JP3315737B2 - 強誘電体薄膜およびその製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光変調器等の光デバイ
ス、不揮発性超LSIメモリーなどへの応用が期待され
るBi 系層状構造強誘電体の薄膜化技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】層状構造を持った強誘電体は強い異方性
をもった強誘電体として知られており、電界効果トラン
ジスタなどのデバイス応用が試みられてきた[K.Sugibu
chi, Y.Kurogi and N.Endo, ジャーナル・オブ・アプラ
イド・フィジックス(Journal of Applied Physics Vol.
46, 2877-2881 (1975)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、この種の材料を薄膜化し、素子への応用を図
る場合、厚さ10nmの膜厚でも良好な強誘電性を示す
結晶性に優れた薄膜の作成が強く要望されているが、従
来の技術では、膜厚の減少にともなう誘電率、抵抗率の
低下とリーク電流(漏れ電流)の増大が問題となってい
た。
【0004】本発明は前記従来の問題を解決するため、
膜厚を薄くしても誘電率、抵抗率の低下とリーク電流
(漏れ電流)の増大が少なく、かつ結晶性及び表面平坦
性に優れた強誘電体薄膜およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の強誘電体薄膜は、基体上に、カルシウム
(Ca )、ストロンチウム(Sr )、およびバリウム
(Ba )から選ばれる少なくとも1つ以上の元素の酸化
物を主成分とする酸化物薄膜が形成され、前記酸化物薄
膜の上に、主成分に少なくともビスマス(Bi )を含む
酸化物薄膜が形成された構造を持つという構成を備えた
ものである。
【0006】次に本発明の強誘電体薄膜の製造方法は、
基体上に、カルシウム(Ca )、ストロンチウム(Sr
)、およびバリウム(Ba )から選ばれる少なくとも
1つ以上の元素の酸化物を主成分とする酸化物薄膜層を
形成した後、Bi−Oを主成分とする酸化物と、少なく
ともA元素とB元素を含む酸化物とを周期的に積層させ
て形成するという構成を備えたものである。(ここでA
元素は1価、2価、3価の元素またはこれらの組合せを
示し、B元素はチタン(Ti )、ニオブ(Nb )、タン
タル(Ta )またはこれらの組合せを示す。) 前記構成においては、強誘電体を構成する金属元素の蒸
発を少なくとも二種以上の蒸発源で行うことが好まし
い。
【0007】また前記構成においては、蒸発をスパッタ
リングで行うことが好ましい。
【0008】
【作用】前記した本発明の構成によれば、基体上に、主
成分として少なくともカルシウム(Ca )、ストロンチ
ウム(Sr )、バリウム(Ba )の一種以上の元素を含
む酸化物薄膜が形成され、前記酸化物薄膜の上に、主成
分に少なくともビスマス(Bi )を含む酸化物薄膜が形
成された構造を持つことにより、膜厚を薄くしても誘電
率、抵抗率の低下とリーク電流(漏れ電流)の増大が少
なく、かつ結晶性及び表面平坦性に優れた強誘電体薄膜
とすることができる。すなわちCa1-x-ySrx Bay
Oは格子定数がBi 系層状強誘電体のa軸、b軸のそれ
に近く、Na Cl型の単純立方格子構造の結晶構造を有
する絶縁体であり、融点が2000℃程度と高く、またその
結晶格子定数はxおよびyを変え、連続的に変えること
ができる。従って、基体にCa1-x-ySrxBayO絶縁体薄
膜を自在にエピタキシャル成長させることは容易であ
り、さらにCa1-x-ySrxBayO絶縁体薄膜上にBi 系強
誘電体薄膜を堆積する際にもエピタキシャル界面を容易
に得ることができる。また、(Ca ,Sr ,Ba )O薄
膜は基体との界面で基体表面の凹凸を埋めるように基体
上に成長するので結果的に結晶性、表面平坦性に優れた
Bi 系層状強誘電体薄膜を形成することができる。
【0009】さらに本発明の製造方法の構成によれば、
Bi 系強誘電体結晶を結晶のc軸方向に結晶を層状に構
成するBi2 2 層と上記のA、B元素の酸化物を含む
仮相ペロブスカイト層を順々に積層するので、薄膜作成
が結晶本来の構造形成に則っていることから、単結晶化
が容易であり、結晶粒界が本質的になく、表面が極めて
平坦であり、強誘電特性の異方性が強く、膜厚の減少に
伴う誘電率、抵抗率の低下、リーク電流の増加の心配も
無く、また他種の材料との接合も容易となる。
【0010】
【実施例】まず、Bi 系層状強誘電体膜と種々の基体と
の相互作用について説明する。通常Bi 系層状強誘電体
薄膜は500〜700℃に加熱された基体上に堆積して
形成し、結晶性が不完全な場合にはその後酸素雰囲気中
で熱処理を施す。一方、Bi 系層状強誘電体のa軸長、
b軸長は0.54〜0.556nmの間にあり、c軸配
向のエピタキシャル薄膜も結晶の格子定数がBi 系層状
強誘電体のa軸、b軸長に近いSr Ti O3 、La Al
3 などの酸化物結晶が基体として適している。膜厚1
00nm以上の膜厚については強誘電性を示すものの、
膜厚が数10nm程度の極薄膜については格子定数の近
い基体を用いても誘電率がバルク材料よりも低い値を示
し、リーク電流も大きく、Bi 系層状強誘電体に特徴的
なa軸あるいはb軸方向への強誘電性の異方性も示さ
ず、層間絶縁膜、超LSI用メモリーとしての実用が不
可能なものであることがわかった。この原因として次の
様なことが考えられる。すなわち、研磨された基体表面
には通常5nm程度の凹凸があり、膜厚数10nmのB
i 系層状強誘電体薄膜の表面、結晶性が充分に基体表面
の平坦性、熱的な影響を直接に受けてしまうこと、格子
定数が近い基体にBi 系層状強誘電体薄膜を堆積した場
合、薄膜は基体結晶との格子の歪(数%)を緩和させつ
つ成長し、この格子緩和の状態が終わるのが10〜20
nmであるため、このような極薄膜については薄膜の結
晶が不完全であることなどが考えられる。
【0011】そこで、基体上にBi 系層状強誘電体薄膜
を基体・強誘電体薄膜間の界面で元素の相互拡散の無い
エピタキシャル成長を実現するため、基体上にエピタキ
シャル成長し、さらにその上にBi 系層状強誘電体薄膜
がエピタキシャル成長するバッファー膜の探索検討を行
い本発明に至ったのである。
【0012】その結果、Ca O、Sr O、Ba Oの材料
が高融点で、安定であり、( Ca ,Sr ,Ba)−Oにつ
いてはCa 、Sr 、Ba の比率を変えることにより結晶
の格子定数が自在に変化させることができることに着目
し検討を行った。
【0013】図1に( Ca ,Sr ,Ba)0結晶の構造概
略図を示す。結晶は単純立方格子でNa Cl 構造を持
ち、Sr Oの場合a=0.514nmであり、融点2460℃、熱
膨張係数11×10-6/℃である。主に、格子定数はSr2+
をCa2+またはBa2+で一部置換することによって、変
化させることができる。次に、Ca O、Sr O、Ba O
を単独に、あるいは固溶体を電子ビーム加熱し、蒸発さ
せMg O基体上に堆積させ、その結晶性をX線回折法、
電子線回折法にて解析、検討した。その結果、この種の
材料は600 〜800 ℃の形成温度で結晶化することがわか
った。また、Bi系層状強誘電体結晶のa軸、b軸長は
ほぼ5.4 オングストロームであることから、この種の材
料を絶縁膜として考えた場合、a軸長がそれぞれ5.140
オングストローム、5.542 オングストロームのSr O、
Ba Oを固相反応的に組み合わせれば、Bi 系層状強誘
電体に最適な絶縁膜の形成が実現できるものと考え、S
r1-x Bax Oのxによる結晶構造の変化を実験検討し
た結果、Sr1-x Bax Oはx= 0〜1に対してa軸長
が5.14〜 5.54 の間で連続的に変化することがわかっ
た。
【0014】さらに、以下の実施例に具体的に示す。前
段階の実験としては、( Ca ,Sr,Ba)O薄膜形成を
電子ビーム蒸着法にて行ったが、本実施例では(Ca ,
Sr,Ba )O薄膜を基体上に堆積した後、Bi 系層状
強誘電体をスパッタ法で堆積し実験を行った。
【0015】実施例1 図2は、本実施例で作成した薄膜の構造概略図である。
図2において1は基体、2は(Sr ,Ba )Oバッファ
ー層、3はBi-Ti-O薄膜を示す。実験においては、B
i-Ti-O薄膜3の誘電率、リーク電流、抵抗率を測定す
るために基体1としてNb を0.1wt%ドーピングし
た導電性のSr Ti O3 を用いた。まず基体1上に(S
r ,Ba )O層2を電子ビーム蒸着法でSr :Ba=7:
3になるよう坩堝のSr OとBa Oの混合比率を調整し
て堆積した。このとき基体1の温度を650℃にしたと
き良好な(Sr ,Ba )Oのエピタキシャル成長が得ら
れた。バッファー層2を5nm堆積した後、Bi-Ti-O
薄膜3を高周波マグネトロンスパッタ法で堆積した。B
2 3 とTi O2 の混合粉体を空気中で800℃、5
時間焼成し、粉砕したパウダーを直径60mm、深さ3
mmの銅製の皿に盛りターゲットとした。スパッタは
1.0Pa (Ar:O2 =4: 1)のもと、60Wの高周
波電力をターゲットに注入して行った。このときのBi-
Ti-O膜の堆積速度は5nm/secであった。このと
き基体1の温度は600℃にしたとき、もっとも結晶性
に優れたBi4 Ti3 12薄膜が得られた。Bi-Ti-O
薄膜3上に直径0.3mmのPt 電極を約50nmスパ
ッタ法で2個蒸着し(間隔1.5mm)、100Hz か
ら1MHz の周波数をもった振幅0.5Vの電圧に対す
るインピーダンス変化からBi-Ti-O薄膜の誘電率、抵
抗率を測定した。
【0016】図3に膜厚に対する室温でのBi-Ti-O薄
膜の比誘電率の変化を示す。4はバッファー層2を用い
たとき、5はバッファー層2を用いないときの結果を示
す。図4に膜厚に対する室温でのBi-Ti-O薄膜の抵抗
率の変化を示す。6はバッファー層2を用いたとき、7
はバッファー層2を用いないときの結果を示す。図3、
図4に示したようにいずれの結果も、膜厚の減少に従い
特性は劣化していくが、(Sr ,Ba )O薄膜をバッフ
ァー層2として用いたときの方が良好な特性であった。
これは次の様に理解できる。すなわち、バッファー層2
として(Sr ,Ba )O薄膜用いたために、厚み数10
nm以下のごく薄い範囲のBi-Ti-O薄膜3が均一に緻
密に、結晶性に優れて形成できたことによるものと考え
られる。
【0017】なお、Bi-Ti-O膜の代わりに、Bi-W-
O、Bi-Ti-Nb-O、Bi-Ti-Ta-O、Bi-Ti-Ca-
O、Bi-Ti-Sr-O、Bi-Ti-Ba-O、Bi-Ti-Na-
O、Bi-Ti-K- O、Bi-Pb-Ti-O、Bi-Nb-O、B
i-Ta-O、Bi-Pb-Nb-O、Bi-Pb-Ta-O膜を用いた
ときも第1の発明が有効であることを確認した。
【0018】さらに、Bi 系層状強誘電体が(Bi2
2 2+(Am-1 m 2m+12-の組成式で表されること
に着目し、Bi-O層と仮相ペロブスカイト層A- B- O
層を原子オーダーで周期的に積層したときにBi 系層状
強誘電体薄膜の結晶性、特性が向上することを見いだ
し、この方法を第1の発明の構造作成に適用すると実施
例1に示した作製方法より格段に制御性良く、安定した
膜質の、しかも膜表面が極めて平坦なBi-Ti-O強誘電
体膜が得られることを見いだした。
【0019】これらのことは図5に示す積層の概念図を
用いて説明することができる。すなわち、Bi4 Ti3
12結晶はc軸方向に(Bi2 2 2+層と(Bi2
3122-層からなる積層構造と考えられる。そこで
それぞれ層状構造を構成する異なる元素または単位層を
別々に順次積層していくことにより、基体表面に対し平
行な面内だけで積層された蒸着元素が動くだけで、基体
表面に対し垂直方向への元素の移動がないことによるも
のと考えられる。
【0020】さらに意外にも、良好な強誘電特性を得る
に必要な基体の温度、熱処理温度も、従来より低いこと
を見いだした。Bi-Ti-O薄膜を作製するのには、Bi-
O→(Bi-Ti-O)→Bi-OあるいはBi-O→(Ti-O
→Bi-O→Ti-O→Bi-O→Ti-O)→Bi-Oの2種の
積層方法が考えられるが、周期的に積層させる方法とし
ては、いくつか考えられる。一般に、分子線エピタキシ
ー装置(MBE装置)あるいは多元のエレクトロンビー
ム(EB)蒸着装置で蒸発源の前を開閉シャッターで制
御したり、気相成長法で作製する際にガスの種類を切り
替えたりすることにより、周期的積層を達成することが
できる。しかしこの種の非常に薄い層の積層には従来ス
パッタリング蒸着は不向きとされていた。この理由は、
成膜中のガス圧の高さに起因する不純物の混入およびエ
ネルギーの高い粒子によるダメージと考えられている。
しかしながら、このBi-Ti-O薄膜に対してスパッタリ
ングにより異なる薄い層の積層を行なったところ、以外
にも良好な積層膜作製が可能なことがわかった。
【0021】スパッタ蒸着で異なる物質を積層させる方
法としては、組成分布を設けた1のスパッタリングタ
ーゲットの放電位置を周期的に制御するという方法があ
るが、組成の異なる複数個のターゲットのスパッタリン
グという方法を用いると比較的簡単に達成することがで
きる。この場合、複数個のターゲットの各々のスパッタ
量を周期的に制御したり、あるいはターゲットの前にシ
ャッターを設けて周期的に開閉したりして、周期的積層
膜を作製することができる。また基板を周期的運動させ
て各々ターゲットの上を移動させる方法でも作製が可能
である。レーザースパッタあるいはイオンビームスパッ
タを用いた場合には、複数個のターゲットを周期運動さ
せてビームの照射するターゲットを周期的に変えれば、
周期的積層膜が実現される。このように複数個のターゲ
ットを用いたスパッタリングにより比較的簡単にBi-T
i-O系酸化物の周期的積層が作製可能となる。
【0022】実施例2 図6に本実施例で用いた2元マグネトロンスパッタ装置
の概略図を示す。図6において、8はBi ターゲット、
9はTi ターゲット、10、11はシャッター、12は
基体、13は基体加熱用ヒーターを示す。計2個のター
ゲット8、9は図6に示すように配置させた。即ち、N
b を0.1wt%ドーピングしたSr Ti O3 (10
0)基体12に焦点を結ぶように各ターゲットが約30
°傾いて設置されている。ターゲット8、9にはそれぞ
れシャッター10、11があり、各ターゲットのサイク
ル及びスパッタ時間を設定することができる。基体12
をヒーター13で約600℃に加熱し、アルゴン・酸素
(4:1)混合雰囲気1Paのガス中で各ターゲットの
スパッタリングを行なった。Bi :60W、Ti :20
0Wの高周波電力を注入し、Bi →(Ti →Bi →Ti
→Bi →Ti )→BiのサイクルでBi-Ti-O膜の元素
の組成比がBi:Ti=4:3 となるようにしてBi-Ti-O薄
膜を作製した。この2サイクルで膜厚3.2nmのc軸
長分のBi4 Ti3 12が結晶が作製できる。通常薄膜
の堆積速度は約0.02nm/secであった。その結
果、Bi-Ti-O膜の膜厚を薄くしても、極めて結晶性に
優れたBi-Ti-O膜が得られた。
【0023】さらに実施例1と同様にまず基体1上に
(Sr ,Ba )O層2を電子ビーム蒸着法でSr :Ba=
7: 3になるよう坩堝のSr OとBa Oの混合比率を調
整して堆積した。このとき基体1の温度を650℃にし
たとき良好な(Sr ,Ba )Oのエピタキシャル成長が
得られた。バッファー層2を5nm堆積した後、上記の
方法でBi-Ti-O薄膜を堆積した。そして、実施例1と
同様にBi-Ti-O薄膜の比誘電率、抵抗率を測定する
と、実施例1の場合の(Sr ,Ba )Oバッファー層薄
膜上に作製したBi-Ti-Oよりも何れの値も20〜30
%高い値となった。このことは次のように解釈すること
ができる。すなわち、Bi-Ti-O膜をBi-O層とTi-O
層(あるいはBi-Ti-O層)を周期的に積層することに
よって、Bi-Ti-O結晶のc軸方向の各元素の拡散が抑
えられ、基本的に、Bi 、Ti 、Oの同時蒸着よりも結
晶粒界が少なく、誘電率、抵抗率の高い品質に優れた薄
膜ができあがったものと考えられる。
【0024】なお、Bi-Ti-O膜の代わりに、Bi-W-
O、Bi-Ti-Nb-O、Bi-Ti-Ta-O、Bi-Ti-Ca-
O、Bi-Ti-Sr-O、Bi-Ti-Ba-O、Bi-Ti-Na-
O、Bi-Ti-K- O、Bi-Pb-Ti-O、Bi-Nb-O、B
i-Ta-O、Bi-Pb-Nb-O、Bi-Pb-Ta-O膜を用いた
ときも第2の発明が有効であることを確認した。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、第1の発明の強誘電
体薄膜は、膜厚数10 nm 程度の極薄膜でも特性を補償す
るBi-Ti-O強誘電体の構造を提供するものであり、第
2の発明は第1の発明を効果的に実現するための強誘電
体の製造方法を提供するものであり、デバイス等の応用
には必須の低温でのプロセス確立できた。その結果、膜
厚を薄くしても誘電率、抵抗率の低下とリーク電流(漏
れ電流)の増大が少なく、かつ結晶性及び表面平坦性に
優れた強誘電体薄膜とすることができ、本発明の工業的
価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】( Ca ,Sr ,Ba)O結晶の構造概略図。
【図2】第1の発明による強誘電体薄膜構造概略図。
【図3】第1の発明の実施例によるBi-Ti-O薄膜の膜
厚に対する比誘電率の変化を示す図。
【図4】第1の発明の実施例によるBi-Ti-O薄膜の膜
厚に対する抵抗率の変化を示す図。
【図5】Bi-Ti-O強誘電体の積層構造結晶概略図。
【図6】第2の発明の実施例に用いた実験装置概略図。
【符号の説明】
1,12 基体 2 バッファー層 3 Bi-Ti-O薄膜 4,5 Bi-Ti-O薄膜の比誘電率の膜厚変化 6,7 Bi-Ti-O薄膜の抵抗率の膜厚変化 8,9 スパッタリングターゲット 10,11 シャッター 13 基体加熱用ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 19/00 321 H01B 19/00 321 (72)発明者 足立 秀明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 瀬恒 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−270366(JP,A) 特開 平3−215319(JP,A) 特開 平4−62715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/12 326 H01B 3/12 335 C23C 14/08 C30B 23/08 H01B 3/00 H01B 19/00 321

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、カルシウム(Ca )、ストロ
    ンチウム(Sr )、およびバリウム(Ba )から選ばれ
    る少なくとも1つ以上の元素の酸化物を主成分とする
    化物薄膜が形成され、前記酸化物薄膜の上に、主成分に
    少なくともビスマス(Bi )を含む酸化物薄膜が形成さ
    れた構造を持つ強誘電体薄膜。
  2. 【請求項2】 基体上に、カルシウム(Ca )、ストロ
    ンチウム(Sr )、およびバリウム(Ba )から選ばれ
    る少なくとも1つ以上の元素の酸化物を主成分とする
    化物薄膜層を形成した後、Bi−Oを主成分とする酸化
    物と、少なくともA元素とB元素を含む酸化物とを周期
    的に積層させて形成する強誘電体薄膜の製造方法。(こ
    こでA元素は1価、2価、3価の元素またはこれらの組
    合せを示し、B元素はチタン(Ti )、ニオブ(Nb
    )、タンタル(Ta )またはこれらの組合せを示
    す。)
  3. 【請求項3】 強誘電体を構成する金属元素の蒸発を少
    なくとも二種以上の蒸発源で行う請求項2に記載の強誘
    電体薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸発をスパッタリングで行う請求項2に
    記載の強誘電体薄膜の製造方法。
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