JP2591932B2 - 生物分解性重合体フィルム及びその調製方法 - Google Patents

生物分解性重合体フィルム及びその調製方法

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08G2230/00Compositions for preparing biodegradable polymers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物分解性ポリ
(乳酸)フィルム及びその調製方法に関する。更に詳し
くは、本発明は、高い機械的強さと高い透明性を有する
生物分解性ポリ(乳酸)フィルム及びその調製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】天然に広く存在する乳酸は、動物、植
物、及びヒトに対して非毒性かつ無害である。乳酸の重
合生成物であるポリ(乳酸)は、水分の存在下で容易に
加水分解しうる。この性質により、ポリ(乳酸)は、手
術のための、骨板(bone plates)縫糸又はステープ
ル、薬剤の徐放化のためのポリマーなどのような生物分
解性の医学的用途に使用されてきた。最近、プラスチッ
ク廃棄物により引き起こされる環境汚染問題が深刻にな
るにつれ、ポリ(乳酸)は、一般的用途のための生物分
解性重合体物質として浮上し、包装材料、食品容器、被
覆材料などとして開発されてきた。これらの用途に使用
するための重合体材料は、最終製品に必要な剛性を与え
るために高分子量でなければならない。特に、ポリ(乳
酸)フィルムが包装材料又は被覆材料として使用される
時には、このフィルムが高い透明性と高い機械的強さを
有することが必要である。
【0003】ポリ(乳酸)フィルムは、フィルム吹込み
成形(film-blowing)及びT型法(T-die techniques)
などの加工工程により調製することができる。しかし、
ポリ(乳酸)は、その物理的性質が加工工程の間に劇的
に減少するという欠点を有する。これは、これらの熱安
定性が悪いためにフィルム加工工程でポリ(乳酸)の分
子量が激減することにより引き起こされる。ポリ(乳
酸)は、融点が180℃未満の部分的に結晶性のポリマ
ーであるため、180℃を超える温度で熱処理を受ける
と容易に熱分解する。こうして、加工後に生じたフィル
ムは、その剛性が非常に弱いという欠点を有する。
【0004】本発明者らは、加工による分子量の低下を
起こすことのない、高い剛性を有する高強度のポリ(乳
酸)フィルムを調製する方法を研究してきた。高い剛性
を有するポリ(乳酸)フィルムを得るためには、高分子
量を有するポリ(乳酸)を出発物質として使用しなけれ
ばならない。
【0005】典型的には、高分子量を有するポリ(乳
酸)を調製する多くの方法が、当該分野で公知である。
例えば、日本特許公報(昭)56-14,688 号は、乳酸を脱
水縮合してオリゴマーとし;酸化アンチモン、フッ化ア
ンチモン、塩化第一スズなどのような触媒の存在下でオ
リゴマーを解重合して環状ジエステルとし;次いで生じ
た環状ジエステルを、オクタン酸スズ、ジエチル亜鉛な
どのような触媒の存在下で重縮合してポリ(乳酸)を得
ることからなる、ポリ(乳酸)を調製する方法を開示し
ている。しかし、この方法は、高分子量を有するポリ
(乳酸)を調製することはできるが、複雑でかつ時間と
労力がかかる。更に、この方法は生産性が低いため、一
般的用途の生物分解性材料として使用するためのポリ
(乳酸)を調製するのに適切な方法ではない。
【0006】乳酸を脱水縮合する、ポリ(乳酸)を調製
する別の従来法は、比較的単純で便利であるが、4,0
00未満の低分子量を有するオリゴマーが生成する欠点
を有し、このために低い引張強さを含む低い物理的性質
を有するフィルムになってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、星型分子構造を有するポリ(乳酸)から、高い機械
的強さと高い透明性を有する生物分解性ポリ(乳酸)フ
ィルムを提供することである。
【0008】本発明の別の目的は、生物分解性ポリ(乳
酸)フィルムを調製する経済的に有効で単純な方法を提
供することである。
【0009】本発明の更なる目的は、本明細書の残りの
部分を読むことにより明らかになるであろう。
【0010】先行技術で遭遇した問題を解決するため
に、本発明者らは、生物分解性ポリ(乳酸)フィルムの
調製に関して鋭意研究してきた。その結果、本発明者ら
は、高い機械的強さと高い透明性を有する生物分解性ポ
リ(乳酸)フィルムが、星型分子構造と高分子量を有す
るが、直鎖の分子構造を有するポリ(乳酸)とは反対に
比較的低い融点を有するポリ(乳酸)を溶融し、生じた
溶融物をフィルム加工により延伸することにより得られ
ることを、予期せずに発見した。本発明は、前記の研究
を基に達成された。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴の一つは、
星型分子構造を有するポリ(乳酸)を130℃〜180
℃の温度で溶融し、次いで生じた溶融物を、5以下の延
伸比で50℃を超える温度で延伸することからなる、生
物分解性ポリ(乳酸)フィルムを調製する方法である。
【0012】本発明の別の特徴は、この方法により調製
される、3.5〜6.0Kg/mm2の引張強さと2.5〜
6.0%の伸びを有する、生物分解性ポリ(乳酸)フィ
ルムである。
【0013】高分子量を有する星型ポリ(乳酸)は、ポ
リ(乳酸)の分子構造を星型ポリマーに変えることによ
り調製される。「星型ポリマー」という用語は、放射状
配置で多官能性物質に結合した多数の重合体鎖を有する
ポリマーを意味する。この型のポリマーは当該分野で公
知であり、同一の分子量を有する直鎖ポリマーよりも低
い溶融粘度を有することが報告されている;J.E.L. Roo
vers, et al., Macromolecules, Vol.5, 385 (1972) を
参照のこと。したがって、そのような星型分子構造を有
するポリ(乳酸)は、直鎖ポリ(乳酸)よりも低い溶融
粘度を有する。そしてフィルム加工中の加工温度を下げ
ることが可能になり、生じたポリ(乳酸)の熱分解によ
る分子量の低下を防止する。
【0014】本明細書で使用される場合、「分子量」と
いう用語は、重量平均分子量のことをいう。
【0015】原則として、星型分子構造を有するポリ
(乳酸)を調製するために2つの従来法が利用可能であ
る:第一の方法は、多官能性試薬を開始剤として使用し
て乳酸を重合する方法であり、第二の方法は、直鎖ポリ
(乳酸)を調製し、続いてカップリングすることからな
る2工程法である。2つの従来法のうち、普通の星型ポ
リ(乳酸)の調製には後者が好んで使用されるが、本発
明に使用されるポリ(乳酸)の調製には前者が有利に使
用される。前者の方法により調製されるポリ(乳酸)に
星型分子構造を成形する反応機構は、反応に使用される
多官能性を有するポリヒドロキシルアルコールと乳酸の
反応性の相違に依存している。ポリ(乳酸)の調製に使
用されるポリヒドロキシルアルコールは、少なくとも4
つのヒドロキシル基を含有する第一級アルコールであ
る。反応の開始段階で、全てのポリヒドロキシルアルコ
ールは、最初に乳酸と反応して小さい星型構造を成形す
る。その後、分子鎖が、その星型構造を維持しながら、
続いて起こる乳酸との反応により伸びていって、星型分
子構造を有する目的のポリ(乳酸)が得られる。
【0016】本発明に使用される星型ポリ(乳酸)は、
乳酸を、少なくとも4つのヒドロキシル基を含有するポ
リヒドロキシルアルコールと直接重縮合することからな
る方法により調製することができる。生じたポリ(乳
酸)は、星型分子構造と、30,000以上の高分子量
を有する。更に詳しくは、この星型ポリ(乳酸)は、少
なくとも4つのヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ
ル化合物を乳酸に添加し;生じた混合物を減圧下で触媒
の非存在下で加熱し、乳酸を脱水反応に付して低分子量
のポリ(乳酸)を得;次いで生じた低分子量のポリ(乳
酸)を減圧下で触媒の存在下で加熱により直接重縮合し
て、30,000以上の高分子量を有するポリ(乳酸)
を得ることにより調製することができる。
【0017】星型ポリ(乳酸)の調製に使用されるモノ
マーの乳酸は、そのL−及びD−異性体、及びラセミ異
性体を含む乳酸の全ての立体異性体を含む。そのような
乳酸は、水溶液中で種々の濃度で使用されてよいが、好
適には加工性を上昇させるために高濃度で使用される。
特に、80%以上の乳酸を含有する水溶液を使用するこ
とが好適である。或は、低分子量を有する乳酸オリゴマ
ーを出発物質として使用することができる。
【0018】乳酸の脱水は、ポリヒドロキシル化合物を
乳酸に添加し、その混合物を触媒の非存在下で100〜
150℃の温度で350〜30mmHgの圧力で少なくとも
2時間、通常は2〜10時間加熱することにより行うこ
とができる。好適には、脱水は、温度を105℃から1
50℃に段階的に上昇させ、圧力を350mmHgから30
mmHgに下げていくことにより5〜6時間で行われる。生
じた低分子量のポリ(乳酸)は、2,000〜4,00
0の範囲の分子量を有する。
【0019】低分子量のポリ(乳酸)の重縮合は、低分
子量のポリ(乳酸)を150〜250℃、好適には15
0〜200℃の温度で、30〜1mmHg、しかし好適には
10〜1mmHgの減圧下で、酸化アンチモンのような従来
法の触媒の存在下で行うことができる。この重縮合反応
は、少なくとも10時間、好適には10〜150時間、
そして最も好適には10〜100時間後に終了する。
【0020】本発明による星型ポリ(乳酸)の調製に使
用されるポリヒドロキシルアルコールは、少なくとも4
つのヒドロキシル基を有するものを含む。4つ未満のヒ
ドロキシル基を有するポリヒドロキシルアルコールは、
充分展開した星型構造を有するポリ(乳酸)を生成する
ことができず、このために低分子量を有するポリマーの
みをもたらす。線状及び環状ポリヒドロキシルアルコー
ルの両方とも、星型ポリ(乳酸)の調製に使用すること
ができるが、前者が好適である。このような線状ポリヒ
ドロキシルアルコールの代表例は、ペンタエリトリトー
ル、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトー
ル、ソルビトール、リビトール、ポリ(ビニルアルコー
ル)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ
(ヒドロキシプロピルメタクリレート)を含む。好適な
環状ポリヒドロキシルアルコールは、グルコースとフル
クトースを含む。
【0021】更に、第二級ヒドロキシル基よりも全て第
一級ヒドロキシル基を含むポリヒドロキシルアルコール
を使用することが好適である。最も好適なポリヒドロキ
シルアルコールは、ジペンタ−エリトリトールである。
ジペンタエリトリトールと乳酸の重縮合により調製され
るポリ(乳酸)は、少なくとも4つの分岐鎖を有する星
型構造を有する。
【0022】重縮合反応で、ポリヒドロキシルアルコー
ルは、重合反応に使用される乳酸の量に基づいて、0.
01〜2重量%の量で使用される。使用されるポリヒド
ロキシルアルコールの量が0.01重量%未満の場合に
は、目的の星型構造が充分に展開していない、低分子量
を有するポリ(乳酸)が生成する。一方、使用されるポ
リヒドロキシルアルコールの量が2重量%を超えると、
反応混合物を撹拌することが難しく、そのため弾性ゴム
の形で架橋ポリマーを形成してしまう。この架橋ポリ
(乳酸)は、加熱しても溶媒に溶解することができず、
そのため更に成形品に加工することができない。
【0023】当該分野で公知の任意の触媒を、乳酸の重
縮合のための触媒として使用することができる。このよ
うな触媒の代表例は、塩化第一スズ、硫酸第一スズ、酸
化第一スズ、酸化第二スズ、テトラフェニルスズ、スズ
粉末、チタン酸イソプロピル、四塩化チタン、酸化亜
鉛、酸化アンチモン、塩化アンチモン、酢酸アンチモ
ン、酸化鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化
鉄、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、p−トルエンスルホン
酸を含む。
【0024】重縮合触媒は、乳酸モノマーの量に基づい
て、0.001〜1重量%、しかし好適には0.01〜
1重量%の量で使用することができる。この触媒は、反
応中に一度にか又は少量ずつ添加される。
【0025】一旦重合が開始すると、生じる星型ポリ
(乳酸)の分子量が上昇し始める。星型ポリ(乳酸)の
分子量の上昇速度は、対応する直鎖ポリ(乳酸)よりも
はるかに速い。ポリ(乳酸)の分子量は、予め決められ
た時間間隔で反応溶液から採取される、その試料生成物
の粘度をクロロホルム溶液中で25℃で測ることにより
測定される。融点は、示差走査熱量測定法により測定さ
れる。
【0026】本発明に使用される星型ポリ(乳酸)は、
30,000以上の分子量、更に具体的には30,00
0〜100,000の分子量、及び145〜155℃の
融点と50℃〜53℃のガラス転移温度を有する。本発
明に使用される星型ポリ(乳酸)は、本明細書に参照と
して組み込まれる、1995年7月18日にY.H. Kimら
に付与された米国特許第5,434,241 号に詳細に記載され
ている。
【0027】本発明による星型ポリ(乳酸)を溶融する
工程は、130〜180℃の温度で行われる。ポリ(乳
酸)を溶融する温度が180℃を超えると、ポリ(乳
酸)が容易に熱分解するために、架橋後に非常に低い強
度を有するフィルムが形成される。しかし、溶融温度が
130℃未満の時は、ポリマーの一部が溶融せず、この
ため均一なフィルムが得られない。
【0028】本発明に使用される星型ポリ(乳酸)は、
示差走査熱量測定法により測定した50〜53℃のガラ
ス転移温度を有する。溶融したポリ(乳酸)の延伸は、
50℃以上、好適には50〜150℃、更に好適には5
0〜120℃の温度で行われる。延伸比は、5以下であ
り、例えば5〜2であり、好適には4〜2である。延伸
比が5を超えると、生じるフィルムの厚さが薄くなって
フィルムが延伸中に切れてしまい、このため加工性が低
くなってしまう。
【0029】本発明のポリ(乳酸)フィルムは、フィル
ム吹込み成形及びT型法の両方により調製することがで
きる。しかし、加工性と経済的な有効性を考慮して前者
が好適である。
【0030】本発明の別の特徴により、上述の本発明の
方法により調製される、3.5〜6.0Kg/mm2の引張強
さと2.5〜6.0%の伸びを有する生物分解性ポリ
(乳酸)フィルムが提供される。本発明の生物分解性ポ
リ(乳酸)フィルムは、より高い機械的強さと高い透明
性を示し、このため一般的用途のための生物分解性材
料、薬剤又は農薬の徐放化のためのマトリックス、及び
農業用途のフィルムとして広く使用することができる。
【0031】
【実施例】本発明は、下記の実施例により更に詳細に説
明される。実施例は説明のために与えられるものであ
り、特許請求の範囲で厳密に叙述した発明を限定するも
のと解すべきでない。
【0032】調製例1 90%L−乳酸水溶液1,500gとジペンタエリトリ
トール(DIPET)1.5gを、温度計、冷却器、及
びN2 導入口を取付けた反応器に入れた。この混合物
を、温度と圧力を各々105℃と350mmHgから150
℃と30mmHgに段階的に変化させながら、減圧下で窒素
雰囲気下で加熱することにより脱水した。水約380g
を排出後、Sb23 1gを添加した。更に温度を18
5℃に上げ圧力を3〜5mmHgに下げた後、生じた混合物
を重縮合した。重縮合反応が進行すると、反応系の粘度
が上昇した。生じたポリマーの分子量を、その溶液の粘
度を測ることにより測定した。予め決められた時間間隔
でポリマーを採取することにより、ポリマーの分子量の
変化を測定した。減圧下で72時間の加熱により、反応
が終了し、148℃の融点と52℃のガラス転移温度を
有する無色ポリマー1,060gを得た。生じたポリマ
ーは、63,000の分子量を有していた。
【0033】調製例2 ポリヒドロキシルアルコールとしてペンタエリトリトー
ルを1.5gの量で使用したほかは、調製例1に記載さ
れたのと同じ方法を繰り返した。152℃の融点と53
℃のガラス転移温度を有する無色ポリマー1,040g
を得た。生じたポリマーは、53,000の分子量を有
していた。
【0034】調製例3 ポリヒドロキシルアルコールとしてトリペンタエリトリ
トールを1.5gの量で使用したほかは、調製例1に記
載されたのと同じ方法を繰り返した。146℃の融点と
51℃のガラス転移温度を有する無色ポリマー1,05
0gを得た。生じたポリマーは、60,000の分子量
を有していた。
【0035】調製例4 ポリヒドロキシルアルコールとしてポリヒドロキシエチ
ルメタクリレート1.5gを使用したほかは、調製例1
に記載されたのと同じ方法を繰り返した。150℃の融
点と53℃のガラス転移温度を有する無色ポリマー1,
030gを得た。生じたポリマーは、42,000の分
子量を有していた。
【0036】調製例5 ポリヒドロキシルアルコールとしてポリヒドロキシプロ
ピルメタクリレート1.5gを使用したほかは、調製例
1に記載されたのと同じ方法を繰り返した。154℃の
融点と53℃のガラス転移温度を有する無色ポリマー
1,010gを得た。生じたポリマーは、40,000
の分子量を有していた。
【0037】調製例6 ポリヒドロキシルアルコールとしてポリビニルアルコー
ル1.5gを使用したほかは、調製例1に記載されたの
と同じ方法を繰り返した。149℃の融点と52℃のガ
ラス転移温度を有する無色ポリマー980gを得た。生
じたポリマーは、35,000の分子量を有していた。
【0038】比較調製例7 直鎖ポリ(乳酸)を調製するために、L−ラクチド72
0.7g(5mol )を、真空コルク栓を取付けたフラス
コに入れた。次にトルエンで希釈したオクタン酸第一ス
ズ20ml(L−ラクチドに基づいて0.001mol )を
ここに添加した。反応混合物を含有するフラスコを、
0.01mmHgの真空下で10分間維持して、トルエンと
水を除去した。乾燥窒素をフラスコに導入しながら、こ
の工程を3回繰り返した。次いで、生じたポリマーを真
空ポンプを使用して10分間で完全に乾燥して、真空栓
を閉じた。フラスコを130℃の油浴に浸漬して、撹拌
しながら重合反応を行った。重縮合反応が進行するにつ
れ、重合系の粘度が上昇した。次に、重合系を撹拌する
ことができなくなったとき、回転しないで24時間重合
系を固相重合に付した。重合系は、最初は透明ゲル状態
であったが、重合反応が進行するにつれ、白色固体に変
化した。重合の完了後、回収したポリマーは、白色で、
溶液粘度法により測定した69,000の分子量を有し
ていた。生じたポリマーは、また、180℃の融点と5
5℃のガラス転移温度を有していた。
【0039】実施例1 調製例1で調製された星型ポリ(乳酸)のペレットを、
1インチ幅を有するスクリュー型送り装置を取付けた押
し出し成形機に入れた。押し出し成形機内の温度を16
5℃〜170℃に維持して、完全にペレットを溶融し
た。溶融したポリマーを、注入温度を155℃〜160
℃に維持しながら、Haake から市販されているRheocord
90 Film Blower で圧縮空気を用いて、フィルム吹込み
成形に付した。吹込み成形機の冷却領域の温度は、70
℃に維持した。吹込み成形されたフィルムの機械方向及
び機械横断方向の延伸比は、各々3に調整した。こうし
て得られたフィルムは、30μm の厚さ、5.7Kg/mm2
の引張強さ、及び4%の伸びを有した。この星型ポリ
(乳酸)のフィルム吹込み成形前後の分子量は、各々6
3,000と56,000であった。
【0040】実施例2 調製例2で調製された星型ポリ(乳酸)のペレットを使
用したほかは、実施例1で記載したのと同じ方法を繰り
返した。30μm の厚さを有する透明フィルムを得た。
生じたフィルムの引張強さと伸びは、各々5.4Kg/mm2
と4.2%であった。この星型ポリ(乳酸)のフィルム
吹込み成形前後の分子量は、各々53,000と47,
000であった。
【0041】実施例3 調製例3で調製された星型ポリ(乳酸)のペレットを使
用したほかは、実施例1で記載したのと同じ方法を繰り
返した。30μm の厚さを有する透明フィルムを得た。
生じたフィルムの引張強さと伸びは、各々5.2Kg/mm2
と3.8%であった。この星型ポリ(乳酸)のフィルム
吹込み成形前後の分子量は、各々60,000と55,
000であった。
【0042】実施例4 調製例4で調製された星型ポリ(乳酸)のペレットを使
用したほかは、実施例1で記載したのと同じ方法を繰り
返した。30μm の厚さを有する透明フィルムを得た。
生じたフィルムの引張強さと伸びは、各々4.5Kg/mm2
と5.3%であった。この星型ポリ(乳酸)のフィルム
吹込み成形前後の分子量は、各々42,000と35,
000であった。
【0043】実施例5 調製例5で調製された星型ポリ(乳酸)のペレットを使
用したほかは、実施例1で記載したのと同じ方法を繰り
返した。30μm の厚さを有する透明フィルムを得た。
生じたフィルムの引張強さと伸びは、各々4.3Kg/mm2
と5.6%であった。この星型ポリ(乳酸)のフィルム
吹込み成形前後の分子量は、各々40,000と34,
000であった。
【0044】実施例6 調製例6で調製された星型ポリ(乳酸)のペレットを使
用したほかは、実施例1で記載したのと同じ方法を繰り
返した。30μm の厚さを有する透明フィルムを得た。
生じたフィルムの引張強さと伸びは、各々3.8Kg/mm2
と2.5%であった。この星型ポリ(乳酸)のフィルム
吹込み成形前後の分子量は、各々35,000と31,
000であった。
【0045】比較実施例1 比較調製例7で調製された星型ポリ(乳酸)のペレット
を、1インチ幅を有するスクリュー型送り装置を取付け
た押し出し成形機に入れた。押し出し成形機内の温度を
200℃〜230℃に維持して、完全にペレットを溶融
した。溶融したポリマーを、注入温度を190℃〜22
0℃に維持しながら、Haake から市販されているRheoco
rd 90 Film Blower で圧縮空気を用いて、フィルム吹込
み成形に付した。吹込み成形機の冷却領域の温度は、7
0℃に維持した。吹込み成形されたフィルムの機械方向
及び機械横断方向の延伸比は、各々3に調整した。生じ
たフィルムの厚さ、引張強さ及び伸びは、各々30μm
、0.3Kg/mm2及び2%であった。この星型ポリ(乳
酸)のフィルム吹込み成形前後の分子量は、各々63,
000と16,000であった。
【0046】比較実施例2 比較調製例7で調製された直鎖ポリ(乳酸)のペレット
を、1インチ幅を有するスクリュー型送り装置を取付け
た押し出し成形機に入れた。押し出し成形機内の温度を
200℃〜230℃に維持して、完全にペレットを溶融
した。溶融したポリマーを、注入温度を190℃〜22
0℃に維持しながら、Haake から市販されているRheoco
rd 90 Film Blower で圧縮空気を用いて、フィルム吹込
み成形に付した。吹込み成形機の冷却領域の温度は、7
0℃に維持した。吹込み成形されたフィルムの機械方向
及び機械横断方向の延伸比は、各々3に調整した。30
μm の厚さを有するフィルムを得た。こうして得られた
フィルムの引張強さと伸びは、各々0.5Kg/mm2と2.
5%であった。この星型ポリ(乳酸)のフィルム吹込み
成形前後の分子量は、各々69,000と18,000
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:04 (72)発明者 金 貞 奉 大韓民国ソウル特別市江南区大峙洞633 番地 青室アパート11棟906号 (72)発明者 具 現 哲 大韓民国ソウル特別市中浪区面牧5洞 172番地56号 (56)参考文献 特開 平6−336523(JP,A) 特開 平6−313032(JP,A) 特開 平6−171664(JP,A) 特開 平5−212790(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物分解性ポリ(乳酸)フィルムを調製
    する方法であって、少なくとも4つのヒドロキシル基を
    有するポリヒドロキシルアルコールと乳酸から調製され
    た、星型分子構造を有するポリ(乳酸)を、130℃〜
    180℃の温度で溶融し;次いで生じた溶融物を、5以
    下の延伸比で50℃を超える温度で延伸することを特徴
    とする方法。
  2. 【請求項2】 該乳酸が、L−乳酸、D−乳酸、DL−
    乳酸、及び乳酸オリゴマーよりなる群から選択される、
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該ポリヒドロキシルアルコールが、ペン
    タエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペン
    タエリトリトール、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレ
    ート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、
    及びポリ(ビニルアルコール)よりなる群から選択され
    る、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該ポリ(乳酸)の分子量が、30,00
    0以上である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該ポリ(乳酸)の融点が、145℃〜1
    55℃の範囲である、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリ(乳酸)のガラス転移温度が、50
    ℃〜53℃の範囲である、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 延伸温度及び延伸比が、それぞれ50℃
    〜120℃及び2〜4である、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 3.5〜6.0Kg/mm2の引張強さと2.
    5〜6.0%の伸びを有する、請求項1〜7のいずれか
    1項記載の方法により調製された生物分解性ポリ(乳
    酸)フィルム。
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