JP3320877B2 - 被測定物の面形状測定方法およびその装置 - Google Patents

被測定物の面形状測定方法およびその装置

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孝之 伊藤
政博 大野
拓 伊藤
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学素子であるレンズ
などの面形状を測定する測定装置、特に非球面の測定を
簡便に評価できる被測定物の面形状測定方法およびその
測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ等に使用される光学系の軽
量化、高性能化が進むにつれて、非球面レンズを用いた
光学系の必要性が高まってきている。このような非球面
レンズの製造を可能にする背景には、ダイヤモンドバイ
トを用いたCNC超精密旋盤による光学素子あるいは光
学素子成形用金型などの製造技術、または精密加工され
た金型を用いて直接ガラスをモールドする技術、さらに
精密プラスチック成形技術など、飛躍的に向上された加
工技術が存在する。一方、上述する加工技術で加工され
たレンズの面形状が設計値通りの形状に仕上げられてい
るか否かを評価する必要がある。
【0003】従来、製造されたレンズなどの光学素子の
面形状を評価する測定装置としては、ニュートンゲージ
法およびレーザ干渉計を用いる方法がある。ニュートン
ゲージ法は、図10(a)に示すように被測定物である
被検レンズ1の球状凹面に対応する球状凸面のニュート
ンゲージ2を予め用意し、このニュートンゲージ2の凸
面を被検レンズ1の凹面に係合し、ニュートンゲージ2
の上面側から光を照射したときにニュートンゲージ2の
参照面2aで反射する反射光と、被検レンズ1の被検面
1aで反射する反射光との重ね合わせによって生じる干
渉縞から被検レンズ1の被検面1aの形状を評価するも
のである。
【0004】このようなニュートンゲージ法において、
被検面1aの形状に問題がなく、被検面1aの曲率半径
がニュートンゲージ2の参照面2aの曲率半径より小さ
く、両者の面間に図10(a)に示すような空隙3が生
じた場合は、図10(b)に示すような同心円状の干渉
縞が生じる。また、被検面1aの曲率半径とニュートン
ゲージ1の曲率半径が等しくなって空隙3が一定になっ
た場合は、干渉縞はなくなり、ワンカラーの状態とな
る。さらに、図10(a)の状態から図10(c)に示
すように被検面1aと参照面2aの一端を接触させ、他
端側を離間させると、図10(d)に示す等高線状の干
渉縞が形成される。このとき、被検面1aに形状上の欠
陥があれば、欠陥部分の等高線にゆがみが生じることに
なる。これによって面形状の欠陥の有無を判断できる。
【0005】一方、図11は、球面を測定するフィゾー
タイプのレーザ干渉計の要部を示すもので、複数枚のレ
ンズから構成された球面原器4を有し、この球面原器4
の最終面4aは、集光点Oを曲率半径の中心とする参照
面を有する。この参照面からの反射光は入射光と同一経
路を戻り、参照波面を形成する。一方、球面原器4を透
過した光束は、集光点Oを曲率中心に合致させるように
配置された被検面に入射し、ここで反射された光束は、
もと来た経路をたどり、被検波面を形成する。ここで、
前記参照波面は被検波面と重なって干渉縞を形成する。
すなわち、球面原器4の最終面4aで反射された反射光
と被検面5で反射された反射光との光路長の差により干
渉縞が形成される。よって、この干渉縞から図8と同様
に被検面5の形状を評価することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ニュー
トンゲージ法においては、被測定対象である被検面が球
面(または平面)の場合、これに対応するニュートンゲ
ージをガラスから製作することは比較的容易であるが、
被測定対象である被検面が非球面である場合には、これ
らの非球面原器をガラスから正確に製作することは極め
て困難であり、実用性に乏しい。
【0007】一方、レーザ干渉法により非球面を測定し
ようとした場合、次に述べる問題がある。図12は、球
面レーザ干渉計を用いて非球面を測定した場合の例を示
すもので、非球面を有する被検面6を略オートコリメー
ション状態になるように配置した場合、即ち、球面原器
4の集光点に被検面の近似球面の曲率中心を合致させた
場合、球面原器4の集光点Oを曲率半径とする面に対す
る入射光とその反射光は集光点Oを通る同一光路となる
が、集光点Oを曲率半径としない面に対する入射光とそ
の反射光は同一光路を通ることがない。その結果、例え
ば、被測定対象である、非球面の被検面6を図12
(a)の実線で示すディフォーカス点に配置して観測し
た場合、被検面6の中央部からの光束がもと来た光路を
戻るため、干渉縞は図12(b)に示すように中心付近
のみ生じる状態となり、また、被検面6を図12(a)
の2点鎖線で示す位置に配置した場合には、図12
(c)に示すように周縁部のみに干渉縞が生じることに
なり、被検面全体をワンショットで観測することができ
ない。さらに、被検面の非球面量が多い場合には、被検
面からの反射光の一部が球面原器でけられてしまい、面
全体の測定が不能になってしまう。また、球面原器から
の射出してきた光束をそのまま観測面に導くと、被検面
の座標と観測面の座標との関係が1対1に対応しない。
【0008】これを対応させるには、球面原器4の観測
側に結像レンズを配置し、これによって被検面と観測面
を共役関係にすればよいが、種々の非球面を有する被検
物を測定できるようにするには、結像レンズを被検面の
数だけ用意したり、あるいは結像レンズを光軸方向に大
きく移動しなければならず、測定装置が複雑化するとと
もに大型化する問題があった。本発明は、上述のような
問題を解決するものであり、被測定物の非球面形状を簡
便に測定することができるとともに、装置の小型化を可
能にした被測定物の面形状測定方法およびその測定装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、被測定物の非球面状被検面を測
定する原器用参照面を有する参照部材を備え、前記被測
定物の被検面と前記参照部材の参照面とを向かい合わせ
た状態で前記被検面からの反射光と前記参照面からの反
射光とを重ね合わせて得られる干渉縞から被検面の形状
を測定するようにし、前記原器用参照面は前記被検面の
正規の形状と略相似な形状を有する金属面であり、前記
原器用参照面にコーティングを施すことにより該原器用
参照面の反射率を前記被検面の反射率と同等の反射率に
したことを特徴とする。請求項2の発明は、前記被測定
物は、前記被検面で形成された有効半径内領域と、該有
効半径内領域の周囲に延在する有効半径外領域とで構成
され、前記被検面と前記参照面とを向かい合わせた状態
で前記被測定物の有効半径外領域に臨む前記参照部材部
分と、前記有効半径外領域の被測定物部分のいずれか一
方に、それら参照部材部分と被測定物部分が互いに接触
しない非接触部を設けるようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、被測定物の非球面形状被検面を測定
する非球面状の原器用参照面を有する参照部材と、前記
原器用参照面と前記被測定物の被検面とを向かい合わせ
た状態で前記被測定物側から照明光を照射する照明系
と、前記被検面からの反射光と前記原器用参照面からの
反射光とを重ね合わせて得られる干渉縞を観測する観測
系とを備え、前記原器用参照面は前記被検面の正規の形
状と略相似な形状を有する金属面であり、前記原器用参
照面に、前記被検面の反射率と同等の反射率にするコー
ティングが施されていることを特徴とする。請求項4の
発明は、前記被測定物の被検面と前記観測系の干渉縞結
像面を共役関係にするレンズをさらに備えたことを特徴
とする。請求項5の発明は、前記被測定物は、前記被検
面で形成された有効半径内領域と、該有効半径内領域の
周囲に延在する有効半径外領域とで構成され、前記被検
面と前記参照面とを向かい合わせた状態で前記被測定物
の有効半径外領域に臨む前記参照部材部分と、前記有効
半径外領域の被測定物部分のいずれか一方には、それら
参照部材部分と被測定物部分が互いに接触しない非接触
部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明測定方法および装置の実施例を
図面に基づいて説明する。図1および図2は、近軸の曲
率半径が比較的緩く非球面量が少ない凸状及び凹状の被
検面を有する被測定物の非球面形状を測定するときの構
成図である。図1により、本発明方法の第1の実施例に
ついて述べる。図1において、10はガラスやプラスチ
ック等からなるレンズその他の面形状測定対象物である
被測定物であり、この被測定物10は凸状の非球面を持
つ被検面10aを有する。また、11は被測定物10の
被検面10aを測定するための参照部材であり、この参
照部材11は被検面10aの正規の形状と略相似な凹状
の原器用参照面11aを有し、被測定物10の被検面1
0aを成形する金型か、またはこれと同様に加工機で製
作されたものが利用される。ここで、被検面10aの正
規の形状と略相似な原器用参照面11aの形状とは、被
検面10aと原器用参照面11aを互いに近接させて配
置した状態において、該被検面10aからの反射光と原
器用参照面11aからの反射光による干渉縞が、ヌルフ
リンジ、即ち両反射光による波面間に位相差がない条件
を満たす形状のことを言う。従って、前記被検面10a
と原器用参照面11aが密着した場合は、該原器用参照
面11aは前記被検面10aと全くの同一形状であるこ
ととなる。
【0011】このような参照部材11は金属であるた
め、その参照面11aの反射率は被測定物10の被検面
10aの反射率より通常で10倍以上あるため、このま
までは観測される干渉縞のコントラストは低い。例え
ば、樹脂レンズ成形等の金型に用いられている無電解N
i面では、反射率が50%、樹脂レンズは約4%で、こ
の時の干渉縞のコントラストは約0.5と低い。干渉縞
のコントラストは、通常0.9以上あれば十分観測可能
で、そのためには両者の反射率の比が同等(1:1〜
1:2程度)であることが望ましい。そこで参照面11
aに、その反射率を被検面10aの反射率と同等にする
ために、例えば図3(b)に示す屈折率nおよび消衰係
数kを有する3つの物質をそれぞれ所定の厚さで積層コ
ーティングする。その結果、図3(a)に示すような反
射率特性が得られ、これにより観測される干渉縞のコン
トラストを向上させることができる。観測される干渉縞
により非球面形状の測定を容易に行なえる。
【0012】上述のように構成された面形状測定装置に
おいて、被測定物10の被検面10aを測定する場合
は、凸状の被検面10aと参照部材11の参照面11a
とを向い合わせ、この状態で光源からの光束を被測定物
10の上面側から照射すると、光源からの光束は被測定
物10に入射され、その一部の光13は被測定物10の
被検面10aで反射されて、被測定物10から観測部で
ある人の眼14側に向け出射される。また、被測定物1
0を透過した光源からの光束は参照部材11の参照面1
1aに向け照射され、その減反射膜で反射された光15
は被測定物10を通して眼14側へ出射する。従って、
眼14によって、被検面10aからの反射光13と参照
面11aからの反射光15との光路長差により生じる干
渉縞が観測される。この干渉縞を観測することで被検面
10aの形状を測定し、かつ被検面10aの良否を評価
することができる。
【0013】このような第1の実施例においては、ニュ
ートンゲージと同様な方法で被測定物10の非球面形状
全体をワンショットで簡便に測定し評価することができ
る。この場合は、人間の眼が被検面と観測面とを結像す
る役割を持ち、特別な結像レンズが不要になり、観測系
が簡単になる。また、金属材からなる参照部材11は、
被測定物10を成形する金型と同様に正確に加工できる
から、参照面11aの非球面加工も容易となり、種々の
被検面に対応する原器用の参照部材を容易に提供でき
る。さらにまた、参照部材11の参照面11aにコーテ
ィングを施すことにより、参照面11aの反射率が被検
面10aの反射率と同等になるから、干渉縞のコントラ
ストが向上し、非球面形状の測定が容易になる。また、
参照部材11が被測定物10を成形するための金型であ
れば、被検面10aの金型からの転写性が瞬時に測定で
きる。
【0014】図2は、本発明方法の第2の実施例を示す
構成図である。この第2の実施例において、第1の実施
例と異なる点は、凹状の被検面16aを有する被測定物
16を測定できるようにしたところにある。このため
に、前記参照部材17の原器用参照面17aは、被検面
16aの正規の形状と略相似な非球面を有する凸形状に
形成され、この参照面17aの表面には、その反射率を
被検面16aの反射率と同等にするコーティングが施さ
れている。このような第2の実施例においても第1の実
施例と同様な作用効果が得られる。
【0015】図4により、本発明方法の第3の実施例に
ついて述べる。図4は、近軸の曲率半径が比較的きつい
場合の凸状の被検面を有する被測定物の非球面形状を測
定するときの構成図である。図4において、被測定物1
8と原器用参照部材19とは、それぞれの被検面18a
と参照面19aとが密接する状態に重ね合わされ、この
被測定物18への平行光20の入射側には補助レンズ2
1を配置する。この補助レンズ21により、入射されて
くる平行光20を被検面18aおよび参照面19aに対
しほぼ垂直に照射されるように発散させ、被検面18a
および参照面19aでそれぞれ反射させる反射光を観測
点に導く。この補助レンズ21は、被検面18a及び参
照面19aからの反射光を入射光束側に戻す働きをすれ
ばよく、従来の干渉計で使われている球面原器の如く収
差を良好に補正する必要はない。従って通常1〜2枚の
レンズで構成され、観側面側から見た被検面18aの位
置はだいたい同じ位置にあり、観側面と被検面18aの
共役関係は満たしやすい。
【0016】このような第3の実施例においては、第1
の実施例と同様な効果が得られるほか、種々の非球面に
対して何時でも共役条件が満たされるため、眼から見た
被検面の位置を常に同じにすることができ、これに伴い
観測系の構成を変えることなく種々の被検面の非球面形
状を測定することができるとともに、観測系がシンプル
になり、測定装置を小型化できる。
【0017】次に、図5により本発明方法の第4の実施
例について述べる。この図5は、被測定物の被検面が近
軸の曲率半径が比較的きつい場合の凹状の被検面を有す
る被測定物の非球面形状を測定するときの構成図であ
る。図5において、被測定物22と参照部材23とは、
それぞれの被検面22aと参照面23aとが密接する状
態に重ね合わされ、この被測定物22への観測用平行光
24の入射側には集光型の補助レンズ25,26を配置
し、この補助レンズ25,26により、入射されてくる
平行光24を被検面22aおよび参照面23aに対しほ
ぼ垂直に照射されるように集光させ、被検面22aおよ
び参照面23aでそれぞれ反射されるように導く。ここ
で用いた補助レンズ25,26も第3の実施例と同じよ
うな目的で使われている。このような第4の実施例にお
いても第3の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0018】次に、本発明方法を適用した面形状測定装
置の第1の実施例を図6に基づいて説明する。図6は、
凸状の被検面を有する被測定物(凸状の非球面レンズ)
を測定する場合の実施例を示すもので、図4に示す場合
と同様に、被測定物18の被検面18aが参照面19a
に密接状態に向い合わされる原器用の参照部材19と、
被測定物18の平行に入射側に配置した補助レンズ21
を備えるとともに、補助レンズ21に隣接して配置した
コリメータレンズ30を備える。31はHe−Neレー
ザ等からなる照明光源であり、この照明光源31とコリ
メータレンズ30間には、ビームエキスパンダー32,
34、反射ミラー33、対物レンズ35および対物レン
ズ35を透過した光をコリメータレンズ30側へ曲げる
とともに被測定物18の被検面18aおよび参照部材1
9の参照面19aから反射される光を透過するハーフミ
ラー36が配置されている。また、ハーフミラー36の
光透過側には、適当な倍率で被検面18aを共役関係で
観測面に結像させるための撮像レンズ37、および観測
面としてのCCD等からなる撮像素子38がそれぞれ配
置され、この撮像レンズ37および撮像素子38は被測
定物18の面形状を観測する観測系を構成する。
【0019】上記のように構成された干渉計タイプの面
形状測定装置において、照明光源31から発生する光ビ
ームは、ビームエキスパンダー32,34、反射ミラー
33、および対物レンズ35を通過した後、ハーフミラ
ー36へ向けられるとともに、このハーフミラー36に
よりコリメータレンズ30側へ曲げられる。このように
曲げられた光ビームは、さらにコリメータレンズ30を
透過することにより平行光に変換された後、補助レンズ
21により発散されて被測定物18および参照部材19
に向け照射される。ここで、被測定物18の被検面18
aで反射される反射光と、コーティングを施した参照部
材19の参照面19aで反射される反射光は、もと来た
経路を戻り観測系の撮像レンズ37により撮像素子38
上に結像され、干渉縞が形成される。撮像素子38で
は、これから発生する画像信号をモニタ(不図示)に加
えることにより、被検面18aからの反射光と参照面1
9aからの反射光とを重ね合わせることにより形成され
る干渉縞の画像をモニタに表示し、この干渉縞画像から
被測定物18の非球面形状を評価する。
【0020】このような面形状測定装置においては、被
測定物の非球面形状をニュートンゲージ法と同様に被測
定物を参照部材に密接状態に係合させるだけで簡便に測
定し評価することができる。
【0021】図7により、本発明方法を適用した面形状
測定装置の第2の実施例について述べる。図7は、凹状
の被検面を有する被測定物(凹状の非球面レンズ)を測
定する場合の実施例を示すもので、図5に示す場合と同
様に、被測定物22の被検面22aが参照面23aに密
接状態に係合される原器用の参照部材23と、被測定物
22の被検面22aに入射光が略オートコリメートする
ように設計された補助レンズ25,26を備えるととも
に、補助レンズ25,26に隣接して配置したコリメー
タレンズ30を備える。31はHe−Neレーザ等から
なる照明光源であり、この照明光源31とコリメータレ
ンズ30間には、ビームエキスパンダー32,34、反
射ミラー33、対物レンズ35および対物レンズ35を
透過した光をコリメータレンズ30側へ曲げるとともに
被測定物22の被検面22aおよび参照部材23の参照
面23aから反射される光を透過するハーフミラー36
が配置されている。また、ハーフミラー36の光透過側
には、適当な倍率で被検面18aを共役関係で観測面に
結像させるための撮像レンズ37、および観測面として
のCCD等からなる撮像素子38がそれぞれ配置され、
この撮像レンズ37および撮像素子38は被測定物22
の面形状を観測する観測系を構成する。
【0022】上記のように構成された干渉計タイプの面
形状測定装置において、照明光源31から発生する光ビ
ームは、ビームエキスパンダー32,34、反射ミラー
33、および対物レンズ35を通過した後、ハーフミラ
ー36に向けられるとともに、このハーフミラー36に
よりコリメータレンズ30側へ曲げられる。このように
曲げられた光ビームは、さらにコリメータレンズ30を
透過することにより平行光に変換された後、補助レンズ
25,26により集光されて被測定物22および参照部
材23に向け照射される。ここで、被測定物22の被検
面22aで反射される反射光と、コーティングを施した
参照部材23の参照面23aで反射される反射光は、図
7の破線に示す光路で観測系の撮像レンズ37により撮
像素子38上に結像され、干渉縞が形成される。撮像素
子38では、これから発生する画像信号をモニタ(不図
示)に加えることにより、被検面22aからの反射光と
参照面23aからの反射光とを重ね合わせることにより
形成される干渉縞の画像をモニタに表示し、この干渉縞
画像から被測定物22の非球面形状を評価する。このよ
うな面形状測定装置においても上記第1の実施例と同様
な効果が得られる。
【0023】なお、前記被測定物22は一般に、前記被
検面22aで形成された有効半径内領域と、該有効半径
内領域の周囲に延在する有効半径外領域とで構成されて
おり、該有効半径外領域の形状誤差は前記有効半径内領
域の形状誤差に比べて大きいのが通常である。従って、
例えば図8に模式図で示すように、前記被測定物22の
有効半径外領域22bの面部分が、該被測定物22の有
効半径内領域22cよりもきつい曲率で形成され、該有
効半径外領域22bの一部が図中想像線で示す前記被検
面22aの仮想延長面Mから突出する場合には、その突
出する有効半径外領域22b部分が前記参照部材23に
当たり、前記参照面23aと被検面22aの間に無用の
隙間が生じて、被検面22aの形状測定の結果に影響が
出てしまう。
【0024】そこで、図9に模式図で示すように、前記
被測定物22の有効半径外領域22bに臨む前記参照部
材23部分に凹部23bを形成しておけば、前記仮想延
長面Mから突出する前記有効半径外領域22b部分が参
照部材23に当たることがなくなり、前記参照面23a
と被検面22aを確実に密接させることができ、正確な
測定結果を得る上で有効である。この場合、前記凹部2
3bが非接触部に相当する。なお、前記非接触部は、上
述した参照部材23の凹部23bで構成するほか、被測
定物22の有効半径外領域22bに臨む前記参照部材2
3部分を全て切除して構成してもよく、或は、前記被測
定物22の有効半径外領域22b部分に凹部を形成した
り該有効半径外領域22b部分を全て切除して前記非接
触部を構成してもよい。このように、前記有効半径外領
域の被測定物部分と、該被測定物部分に臨む参照部材部
分の一方に、それら被測定物部分と参照部材部分が互い
に接触しない非接触部を設けることは、本実施例以前に
説明した各実施例においても同様に有効である。
【0025】なお、上記各実施例では、被測定物の被検
面と参照部材の参照面とを密接させて観測する場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、被検面と参照面
間を離してもよい。この場合、参照面の形状は間隔に応
じて相似に形成しておくことにより対処できる。また、
本発明における面形状測定装置の照明系および観測系
は、上記実施例に示す構成のものに限定されず、種々の
変形が可能である。さらにまた、本発明における原器用
の参照部材に使用される材質は金属に限らず、合成樹脂
材、セラミックスなどを用いることもできる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、原
器用の参照部材を、被測定物の被検面を成形する金型ま
たはこれと同様に高精密加工された金属等から製作でき
るから、レンズ等の被測定物の非球面形状をニュートン
ゲージと同様に取り扱って簡便に測定することができ
る。また、参照部材の参照面にコーティングを施すこと
により、参照面の反射率を被検面の反射率と同等にで
き、干渉縞のコントラストが向上し、観測される干渉縞
により非球面形状の測定が容易になる。さらにまた、被
検面と参照面が向かい合わせで近接して配置されている
ため、被検面に光を導くための補助レンズで収差を完全
に補正する必要がなくなり、したがって、この補助レン
ズを通常1〜2枚のレンズで構成することができ、ま
た、観測系から見た被検面の位置を常に同じにすること
ができ、これによって観測系をシンプルにし、装置を小
型化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による面形状測定方法の第1の実施例を
示す概略構成図である。
【図2】本発明による面形状測定方法の第2の実施例を
示す概略構成図である。
【図3】図3(a)は図1に示す参照部材の参照面に施
されるコーティングの構成例を示す図、図3(b)は図
3(a)に示す構成のコーティングの反射率特性を示す
図である。
【図4】本発明による面形状測定方法の第3の実施例を
示す概略構成図である。
【図5】本発明による面形状測定方法の第4の実施例を
示す概略構成図である。
【図6】本発明による面形状測定装置の第1の実施例を
示す構成図である。
【図7】本発明による面形状測定装置の第2の実施例を
示す構成図である。
【図8】本発明による面形状測定装置の第2の実施例で
測定する被測定物の有効半径外領域部分の面形状を示す
説明図である。
【図9】本発明による面形状測定装置の第2の実施例に
係り、図8に示す被測定物の被検面の測定に有効な参照
部材の形状を示す説明図である。
【図10】従来のニュートンゲージ法による面形状測定
装置の説明図である。
【図11】従来のレーザ干渉計による球面測定の説明図
である。
【図12】従来のレーザ干渉計による非球面測定の説明
図である。
【符号の説明】
10,16,18,22 被測定物 10a,16a,18a,22a 被検面 11,17,19,23 参照部材 11a,17a,19a,23a 参照面 21,25,26 補助レンズ 22b 有効半径外領域 22c 有効半径内領域 23b 凹部 30 コリメータレンズ 31 照明光源 32,34 ビームエキスパンダー 33 反射ミラー 35 対物レンズ 36 ハーフミラー 37 撮像レンズ 38 撮像素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 拓 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭 光学工業株式会社内 (72)発明者 荒木 清 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭 光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−249938(JP,A) 特開 昭54−68668(JP,A) 特開 昭59−18434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/24 G01M 11/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の非球面状被検面を測定する原
    器用参照面を有する参照部材を備え、 前記被測定物の被検面と前記参照部材の参照面とを向か
    い合わせた状態で前記被検面からの反射光と前記参照面
    からの反射光とを重ね合わせて得られる干渉縞から被検
    面の形状を測定するようにし 前記原器用参照面は前記被検面の正規の形状と略相似な
    形状を有する金属面であり、 前記原器用参照面にコーティングを施すことにより該原
    器用参照面の反射率を前記被検面の反射率と同等の反射
    率にした、 ことを特徴とする被測定物の面形状測定方法。
  2. 【請求項2】 前記被測定物は、前記被検面で形成され
    た有効半径内領域と、該有効半径内領域の周囲に延在す
    る有効半径外領域とで構成され、前記被検面と前記参照
    面とを向かい合わせた状態で前記被測定物の有効半径外
    領域に臨む前記参照部材部分と、前記有効半径外領域の
    被測定物部分のいずれか一方に、それら参照部材部分と
    被測定物部分が互いに接触しない非接触部を設けるよう
    にした請求項記載の被測定物の面形状測定方法。
  3. 【請求項3】 被測定物の非球面形状被検面を測定する
    非球面状の原器用参照面を有する参照部材と、 前記原器用参照面と前記被測定物の被検面とを向かい合
    わせた状態で前記被測定物側から照明光を照射する照明
    系と、 前記被検面からの反射光と前記原器用参照面からの反射
    光とを重ね合わせて得られる干渉縞を観測する観測系と
    を備え、 前記原器用参照面は前記被検面の正規の形状と略相似な
    形状を有する金属面であり、 前記原器用参照面に、前記被検面の反射率と同等の反射
    率にするコーティングが施されている、 ことを特徴とする被測定物の面形状測定装置。
  4. 【請求項4】 前記被測定物の被検面と前記観測系の干
    渉縞結像面を共役関係にするレンズをさらに備えた請求
    記載の被測定物の面形状測定装置。
  5. 【請求項5】 前記被測定物は、前記被検面で形成され
    た有効半径内領域と、該有効半径内領域の周囲に延在す
    る有効半径外領域とで構成され、前記被検面と前記参照
    面とを向かい合わせた状態で前記被測定物の有効半径外
    領域に臨む前記参照部材部分と、前記有効半径外領域の
    被測定物部分のいずれか一方には、それら参照部材部分
    と被測定物部分が互いに接触しない非接触部が設けられ
    ている請求項3または4記載の被測定物の面形状測定装
    置。
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