JP3315789B2 - 連続ストアフロント - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、店舗の表まわりに設け
られるストアフロント（ショップフロント）に係り、特
に、１つの枠体からなる単窓や、複数の枠体を連窓でき
る連続ストアフロントに関する。

【０００２】

【従来の技術】店舗の表まわりに設けられるストアフロ
ントは、アルミ合金やステンレスの枠体にガラスが嵌込
まれた構造であり、この他にドアや引き戸等が設けられ
るものもある。

【０００３】また、従来のストアフロントにおいては、
建物の躯体に取付けられる枠体の上枠と左右の縦枠とに
はガラスの呑込み部が設けられ、これらの呑込み部内に
ガラスの周縁がシーリング材を介して支持されており、
枠体の下枠にはガラスを外側から押える押え縁が設けら
れた構造となっている。

【０００４】このような従来のストアフロントにおい
て、単窓や連窓の場合は、各枠体内にガラスを取付けた
状態で枠体の各接合部が工場で接合され、現場において
建物の躯体に枠体を組付けることにより単窓や連窓が構
成されるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ストアフロントは部品点数が多いため、現場で組立てを
行うに際し施工時間が増大してしまう不都合があり、ま
た、多数の部材を組立てるので、気密性が一様となりに
くく、施工後の品質が均一とならない不具合が生じ、施
工後の外観性を低下させるというおそれがあった。ま
た、単窓や連窓の枠体を躯体および外装材に合わせて取
付ける際に、枠体を現場で加工しなければならぬ不具合
があった。

【０００６】そこで、本発明は、部材の点数を減少させ
ることにより、現場での施工時間がかからず、しかも、
施工後の品質が均一となって施工後の外観性を向上する
ことができ、更に、枠体を躯体や外装材に合せる作業を
現場において容易に行える連続ストアフロントを提供す
ることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る連続ストア
フロントは、建物の躯体と外装材に亘って配設される半
外付けタイプのストアフロントであって、前記枠体が左
右の縦枠と上枠と下枠とにより形成され、前記枠体に設
けられる中空部が前記躯体の取付け面よりも外側に張り
出して設けられ、前記枠体の縦枠と上枠と下枠との各々
の両端面が長手方向に対して直角に切断され、前記各枠
体の上枠と下枠との各々の両端面が前記左右の縦枠に当
接して結合され、前記各枠体の、少なくとも、互いに連
結される縦枠を除き、縦枠と上枠に前記躯体に取付ける
躯体取付け片を有し、前記下枠の下部に水切り材を付設
し、前記各枠体のうち、前記躯体に取付ける縦枠の躯体
側の面及び、前記下枠と前記水切り材の間に、コーキン
グ処理を施した連続ストアフロントである。

【０００８】

【作用】工場において、各枠体の左右の縦枠、上枠、下
枠を所要の長さに、また枠体に嵌込まれるガラスを所要
の大きさに形成し、現場において、各枠体の左右の縦枠
と上枠の呑込み部にシーリング材等を介してガラスを固
定しながら、左右の縦枠に上枠と下枠の両端面を当接し
て、ネジにより左右の縦枠に上枠と下枠とが取付けられ
て各枠体が形成される。

【０００９】更に、下枠の下部に水切り材を付設し、前
記各枠体のうち、前記躯体に取付ける縦枠の躯体側の面
及び、前記下枠と前記水切り材の間に、コーキング処理
を施す。

【００１０】そして、例えば、連窓の場合には、各枠体
を連結材を介して連窓に連結しながら躯体の外側から、
躯体取付け片及び立上り片を躯体に取付けることによ
り、連窓用ストアフロントが構成される。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面に基づき説
明する。尚、本実施例では、２つの単窓のストアフロン
トを連結して連窓を構成する場合について説明する。

【００１２】図１〜図９は本実施例のストアフロント１
１を示しており、これらの図中、１は建物の躯体、１３
はストアフロント１１の枠体、１５は枠体の左右の縦
枠、１７は上枠、１９は下枠、２１はガラス、２３はシ
ーリング材、は連結材３３、ａ〜ｇは各種の折取り溝を
示している。

【００１３】本実施例のストアフロント１１では、２つ
の枠体１３と各枠体１３に嵌込まれたガラス２１とによ
り構成され、建物の躯体１の外面よりやや外側に張り出
して取付けられる半外付けタイプの連窓であり、躯体１
と外装材２とに亘って設けられている。

【００１４】上記各々の枠体１３は、左右の縦枠１５と
上枠１７と下枠１９とからなり、基本的には、左右の縦
枠１５と上枠１７と下枠１９のそれぞれに前記躯体１の
取付け面よりも外側に張り出す中空部２５を備えてい
る。すなわち、上記２つの枠体１３の縦枠１５のうち、
互いに後述の連結材３３により連結される縦枠１５では
連結材３３により中空部２５ａが形成される。更に、各
々のい枠体１３のうち、互いに連結される縦枠１５を除
いて、左右の縦枠１５、上枠１７、下枠１９のそれぞれ
の外側にはそれぞれ躯体１の外面に取付ける躯体取付け
片２７を備えている。すなわち、互いに連結される縦枠
１５を除き、各枠体１３の少なくとも左右の縦枠１５と
上枠１７に躯体１に取付ける躯体取付け片２７を有して
いる。

【００１５】また、各枠体１３の左右の縦枠１５、上枠
１７の内側にはガラス２１の呑込み部２９を備え、互い
に連結される縦枠１５にもガラス２１の呑込み部２９を
備えている。すなわち、各枠体１３の４つの枠のうち、
少なくとも３つの枠に上記ガラス２１の呑込み部２９を
有している。

【００１６】更に、各々の左右の縦枠１５の内面は内外
方向で平坦に形成されている。また、上記下枠１９は、
外側からガラス２１を押える押え縁３１が装着される外
押え縁タイプに構成されている。そして、各枠体１３の
縦枠１５、上枠１７、下枠１９はアルミ材の押出し成形
により形成されている。尚、下枠１９としては、図５に
示す水落としタイプにしてもよい。

【００１７】また、各々の左右の縦枠１５、上枠１７、
下枠１９は、図５に示すように、両端面が長手方向に対
して直角に切断され、上枠１７と下枠１９との両端面を
左右の縦枠１５の側面に当接させ、予め設けられた穴３
５を通じてネジ３７により結合されており、上下枠１９
が両縦枠１５の間に設けられるたて通しタイプに構成さ
れている。

【００１８】更に、一方の枠体１３の図中右側の縦枠１
５と、他方の枠体１３の左側の縦枠１５とは、連結材３
３により連結されている。この連結材３３は双方の縦枠
１５の内部に装着され、したがって、双方の縦枠１５は
端部周縁部を突き合わせにより連結されて、この連結材
３３によりこれらの縦枠１５には中空部２５ａが形成さ
れる。そして、双方の縦枠１５間においては端部周縁部
を突き合わせて連結されるので、水密性が確保され、ま
た外観性が向上する。

【００１９】また、上記各縦枠１５の端部開口、すなわ
ち、各縦枠１５の中空部２５または２５ａの上下開口に
は、キャップ３９が設けられている。キャップ３９は、
中空部２５の端部開口を閉塞できる面積に形成された閉
塞板３９ａを備え、閉塞板３９ａには、端部開口内に装
着されてこの閉塞板３９ａを端部開口に固定する嵌合片
３９ｂと嵌合突起３９ｃが突設されている。

【００２０】更に、上記中空部２５の上端に設けられる
キャップ３９の閉塞板３９ａには、上記上枠１７及び下
枠１９の躯体取付け片２７に倣って面一になるように、
立上り片３９ｄが取付けられている。他方、中空部２５
の下端に設けられるキャップ３９の閉塞板３９ａには、
後述する折取り溝ｆ、ｇ、ｂで取り除かれて立上がり片
３９ｄが設けられいない。そして、このキャップ３９
は、嵌合片３９ｂと嵌合突起３９ｃを予め形成された中
空部２５及び連結材３３により形成されて中空部２５に
装着し、図６及び図７に示すように、上記縦枠１５の端
部開口部とキャップ３９の閉塞板３９ａとの隙間や、躯
体取付け片２７と立上り片３９ｄとの隙間や、隣り合う
立上り片３９ｄ、３９ｄの隙間にコーキング材４１がそ
れぞれ充填されている。

【００２１】更に、上記躯体取付け片２７およびキャッ
プ３９の立上がり片３９ｄには、図７に示すように、各
種の折取り溝ａ〜ｇが設けられている。これらの折取り
溝ａ〜ｇは、図８に示すように、横断面形状が略Ｖ字状
に形成され、折曲げによって折取り溝ａ〜ｇの部分で分
離できる所要の深さで設けられている。

【００２２】また、上記折取り溝ａ〜ｇは、各種に分け
て設けられている。このうち、折取り溝ａ、ｂ、および
ｃは、図７に示すように、枠体１３の横方向に設けられ
ており、枠体１３の上枠１７または下枠１９の中空部２
５から所定寸法隔てて、上枠１７または下枠１９の中空
部２５に沿って直線状に設けられている。折取り溝ａと
しては、キャップ３９の立上がり片３９ｄの縁から躯体
取付け片２７の折取り溝ｃに連なるように設けられてい
る。

【００２３】更に、折取り溝ｄおよびｅは、図７に示す
ように、枠体１３の立て方向に設けられており、枠体１
３の縦枠１５の中空部２５から所定寸法隔てて、縦枠１
５の中空部２５に沿って設けられている。折取り溝ｄと
しては、その端が、上記キャップ３９の立上がり片３９
ｄに設けられ横方向の折取り溝ａに連なるように設けら
れている。

【００２４】また、キャップ３９の立上がり片３９ｄに
は立て方向の折取り溝ｆおよびｇが設けられている。こ
れらの折取り溝ｆ、ｇは、縦枠１５の中空部２５と縦枠
１５の躯体取付け片２７との境界の延長線上となるよう
に設けられた構造となっている。

【００２５】このようなストアフロント１１では、工場
で、枠体１３の左右の縦枠１５、上枠１７、下枠１９を
所要の長さに、またガラス２１を所要の大きさに形成
し、躯体取付け片２７および立上がり片３９ｄに各折取
り溝ａ〜ｇを形成し、図３及び図４に示すように、現場
において、左右の縦枠１５と上枠１７の呑込み部２９に
シーリング材２３を介してガラス２１を固定しながら、
縦枠１５の端部と上枠１７及び下枠１９の中空部２５の
表面が面一となるように、左右の縦枠１５に上枠１７と
下枠１９の両端面を当接して、ネジにより左右の縦枠１
５に上枠１７と下枠１９とを取付け、下枠１９にシーリ
ング材２３を介して外側から押え縁３１を装着してガラ
ス２１が固定される。

【００２６】次に、例えば、連窓の場合には、双方の枠
体１３の縦枠１５とを連結材３３によって連結して双方
の枠体１３を一体に連結する。更に、各縦枠１５の上下
の中空部２５、２５ａの端部開口にキャップ３９を装着
し、躯体１や外装材８に合わせて折取り溝ａ〜ｇのう
ち、所要の折取り溝を折曲げて取除くことにより、現場
の取付け状態に合せるられる。すなわち、躯体１および
外装材８の状況に応じて各種の折取り溝ａ〜ｇを任意に
組み合わせて折り曲げることにより、不要な部分を除去
して枠体１３の取付けができる。

【００２７】そして、縦枠１５の開口部とキャップ３９
の閉塞板３９ａとの隙間や、躯体取付け片２７と立上り
片３９ｄとの隙間や、隣り合う立上り片３９ｄ、３９ｄ
の隙間にコーキング材４１がそれぞれ充填され、ガラス
２１が嵌め込まれた連窓のストアフロント１１の枠体１
３が形成される。そして、この枠体１３を躯体１の外側
から、躯体取付け片２７及び立上り片３９ｄを釘やボル
ト等により躯体１に取付けることにより、連窓用ストア
フロント１１が装着される。

【００２８】したがって、本実施例のストアフロントに
よれば、端部が直角に切断されて接合されるので、部品
点数が少ないことと相俟って、連窓の組立てが容易とな
り、現場での施工時間が減少する。更に、縦枠の中空部
の端部開口がキャップにより閉塞されるとともに躯体取
付け片や立上り片を備えているので、組付け後の気密性
が一様となり、施工後の品質を均一にすることが可能と
なり、施工後の外観性が向上する。

【００２９】また、躯体取付け片およびキャップの立上
がり片に各種の折取り溝を設けたので、単窓や、連窓に
応じて各種の折取り溝を組み合わせて取り除くことによ
り、躯体や外装材に対応して取付けが可能となり、更
に、現場で折り曲げることにより容易に除くことがで
き、組付け作業性を向上できる。

【００３０】次に、本実施例のストアフロントの適用例
を図８及び図９、図１０及び図１１、図１２及び図１３
に基づき説明する。

【００３１】図８及び図９では、木造の躯体１にストア
フロント１１を収めた場合を示している。すなわち、木
造の躯体１の外面に縦枠１５、上枠１７の躯体取付け片
２７及び立上り片３９ｄが添え木４を介して取付けら
れ、下枠１９の躯体取付け片２７及び立上り片３９ｄが
直接に木造の躯体１の外面に取付けられている。躯体１
の外面には外装材２が装着され、躯体１の内面には添え
木４を介して内装材３が装着されている。尚、図中、
６、７、８はストアフロント１１の内側に設けられた天
板、地板、側板を示し、９はコーキング材を示す。

【００３２】また、図１０及び図１１では、鉄骨の躯体
１にストアフロント１１を収めた場合を示しており、鉄
骨の躯体１の外面に縦枠１５、上枠１７の躯体取付け片
２７及び立上り片３９ｄが添え木４を介して取付けら
れ、下枠１９の躯体取付け片２７及び立上り片３９ｄが
直接に鉄骨の躯体１の外面に取付けられたものである。

【００３３】図１２及び図１３では、周囲がタイル張り
されたコンクリートの躯体１に、この躯体１の外面と同
面となるようにストアフロント１１を収めた場合を示し
ている。すなわち、コンクリートの躯体１の内周面から
内側面に固着されたＬ型材１０Ａに、縦枠１５、上枠１
７及び下枠１９の外周面に取付けられた背板１０Ｂとア
ンカー１０Ｃを介して取付けられたものである。

【００３４】図１６〜図１８は、本発明の他の実施例を
示すもので、各枠体１３に無目５０を用いて上部に欄間
５１を設け、この枠体１３を連結してなる連続ストアフ
ロントである。この例では、下枠１９の下部に水切り材
５２を付設し、前記各枠体のうち、前記躯体に取付ける
縦枠１５の躯体側の面及び、前記下枠１９と前記水切り
材５２の間に、コーキング５３処理を施して雨仕舞用の
防水処理を設けている。

【００３５】尚、本実施例では、２つの単窓のストアフ
ロントを連結して連窓を構成する場合について説明した
が、これに限らず、単窓の他、３つ以上の連窓も同様に
構成することができる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各々の枠体の縦枠、上枠、下枠が、端部が直角に切断さ
れて接合され、また、枠体がネジ等により組立て及び組
付けが可能であるので、現場での作業が容易となり、現
場での施工時間が減少する。更に、現場での組立て及び
組付けが容易となり、施工後の外観性も向上させること
が可能となる。

【００３７】また、下枠の下部に水切り材を付設し、前
記各枠体のうち、前記躯体に取付ける縦枠の躯体側の面
及び、前記下枠と前記水切り材の間に、コーキング処理
を施しているので、防水効果が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係り、ストアフロントの分
解斜視図である。

【図２】ストアフロントの正面図である。

【図３】ストアフロントの縦断面を示す図２中のIII−I
II矢視断面図である。

【図４】ストアフロントの横断面を示す図２中のIV−IV
矢視断面図である。

【図５】ストアフロントの要部を示す分解斜視図であ
る。

【図６】下枠の他の例を示す横断面図である。

【図７】キャップの取付け構造を示す要部の斜視図であ
る。

【図８】折取り溝を示す立上がり片および躯体取付け片
の縦断面図である。

【図９】連結された縦枠でのキャップの取付け構造を示
す要部の斜視図である。

【図１０】ストアフロントの適応例を示しストアフロン
トの縦断面図である。

【図１１】ストアフロントの適応例を示しストアフロン
トの横断面図である。

【図１２】ストアフロントの他の適応例を示しストアフ
ロントの縦断面図である。

【図１３】ストアフロントの他の適応例を示しストアフ
ロントの横断面図である。

【図１４】ストアフロントのその他の適応例を示しスト
アフロントの縦断面図である。

【図１５】ストアフロントのその他の適応例を示しスト
アフロントの横断面図である。

【図１６】ストアフロントの他の実施例を示す正面図で
ある。

【図１７】ストアフロントの縦断面を示す図１６中のＡ
−Ａ矢視断面図である。

【図１８】ストアフロントの横断面を示す図１６中のＢ
−Ｂ矢視断面図である。

【符号の説明】

１ 躯体 ２ 外装材 １１ ストアフロント １３ 枠体 １５ 縦枠 １７ 上枠 １９ 下枠 ２５、２５ａ 中空部 ２７ 躯体取付け片 ３９ キャップ ３９ｄ 立上り片 ａ〜ｇ 折取り溝 ５２ 水切り材 ５３ コーキング

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−288149（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−113891（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−206078（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−128791（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−46684（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−47378（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−93506（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−38256（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E06B 1/38 E06B 1/36 E06B 1/16 E06B 7/14

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の躯体と外装材に亘って配設される
   半外付けタイプのストアフロントであって、 前記枠体が左右の縦枠と上枠と下枠とにより形成され、 前記枠体に設けられる中空部が前記躯体の取付け面より
   も外側に張り出して設けられ、 前記枠体の縦枠と上枠と下枠との各々の両端面が長手方
   向に対して直角に切断され、 前記各枠体の上枠と下枠との各々の両端面が前記左右の
   縦枠に当接して結合され、 前記各枠体の、少なくとも、互いに連結される縦枠を除
   き、縦枠と上枠に前記躯体に取付ける躯体取付け片を有
   し、 前記下枠の下部に水切り材を付設し、 前記各枠体のうち、前記躯体に取付ける縦枠の躯体側の
   面及び、前記下枠と前記水切り材の間に、コーキング処
   理を施したことを特徴とする連続ストアフロント。