JP3318111B2 - キー装置 - Google Patents

キー装置

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JP3318111B2
JP3318111B2 JP9566594A JP9566594A JP3318111B2 JP 3318111 B2 JP3318111 B2 JP 3318111B2 JP 9566594 A JP9566594 A JP 9566594A JP 9566594 A JP9566594 A JP 9566594A JP 3318111 B2 JP3318111 B2 JP 3318111B2
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恒徳 矢野
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株式会社ホンダロック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キー装置に関し、特
に、複製キーの使用を防止することが可能なように構成
されたキー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の自動車用盗難防止装置が提
案されており、例えば特公平4−15141号公報に開
示されているように、イグニッションスイッチを操作す
るためのキーと、車体側に設けられたキーシリンダとの
双方にそれぞれコイルを設け、キーシリンダにキーを差
し込んだ際に両コイル間に磁気回路を形成させて電気的
信号の授受を行うことにより、そのキーが正規のもので
あるか否かを判別するように構成したものが知られてい
る。
【0003】上記従来構成のキーにあっては、キーシャ
ンクと把持部との間に装着された軸状コアにキー側のコ
イルが巻回されており、キーシリンダにキーを差し込ん
だ際に、キーシリンダ側に設けられたコイルの環状コア
にキー側の軸状コアが2箇所で接触して磁気回路を形成
するようにされている。この構造によると、キーシャン
クと把持部とが軸状コアによって分断されてしまうた
め、キーシャンクと把持部との間の結合剛性を高めるこ
とが困難であり、同部分の剛性を十分に確保しようとす
ると、把持部が大型化したり、コイルの組付けが厄介に
なったりするという問題があった。
【0004】他方、キーをキーシリンダに差し込むと、
キーシリンダ側から発せられる電波信号を受信して電力
に変換し、その電力によりコード信号を発するようにし
たものがある。このような構造のキー装置によれば、キ
ー側に電池が不要になり、低コストで、かつ電池交換の
必要がないため小型化が可能になる。しかしながら、上
記したようにキーシリンダ側から発せられる電波信号を
受信して電力に変換する構造のものに於いては、その変
換効率をできるだけ高められることが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
問題点と発明者の知見とに鑑み、本発明の主な目的は、
剛性を確保しつつ小型化し得ると共に電波の電力変換効
率を高め得るキー装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、キーに設けられたキー側コイルアンテナ
と、キーシリンダ側に設けられたキーシリンダ側コイル
アンテナとを有し、前記キーシリンダに前記キーを差し
込んだ際の前記両コイルアンテナ間の電波信号の授受に
よって当該キーが正規キーであるか否かを判別するよう
にしてなるキー装置であって、前記キーシリンダ側コイ
ルアンテナが、前記キーシリンダに前記キーを差し込ん
だ際にキーシャンクの軸心と同軸上に配置されるように
設けられ、前記キーのキーブランクの一部を切り欠いて
形成された受容孔に保持部材が受容され、前記キー側コ
イルアンテナが、前記保持部材に設けられた保持孔内に
その保持内に形成された突部を介して保持されて
り、前記キーシャンクの軸心と前記キー側コイルアンテ
ナとが同軸上に配置されるように、前記保持部材が、前
記受容孔に受容された状態で、前記受容孔に対する挿入
方向に前記キーブランクに当接するつば部と、前記受容
孔の内面に当接する当接部とを有することを特徴とする
キー装置を提供することにより達成される。
【0007】
【作用】このようにすれば、キー側コイルとキーシリン
ダ側コイルとが互いに同軸的に位置することになり、両
者間の同一軸線上を磁束が通るため、電磁誘導による電
力変換効率を高めることができる。また、キーブランク
の一部を切り欠いて形成された受容孔に組み付けられた
保持部材の保持孔内に形成された突部によりキー側コイ
ルアンテナを保持することにより、キーブランクにより
キー側コイルを囲むようにすることができ、キーを回す
操作時などにキー側コイルアンテナに直接的に外力が作
用することを防止しできると共に、キーブランクに一体
化して形成する把持部の剛性を高めることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の好適実施例を添付の図面につ
いて詳しく説明する。
【0009】図1は、本発明が適用された自動車用キー
装置の要部を示す正面図である。図1に於て、キー1
は、イグニッションスイッチ操作用として構成されてお
り、ステアリングコラム2に設けられたキーシリンダ3
のキー孔3aに挿入されるキーシャンク4と、キーシャ
ンク4の一端に一体形成されたキーブランク4aをイン
サートモールドして形成された把持部5とからなってい
る。
【0010】キーシリンダ3は、公知の自動車用イグニ
ッションスイッチと同様に、ステアリングホイールを固
定する「LOCK」位置、イグニッションオフ状態であ
る「OFF」位置、車載機器の一部を作動可能にする
「ACC」位置、イグニッションスイッチをオン状態に
する「ON」位置、及びスタータモータを駆動する「S
T」位置が設定されており、キー1の回動位置に応じて
開閉する機械的接点と、ステアリングシャフトに係合す
るロック機構とに連結されている。
【0011】このキー装置は、キーシリンダ3にキー1
を差し込んで「ON」位置まで回した際にキーシリンダ
3とキー1間で電波信号の授受を行い、キー1側から発
せられるコード信号を車両側に予め記憶されている暗証
コードと照合し、互いのコードが一致したならば、正規
のキーであると判断してエンジンを作動可能にするよう
に構成されている。そのための手段として、キーシリン
ダ3のキー孔3aの入口端側を外囲するようにキーシリ
ンダ側コイル6が設けられると共に、キーシリンダ側コ
イル6との間で電波信号の授受を行うためのトランスポ
ンダ7が、キー1の把持部5に設けられている。
【0012】キー1側に設けられたトランスポンダ7
は、図2に示されるように、キー側コイルとしてのアン
テナ7aと、アンテナ7aと電気的に接続された送受信
回路7bと、送受信回路7bと接続されたICチップ7
cとからなり、両端を丸めた形状で閉じられたガラス管
の内部に受容されている(図5参照)。そして車体側に
設けられたキーシリンダ側コイル6には、コントローラ
8が接続されており、このコントローラ8内には、キー
シリンダ側コイル6と電気的に接続された送受信回路8
aと、送受信回路8aと接続された制御回路8bと、制
御回路8bと接続されたメモリ回路8cとが設けられて
いる。また、制御回路8bには、キーシリンダ3に連動
するON位置検出スイッチSWが接続されている。
【0013】このように構成されたキー装置にあって
は、キーシリンダ3のキー孔3aにキーシャンク4を差
し込み、かつ回転して「ON」位置にすると、ON位置
検出スイッチSWが閉じたことが制御回路8bにより検
出され、コントローラ8が駆動状態になり、送受信回路
8aを介してキーシリンダ側コイル6から電波が発信さ
れる。この電波をトランスポンダ7内のアンテナ7aが
受信すると、電磁誘導作用によってアンテナ7aに起電
力が生じる。この電力を直流に変換して送受信回路7b
及びICチップ7cに供給し、両回路7b・7cを駆動
する。すると、ICチップ7c内に予め記憶されている
固有コードに応じた電波信号が、アンテナ7aから発信
される。
【0014】アンテナ7aから発信された固有コード信
号を、キーシリンダ側コイル6が受信したならば、送受
信回路8aを介して制御回路8bに入力する。制御回路
8bは、メモリ回路8cに予め記憶されている暗証コー
ドと、アンテナ7aからの固有コード信号とを比較照合
する。そして固有コードと暗証コードとが一致したなら
ば、コントローラ8から図示されないエンジン制御回路
に許可信号を出力し、エンジンの作動を可能にする。な
お、エンジン制御回路は、スタータ回路や燃料回路やイ
グニッション回路などをオン状態にする機能を備えてい
る。
【0015】一方、上記コードが不一致の場合には、エ
ンジンの作動を行わないようにする。なお、エンジン作
動可能状態は、最低限キー1を抜くまで有効であれば良
いが、キー1を抜いてから一定時間保持させたり、ある
いは降車してドアをロックするまで保持させたりするよ
うにしても良い。このようにすれば、キー1を抜いた後
に再始動する場合などにコードの比較照合処理を再度行
う必要がなくなるので、省電力化に有効である。
【0016】キー1のキーシャンク4の一端には、キー
1を回動操作する際に把持し易くなる程度に拡幅された
キーブランク4aが一体形成されている。このキーブラ
ンク4aの中間部には、その一部を切り欠いてキーシャ
ンク側が狭くなる台形の受容孔11が開設されており、
この受容孔11によって画成された空隙内に、合成樹脂
製の保持部材12が受容されている。なお、キーブラン
ク4aのキーシャンク4側とは反対側の端部には、キー
ホルダの金具などを通すための縦長の孔9が設けられて
いる。
【0017】保持部材12は、図1のIII−III線に沿う
断面を示す図3及びIV−IV線に沿う断面を示す図4に併
せて示されるように、受容孔11内に受容される主部1
2aと、主部12aの一方の面側の側方に、受容孔11
よりも大きく張り出されたつば部12bとを有してい
る。この保持部材12の主部12aには、トランスポン
ダ7を挿通可能な保持孔12cが、保持部材12の長手
方向に貫通して形成されている。この保持孔12cは、
保持部材12を受容孔11に取付けた状態で、キーシャ
ンク4の軸心と整合する位置に形成されている。
【0018】保持孔12cの内周面には、図4に良く示
されるように、円周を等分割(例えば3等分)する位置
に、保持孔12cの軸線方向に沿う突部としての突条1
2dがそれぞれ設けられている。これらの突条12dの
突出量は、トランスポンダ7を保持孔12c内に挿入
(図5の矢印A参照)した際に、保持部材12の材料自
体の弾力性をもってトランスポンダ7を弾発支持し得る
程度にされている。
【0019】保持部材12の主部12aの側面の適所に
も、当接部としての複数の(例えば一側について2条
宛)突条12eが設けられている。これらの突条12e
の突出量も、受容孔11に主部12aを挿入(図5の矢
印B参照)した際に、保持部材12の材料自体の弾力性
をもって、受容孔11の内面に弾発的に当接し得る程度
にされている。
【0020】このように構成されるキー1を組立てるに
際しては、まず、図5の矢印A方向にトランスポンダ7
を保持部材12の保持孔12c内に挿入する。これによ
り、各突条12dの作用によって保持孔12c内にトラ
ンスポンダ7が圧入状態で保持される。次に、トランス
ポンダ7を保持した状態の保持部材12の主部12a
を、つば部12b側を後にしてキーブランク4aの受容
孔11に図5の矢印B方向に挿入する。すると、各突条
12eの作用によって受容孔11に主部12aが圧入状
態で保持される。ここで、保持孔12cとキーシャンク
4との軸心同士が互いに一致した状態でキーブランク4
aの表面につば部12bが当接するように、つば部12
bの位置が設定されている。即ち、保持部材12をキー
ブランク4aに装着すると、トランスポンダ7内のアン
テナ7aが、キーシャンク4の軸心と同軸上に配設され
ることとなる。
【0021】上記のようにして、トランスポンダ7は、
保持部材12内に突条12dを介して浮いた状態で保持
されるため、外力から保護され、かつ、耐衝撃性が増大
する。そして、トランスポンダ7を保持部材12ごと覆
うようにキーブランク4aの外面を樹脂モールドして把
持部5が成形されるため、トランスポンダ7を把持部5
内に確実に固定することができる。
【0022】このように構成されたキー1をキーシリン
ダ3のキー孔3aに差し込むこと、上記したようにトラ
ンスポンダ7のアンテナ7aとキーシリンダ側コイル6
とが互いに同軸的に対向することになる。アンテナ7の
軸心を通る向きに磁束が生じると磁気効率が最も良く、
従って、キーシリンダ側コイル6に対してトランスポン
ダ7を電磁誘導による電力変換効率に於いて好適に配置
されることになり、キーシリンダ側コイル6との電波通
信を良好に行い得る。
【0023】図6は、本発明によるキー装置の第2の実
施例を示す図1に対応する図であり、図7は、同じく図
4に対応する断面図であり、前記第1の実施例と共通す
る部分には同一の符号を付してその説明を省略する。こ
の第2の実施例に於ては、キーシャンク4に一体形成さ
れたキーブランク4aは、トランスポンダ7の一端に揃
えた長さにされている。即ち、第1の実施例に於ては、
トランスポンダ7の全周を受容孔11で外囲するように
構成したが、本第2の実施例に於ては、トランスポンダ
7の三方を囲うように受容凹部13がコ字形に形成され
ている。そして、トランスポンダ7を保持する保持部材
14は、その主部14aが受容凹部13内に概ね緊密に
受容されるように形成され、つば部14bは、図7に示
されるように、受容凹部13の内周縁を両面から挟み込
むように設けられている。なお、保持部材14の保持孔
14c及び突条14dによるトランスポンダ7の保持構
造は、前記第1の実施例と同様である。
【0024】この第2の実施例に於ても、トランスポン
ダ7の両側方に金属製のキーブランク4aが延在し、か
つキーブランク4aを樹脂モールドすることによって把
持部5が一体成形されており、キー1を回す際にトラン
スポンダ7に応力が加わることを防止し得るようになっ
ている。
【0025】この第2の実施例の組立は、トランスポン
ダ7を保持した保持部材14を、片側に付き一対のつば
部14b間に形成された溝を受容凹部13の開放端側の
対向端縁に係合させた状態で、受容凹部13の奥に向け
て保持部材14を差し込むことによって行われる。その
後、キーブランク4aを保持部材14と共に樹脂モール
ドすることにより、前記第1の実施例と同様の形状の把
持部5が一体成形される。なお、本第2の実施例に於て
も、保持孔14cとキーブランク4aとの軸心同士が互
いに一致するようにされており、キーシリンダ側コイル
6に対するトランスポンダ7の位置が電磁誘導作用によ
る電力変換効率に於て有利となる点は第1の実施例と同
様である。
【0026】
【発明の効果】このように本発明によれば、キー側コイ
ルとキーシリンダ側コイルとが互いに同軸的に位置し、
両者間の電波通信効率を最良化し得る。また、キーブラ
ンクの一部を切り欠いて形成された空隙に組み付けられ
た保持部材の保持孔内に形成された突部によりキー側コ
イルアンテナを保持することから、組み付け性が良く、
また保持部材を介することから、キーを回す際のキー側
コイルに加わる応力を低減し得るため、特別な形状にす
ることなく剛性を確保でき、把持部の小型化が容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用キーの要部を示す正
面図。
【図2】本発明が適用された車両用キー装置の回路を概
略示す回路図。
【図3】図1のIII−III線に沿って見た断面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿って見た断面図。
【図5】本発明が適用された車両用キーの要部分解斜視
図。
【図6】第2の実施例を示す図1に対応する図。
【図7】図6のVII-VII線に沿って見た断面図。
【符号の説明】
1 キー 2 ステアリングコラム 3 イグニッションキーシリンダ 3a キー孔 4 キーシャンク 4a キーブランク 5 把持部 6 キーシリンダ側コイル 7 トランスポンダ 7a アンテナ 7b 送受信回路 7c IC 8 コントローラ 8a 送受信回路 8b 制御回路 8c メモリ回路 9 孔 11 受容孔 12、14 保持部材 12a、14a 主部 12b、14b つば部 12c、14c 保持孔 12d、14d 突条 12e 突条 13 受容凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 49/00 - 49/04 E05B 65/12 - 65/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キーに設けられたキー側コイルアンテ
    ナと、キーシリンダ側に設けられたキーシリンダ側コイ
    ルアンテナとを有し、前記キーシリンダに前記キーを差
    し込んだ際の前記両コイルアンテナ間の電波信号の授受
    によって当該キーが正規キーであるか否かを判別するよ
    うにしてなるキー装置であって、 前記キーシリンダ側コイルアンテナが、前記キーシリン
    ダに前記キーを差し込んだ際にキーシャンクの軸心と同
    軸上に配置されるように設けられ、 前記キーのキーブランクの一部を切り欠いて形成された
    受容孔に保持部材が受容され、 前記キー側コイルアンテナが、前記保持部材に設けられ
    た保持孔内にその保持内に形成された突部を介して保
    持されており、 前記 キーシャンクの軸心と前記キー側コイルアンテナと
    同軸上に配置されるように、 前記保持部材が、前記受容孔に受容された状態で、前記
    受容孔に対する挿入方向に前記キーブランクに当接する
    つば部と、前記受容孔の内面に当接する当接部とを有す
    ることを特徴とするキー装置。
JP9566594A 1994-04-07 1994-04-07 キー装置 Expired - Lifetime JP3318111B2 (ja)

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US08/415,047 US5632168A (en) 1994-04-07 1995-03-31 Key lock device
DE1995632099 DE69532099T2 (de) 1994-04-07 1995-04-01 Schlüsselschloss-Vorrichtung
DE1995635167 DE69535167T2 (de) 1994-04-07 1995-04-01 Schlüssel-Schloß-Vorrichtung
EP20030019327 EP1376480B1 (en) 1994-04-07 1995-04-01 Key lock device
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