JP3317604B2 - 結晶形態のカルバペネム化合物 - Google Patents

結晶形態のカルバペネム化合物

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JP3317604B2 JP33762694A JP33762694A JP3317604B2 JP 3317604 B2 JP3317604 B2 JP 3317604B2 JP 33762694 A JP33762694 A JP 33762694A JP 33762694 A JP33762694 A JP 33762694A JP 3317604 B2 JP3317604 B2 JP 3317604B2
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルバペネム化合物に
関し、より詳細には、保存安定性に優れた、次式
(I):
【0002】
【化2】
【0003】で示される(1R,5S,6S)−2−
[1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3−イ
ル]チオ−6−[(R)−ヒドロキシエチル]−1−メ
チルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸の各種結晶
形態に関する。
【0004】
【従来の技術及びその課題】これまでに、種々のカルバ
ペネム化合物が提案され、そのいくつかは既に抗菌剤と
して臨床応用が行われている。しかし、これらはいずれ
も注射剤としてのみ用いられるものであり、未だ経口投
与が可能なカルバペネム化合物は実用化されるに至って
いない。かかる状況に鑑みて、本発明者らは先に、経口
投与が可能なカルバペネム化合物について検討を重ね、
カルバペネム骨格の2位置換基として1−(チアゾリン
−2−イル)アゼチジン−3−イルチオ基を有する上記
式(I)で示される化合物がそれ自体強力な抗菌活性を
示すばかりでなく、当該化合物の3位のカルボキシル基
を特定のエステル残基でエステル化したエステル誘導体
が消化管からの吸収性に優れ、しかも、生体内において
速やかに加水分解されることによって再び上記式(I)
の化合物に変換されること、すなわち、上記エステル誘
導体が式(I)の化合物のプロドラッグとして臨床上優
れた抗菌剤、特に経口投与用抗菌剤となり得ることを見
出し、既に化合物(I)及びそのエステル誘導体に関し
て特許出願を完了している(特願平6−170496
号)。
【0005】一方、ある化合物を医薬品として製品化す
る場合、その化合物の物理的安定性は、製剤化検討から
製品の保存期間にまで関わる重要な課題である。また、
ある化合物を他の医薬品の合成中間体として用いる場合
であっても、その物理的安定性を向上させることは工業
的生産のため原料として保存するうえで重要である。
【0006】本発明は、それ自体優れた抗菌活性を有す
る医薬品として臨床上使用することができ、さらに経口
投与が可能な抗菌剤のプロドラッグの合成中間体として
も有用な上記式(I)の化合物が結晶形態で得られるこ
とを見出し、かかる結晶形態で存在することが式(I)
で示される化合物の物理的安定性を飛躍的に向上させ長
期保存にも耐えることを確認して完成されたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、結
晶形態の上記式(I)で示される(1R,5S,6S)
−2−[1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3
−イル]チオ−6−[(R)−ヒドロキシエチル]−1
−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸を提供
するものである。
【0008】本発明の式(I)で示される化合物は、そ
の結晶中の水の含有率により種々の結晶構造をとるが、
特に、下記の特徴的形態をとることが可能である。すな
わち、本発明が提供する結晶形態の式(I)で示される
化合物としてはその具体的態様として、 (1)4モル相当の水を含んでなる結晶形態の上記式
(I)で示される化合物; (2)粉末X線回折図形において、面間隔(d)11.
01、9.75、7.89、6.26、5.67、4.
89、4.76、4.06、3.82、3.76、3.
62、3.55、3.53、3.41、3.34、3.
29、3.05、2.95、2.76及び2.50オン
グストロームに特徴的ピークを有し、4モル相当の水を
含んでなる結晶形態の上記式(I)で示される化合物; (3)1モル相当の水を含んでなる結晶形態の上記式
(I)で示される化合物; (4)粉末X線回折図形において、面間隔(d)10.
99、9.75、9.07、7.88、7.47、6.
25、5.66、5.50、4.89、4.75、4.
06、3.81、3.75、3.53、3.41、3.
33、3.29、2.95、2.76及び2.50オン
グストロームに特徴的ピークを有し、1モル相当の水を
含んでなる結晶形態の上記式(I)で示される化合物; (5)粉末X線回折図形において、面間隔(d)10.
06、7.48、6.79、6.56、6.18、5.
15、5.03、4.68、4.41、4.17、4.
02、3.74、3.60、3.35、3.28及び
2.92オングストロームに特徴的ピークを有し、水を
含んでいない結晶形態の上記式(I)で示される化合物
等を挙げることができる。
【0009】本発明で提供される式(I)で示される種
々の結晶形態の化合物はいずれも、無晶形態で存在する
式(I)で示される化合物に比べて物理的安定性に優れ
長期保存にも耐える特性を有している。特に、4モル相
当の水を含んでなる結晶形態の式(I)で示される化合
物は、高温や多湿の条件下でも極めて安定に存在し得
る。かかる特性から、本発明の結晶形態の式(I)で示
される化合物は、それ自体を医薬品原体として用いる場
合に製剤化工程や長期保存で分解・劣化するといったこ
とがなく、製品の安定な品質を保証することができる。
また、式(I)で示される化合物を経口投与用抗菌剤で
あるプロドラッグの合成中間体として用いる場合であっ
ても、保存安定性に優れているため、大量合成の原料と
して極めて有用である。
【0010】以下に、本発明の式(I)で示される結晶
形態の化合物の製造法を詳細に説明する。先ず、式
(I)の化合物は例えば後記製造例に示す方法に従って
製造することができ、通常行われる精製手段、例えばろ
過、抽出、洗浄、溶媒留去、カラム又は薄層クロマトグ
ラフィー等に付すことにより無晶形粉末として単離精製
することができる。
【0011】本発明で提供される結晶形態の式(I)で
示される化合物は、上記例示した方法により得られた式
(I)で示される化合物の無晶形粉末を、例えば以下の
方法により結晶化することによって得ることができる。
【0012】すなわち、式(I)で示される化合物の無
晶形粉末を精製水に溶解し、得られる水溶液を放置又は
冷却して結晶を析出させる。溶解に際しては、室温下撹
拌して行うことが好ましいが、必要に応じて加熱するこ
ともできる。式(I)で示される化合物の水溶液の濃度
は、少なくとも約2%(w/v)以上、中でも5%(w
/v)であることが結晶の収率を向上させるためには好
ましい。また、水溶液から結晶を収率よく析出させるた
めに水に混和する適当な有機溶媒を加えることもでき
る。かかる有機溶媒としては例えばアセトン、アセトニ
トリル等を挙げることができ、アセトンがより好まし
い。
【0013】また、式(I)で示される化合物の製造法
において最終生成物を無晶形粉末として取り出すことな
く、式(I)で示される化合物が溶解する水溶液を濃縮
し、この濃縮液に上記有機溶媒を添加して、直接結晶形
態として取り出すこともできる。
【0014】上記の方法で得られる結晶形態の式(I)
で示される化合物は、式(I)で示される化合物1モル
に対して水1モルを含有しており、偏光顕微鏡による観
察によって結晶形態であることが示され、特に粉末X線
回折図形において面間隔(d)10.99、9.75、
9.07、7.88、7.47、6.25、5.66、
5.50、4.89、4.75、4.06、3.81、
3.75、3.53、3.41、3.33、3.29、
2.95、2.76及び2.50オングストロームに特
徴的ピークを有することにより同定される。この結晶形
態の粉末X線回折図形における詳細なピークパターンは
後記実施例1に示す。
【0015】上記の方法で得られる1モル相当の水を含
んでなる結晶形態の式(I)で示される化合物は、それ
自体、無晶形態で存在する式(I)で示される化合物よ
りも物理的安定性が優れているが、かかる結晶形態の式
(I)で示される化合物を以下の方法で更に安定な結晶
形態の式(I)で示される化合物に変換することができ
る。すなわち、1モル相当の水を含んでなる結晶形態の
式(I)で示される化合物を室温で加湿下に放置し、吸
湿平衡させる。この場合の加湿条件は特に制限されるも
のではないが、通常約50〜約95%RHであることが
好ましい。
【0016】上記の方法で得られる結晶形態の式(I)
で示される化合物は、式(I)で示される化合物1モル
に対して水4モルを含有しており、偏光顕微鏡による観
察によって結晶形態であることが示される。また、特に
粉末X線回折図形において、上記1モル相当の水を含ん
でなる結晶形態の式(I)で示される化合物とは明確に
異なるピーク、すなわち面間隔(d)11.01、9.
75、7.89、6.26、5.67、4.89、4.
76、4.06、3.82、3.76、3.62、3.
55、3.53、3.41、3.34、3.29、3.
05、2.95、2.76及び2.50オングストロー
ムに特徴的ピークを有することにより同定される。この
結晶形態の粉末X線回折図形における詳細なピークパタ
ーンは後記実施例4に示す。
【0017】なお、上記の方法で得られる水を含んでな
る結晶形態の式(I)で示される化合物を加熱乾燥すれ
ばその水分が失われ、水を含有しない結晶形態の式
(I)で示される化合物を得ることもできる。この方法
で得られる水を含有しない結晶形態の式(I)で示され
る化合物もまた、粉末X線回折図形において上記他の結
晶形態とは明確に異なるピーク、すなわち面間隔(d)
10.06、7.48、6.79、6.56、6.1
8、5.15、5.03、4.68、4.41、4.1
7、4.02、3.74、3.60、3.35、3.2
8及び2.92オングストロームに特徴的ピークを有す
ることにより同定される。
【0018】以上の方法で得られる結晶形態の式(I)
で示される化合物は、後記試験例の結果から明らかなと
おり、無晶形粉末に比較して極めて優れた物理的安定性
を示し、長期保存に耐えるものである。そのため、その
無晶形態の式(I)で示される化合物に比較して、医薬
品原体として、あるいは他の医薬品の合成中間体として
の有用性が極めて高いものである。
【0019】
【実施例】以下に製造例、実施例及び試験例によって本
発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載
によって何ら限定されるものではない。
【0020】なお、下記記載中の各記号は以下の意味を
有する。 Ac :アセチル PNB:p−ニトロベンジル製造例1
【0021】
【化3】
【0022】(1)3−ヒドロキシアゼチジン・塩酸塩
(1)7.95gの無水メタノール73ml溶液に、室
温下で炭酸水素カリウム5.09gを加え、2−(メチ
ルチオ)チアゾリン9.67gを滴下して20時間加熱
還流する。反応液を室温まで戻した後、さらに炭酸水素
カリウム3.63gを加えて、同温度にて1時間攪拌す
る。反応終了後、沈殿物を濾去し、溶媒を減圧留去後、
得られる残渣にテトラヒドロフラン100mlを加え室
温にて1時間攪拌する。不溶物を濾去し、溶媒を減圧留
去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒:クロロホルム−メタノール)に付すことに
より、3−ヒドロキシ−1−(チアゾリン−2−イル)
アゼチジン(2)を無色結晶として8.23g(収率:
71.5%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.356(t,2
H,J=7.26Hz)、3.70〜4.00(m,4
H)、4.211(t,2H,J=8.21Hz)、
4.622〜4.705(m,1H)、4.971
(s,1H)
【0023】(2)また、他の製造法として、化合物
(1)219mgの無水アセトニトリル1.5ml溶液
を、窒素気流下0℃まで冷却し、この溶液にトリエチル
アミン0.31ml、次いでクロロエチルイソチオシア
ネート250mgの無水アセトニトリル0.3ml溶液
を加えて同温度で30分、次いで室温まで戻して2時間
攪拌する。反応液にジクロロメタンを加え、飽和炭酸カ
リウム水溶液で洗浄後、ジクロロメタン層を硫酸マグネ
シウムで乾燥後減圧下濃縮し、3−ヒドロキシ−1−
(チアゾリン−2−イル)アゼチジン(2)を無色針状
晶として300mg(収率:95%)得た。本品のNM
Rスペクトルは、上記(1)で得られたものと完全に一
致した。
【0024】製造例2
【0025】
【化4】
【0026】(1)上記製造例1で得られた化合物
(2)790mgの無水テトラヒドロフラン2ml懸濁
液に氷冷下にてN,N−ジメチルアミノピリジン6mg
を加え、続いてトリエチルアミン557mg及び塩化メ
シル575mgを氷冷下で滴下し、同温にて40分攪拌
する。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチ
ルを加えて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出した
後、この水層を酢酸エチルでさらに抽出する。得られた
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホル
ム−メタノール)に付すことにより、3−メシルオキシ
−1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジンを無色結晶
として995mg(収率:84.3%)得た。1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz,ppm)
δ:3.07(s,3H)、3.39(t,2H,J=
7.6Hz)、4.03(t,2H,J=7.6H
z)、4.14−4.19(m,2H)、4.37−
4.31(m,2H)、5.28−5.33(m,1
H)
【0027】次いで、上記反応により得られた3−メシ
ルオキシ−1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン1
18mgの無水ジメチルホルムアミド1ml溶液にチオ
酢酸カリウム228mgを室温にて加え、80℃で4時
間攪拌する。反応終了後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチ
ルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した
後、水層を酢酸エチルで逆抽出する。得られる有機層を
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去後、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロ
ロホルム)に付すことにより、3−アセチルチオ−1−
(チアゾリン−2−イル)アゼチジン(3)を淡黄色油
状物質として88mg(収率:81.2%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.333(s,3
H)、3.352(t,2H,J=7.26Hz)、
3.885(dd,2H,J=8.24,5.28H
z)、4.012(t,2H,J=7.26Hz)、
4.250〜4.374(m,1H)、4.426
(t,2H,J=8.25Hz)
【0028】(2)また、他の製造法として、上記製造
例1で得られた化合物(2)119mg及びチオ酢酸2
モル当量を、氷冷下、トリフェニルホスフィン及びジエ
チルアゾジカルボキシレートそれぞれ2モル当量のテト
ラヒドロフラン10ml溶液に加えて、同温度にて1時
間、更に室温にて1時間攪拌する。反応液の溶媒を減圧
下留去して得られる残渣を、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出溶媒:クロロホルム−エタノール)に
付して、3−アセチルチオ−1−(チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジン(3)を107mg(収率:65%)得
た。本品のNMRスペクトルは、上記(1)で得られた
ものと完全に一致した。
【0029】製造例3
【0030】
【化5】
【0031】上記製造例2で得られた化合物(3)1
2.98gをイソプロピルアルコール58.3mlに溶
解し、この溶液に氷冷下水酸化カリウムのメタノール溶
液(1.69規定)37.3mlを加えて10分間攪拌
する。同温度にて、塩酸のメタノール溶液(2規定)6
6mlを加えてクエンチし、室温下15分間攪拌した後
不溶物を濾去する。濾液を濃縮して得られる残渣をイソ
プロピルアルコール39mlに溶解し、不溶物を濾去し
た後濾液を濃縮する。得られる残渣にn−ブタノールを
58.5ml加えて濃縮し、黄白色固体を得る。この固
体にアセトニトリル22.8mlを加え室温で15分間
攪拌して溶解した後、アセトン113.4mlを30分
かけて滴下する。さらにアセトン113.4mlを15
分間かけて滴下し、次いで氷冷下30分間攪拌する。析
出する固体を濾取しアセトン150mlで洗浄し減圧下
で1日乾燥することにより、3−メルカプト−1−
(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジン・塩酸塩
(4)を無色針状晶として10.41g(純度97.5
%、収率80.3%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.57(d,1H,
J=8.2Hz)、3.59(t,2H,J=7.4H
z)、4.02−4.18(m,4H)、4.63
(t,2H,J=7.4Hz)、5.19−5.26
(m,1H)、12.19(s,1H)
【0032】製造例4
【0033】
【化6】
【0034】(1)上記製造例3で得られた3−メルカ
プト−1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン・塩酸
塩(4)700mgを水、アセトニトリル及びクロロホ
ルムの混合溶媒15mlに溶解し、p−ニトロベンジル
(1R,5R,6S)−2−(ジフェニルフォスフォ
リルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]
−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシ
レート(5)1668mgを加える。この溶液に、窒素
気流中氷冷下にて、ジイソプロピルエチルアミン2.8
mlを加えて、同温度にて2時間攪拌する。反応液に酢
酸エチルを加えて飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄した
後、溶媒を減圧下留去して、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン=
1:2)に付して、p−ニトロベンジル (1R,5
S,6S)−2−[1−(チアゾリン−2−イル)アゼ
チジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−
カルボキシレート(6)を1339mg(収率:92
%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.235(d,3
H,J=7.26Hz)、1.349(d,3H,J=
6.27Hz)、3.160(quintet,1H,
J=7.26Hz)、3.265(dd,1H,J=
2.3,6.26Hz)、3.367(t,2H,J=
7.26Hz)、3.898〜4.038(m,4
H)、4.071〜4.147(m,1H)、4.21
2〜4.278(m,2H)、4.372(2H,J=
7.92Hz)、5.255及び5.517(d(A
B),2H,J=13.85Hz)、7.665(d,
2H,J=8.58Hz)、8.226(d,2H,J
=8.58Hz)
【0035】(2)上記反応(1)で得られた化合物
(6)1339mgのテトラヒドロフラン20ml溶液
に、0.38Mリン酸緩衝液(pH6.0)60ml及
び亜鉛末11.2gを加えて2時間激しく攪拌する。反
応液をセライトで濾過して不溶物を除去し、濾液を酢酸
エチルで洗浄した後、pHを5.5に調整する。得られ
た溶液を減圧下濃縮し、この濃縮液をDiaion H
P−40(三菱化成工業株式会社製)によるカラムクロ
マトグラフィー(5%イソプロピルアルコール水)に付
して、無晶形態の(1R,5S,6S)−2−[1−
(チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ
−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸(7)を86
1mg(収率:87%)得た。1 H−NMR(D2 O)δ:1.093(d,3H,J
=6.93Hz)、1.207(d,3H,J=6.2
7Hz)、3.05〜3.20(m,1H)、3.35
7(dd,1H,J=2.3,5.94Hz)、3.5
58(t,2H,J=7.26Hz)、3.920
(t,2H,J=7.26Hz)、4.00〜4.20
(m,5H)、4.20〜4.30(m,1H)、4.
60〜4.70(m,1H) IR(KBr):1740,1640,1590cm-1
【0036】実施例1 上記製造例4(2)で得られた無晶形態の化合物(7)
5.66gを水28mlに溶解した後、室温下で30分
間、次いで氷冷下で30分間撹拌する。析出する結晶を
懸濁液から吸引濾取した後、氷冷水5mlで3回洗浄す
る。得られた結晶を1時間風乾した後、12時間真空下
に乾燥することによって、化合物(7)の無色板状結晶
を5.41g得た。この結晶は化合物(7)に対して1
モル当量の水を含有していた(約4.9%)。また、粉
末X−線回折図形において、下記表1に示すような特徴
的なピークパターンを示した。
【0037】
【表1】
【0038】なお、上記粉末X−線回折においてX−線
源としてはCuのλ=1.5418を用い、面間隔d
(オングストローム)は次の式より求めた。
【0039】
【数1】
【0040】実施例2 上記製造例4(2)で得られた無晶形態の化合物(7)
0.99gを水19mlに溶解した後、アセトン38m
lを加えて室温下で45分間、次いで氷冷下で50分間
撹拌する。析出する結晶を懸濁液から吸引濾取した後、
アセトン2mlで5回洗浄する。得られた結晶を1時間
風乾した後、12時間真空下に乾燥することによって、
化合物(7)の無色板状結晶を0.94g得た。この結
晶の含水量及び粉末X−線回折図形のパターンは、上記
実施例1で得られたものと完全に一致した。なお、粉末
X−線回折分析は上記実施例1と同様の条件で行った。
【0041】実施例3 上記製造例4(1)で得られた化合物(6)4.99g
を0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)100mlに
懸濁させ、この懸濁液にn−ブタノール100ml及び
10%パラジウム炭素(50%含水品)2.49gを加
えて、水素雰囲気下(4気圧)室温で1.5時間接触水
素添加を行う。反応液を濾過して得られる残渣を水25
ml及びn−ブタノール25mlで洗浄し、上記濾液と
合わせて分液する。得られる水層をn−ブタノール50
mlで洗浄した後、この水溶液を減圧下36.8gまで
濃縮する。得られた濃縮液をDiaionHP−40
(三菱化成工業株式会社製)で精製する。回収したフラ
クションを集めて得られる水溶液を減圧下35.2gま
で濃縮した後、この濃縮液にアセトン70mlを加えて
室温下15分間、次いで氷冷下30分間撹拌する。析出
する結晶を懸濁液から吸引濾取した後、アセトン10m
lで結晶を5回洗浄する。得られた結晶を1時間風乾し
た後、12時間真空下に乾燥することによって、化合物
(7)の無色板状結晶を2.86g得た。得られた結晶
のNMRスペクトル及びIRデータは、上記製造例4
(2)で得られたものと完全に一致した。また、この結
晶の含水量及び粉末X−線回折図形のパターンは、上記
実施例1で得られたものと完全に一致した。なお、粉末
X−線回折分析は上記実施例1と同様の条件で行った。
【0042】実施例4 上記実施例1で得られた1モル当量の水を含有する結晶
形態の化合物(7)を、25℃、60%RHの条件下で
24時間放置し、吸湿平衡に到達させる。得られる結晶
は化合物(7)に対して4モル当量の水を含有していた
(約15.8%)。また、粉末X−線回折図形におい
て、下記表2に示すような特徴的なピークパターンを示
した。
【0043】
【表2】
【0044】なお、粉末X−線回折分析は上記実施例1
と同様の条件で行った。
【0045】実施例5 上記実施例1で得られた1モル当量の水を含有する結晶
形態の化合物(7)を、乾燥条件下に1分間に10度の
昇温速度で約124℃まで加熱する。この方法で得られ
る結晶は水を全く含有せず、また、粉末X−線回折図形
において、下記表3に示すような特徴的なピークパター
ンを示した。
【0046】
【表3】
【0047】なお、粉末X−線回折分析は上記実施例1
と同様の条件で行った。
【0048】試験例1 本発明の結晶形態の式(I)で示される化合物の有用性
を、当該化合物自体の抗菌活性を測定することにより確
認した。 (1)試験方法 日本化学療法学会標準法[Chemothrapy, vol29,76
〜79(1981)]に準じた寒天平板希釈法による。
すなわち、被検菌のMueller-Hinton(MH)寒天液体培
地上での37℃、一夜培養液を約106cells/ml になる
ようにBufferedsaline gelatin (BSG)溶液で希釈
し、ミクロプランターを用い試験化合物含有MH寒天培
地に約5μl接種し、37℃で18時間培養後、被検菌
の発育が認められない最小濃度をもってMinimum inhibi
tory concentration(MIC)とした。試験化合物とし
ては、上記製造例4(2)で得られた無晶形態の化合物
(7)を用いた。また、菌株としては標準菌株を用い
た。
【0049】(2)結果 上記試験の結果を下記表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】上記の結果から、本発明が提供する結晶形
態の式(I)で示される化合物は優れた抗菌活性を有
し、それ自体医薬品として臨床応用が可能である有用な
化合物であることが確認された。
【0052】試験例2 本発明の結晶形態の式(I)で示される化合物の物理的
安定性を、無晶形態の式(I)で示される化合物と比較
した。すなわち、上記製造例4(2)で得られた無晶形
態の化合物(7)及び4モル当量の水を含有する化合物
(7)を各々2mg採取し、ガラス瓶に入れて、これを
40℃の恒温室にて14日間放置した。各化合物の放置
7日目、14日目の外観の変化を観察し、また残存量を
HPLCにて測定した。結果は、試験開始時点の量を1
00%とした残存率で表し、下記表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】この結果から明らかなごとく、本発明の結
晶形態の式(I)で示される化合物は、保存安定性が極
めて優れていることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 477/00 A61K 31/425 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末X線回折法において、面間隔(d)
    10.06,7.48,6.79,6.56,6.1
    8,5.15,5.03,4.68,4.41,4.1
    7,4.02,3.74,3.60,3.35,3.2
    8および2.92オングストロームに特徴的ピークを示
    す回折パターンを有する次式(I): 【化1】 で示される(1R,5S,6S)−2−[1−(1,3
    チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ
    −6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
    カルバペン−2−エム−3−カルボン酸の結晶。
  2. 【請求項2】 粉末X線回折法において、面間隔(d)
    11.01,9.75,7.89,6.26,5,6
    7,4.89,4.76,4.06,3.82,3.7
    6,3.62,3.55,3.53,3.41,3.3
    4,3.29,3.05,2.95,2.76および
    2.50オングストロームに特徴的ピークを示す回折パ
    ターンを有する、4モル相当の水を含んでなる請求項1
    記載の式(I)で示される化合物の結晶
  3. 【請求項3】 粉末X線回折法において、面間隔(d)
    10.99,9.75,9.07,7.88,7.4
    7,6.25,5.66,5.50,4.89,4.7
    5,4.06,3.81,3.75,3.53,3.4
    1,3.33,3.29,2.95,2.76および
    2.50オングストロームに特徴的ピークを示す回折パ
    ターンを有する、1モル相当の水を含んでなる請求項1
    記載の式(I)で示される化合物の結晶
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