンダ圧減圧機構にてホイールシ
リンダ圧を減ずることが可能になるから、回生制動力の
目標値の決定に際してホイールシリンダ圧を考慮する必
要がなくなり、制御論理がより簡素になる。また、第4
の構成のように速度に応じ初期導入終了条件を変える制
御が不要になるから、この面でも制御論理がより簡素に
なる。
【0040】
【補遺】本発明は、さらに次のような構成として把握す
ることもできる。
【0041】(1)本発明の第7の構成に係る制動制御
方法は、ホイールシリンダ圧に応じた流体圧制動力を駆
動輪に作用させる手段と、外部からその開弁値を制御可
能で、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧
が開弁値を上回るまで、マスタシリンダからホイールシ
リンダへの制動用非圧縮性流体の導入を遮断する弁と、
上記差圧に応じた回生制動力を駆動輪に作用させる手段
と、を備える電気車両の制動装置において実行され、マ
スタシリンダ圧及びホイールシリンダ圧に基づきマスタ
シリンダからホイールシリンダへの制動用非圧縮性流体
の流量を推定するステップと、制動が要求された後推定
された流量が初期導入終了値に至るまで、開弁値を上記
差圧に比べ小さな値に制御することにより弁を強制的に
開かせ、以てマスタシリンダからホイールシリンダに制
動用非圧縮性流体を初期導入させるステップと、を有す
ることを特徴とする。本構成によれば、第1の構成と同
様の作用効果が得られる。
【0042】(2)本発明の第8の構成に係る制動制御
方法は、ホイールシリンダ圧に応じた流体圧制動力を駆
動輪に作用させる手段と、外部からその開弁値を制御可
能で、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧
が開弁値を上回るまで、マスタシリンダからホイールシ
リンダへの制動用非圧縮性流体の導入を遮断する弁と、
上記差圧に応じた回生制動力を駆動輪に作用させる手段
と、を備える電気車両の制動装置において実行され、制
動が要求された後所定条件が成立するまで、開弁値を上
記差圧に比べ小さな値に制御することにより弁を強制的
に開かせ、以てマスタシリンダからホイールシリンダに
制動用非圧縮性流体を初期導入させるステップと、初期
導入の終了後、マスタシリンダからホイールシリンダへ
と制動用非圧縮性流体が徐々に導入されるよう、かつ弁
が全閉でない状態を保ちつつ、開弁値を漸増させるステ
ップと、を有することを特徴とする。本構成によれば、
第2の構成と同様の作用効果が得られる。
【0043】(3)本発明の第9の構成に係る制動制御
方法は、第7の構成において、初期導入の終了後、マス
タシリンダからホイールシリンダへと制動用非圧縮性流
体が徐々に導入されるよう、開弁値を漸増させるステッ
プを有することを特徴とする。本構成によれば、第3の
構成と同様の作用効果が得られる。
【0044】(4)本発明の第10の構成に係る制動制
御方法は、第7又は第9の構成において、制動が要求さ
れた時点での駆動輪の速度に応じ初期導入終了値を変更
設定するステップを有することを特徴とする。本構成に
よれば、第4の構成と同様の作用効果が得られる。
【0045】(5)本発明の第11の構成に係る制動制
御方法は、第8又は第9の構成において、初期導入の終
了後、上記流量に応じ開弁値の増加勾配を逐次変更する
ステップを有することを特徴とする。本構成によれば、
第5の構成と同様の作用効果が得られる。
【0046】(6)本発明の第12の構成に係る制動制
御方法は、第7、第8、第9及び第11の構成におい
て、上記流路上弁とホイールシリンダの間に設けられた
ホイールシリンダ圧減圧機構を用いて、回生制動力がそ
の上限値により近くなるよう、ホイールシリンダ圧を減
ずるステップを有することを特徴とする。本構成によれ
ば、第6の構成を利用し回生制動によるエネルギ効率改
善を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電気自動車のシ
ステム構成を示すブロック図である。
【図2】 回生油圧バルブの構成を示す概略断面図であ
る。
【図3】 ストローク対踏力の特性を油圧ブレーキ単独
使用時と回生併用時とで比較する図である。
【図4】 制動に伴う車速変化を示すタイミングチャー
トである。
【図5】 制動に伴う必要制動トルクの変化と制動力配
分の変化を示す図である。
【図6】 制動に伴う制動力配分の変化を示すタイミン
グチャートである。
【図7】 出力伝達の遅れによる制御誤差とそのばらつ
きを示すタイミングチャートである。
【図8】 目標ストローク特性の一例を示す図である。
【図9】 回生ECUの内部構成を示すブロック図であ
る。
【図10】 SQRTマップの一例を示す図である。
【図11】 制動に伴う必要制動トルクの変化と制動力
配分の変化を示す図である。
【図12】 踏始め車速への目標ストローク特性の適用
制御の一例を示す図である。
【図13】 s0決定マップの一例を示す図である。
【図14】 踏始め車速への目標ストローク特性の適用
制御の他の例を示す図である。
【図15】 本発明の第1実施形態における回生ECU
の動作の流れを示すフローチャートである。
【図16】 本発明の第2実施形態に係る電気自動車の
システム構成を示すブロック図である。
【図17】 ホイール圧減圧機構の構成を示す概略断面
図である。
【図18】 本発明の第2実施形態における回生ECU
の動作の流れを示すフローチャートである。
【図19】 油圧導入による回生トルクの制限を示すタ
イミングチャートである。
【図20】 ホイール圧減圧の効果を示すタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル、2 マスタシリンダ、3〜5 油
圧センサ、6 フロントホイールシリンダ、7 フロン
トブレーキディスク、8 リアホイールシリンダ、9
リアブレーキディスク、10 フロント回生油圧バル
ブ、11 リア回生油圧バルブ、12 モータ、13
インバータ、14 電池、15 モータECU、16
回生ECU、17 ソレノイド、18 プランジャ、1
9 目標ストローク特性計算器、20 ストローク推定
器、21 疑似弾性制御部、22スプール位置推定器、
23 ホイール圧減圧機構、24 可変容積室、25
ピストン、26 ボールねじ、27 ホイール圧制御モ
ータ、Pmc マスタシリンダ圧、Pwc ホイールシ
リンダ圧、s1 油圧トルクが発生し始めるストロー
ク、s0,s0´ 初期導入を終了するストローク、s
推定ストローク、q推定流量、y 推定スプール位
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 7/00 - 7/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールシリンダ圧に応じた流体圧制動
    力を駆動力に作用させる手段と、外部からその開弁値を
    制御可能で、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧と
    の差圧が開弁値を上回るまで、マスタシリンダからホイ
    ールシリンダへの制動用非圧縮性流体の導入を遮断する
    弁と、上記差圧に応じた回生制動力を駆動輪に作用させ
    る手段と、を備える電気車両の制動装置において、 マスタシリンダ圧及びホイールシリンダ圧に基づきマス
    タシリンダからホイールシリンダへの制動用非圧縮性流
    体の流量を推定する手段と、 制動が要求された後推定された流量が初期導入終了値に
    至るまで、開弁値を上記差圧に比べ小さな値に制御する
    ことにより弁を強制的に開かせ、以てマスタシリンダか
    らホイールシリンダに制動用非圧縮性流体を初期導入さ
    せる手段と、初期導入の終了後、マスタシリンダからホイールシリン
    ダへと制動用非圧縮性流体が徐々に導入されるよう、開
    弁値を漸増させる手段と、 を備えることを特徴とする電気車両の制動装置。
  2. 【請求項2】 ホイールシリンダ圧に応じた流体圧制動
    力を駆動輪に作用させる手段と、外部からその開弁値を
    制御可能で、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧と
    の差圧が開弁値を上回るまで、マスタシリンダからホイ
    ールシリンダへの制動用非圧縮性流体の導入を遮断する
    弁と、上記差圧に応じた回生制動力を駆動輪に作用させ
    る手段と、を備える電気車両の制動装置において、 制動が要求された後所定条件が成立するまで、開弁値を
    上記差圧に比べ小さな値に制御することにより弁を強制
    的に開かせ、以てマスタシリンダからホイールシリンダ
    に制動用非圧縮性流体を初期導入させる手段と、 初期導入の終了後、マスタシリンダからホイールシリン
    ダへと制動用非圧縮性流体が徐々に導入されるよう、
    つ弁が全閉でない状態を保ちつつ、開弁値を漸増させる
    手段と、 を備えることを特徴とする電気車両の制動装置。
  3. 【請求項3】 ホイールシリンダ圧に応じた流体圧制動
    力を駆動力に作用させる手段と、外部からその開弁値を
    制御可能で、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧と
    の差圧が開弁値を上回るまで、マスタシリンダからホイ
    ールシリンダ への制動用非圧縮性流体の導入を遮断する
    弁と、上記差圧に応じた回生制動力を駆動輪に作用させ
    る手段と、を備える電気車両の制動装置において、マスタシリンダ圧及びホイールシリンダ圧に基づきマス
    タシリンダからホイールシリンダへの制動用非圧縮性流
    体の流量を推定する手段と、 制動が要求された後推定された流量が初期導入終了値に
    至るまで、開弁値を上記差圧に比べ小さな値に制御する
    ことにより弁を強制的に開かせ、以てマスタシリンダか
    らホイールシリンダに制動用非圧縮性流体を初期導入さ
    せる手段と、 制動が要求された時点での駆動輪の速度に応じ初期導入
    値を変更設定する手段と、 を備えることを特徴とする電気車両の制動装置。
  4. 【請求項4】 ホイールシリンダ圧に応じた流体圧制動
    力を駆動力に作用させる手段と、外部からその開弁値を
    制御可能で、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧と
    の差圧が開弁値を上回るまで、マスタシリンダからホイ
    ールシリンダへの制動用非圧縮性流体の導入を遮断する
    弁と、上記差圧に応じた回生制動力を駆動輪に作用させ
    る手段と、を備える電気車両の制動装置において、制動が要求された後所定条件が成立するまで、開弁値を
    上記差圧に比べ小さな値に制御することにより弁を強制
    的に開かせ、以てマスタシリンダからホイールシリンダ
    に制動用非圧縮性流体を初期導入させる手段と、 初期導入の終了後、マスタシリンダからホイールシリン
    ダへと制動用非圧縮性流体が徐々に導入されるよう、開
    弁値を漸増させる手段と、 初期導入の終了後、上記流量に応じ開弁値の増加勾配を
    逐次変更する手段と、 を備えることを特徴とする電気車両の制動装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の電気車両の制動装置にお
    いて、 初期導入の終了後、マスタシリンダからホイールシリン
    ダへと制動用非圧縮性流体が徐々に導入されるよう、開
    弁値を漸増させる手段を備えることを特徴とする電気車
    両の制動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3及び5のいずれか記載の
    電気車両の制動装置において、 初期導入の終了後、上記流量に応じ開弁値の増加勾配を
    逐次変更する手段を備 えることを特徴とする電気車両の
    制動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,4又は6記載の電気車両
    の制動装置において、 上記流路上弁とホイールシリンダの間に設けられ、指令
    に応じホイールシリンダ圧を減ずるホイールシリンダ圧
    減圧機構を備えることを特徴とする電気車両の制動装
    置。
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