JP3319553B2 - ポリ乳酸系樹脂組成物 - Google Patents
ポリ乳酸系樹脂組成物Info
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Description
環境下での安定性に優れたポリ乳酸及び/またはその共
重合体に関する。
るα−オキシ酸ポリエステルは、良好な生分解性および
生体適合性を有しており、生体内吸収医用材料に利用さ
れている。また近年、プラスチック廃棄物が問題とな
り、酵素や微生物による分解が期待される生分解性プラ
スチックとしても注目され、研究開発が進められてい
る。ポリ乳酸系樹脂は、熱的性質、力学的性質、また、
生分解性等の諸特性に優れ、さらには、分解後の残渣が
ほとんど無いといった完全分解性であることや、分解物
の安全性が確立されているといった特筆すべき性能を有
し、その利用が非常に期待されている。
は手術用縫合糸、注射薬用マイクロカプセル等、生分解
性医用材料の分野で研究開発が行なわれているが、これ
らの用途において、ポリマーは生体内でできるだけ速や
かに分解吸収されることが望まれている。よって、これ
までポリ乳酸系樹脂の分解速度を向上するための様々な
研究が行なわれて来た。しかしながら、このようなポリ
マーは水中あるいは湿度下での安定性が充分ではなく、
ポリ乳酸系樹脂を生分解性プラスチックとして利用する
上で著しく不利であり、汎用用途への展開が阻害されて
いるのが現状である。
安定性や加工性劣化を向上させようとする試みは、例え
ば特開平3−14829号公報に開示されている。しか
し、この方法は、揮発性を有する低分子量化合物を重合
体から除くことが目的であり、揮発性の無いオリゴマー
等の低分子量化合物については触れていない。また、ポ
リ乳酸系樹脂の加水分解性とポリマー末端カルボキシル
基数には相関があり、ポリ乳酸系樹脂は一般に多くの末
端カルボキシル基を有しているため加水分解をおこしや
すい。一方、ヒドロキシル化合物を重合開始剤として用
いてポリマーを重合し、分子鎖末端のカルボキシル基を
封鎖する方法は公知であるが、これは、ポリマーの分子
量を調節することが目的であり、上記問題を解決するも
のではない。
性の向上が切望されているにもかかわらず、良好な加水
分解性を有するポリ乳酸系樹脂は未だ得られていない。
かかる理由により、本発明は、水中あるいは湿度雰囲気
下で安定に存在しうる良好な耐加水分解性を有するポリ
乳酸系樹脂を提供することを目的とする。
好な耐加水分解性を有するポリ乳酸系樹脂を得るべく鋭
意研究を重ねた結果、ポリマーの加水分解反応速度定数
とガラス転移温度で示されるある一定の関係式が満足さ
れるときにはじめて耐加水分解性が向上することを見い
だし、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は、
Tg以上でかつ90℃以下の温度範囲においてpH7.
0のリン酸緩衝液中に浸漬したときに以下の式(I)お
よび式(II)をともに満足することを特徴とするポリ乳
酸系樹脂組成物である。
る方法のひとつにポリマー中の未反応モノマーや副反応
により生成する不純物、鎖状、環状のオリゴマー等の低
分子量化合物量を低減する方法が挙げられる。通常ポリ
乳酸系樹脂は、環状ジエステルであるラクチド及び対応
するラクトン類の開環重合、いわゆるラクチド法により
製造される。この場合、開環重合反応と熱閉環(解重
合)反応は平衡関係にあり、ポリマー中にラクチドやラ
クトン類または乳酸あるいはオリゴマーといった低分子
量化合物が残存してしまう。これらの低分子量化合物は
親水性が非常に強く、且つそれ自体あるいはその加水分
解物が強い酸性を示し、ポリマーの加水分解を著しく促
進させてしまう。
合法やホルマリンと炭酸ガスの重縮合法では十分な高分
子量体を得るのは困難であるが、これらの方法から得ら
れたポリマーについても全く同様に低分子量化合物が加
水分解を引き起こす主原因のひとつである。よって、ポ
リマー中の低分子量化合物を減少させることが必要であ
る。
方法は、一般に用いられる以下の方法を用いることがで
きる。例えば、ポリマーを溶媒に溶かし、ポリマーに対
して貧溶媒中に投入してポリマーを析出させる再沈殿法
や低分子量化合物や残留モノマーのみが溶解する溶媒で
抽出する方法等である。また、ポリマーの重合後期もし
くは重合終了後、ポリマーの溶融状態で減圧する方法に
より効率よく低分子量化合物を除去することができる。
例えば、ポリ乳酸の場合ではポリマーの融点から融点+
50℃もしくはガラス転移点からガラス転移点+200
℃の範囲で減圧処理を行えばよい。さらにポリマーの固
相熱処理によっても低分子量化合物の低減は可能であ
る。例えば、ポリ乳酸の場合では、120℃以上150
℃以下の温度で絶乾状態下で熱処理を行えばよい。この
場合、不活性ガス等の気流下、減圧下、加圧下の何れで
も問題はない。ポリマーの溶融減圧処理と固相熱処理の
両方を用いると、さらに効果的に低分子量化合物を除去
することができる。低分子量化合物を低減させる方法と
して以上のようなものを挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。
ポリエステルの耐加水分解性は、その分子鎖の末端カル
ボキシル基数と相関があり、ポリマー中のカルボキシル
基数が増大するにしたがって耐加水分解性は低下する傾
向にある。よって、ポリ乳酸系樹脂の耐加水分解性を向
上させる方法としてポリマー分子鎖末端カルボキシル基
を封鎖する方法が挙げられる。
する方法としては、ポリ乳酸系樹脂をラクチド法で製造
する場合、ラクチドおよび他のラクトン類と脂肪族アル
コールを共存させて開環重合反応を行なえばよい。
は多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、もしく
は不飽和であってもかまわない。具体的にはメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカ
ノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール等のモノアル
コール、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサ
ンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコー
ル等の、ジアルコール、グリセロール、ソルビトール、
キシリトール、リビトール、エリスリトール等の多価ア
ルコールおよび乳酸メチル、乳酸エチル等を用いること
ができるがこれらに限定されるものではない。特に好ま
しくはデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルア
ルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等
の長鎖の脂肪族アルコールを用いる。これらのアルコー
ルは1種または複数併用することも可能である。用いる
アルコールの沸点が重合温度より低い場合には加圧下で
反応を行う必要がある。
多すぎると分子量が上がりにくく低分子量化合物が多量
になるので好ましくない。全モノマー量に対して0.01〜
1モル%の割合で用いられる。
末端にヒドロキシル基を持った脂肪族ポリエステルを用
いることができる。ここでいう脂肪族ポリエスエルと
は、例えば、ポリ−(β−ブチロラクトン)、ポリ−
(γ−ブチロラクトン)、ポリ−(ε−カプロラクト
ン)、ポリプロピオラクトン、ポリ−(δ−バレロラク
トン)、ポリ−(4−バレロラクトン)、ポリ−(β−
メチル−δ−バレロラクトン)、ポリグリコール酸、お
よび脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールを重縮合して
得られたタイプのポリエステル等を挙げることができ
る。
まの状態(液体、固体)でもよく、適当な溶媒に溶解し
ておいても構わない。ただし溶媒を用いた場合は、反応
前もしくは反応中に溶媒を容易に留去できるのが望まし
い。
向上させるために、可塑剤を添加することができる。使
用する可塑剤は、例えば、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフ
タレート等のフタル酸誘導体、ジイソオクチルフタレー
ト等のイソフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペー
ト、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジオ
クチルセバケート等のセバシン酸誘導体、ジ−n−ブチ
ルマレエート等のマレイン酸誘導体、トリ−n−ブチル
シトレート等のクエン酸誘導体、ブチルオレエート等の
オレイン酸誘導体、モノブチルイタコネート等のイタコ
ン酸誘導体、グリセリンモノリシリエート等のリシノー
ル酸誘導体、トリクレジルホスフェート、トリキシレニ
ルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤等が挙げら
れる。これらの可塑剤は単独でもよいし、2種以上を混
合して用いてもよい。上記可塑剤を乳酸系樹脂に添加す
ることによりポリマーの疎水性が高くなり耐加水分解性
が向上すると同時に、乳酸系樹脂は効果的に可塑化さ
れ、得られる樹脂組成は柔軟性を帯び、溶融押出しや延
伸等の成形性が良好になる。
乳酸系樹脂は、以上に述べた低分子量化合物量を低減す
る方法とその他の方法を複数で用いることにより実現さ
れるものである。これらの方法を各々単独で用いた場合
大きな効果を得ることはできない。
が用いられるが、これらには公知の触媒が用いられる。
ラクチド法で製造される場合には、具体的には錫、アン
チモン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム化合物を例示
することができるが、これらに限定されるものではな
い。この中では特に錫系触媒、アルミニウム系触媒が好
ましく、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトナ
ートが特に好適である。
基を脂肪族カルボン酸により封鎖してもよい。使用する
炭素数2〜51の脂肪族カルボン酸はモノ、ジ、多価カ
ルボン酸のいずれでもよく、また飽和、もしくは不飽和
であってもかまわない。具体的には、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リノール酸、オレ
イン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ダ
イマー酸、フマル酸等が使用できる。また、これらの酸
無水物を加えても一向に構わない。これらのカルボン酸
は1種、または複数を併用してもよい。ただし、重合温
度より沸点の低い酸を用いる場合には、加圧下で反応を
行う必要がある。特にステアリン酸、パルミチン酸、ミ
リスチン酸、リノール酸、オレイン酸は着香料、乳化
剤、ビタミン強化剤、またフマル酸、コハク酸、アジピ
ン酸は調味料、酸味量もしくはそれらの原料として食品
添加物にも挙げられており、安全性が確認されているの
で好ましいカルボン酸である。さらに好ましくは、製パ
ン用助剤として用いられるステアリル乳酸カルシウムの
原料であるステアリン酸が挙げられる。このようにして
ヒドロキシル基末端を封鎖することにより、ポリマーの
親水性が低下し、更に耐加水分解性が向上すると同時
に、ポリマーの溶融安定性が向上する。
−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソラク
チドのいずれでもよい。これらは通常の精製操作、すな
わち再結晶、精留、昇華などによって、十分に精製され
た物を用いるのが望ましい。反応は窒素、アルゴン等の
不活性雰囲気、あるいは減圧、もしくは加圧下で行って
もよく、その際、逐次、触媒、カルボン酸、アルコール
を添加してもかまわない。
等を種々変化させるために、ポリ乳酸系樹脂に第二成分
を混合してもよく、なかでも生分解性を有する成分が好
ましい。混合成分としては例えば炭素数1以上20以下
のアルキレン基からなるオキシ酸エステルポリマー等の
脂肪族ポリエステルが挙げられる。具体的には、ポリ−
(β−ブチロラクトン)、ポリ−(γ−ブチロラクト
ン)、ポリ−(ε−カプロラクトン)、ポリ−(プロピ
オラクトン)、ポリ−(δ−バレロラクトン)、ポリ−
(4−バレロラクトン)、ポリ−(β−メチル−δ−バ
レロラクトン)、等のポリラクトン類やポリグリコール
酸、および脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールを重縮
合して得られたタイプのポリエステル等を挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。
用途に応じた任意の分子量を有しているが、耐加水分解
性が特に要求される用途においては、数平均分子量が1
0000以上が好ましく、20000以上の場合さらに
好ましく、最も好ましくは50000以上である。必要
に応じて、顔料、酸化防止剤、劣化防止剤、可塑剤、艶
消剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの添化剤を加えて
も一向に差し支えない。
態から、繊維、フィルム、種々の成形品に成形加工する
ことが可能であり、従来のものと比較して良好な耐加水
分解性を有するために広い範囲にわたり利用できる。具
体的な用途として繊維では釣り糸、漁網、農業・園芸用
不織布、布織布等、フィルムでは包装用フィルム、農業
用マルチフィルム、ショッピングバッグ、テープ類、肥
料袋、分離膜等、成形品では飲料や化粧品類のボトル、
ディスポーザブルカップ、トレイ、ナイフ、フォーク、
スプーン等の容食器類、農業用植木鉢、育苗床、掘り出
し不要のパイプ、仮止め材等の建材が考えられる。さら
に医療用途として、縫合糸、人工骨、人工皮膚、マイク
ロカプセルなどのDDS分野への応用等が考えられる
が、これらに限定されるものではない。
に実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお実施例における特性値は以下の方法によ
って測定した。
ムに溶解し、25±0.1℃で測定して 還元粘度を算
出した。
10mlの混合溶液に溶解し、指示薬としてフェノール
フタレイン溶液を用い、0.1N−NaOCH3 メタノ
ール溶液で滴定した。
に溶解した後、メタノール100ml中に投入した。析
出したポリマー沈澱を濾別後、50℃で24時間減圧乾
燥し、得られたポリマー量(W2 )から下記式(III) に
より算出した。 Wlow =〔(W1 − W2 )/w1 〕×100 (III) なお本方法により排除される低分子量化合物は、GPC
法で確認したところ、数平均分子量1000以下のもの
であった。
H7.0のリン酸緩衝液中に24時間浸漬し、下記式
(IV)のXを求めた。また、浸漬前と12時間後の重量
および還元粘度を測定した。得られた結果より、下記式
(V)(VI)によって重量保持率(WR)および粘度保
持率(BR)を算出した。
テアリルアルコール27.1mg(1.00×10-4モ
ル)、アルミニウムアセチルアセトネート9mg(28
×10-6モル)のトルエン溶液、セバシン酸ジオクチル
300mgを撹拌装置、窒素導入管を備えた重合管に装
入し、2時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲
気下に190℃に加熱し、開環重合反応を2時間行っ
た。反応系内の温度を保持した状態で真空ポンプにより
脱気して5mmHgまで減圧し、1時間継続した後に反
応器内を窒素置換しポリマーを取り出した。得られたポ
リマーのWlow は0であった。90℃で加水分解性評価
を行ったところA=730、b=0.61、Tg=65
℃、k=1.06×10-5、X=5350であり、WR
=100%、BR=62%と良好な耐加水分解性を示し
た。
テアリルアルコール54.2mg(2.00×10-4モ
ル)、アルミニウムアセチルアセトネート9mg(28
×10-6モル)のトルエン溶液を撹拌装置、窒素導入管
を備えた重合管に装入し、2時間真空乾燥、窒素置換を
行った後、窒素雰囲気下に190℃に加熱し、開環重合
反応を2時間行った。反応系内の温度を保持した状態で
真空ポンプにより脱気して5mmHgまで減圧し、1時
間継続した後に反応器内を窒素置換しポリマーを取り出
した。得られたポリマーのWlow は0.2であった。以
下、実施例1と同様に90℃で加水分解性評価を行った
際のA、b、Tg、k、X各値は表1に示した。加水分
解性試験の結果、X=5370であり、WR=100、
BR=80と良好な耐加水分解性を示した。
他は実施例2と同様の方法で重合、溶融減圧処理を行っ
た。得られたポリマーのWlow は0.3であった。以
下、実施例1と同様に60℃で加水分解性評価を行った
際のA、x、Tg、k、X各値は表1に示した。加水分
解性試験の結果、X=5190であり、WR=100、
BR=85と良好な耐加水分解性を示した。
(PLACCEL220、ダイセル化学社製)1.0g
を用いた他は実施例2と同様の方法で重合、溶融減圧処
理を行った。このポリマーをさらに0.1mmHgの減
圧下100℃で12時間処理した後、窒素気流下120
℃で24時間固相処理下した。得られたポリマーのWlo
w は0.1であった。以下、実施例1と同様に90℃で
加水分解性評価を行った際の、A、b、Tg、k、X各
値は表1に示した。加水分解性試験の結果、X=532
0であり、WR=100、BR=65と良好な耐加水分
解性を示した。
(PLACCEL240、ダイセル化学社製)1.0g
を用いた他は実施例2と同様の方法で重合、溶融減圧処
理を行った。このポリマーをさらに0.1mmHgの減
圧下100℃で12時間処理した後、窒素気流下120
℃で24時間固相処理下した。得られたポリマーのWlo
w は0.1であった。以下、実施例1と同様に90℃で
加水分解性評価を行った際の、A、b、Tg、k、X各
値は表1に示した。加水分解性試験の結果、X=530
0であり、WR=100、BR=82と良好な耐加水分
解性を示した。
−バレロラクトン)(クラポールL2010、クラレ社
製)1.0gを用いる他は実施例2と同様の方法で重
合、減圧処理を行った。得られたポリマーのWlow は
0.2であった。以下、実施例1と同様に90℃で加水
分解性評価を行った際のA、b、Tg、k、X各値は表
1に示した。加水分解性試験の結果、X=5310であ
り、WR=100、BR=66と良好な耐加水分解性を
示した。
ウリルリルアルコール18.7mg(1.00×10-4
モル)、ステアリン酸28.4mg(1.00×10-4
モル)、オクチル酸第一スズ3mg(7×10-6モル)
のトルエン溶液を撹拌装置、窒素導入管を備えた重合管
に装入し、2時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素
雰囲気下に190℃に加熱し、開環重合反応を2時間行
った。反応を終了して得られたポリマーをクロロホルム
60mlに溶解し、メタノール400mlに注いで再沈
澱させた。得られた白色粉末はメタノール、エーテルで
順次洗浄した後、60℃で真空乾燥した。得られたポリ
マーのWlow は0であった。以下、実施例1と同様に9
0℃で加水分解性評価を行った際のA、b、Tg、k、
X各値は表1に示した。加水分解性試験の結果、X=5
340であり、WR=100、BR=68と良好な耐加
水分解性を示した。
テアリルアルコール27.1mg(1.00×10-4モ
ル)、アルミニウムアセチルアセトネート9mg(28
×10-6モル)のトルエン溶液、セバシン酸ジオクチル
300mgを撹拌装置、窒素導入管を備えた重合管に装
入し、2時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲
気下に190℃に加熱し、開環重合反応を2時間行っ
た。得られ2 ポリマーのWlow は5.5であった。以
下、実施例1と同様に90℃で加水分解性評価を行った
際のA、b、Tg、k、X各値は表1に示した。加水分
解性試験の結果、X=4460であり、WR=94%、
BR=30%と非常に悪かった。
ルミニウムアセチルアセトネート9mg(28×10-6
モル)のトルエン溶液を撹拌装置、窒素導入管を備えた
重合管に装入し、2時間真空乾燥、窒素置換を行った
後、窒素雰囲気下に190℃に加熱し、開環重合反応を
2時間行った。反応系内の温度を保持した状態で真空ポ
ンプにより脱気して5mmHgまで減圧し、1時間継続
した後に反応器内を窒素置換しポリマーを取り出した。
得られたポリマーのWlow は0.2であった。以下、実
施例1と同様に90℃で加水分解性評価を行った際の
A、b、Tg、k、X各値は表1に示した。加水分解性
試験の結果、X=4380であり、WR=97%、BR
=21と耐加水分解性は非常に悪かった。
テアリン酸28.4mg(1.00×10-4モル)、オ
クチル酸第一スズ3mg(7×10-6モル)のトルエン
溶液を撹拌装置、窒素導入管を備えた重合管に装入し、
2時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲気下に
190℃に加熱し、開環重合反応を2時間行った。反応
を終了して得られたポリマーをクロロホルム60mlに
溶解し、メタノール400mlに注いで再沈澱させた。
得られた白色粉末はメタノール、エーテルで順次洗浄し
た後、60℃で真空乾燥した。得られたポリマーのWlo
wは0であった。以下、実施例1と同様に90℃で加水
分解性評価を行った際のA、b、Tg、k、X各値は表
1に示した。加水分解性試験の結果、X=4420であ
り、WR=98、BR=25と耐加水分解性は非常に悪
かった。
テアリン酸28.4mg(1.00×10-4モル)、オ
クチル酸第一スズ3mg(7×10-6モル)のトルエン
溶液を撹拌装置、窒素導入管を備えた重合管に装入し、
2時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲気下に
190℃に加熱し、開環重合反応を2時間行った。得ら
れたポリマーのWlow は7であった。以下、実施例1と
同様に90℃で加水分解性評価を行った際のA、b、T
g、k、X各値は表1に示した。加水分解性試験の結
果、X=4280であり、WR=90、BR=22と耐
加水分解性は非常に悪かった。
他は比較例1と同様の方法で開環重合反応を行った。得
られたポリマーのWlow は0.3であった。以下、実施
例1と同様に60℃て加水分解性評価を行った際のA、
b、Tg、k、X各値は表1に示した。加水分解性試験
の結果、X=4250であり、WR=100、BR=2
0と耐加水分解性は非常に悪かった。
発明におけるポリ乳酸系樹脂は良好な耐加水分解性を有
しており、従来からの問題であった水中あるいは湿度下
での安定性が著しく改良されている。よって得られるポ
リ乳酸系樹脂からは種々の成分改正背景物を製造するこ
とができ、広範な用途が期待できるので、産業界または
環境問題の解決にも寄与するところが非常に大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】Tg以上でかつ90℃以下の温度範囲にお
いてpH7.0のリン酸緩衝液中に浸漬したときに以下
の式(I)および式(II)を満足することを特徴とする
ポリ乳酸系樹脂組成物。 (3.28−lnk)×(3Tg+168)≧4500 (I) kt=log〔A/(A−b)〕 (II) A:初期のポリマー1mol 中のエステル結合のmol 数 b:ポリマー1molと反応した水のmol 数 t:浸漬時間[hr] Tg:ポリマーのガラス転移温度[℃] k:加水分解反応速度定数[hr-1] - 【請求項2】ポリマーの数平均分子量が10000以上
であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系樹脂
組成物。
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