JP3315823B2 - 熱記録方法および装置 - Google Patents

熱記録方法および装置

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JP3315823B2
JP3315823B2 JP23152494A JP23152494A JP3315823B2 JP 3315823 B2 JP3315823 B2 JP 3315823B2 JP 23152494 A JP23152494 A JP 23152494A JP 23152494 A JP23152494 A JP 23152494A JP 3315823 B2 JP3315823 B2 JP 3315823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料に対して
サーマルヘッドより熱エネルギを付与することで画像等
の記録を行った後、当該感熱記録材料を再度加熱し、安
定した濃度の画像を得ることのできる熱記録方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料に対して熱エネルギを付与
し、画像等の記録を行う熱記録装置が普及している。特
に、熱源としてサーマルヘッドを用いることで装置の小
型化を可能としたものが出現している(特開昭59−9
8878号等参照)。なお、このような熱記録装置に適
用される感熱記録材料として、直接記録を行うもので
は、ロイコ型感熱記録紙、ジアゾ型感熱記録紙等が実用
化され、また、熱転写記録を行うものでは、昇華転写型
の熱転写紙が実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
感熱記録材料は、安定した保存状態を維持するため、低
い熱エネルギでは発色しないように構成されている。従
って、所望の発色状態を得るためには、かなりの熱エネ
ルギが必要である。この結果、発色までの熱エネルギの
閾値分だけダイナミックレンジが狭くなり、高階調の画
像を得ることが困難となる不都合がある。また、発色さ
せるための装置側の負担も相当に大きなものとなってし
まう。
【0004】一方、所定の熱エネルギが付与された感熱
記録材料は、その熱エネルギに応じて発色し、画像が可
視化される。この場合、画像が記録された後の感熱記録
材料は、常温保存状態において画像濃度が経時的に高く
なることが知られている。従って、記録直後と所定時間
経過後とでは、画像濃度が異なってしまう不具合があ
る。
【0005】そこで、本発明の目的は、記録後の画像等
の濃度を安定させることができ、また、画像等を記録す
るためのサーマルヘッドのダイナミックレンジを充分に
確保して高階調で且つ高精度な画像等を得ることがで
き、しかも、前記サーマルヘッドに対する負担を軽減し
て装置を簡易且つ廉価なものとすることのできる熱記録
方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、付加される発色熱エネルギに応じた濃
度で発色する感熱記録材料に対して、記録情報に応じて
発熱するサーマルヘッドから発色熱エネルギを付与し、
当該感熱記録材料に前記記録情報を記録する第1の過程
と、前記第1の過程によって記録された前記記録情報の
濃度の経時的変化を抑制すべく、前記記録情報が記録さ
れた前記感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エネ
ルギ未満の熱エネルギを付与する第2の過程と、からな
ることを特徴とする。
【0007】また、本発明は、付加される発色熱エネル
ギに応じた濃度で発色する感熱記録材料に当該感熱記録
材料の発色熱エネルギ未満の熱エネルギを付与して予熱
する第1の過程と、前記予熱された感熱記録材料に対し
て、記録情報に応じて発熱するサーマルヘッドから発色
熱エネルギを付与し、当該感熱記録材料に前記記録情報
を記録する第2の過程と、前記第2の過程によって記録
された前記記録情報の濃度の経時的変化を抑制すべく、
前記記録情報が記録された前記感熱記録材料に当該感熱
記録材料の発色熱エネルギ未満の熱エネルギを付与する
第3の過程と、からなることを特徴とする。
【0008】また、本発明は、付加される発色熱エネル
ギに応じた濃度で発色する感熱記録材料に対して、記録
情報に応じた発色熱エネルギを付与し、前記記録情報を
当該感熱記録材料に記録するサーマルヘッドと、前記サ
ーマルヘッドにより記録された前記記録情報の濃度の経
時的変化を抑制すべく、前記記録情報が記録された感熱
記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エネルギ未満の熱
エネルギを付与する記録後加熱手段と、を備えることを
特徴とする。
【0009】また、本発明は、付加される発色熱エネル
ギに応じた濃度で発色する感熱記録材料に当該感熱記録
材料の発色熱エネルギ未満の熱エネルギを付与して予熱
する予熱手段と、予熱された前記感熱記録材料に対し
て、記録情報に応じた発色熱エネルギを付与し、前記
情報を当該感熱記録材料に記録するサーマルヘッド
と、前記サーマルヘッドにより記録された前記記録情報
の濃度の経時的変化を抑制すべく、前記記録情報が記録
された前記感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エ
ネルギ未満の熱エネルギを付与する記録後加熱手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明は、付加される発色熱エネ
ルギに応じた濃度で発色する感熱層と、導電性の発熱層
とを有する感熱記録材料に対して、記録情報に応じた
熱エネルギを付与し、当該感熱記録材料に前記記録
報を記録するサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドに
より記録された前記記録情報の濃度の経時的変化を抑制
すべく、前記記録情報が記録された感熱記録材料の発熱
層に対して電流を供給することにより、前記感熱層に
色熱エネルギ未満の熱エネルギを付与する記録後加熱手
段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】上記の熱記録方法および装置においては、付加
される熱エネルギに応じた濃度で発色する感熱記録材料
に対して、サーマルヘッドから記録情報に応じた熱エネ
ルギを付与して可視画像を記録した後、発色熱エネルギ
未満の温度で再度加熱することにより、発色反応が促進
されて安定した濃度の画像等を得ることができる。ま
た、サーマルヘッドによる可視画像等の記録に先立っ
て、当該感熱記録材料を発色熱エネルギ未満の温度に予
熱しておけば、記録時におけるサーマルヘッドのダイナ
ミックレンジを充分に確保することができ、これによっ
て高階調画像等を容易に得ることができる。
【0012】
【実施例】本発明に係る熱記録方法および装置につい
て、実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細
に説明する。なお、以下の実施例では、サーマルヘッド
は、感熱記録材料に対して多階調記録を行うように制御
されるものとする。
【0013】図1に示す熱記録装置10は、矢印B方向
に搬送される感熱記録材料Sに対してサーマルヘッド1
2から熱エネルギを付与することにより画像等を記録す
るものである。この熱記録装置10は、前記矢印A方向
に多数の抵抗発熱体を配列したサーマルヘッド12を画
像等の濃度に応じて駆動するドライバ11と、感熱記録
材料Sのサーマルヘッド12が当接する部位よりも上流
側に配設される予熱部13と、感熱記録材料Sのサーマ
ルヘッド12が当接する部位よりも下流側に配設される
記録後加熱部15とから基本的に構成される(図2参
照)。この場合、感熱記録材料Sは、サーマルヘッド1
2とプラテンローラ14とによって挟持される。予熱部
13は、感熱記録材料Sを挟持する一対のヒートローラ
28a、28bと、一方のヒートローラ28aに対して
電流を供給する電源30とを有する。記録後加熱部15
は、感熱記録材料Sを挟持する一対のヒートローラ34
a、34bと、一方のヒートローラ34aに対して電流
を供給する電源36とを有する。電源30、36および
ドライバ11は、制御部38によって制御される。な
お、感熱記録材料Sは、図2に示すように、支持体42
上に感熱層46が形成されており、図3の特性曲線aお
よびbで示す発色特性を備えている。
【0014】熱記録装置10は、基本的には以上のよう
に構成されるものであり、次に、その動作について説明
する。
【0015】制御部38は電源30を駆動し、感熱記録
材料Sをヒートローラ28a、28b間に挟持した状態
で矢印B方向に搬送しながら予熱を行う。すなわち、感
熱記録材料Sは、ヒートローラ28aの発熱により発色
直前の温度まで予熱される。図3の特性曲線aは、感熱
記録材料Sに付与された温度と、その温度を付与した後
十分に時間が経過した時の発色濃度との関係を示したも
のである。この場合、感熱記録材料Sは、発色直前の温
度T1まで予熱される。
【0016】次に、制御部38は、ドライバ11を介し
てサーマルヘッド12を駆動する。サーマルヘッド12
は、各抵抗発熱体を記録される画像の階調に応じて発熱
させ、矢印B方向に搬送される感熱記録材料Sを矢印A
方向に対して加熱する。この場合、感熱記録材料Sの感
熱層46には、サーマルヘッド12からの所定の熱エネ
ルギが付与され、階調画像が記録される。
【0017】ここで、感熱記録材料Sは、ヒートローラ
28aより付与された熱エネルギによって図3に示す温
度T1まで予熱されているため、前記サーマルヘッド1
2を熱記録装置10が設置された場所の室温から温度T
2までの広い範囲で制御する必要はない。この場合、感
熱記録材料Sは、サーマルヘッド12を温度T1から温
度T2の範囲で制御することで、加熱当初において特性
曲線bに従って発色し、高階調の画像が形成される。ま
た、サーマルヘッド12は、高出力を要求されないた
め、熱記録装置10全体の構成も簡素化され、且つ、廉
価なものとなる。
【0018】次いで、階調画像の記録された前記感熱記
録材料Sは、ヒートローラ34a、34b間に挟持され
た状態で矢印B方向に搬送されることで、再び加熱され
る。すなわち、制御部38は、電源36を駆動し、記録
後加熱部15を構成するヒートローラ34aを介して感
熱記録材料Sを加熱し、これによって、前記感熱記録材
料Sを発色直前の温度T1まで加熱する。この場合、サ
ーマルヘッド12によって既に発色を開始している感熱
記録材料Sは、再び温度T1まで加熱されることにより
発色反応が促進され、その濃度は特性曲線aに示される
濃度まで上昇する。
【0019】ここで、前記感熱記録材料Sは、サーマル
ヘッド12によって熱エネルギが付与されると、図3の
特性曲線bに従って発色する。次いで、その濃度は電源
36から供給される電流により再び温度T1まで加熱さ
れることで特性曲線aで示される濃度まで上昇する。そ
のため、例えば、濃度Daを得るためには、サーマルヘ
ッド12によって感熱記録材料Sを温度Tまで加熱し、
濃度Dbが得られるように制御を行えばよい。
【0020】以上のように、サーマルヘッド12によっ
て画像を記録した後、再び発色直前の温度まで感熱記録
材料Sを加熱することにより、発色反応を短時間で完了
させることができ、しかも、その後の経時変化のない長
期的に安定した濃度の画像を得ることができる。
【0021】さらに、感熱記録材料Sとして紫外線硬化
性のマイクロカプセルに発色剤を封入したものを選択
し、且つ、記録後加熱部15よりも下流側に、図1およ
び図2の点線で示すように、紫外線ランプ50を配設
し、上記の記録後加熱を行った後、紫外線定着を行うこ
とで、一層確実に画像の濃度を安定化させることができ
る。すなわち、サーマルヘッド12によって発色に必要
なマイクロカプセルの分解が終了した後、記録後加熱部
15によって感熱記録材料Sの記録後加熱を行い、さら
に、感熱記録材料Sに紫外線ランプ50からの紫外線を
照射すれば、残余のマイクロカプセルが硬化して分解が
抑制され、さらに経時変化が生じることのない長期的に
安定した濃度の画像を得ることができる。
【0022】なお、前記実施例では、感熱記録材料Sを
ヒートローラ28a、28bおよび34a、34bで挟
持しながら搬送するように構成しているため、加熱後の
感熱記録材料Sの変形を回避し、あるいは、変形を矯正
することができる。
【0023】記録後加熱手段を、図4Aに示すように、
矢印B方向に対して複数のヒートローラ58a、58b
を配列した場合、前記感熱記録材料Sの記録後の加熱温
度を安定的且つ高精度に設定することができる。すなわ
ち、図2の場合において、ヒートローラ34aの熱容量
が小さいと、感熱記録材料Sによって熱が奪われてしま
い、加熱温度にむらが生じるおそれがある。そこで、図
4Aに示すように、感熱記録材料Sを予めヒートローラ
58aで加熱した後、さらに、ヒートローラ58bで所
定の加熱温度となるようにすれば、当該加熱温度を正確
な温度に維持することができる。同様に、図4Bに示す
ように、ヒートローラ58aの後段に加熱光源60を設
け、ヒートローラ58aによる加熱後、加熱光源60に
よって感熱記録材料Sをさらに加熱することにより同様
の効果を得ることができる。さらに、図4Cに示すよう
に、ヒートローラ58bでの感熱記録材料Sの加熱に先
立って加熱光源60で輻射加熱を行うことによっても同
様の効果を得ることができる。また、前段の記録後加熱
手段で加熱に必要なエネルギの大部分を与えるようにす
ることで、後段の手段の負担を小さくすることができ、
さらに高精度な記録後加熱が可能となる。なお、予熱手
段の場合も同様に構成することができる。
【0024】図5は、熱伝導率の低い薄肉ベルト62を
巻装させた一対のニップローラ64a、64bおよび6
5で感熱記録材料Sを挟持搬送し、前記薄肉ベルト62
を介してヒータ66により前記感熱記録材料Sを記録後
加熱するように構成したものを示す。この場合、感熱記
録材料Sは、熱伝導率の低い薄肉ベルト62を介して必
要部分のみが加熱されるため、容易且つ正確に記録後の
加熱温度を制御することができる。また、前記ヒータ6
6は薄肉ベルト62によって囲繞されているため、加熱
により発生した対流空気を感熱記録材料Sの側部方向に
逃がすことができる。さらに、感熱記録材料Sは、ヒー
タ66に直接接触していないため、傷等が生じるおそれ
もない。
【0025】図6は、感熱記録材料Sに対して、電源3
6より電流が供給される赤外線ヒータ68をサーマルヘ
ッド12により加熱される面の反対側に近接配置し、前
記赤外線ヒータ68より放射される赤外線を吸収させ、
これによって、前記感熱記録材料Sを記録後加熱するよ
うにしたものである。この場合、感熱記録材料Sに対し
て赤外線ヒータ68が接触することがないため、前記感
熱記録材料Sを支障なく搬送することができる。
【0026】なお、前記赤外線ヒータ68を用いる代わ
りに、図7に示すように、温風ヒータ70を用いて温風
を感熱記録材料Sに送給して記録後加熱することも可能
である。この場合、感熱記録材料Sは、両面から前記温
風ヒータ70によって加熱されるように構成することも
できる。
【0027】また、感熱記録材料Sは、図8Aおよび図
8Bに示す赤外線ヒータ72を用いて記録後加熱するこ
ともできる。この場合、前記赤外線ヒータ72を囲繞す
る反射板74は、感熱記録材料Sの搬送方向(矢印B方
向)と直交する幅よりも長尺に設定しておけば、加熱さ
れた空気を反射板74の両端部から外部に逃がすことが
できるため、前記空気の対流により無用な部分が加熱さ
れることがなく、また、対流によって生じる加熱むらが
なくなり、従って、高精度な記録後加熱制御を行うこと
ができる。
【0028】図9は、赤外線ヒータ76を囲繞する断熱
ケーシング78と、感熱記録材料Sの記録部に指向して
形成された開口部に装着されるフィルタ80とで密閉構
造とした加熱部82を用いて、前記感熱記録材料Sの記
録後加熱を行うように構成したものを示す。この場合、
感熱記録材料Sは、前記フィルタ80を介して照射され
た赤外線によって必要部分のみ加熱されるため、熱記録
装置10における余分な温度上昇が生じない。また、加
熱部82が密閉構造であるため、前記赤外線の熱によっ
て熱記録装置10内に空気の対流が生じにくく、従っ
て、感熱記録材料Sの記録部位の局部的な加熱を高精度
に行うことが可能となる。なお、断熱ケーシング78に
設けた開口部が充分に狭小なものであれば、フィルタ8
0を設けなくてもよい。
【0029】図10は、感熱記録材料Sの主走査方向
(矢印A方向)に長尺な近赤外光を出力する近赤外ラン
プ84を用いた記録後加熱部85を示す。この構成で
は、サーマルヘッド12の下流側に配設した前記近赤外
ランプ84と感熱記録材料Sとの間に、主走査方向に長
尺なシリンドリカルレンズ88が配置されている。この
場合、感熱記録材料Sの支持体42または感熱層46
に、前記シリンドリカルレンズ88を透過する所定の波
長の近赤外光を吸収する色素を含有させておけば、当該
感熱記録材料Sを効果的に記録後加熱することができ
る。すなわち、シリンドリカルレンズ88を用いて近赤
外光を感熱記録材料S上に集光することができるため、
短時間で効率的に加熱を行うことができる。また、シリ
ンドリカルレンズ88の使用、あるいは、シリンドリカ
ルレンズ88の透過波長および近赤外光吸収色素の選択
によって、加熱範囲を必要部分のみに限定することがで
きるため、一層正確に加熱を行うことが可能である。な
お、この実施例では、記録用のサーマルヘッド12と同
一方向から感熱記録材料Sを加熱するようにしている
が、いずれの方向からであっても加熱を行うことができ
る。
【0030】また、図11に示すように、点状の近赤外
ランプ90を用い、前記近赤外ランプ90とシリンドリ
カルレンズ88との間に、一端側が前記近赤外ランプ9
0に近接して収束し、他端側が前記シリンドリカルレン
ズ88の長手方向に沿って延在する導光部材92を配設
して記録後加熱部93を構成することもできる。この場
合、前記導光部材92は、点光源である近赤外ランプ9
0からの近赤外光を線状光源とし、シリンドリカルレン
ズ88を介して感熱記録材料Sに導くため、例えば、線
状の光源を用いた場合のように、光源の発光特性のむら
に起因する加熱のむらを回避することができる。
【0031】図12は、物質αの融点を利用した記録後
加熱部94を示す。この記録後加熱部94は、感熱記録
材料Sの画像記録後の所定加熱温度において溶融し、固
体から液体に変化する物質αを収容するケーシング96
を前記感熱記録材料Sに対して接触させたもので、前記
物質αはヒータ98によって加熱溶融され、また、温度
センサ100により検出された物質αの温度は、制御部
102によって一定温度に制御される。この場合、前記
物質αが固体から液体に変化する時の融点温度は、外部
から付与されるエネルギに対して安定しているため、高
精度な温度制御を容易に実現することができる。なお、
物質αの例として、2N2 4 ・H2 SO4 (融点約8
5℃)、低融点はんだ(融点約100℃)、チオ・アセ
タミド(thio−acetamide)(融点約11
5℃)、トリ・ブロモ・アセチック・アシッド(tri
−bromo acetic acid)(融点約13
5℃)、In(融点約155℃)等を使用することがで
きる。
【0032】図13は、物質βの沸点を利用した記録後
加熱部104を示す。この記録後加熱部104は、感熱
記録材料Sの画像記録後の所定加熱温度において沸騰
し、液体から気体に変化する物質βを収容するケーシン
グ106を前記感熱記録材料Sに対して接触させたもの
で、前記物質βはヒータ98によって加熱沸騰し、ま
た、温度センサ100により検出された物質βの温度
は、制御部102によって一定温度に制御される。さら
に、物質βは、管路108aを介して冷却ユニット11
0に供給されて冷却され、再び、管路108bを介して
ケーシング106内に復帰される。この場合、前記物質
βが液体から気体に変化する時の沸点温度は、外部から
付与されるエネルギに対して安定しているため、高精度
な温度制御を容易に実現することができる。なお、物質
βの例として、エチルアルコール(沸点約78.5
℃)、水(沸点約100℃)、アセチック・アシッド
(aceticacid)(沸点約118.1℃)、ア
セチック・アンヒドライド(acetic anhyd
ride)(沸点約140℃)等を使用することができ
る。
【0033】また、非接触で加熱する手段として、他に
電磁波等の手段を用いることもできる。図14は、高周
波誘導コイル112を用いた記録後加熱部113の構成
を示す。この場合、金属からなる支持体を有する感熱記
録材料Saに対して、高周波誘導コイル112を近接配
置し、これを制御部114の制御下に駆動して前記感熱
記録材料Saを記録後加熱する。高周波誘導コイル11
2は、感熱記録材料Saの加熱部に沿ってスリット11
6aが形成されたケーシング116で囲繞され、シール
ド状態となっている。従って、感熱記録材料Saは、画
像の記録された部分のみが加熱されるため、滲み等のな
い高精度な画像が形成される。
【0034】なお、上述した図5乃至図14の実施例
は、予熱手段の場合にも同様に適用される。
【0035】図15は、予熱手段および記録後加熱手段
として誘加熱を利用した構成を示す。この構成では、
金属体を含まない感熱記録材料Sの記録部近傍の中、プ
ラテンローラ14側に2つの電極118a、120aを
設けるとともに、前記電極118a、120aに対向し
て電極118b、120bを設け、これらの電極118
a、118b間および120a、120b間に電源30
より高周波電界を印加することにより、前記感熱記録材
料Sの予熱および記録後加熱を行う。この場合、電極1
18a、118b間に生じた誘電エネルギによって感熱
記録材料Sが所望の温度に予熱され、その状態でサーマ
ルヘッド12によって画像の記録が行われる。次いで、
感熱記録材料Sの下流側の電極120a、120b間に
生じた誘電エネルギによって感熱記録材料Sが記録後加
熱され、これによって感熱記録材料Sの発色が安定化す
る。
【0036】なお、前記の構成において、電源30を制
御して高周波電界を電極118a、118b間および1
20a、120b間にパルス的に印加することができ
る。従って、感熱記録材料Sをパルス的に高温とするこ
とができる。この場合、感熱記録材料Sに使用される感
熱層46の成分は、パルス的な加熱によって感度が向上
することが知られている。また、誘電加熱においては、
熱伝導率の大きな金属材料を感熱記録材料Sに使用する
必要がないため、感熱記録材料Sの局部的な温度制御を
短時間で且つ正確に行うことができ、従って、高精度な
画像記録を高速度で実行することが可能となる。
【0037】図16は、次なる実施例の熱記録装置12
2を示す。この場合、図1に示す熱記録装置10と同一
の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略
する。
【0038】熱記録装置122に用いられる感熱記録材
料Sbは、図17に示すように、支持体42上に感熱層
46が形成されるとともに、その側部に図3の特性曲線
cで示されるように、感熱層46(特性曲線aおよびb
で示される発色特性を有する)よりも低い温度で発色す
る発色特性を有する感熱発色部124が形成されてい
る。一方、熱記録装置122は、前記感熱記録材料Sb
の上流側に当接する予熱手段としてのヒートローラ28
aと、前記感熱記録材料Sbの感熱発色部124に近接
配置される濃度計126と、ドライバ11を制御すると
ともに、前記濃度計126によって検出された感熱発色
部124の濃度に基づいて電源30を制御する制御部1
28とを備える。また、感熱記録材料Sbの下流側は、
記録後加熱手段としてのヒートローラ34a、34bに
よって挟持される。前記ヒートローラ34a、34bの
温度は、制御部128によって制御される電源36で調
整される。
【0039】このように構成された熱記録装置122で
は、制御部128の制御下に電源30がヒートローラ2
8aに電流を供給し、当該ヒートローラ28aを加熱す
る。そして、前記ヒートローラ28aによって感熱記録
材料Sbが予熱される。この時、感熱記録材料Sbの感
熱層46の濃度には変化が生じないが、感熱発色部12
4の濃度は変化する。そこで、濃度計126は、前記感
熱発色部124の濃度を検出し、その濃度データを制御
部128に供給する。制御部128は、前記濃度データ
が温度T1における濃度D1となるように電源30を制
御し、感熱記録材料Sbが温度T1に予熱される。この
場合、感熱記録材料Sbの温度が直接的に検出されるこ
とになるので、予熱温度を高精度に調整することができ
る。次いで、サーマルヘッド12により加熱されること
により、図3に示す特性曲線bに従って当初発色し、画
像が記録される。その後、制御部128は、電源36の
制御下にヒートローラ34aを介して感熱記録材料Sb
を記録後加熱する。加熱された感熱記録材料Sbは、図
3に示す特性曲線aで示される濃度まで発色することに
より、その濃度が安定化する。なお、予熱温度を調整す
るとともに、サーマルヘッド12の出力を前記予熱温度
に基づいて調整すれば、一層高品質な画像を得ることが
可能となる。
【0040】ここで、前記感熱記録材料Sbの代わり
に、図18に示す感熱記録材料Scを用いることもでき
る。すなわち、この感熱記録材料Scは、温度に応じた
濃度に発色し、且つ、温度が低下すると元の濃度に戻る
サーモクロミック等から構成される予熱発色層130を
支持体42上に設け、前記予熱発色層130上に未発色
時において光透過性を示す感熱層46を設けたものであ
る。そして、前記予熱発色層130の予熱後の濃度を濃
度計126で測定することにより、予熱温度の調整を行
うことができる。この場合、予熱発色層130の濃度
は、画像記録後の温度低下に伴って元の濃度に戻るた
め、その濃度が感熱層46の画像濃度に影響を与えるこ
とはない。従って、このような感熱記録材料Scを用い
た場合、画像記録域が予熱発色層130によって制限さ
れることがなく、また、濃度計126の配置の自由度も
向上する。例えば、支持体42を光透過性の材料で構成
すれば、前記濃度計126を支持体42側に配置するこ
ともできる。
【0041】図19は、サーマルヘッド12による加熱
位置と記録後加熱部15を構成するヒートローラ34
a、34bとの間に、LED125から発せられ感熱記
録材料Sを透過した光の強度を検出する光検出器127
を配設し、前記光検出器127からの検出信号に基づき
記録後加熱部15の温度を制御する実施例の構成を示
す。この場合、サーマルヘッド12から一定レベルの熱
エネルギを感熱記録材料Sの画像記録域外の部分に付与
し、それによる前記感熱記録材料Sの発色濃度をLED
125から発せられた光の透過光強度として光検出器1
27により検出する。そして、前記光検出器127によ
り検出された検出信号に対応する感熱記録材料Sの発色
濃度が所定の濃度となるように、制御部128によって
記録後加熱温度を制御する。
【0042】ここで、前記感熱記録材料Sは、図20に
示すように、予熱温度または記録後加熱温度を高くする
に従って発色濃度が高くなる特性を有している。すなわ
ち、室温に保持された感熱記録材料Sを予熱部13によ
り予熱することなく、直接サーマルヘッド12で加熱記
録を行った場合、感熱記録材料Sは特性brに従って発
色する。また、感熱記録材料Sを予熱部13により予熱
温度T0(T0>室温)まで予熱した後、サーマルヘッ
ド12で加熱記録を行った場合、特性b0 に従って発色
する。さらに、感熱記録材料Sを予熱部13により発色
直前の予熱温度T1(T1>T0)まで予熱した後、サ
ーマルヘッド12で加熱記録を行った場合、特性bに従
って発色する。一方、前記特性b0 に従って発色した感
熱記録材料Sを記録後加熱部15により記録後加熱温度
T3(T3>T0)まで加熱した場合、発色濃度は特性
2 に従って高くなる。また、特性b0 に従って発色し
た感熱記録材料Sを記録後加熱部15により発色直前の
記録後加熱温度T1(T1>T3)まで加熱した場合、
発色濃度は特性aに従って高くなる。
【0043】そこで、図19に示す実施例の場合、例え
ば、特性b0 (予熱温度T0)に従って予熱された後、
一定レベルのサーマルヘッド12で加熱記録された感熱
記録材料Sの画像記録域外の部分の発色濃度がDb0
あったとし、所望の発色濃度がDa2 であるとすると、
制御部128は特性a2 が得られるように記録後加熱部
15の温度をT3に制御する。この結果、所望の濃度の
画像を得ることができる。なお、前記のように、記録後
加熱温度を制御するとともに、予熱温度を制御し、ある
いは、サーマルヘッド12の出力を制御するようにして
もよい。
【0044】図21は、図19に示すLED125およ
び光検出器127を記録後加熱部15の下流側に配設
し、サーマルヘッド12によって感熱記録材料Sに形成
されたステップエッジの濃度を測定して階調変換テーブ
ル131を修正する実施例の構成を示す。この場合、予
熱部13および記録後加熱部15は、所定の予熱温度お
よび記録後加熱温度、例えば、発色直前の温度T1に調
整されており、その状態において、テストデータに基づ
きサーマルヘッド12により濃度が段階的に変化するス
テップエッジがテスト用の感熱記録材料Sに形成され
る。前記ステップエッジの記録された感熱記録材料S
は、記録後加熱部15によって記録後加熱された後、そ
の濃度が光検出器127により検出される。そこで、制
御部128は、前記の検出された濃度データがテストデ
ータに基づく所望の濃度データとなるように階調変換テ
ーブル131を修正する。次いで、所望の画像信号が供
給されると、前記の修正された階調変換テーブル131
がこの画像信号の階調変換を行い、ドライバ11に駆動
信号として出力する。ドライバ11は、前記駆動信号に
基づきサーマルヘッド12を制御し、所定の感熱記録材
料Sに所望の画像を記録する。このようにして、所望の
濃度からなる画像を感熱記録材料Sに対して記録するこ
とができる。なお、テスト用の感熱記録材料Sを用いる
ことなく、始めにステップエッジを形成した後、前記ス
テップエッジにより修正された階調変換テーブル131
を用いて所望の画像を同じ感熱記録材料Sに記録するよ
うにしてもよい。
【0045】図22は、次なる実施例の熱記録装置18
2を示す。この熱記録装置182は、記録用のサーマル
ヘッド12を含む記録部183を断熱ケーシング184
中に配設し、これらを外界より遮断するように構成し、
断熱ケーシング184内を前記感熱記録材料Sが予熱お
よび記録後加熱温度となるように温度調節を行う温度調
節手段185を備えている。温度調節手段185は、ラ
ンプ等の加熱手段186、温度検出部187、制御部1
88からなる。断熱ケーシング184内の温度は、温度
検出部187によって検出される。制御部188は、検
出された温度に基づき、感熱記録材料Sを所定の予熱温
度および記録後加熱温度となるように加熱手段186を
制御する。この場合、加熱手段186は、感熱記録材料
Sを安定した予熱温度に維持するとともに、画像記録さ
れた感熱記録材料Sを安定した温度で記録後加熱するこ
とができ、従って、一層高精度な画像を得ることができ
る。なお、温度検出部187によって検出された温度が
所定の予熱または記録後加熱温度以上となった場合にサ
ーマルヘッド12による記録動作を行わないように制御
すれば、不適当な画像記録を未然に回避することができ
る。
【0046】なお、図22において、記録部183の近
傍上流側に材料温度検出部189を配設し、感熱記録材
料Sの温度を直接検出するように構成すれば、温度検出
部187によって検出された断熱ケーシング184内の
温度に基づいて制御された加熱手段186による予熱お
よび記録後加熱温度を、前記材料温度検出部189で検
出された材料温度に従ってさらに高精度に調整すること
ができる。また、材料温度検出部189で検出された材
料温度の履歴を記録し、この履歴データから断熱ケーシ
ング184内の温度に対する感熱記録材料Sの温度の予
測値の精度を向上させることもできる。この結果、記録
される画像の精度が一層向上する。なお、温度検出部1
87を設けることなく、材料温度検出部189のみによ
って制御を行うことも可能である。
【0047】図23は、抵抗発熱層を設けた感熱記録材
料Sdを用いた次なる実施例の熱記録装置250を示
す。ここで、前記感熱記録材料Sdは、図24に示すよ
うに、支持体42上に導電性の抵抗発熱層44を形成
し、前記抵抗発熱層44上に感熱層46を形成し、さら
に、前記抵抗発熱層44上であって、前記感熱層46の
両側部に電極層48a、48bが形成される。抵抗発熱
層44としては、例えば、In−Sn酸化層やラバーヒ
ータ等の可撓性を有したパネル状の抵抗発熱材を使用す
ることができる。
【0048】この場合、予熱部252は、前記感熱記録
材料Sdの両側部の電極層48a、48bに当接する電
極ローラ26a、26bと、前記電極ローラ26a、2
6bに対向する支持ローラ253と、電極ローラ26
a、26bに対して電流を供給する電源30とからな
る。また、記録後加熱部254は、感熱記録材料Sdの
両側部の電極層48a、48bに当接する電極ローラ3
2a、32bと、前記電極ローラ32a、32bに対向
する支持ローラ255と、電極ローラ32a、32bに
対して電流を供給する電源36とからなる。なお、各電
源30、36は、制御部256によって制御される。
【0049】前記のように構成される熱記録装置250
において、予熱部252を構成する電極ローラ26a、
26bが感熱記録材料Sdの電極層48a、48bに接
触することで、抵抗発熱層44に電流が供給され、これ
によって、感熱記録材料Sdが発色直前の温度まで予熱
される。次いで、サーマルヘッド12によって階調画像
が記録された後、記録後加熱部254を構成する電極ロ
ーラ32a、32bから電極層48a、48bを介して
抵抗発熱層44に電流が供給され、これによって、感熱
記録材料Sdが記録後加熱される。この結果、安定した
濃度の画像を得ることができる。
【0050】なお、前記の実施例においては、感熱記録
材料Sdの支持体42(図24参照)を抵抗発熱層44
で兼用し、図25に示すように、感熱記録材料Sdとは
反対の面より通電するように感熱記録材料Seを構成す
ることもできる。また、図24に示す場合と同様に、感
熱記録材料Sdの電極層48a、48bを感熱層46側
に設け、サーマルヘッド12が当接される面より通電し
てもよく、さらには、両面より通電してもよいことは勿
論である。
【0051】図26、図27は、次なる実施例の熱記録
装置190を示す。この熱記録装置190は、マトリッ
クス状の電極を有する感熱記録材料Sfを用いる。前記
感熱記録材料Sfは、支持体192上に形成され、主走
査方向に平行に延在する多数の電極を有する第1電極層
194と、前記第1電極層194上に形成される導電性
の抵抗発熱層196と、前記抵抗発熱層196上に形成
され、副走査方向に平行に延在する多数の電極を有する
第2電極層198と、前記第2電極層198上に形成さ
れる感熱層46とから構成される。熱記録装置190
は、感熱記録材料Sfの第1電極層194に第1電極走
査ユニット200を接続するとともに、第2電極層19
8に第2電極走査ユニット202を接続し、これらの間
を電源36を用いて通電する。感熱記録材料Sfに対し
てサーマルヘッド12を矢印B方向に移動させることに
より、所望の画像が記録される。次いで、制御部206
は、通電すべき電極を選択するように第1および第2電
極走査ユニット200、202を制御する。この結果、
選択された電極間の抵抗発熱層196が発熱し、感熱記
録材料Sfの所望の範囲が記録後加熱されることにな
る。
【0052】前記実施例では、複数の電極をマトリック
ス状に配設することにより、感熱記録材料Sfの必要部
分のみを加熱することができるため、第1および第2電
極走査ユニット200、202を制御し、サーマルヘッ
ド12の移動に追従させて矢印B方向に順次加熱部分を
移動させることにより、記録後の必要個所のみを一定の
温度で加熱することができるため、経済的であるととも
に、高精度な温度制御を行うことができる。これによ
り、正確な画像を得ることができる。
【0053】なお、上述した各実施例に用いられる感熱
記録材料Sは、付与される熱エネルギに応じて発色する
ものであるが、具体的にはプレヒート温度とプレヒート
時間との関数として発色する。すなわち、温度と時間と
に対する濃度の特性は、図28に示す通りである。この
ため、感熱記録材料Sを発色させる場合、時間を一定に
して温度を上げる方法と、温度を一定にして時間を長く
する方法とがあり、いずれの方法を使用しても良い。
【0054】また、感熱記録材料Sの発色濃度は、湿度
にも依存しており、湿度が変化する場合における発色濃
度と熱エネルギとの関係を図29に示す。図29から了
解されるように、前記感熱記録材料Sは、湿度が上昇す
るのに伴って該感熱記録材料Sの感度が高くなるという
特性がある。従って、前記特性を利用して、感熱記録材
料Sに付与される熱エネルギを調整することが望まし
い。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る熱記録方法および装置によ
れば、以下の効果が得られる。
【0056】すなわち、付加される熱エネルギに応じた
濃度で発色する感熱記録材料に対して、記録情報に応じ
て発熱するサーマルヘッドからの熱エネルギを付与する
ことで画像等を記録した後、さらに、前記感熱記録材料
を発色熱エネルギ未満の温度で加熱している。この場
合、感熱記録材料の発色反応が促進される。従って、画
像濃度の経時的変化のない安定した高階調の画像を高精
度に形成することができる。また、前記の記録過程に先
立って感熱記録材料の予熱を行うことにより、前記サー
マルヘッドにさほど高出力を要求することなく、装置全
体の構成も簡素化され、廉価となる利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱記録装置の実施例の構成説明図
である。
【図2】図1に示す熱記録装置の要部側面説明図であ
る。
【図3】感熱記録材料の発色特性の説明図である。
【図4】図4A、図4Bおよび図4Cは、記録後加熱手
段の他の実施例の説明図である。
【図5】記録後加熱手段の他の実施例の説明図である。
【図6】記録後加熱手段の他の実施例の説明図である。
【図7】記録後加熱手段の他の実施例の説明図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは、記録後加熱手段の他の
実施例の説明図である。
【図9】記録後加熱手段の他の実施例の説明図である。
【図10】記録後加熱手段の他の実施例の説明図であ
る。
【図11】記録後加熱手段の他の実施例の説明図であ
る。
【図12】記録後加熱手段の他の実施例の説明図であ
る。
【図13】記録後加熱手段の他の実施例の説明図であ
る。
【図14】記録後加熱手段の他の実施例の説明図であ
る。
【図15】記録後加熱手段の他の実施例の説明図であ
る。
【図16】本発明に係る熱記録装置の他の実施例の構成
説明図である。
【図17】記録後加熱手段の他の実施例の説明図であ
る。
【図18】感熱記録材料の他の実施例の説明図である。
【図19】本発明に係る熱記録装置の他の実施例の説明
図である。
【図20】感熱記録材料の発色特性の説明図である。
【図21】本発明に係る熱記録装置の他の実施例の説明
図である。
【図22】予熱手段および記録後加熱手段の他の実施例
の説明図である。
【図23】本発明に係る熱記録装置の他の実施例の構成
説明図である。
【図24】図23に示す感熱記録材料および記録後加熱
手段の説明図である。
【図25】感熱記録材料および記録後加熱手段の他の実
施例の説明図である。
【図26】本発明に係る熱記録装置の他の実施例の構成
説明図である。
【図27】図26に示す熱記録装置の説明図である。
【図28】感熱記録材料Sの温度と時間に対する濃度の
特性図である。
【図29】感熱記録材料Sの湿度が変化した場合におけ
る熱エネルギに対する発色濃度の特性図である。
【符号の説明】
10、122、182、190、250…熱記録装置 12…サーマルヘッド 13…予熱部 15…記録後加熱部 26a、26b、32a、32b…電極ローラ 38…制御部 S、Sa〜Sf…
感熱記録材料
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/32 B41J 2/36 B41J 2/38

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】付加される発色熱エネルギに応じた濃度で
    発色する感熱記録材料に対して、記録情報に応じて発熱
    するサーマルヘッドから発色熱エネルギを付与し、当該
    感熱記録材料に前記記録情報を記録する第1の過程と、前記第1の過程によって記録された前記記録情報の濃度
    の経時的変化を抑制すべく、 前記記録情報が記録された
    前記感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エネルギ
    未満の熱エネルギを付与する第2の過程と、 からなることを特徴とする熱記録方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、 前記第1および第2の過程終了後に、前記感熱記録材料
    に定着光を照射する第3の過程をさらに含むことを特徴
    とする熱記録方法。
  3. 【請求項3】付加される発色熱エネルギに応じた濃度で
    発色する感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エネ
    ルギ未満の熱エネルギを付与して予熱する第1の過程
    と、 前記予熱された感熱記録材料に対して、記録情報に応じ
    て発熱するサーマルヘッドから発色熱エネルギを付与
    し、当該感熱記録材料に前記記録情報を記録する第2の
    過程と、前記第2の過程によって記録された前記記録情報の濃度
    の経時的変化を抑制すべく、 前記記録情報が記録された
    前記感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エネルギ
    未満の熱エネルギを付与する第3の過程と、 からなることを特徴とする熱記録方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の方法において、 前記第1から第3までの過程終了後に、前記感熱記録材
    料に定着光を照射する第4の過程をさらに含むことを特
    徴とする熱記録方法。
  5. 【請求項5】付加される発色熱エネルギに応じた濃度で
    発色する感熱記録材料に対して、記録情報に応じた発色
    熱エネルギを付与し、前記記録情報を当該感熱記録材料
    に記録するサーマルヘッドと、 前記サーマルヘッドにより記録された前記記録情報の濃
    度の経時的変化を抑制すべく、前記記録情報が記録され
    た感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エネルギ未
    満の熱エネルギを付与する記録後加熱手段と、 を備えることを特徴とする熱記録装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の装置において、 前記サーマルヘッドは、前記感熱記録材料に対して多階
    調記録を行うように制御されることを特徴とする熱記録
    装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の装置において、 前記記録後加熱手段は、前記感熱記録材料を加熱するた
    めの加熱手段と、 前記感熱記録材料の前記加熱手段による加熱温度を検出
    する温度検出手段と、 前記温度検出手段によって検出された前記加熱温度を
    色熱エネルギ未満の所定の温度とすべく、前記加熱手段
    を制御する温度制御手段と、 を備えることを特徴とする熱記録装置。
  8. 【請求項8】請求項5記載の装置において、 前記記録後加熱手段は、前記感熱記録材料における少な
    くとも前記サーマルヘッドの加熱位置近傍を非接触状態
    で加熱する手段を備えることを特徴とする熱記録装置。
  9. 【請求項9】請求項5記載の装置において、 前記記録後加熱手段は、前記感熱記録材料における少な
    くとも前記サーマルヘッドの加熱位置近傍を接触状態で
    加熱する手段を備えることを特徴とする熱記録装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の装置において、 前記サーマルヘッドは、前記感熱記録材料に対して多階
    調記録を行うように制御されることを特徴とする熱記録
    装置。
  11. 【請求項11】請求項9記載の装置において、 前記記録後加熱手段は、前記感熱記録材料を加熱するた
    めの加熱手段と、 前記感熱記録材料の前記加熱手段による加熱温度を検出
    する温度検出手段と、 前記温度検出手段によって検出された前記加熱温度を
    色熱エネルギ未満の所定の温度とすべく、前記加熱手段
    を制御する温度制御手段と、 を備えることを特徴とする熱記録装置。
  12. 【請求項12】付加される発色熱エネルギに応じた濃度
    で発色する感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エ
    ネルギ未満の熱エネルギを付与して予熱する予熱手段
    と、 予熱された前記感熱記録材料に対して、記録情報に応じ
    発色熱エネルギを付与し、前記記録情報を当該感熱記
    録材料に記録するサーマルヘッドと、 前記サーマルヘッドにより記録された前記記録情報の濃
    度の経時的変化を抑制すべく、前記記録情報が記録され
    た前記感熱記録材料に当該感熱記録材料の発色熱エネル
    ギ未満の熱エネルギを付与する記録後加熱手段と、 を備えることを特徴とする熱記録装置。
  13. 【請求項13】付加される発色熱エネルギに応じた濃度
    で発色する感熱層と、導電性の発熱層とを有する感熱記
    録材料に対して、記録情報に応じた発色熱エネルギを付
    与し、当該感熱記録材料に前記記録情報を記録するサー
    マルヘッドと、前記サーマルヘッドにより記録された前記記録情報の濃
    度の経時的変化を抑制すべく、 前記記録情報が記録され
    た感熱記録材料の発熱層に対して電流を供給することに
    より、前記感熱層に発色熱エネルギ未満の熱エネルギを
    付与する記録後加熱手段と、 を備えることを特徴とする熱記録装置。
  14. 【請求項14】請求項13記載の装置において、 前記サーマルヘッドは、前記感熱記録材料に対して多階
    調記録を行うように制御されることを特徴とする熱記録
    装置。
  15. 【請求項15】請求項13記載の装置において、 前記記録後加熱手段は、前記感熱記録材料の前記加熱手
    段による加熱温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段によって検出された前記加熱温度を
    色熱エネルギ未満の所定の温度とすべく、前記記録後加
    熱手段を制御する温度制御手段と、 を備えることを特徴とする熱記録装置。
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