JP3320173B2 - ジ長鎖型第3級アミン酸塩粒子及びその製造方法 - Google Patents

ジ長鎖型第3級アミン酸塩粒子及びその製造方法

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JP3320173B2 JP29447393A JP29447393A JP3320173B2 JP 3320173 B2 JP3320173 B2 JP 3320173B2 JP 29447393 A JP29447393 A JP 29447393A JP 29447393 A JP29447393 A JP 29447393A JP 3320173 B2 JP3320173 B2 JP 3320173B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣料用柔軟仕上げ剤に有
用な柔軟剤基剤であるジ長鎖型第3級アミン酸塩粒子及
びその製造方法に関する。更に詳しくは、流動性が良好
で且つ水中での分散性及び溶解性の優れたジ長鎖型第3
級アミン酸塩粒子の粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】ジ長鎖型
第3級アミン酸塩は良好な柔軟性能、低刺激性、良生分
解性と言った特質を有し、粉末化して用いることが要望
されていた。この粉末化の方法としては、ジ長鎖型第3
級アミン酸塩単体を粉末化する方法もあるが、単体では
粉末柔軟剤としての水中への分散性、溶解性に問題があ
ると共にそれに伴い十分な柔軟性が発現しないという問
題がある。また、特開昭63−138000号公報は、
溶解性を改良する技術として吸油担体に柔軟基剤を吸着
させた形態を特徴としているが、有効成分の含有量が少
なく、濃縮化粉末柔軟剤を設計する上で十分でない。
又、特開昭62−253698号公報は顆粒状柔軟剤組
成物として150μm以下のジ長鎖アルキル4級アンモ
ニウム塩粉体と発泡性組成物の造粒により溶解性を改良
しようとするものであるが、水中分散後の1次粒子の溶
解性向上には効果が見られない。
【0003】又、特開昭57−193574号公報に
は、水を必須条件とする液体混合物を固体粒子に変える
ことを特徴とする製造方法があるが、ジ長鎖型第3級ア
ミン酸塩は水の共存下では加水分解を起こすという問題
がある。
【0004】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、溶解助剤をジ長鎖型第3
級アミン化合物又はジ長鎖型第3級アミン酸塩と溶融状
態でミクロ混合し、粉末化することにより流動性が良好
で且つ水中での分散性及び溶解性の優れたジ長鎖型第3
級アミン酸塩の粉末を効率よく得ることのできる製造方
法を提供することを目的としている。また、本発明は、
このような製造方法により得られるジ長鎖型第3級アミ
ン酸塩粒子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶融させ
たジ長鎖型第3級アミン酸塩と溶解助剤を溶融混合する
或いは、溶融させたジ長鎖型第3級アミン化合物と溶解
助剤を溶融混合した後に酸と中和反応させ、次いで粉末
化させる事によりジ長鎖型第3級アミン酸塩の粒子が容
易に得られることに着目して鋭意研究を行い、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、(1)ジ長鎖型第
3級アミン化合物と酸をジ長鎖型第3級アミン化合物の
融点ないし沸点の温度範囲で中和反応を行い、得られた
ジ長鎖型第3級アミン酸塩と溶解助剤をジ長鎖型第3級
アミン酸塩の融点ないし沸点の温度範囲で溶融混合し、
次いで粉末化することを特徴とするジ長鎖型第3級アミ
ン酸塩粒子の製造方法、(2)ジ長鎖型第3級アミン化
合物と溶解助剤をジ長鎖型第3級アミン化合物の融点な
いし沸点の温度範囲で溶融混合した後、該温度範囲で酸
と中和反応させ、次いで粉末化することを特徴とするジ
長鎖型第3級アミン酸塩粒子の製造方法、(3)ジ長鎖
型第3級アミン酸塩100重量部に対して溶解助剤を1
〜100重量部含有し、且つ重量平均粒子径が50〜1
000μmで、見掛け比重が150〜1200g/リッ
トルである、前記(1)又は(2)記載の方法により製
造されるジ長鎖型第3級アミン酸塩粒子、に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるジ長鎖型第3級アミン化合物としては、特に
限定されるものではなく、例えば下記の(A−1)、
(A−2)又は(A−3)で表される化合物等を挙げる
ことができる。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基
又はヒドロキシアルキル基を、R2及びR3 は同一又は
相異なって炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニ
ル基を、R4 は炭素数12〜22のアルキル基又はアル
ケニル基を表す。mは2又は3である。)
【0010】本発明の製造方法においてこれらのジ長鎖
型第3級アミン化合物は、単一で、あるいは2種以上を
混合して用いることができる。これらの化合物の合成方
法は、いずれも特に限定されるものではなく、以下の方
法に準じて合成することができる。即ち、(A−1)で
表される化合物は、例えば、N−低級アルキルアルカノ
ールアミンやジエタノールアミン等のジアルカノールア
ミンのシアノエチル化、水添反応により得られる次式
(AB−1)で表される化合物を炭素数12〜22の脂
肪酸と反応させることにより得ることができる。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 及びmは前記と同じ意味を表
す。)
【0013】また、(A−2)で表される化合物は、例
えば、N−低級アルキルジエタノールアミンの分子内脱
水環化反応により得られる次式(AB−2)で表される
化合物を脂肪族アミンと開環アミド化反応させた後、炭
素数12〜22の脂肪酸ハライドと反応させ、得られた
化合物を水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で洗浄する
ことにより得ることができる。
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1 は前記と同じ意味を表す。)
【0016】更に、(A−3)で表される化合物は、例
えば、N−高級アルキル又はアルケニルジエタノールア
ミンの脱水環化反応により得られる次式(AB−3)で
表される化合物を低級アルキルアミンと反応させた後、
炭素数12〜22の脂肪酸ハライドと反応させ、得られ
た化合物を水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で洗浄す
ることにより得ることができる。
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R4 は前記と同じ意味を表す。)
【0019】本発明に用いられる酸としては、無機酸又
は有機酸のいずれも用いることができ、無機酸としては
例えば塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等が挙げられ、有機酸と
しては例えば酢酸、グリコール酸、クエン酸、コハク
酸、乳酸等の炭素数1〜6の有機酸が挙げられる。これ
らの酸のうち、酸のコスト及び得られるジ長鎖型第3級
アミン酸塩の粉末の柔軟性、保存安定性、匂い等の点か
ら塩酸、燐酸、又はグリコール酸が好ましい。これらの
酸は、単一の酸で或いは2種以上の混酸で用いることが
できる。
【0020】本発明においては、酸として溶媒を含まな
い酸を用いる態様と酸を溶媒に溶解させて酸の溶液とし
て用いる態様とがある。溶媒を含んだ状態で用いる後者
では、溶媒として、水、炭素数1〜6の低級アルコー
ル、炭素数4〜8の脂肪族及び芳香族炭化水素等が用い
られる。市販品の多くは、酸が水に溶解したものであ
り、本発明ではこれらの中でできるだけ濃度の高いもの
を用いるのが好ましい。これらの溶媒は、後述の如く溶
媒の除去工程により中和物から除去される。一方、溶媒
を含まない形態で使用する前者の場合は、溶媒を除去す
る工程は不要となる。
【0021】本発明においては、酸の使用量は、中和等
価量に対して0.50〜2.00倍が好ましく、より好
ましくは0.75〜1.50倍である。0.50倍より
少ないと柔軟性能が低下し好ましくない。2.00倍を
越えると、酸成分が過剰に残り柔軟剤基剤としては好ま
しくなく、また色相の劣化が生じる。
【0022】本発明で用いられる溶解助剤としては、ジ
長鎖型第3級アミン酸塩の水への分散性、溶解性又は基
剤自身の崩壊性を向上させるものであれば、特に限定さ
れるものではなく、例えば次のようなものが挙げられ
る。 (1)非イオン界面活性剤 例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル(酸化エチ
レン:5〜50モル、アルキル基の炭素数:12〜2
4)、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル(酸化エ
チレン:5〜50モル、アルケニル基の炭素数:12〜
24)、ポリオキシエチレンアルケニルアミン(酸化エ
チレン:5〜50モル、アルケニル基の炭素数:12〜
24)等が挙げられる。また、これらの化合物の酸化エ
チレンの代わりに酸化プロピレンを用いた物質及び酸化
エチレンと酸化プロピレンの混合物を用いた物質も同様
に好適に用いることができる。
【0023】(2)多価アルコール 例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール等の3〜6価の多価アルコ
ールが挙げられる。 (3)長鎖脂肪酸及びそのエステル化合物 例えばラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、硬化牛
脂脂肪酸等の炭素数8〜22の長鎖脂肪酸及びそのエス
テル化合物が挙げられる。エステル化合物としては、こ
れらの長鎖脂肪酸と上記多価アルコールとのエステル
が、より好ましい。また、そのエステル化合物の水酸基
に酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンを2〜80モ
ル付加させた化合物を用いることもできる。
【0024】(4)無機塩及び無機物 例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリ
ウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩や尿素
及びその誘導体等の無機物が挙げられる。 (5)有機酸及び有機塩 例えばグリコール酸、フマル酸、パラトルエンスルホン
酸ナトリウム等が挙げられる。
【0025】(6)有機高分子 例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロ
ース、スノーアルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナ
トリウム等が挙げられる。 (7)粘土鉱物 例えば含水ケイ酸マグネシウム・リチウム、ベントナイ
ト、シリカ等が挙げられる。
【0026】本発明においては、これらから選ばれる1
種または2種以上の混合物を溶解助剤として用いる。ま
た、溶解助剤の添加量としては、ジ長鎖型第3級アミン
酸塩100重量部に対して、通常1〜100重量部、好
ましくは5〜30重量部である。添加量が100重量部
を越えても、それに見合う溶解促進効果はなく、逆にジ
長鎖型第3級アミン酸塩に対する溶解助剤の量が多くな
りすぎて、柔軟仕上剤としての組成設計上の制約が大と
なり好ましくなく、1重量部より少ないと充分な効果が
得られない。
【0027】溶解助剤の添加方法は、中和の前又は後に
供給する方法である。ジ長鎖型第3級アミン化合物ある
いはジ長鎖型第3級アミン酸塩と溶融混合させることに
よって流動性が良好で且つ水中での分散性及び溶解性が
従来の柔軟基剤に比べてより優れたジ長鎖型第3級アミ
ン酸塩の粉末を得ることができる。
【0028】本発明の製造方法では、以上の原料を用い
て中和反応及び溶解助剤との溶融混合を行うが、本発明
は特定の温度範囲で温度を制御しながら中和反応及び溶
融混合することを特徴とする。ここで中和反応及び溶融
混合の温度は、中和反応後に溶解助剤を添加する場合
は、ジ長鎖型第3級アミン化合物と酸をジ長鎖型第3級
アミン化合物の融点ないし沸点の温度範囲で中和反応を
行い、得られたジ長鎖型第3級アミン酸塩の融点ないし
沸点の温度範囲で溶解助剤をジ長鎖型第3級アミン酸塩
と溶融混合する。また、中和反応前に溶解助剤を添加す
る場合は、ジ長鎖型第3級アミン化合物と溶解助剤をジ
長鎖型第3級アミン化合物の融点ないし沸点の温度範囲
で溶融混合した後、該温度範囲で酸と中和反応させる。
【0029】いずれの場合でも通常、ジ長鎖型第3級ア
ミン化合物又はジ長鎖型第3級アミン酸塩の融点ないし
沸点の温度範囲であり、好ましくは融点より15℃高い
温度ないし沸点より20℃低い温度範囲である。ジ長鎖
型第3級アミン化合物又はジ長鎖型第3級アミン酸塩の
沸点を越えると分解を起こしてしまう。一方、融点より
低い温度では、ジ長鎖型第3級アミン化合物又はジ長鎖
型第3級アミン酸塩が固化してしまうため酸及び溶解助
剤との均一な中和や混合ができなくなり、目的とする中
和物を得ることが困難になる。
【0030】中和反応及び溶解助剤との溶融混合に用い
る反応器としては、特に限定されず、バッチ式、連続式
いずれでもよいが、均一な混合が可能な管型反応器(P
FR)又は1槽あるいは多段の連続攪拌槽式反応器(C
STR)が、より好適に用いられる。PFRとしては、
ノリタケカンパニー製のスタティックミキサーの様な静
止型、(株)エバラ製作所製のマイルダーの様な高剪断
型、また循環ポンプを有するループリアクター等が挙げ
られる。また、1槽あるいは多段のCSTRとしては、
攪拌機を有する公知の反応槽を用いることができる。
【0031】本発明においては、中和及び溶解助剤との
溶融混合等の処理後にジ長鎖型第3級アミン酸塩の粉末
化を行う。この粉末化の方法としては、溶媒を含まない
酸を用いた場合は、中和又は溶解助剤との溶融混合等の
処理後に冷却を行う。本発明で用いられる冷却機として
は、特に限定されるものではなく、例えばベルト或いは
ドラム式クーラー、噴霧冷却塔を用いることが出来る
が、冷却とともに粉末化ができる噴霧冷却方式が望まし
い。
【0032】また、溶媒を含む酸を用いた場合は、中和
又は溶解助剤との溶融混合等の処理後に乾燥による脱溶
媒及び冷却を行う。乾燥機としては特に限定されること
はないが、例えば薄膜型蒸発機、攪拌式薄膜蒸発機(神
鋼パンテック(株))、フラッシュドライヤー、真空蒸
発缶、カレントドライヤー((株)大川原製作所)、ス
プレードライヤー(大川原化工機(株))、ループドラ
イヤー((株)奈良機械製作所)等があげられる。操作
条件としては常圧、真空どちらでもよいが、真空下で顕
熱を利用したフラッシュ脱溶媒方式が効率的である。こ
の場合における圧力は好ましくは500Torr以下、
より好ましくは200Torr以下が良い。又、乾燥機
への供給温度は脱溶媒の効率を高める点からジ長鎖型第
3級アミン酸塩の融点以上が良い。
【0033】冷却に用いる冷却機としては、前記と同様
のものを使用することができるが、乾燥と同時に冷却粉
末化できる場合は冷却工程は不要である。また、乾燥後
のジ長鎖型第3級アミン酸塩に含まれる溶媒の量は粉末
物性、組成安定性から好ましくは5重量%以下、より好
ましくは2重量%以下が望ましい。
【0034】本発明の製造方法により得られるジ長鎖型
第3級アミン酸塩粒子は、得られる粉末の流動性、分散
性及び溶解性から重量平均粒子径は好ましくは50〜1
000μm、より好ましくは100〜700μmが良
い。見掛け比重は好ましくは150〜1200g/リッ
トル、より好ましくは500〜900g/リットルが良
い。
【0035】
【実施例】以下、合成例、実施例および比較例により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例等によりなんら限定されるものではない。 合成例1 N−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加
物より公知の方法〔J.Org. Chem., 26, 3409, (1960)]
で合成したN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル
−1,3−プロピレンジアミン66gと硬化牛脂脂肪酸
284gを温度計、攪拌機、トラップのついた4つ口フ
ラスコに仕込み、180℃まで昇温した。その温度で約
30分間加熱した。圧力は200Torrで行った。次
に圧力を50Torrまで下げ8時間加熱を続けた。そ
の結果、前記の一般式(A−1)においてR1 がメチ
ル、R2 及びR3 が硬化牛脂脂肪酸残基、mが2である
ジ長鎖型第3級アミン化合物を主成分とする反応物30
0gを得た。得られた反応物の酸価、ケン化価、水酸基
価、全アミン価、及び3級アミン価を測定し反応物の組
成を調べた結果、ジ長鎖型第3級アミン化合物が86重
量%、モノ長鎖型第3級アミンが12重量%、未反応脂
肪酸が2重量%であった。また、ジ長鎖型第3級アミン
化合物の分子量は645、融点は58〜65℃、沸点は
270〜278℃であった。
【0036】実施例1 130℃に昇温した合成例1で得られたジ長鎖型第3級
アミン化合物と、35重量%の塩酸水溶液を中和等価量
になるように(株)エバラ製作所製のラボ用マイルダー
に供給し温度を130℃に保って中和した。次に、溶融
状態の尿素をジ長鎖型第3級アミン酸塩100重量部に
対して10重量部となるように供給し、ジ長鎖型第3級
アミン塩酸塩と尿素をマイルダーで混合した後、次いで
50〜60Torrの圧力下にある真空蒸発缶に供給
し、ジ長鎖型第3級アミン塩酸塩中に含まれる水を蒸発
させた。次いで大川原化工機(株)製のスプレークーラ
ー(CL型)に供給し、冷却するとともに粉末化させ、
ジ長鎖型第3級アミン塩酸塩の粉末を得た。次いで、得
られたジ長鎖型第3級アミン塩酸塩の粉末の保存安定
性、溶解時間、重量平均粒子径(JIS K 3362)、見掛け
比重(JIS K 3362)及び柔軟性の評価を行った。得られ
た結果を表1に示す。
【0037】〔保存安定性の評価法〕200ml のサンプル
瓶に得られた粉末を50g入れ、その上に濾紙(ADVANTEC,
No.3) を置いた。温度30℃、RH80%の恒温恒湿中に放
置し、20日後にケーキング状態について判定を行った。
ケーキングの状態は下記の三段階で評価した。 ○:流動性良く流れ出る。 △:流れ出るが固まりがある。 ×:出てこない。
【0038】〔溶解時間の評価法〕300ml のビーカーに
15℃の水道水200ml を入れ、スターラーで攪拌した状態
で得られた粒子をジ長鎖型第3級アミン酸塩の濃度が 3
3ppmとなるように投入した。ジ長鎖型第3級アミン酸塩
及び水溶性の溶解助剤が溶解して均一な状態になる迄の
時間、又はジ長鎖型第3級アミン酸塩が溶解し、水不溶
性の溶解助剤中に均一に分散するのに要する時間を求め
た。
【0039】〔柔軟性試験法〕市販の木綿タオルを市販
洗剤アタック(花王株式会社製)にて5回繰り返して洗
濯し、布についている洗剤を除去した後、上記の処理を
した木綿タオル1kgに対して粉末状柔軟剤1gの割合
で使用して、3.5°DH硬水、25℃、浴比1/30
にて5分間攪拌処理をした。上記の処理布を室温で風乾
後、25℃、65%RHの恒温恒湿室に1日放置した。
上記処理布について、市販柔軟剤(ハミング1/3;花
王株式会社製)で柔軟基剤が同一処理濃度になるように
処理した木綿タオルを対照にして柔軟性について一対比
較を行い、下記の評価基準にて評価した。 +2 対照より柔らかい。 +1 対照よりやや柔らかい。 0 対照と同じ。 −1 対照の方がやや柔らかい。 −2 対照の方が柔らかい。
【0040】実施例2 次式で表される化合物(AB−21)をモノステアリル
アミン(CH3(CH2)17NH2)と開環アミド化反応させ
た後、ラウリン酸クロライド(CH3(CH2)10COC
1)と反応させ、得られた化合物を水酸化ナトリウム水
溶液で洗浄することにより得られたジ長鎖型第3級アミ
ン化合物にポリビニルアルコールをジ長鎖型第3級アミ
ン酸塩100重量部に対して10重量部となるように供
給し、(株)エバラ製作所製のラボ用マイルダーで混合
後、グリコール酸を中和等価量になるように供給し同様
にマイルダーで中和を行った。中和温度は130℃に保
った。次いで大川原化工機(株)製のスプレークーラー
(CL型)に供給し、冷却するとともに中和物を粉末化
させ、ジ長鎖型第3級アミングリコール酸塩の粉末を得
た。次いで、実施例1と同様の評価を行った。得られた
結果を表1に示す。
【0041】
【化5】
【0042】実施例3 溶解助剤としてグリコール酸と炭酸水素ナトリウムとを
ジ長鎖型第3級アミン酸塩100重量部に対して各々1
0重量部用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
得られた結果を表1に示す。
【0043】実施例4 溶解助剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル
(アルキル鎖の炭素数18、酸化エチレン付加モル数1
0)をジ長鎖型第3級アミン酸塩100重量部に対して
20重量部用いた以外は、実施例2と同様にして行っ
た。得られた結果を表1に示す。
【0044】比較例1 130℃に昇温した合成例1で得られたジ長鎖型第3級
アミン化合物と、35重量%の塩酸水溶液を中和等価量
になるように(株)エバラ製作所製のラボ用マイルダー
に供給し温度を130℃に保って中和した。次に、50
〜100Torrの圧力下にある日東機器(株)製のス
プレイドライヤー(SD型)に供給し、水を除去すると
ともに中和物を粉末化させ、ジ長鎖型第3級アミン塩酸
塩の粉末を得た。次いで、深江工業(株)製の転動造粒
機にジ長鎖型第3級アミン塩酸塩の粉末を3kg、その
粉末100重量部に対して尿素及びポリエチレングリコ
ールが各10重量部となるように供給し造粒を行った。
次いで、実施例1と同様に評価した。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から判るように、実施例1〜4
の製造方法により得られたジ長鎖型第3級アミン酸塩粒
子は、保存安定性(ケーキング度)、溶解時間、柔軟性
ともに比較例に比べ良好であった。
【0047】
【発明の効果】本発明のジ長鎖型第3級アミン酸塩粒子
の製造方法によれば、流動性に優れ且つ水中での分散性
及び溶解性に優れたジ長鎖型第3級アミン酸塩粒子が得
られる。また、柔軟剤製品応用上の幅広い展開(粉末
型、錠剤型、シート状等)が可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // D06M 101:06 D06M 101:06 (56)参考文献 特開 平2−14076(JP,A) 特開 平4−108174(JP,A) 特開 平5−310663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 233/36 C07C 231/12 C07C 233/38 C07C 237/06 D06M 13/402

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジ長鎖型第3級アミン化合物と酸をジ長
    鎖型第3級アミン化合物の融点ないし沸点の温度範囲で
    中和反応を行い、得られたジ長鎖型第3級アミン酸塩と
    溶解助剤をジ長鎖型第3級アミン酸塩の融点ないし沸点
    の温度範囲で溶融混合し、次いで粉末化することを特徴
    とするジ長鎖型第3級アミン酸塩粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジ長鎖型第3級アミン化合物と溶解助剤
    をジ長鎖型第3級アミン化合物の融点ないし沸点の温度
    範囲で溶融混合した後、該温度範囲で酸と中和反応さ
    せ、次いで粉末化することを特徴とするジ長鎖型第3級
    アミン酸塩粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶解助剤が非イオン界面活性剤、多価ア
    ルコール、長鎖脂肪酸及びそのエステル化合物、無機塩
    及び無機物、有機物及び有機塩、有機高分子、および粘
    土鉱物からなる群より選ばれる一種又は混合物である請
    求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジ長鎖型第3級アミン酸塩100重量部
    に対して溶解助剤を1〜100重量部含有し、且つ重量
    平均粒子径が50〜1000μmで、見掛け比重が15
    0〜1200g/リットルである、請求項1、2又は3
    記載の方法により製造されるジ長鎖型第3級アミン酸塩
    粒子。
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