JP3318988B2 - ジルコニウム塩化物水溶液の製造法 - Google Patents

ジルコニウム塩化物水溶液の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコンサンドをアル
カリで処理し、水で浸出処理して得た水浸出ケークに、
塩酸を添加してジルコニウム分を抽出すると同時にシリ
カ分は不溶解化させ、ろ過することによってジルコニウ
ム塩化物水溶液を製造する方法に関する。
【0002】ジルコニウム塩化物水溶液から、オキシ塩
化ジルコニウム,水酸化ジルコニウム,塩基性硫酸ジル
コニウム等の各種ジルコニウム化合物が製造される。こ
のうちオキシ塩化ジルコニウム(以下、ZOCと称す)
はジルコニア質セラミックスの出発原料として重要な化
合物である。
【0003】
【従来の技術】ジルコニウム塩化物水溶液は、一般にジ
ルコンサンドをアルカリ剤と共に加熱溶融するかまたは
水熱処理し、得られた反応混合物を水で浸出処理して主
としてケイ酸アルカリを溶出させ、水酸化ジルコニウム
を主成分とする水浸出ケークを得、これを塩酸で抽出処
理してジルコニウム塩化物の水溶液とすると共に残存す
るシリカ分を不溶解化させ、ろ過することによって製造
される。この方法の改良として、上記の水浸出ケークを
60〜100℃の温度範囲で濃塩酸に溶解した後、0.
2〜1.0g/lのゼラチンを添加し、ゲル状シリカ分
を凝集沈澱させた後、ろ別してシリカ分を分離する方法
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この工業的製
法における最大の問題点は、酸抽出により不溶解化する
シリカ(SiO2・nH2O)のろ過性が悪いこと、及び
ろ過後の塩化物水溶液に溶解シリカ分が多量存在するこ
とである。不溶解シリカは、かさ高いゲル状態で析出す
るために、ろ過が極めて困難であり、かつ洗浄もままな
らない。
【0005】よって、ろ過装置は大型化するし、シリカ
ケーク中には相当量の目的物であるジルコニウム分が包
含され損失を避けることができない。
【0006】上記の高温の濃塩酸に溶解した後、ゼラチ
ンを添加する方法でも、ゼラチンの添加によって除去し
うるシリカは粒子化したものだけであって溶解状態にあ
るシリカを除去することはできない。この溶解性シリカ
の重合・ゲル化には数日間を必要とする。溶解性シリカ
を含むジルコニウム塩化物水溶液を原料としてジルコニ
ウム化合物を製造するとシリカ分が不純物として製品に
混入する。
【0007】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は効果的かつ効率的に、水
浸出ケークから溶解シリカ量が少なくかつろ過性のよい
析出シリカ粒子を含む塩酸抽出スラリーを生成させ、そ
れによってZOCの製造に好適なジルコニウム塩化物水
溶液を製造することができる方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジルコンサン
ドのアルカリ処理物を水で浸出処理を行ない、ろ過して
得た水浸出ケークを塩酸処理によって抽出して、ジルコ
ニウム塩化物水溶液を製造する方法において、上記水浸
出ケークを水でリパルプしてスラリー(以下、リパルプ
スラリーという)を調製し、該スラリーと塩酸とを、反
応槽内のスラリーpHを4〜10の範囲に制御しながら
反応槽へ連続的に添加して反応させて前駆体スラリーを
得、該前駆体スラリーと塩酸とを反応させ、次いで、熟
成して塩酸抽出スラリーを得、該熟成を終えた塩酸抽出
スラリーを固液分離してジルコニウム塩化物水溶液を得
ることによるジルコニウム塩化物水溶液の製造法であ
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】ジルコンサンドのアルカリによる処理は、
一般にジルコンサンドと苛性ソーダ及び/又は炭酸ソー
ダとの混合物の高温加熱処理(アルカリ融解)または水
熱処理によって行われ、生成物としては、反応条件によ
り変動するが、概ねジルコン酸ソーダ,ケイジルコン酸
ソーダ,ケイ酸ソーダおよび未反応のジルコンサンドか
らなる。この処理における反応は下記の式で表されるも
のと推定される。
【0011】 ZrSiO4+6NaOH→Na2ZrO3+Na4SiO4+3H2O↑ ZrSiO4+2NaOH→Na2ZrSiO5+H2O↑ ZrSiO4+2Na2CO3→Na2ZrO3+Na2SiO3 +2CO2↑ ZrSiO4+Na2CO3→Na2ZrSiO5+CO2↑ 本発明は、これらアルカリ融解や水熱処理をどのような
条件で行ったものにも適用することができる。
【0012】このようにしてえられたアルカリ処理物を
水で浸出すると、ジルコン酸ソーダが加水分解を受けて
水酸化ジルコニウムと苛性ソーダが生成する。次いでろ
過によってケイ酸ソーダおよび過剰のアルカリを除去し
て得られる固形物が水浸出ケークである。水浸出ケーク
は、主に、水酸化ジルコニウム,ジルコン酸ソーダ,ケ
イジルコン酸ソーダおよび未反応のジルコンサンドから
なる。水浸出ケークの組成分析の一例を次に示す。これ
は、アルカリ剤として苛性ソーダを用い、650℃で加
熱溶融して得た反応溶融物を、水浸出の後にろ別・洗浄
して得たものの分析例である。
【0013】 含有されるSiO2の大部分はケイジルコン酸ソーダの
成分である。該ケーク中のケイジルコン酸ソーダ含量
は、アルカリ処理の条件に左右されて増減する。通常、
該ケークの組成は、ZrO2=30〜50wt%,Na2
O=3〜10wt%,SiO2=1〜8wt%の範囲に
ある。この範囲の組成にも、またそれから外れたものに
も本発明は適用することができる。
【0014】水浸出ケークの塩酸抽出は、水浸出ケーク
を水でリパルプして得られたリパルプスラリーと塩酸水
溶液との反応を2段階で行うのが本発明の特徴である。
即ち、反応槽内のスラリーpHを4〜10の範囲に制御
しながら反応槽へ連続的に添加して反応を行う第1段の
予備反応と、次いで予備反応で得られた前駆体スラリー
をさらに塩酸と接触させてジルコニウム分の抽出とシリ
カ分の不溶解化を行う第2段の反応からなり、この反応
の終了後熟成を行ないジルコニウム分の抽出及び粒子成
長(重合・ゲル化および凝集からなる)を完了させる。
【0015】これに対し、塩酸と、水浸出ケーク又は水
浸出ケークを水でリパルプしたスラリーとを、一方に他
方を添加するか又は両方を同時に添加して反応させるよ
うな周知の方法では、溶解シリカ量が多くなり、シリカ
粒子もろ過性の極めて悪いものとなる。
【0016】また、塩酸抽出終了時の液組成、すなわち
水浸出ケーク組成及び量に対する添加する水及び塩酸の
量がシリカの析出及びシリカ粒子のろ過性に影響を与え
る。水浸出ケークをリパルプする水の量は、塩酸添加の
際にスラリーの撹拌を容易に行えるものが望ましい。水
の添加が少なすぎると、それだけで当然スラリーは撹拌
しにくくなるが、それに塩酸を添加するとシリカのゾル
化によってスラリーの粘度が急上昇してスラリーは撹拌
が非常に困難なものとなる。いっぽう、この水の添加量
が多すぎると、最終の塩酸抽出液中のZrO2濃度及び
遊離HCl濃度がともに低くなり、その結果、溶解シリ
カ量が多くなり、シリカ粒子のろ過性も低くなる。以上
の関係から、水浸出ケークをリパルプする水の量及び添
加する塩酸の濃度及び量は、上記熟成した塩酸抽出スラ
リーの液相のZrO2換算濃度が9〜16wt%とな
り、かつ、遊離HCl濃度が1〜7wt%となるように
設定するのがよい。その範囲内でも特にZrO2換算濃
度が11〜15wt%で、遊離HCl濃度が2〜6wt
%がより好ましい先ず、リパルプする水の添加量は、塩
酸添加前のスラリーのZrO2含量が20〜35w%の
範囲内になるように行うのが好ましい。この時、塩酸抽
出スラリーを固液分離して得られるろ液の一部を水と併
用してもよい。
【0017】水浸出ケークスラリーへの塩酸の添加量の
上記第1段及び第2段の合計は、スラリー中の水酸化ジ
ルコニウム,ジルコン酸ソーダおよびケイジルコン酸ソ
ーダを分解するのに必要な化学量論量と上記の塩酸抽出
液の遊離HCl濃度を1〜7wt%とする過剰量との合
量とするのが望ましい。少なすぎると目的物であるジル
コニウム分の抽出が不十分になるばかりか、シリカの析
出率が低下し、シリカ粒子のろ過性も低下する。反面、
多すぎると溶解性シリカ量が多くなる。
【0018】先ず、1段目の予備反応は、適度の撹拌下
に、水浸出ケークスラリーと塩酸とを反応槽へ連続添加
する。その際、反応槽内スラリーのpHを4〜10の範
囲に制御することを必須とし、特に、6〜9の範囲がシ
リカの析出率を高くし(溶解シリカ量が低くなる)、ろ
過性をよくするので好ましい。反応槽内のスラリーpH
が4に満たないかまたは10をこえると、いずれの場合
もシリカの析出率が低下し溶解シリカ量が多くなり、か
つシリカ粒子のろ過性も悪くなる。
【0019】予備反応の温度は、40〜80℃が好まし
く、特に60〜80℃がシリカの析出率及びろ過性をよ
り効果的にするので好ましい。反応熱等による発熱があ
るため、スタート時の水浸出ケークスラリーの温度は予
め設定しておくのがよい。該スラリー組成にもよるが、
通常はスタート時のスラリー温度を常温〜50℃に設定
すればよい。
【0020】シリカの析出率及びろ過性に対し効果を発
揮するために、反応槽から液を抜き出すことなく予備反
応を行なわせる場合はリパルプスラリーおよび塩酸の添
加を20分以上かけ、反応槽から液を連続的に抜き出す
方式で行う場合は滞在時間を20分以上とするのが好ま
しく、特に、これらの時間を30分〜2時間とすれば効
果、操作性などの点でより好ましい。20分以下では、
シリカ粒子の前駆体生成が不十分となり、結果的にろ過
性が悪化し、溶解シリカ量も多くなる。
【0021】予備反応で得た前駆体スラリーは、次いで
残りの塩酸と接触させる2段目の反応を行い、次いで熟
成を実施する。この反応・熟成の目的はジルコニウム分
の抽出とシリカの重合・ゲル化を促進し、完了させるた
めの極めて重要な操作である。その操作としては、前駆
体スラリーが入っている反応槽に塩酸を添加するか、又
は、前駆体スラリーと塩酸とを反応槽へ同時に添加する
方式をとればよい。予備反応を連続的に液を抜き出す方
式で行なう場合は、この2段目の反応は後者の前駆体ス
ラリーと塩酸とを同時に添加する方式で行なうのが望ま
しい。前者における塩酸の添加又は後者における前駆体
スラリーおよび塩酸の添加は、反応を急激に行わせない
ように、それぞれ30分以上かけて行うのがよい。反応
温度としては、60℃以上が好ましく、特に80℃以上
がより効果的である。
【0022】これらの添加が終了したら、熟成を実施す
る。熟成は、スラリー温度を80℃以上に保持し、4時
間以上撹拌することによって行なえばよい。この熟成に
よって、ジルコニウム分の抽出及びシリカの重合・ゲル
化がほぼ完了する。温度が低すぎると、ジルコニウム分
の抽出及びシリカ分の重合・ゲル化が不十分となるので
80℃以上が好ましく、90℃以上がより効果的であ
る。保持時間は長いほどジルコニウム分の抽出とシリカ
分の重合・ゲル化が進むので4時間以上が好ましく、よ
り好ましくは6時間以上であり、長い方には制限はなく
任意に決めればよい。
【0023】この反応・熟成に引き続き、スラリーは7
0℃以下に冷却するのが好ましい。この冷却は溶解シリ
カ量を下げるうえで効果的である。温度が低い程シリカ
の溶解度が下がるので70℃以下が好ましく、より好ま
しくは65℃以下である。しかし、下げすぎるとZOC
が析出したり、スラリー粘度が高くなってろ過性が低下
するので、溶解シリカ量,ZOC溶解度,液物性などの
兼ね合いで冷却温度を決めればよく、通常50℃までが
操作性の点で好ましい。
【0024】冷却後、固液分離を実施して、シリカ及び
未反応ジルコンサンドを除去する。固液分離は、フイル
タープレス,減圧吸引ろ過機,プレコート加圧ろ過機等
の通常のろ過手段によって実施すればよい。また、回分
式,連続式いずれの方式をも採用することができる。
【0025】また、高分子凝集剤の添加により、より効
果的に固液分離を実施することができる。高分子凝集剤
としては、カチオン性のポリメタクリル酸エステル,ポ
リアミン;ノニオン性のポリアクリルアミド,ポリエチ
レンオキサイド等を挙げることができる。高分子凝集剤
の添加量は、特に制限はないが、SiO2100重量部
に対して0.5〜5重量部添加するのが好ましい。添加
方法としては、混合分散性の面から水溶液にして添加す
るのがよい。添加時期は固液分離直前が好ましい。
【0026】
【作用】本発明によれば、塩酸抽出スラリーのシリカの
析出率が高く、かつ析出シリカ粒子のろ過性に優れる理
由は、以下のように推定している。
【0027】本発明では酸抽出反応を2段階で行う。先
ずpHを4〜10に維持した条件下の予備反応では、シ
リカの重合及びゾル生成が効率的に行なわれ、次いで、
塩酸酸性下で、そのゾルのゲル化および凝集が進み、シ
リカの粒子成長が促進され、フロック化する。このため
に、最終的に得られるシリカの析出粒子のろ過性が良く
なり、溶解シリカ量も少なくなるものと考えられる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、水浸出ケークから溶解
シリカ量が少なく、ろ過性のよい析出シリカ粒子を有す
る塩酸抽出スラリーが得られ、それによって、高品質の
ジルコニウム塩化物水溶液を効果的かつ効率的に製造す
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】実施例、比較例に用いた水浸出ケークの組
成分析値を以下に示す。
【0031】ZrO2=39.2wt%,Na2O=8.
08wt%,SiO2=5.05wt%,H2O=38.
8wt%,未反応ジルコン砂=8.83wt% 実施例 1 上記組成を有する水浸出ケーク100重量部に水68重
量部を加えてリパルプして原料スラリーを調製した。温
度は35℃で、スラリーpH=12.4であった。
【0032】オーバーフロー管付き800mlガラス製
反応槽に、原料スラリーを21g/minで添加し、ま
た、35wt%HClを槽内のスラリーpHが9.0±
0.5になるように同時に添加した。塩酸の添加速度
は、3.3g/minであった。
【0033】反応温度は定常状態で62℃であった。オ
ーバーフロー管より溢出する前駆体スラリーは、2リッ
トルガラス製セパラブルフラスコに受けた。前駆体スラ
リーとして1458gを回収した。この前駆体スラリー
に対し、35wt%HCl755gを17g/minで
添加した。塩酸の添加が終了した時、スラリー温度は9
0℃となった。次いで温度を90℃に保持しながら8時
間撹拌を継続した後、スラリー温度を60℃に下げた。
このスラリーに高分子凝集剤として0.5wt%ポリエ
チレンオキサイド(PEOと称す)水溶液114gを添
加し0.5時間後、ガラス繊維製ろ紙を装着したブフナ
ーロート(内径20cm)で吸引ろ過した。ろ過に要し
た時間はおよそ2分であった。ろ過ケークを温水247
mlで洗浄し、シリカ粒子および未反応ジルコン砂から
なるケーク324gとZrO2=12.8wt%,Na
Cl=5.1wt%,遊離HCl=4.0wt%および
SiO2=0.018wt%からなるジルコニウム塩化
物水溶液2250gとを回収した。
【0034】比較例 1 35wt%HCl溶液953gに対し、水浸出ケーク7
50gを水510gでリパルプしたスラリーを添加し、
90℃で8時間撹拌した後60℃に冷却し、0.5wt
%PEO水溶液114gを添加し、実施例1と同一条件
で該スラリーのろ過を行なったところ、およそ70gの
液が得られた時点でろ過不能となった。
【0035】実施例 2 実施例1と同一条件、同一装置(2段反応槽)で塩酸抽
出を行った。第1段反応槽のオーバーフロー管より溢出
する前駆体スラリーは約24g/minであり、このス
ラリーと35wt%HClとを20g/minの添加速
度で第2反応槽へ同時に添加した。塩酸量として755
g添加した時点で添加を止めた。温度は90℃であっ
た。温度90℃を維持しつつ8時間撹拌を継続した後、
スラリー温度を60℃に下げ、0.5wt%PEO水溶
液114gを添加し、0.5時間後ろ過を行ったとこ
ろ、およそ1.7分でろ過が終了した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−265519(JP,A) 特開 平2−279504(JP,A) 特開 平2−279503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 25/00 - 25/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコンサンドのアルカリ処理物を水で浸
    出処理を行ない、ろ過して得た水浸出ケークを塩酸処理
    によって抽出して、ジルコニウム塩化物水溶液を製造す
    る方法において、上記水浸出ケークを水でリパルプして
    スラリー(以下、リパルプスラリーという)を調製し、
    該スラリーと塩酸とを、反応槽内のスラリーpHを4〜
    10の範囲に制御しながら反応槽へ連続的に添加して反
    応させて前駆体スラリーを得、該前駆体スラリーと塩酸
    とを反応させ、次いで、熟成して塩酸抽出スラリーを
    得、該熟成を終えた塩酸抽出スラリーを固液分離してジ
    ルコニウム塩化物水溶液を得ることを特徴とする、ジル
    コニウム塩化物水溶液の製造法。
  2. 【請求項2】前駆体スラリーを生成させる反応を、40
    〜80℃で、反応槽から液を抜き出すことなく反応槽に
    リパルプスラリーと塩酸とを20分以上かけて添加して
    行うか、又は反応槽から液を連続的に抜き出しつつ平均
    滞在時間20分以上の条件で行なう、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前駆体スラリーと塩酸との反応を、60℃
    以上で、前駆体スラリーの入っている反応槽に塩酸を3
    0分以上かけて添加するか、又は、反応槽に前駆体スラ
    リーと塩酸を同時に30分以上かけて添加して行なう、
    請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】熟成を、80℃以上、4時間以上の条件で
    行なう、請求項1〜3のいづれかの項記載の方法。
  5. 【請求項5】塩酸抽出スラリーを濾過する前に、70℃
    以下に冷却する請求項1〜4のいづれかの項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】塩酸抽出スラリー固液分離する前に、該ス
    ラリーに高分子凝集剤を添加をする、請求項1〜5のい
    づれかの項記載の方法。
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