JP3317061B2 - スタータ - Google Patents

スタータ

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JP3317061B2
JP3317061B2 JP31820594A JP31820594A JP3317061B2 JP 3317061 B2 JP3317061 B2 JP 3317061B2 JP 31820594 A JP31820594 A JP 31820594A JP 31820594 A JP31820594 A JP 31820594A JP 3317061 B2 JP3317061 B2 JP 3317061B2
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正巳 新美
梶野  定義
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関始動用として
用いられるスタータのマグネットスイッチに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来のマグネットスイッチを有するスタ
ータには、例えば実公平1ー24830号公報の第4図
ないし第7図に示されるものがある。これはマグネット
スイッチ24が直流電動機7の上部に配置され、フロン
トブラケット10に螺子11により螺着されている。そ
して、バッテリ接続端子2の固着座面25aは直流電動
機7の後端部に対して軸方向内側に位置している。ま
た、マグネットスイッチ24のキャップ25はバッテリ
ケーブル接続端子2の固着座面25aと直流電動機入力
端子26の固着座面25bとが段差を有して形成されて
おり、これらの固着座面25a、25bにそれぞれバッ
テリ接続端子2および直流電動機入力端子26がワッシ
ャ27を介してカシメ固着されている。そして、この固
着座面25aが固着座面25bより突出しているため、
バッテリケーブル3を周囲360度自在の方向から装着
することができる構成が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
マグネットスイッチを有するスタータにおいて、特に直
流電動機の界磁装置として磁石を用いる低トルク型減速
式スタータに関しては、バッテリ接続端子の固着座部が
直流電動機の後端部より内側方向に位置しているため、
バッテリケーブルが直流電動機の上部に配線され、この
状態でバッテリケーブルに電流が印加されると、これに
よりバッテリケーブルの周囲に磁界が生じ、この磁界に
よって界磁装置の磁石の磁束が変化し、スタータ性能が
その分低下する現象が生じている。さらに、上記スター
タではバッテリケーブルが周囲360度自在の方向から
バッテリ接続端子に装着できるが、直流電動機の上部に
バッテリケーブルが配置されるので、車両より振動を受
けた場合、最悪時にバッテリケーブルが直流電動機に接
触し、バッテリケーブルの絶縁皮膜が剥がれる可能性が
ある。
【0004】そこで本発明は、バッテリケーブルに電流
が印加される時に発生する磁界に対し、直流電動機の磁
界装置の磁束変化を防止すると共に車両が振動を受けた
際、上記ケーブルと直流電動機との接触を防止するスタ
ータのマグネットスイッチを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1では、軸線に沿って移動自在なプランジャ
及びこのプランジャの外周部を取り巻くように配設され
た励磁コイルが内周部に配置された筒状のマグネットス
イッチケーシングと、このマグネットスイッチケーシン
グと並列に配置されるとともに内周部に磁束を発生する
界磁装置が設けられた筒状のモータケーシングと、前記
プランジャの移動に伴って移動される可動接点及びこの
可動接点と接離しバッテリケーブルが接続されるバッテ
リ接続端子と導通する固定接点が内周部に配置され、か
つ前記バッテリ接続端子を軸方向に貫通させて支持する
とともに前記マグネットスイッチケーシングの一端部を
覆う有底筒状のマグネットスイッチカバーと、前記モー
タケーシングの一端部を覆う有底筒状のモータカバ−
と、前記マグネットスイッチカバーに当接し、前記バッ
テリ接続端子に係合されるワッシャと、バッテリケーブ
ルが360度方向から組み付け可能とすべく、前記バッ
テリケーブルと前記ワッシャが当接するワッシャ座面は
前記モータカバーの後端部より軸方向に突出させた構成
としている。
【0006】
【0007】また、請求項2では、請求項1のスタータ
に対して、前記マグネットスイッチケーシングと前記モ
ータケーシングを磁性体材料で一体形成し、前記マグネ
ットスイッチカバーと前記モータカバーを耐熱樹脂材料
で一体形成した構成としている。また、請求項3では、
請求項2のスタータにおいて、前記ワッシャが設けられ
た前記マグネットスイッチカバーの取り付け座面(3
b)は、前記モータカバーの端部(3a)より軸方向に
突出させた構成としている。
【0008】
【0009】また、請求項では、マグネットスイッチ
カバーにあるバッテリケーブルの取り付けられるワッシ
ャ座面がモータカバーの端部より軸方向に突出している
ため、ワッシャ座面とモータカバーの後端部との距離を
長く設定でき、モータ界磁装置の磁束の変化が良好に防
止でき、スタータ出力が低下することはなく、さらに、
車両が振動を受けてもバッテリケーブルが直流電動機の
収納ケーシングと接触することを容易に防止できる効果
がある。
【0010】さらに、請求項では、マグネットスイッ
チケーシングとモータケーシングを磁性体材料で一体形
成し、さらに、マグネットスイッチカバーとモータカバ
ーを耐熱樹脂材料で一体形成したため、部品点数の低減
が図れるとともにスタータ体格が小型化できる優れた効
果もある。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図に示す第1実施例に基づい
て説明する。図1は本発明の第1実施例を示す断面図、
図2は第1実施例のスタータケーシングの正面図、図3
は第1実施例のバッテリケーブルの装着状況を示す説明
図である。1は磁性体材料で一体形成されたスタータケ
ーシングであり、マグネットスイッチ18を収納するマ
グネットスイッチケーシング1aと回転駆動されるアー
マチャ2を収納するモータケーシング1bとを備えてい
る。3は耐熱樹脂材料で一体形成されたスタータカバー
であり、マグネットスイッチケーシング1aの開口部を
覆うスイッチカバー3cとモータケーシング1bの開口
部を覆うモータカバー3dとを備えている。また、モー
タ34はモータケーシング1bとモータカバー3d内に
配置される後述するアーマチャ2を備える。
【0012】モータケーシング1bの内周部には界磁装
置をなす磁石32が配置され、さらに、その内周部にア
ーマチャ2が配置されている。このアーマチャ2は、電
機子コア2aとこの電機子コア2aの外周部に埋設され
た図示されない電機子コイル及び電機子コア2aに圧入
固定されたアーマチャシャフト2bから形成されてい
る。
【0013】アーマチャシャフト2bの一方はスタータ
カバー3の軸受け3eにより回転自在に支持され、他方
は後述する回転出力軸5の凹部に配設した軸受け6によ
り回転自在に支持されている。また、アーマチャシャフ
ト2bの一方にはコンミテータ2cが固定され、このコ
ンミテータ2cの外周部には螺子26により第二の固定
接点28を介してスタータカバー3に固定されたピグテ
ール4aを有するブラシ4が摺動可能に設置されてい
る。アーマチャシャフト2bの他方部は、外周にサンギ
ヤ2dが形成されている。さらに、このアーマチャシャ
フト2bの他方部側には、アーマチャシャフト2bと同
一軸上に位置する回転出力軸5が配置されており、この
回転出力軸5の一端はハウジング8に固設されたセンタ
ーベアリング12に設けた軸受け12bにより可動自在
に支持されているとともに、この回転出力軸5の他端は
軸受け7を介してハウジング8に軸支されている。
【0014】上記回転出力軸5の一端には、外周方向に
突出したフランジ形の突出部5aが形成されており、こ
の突出部5aには周方向に複数の貫通穴5bが設けら
れ、この貫通穴5bと係合するピン10が配置されてお
り、これらピン10には軸受け9を介して遊星歯車11
が回転自在に保持されている。そして、これら遊星歯車
11は上記サンギヤ2dの外周に噛み合っている。
【0015】さらに、上記フランジ形突出部5aの外周
にはセンターベアリング12の内周面にインターナルギ
ヤ12aが配置されている。従って、上記サンギヤ2
d,遊星歯車11、インターナルギヤ12aにより減速
機構を構成している。回転出力軸5のハウジング8側に
は、車両側に図示されないオートマチックトランスミッ
ションとともに装着されたトルクコンバータ13があ
り、このトルクコンバータ13に配置されたリングギヤ
14と噛み合うピニオンギヤ15aが設けられたオーバ
ランニングクラッチ15は回転出力軸5の図示されない
ヘリカルスプラインに係合されている。そして、シフト
レバー16は、一端がオーバランニングクラッチ15に
取り付けられた環状部材17に係合し、他端がプランジ
ャ19のジョイント部19aに係合している。
【0016】また、回転出力軸5はハウジング8により
覆われており、このハウジング8とスタータカバー3と
の間にはスルーボルト33で連結されている。次に、マ
グネットスイッチケーシング1aの内周部にはプランジ
ャ19が配置され、このプランジャ19は黄銅等の非磁
性材料によって構成した円筒状のスリ−ブ20の内部
に、このスリ−ブ20によってガイドされるように軸方
向移動自在に設定され、さらに、このスリ−ブ20の外
周に励磁コイル25が配設されている。
【0017】このスリ−ブ20の端部には、磁性体材料
によって構成されたステ−ショナリコア21が嵌め込み
設定されており、このステ−ショナリコア21の中央部
には、プランジャ19の端面から突出した駆動軸22が
貫通する開口が形成されている。そして、このステーシ
ョナリコア21のプランジャ19と反対側の面に対向し
て、可動接点23が設けられ、この可動接点23が駆動
軸22と一体的に結合されるようにしている。ここで、
プランジャ19とステーショナリコア21との間には圧
縮スプリング24が介在され、このスプリング24によ
ってプランジャ19は常時ステーショナリコア21から
離れる位置に設定されるようにしている。
【0018】ステーショナリコア21の端部は、上記ス
タータカバー3で覆われ、このスタータカバー3の内部
に可動接点23に対向して一対の第一の固定接点27及
び第二の固定接点28が設けけられている。第一の固定
接点27はバッテリ接続端子27aを備え、このバッテ
リ接続端子27aがスタータカバー3に嵌合され、ワッ
シャ29はスタータカバー3の取り付け座面3bと当接
し、バッテリ接続端子27aに係合されている。そし
て、バッテリ接続端子27aはバッテリケーブル30を
ナット31で連結している。また、スタータカバー3の
取り付け座面3b上にあるワッシャ29のワッシャ座面
29aはスタータカバー3の後端部3aより軸方向に長
さLだけ突出している。
【0019】次に、上記構成において、その作動を説明
する。図示されないキ−スイッチをONすると、励磁コ
イル25に通電され、プランジャ19が吸引される。そ
して、ジョイント19aに係合したシフトレバ−16が
図中時計方向に回動される。このシフトレバ−16の回
動により、回転出力軸5の図示されないヘリカルスプラ
インに案内されてオーバランニングクラッチ15が前進
し、さらに、可動接点23と第一の固定接点27及び第
二の固定接点28が閉じ、ブラシ4を介してアーマチャ
2に通電される。そして、磁石32の励磁磁束により、
アーマチャ2が回転する。このアーマチャ2の回転はア
ーマチャシャフト2bのサンギヤ5aを介してインタ−
ナルギヤ12との間に噛み合っている遊星歯車11を減
速して旋回させ、回転出力軸5の突出部5bを減速して
回転させる。
【0020】この減速された回転が回転出力軸5の図示
されないヘリカルスプラインを介してオーバランニング
クラッチ15に伝えられ、そして、オーバランニングク
ラッチ15が回転出力軸15上を摺動し、ピニオンギヤ
15aがリングギヤ14と噛み合い、リングギヤ14が
回転し、エンジンが始動する。エンジン始動後、リング
ギヤ14によってピニオンギヤ15aが逆付勢される
と、オ−バ−ランニングクラッチ15の作用によってリ
ングギヤ14からの回転が伝達されなくなり、アーマチ
ャ2が過回転になることが防止される。始動の完了によ
ってキ−スイッチがOFFされると、マグネットスイッ
チ18への給電が停止され、プランジャ19がスプリン
グ24により戻り、これに伴い可動接点23と第一の固
定接点27及び第二の固定接点28が開き、アーマチャ
2への給電が停止される。そして、ピニオンギヤ15a
はリングギヤ14から離脱する。
【0021】次に、図4は本発明の第2実施例を示すも
のであり、この実施例では、アーマチャを収納するモー
タカバー3dとマグネットスイッチを収納するマグネッ
トスイッチカバー3cを分離したものである。また、マ
グネットスイッチカバー3cの取り付け座面3b上には
ワッシャ29が配設され、ワッシャ29はバッテリ入力
端子27aに係合されている。バッテリケーブルが当接
するワッシャ座面29aはスタータカバー3の後端部3
aより軸方向に長さLだけ突出している。
【0022】上述した実施例によれば、マグネットスイ
ッチカバー3cにあるバッテリケーブル30が当接する
ワッシャ座面29aはモータカバー3dの後端部3aよ
り軸方向に長さLだけ突出しているため、バッテリケ−
ブル30と界磁装置32間の距離が長くとれるので、バ
ッテリケーブル30に電流が印加される時に発生する磁
界に対し、界磁装置32の磁束の変化(減磁)と整流の
悪化が防止でき、スタータ出力が低下することはない。
さらに、バッテリケーブル30が周囲360度方向から
容易にバッテリ接続端子27cに組付け可能であるとと
もにバッテリケ−ブル30がモータ34上に配置されな
いので、車両が振動を受けてもバッテリケーブル30が
モータ34と接触することを防止できる効果がある。
【0023】また、図1に示す本発明の一実施例のよう
にモータカバー3dとマグネットスイッチカバー3cを
一体形成したスタータカバー3とすれば、部品点数の低
減が図れるとともにスタータ体格が小型化できる格別な
効果もある。また、図1の実施例のように、マグネット
スイッチを後退させ、マグネットスイッチ18部後端と
モータ34部後端を同一とし、スタータカバー3を一体
化させることも可能となり、第二の固定端子28から直
接内部においてブラシ4と接続できる構成が可能とな
り、モータリード線が廃止でき、モータリード線の発錆
によるスタータの作動不良が防止できる。
【0024】さらに、上記各実施例においては、マグネ
ットスイッチ18全体がモータ34部の後端側に移動す
ることから、マグネットスイッチ18前部とエンジン取
り付け部とのスペースが空けられ、ピニオンの静止位置
が大きく設定でき、スタータの装着性が向上でき、特に
トルクコンバータ付車両に対しても容易に装着できる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】図1のスタータケーシングの正面図である。
【図3】図1のバッテリーケーブルの装着状況を示す説
明図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1 スタータケーシング 1a マグネットスイッチケーシング 1b モータケーシング 3 スタータカバー 3a モータカバーの後端部 3b マグネットスイッチカバーのワッシャ取り付け座
面 3c マグネットスイッチカバー 3d モータカバー 18 マグネットスイッチ 19 プランジャ 23 可動接点 25 励磁コイル 27 第一の固定接点 27a バッテリ接続端子 28 第二の固定接点 29 ワッシャ 29a ワッシャ座面 30 バッテリケーブル 32 界磁装置(磁石) 34 モータ 100 スタータモータ 118 マグネットスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−12427(JP,A) 特開 昭52−125706(JP,A) 実公 平1−24830(JP,Y2) 米国特許4695735(US,A) 米国特許5003206(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 50/00 - 51/36 F02N 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線に沿って移動自在なプランジャ及び
    このプランジャの外周部を取り巻くように配設された励
    磁コイルが内周部に配置された筒状のマグネットスイッ
    チケーシングと、 このマグネットスイッチケーシングと並列に配置される
    とともに内周部に磁束を発生する界磁装置が設けられた
    筒状のモータケーシングと、 前記プランジャの移動に伴って移動される可動接点及び
    この可動接点と接離しバッテリケーブルが接続されるバ
    ッテリ接続端子と導通する固定接点が内周部に配置さ
    れ、かつ前記バッテリ接続端子を軸方向に貫通させて支
    持するとともに前記マグネットスイッチケーシングの一
    端部を覆う有底筒状のマグネットスイッチカバーと、 前記モータケーシングの一端部を覆う有底筒状のモータ
    カバ−と、 前記マグネットスイッチカバーに当接し、前記バッテリ
    接続端子に係合されるワッシャと、 前記バッテリケーブルと前記ワッシャが当接するワッシ
    ャ座面は前記モータカバーの端部より軸方向に突出させ
    たことを特徴とするスタータ。
  2. 【請求項2】 前記マグネットスイッチケーシングと前
    記モータケーシングを磁性体材料で一体形成し、前記マ
    グネットスイッチカバーと前記モータカバーを耐熱樹脂
    材料で一体形成したことを特徴とする請求項1項記載の
    スタータ。
  3. 【請求項3】 前記ワッシャが設けられた前記マグネッ
    トスイッチカバーの取り付け座面(3b)は、前記モー
    タカバーの端部(3a)より軸方向に突出させたことを
    特徴とする請求項1記載のスタータ。
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JP5-328642 1993-12-24
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