JP3318031B2 - 感光性平版印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の製造方法

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JP3318031B2
JP3318031B2 JP5562993A JP5562993A JP3318031B2 JP 3318031 B2 JP3318031 B2 JP 3318031B2 JP 5562993 A JP5562993 A JP 5562993A JP 5562993 A JP5562993 A JP 5562993A JP 3318031 B2 JP3318031 B2 JP 3318031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版の製造
方法に関するものであり、更に詳しくは、感光性組成物
層との接着性の改良された感光性平版印刷版の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版は、一般にブラシグレ
イン法やボールグレイン法の如き機械的な方法や電解グ
レイン法の如き電気化学的な方法あるいは両者を組み合
わせた方法などの粗面化処理に付し、その表面を梨地状
にした後、酸又はアルカリ等の水溶液によるエッチン
グ、陽極酸化処理等を施したアルミニウム板等の支持体
上に、感光性組成物を塗布したものであり、通常、画像
露光、現像、ガム引き等の工程を施して平版印刷版とさ
れる。この平版印刷版は、オフセット印刷機に取り付け
て、画像部の親油性、非画像部支持体の親水性を利用し
て印刷される。
【0003】しかしながら、陽極酸化処理を施しただけ
の支持体の場合、画像部との接着性、親水性、及び、酸
又はアルカリに対する耐食性が不十分であり、また、現
像後、非画像部に感光層中の染料、感光剤、バインダー
樹脂などが残留あるいは不可逆的に吸着され、印刷の
際、非画像部においても油性インキが着肉する、いわゆ
る地汚れ現象が発生しやすい。従って、実際には更に何
らかの親水化処理を施すことが通例となっている。例え
ば、米国特許第2,714,066号明細書、同第3,
181,461号明細書、同第3,280,734号明
細書及び同第3,902,976号明細書には、場合に
より陽極酸化されたアルミニウムを基材とする印刷版支
持体材料を親水化する方法が記載されている。これらの
方法では、該支持体材料を電流なしに、又は電流を用い
て珪酸ナトリウムの水溶液中で処理する。この方法で処
理した支持体を用いた場合、感光層との接着性は良好
で、又、塗布後、速やかに刷版として使用する限りで
は、非画像部の親水性も良好なことから、一応の印刷目
的を達することができる。
【0004】ところが、この方法においても、以下の如
く、いくつかの問題点が指摘できる。上述の珪酸塩水溶
液で浸漬処理(通常は、例えば、3〜5%珪酸ナトリウ
ム水溶液に、60〜80℃で20〜60秒浸漬)したア
ルミニウム板上に、感光液として、特に、感光性ジアゾ
樹脂を含有する組成物を塗布してなるPS板は、画像露
光、現像後の非画像部に、しばしばジアゾ樹脂が微量な
がら残存したまま抜け切れない現象、いわゆる「黄変」
(yellow staining)現象が生じやすい。また、保存安
定性、特に比較的高温多湿の雰囲気での感光性平版印刷
版としての保存安定性が悪く、印刷の際、非画像部がい
わゆる地汚れしやすくなる。このことは、一定期間、保
存安定性を保証することが常識とされるPS版の製造を
目的とする場合、好ましからざる傾向といえる。
【0005】また、特開昭59−101651号公報に
は、保存安定性を改良する方法として、珪酸ナトリウム
水溶液で処理した後、引き続いてスルホン酸基を有する
モノマー単位の少なくとも1種を繰り返し単位として分
子中に含む高分子化合物を設ける方法が記載されてい
る。しかしながら、前記の方法により得られた支持体を
用いた場合には、貯蔵安定性は優れているが、オフセッ
ト輪転印刷機の如きインキ除去性の悪い印刷方式におい
ては、非画像部の汚れた損紙が多くなるという欠点があ
り、また、感光層との接着性を落とす傾向があった。
【0006】また、特開昭59−114100号公報に
は、水蒸気で処理する方法が記載され、この方法では、
印刷版の耐刷性が低下することがないとされている。し
かしながら、この方法でも封孔反応が進みすぎると、ネ
ガ型平版印刷版では非画像部の親水性が低下し、印刷物
に地汚れが発生しやすくなり、耐刷性も低下するという
欠点があった。
【0007】また、米国特許第3,276,868号明
細書及び同第4,153,461号明細書には、場合に
よっては陽極酸化されたアルミニウムを基材とする印刷
版の支持体材料を親水化するためにポリビニルホスホン
酸又はビニルホスホン酸と、アクリル酸及び酢酸ビニル
を基剤とするコポリマーを使用することが開示されてい
る。これらの処理方法では、(a)高温又は高湿条件下
の保存安定性が良好であり、また、(b)現像後の非画
像部に「黄変」現象が生じにくいという特徴があるが、
感光層との接着性が必ずしも十分ではない。また、特開
昭58−16893号公報)には、米国特許第3,27
6,868号明細書及び同第4,153,461号明細
書の方法を改良するために、ポリビニルホスホン酸など
の重合体と少なくとも2価の金属陽イオンの塩との錯体
型反応生成物である親水性有機重合体を設ける方法が記
載されている。しかしながら、前記の方法により得られ
た支持体を用いた場合には、感光層を塗布した後、高温
・多湿条件下に長期間貯蔵した後の現像性が非常に悪く
なるという欠点があった。
【0008】感光層との接着性を改良しようとする試み
として、特開昭54−72104号公報及び特開平2−
123361号公報に開示されている如き陽極酸化した
支持体、又は、更に珪酸塩水溶液で親水化処理した支持
体上に塗布方式によりジアゾ樹脂の下塗り層を設ける方
法がある。
【0009】しかしながら、粗面化表面上へのジアゾ樹
脂の薄膜塗布(1〜500mg/m2)であり高度な塗布技
術が必要であり、また、塗布ムラによる部分的な現像残
りあるいは、印刷の際、地汚れを起こしやすくなる問題
があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、支持体と感光性組成物層との接着性が改良
され、高耐刷力の平版印刷版を与える感光性平版印刷版
の製造方法を提供することにある。本発明が解決しよう
とする他の課題は、簡便な処理法で均一処理が可能であ
り、現像性、非画像部の親水性、及び保存安定性の良好
な感光性平版印刷版の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討した結果、(1)ポリビニ
ルホスホン酸、又は(2)ビニルホスホン酸と他のビニ
ル化合物との共重合体で処理した支持体の場合、ジアゾ
ニウム化合物を含有する溶液で処理するだけで、十分に
効果が得られることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0012】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、粗面化処理し、陽極酸化被膜を施したアルミニウム
板を(1)ポリビニルホスホン酸、又は(2)ビニルホ
スホン酸と他のビニル化合物との共重合体を用いて処理
した後、ジアゾニウム化合物を含有する溶液で処理し、
その基板上に感光性組成物層を設けることを特徴とする
感光性平版印刷版の製造方法を提供する。
【0013】以下、本発明について順を追って詳しく説
明する。
【0014】本発明において用いられるアルミニウム板
はアルミニウムを主成分とする、純アルミニウムや微量
の異原子を含むアルミニウム合金等の板状体である。ア
ルミニウム合金中に含まれる異原子としては、珪素、
鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビス
マス、ニッケル、チタン等が挙げられる。合金中のこれ
らの異原子の含有率は、10重量%以下である。本発明
に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定される
ものではなく、従来公知、公用の素材のものを適宜使用
することができる。本発明に用いられるアルミニウム板
の厚さは、0.1〜0.5mmの範囲が好ましい。
【0015】アルミニウム板を陽極酸化するに先立ち、
表面の圧延油を除去するため、例えば、界面活性剤又は
アルカリ性水溶液で処理する脱脂処理、及び砂目立て処
理が行われる。
【0016】砂目立て処理方法には、機械的に表面を粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解する方法及び化
学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的に表面
を粗面化する方法としては、ボール研摩法、ブラシ研摩
法、ブラスト研摩法、バフ研摩法などと称せられる公知
の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面
化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流によ
り行なう方法がある。また、特開昭54−63902号
公報公報に開示されているように機械的な粗面化法と電
気化学的な粗面化法を組み合わせた方法も利用すること
ができる。
【0017】かくして粗面化された基板は、更に、必要
ならばアルカリエッチング処理、デスマット処理などが
行われる。
【0018】このように処理された表面上に、引き続い
て陽極酸化被膜が設けられる。陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては多孔性酸化被膜を形成するものであれ
ばいかなるものでも良く、一般には、硫酸、リン酸、蓚
酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。陽極酸化
処理の条件については、用いる電解質により異なるため
特定はできないが、一般には、電解質濃度が1〜80重
量%、液温は5〜70℃、電流密度が1〜80A/d
m2、 電圧1〜200V及び処理時間5秒〜10分の範
囲が好ましい。陽極酸化被膜量としては、1〜5g/m2
の範囲が好ましい。
【0019】上記処理を施した後、水洗し、(1)ポリ
ビニルホスホン酸、又は(2)ビニルホスホン酸と他の
ビニル化合物との共重合体の水溶液を用いて処理され
る。
【0020】他のビニル化合物の具体例としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、イタ
コン酸、マレイン酸、アクリル酸エステル類、メタクリ
ル酸エステル類、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−置換マレイ
ミド類、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシスチレン、
酢酸ビニル等が挙げられる。
【0021】(1)ポリビニルホスホン酸、又は(2)
ビニルホスホン酸と他のビニル化合物との共重合体の水
溶液の濃度としては、0.01〜5重量%の範囲が好ま
しく、一般には、室温〜95℃の温度で、2秒〜5分の
処理時間で処理される。処理法としては、通常は上記処
理液の浴に、所定温度で所定時間浸漬することにより行
われる。しかし、別な処理法として、例えば、所定温度
に加熱された上記処理液をアルミニウム板上に、シャワ
ー状にかける方法を取ることによっても同様の目的を達
することができる。
【0022】次いで、ジアゾニウム化合物含有溶液で処
理される。
【0023】ジアゾニウム化合物としては、ジアゾジア
リールアミンと活性カルボニル化合物との縮合物の塩に
代表される感光性ジアゾ樹脂がある。これらのジアゾ樹
脂は、通常、水溶性無機塩の形で得られる。従って、こ
の水溶性ジアゾ樹脂の水溶液として処理することができ
る。
【0024】水溶性ジアゾ樹脂としては、例えば、4−
ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフ
ェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メチルジフェニルア
ミン、4−ジアゾ−3’−メチルジフェニルアミン、4
−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン、4−ジア
ゾ−3−メチル−4’−エトキシジフェニルアミン、4
−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン等とホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ベンズアルデヒド、4,4’−ビス(メトキシメチル)
ジフェニルエーテル等との縮合物の無機塩、例えば、硫
酸塩、リン酸塩、塩化亜鉛複塩等である。
【0025】また、これら水溶性ジアゾ樹脂を特公昭4
7−1167号公報に開示された方法等により適当な有
機酸又は無機酸又はその塩とアニオン交換して、その反
応生成物である実質的に水不溶性で有機溶媒可溶性のジ
アゾ樹脂として使用することもできる。
【0026】有機酸としては、例えば、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレ
ンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、プロピルナフタ
レンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2
−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスル
ホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
−5−スルホン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、ベンゼンホスフィン酸等が挙げられ、無機酸として
は、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸等が
挙げられる。
【0027】これら有機溶媒可溶性のジアゾ樹脂の場合
には、適当な有機溶媒、例えば、メタノール、メチルセ
ロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン等に溶解し、
場合によっては、更に水との混合溶媒に溶解して処理す
ることができる。
【0028】このジアゾニウム化合物を含有する溶液の
濃度は、0.01〜50重量%の範囲が好ましく、0.
1〜10重量%の範囲がより好ましい。
【0029】ジアゾニウム化合部を含有する溶液による
処理条件は、室温〜50℃の温度で2秒〜3分が好まし
く、処理法としては、浸漬法、シャワー法、塗布法等周
知の方法により処理される。
【0030】その後、水洗、及び/又は溶媒洗浄し、乾
燥させて平版印刷版用基板とし、この上に、従来より知
られている光硬化型の感光層を設けて、ネガ型の感光性
平版印刷版を得ることができる。
【0031】上記の感光層の組成物としては、活性光線
に曝されると硬化し、現像液に対して溶解性又は膨潤性
が著しく低下するものであれば、いずれも用いることが
できる。以下、その代表的なものについて説明する。
【0032】(1)感光性ジアゾ樹脂とバインダー樹脂
とからなる感光性組成物 感光性ジアゾ樹脂としては、前述のジアゾジアリールア
ミンと活性カルボニル化合物との縮合物の塩に代表され
るジアゾ樹脂があり、水に不溶性で有機溶媒に可溶性の
ものが好ましい。
【0033】その他の感光性ジアゾ樹脂として、特開昭
54−30121号公報に記載の主鎖にポリエステル基
を持つジアゾ樹脂;特開昭61−273538号公報に
記載の無水カルボン酸残基を有する重合体に水酸基を有
するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂;ポリイソ
シアネート化合物に水酸基を有するジアゾ化合物を反応
してなるジアゾ樹脂等も使用することができる。
【0034】バインダー樹脂としては、例えば(メタ)
アクリル酸[以下、アクリル酸とメタアクリル酸を総称
して(メタ)アクリル酸と称す。]、(メタ)アクリル
酸エステル共重合体、米国特許第4,123,276号
明細書に記載の酸価10から100を有するヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロニ
トリル含有共重合体、特公昭57−43890号公報に
記載の芳香族性水酸基を有する共重合体、特公昭57−
51656号公報に記載の2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピル(メタ)アクリレート単位を有する重合体
等の共重合体;エポキシ樹脂;ポリアミド樹脂;ハロゲ
ン化ビニル、特にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン;ポリ酢酸ビニル;ポリエステル;ホルマール樹脂、
ブチラール樹脂等のアセタール樹脂;エスタンの商品名
で米国グッドリッチ社より販売されている可溶性ポリウ
レタン樹脂;ポリスチレン;スチレン−無水マレイン酸
共重合体又はその半エステル;繊維素誘導体;シエラッ
ク;ロジン又はその変性体などが使用することができ
る。
【0035】更に、特開昭60−182437号公報に
記載の如きブチラール樹脂に残存する水酸基を環状酸無
水物化合物で変性したカルボキシル基を側鎖に有するブ
チラール樹脂、特開昭62−123452号公報に記載
の如きカルボキシル基を側鎖に有するポリウレタン樹脂
等も含まれる。
【0036】(2)付加重合性不飽和化合物と光重合開
始剤を含む感光性組成物 例えば、米国特許2,760,863号明細書及び同
3,060,023号明細書に記載の2個又はそれ以上
の末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性不飽和化
合物と光重合開始剤からなる組成物、特開昭59−46
643号公報に記載の如き高分子の側鎖にアリル基を持
った高分子バインダーを含む光重合性組成物、特開昭5
4−151024号公報、特開昭58−40302号公
報、或いは、特開昭62−161802号公報等に記載
の如きS−トリアジン系化合物を重合開始剤として含む
光重合性組成物等が挙げられる。上記組成物中には、活
性光線を吸収し、光重合開始効率を上げるための増感
剤、また、熱重合防止剤及び酸素効果抑制剤(通常はワ
ックス系化合物)等を含有させることができる。また、
自身が活性光線を吸収して分解するような自己増感型の
光重合開始剤もこれに含まれる。
【0037】(3)上記(1)及び(2)の複合系感光
性組成物 例えば、特開昭59−53836号公報、特開昭62−
288829号公報、特開昭62−289834号公
報、特願平1−137505号公報等に記載の如き上記
(2)に示した光重合性組成物中に、更に感光性ジアゾ
樹脂を含有せしめた組成物がこの範囲に含まれる。当該
組成物に含まれる付加重合可能なエチレン性不飽和基を
有する単量体、光重合開始剤(及び必要ならば光増感
剤)、高分子バインダー及び感光性ジアゾ樹脂に各々相
当する化合物の選択は、相互の相溶性を損なわない限
り、特に限定されるものではない。
【0038】(4)光架橋型樹脂を含む感光性組成物 光架橋型樹脂としては、例えば、特開昭52−9669
6号公報に記載のフェニレンジアクリル酸基を有するポ
リエステル樹脂、特開昭52−988号公報に記載の側
鎖にジメチルマレイミド基を有する重合体、特公昭54
−15711号公報に記載の桂皮酸基とカルボキシル基
を有する共重合体;特開昭60−165646号公報に
記載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を
有するポリエステル樹脂;特開昭60−203630号
公報に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール
性水酸基を有するポリエステル樹脂;特公昭57−42
858号公報に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナ
トリウムイミノジスルホニル基を有するポリエステル樹
脂;特開昭59−208552号公報に記載の側鎖にア
ジド基とカルボキシル基を有する重合体などが使用でき
る。
【0039】上記感光性組成物は、更に必要に応じて染
料、顔料、安定剤、充填剤、架橋剤等を添加し、適当な
溶媒に溶解して支持体上に塗布乾燥して通常0.5〜5
g/m2の感光層を有するネガ型感光性平版印刷版とされ
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0041】(実施例1〜10)及び(比較例1〜6) 〔1〕平版印刷版用支持体の作成 (1−a)電解粗面化法を伴う支持体の作成 0.24mm厚、JIS 1050のアルミニウム版を1
0%水酸化ナトリウム水溶液中、40℃、10秒間、脱
脂処理を行った後水洗し、10%硝酸水溶液中、室温で
30秒間浸漬して中和した後、水洗した。このアルミニ
ウム版を0.5モル/リットルの塩酸水溶液中で、25
℃、電流密度60A/dm2 で30秒間電解粗面化を行っ
た後、5%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、10秒
間処理し、更に中和及び水洗を行った。
【0042】次に、20%硫酸水溶液中で、25℃、電
流密度4A/dm2 で陽極酸化皮膜が3.0g/m2となる
よう陽極酸化処理し、引き続いて水洗した。続いて、6
0℃でポリビニルホスホン酸の0.2%水溶液中に30
秒間浸漬し水洗した。(以上の如く、処理した基板を
(1−a)とする)。この基板は、更に、表−2に記載
の各条件で処理され、表−2の洗浄液で室温で十分洗浄
し、最後に乾燥して平版印刷版用支持体として使用し
た。
【0043】(1−b)機械的粗面化法を伴う支持体の
作成 0.24mm厚、JIS 1050のアルミニウム板を、
表面の平均粗さ(Ra)が0.40μmになるまで40
0メッシュのパミストン水懸濁液を用い、回転ナイロン
ブラシで研摩することにより、アルミニウム基板表面の
粗面化を行った。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶
液中40℃、20秒間エッチング処理し、水洗及び30
%硝酸水溶液中に30秒間浸漬(デスマット処理)し、
再び水洗した。
【0044】次いで、20%硫酸水溶液中、25℃、電
流密度4A/dm2 で陽極酸化被膜が2.5g/m2となる
よう陽極酸化処理し、水洗した。続いて、60℃でビニ
ルホスホン酸、アクリル酸、酢酸ビニル(75/20/
5重量比)からなる共重合体の1%水溶液中に30秒間
浸漬し水洗した。(以上の如く、処理した基板を(1−
b)とする)。この基板は、更に、表2に記載の各条件
で処理され、表2の洗浄液で室温で十分洗浄し、最後に
乾燥して平版印刷版用支持体として使用した。
【0045】〔2〕感光性平版印刷版の作成 前記〔1〕で作成した支持体上に、表−1に示す
(A)、(B)、(C)3種類の感光液のうち、1種類
を選択して、これをホワラーで塗布し、更に90℃、5
分間乾燥して、塗膜重量2.2g/m2の感光性平版印刷
版を得た。
【0046】〔3〕平版印刷版の作成 〔2〕で得られた感光性平版印刷版を、真空焼き枠内
で、網点ネガフィルム及び光学濃度差0.15のステッ
プウェッジを密着させ、1mの距離から1kWのメタルハ
ライドランプにより、光感度が4段ベタとなるよう露光
した。その後、下記組成から成る現像液を用いて、25
℃、30秒間現像して平版印刷版を得た。
【0047】 N−ベンジルエタノール 4.5g メタケイ酸ナトリウム 0.5g 「ペレックスNBL」(花王(株)製) 3.0g 水 92.0g
【0048】
【表1】
【0049】(表中の数値は、いずれも重量部を意味す
る。)
【0050】(*1)バインダー樹脂(1)は、下記モ
ル比のモノマー組成からなる共重合体である。 2−ヒドロキシエチルメタクリレート:N−フェニルマ
レイミド:エチルメタクリレート:メタクリル酸=5
0:15:30:5(重量平均分子量(Mw)=80,
000)
【0051】(*2)バインダー樹脂(2)は、下記モ
ル比のモノマー組成からなる共重合体である。 2−ヒドロキシエチルメタクリレート:アクリロニトリ
ル:エチルメタクリレート:メタクリル酸=35:3
0:30:5(Mw=60,000)
【0052】(*3)バインダー樹脂(3)は、特開平
3−4225号公報の実施例1記載のポリウレタン樹脂
であって、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(1モル)、グリセロール−α−モノアリルエーテル
(0.55モル)及び2,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)プロピオン酸(0.45モル)より合成されたポリ
ウレタン樹脂である。
【0053】(Mw=30,000)
【0054】(*4)ウレタンアクリレート樹脂は、
「ミリオネートMR」(日本ポリウレタン工業(株)製、
MDI系ポリイソシアネート)と、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレートとの付加体である。
【0055】(*5)ジアゾ樹脂(1)は、4−ジアゾ
ジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物
の、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸塩である。
【0056】(*6)ジアゾ樹脂(2)は、4−ジアゾ
ジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物の
ヘキサフルオロリン酸塩である。
【0057】(*7)ジアゾ樹脂(3)は、4−ジアゾ
ジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物の
p−トルエンスルホン酸塩である。
【0058】〔4〕感光性平版印刷版及び平版印刷版の
評価 評価試験方法及び条件を以下に示す。
【0059】(4−1)所定の現像を行った後、その版
について、網点面積率1%の網点画像の剥離の有無をも
って感光層接着性の良否を判定した。 ○…網点剥離なし(接着性良好) ×…網点剥離あり(接着性不良)
【0060】(4−2)作成した平版印刷版をローラン
ドファボリット印刷機に取り付け、印刷インキ「GRA
F−G紅」(大日本インキ化学工業(株)製)、湿し水と
して「DH−78」(大日本インキ化学工業(株)製)の
400倍希釈液にイソプロピルアルコールを5%加えた
ものを用いて印刷を行った。耐刷性は1%網点が印刷物
に再現しなくなる時点(印刷枚数)をもって耐刷性を評
価した。
【0061】(4−3)感光性平版印刷版の保存安定性
評価 〔2〕で得られた感光性平版印刷版を、60℃、相対湿
度75%の状態で2日間保存し、その後所定の露光及び
現像を行った。この際の露光時間は、塗布直後の版の場
合(〔3〕項記載の方法)と同一とした。以上のように
して作成された平版印刷版を、上記(4−2)の条件の
下で印刷し、上記条件での保存に伴う非画像部の地汚れ
の度合いを判定した。
【0062】 ○…全く地汚れなし(保存安定性良好) △…多少地汚れあり( 〃 やや不良) ×…かなり激しい地汚れ( 〃 不良)
【0063】
【表2】
【0064】(*8)A−11のジスアゾ樹脂は、4−
ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物
の硫酸塩((株)栗田化学研究所製)である。
【0065】(*9)A−12のジスアゾ樹脂は、4−
ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物
の塩化亜鉛塩((株)栗田化学研究所製)である。
【0066】(*10)A−13のジスアゾ樹脂は、:
4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮
合物のリン酸塩((株)栗田化学研究所製)である。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、支持体と感光性組成物
層との接着性が改良され、高耐刷力の版が得られる。ま
た簡便な処理法により均一処理が可能であり、現像性、
非画像部の親水性、及び保存安定性の良好な版が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 3/03 501 G03F 7/00 503

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化処理し陽極酸化皮膜を施されたア
    ルミニウム板を(1)ポリビニルホスホン酸又は(2)
    ビニルホスホン酸と他のビニル化合物との共重合体を用
    いて処理した後、ジアゾニウム化合物を含有する溶液で
    処理し、その基板上に感光性組成物層を設けることを特
    徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジアゾニウム化合物含有溶液が水溶性ジ
    アゾニウム化合物含有水溶液である請求項1記載の感光
    性平版印刷版の製造方法。
  3. 【請求項3】 感光性組成物が光硬化性組成物である請
    求項1又は2記載の感光性平版印刷版の製造方法。
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