JP3315549B2 - 差動駆動過給装置及びその制御方法 - Google Patents

差動駆動過給装置及びその制御方法

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JP3315549B2
JP3315549B2 JP02459695A JP2459695A JP3315549B2 JP 3315549 B2 JP3315549 B2 JP 3315549B2 JP 02459695 A JP02459695 A JP 02459695A JP 2459695 A JP2459695 A JP 2459695A JP 3315549 B2 JP3315549 B2 JP 3315549B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、差動駆動過給装置
その制御方法に係わり、特に、建設機械等の車両用のエ
ンジンの給気を過給し、エンジン出力の増加を図るエン
ジンの差動駆動過給装置びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用車、トラック、ホィールロー
ダ、クレーン車等、主に車輪をもって走行する車両用エ
ンジンにおいては、加速性を確保しつつ、小型高出力化
するために過給機が用いられている。この過給機には、
エンジン出力の一部は他の機関の動力を用いる機械式
過給方式と、排気ガスを用いるターボチャージャによる
過給方式とがある。機械式過給方式としては、過給機2
10をエンジン211から、図72に示すように、ギヤ
212、213はベルト等を介して機械的に直結駆動
式にしている。この直結駆動式では、図73に示すよう
な空気供給状態となり、エンジン回転速度の低速高負荷
領域(A)ではエンジンへの空気の供給は不足状態とな
り、高速低負荷領域(B)では供給は超過状態となり、
過給機210の駆動ロスが増大する。
【0003】これを解消するために、図74に示すよう
な差動駆動方式にて過給機210を駆動させる方法が提
案されている。図74の差動駆動方式(イ)では、エン
ジン211の出力軸211aにはプラネットキャリア2
13が固設して連結され、キャリア213には通常3個
のプラネタリギヤ214が等間隔に回転自在に取着され
ている。3個のプラネタリギヤ214の内方にはサンギ
ヤ215が、また、外方にはリングギヤ216が噛合し
ている。サンギヤ215の内方にはエンジン211の出
力軸211aが回転自在に配設されている。また、サン
ギヤ215の一端にはギヤ217が設けられ、このギヤ
217には機械式過給機210用の駆動ギヤ218が噛
合している。リングギヤ216には車両の動力伝動系2
20の軸が連結され、動力伝動系の負荷により機械式過
給機210は変動して回転している。
【0004】また、同じ差動駆動方式にて過給機を駆動
させる方法の図75の差動駆動方式(ロ)では、上記と
ほぼ同じ構成(同一部品には同一符号を付設)よりな
り、差動駆動方式(ロ)ではリングギヤ216に、電
気、乾式及び油圧等を利用したブレーキ216aを配設
している。このブレーキ216aによるひきずり抵抗の
強弱で機械式過給機210の回転力を制御している。
【0005】また、建設機械及び運搬機械等では、使用
する機械によりエンジン出力性能は低速・中速回転速度
側で高出力を望まれるもの及び高速回転速度側で高出力
を望まれるものがある。例えば、パワーショベル等
、図76に示すごとく、エンジンが高回転速度で高出
力のもの、即ち、領域Qaで使用されるのでこの範囲で
高出力を出すエンジンが望まれている。また、ブルドー
ザ、ダンプトラック、ホィールローダ、モータグレーダ
及びオンロードトラック等では、図77に示すごとく、
特に中・低速回転時に高出力(実線EL)を出すエンジ
ンが望まれている。しかしながら、現状のエンジンで
は、図77の点線EL−1に示すごとく、中・低速回転
時の出力が低いという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の差動
駆動方式(イ)では、ゼロ発進からの加速(車両停止か
らの加速)の場合には車両負荷が大きいので、ず、機
械式過給機210の回転速度が高まり、エンジンに十分
な空気が入ってからやっと車両が動きだす。このため、
オペレータはアクセル踏み込み初期における停滞感、即
ち、応答性が悪いという不満が生ずる。差動駆動方式
(ロ)では、エンジン駆動力の一部がブレーキ等のひき
ずり抵抗により熱のロスとして失われ、燃費が悪化する
という問題がある。現状のエンジンでは、図77の点線
ELに示すごとく、中・低速回転時に迅速に高出力を出
力するものがないという問題がある。
【0007】これは、現状のエンジンでは、次の問題が
あり達成されない。中・低速回転域で吸入空気量の限
界がある。筒内圧の最大燃焼圧力にPmaxの限界が
ある。参考ながら、低温時に圧縮比を低くとると、始
動が悪く始動性に限界がある。(始動性より、圧縮比は
直接噴射式で15〜17位である。)図78、前記
、の二つの問題を説明する図である。図78におい
て、横軸にエンジン回転速度を示し、縦軸に正味平均有
効圧力Pmeを示し、双曲線(Ar1、Ar2、Ar
3)でエンジンの要求する等空気量を示している。ま
た、一点鎖線(Ara)で現在のエンジン吸入空気量の
限界を示し、二点鎖線(Pml)で現在のエンジンの設
計の構造上のバランスからの最大燃焼圧力(Pmax)
の限界を示している。このため、現在では点線(Tc
a)に示す出力トルクが得られている。
【0008】さらに、高出力を得るためにターボ過給機
を採用しているが、従来のターボ過給機は図79に示す
ようなトルクカーブ(Tca)では低速度時(Na)に
は働かない。従って、定格点(Ra)と最大トルク点
(Tmax)とのエンジンに供給されるべき要求空気
量の差が大きくなり、ワイドレンジのコンプレッサマッ
プが必要となる。このために、コンプレッサはベーンレ
スタイプとしてワイドレンジ化をるためコンプレッサ
効率が悪いとに、空気量の差が大きいため図80に示
すように最高の効率範囲(Laa)を使えない。もし、
定格点(Ra)をこの最高の効率範囲(Laa)に入れ
ると、最大トルク点(Tmax)がサージング域(サー
ジングラインSaa)に入り使用不可となる。また、最
大トルク点(Tmax)をこの最高の効率範囲(La
a)に入れると、定格点(Ra)がチョーク域(チョー
クラインCaa)に入り、コンプレッサ効率が異常に低
下する問題がある。また、機械式過給機により、低速で
高いトルクを出力する高トルク型エンジンを作ると、筒
内圧力が高くなり、設計上の許容限界を越えてしまい、
信頼性、耐久性を確保できない。これを解決するために
圧縮比を低くとると、低温始動性が悪くなるという相反
する問題がある。さらに、低速領域で正味平均有効圧力
を大きくとると、低速トルクが大幅に増加し主運動部分
の潤滑不良は低速域出力増大に各部の冷却不足が生
じ、耐久性、信頼性が低下する問題がある。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に着目し、差
動駆動過給装置びその制御方法に係わり、特に、建設
機械等の車両用エンジンで、加速性の良い、小型で高出
力、かつ低速トルクが大きく、また、燃費が良く得られ
るための車両用のエンジンの過給方法及びその装置の提
供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の発明では、 差動駆動装置を介して
エンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆
動過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリ
アにエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、かつリングギヤに回転負荷可変体を連結し、キャリ
アからのエンジン回転速度の変化に合わせて、リングギ
ヤに接続した回転負荷可変体を増減速し、機械式過給機
をほぼ一定の回転速度にすることを特徴とする。
【0011】第2の発明では、差動駆動装置を介してエ
ンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆動
過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリア
にエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、かつリングギヤに回転負荷可変体を連結し、機械式
過給機の回転速度を停止させたときに、回転負荷可変体
のエネルギーロスを低減するため回転負荷可変体への負
荷を低減し、回転負荷可変体を空転するかは回転負荷
可変体のエネルギーを蓄圧することを特徴とする。
【0012】第2の発明を主体とする第3の発明では、
前記回転負荷可変体のエネルギーロスを低減する手段
は、固定型及び可変容量型ポンプ、固定型及び可変容量
型モータ、固定型及び可変容量型でポンプとモータとを
兼ねるポンプ・モータ並びに蓄圧器のいずれか一であ
る。
【0013】第4の発明では、差動駆動装置を介してエ
ンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆動
過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリア
にエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、リングギヤに回転負荷可変体を、かつエンジン出力
軸に回転負荷可変体を駆動する動力源を連結したことを
特徴とする。
【0014】第4の発明を主体とする第5の発明では、
回転負荷可変体を駆動する動力源が固定型及び可変容量
型ポンプ、発電機並びに空気圧縮機のいずれかであり、
/又は、回転負荷可変体と回転負荷可変体を駆動す
る動力源との間に蓄圧器を設けている。
【0015】第6の発明では、差動駆動装置を介してエ
ンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆動
過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリア
にエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、リングギヤに回転負荷可変体を、かつ回転負荷可変
体を駆動する動力源にアキュムレータはバッテリ等の
蓄圧器を連結したことを特徴とする。
【0016】第1、第4、第5は第6の発明を主体と
する第7の発明では、機械式過給機の回転速度を停止さ
せたときに回転負荷可変体のエネルギーロスを低減する
ためリングギヤと回転負荷可変体とをクラッチを介し
て連結する。
【0017】第8の発明では、差動駆動装置を介してエ
ンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆動
過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリア
にエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、リングギヤに回転負荷可変体を、かつ車両の駆動力
伝達系の出力軸に回転負荷可変体により生ずる動力源を
受ける駆動装置を連結したことを特徴とする。
【0018】第8の発明を主体とする第9の発明では、
回転負荷可変体が固定型及び可変容量型ポンプ、発電機
並びに空気圧縮機のいずれかであり、かつ駆動装置が固
定型及び可変容量型モータ、並びに電動モータのいずれ
かである。
【0019】第1、第2、第4、第6又は第8の発明を
主体とする第10の発明では、機械式過給機とエンジン
との間び大気とエンジンとの間のそれぞれの吸気管に
エンジンへの空気を断続する開閉弁と、エンジン回転速
度を検出するエンジン回転速度センサと、エンジン回転
速度センサからの所定の回転速度の信号を受けて開閉弁
を開閉する信号を出力する制御装置とを備える。
【0020】第10の発明を主体とする第11の発明で
は、制御装置は、機械式過給機の回転速度を停止させた
ときに、機械式過給機とエンジンとの間の開閉弁を閉
じ、大気とエンジンとの間の開閉弁を開き、エンジンへ
の空気を自然吸気とする信号を開閉弁に出力してなる。
【0021】第1、第2、第4、第6又は第8の発明を
主体とする第12の発明では、回転速度を制御するアク
セルと、アクセルの移動量を検出するアクセル量検出セ
ンサと、エンジンへの燃料の噴射量を制御する噴射ポン
プのソレノイドと、噴射ポンプの噴射量を検出するラッ
ク位置センサと、機械式過給機とエンジンとの間び大
気とエンジンとの間のそれぞれの吸気管にエンジンへの
空気を断続する開閉弁と、エンジン回転速度を検出する
エンジン回転速度センサと、回転負荷可変体の容量を増
減するサーボ体と、回転負荷可変体に動力を与える切換
弁と、アクセル量検出センサ、ラック位置センサびエ
ンジン回転速度センサからの所定の信号を受けて、ソ
ノイド、切換弁及びサーボ体に信号を出力し、エンジン
び機械式過給機の回転速度を制御する制御装置とから
なる。
【0022】第12の発明を主体とする第13の発明で
は、制御装置は、機械式過給機を増減速するときに、機
械式過給機とエンジンとの間の開閉弁を開き、大気とエ
ンジンとの間の開閉弁を閉じ、エンジンへの空気を過給
する信号を出力し、かつ切換弁に切り換信号と、回転
負荷可変体のサーボ体に容量を増加する信号とを出力し
てなる。
【0023】第13の発明を主体とする第14の発明で
は、制御装置は、機械式過給機をほぼ一定の回転速度に
するときに、機械式過給機とエンジンとの間の開閉弁を
開き、大気とエンジンとの間の開閉弁を閉じ、エンジン
への空気を過給する信号を開閉弁に出力し、かつ噴射ポ
ンプのソレノイドにエンジン回転速度を増減する信号
と、切換弁に切り換え信号と、回転負荷可変体のサーボ
体に回転速度の増減を与える信号とを出力してなる。
【0024】第15の発明では、エンジン回転速度を制
御するアクセルと、アクセルの移動量を検出するアクセ
ル量検出センサと、噴射ポンプの噴射量を検出するラッ
ク位置センサと、エンジン回転速度を検出するエンジン
回転速度センサと、機械式過給機とエンジンとの間
大気とエンジンとの間のそれぞれの吸気管にエンジンへ
の空気を断続する開閉弁と、リングギヤと回転負荷可変
は回転負荷可変体を駆動する動力源とを断続するク
ラッチと、制御装置とを備え、制御装置は、アクセル量
検出センサ、ラック位置センサびエンジン回転速度セ
ンサからの所定の信号を受けて、大気とエンジンとの間
の開閉弁に開き信号と、クラッチに遮断する信号とを出
力し、エンジンへの吸気を自然吸気にし回転負荷可変
体のエネルギーロスを低減することを特徴とする。
【0025】第16の発明では、エンジン回転速度を制
御するアクセルと、アクセルの移動量を検出するアクセ
ル量検出センサと、噴射ポンプの噴射量を検出するラッ
ク位置センサと、エンジン回転速度を検出するエンジン
回転速度センサと、回転負荷可変体の容量を増減するサ
ーボ体と、車両の駆動力伝達系の出力軸に回転負荷可変
体により生ずる動力源を受ける駆動装置のサーボ体と、
回転負荷可変体と駆動装置とを断続する切換弁と、エン
ジンの出力軸と動力伝達系の出力軸との間の動力を断続
するクラッチと、制御装置とを備え、制御装置は、アク
セル量検出センサ、ラック位置センサびエンジン回転
速度センサからの所定の信号を受けて、クラッチに遮断
する信号と、切換弁に回転負荷可変体と駆動装置とを接
続する信号と、回転負荷可変体に容量を増減する信号
と、駆動装置に容量を増減する信号とを出力し、エンジ
ンの出力を回転負荷可変体から駆動装置を経て車両の駆
動力伝達系の出力軸に出力することを特徴とする。
【0026】第17の発明では、差動駆動装置を介して
エンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆
動過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリ
アにエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、リングギヤにブレーキクラッチを介しフライホ
イールを配設することを特徴とする。
【0027】第17の発明を主体とする第18の発明で
は、クラッチとフライホイールとの間に正転・逆転の切
換のリバースギヤを配設を配設している。
【0028】第19の発明では、差動駆動装置を介して
エンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆
動過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリ
アにエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、かつリングギヤに車両の駆動力伝達系の変速機
変速機の後方の出力軸からの駆動軸を連結したことを特
徴とする。
【0029】第19の発明を主体とする第20の発明で
は、リングギヤと、変速機は変速機の後方の出力軸と
の間に過給機用変速機を配設している。
【0030】第19又は第20の発明を主体とする第2
1の発明では、サンギヤと機械式過給機との間にワンウ
ェイクラッチを配設している。
【0031】第20の発明を主体とする第22の発明で
は、過給機用変速機が、歯車列、プーリ列、ベルト式無
段変速機、トロイダル式無段変速機、油圧ポンプと油圧
モータ、油圧ポンプと油圧モータと切換バルブ、発電機
と電気モータ、び、可変容量型流体継手のいずれかで
ある。
【0032】第19、第20、第21又は第22の発明
を主体とする第23の発明では、変速機は変速機の後
方の出力軸と機械式過給機との間にクラッチを配設して
いる。
【0033】第24の発明では、差動駆動装置を介して
エンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆
動過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリ
アにエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、かつエンジン出力の動力軸とリングギヤとの間にリ
ングギヤ用無段変速機を配設したことを特徴とする。
【0034】第25の発明では、差動駆動装置を介して
エンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆
動過給装置において、差動駆動装置のプラネットキャリ
アにエンジン出力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機
を、かつリングギヤにブレーキを配設するとに、ブレ
ーキを遮断、高速断続及び接続のいずれかを行う高速電
磁バルブを設けたことを特徴とする。
【0035】第26の発明では、差動駆動装置を介して
エンジン出力で駆動される機械式過給機を用いた差動駆
動過給装置において、エンジンの吸気回路中に、外部よ
り動力を受ける差動駆動装置付機械式過給機とターボ過
給機とを直列に付設し、エンジンが差動駆動装置付機械
式過給機によりほぼ等馬力を出力して低速回転速度から
高速回転速度までほぼ等しい排気エネルギーをターボ過
給機に供給してなることを特徴とする。
【0036】第27の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、リングギヤに外部より回転を与えてサンギヤに取着
した機械式過給機の回転速度の増減を制御し、及び/又
は、リングギヤを空転させてサンギヤに取着した機械式
過給機の回転速度の停止し、かつ機械式過給機の回転速
度の増速時に蓄えられたエネルギーを用いることを特徴
とする。
【0037】第28の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、リングギヤに外部より回転を与えてサンギヤに取着
した機械式過給機の回転速度の増減を制御し、及び/又
は、リングギヤを空転させてサンギヤに取着した機械式
過給機の回転速度の停止し、かつリングギヤの空転時に
エンジンの動力を蓄えることを特徴とする。
【0038】第29の発明では、エンジンの回転速度を
差動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジン
への空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、エンジンの回転速度び負荷を検出し、所定の回転
速度び負荷のときにリングギヤを空転させてサンギヤ
に取着した機械式過給機の回転速度停止し、及び/又
は、所定の回転速度び負荷のときに外部の回転負荷可
変体とリングギヤとを遮断してリングギヤを空転させ
サンギヤに取着した機械式過給機の回転速度停止する
ことを特徴とする。
【0039】第30の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、プラネットキャリアからのエンジン回転速度の変化
に合わせてリングギヤに外部より変化する回転を与えて
機械式過給機をほぼ一定の回転速度に制御することを特
徴とする。
【0040】第31の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、エンジンの動力より生じた動力源によりリングギヤ
に外部より回転を与えて、サンギヤに取着した機械式過
給機の回転速度の増減を制御することを特徴とする。
【0041】第32の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、エンジン回転速度び噴射ポンプの噴射量を検出
し、回転速度び噴射ポンプの噴射量に応じて機械式過
給機とエンジンとの間び大気とエンジンとの間のそれ
ぞれの吸気管に設けた開閉弁を開閉し、エンジンへ供給
する空気を自然吸気は過給吸気に制御することを特徴
とする。
【0042】第33の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、エンジン回転速度び噴射ポンプの噴射量を検出
し、回転速度び噴射ポンプが所定範囲内の値にあると
きに、エンジン出力軸と動力伝達系の出力軸との間の動
力を遮断し、エンジンの動力を差動駆動装置を経て回転
負荷可変体で圧力は電力に変換し、駆動装置で圧力
は電力より動力に戻して車両の駆動力伝達系の出力軸に
出力することを特徴とする。
【0043】第34の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、リングギヤに外部より回転を与えてサンギヤに取着
した機械式過給機の回転速度の増減を制御するとき、エ
ンジン回転速度びアクセルペダルの踏み込み量を検出
し、エンジン回転速度びアクセルペダルの踏み込み量
に応じて、リングギヤに付設した回転負荷可変体に最大
負荷を掛けるか、リングギヤに付設したフライホイール
にブレーキを掛けるか、リングギヤに接続したクラッチ
を接続するか及びリングギヤに接続した無段変速機の減
速比を最大にするかのいずれかを行うことを特徴とす
る。
【0044】第35の発明では、エンジン回転速度を差
動駆動装置により増速して過給機を駆動し、エンジンへ
の空気を過給する差動駆動過給装置の制御方法におい
て、機械式過給機の回転速度及び又は仕事量に応じ
て、エンジンにより駆動されるエンジンの噴射ポンプ
潤滑用ポンプ及び冷却用ポンプ等の補機の回転速度とエ
ンジン回転速度との比を可変にすることを特徴とする。
【0045】
【作用】上記構成によれば、機械式過給機を差動駆動方
式にて駆動し、プラネットキャリアにエンジンの駆動力
を入力し、サンギヤに機械式過給機を、また、リングギ
ヤに回転負荷可変体、即ち、固定型及び可変容量型ポン
プ、固定型及び可変容量型モータ、固定型及び可変容量
型のポンプとモータ兼用のポンプ・モータ、発電機、モ
ータ、発電機とモータ兼用の発電機・モータ並びに空気
圧縮機のいずれかを接続し、回転負荷可変体を制御する
ことにより機械式過給機の回転力、回転速度を外部より
制御する。これにより、 (1)ポンプ若しくはモータの吐出容積の可変容量化
(例えば、斜板の制御により吐出量の可変化)若しく
出圧力の可変化は発電機しくは空気圧縮機の負荷
を可変化することにより、機械式過給機の回転力、回転
速度を外部より制御してエンジンへの空気の供給量を制
御する。これにより、ゼロ発進からの加速も含めて応答
性の良い車両運動性能が得られる。 (2)ポンプ若しくはモータの吐出容積の可変容量化若
しくは吐出圧力の可変化は発電機の負荷の可変化によ
り機械式過給機を外部より制御するので、ひきずり抵抗
がなく、エネルギーロスがほとんどない。さらに、エネ
ルギーはアキュムレータはバッテリに保存される。 (3)車両の急発進時に、例えば機械式過給機を急激に
加速させたいときにはアキュムレータはバッテリに蓄
えられたエネルギーを放出して機械式過給機の加速を援
助でき、エネルギーを有効に活用できる。 (4)所定の回転速度では、車両の駆動力に回転負荷可
変体を駆動源として用いることができるので、エネルギ
ーを有効に活用できる。 (5)産業車両及び建設機械等の作業用の油圧源を用い
ることにより、構造が簡単で、安価で、高効率の機械式
過給機の差動駆動方式が得られる。
【0046】(6)リングギヤにブレーキ及びクラッチ
を介してフライホイール等の慣性体を付設することによ
り車両の低速時にフライホイール等の慣性体を用いて機
械式過給機を急激に加速することができ、低速時のエン
ジン出力を高くする。また、高速時には、クラッチを切
断することにより機械式過給機を停止でき、高速時のエ
ンジン出力を低くして燃費を向上する。また、車両の減
速時にクラッチを接続してフライホイール等の慣性体に
エネルギーを蓄え、再発進時にそのエネルギーを用いて
機械式過給機をさらに急激に加速することができ、低速
時のエンジン出力をさらに高くする。また、長時間運転
は登坂時にブレーキを作動することにより機械式過
給機を回転することができ、加速時のエンジン出力を高
くする。 (7)リングギヤの駆動に車両駆動系の変速機の後方の
出力軸から駆動力をることにより低速時には、機械式
過給機を急激に加速することができ、高速時には機械式
過給機の回転を一定に保つことができる。また、機械過
給機にワンウェイクラッチを付設することにより段階的
な変速機の変速にもらず機械過給機の回転を滑らかに
変速する。 (8)リングギヤの駆動に車両駆動系の変速機の後方の
出力軸から駆動力をるとに、過給機用変速機を介し
て駆動することにより作業等用途に応じて機械過給機
の回転を選択でき、最適所要のエンジンの低速時の出力
が得られる。 (9)エンジン出力軸とリングギヤの間にリングギヤ
用無段変速機を挿入することにより差動駆動装置の増速
比を可変にでき、加速初期には増速比を大きくして加速
力を増し、また、加速後期には増速比を小さくして機械
過給機をゆっくり回し、定常走行への移行をスムーズに
する。上記のごとく、低速高トルク型で、燃料経済性の
高い、しかも、小型で安価な応答性のよいパワートレイ
ンを得ることができる。
【0047】(10)リングギヤにクラッチを装着し
て、このクラッチを高速電磁バルブによりクラッチを遮
断、高速断続及び接続のいずれかを行ない低速高トルク
るため、小型で安価な応答性のよいパワートレイ
を得られるとに、ゼロ発進からの加速も含めて応答性
の良い車両運動性能が得られる。また、高速遮断は接
続をしているので従来のようにブレーキをひきずるこ
となく耐久性、信頼性がある。 (11)機械過給機とターボ過給機とを組み合わせると
に、差動駆動装置により機械過給機を駆動して等出力
を出力している。 (12)機械過給機とターボ過給機とを組み合わせると
に、差動駆動装置により機械過給機を駆動して等出力
を出力し排気エネルギーを一定にしている。この一定
の排気エネルギーによりターボ過給機の回転速度を一定
化できるため、ロウレンジのマップのディフューザ付き
のコンプレッサ使用できる。従って、コンプレッサ効
率を最高の効率範囲(Laa)で使える。 (13)低速時に、高速で機械過給機により過給し、
て亜断熱圧縮により吸気温度を上昇させるため、圧縮
比を下げても低温始動性を確保できる。 (14)圧縮比が下げられるために正味平均有効圧力は
高く設定でき、低速時の高トルクを出力するエンジンが
得られる。 (15)差動駆動装置により機械過給機が駆動され、常
に等量の空気を過給してエンジンに送り込むことができ
るので、低速域では従来のターボチャージャ付きエンジ
ンでは問題となるターボラグ、即ち、加速時の初期に過
給遅れからくる停滞感を解消できる。また、中高速では
ターボチャージャにかわって機械過給機による高出力化
を実現できる。 (16)機械過給機回転速度がエンジン回転速度によら
ず差動駆動装置により任意に制御することが可能とな
り、また、必要に応じた機械過給機の増減速を行なうこ
とで必要時の高い過給圧の確保と、軽負荷時の駆動ロス
低減を両立できる。これにより、高出力、高トルク化
と総合燃料消費率の低減を同時に実現できる。 (17)エンジン回転速度が低速時に補機類を高速で回
転させるため、潤滑、冷却は燃料噴射が十分行える。
【0048】
【実施例】以下、本発明に係わる差動駆動過給装置
その制御方法の実施例を図を参照して詳細に説明する。
図1は、第1実施例なる差動駆動過給装置の概念図であ
る。エンジン出力軸1Aには、差動駆動装置なる差動遊
星歯車装置10が付設され、差動遊星歯車装置10には
機械式過給機20及び可変容量型油圧モータ30(以
下、可変油圧モータ30という。)が付設されている。
また、エンジン出力軸1Bには車両の駆動力伝達系40
が接続され、さらに、出力軸1Bからギヤ2、3を介し
て可変容量型油圧ポンプ50(以下、可変油圧ポンプ5
0という。)が配設されている。可変油圧ポンプ50か
らの配管51には可変油圧モータ30へ圧油を給排する
電磁切換弁52が、また、配管51から分岐した配管5
1aには掘削、積み込み等の作業機のシリンダ53への
切換弁54が接続されている。また、可変油圧モータ3
0と電磁切換弁52の間は配管33、35で接続さ
、シリンダ53と切換弁54の間は配管55接続
されている。可変油圧ポンプ50からの吸い込み配管5
6と可変油圧モータ30から電磁切換弁52を経た戻
り配管57は油圧タンク58に接続されている。可変
油圧モータ30と電磁切換弁52の間の配管33には
吸込弁34が配設され、配管35には安全弁36が配設
されている。可変油圧ポンプ50及び可変油圧モータ3
0には、吐出容積を変えるサーボ弁50a及びサーボ弁
30aが付設され制御装置60からの指令によりサー
ボ弁50a、30aが作動し吐出容積を変える。切換
弁54(クローズドセンタ・ロードセンシング弁)は操
作レバー59に接続され、運転手の操作により切り
られる。操作レバー59は油圧パイロット方式を示して
いるが、直引レバー及び電気レバー等を用いても良い。
【0049】機械式過給機20の吸入側は図示しないフ
ィルタを経て大気Uに、また、機械式過給機20と図示
しないフィルタの間の配管21より分岐した配管21
aには開閉弁22が配設され、配管21aはエンジン1
の吸気管23に接続ている。機械式過給機20の吐出
側の配管24には開閉弁25が配設され、配管24はエ
ンジン1の吸気管23に接続ている。開閉弁22、2
5は制御装置60に接続、制御装置60からの指令に
より開閉し、大気から図示しないフィルタを介して配管
21a、開閉弁22及び吸気管23から直ちに空気をエ
ンジンに供給するかは機械式過給機20を経て配管2
4、開閉弁25及び吸気管23から空気をエンジン1に
供給するかの切りえを行う。
【0050】制御装置60には、アクセル61の踏み込
み量を検出するアクセル量検出センサ62、エンジン回
転数を検出するエンジン回転数センサ63、車両の駆動
力伝達系40からタイヤの間の回転速度を検出し車速を
検出する車速検出センサ64、エンジンの燃料噴射量を
制御する噴射ポンプ65のラック位置を検出するラック
位置センサ66、操作レバー59の位置を検出する操作
レバー位置センサ67及びシフトレバー68に付設して
あるシフト位置センサ69からの信号入る。また、制
御装置60には、エンジン1の燃料の噴射量を制御する
噴射ポンプ65のソレノイド70と、前記の可変油圧ポ
ンプ及び可変油圧モータのサーボ弁50a、30aと、
前記の機械式過給機20の開閉弁22及び開閉弁25と
が接続され、制御装置60からの指令によりそれぞれ作
動する。
【0051】差動遊星歯車装置10はサンギヤ11、プ
ラネタリギヤ12、プラネットキャリア13(以下、キ
ャリア13という。)及びリングギヤ14からなり、差
動遊星歯車装置10には、エンジン出力軸1Aに固設さ
れたギヤ6から、ギヤ6に噛みい、かつキャリア13
に固設されたギヤ7を経てエンジン1の動力が入力され
る。キャリア13には通常3個のプラネタリギヤ12が
等間隔に回転自在に取着されている。3個のプラネタリ
ギヤ12の内方にサンギヤ11が噛み合い、外方にリン
グギヤ14が噛ている。サンギヤ11には機械式
過給機20が配設されている。リングギヤ14の内方に
はキャリア13の軸13aが回転自在に配設されてい
る。リングギヤ14の外方のギヤ14aにギヤ8が噛み
合い、このギヤ8に可変油圧モータ30が配設されてい
る。
【0052】駆動力伝達系40は各種のミッション等が
あるが、遊星歯車装置と油圧クラッチ等とでなるミッシ
ョンは遊星歯車装置と電磁クラッチ等とでなるミッシ
ョンでも良い。駆動力伝達系40は最的にはタイヤ4
1に伝達される。タイヤ部にはブレーキ42が付設され
ている。
【0053】上記構成において、次に作動について説明
する。ず、図2び図3を用いてエンジン1、差動遊
星歯車装置10、機械式過給機20及び可変油圧モータ
30の回転速度の相互関係を説明する。図2は差動遊星
歯車装置10の噛み合い側面図であり、真ん中のサンギ
ヤ11に機械式過給機20が取着され、その外側の3個
のプラネタリギヤ12は、キャリア13を介して(図1
ではさらにギヤ6、7を介して)エンジン1に連結さ
れ、外側のリングギヤ14に可変油圧モータ30が取着
されている(図1では、ギヤ14aを介してギヤ8に取
着されている)。図3は相互の回転速度関係を示す図で
あり、横軸に可変油圧モータ30の回転速度を示し、縦
軸に機械式過給機20の回転速度を示し、さらに、エン
ジン回転速度の一部を実線の斜線で示している。
【0054】図3において、(1)の位置ではエンジン
1が回転速度700rpmで回転していることを示し、
このとき機械式過給機20の回転速度はゼロ(停止)で
あり、かつ可変油圧モータ30は可変油圧ポンプ50か
ら電磁切換弁52の中立位置(チ)を介して油を供給さ
れて所定の回転速度で空転していることを示す。このと
き、可変油圧モータ30は斜板を立てて押し退け容積
(吐出容積)をゼロにしておくと、エネルギーロスが低
減される。また、このとき、エンジン1への空気の供給
は、開閉弁22が開き、自然吸気(過給されない状態)
により行われている。この状態は、図2では、エンジン
回転速度700rpmがキャリアの回転速度とな
り、図では(Ee)表している。可変油圧モータ30
の回転速度は、リングギヤ14の回転速度となり、図で
は(a)の位置で表している。機械式過給機20の回転
速度は、サンギヤ11の回転速度となり、図では(1)
の位置で表している。
【0055】以下において、図3の位置の符号(1)、
(2)・・は、図2で機械式過給機20の回転速度
(1)、(2)・・に対応し、また、図3の位置の符号
(1)、(2)・・・は、図2での可変油圧モータ30
の回転速度(a)、(b)・・・に対応する。次に、エ
ンジン回転速度を上昇させるためアクセルペダル61を
操作すると、アクセル量検出センサ62の検出により制
御装置60は可変油圧モータ30のサーボ弁30aに指
令を送るとに、電磁切換弁52に指令を出力する。サ
ーボ弁30aは指令を受けて可変油圧モータ30に所定
量の押し退け容積を出すために斜板を傾け、電磁切換弁
52は位置(リ)に切り換わる。これにより、可変油圧
モータ30からの戻り配管35が電磁切換弁52により
遮断されて可変油圧モータ30に圧力が掛かり、可変油
モータ30の回転は停止する。可変油圧モータ30
停止により、機械式過給機20は所定速度で回転を始め
る。このとき、機械式過給機20の吐出側の開閉弁25
は、制御装置60からの指令により開く。この時の可変
油圧モータ30の回転速度は、図2では(b)の位置に
あり、機械式過給機20の回転速度は、図3及び図2で
は(2)の位置にある。
【0056】機械式過給機20が回転しエンジン1に
空気を供給すると、さらにエンジン1はアクセルペダル
61の操作量に応じて急速に回転速度を増す。エンジン
回転速度が所定速度に増したのをエンジン回転数センサ
63で検出し、制御装置60は可変油圧ポンプ50のサ
ーボ弁50aに指令を送り、可変油圧ポンプ50から圧
油を吐出させるとに、サーボ弁30aは指令を受けて
可変油圧モータ30に所定量の押し退け容積を出すため
に斜板を傾ける。また、このとき、制御装置60は電磁
切換弁52に指令を出力し、電磁切換弁52は位置
(ヌ)に切り換る。可変油圧ポンプ50からの圧油は
電磁切換弁52を介して可変油圧モータ30に送られ
所定の回転速度で可変油圧モータ30を回転させる。こ
の時の可変容油圧モータ30の回転速度は、図2では
(c)の位置にあり、機械式過給機20の回転速度は、
図3及び図2では(3)の位置にある。
【0057】さらに、エンジン回転速度が増し、例えば
1400rpmに達すると、上記と同様に、エンジン回
転数センサ63で検出し、制御装置60は可変油圧ポン
50のサーボ弁50aに指令を送り、可変油圧ポンプ
50から圧油を増加させ、さらに高い所定の回転速度で
可変油圧モータ30を回転させる。これによりエンジン
回転速度の増加とに、可変油圧モータ30の駆動によ
り機械式過給機20の回転速度は急速に増加する。この
位置は図2では(d)の位置にあり、図3及び図2では
(4)の位置にある。
【0058】さらに、エンジン回転速度が例えば140
0rpm以上になると、上記と同様に、エンジン回転数
センサ63で検出し、制御装置60は可変油圧ポンプ
のサーボ弁50aに指令を送り、可変油圧ポンプ50
からの圧油を減少させて可変油圧モータ30の回転速度
を所定の回転速度に低下させる。これにより、可変油圧
モータ30の回転速度により駆動される機械式過給機2
0の回転速度は減少するが、エンジン回転速度の増加に
より機械式過給機20の回転速度増加するため機械
式過給機20の回転速度はほぼ一定度で回転し、エン
ジン1への空気の供給量はほぼ一定となる。このため、
過剰な空気の供給がなくなりエネルギーロスを低減で
きる。この位置は、図2では(e)の位置にあり、図3
及び図2では(5)の位置にある。
【0059】さらに、エンジン回転速度が例えば210
0rpmに達すると、上記と同様に、可変油圧ポンプ5
0から圧油をさらに減少させ、可変油圧モータ30の回
転速度をさらに低い所定の回転速度に低下させる。これ
により、機械式過給機20の回転速度も減少し、エンジ
ン1への空気の供給量はさらに少なくなる。この位置は
図2では(f)の位置にあり、図3及び図2では(6)
の位置にある。
【0060】エンジン回転速度が、例えば2100rp
m以上で安定すると、過剰な空気の供給をなくすと
に、機械式過給機20の機械エネルギーの損失を防止す
るため機械式過給機20の回転速度はゼロ(停止)に
する。700rpmのときと同様に、可変油圧モータ3
0は可変油圧ポンプ50から電磁切換弁52の中立位置
(チ)を介して油を供給され、所定の回転速度で空転し
ていることを示す。このとき、可変油圧モータ30は前
記と同様に斜板を立てて押し退け容積をゼロにしておく
エネルギーロスが低減される。また、このとき、機
械式過給機20の吐出側の開閉弁25は制御装置60か
らの指令により閉じるとに、開閉弁22を開き、自然
吸気をさせる。これにより、過剰な空気の供給がなくな
り、エネルギーロスを低減できる。この位置は、図2で
は(g)の位置にあり、図3及び図2では(7)の位置
にある。
【0061】次に、車両、例えばホイールローダ等の建
設車両に用いた場合について説明する。図4は、ホイー
ルローダの作業状態を示す図であり、停止状態から砂山
等に突っ込み、ローデイング作業を行い、後退後に停止
し(1)、その後に前進加速し〔(2)から(6)〕な
がらダンプ等に接近し停止して(7)排土する作業を示
している。図5はホイールローダの作業状態時のエンジ
ンと空気供給の状態を示し、横軸にエンジン回転速度
を、縦軸にエンジンの1サイクルにおける正味平均有効
圧Pmeをとり、実線にて機械式過給機20及び自然吸
気による空気の供給量の区分を図示している。尚、図2
から図5に用いた記号の位置(1)、(2)・・は対応
しているために、以下では、エンジン1、機械式過給機
20、可変油圧モータ30の回転速度の相互関係の重複
説明は省略し、機械式過給機20の回転速度と正味平均
有効圧Pmeについて説明する。
【0062】図4において、(1)の位置ではホイール
ローダは後退後に停止している状態であり、機械式過給
機20の回転速度もゼロ(停止)になり、エンジン1は
自然吸気を行ない正味平均有効圧Pmeは線(イ)以下
である。次に、図4の(2)から(3)へ、即ち、前記
「前進加速し〔(2)から(6)〕ながらダンプ等に接
近」するために、シフトレバー68を前進に切り換えつ
つ、かつエンジン回転速度を上昇させるためアクセルペ
ダル1を操作しつつ、操作レバー59を操作し、切換弁
54を作動させてバケットを上昇して車両の加速を行う
と、エンジン1には図5の自然吸気の領域の(1)の位
置から二点鎖線に沿って機械式過給機20からの空気の
供給が始まり、正味平均有効圧Pmeは(2)の領域か
ら(3)領域へと増加して、エンジン回転速度及び出力
は急速に増加し、車速を増していく。
【0063】さらに、車速を増し、一定の走行速度にな
るまでは、機械式過給機20からの空気の供給を増加し
て、正味平均有効圧Pmeを高めて(4)の領域にい
き、エンジン回転速度及び出力を増加し、車速も増して
いく。車速が増し、エンジン回転速度も高速になるに
い過剰な空気の供給をけるために機械式過給機20か
らの空気量をほぼ一定に保つ。また、このとき、エンジ
ン回転数センサ63からのエンジン回転速度と、車速検
出センサ64からの車速との関係から制御装置60は噴
射ポンプ65のソレノイド70に指令を送ってエンジン
の燃料の噴射量を制御し、正味平均有効圧Pmeを下げ
て(5)の領域に移行していく。
【0064】車速増し、一定の走行速度になると、エ
ンジン回転速度と車速との関係から制御装置60は機械
式過給機20からの空気の供給を減少するために機械式
過給機20の回転速度を減少していき、正味平均有効圧
Pmeを(6)の領域に移行し、そこからさらにエンジ
ン回転速度が所定の回転速度に達すると、機械式過給機
20を停止して自然吸気を行ない正味平均有効圧Pm
eは線(イ)以下のエンジン高速(7)の領域に移行す
る。これにより、応答性、燃費の良い車両が得られる。
【0065】図6は、第2実施例なる差動駆動過給装置
の概念図である。第2実施例は、第1実施例に対し、
動遊星歯車装置70の配置及び機械式過給機20ギヤ
を介して駆動されている点が異なる。以下、第2実施例
について説明するが、以下では第1実施例及び他の実施
例と同一部品には同一符号を付して重複説明は省略す
る。また、以下では、差動遊星歯車装置70の構成並び
可変油圧ポンプ及び可変油圧モータの配置のみを示
し、他の構成部材の説明は省略する。
【0066】差動遊星歯車装置70は車両の駆動力伝達
系40を駆動するエンジン出力軸1Bに配設されてい
る。差動遊星歯車装置70には、エンジン出力軸1Bに
固設されたキャリア71からエンジン1の動力が入力さ
れる。キャリア71には通常3個のプラネタリギヤ12
が等間隔に回転自在に取着され、3個のプラネタリギヤ
12の内方にサンギヤ72が噛み合い、外方にリングギ
ヤ14が噛ている。サンギヤ72の分岐したギヤ
72aにはギヤ73が噛み合い、ギヤ73には機械式過
給機20が配設されている。
【0067】上記構成において、作動については第1実
施例と同一のため重複説明は省略する。
【0068】図7は、第3実施例なる差動駆動過給装置
の概念図である。第3実施例は、第2実施例に対し、エ
ンジン出力軸1Bで、かつ差動遊星歯車装置70と駆動
力伝達系40の間にクラッチ80を配設し、さらに、
可変油圧ポンプ50を差動遊星歯車装置70に、可変油
圧モータ30をクラッチ80後の駆動力伝達系40側の
ギヤ3に入れ換えて配設している。クラッチ80は制御
装置60からの指令により電磁バルブ81を介した油圧
により断続を行う。クラッチ80に接続された出力軸1
Cには車両の駆動力伝達系40が接続されている。
【0069】上記構成において、次に作動について説明
する。ず、図8及び図9を用いて、エンジン1、差動
遊星歯車装置70、機械式過給機20及び可変油圧モー
タ30の回転速度の相互関係を説明する。図8は差動遊
星歯車装置70の噛み合いの側面図であり、本実施例は
サンギヤ72の分岐したギヤ72aにギヤ73が噛み合
い、ギヤ73に機械式過給機20が取着されているが、
図では真ん中のサンギヤ72に機械式過給機20が取着
されている。その外側の3個のプラネタリギヤ12は、
キャリア71を介してエンジン1に連結され、外側のリ
ングギヤ14に可変油圧ポンプ50が取着(噛み合って
いる)されている。図9は相互の回転速度関係を示す図
であり、横軸に可変油圧ポンプ50の回転速度を、縦軸
に機械式過給機20の回転速度を示し、さらに、エンジ
ン回転速度の一部を実線の斜線で示している。
【0070】図9において、(1a)の位置ではエンジ
ン1回転速度700rpmで回転していることを示
し、このとき機械式過給機20の回転速度はゼロ(停
止)であり、かつ可変油圧ポンプ50は所定の回転速度
で空転していることを示す。このとき、可変油圧ポンプ
50は斜板を立てて押し退け容積をゼロにしておくと、
エネルギーロスが低減される。また、クラッチ80は制
御装置60からの指令により電磁バルブ81が中立位置
にあり、接続していない。また、このとき、エンジン1
への空気の供給は開閉弁22が開き自然吸気により行わ
れている。この状態は図8では、可変容量型油圧ポンプ
50の回転速度が(p)の位置で示され、機械式過給機
20の回転速度が(1a)の位置で示されている。
【0071】以下において、図8では機械式過給機20
の回転速度は(1a)、(2a)・・で示し、可変油圧
ポンプ50の回転速度は図2では符号(p)、(q)・
・・で示している。次に、エンジン回転速度を上昇させ
るためアクセルペダル61を操作すると、アクセル量検
出センサ62の検出により制御装置60はサーボ弁50
aに指令を送る。サーボ弁50aは指令を受けて可変油
圧ポンプ50に所定量の押し退け容積を出すために斜板
を傾ける。これにより、可変油圧ポンプ50に圧力が掛
かりポンプの回転は停止する。可変油圧ポンプ50の停
止により機械式過給機20は所定速度で回転を始める。
このとき、機械式過給機20の吐出側の開閉弁25は制
御装置60からの指令により開く。クラッチ80は制御
装置60からの指令により電磁バルブ81は、中立位置
にあり、接続していない。エンジン出力トルクは駆動力
伝達系40に伝達されていない。この時の可変油圧ポン
プ50の回転速度は図8では(q)の位置にあり、機械
式過給機20の回転速度は図9及び図8では(2a)の
位置にある。
【0072】機械式過給機20が回転しエンジン1に空
気を供給すると、さらにエンジン1はアクセルペダル6
1の操作量に応じて急速に回転速度を増す。エンジン回
転速度が増加するのをエンジン回転数センサ63で検出
しながら、制御装置60はサーボ弁50aに指令を送
ポンプの回転を依然として停止させ続ける。このと
き、機械式過給機20の回転速度はエンジン回転速度の
増速に伴い増加する。これは、例えば1400rpmに
達するまで続けられる。この時の可変油圧ポンプ50の
回転速度は図8では(q)の位置にあり、機械式過給機
20の回転速度は図9及び図8では(3a)の位置にあ
る。
【0073】さらに、エンジン回転速度が増し、例えば
1400rpm以上になると、上記と同様に、エンジン
回転数センサ63で検出し、制御装置60はサーボ弁5
0a、切換弁53a及び可変油圧モータ30のサーボ弁
30aに指令を送る。これにより、切換弁53aが作動
して切り替わり、可変油圧ポンプ50は回転を始めて圧
油を可変油圧モータ30に送る。サーボ弁30aは指令
を受けて可変油圧モータ30の斜板を所定量の押し退
容積を出すために傾ける。これにより、可変油圧モータ
30は回転を始めて出力トルクをギヤ2、3を介して出
力軸1Cから車両の駆動力伝達系40出力する。これ
により車両へのトルク供給が急激に開始され加速良く車
両が発進する。また、このとき、エンジン回転速度の増
加と、可変油圧ポンプ50の回転開始に伴い、機械式
過給機20の回転速度はほぼ一定の回転速度になり、エ
ンジン1への空気の供給量もほぼ一定になる。このた
め、過剰な空気の供給がなくなり、エネルギーロスを低
減できる。この位置は図9及び図8では(4a)の位置
にあり、図8では(r)の位置にある。
【0074】さらに、エンジン回転速度が例えば210
0rpmに達すると、上記と同様に、エンジン回転数セ
ンサ63で検出し、制御装置60からの指令により電磁
バルブ81を操作位置に切りえ、クラッチ80を接続
する。これによりエンジン出力は、クラッチ80を介し
て車両の駆動力伝達系40から出力する直結駆動に切り
えられる。このため、油圧駆動よりも効率がよくな
る。また、このとき、車両駆動負荷が高いうちは、機械
式過給機20の回転速度はそれに見合う高速で安定し、
エンジン1への空気の供給量を確保しける。この位置
は図9及び図8では(5a)、(r)の位置にある。こ
のとき可変油圧ポンプ50は斜板を立てて、押し退け容
積をゼロとし、空転状態としておくことでエネルギーロ
スをゼロとしておく。
【0075】次に車両が一定走行となり、負荷の高い高
速運転、例えば2100rpm以上で安定すると、機械
式過給機20の負荷抵抗が相対的に増加するので、機械
式過給機20の回転速度はほぼゼロ(停止)となってバ
ランスする。また、このとき、機械式過給機20の吐出
側の開閉弁25は制御装置60からの指令により閉じる
に、開閉弁22を開き自然吸気をさせる。これによ
り過剰な空気の供給がなくなり、エネルギーロスを低減
できる。この位置は図8、図9では(6a)、(S)の
位置にある。
【0076】次に、前記と同様に図4に示した車両(ホ
イールローダ)に用いた場合について説明する。図10
図5と同様に、横軸にエンジン回転速度をとり、縦
軸にエンジンの1サイクルにおける正味平均有効圧Pm
eをとり、実線にて機械式過給機20及び自然吸気によ
る空気の供給量の区分を図示しており、2点鎖線に沿っ
てエンジン1が上昇した場合について説明する。尚、図
9に用いた記号の位置(1a)、(2a)・・と図10
の記号は対応しているために、以下では、エンジン1、
機械式過給機20及び可変油圧モータ30の回転速度の
相互関係の重複説明は省略し、機械式過給機の回転速度
と正味平均有効圧Pmeについて説明する。
【0077】(い)のエンジン回転速度が低い領域で
は、ホイールローダは停止している状態であり、機械式
過給機20の回転速度もゼロ(停止)になり、エンジン
1は自然吸気を行ない正味平均有効圧Pmeは線(
以下である。 (ろ)領域では、機械式過給機20からの空気の供給が
始まり、正味平均有効圧Pmeは増加してエンジン回転
速度及び出力は急速に増加し、車速を増していく。 (は)の領域では、車速を増し、一定の走行速度になる
までは、機械式過給機20からの空気の供給を増加し
て、エンジン回転速度及び出力を増加し、車速も増し、
さらに、一定の走行速度になると、エンジン回転速度と
車速との関係から制御装置60は機械式過給機20から
の空気の供給を減少するために機械式過給機20の回転
速度を減少して行く。エンジン回転速度が所定の回転速
度に達すると、機械式過給機20を停止して自然吸気を
行ない正味平均有効圧Pmeは線(イ)以下のエンジン
1の高速領域(い)に移行する。
【0078】図11は、第4実施例なる差動駆動過給装
置の概念図である。第1実施例は、リングギヤ14の外
方のギヤ14aにはギヤ8が噛み合い、このギヤ8には
可変油圧モータ30が配設されているのに対し、第4実
施例では可変油圧モータ30の代わりに可変容量型油圧
ポンプ・モータ90(以下、油圧ポンプ・モータ90と
いう。)が配設され、さらに、油圧ポンプ・モータ90
には電磁制御弁100を介してアキュムレータ110が
接続されている。
【0079】上記構成において、次に作動について説明
する。図13はエンジン1、差動遊星歯車装置70、機
械式過給機20及び油圧ポンプ・モータ90の回転速度
の相互関係を示す。図12は差動遊星歯車装置70の噛
み合いの側面図である。図13の(1a)の位置ではエ
ンジン1は回転速度700rpmで回転していることを
示し、このとき、機械式過給機20の回転速度はゼロ
(停止)であり、かつ油圧ポンプ・モータ90は油圧ポ
ンプとして所定速度で回転し、アキュムレータ110に
蓄圧する。この状態は、油圧ポンプ・モータ90の回転
速度が(s)の位置で示され、機械式過給機20の回転
速度が(1a)の位置で示されている。
【0080】次に、(2a)の位置では、エンジン回転
速度を上昇させるためアクセルペダル等を操作すると、
アクセル量検出センサ62の検出により制御装置60は
油圧ポンプ・モータ90のサーボ弁90aに指令を送
る。サーボ弁90aは指令を受けて油圧ポンプ・モータ
90に可変油圧ポンプとして所定量の押し退け容積を出
すために斜板を傾ける。これにより、油圧ポンプ・モー
タ90に圧力が掛かり油圧ポンプ・モータ90は油圧ポ
ンプとして作用しその回転は停止する。ポンプの停止に
より機械式過給機20は所定速度で回転を始める。この
とき、機械式過給機20の吐出側の開閉弁25は制御装
置60からの指令により開く。この状態は、油圧ポンプ
・モータ90の回転速度が(t)の位置で示され、機械
式過給機20の回転速度が(2a)の位置で示されてい
る。
【0081】機械式過給機20が回転しエンジン1に空
気を供給すると、さらにエンジン1はアクセルペダル等
の操作量に応じて急速に回転速度を増す。エンジン回転
速度が増加するのをエンジン回転数センサ63で検出し
ながら、制御装置60は電磁制御弁100に指令を出力
し、油圧ポンプ・モータ90とアキュムレータ110を
接続する。それと同時に油圧ポンプ・モータ90のサー
ボ弁90aに指令を送り、サーボ弁90aは指令を受け
て油圧ポンプ・モータ90に可変油圧モータとして所定
量の押し退け容積を出すために斜板を傾ける。これによ
り、油圧ポンプ・モータ90はアキュムレータ110か
らの圧油を受けて油圧モータとして回転を始め、機械式
過給機20の回転速度を急加速で(2a)から(3a)
に増速する。この状態は、油圧ポンプ・モータ90の回
転速度が(v)の位置で示され、機械式過給機20の回
転速度が(3a)の位置で示されている。
【0082】さらに、エンジン回転速度が増し、例えば
2100rpm迄は、上記と同様に、エンジン回転数セ
ンサ63で検出し、制御装置60は油圧ポンプ・モータ
90のサーボ弁90aに指令を送り、サーボ弁90aは
斜板の傾きを大きくして押し退け容積を多くし、油圧ポ
ンプ・モータ90の油圧モータとしての回転速度を減速
し、エンジン1への空気量を調整する。この状態は、油
圧ポンプ・モータ90の回転速度が(w)の位置で示さ
れ、機械式過給機20の回転速度が(4a)の位置で示
されている。
【0083】エンジン回転速度が例えば2100rpm
以上で安定すると、油圧ポンプ・モータ90は可変油圧
ポンプとして所定速度で回転し、アキュムレータ110
に蓄圧する。アキュムレータ110の蓄圧が所定量に達
すると、油圧ポンプ・モータ90は空転する。この状態
は、油圧ポンプ・モータ90の回転速度が(y)の位置
で示され、機械式過給機20の回転速度が(5a)の位
置で示されている。このとき、機械式過給機20の機械
エネルギーの損失を防止するため、機械式過給機20の
回転速度はほぼゼロ(停止)にする。また、このとき、
機械式過給機20の吐出側の開閉弁25は制御装置60
からの指令により閉じるとに、開閉弁22を開き自然
吸気をさせる。これにより過剰な空気の供給がなくなり
エネルギーロスを低減できる。、機械式過給機20か
らの過給圧力を図示しない電磁リリーフ弁にて低圧
し、アンロードさせてもよい
【0084】次に、図14に機械式過給機の回転速度と
正味平均有効圧Pmeについて示すが、前記と同様に、
図4に示す車両に用いた場合についての機械式過給機2
0及び自然吸気による空気の供給量の区分は、第3実施
例に対して、区分を多くしたのみであるため重複説明は
省略する。
【0085】図15は、第5実施例なる差動駆動過給装
置の概念図であり、第2実施例に第4実施例で用いたア
キュムレータを装着している。第5実施例では、可変油
圧ポンプ50と切換弁53aとの間にアキュムレータ1
10が配設されている。機械式過給機20の回転速度を
急加速で増速するときには、制御装置60は切換弁53
aを作動する図示しない電磁比例弁に指令を出力し、可
変油圧ポンプ50及びアキュムレータ110と可変油圧
モータ30とを接続し、可変油圧ポンプ50からの圧油
の供給とに、アキュムレータ110からも圧油を供給
して可変油圧モータ30を回転させ、リングギヤ14を
介して機械式過給機20を回転させる。
【0086】機械式過給機20の回転速度がゼロのとき
は、可変油圧ポンプ50からの圧油はアキュムレータ1
10に蓄圧し、アキュムレータ110の蓄圧が所定量に
達すると、可変油圧ポンプ50は空転する。その他の相
互の回転速度関係及び車両に用いた場合についての説明
は第4実施例とほぼ同一のため省略する。
【0087】図16は、第6実施例なる差動駆動過給装
置の概念図であり、第4実施例の油圧ポンプ・モータ
を第6実施例では発電機・電動モータ120に置換す
ると共に、アキュムレータ110をバッテリ130に置
ている。発電機・電動モータ120の制御部121
及び切換えスイッチ122は制御装置60に接続されて
作動し、発電は電動モータの切り換えが行われる。切
り換えは第4実施例と同様に、機械式過給機20の回
転速度を急加速で増速するときは、電動モータとして作
動する。機械式過給機20の回転速度をゼロにするとき
は、発電機として作動し作動装置に負荷を与える。そ
の他の相互の回転速度関係及び車両に用いた場合につい
ての説明は第4実施例とほぼ同一のため省略する。
【0088】図17は、第7実施例なる差動駆動過給装
置の概念図である。例えば第1実施例ではリングギヤ1
4の外方のギヤ14aと噛み合うギヤ8に可変容量型油
圧モータ30が配設されているのに対して、第7実施例
では、リングギヤ14とギヤ8との間にクラッチ140
とクラッチ140に連結されたギヤ141が配設さ
れ、クラッチ140が接続しているとき可変油圧モータ
30を回転させる。また、クラッチ140は制御装置6
0からの指令により電磁バルブ150を介した油圧によ
り断続を行う。さらに、油圧ポンプは固定容量型油圧ポ
ンプ160を用いている。
【0089】クラッチ140の接続時は、可変油圧モー
タ30としてリングギヤ14を介して回転を始め、機械
式過給機20の回転速度を急加速で増速する場合であ
る。この場合の可変油圧モータ30の回転速度の制御は
固定容量型油圧ポンプ160の一定の吐出量を受けて、
可変油圧モータ30のサーボ弁30aにより行われる。
クラッチ140の断絶時は、前記では可変油圧モータ3
0は所定の回転速度で空転していたが、第7実施例では
クラッチ140を切ることにより可変油圧モータ30を
回転させずにエネルギーロスを低減する。この場合は、
エンジン回転速度が低速時又は高速時であり、このと
き、エンジン1への空気の供給は開閉弁22が開き自然
吸気(過給されない状態)により行われている。
【0090】図18は、第8実施例なる差動駆動過給装
置の概念図である。例えば第7実施例では可変油圧モー
タ30が配設されている対し、第8実施例では固定容量
型油圧ポンプ160が配設され、クラッチ140が接続
しているときには固定容量型油圧ポンプ160を回転す
る。また、クラッチ140は制御装置60からの指令に
より電磁バルブ150を介した油圧により断続を行う。
【0091】クラッチ140の接続時は、固定容量型油
圧ポンプ160に圧力が掛かりポンプの回転は停止し、
ポンプの停止により機械式過給機20は所定速度で回転
を始める。また、油圧ポンプ・モータの場合には、可変
油圧ポンプを油圧モータとして回転させて機械式過給機
20を急加速する。さらに、エンジン回転速度が低速
及び高速時では、アキュムレータ110に蓄圧し、アキ
ュムレータ110の蓄圧が所定量に達すると、クラッチ
140を断絶する。
【0092】クラッチ140の断絶時は、前記では可変
油圧ポンプ50は所定の回転速度で空転したが、第8実
施例ではクラッチ140を切ることにより固定容量型油
圧ポンプ160を回転させずにエネルギーロスを低減す
る。この場合も、エンジン回転速度が低速時又は高速時
であり、このとき、エンジン1への空気の供給は開閉弁
22が開き自然吸気(過給されない状態)により行われ
ている。
【0093】尚第8実施例において、固定容量型油圧
ポンプ160を用いた回転負荷可変体の例を示したが、
回転負荷可変体は、固定型及び可変容量型ポンプ、固定
及び可変容量型モータ、固定型及び可変容量型のポン
プとモータ兼用のポンプ・モータ、発電機、電動モー
タ、発電機とモータとの兼用の発電機・モータ並びに
気圧縮機から用いても良い。また、油圧で説明したが空
圧でも良いことは言うまでもない。上記実施例を互いに
組み合わせても良い。上記実施例では、主として油圧を
用いて説明したが、発電機と電動モータを別々に用い
て第1実施例の可変油圧ポンプに発電機を、また、可変
油圧モータに電動モータを置換して使用すれば同一の作
動が得られる。上記実施例では、一段の差動遊星駆動方
式を用いたが、2段以上の差動遊星駆動方式を用いても
良い。
【0094】図19は、第9実施例なる差動駆動過給装
置の概念図である。第1実施例では差動遊星歯車装置1
0に機械式過給機20と、可変油圧モータ30が付設
されていたのに対し、第9実施例は差動遊星歯車装置1
0に機械式過給機20と、ブレーキ部172と、クラッ
チ部170を介してフライホイール171が付設さ
れている。以下、第9実施例について説明するが、以下
では同様に、第1実施例及び他の実施例と同一部品には
同一符号を付して重複説明は省略する。また、制御装置
60に付設されたセンサ等の部品は簡略化のため図示す
るのは省略する。また、以下では、差動遊星歯車装置1
0の構成、可変油圧ポンプ及び可変油圧モータの配置
のみを示し、他の構成部材は省略する。差動遊星歯車
装置10のリングギヤ14の外方のギヤ14aにはギヤ
175を介してギヤ8が噛み合い、このギヤ8の軸8a
にはクラッチ部170が配設され、さらに、このクラッ
チ部170を介してフライホイール171が配設されて
いる。また、リングギヤ14の外方には、ブレーキ部1
72のブレーキ板172aがリングギヤ14に、さら
に、ブレーキ板172aを挟んで固定側ブレーキ板17
2bが固定ケース172cに、軸方向摺動自在に付設さ
れている。クラッチ170は制御装置60からの指令
により、クラッチ用電磁バルブ173を介した油圧によ
りクラッチ170aの断続を行ない、また、ブレーキ部
172はブレーキ用電磁バルブ174を介した油圧によ
り、ブレーキ板172aと固定側ブレーキ板172bと
の断続を行なう。
【0095】上記構成において、次に作動について説明
する。ず、図20及び図21を用いて説明する。図2
0は差動遊星歯車装置10の噛み合いの側面図であり
エンジン1、差動遊星歯車装置10、機械式過給機2
0、クラッチ部170、フライホイール171及びブレ
ーキ部172の回転速度の相互関係をす。図21
互の回転速度関係を示す図であり、横軸に時間を示し
縦軸にエンジン1、機械式過給機20及びフライホイー
ル171の回転速度を示
【0096】(A−1)車両停止の状態 図21において、(1)の時間では車両停止でエンジン
1は、例えばローアイドルの回転速度700rpmで回
転していることを示し、このとき機械式過給機20及び
フライホイール171の回転速度はゼロ(停止)であ
る。このとき、制御装置60は、アクセル量検出センサ
62、車速検出センサ64及び操作レバー位置センサ6
7からの信号により、クラッチ用電磁バルブ173に指
令を出力してクラッチ170のクラッチ170aを断
絶し、フライホイール171の回転フリーにしてい
る。ブレーキ部172も同様に、ブレーキ用電磁バルブ
174に指令を出力してブレーキ部172を回転フリー
にしている。これにより、差動遊星歯車装置10のプラ
ネタリギヤ12、キャリア13及びリングギヤ14はエ
ンジン回転速度に応じるとに、ギヤ8とリングギヤ1
4との割合により変化し空転している。
【0097】 (B−1)停止状態から車両を発進するときの状態 次に、停止状態から車両を発進するときの説明をする。
(1)の時間の停止状態から発進するときには、オペレ
ータは、シフトレバー68を操作し、アクセル61の踏
み込みを実施しようとしている。この時間では、制御装
置60は、アクセル量検出センサ62、車速検出センサ
64及びシフト位置センサ6からの信号により、クラ
ッチ用電磁バルブ173に指令を出力してクラッチ17
aを接続する。クラッチ170aの接続により、フラ
イホイール171は回転を始めようとするが、慣性モー
メントがあるので簡単には加速しないで回転はまだ位置
1Fでは停止している。これによりエンジン1の回転速
度700rpmの位置1Eは、キャリア13、プラネタ
リギヤ12及びサンギヤ11を経て機械式過給機20を
図21に示すように位置1Sで回転させ始める。
【0098】 (C−1)発進状態から車両を加速するときの状態 (2)の時間の状態では、オペレータは、アクセル61
の踏み込みを増している。このときの(2)の時間は、
ローアイドルの回転速度700rpmから加速しようと
している状態を示す。この時間では、クラッチ170a
は接続されており、フライホイール171は回転を始め
ようとしている。また、ブレーキ部172は、前と同様
に、ブレーキ用電磁バルブ174に指令を出力してブレ
ーキ部172を回転フリーにしている。クラッチ170
aの接続により、フライホイール171は回転を始めよ
うとするが、慣性モーメントがあるので簡単には加速し
ないで回転はまだ位置2Fでは停止している。これによ
りエンジン回転速度700rpmの位置2Eは、キャリ
ア13、プラネタリギヤ12及びサンギヤ11を経て機
械式過給機20を、図20、図21に示すように、急速
に位置2Sで回転させる。
【0099】 (D−1)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態 さらに、アクセル61を踏み込み車両を加速すると、図
21の(3)の時間の状態となる。このときの(3)の
時間では、エンジン回転速度は位置3Eに上昇し、フラ
イホイール171は位置3Fで回転を始める。このと
き、機械式過給機20はエンジン回転速度が位置3Eに
上昇することにより、さらに回転速度が位置3Sでまで
上昇し急速に回転している。
【0100】 (E−1)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 さらに、アクセル61を踏み込み車両を加速すると、図
21の(4)の時間の状態となる。この時間では、エン
ジン回転速度は位置4Eに上昇し、フライホイール17
1は位置4Fで回転している。これにより、リングギヤ
14は、(3)の時間では位置3Fで回転していたの
が、より増速した図20の位置4Fで回転しているた
め、機械式過給機20は図21の(3)の位置3Sと同
じ回転速度のほぼ同じ速度の位置4Sの状態で回転して
いる。
【0101】 (F−1)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 さらにエンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定の位
置5Eまで上昇すると、制御装置60は、アクセル量検
出センサ62、エンジン回転数センサ63及び車速検出
センサ64からの信号により、クラッチ用電磁バルブ1
73に指令を出力してクラッチ170のクラッチ17
0aを断絶し、フライホイール171への回転トルクの
伝達を停止する。これにより、図21の(6)の時間で
は、フライホイール171は慣性モーメントによる回転
を始め暫時停止していく。リングギヤ14はフライホイ
ール171を回転する駆動トルクがなくなるためさらに
増速され位置6Fで回転する。このため、機械式過給機
20は図20、図21に示すように急速に減速し、ほぼ
ゼロの位置6Sで回転する。上記のように、リングギヤ
14の回転速度をフライホイール171により制御して
差動遊星歯車装置10の増速比を可変にしている。これ
により、停止から加速までのエンジン1の低速トルクが
必要な所では、機械式過給機20を急速に回転し、エン
ジン1のトルクがあまり必要でない所では機械式過給機
20を停止している。
【0102】 (G−1)定常走行に入った直後にさらに車両を加速す
るとき又は長い登坂のときの状態 次に、定常走行に入った直後にさらに車両を加速すると
き、は、長い登坂長時間、機械式過給機20を作動
させたいときの説明をする。図21の(5)及び(6)
の間の時間の状態では、フライホイール171は慣性モ
ーメントにより回転(リングギヤ14も回転している)
しているため、機械式過給機20を急速に増速できな
い。このため、制御装置60は、アクセル量検出センサ
62及びエンジン回転数センサ63からの信号により、
その随時の変化率等により急加速の必要性を演算し、ク
ラッチ用電磁バルブ173に指令を出力してクラッチ
170のクラッチ170aを断絶する。同時に、制御装
置60は、ブレーキ用電磁バルブ174に指令を出力し
て、ブレーキ用電磁バルブ174を介した油圧により、
ブレーキ板172aと固定側ブレーキ板172bとの接
続を行なう。これにより、リングギヤ14の回転速度は
停止し、エンジン回転速度は、キャリア13、プラネタ
リギヤ12及びサンギヤ11を経て、機械式過給機20
を急速に回転させるとに、長時間回転させることがで
きる。上記によれば、ブレーキのみにると、ブレーキ
の負荷、特に過渡期に滑らせる状態となり、摩擦熱の発
生によるクリープ状態は耐久性の低下が発生する問題
が、フライホイールの慣性力を利用することでブレーキ
の負荷を軽減できる。また、車両の加速時の機械式過給
機20を急速に回転させることができる。
【0103】図22は、第10実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。第9実施例では、差動遊星歯車装
置10にブレーキ部172と、クラッチ部170を介し
フライホイール171が付設されているのに対
し、第10実施例ではクラッチ部170とフライホイー
ル171との間に、正逆転切り換えるリバースギヤ1
80が配設されている。以下では、同様に、第1実施例
及び他の実施例と同一部品には同一符号を付して重複
明は省略するが、特別記載しない限り以下も同様であ
る。
【0104】上記構成において、次に作動について説明
するが、従来と同様に、車両が長時間停止している状態
から発進、加速状態の以下の各状態、即ち、 (A−2)車両停止の状態 (B−2)停止状態から車両を発進するときの状態 (C−2)発進状態から車両を加速するときの状態 (D−2)アクセルを踏み込み車両を加速するときの状
態 (E−2)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 (F−2)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態以上の6状態 は、第9実施例(A−1)、(B−
1)、(C−1)、(D−1)、(E−1)、(F−
1)と同一のため重複説明は省略する。
【0105】(H−2)減速時から車両停止までの状態
ず、図23及び図24を用いて説明するが、図23は
図2同様の図であり、図24は図2と同様の図
あるため、図の縦軸及び横軸の意味の重複説明は省略す
る。また、特別記載しない限り以下も同様である。尚、
図24において、フライホイール171の回転速度が横
軸の下側にあるのは、逆方向に回転していることを示
す。
【0106】車両減速時が所定時間経過すると、制御装
置60は、アクセル量検出センサ62と、車速検出セン
サ64と、ブレーキペダル77の近傍に配設されたブレ
ーキ踏み込み量検出センサ77aからの信号により、
クラッチ用電磁バルブ173に指令を出力してクラッチ
170のクラッチ170aを接続する。これによりエ
ンジン回転速度をず正転でフライホイール171に蓄
える。次に、車両が減速し所定の停止前の速度になった
ことを車速検出センサ64により検出して、制御装置6
0は、クラッチ用電磁バルブ173に指令を出力してク
ラッチ170aを断絶し、フライホイール171に慣性
モーメントを蓄えたままとして車両は停止する。この状
態を(1)の時間、即ち、車両停止状態で示す。、例
えば、車両減速時が所定時間経過しても車速検出センサ
64からの信号により減速が続行しないときには、制御
装置60は、クラッチ用電磁バルブ173に指令を出力
してクラッチ170aを断絶する。
【0107】 (J−2)減速時から車両を停止した後に再発進する状
態 次に、(1)の時間から再発進するときには、オペレー
タはアクセル61の踏み込みを実施している。制御装置
60はアクセル量検出センサ62、車速検出センサ64
及びフライホイール回転センサ171aからの信号によ
り、リバースギヤ180を逆転に切り換える。これによ
り、フライホイール171リングギヤ14を逆方向に
回転した状態にする。このときの状態を示す図24の
(1)の時間は、例えばディーゼルエンジン1はローア
イドルの回転速度700rpmで回転し、フライホイー
ル171は減速時の所定の回転速度でリングギヤ14を
逆方向に回転し、さらに、機械式過給機20はまだ停止
している。
【0108】 (K−2)再発進状態から車両を加速するときの状態 (2)の時間の状態では、オペレータは、アクセル61
の踏み込みを増している。このときの(2)の時間は、
ローアイドルの回転速度700rpmから加速しようと
している状態を示す。この時間では、クラッチ172a
は接続されており、フライホイール171は、即ちリン
グギヤ14の逆方向回転を減速始めようとしている。
また、ブレーキ部172は、前と同様に、ブレーキ用電
磁バルブ174に指令を出力してブレーキ部172を回
転フリーにしている。機械式過給機20はリングギヤ1
4の逆方向の回転により、第9実施例を示す図21の回
転上昇よりも急勾配で、図24に示すように位置2Sま
で増速する。
【0109】 (L−2)再発進のときでアクセルを踏み込み車両をさ
らに加速するときの状態 さらに、アクセル61を踏み込み車両を加速すると、図
24の(3)の時間の状態となる。このときの(3)の
時間では、エンジン回転速度は位置3Eに上昇し、フラ
イホイール171及びリングギヤ14は、(2)の時間
からの減速により位置3Fになり、ほぼ停止の状態とな
る。このとき、機械式過給機20はエンジン回転速度が
位置3Eまで上昇しても、フライホイール171の減速
により、即ちリングギヤ14の減速により、回転速度は
位置3Sまで低下して回転している。
【0110】 (M−2)再発進のときでアクセルをさらに踏み込み車
両が加速終了時点のときの状態 また、さらに、アクセル61を踏み込み車両を加速する
と、図24の(4)の時間の状態となる。この時間で
は、エンジン回転速度は位置4Eに上昇し、フライホイ
ール171は正方向(先のリングギヤ14の逆転方向の
回転と同方向)に回転し、位置4Fで回転している。こ
れにより、リングギヤ14は、(3)の時間の位置3F
のほぼゼロから増速した図24の位置4Fで回転してい
るため、機械式過給機20は図24の(3)の時間の位
置3Sと同じ回転速度の位置4Sの状態で回転してい
る。
【0111】 (N−2)再発進のときでエンジン回転速度は車速が
所定のほぼ一定のときの状態 (−2)再発進のときで定常走行に入った直後にさら
に車両を加速するとき又は長い登坂のときの状態以上の2状態 は、第9実施例の(F−1)及び(G−
1)と同様なため、重複説明は省略する。
【0112】次に、第11実施例及び第12実施例なる
差動駆動過給装置を、図25(図25〜図27)及び図
28(図28〜図30)を参照し、説明する。第11実
施例及び第12実施例は、エンジン1、駆動力伝達系4
及びタイヤ41からなる駆動系において、機械式過給
機20の駆動は、第1実施例と同様に、エンジン出力軸
1Aから差動遊星歯車装置10を介して行うものの、差
動遊星歯車装置10のリングギヤ14の回転は、駆動力
伝達系40の変速機40aから得るか又は変速機40a
とタイヤ41の間から動力を得ている。尚、以下の図
25及び図28では、後者の「変速機40aとタイヤ4
の間から動力を得ている例を示している。本実施
例は、本来車両が持っている変速機を利用して機械式過
給機20の増速比を可変化しているため、構造が簡単に
なり、安価にできる。第11実施例は、図25に示す通
り、駆動力伝達系40は、トルクコンバータ40b及び
オートマチックトランスミッション40cからなってい
る。第12実施例は、図28に示す通り、駆動力伝達系
40は、メインクラッチ40d及びマニュアルトランス
ミッション40eからなっている。
【0113】図25は、第11実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。駆動力伝達系40はオートマチ
ックトランスミッション40c出力軸181には、ギ
ヤ182が配設されている。ギヤ182には、ギヤ18
3が噛み合い、ギヤ183は軸184を介してリングギ
ヤ14を駆動するギヤ185に結合している。ギヤ18
5は、差動遊星歯車装置10のリングギヤ14の外方の
ギヤ14aに噛み合っている。変速時には、例えば、制
御装置60はオートマチックミッション用電磁バルブ4
0fに指令を出力して図示しない各速度段のクラッチを
接続する。
【0114】上記構成において、次に作動について説明
する。ず、図26及び図27を用いて説明する。図2
6は差動遊星歯車装置10の噛み合いの側面図であり、
エンジン1、差動遊星歯車装置10及び機械式過給機2
0の回転速度の相互関係を説明する。図27相互の回
転速度関係を示す図であり、横軸に時間を示し、縦軸に
エンジン1、機械式過給機20及びリングギヤ14の回
転速度を示している。
【0115】(A−3)車両停止の状態 第9実施例の(A−1)の「車両停止の状態と同様
に、エンジン1は、ローアイドル速度で回転している。
また、車両が停止しているためにリングギヤ14も停止
している。これにより、機械式過給機20も低速で回転
している。このため、発進時には、急速に機械式過給機
20が加速回転され、車両も良い加速が得られる。
【0116】 (B−3)停止状態から車両を発進するときの状態図27の (1)の時間の停止状態から発進するときに
は、オペレータは、シフトレバー68(図1に示す。)
を操作し、アクセル61の踏み込みを実施しようとして
いる。この位置では、制御装置60は、アクセル量検出
センサ62と、車速検出センサ64と、及び、シフト
置センサ69からの信号により、オートマチックトラン
スミッション40cに指令を出力して図示しないクラッ
チを1速に接続している。この1速の車速の遅い位置で
は、トルクコンバータ40bに、図示しないエンジン側
のポンプインペラーと出力軸側のタービンインペラーと
の間に滑りがあり、エンジン1は回転しているが、当初
はオートマチックトランスミッション40cの出力軸1
81は回転していない。つまり、停止状態から1速に接
続した瞬間から暫しの間(当初)は、トルクコンバータ
40bがストール状態となって出力軸181は回転して
いない。このため、リングギヤ14は回転せずに位置1
Fで停止している。これにより、例えばエンジン1の位
置1Eの回転速度700rpmは、キャリア13、プラ
ネタリギヤ12及びサンギヤ11を経て機械式過給機2
0を、図27に示すように位置1Sで上記(A−3)
と同様回転させる
【0117】 (C−3)発進状態から車両を加速するときの状態 第9実施例の(C−1)の「発進状態から車両を加速す
るときの状態と同様なため、重複説明は省略する。
【0118】 (D−3)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態 さらにアクセル61を踏み込み車両を加速すると、図2
7の(3)の時間の状態となる。このときの(3)の時
間では、エンジン回転速度は位置3Eに上昇し、この位
置3Eでは、制御装置60は、アクセル量検出センサ6
2及び車速検出センサ64からの信号により、オートマ
チックミッション用電磁バルブ40fに指令を出力して
図示しないクラッチを2速に接続している。この2速の
車速の位置では、トルクコンバータ40bに、図示しな
いエンジン側のポンプインペラーと出力軸側のタービン
インペラーとの間に滑りがなくなり、オートマチックト
ランスミッション40cの出力軸181は所定速度で回
転している。このため、リングギヤ14は、出力軸18
1、ギヤ182、ギヤ183及び軸184を介して位置
3Fで回転を始めている。これによりエンジン回転速度
の位置3Eは、キャリア13、プラネタリギヤ12及び
サンギヤ11を経て機械式過給機20を、図26及び
27に示すように、位置3Sで回転させるが、回転の増
加は低減している。
【0119】 (E−3)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 第9実施例の(E−1)と同様なため、詳細な重複説明
は省略する。尚、この実施例では、制御装置60からの
指令によりオートマチックトランスミッション40cの
出力軸181は自動的に変化しているため、リングギヤ
14も自動的に変化している。これにより、機械式過給
機20は、図26及び図27に示すように、位置3Sか
ら速度が低減するとに、所定の所から一定の速度にな
る。
【0120】 (F−3)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 本実施例では、機械式過給機20は6Sの位置以降で
も、所定速度で回転している。
【0121】 (G−3)定常走行に入った直後にさらに車両を加速す
るときは長い登坂のときの状態 定常走行より、さらにアクセル61を踏み込み車両を加
速すると、オートマチックトランスミッション40cの
シフトアップにより車両を加速する。このとき、車両の
加速遅れにより、リングギヤ14の回転速度の加速が
れる。このため、機械式過給機20は増速され、多量の
空気をエンジン1に供給し、エンジン出力は増加する。
これにより、車両の加速が増加される。また、長い登坂
時も同様に、シフトアップによりエンジン出力が増加さ
車両を加速する。
【0122】図28は、第12実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。駆動力伝達系40のマニュアルト
ランスミッション40eの出力軸181aには、第11
実施例と同様に、ギヤ182が配設されている。以下
は、機械式過給機20の駆動は第11実施例と同様なた
め、重複説明は省略する。
【0123】上記構成において、次に作動について説明
する。ず、図29及び図30を用いて説明する。図2
9は差動遊星歯車装置10の噛み合いの側面図であり
エンジン1、差動遊星歯車装置10及び機械式過給機2
0の回転速度の相互関係を示す。図30相互の回転速
度関係を示す図であり、横軸に時間を示し、縦軸にエン
ジン1、機械式過給機20及びリングギヤ14の回転速
度を示している。
【0124】(A−4)車両停止の状態 第11実施例(A−3)と同様なため、重複説明は省略
する。
【0125】 (B−4)停止状態から車両を発進するときの状態図30の (1)の時間の停止状態から発進するときに
は、オペレータは、シフトレバー68を操作し、アクセ
ル61の踏み込みを実施しようとしている。また、オペ
レータは、図示しないメインクラッチペダルから足を離
してメインクラッチを接続する。車両停止からの発進に
おいて、クラッチの繋ぎ始めでは、メインクラッチ40
dに滑りがあり、エンジン1は回転しているが、当初は
マニュアルトランスミッション40eの出力軸181a
は回転していない。このため、リングギヤ14は回転せ
ずに位置1Fで停止している。これによりエンジン回転
速度700rpmの位置1Eは、キャリア13、プラネ
タリギヤ12及びサンギヤ11を経て機械式過給機20
図30に示すように位置1Sで急速に回転させ始
める。
【0126】 (C−4)発進状態から車両を加速するときの状態 第11実施例の(C−3)と同様なため、重複説明は省
略する。
【0127】 (D−4)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態 さらにアクセル61を踏み込み車両を加速すると、図3
0の(3)の時間の状態となる。このときの(3)の時
間では、エンジン回転速度は位置3Eに上昇し、すでに
メインクラッチ40cに滑りがなくなり、マニュアルト
ランスミッション40eの出力軸181aは所定速度で
回転している。このため、リングギヤ14は、出力軸1
81a、ギヤ182、ギヤ183及び軸184を介して
位置3Fで回転を始めている。これによりエンジン回転
速度の位置3Eは、キャリア13、プラネタリギヤ12
及びサンギヤ11を経て機械式過給機20を、図29
図30に示すように、位置3Sで回転させている。こ
のとき、エンジン回転速度の位置3Eへ急上昇している
ため、機械式過給機20は位置1Sから位置2Sまでの
上昇より勾配が低下しているが、さらに回転を増して
位置3Sまで上昇している。また、この時間(3)で
は、オペレータは車速に合わせてシフトレバー68を1
速から2速への切換操作を行う。この2速への操作によ
り、マニュアルトランスミッション40eは2速ギヤの
噛み合わせが行なわれ、回転を接続している。この切
換え過程において、ニュートラル状態が存在し、この瞬
間オペレータはアクセルペダル61の踏み込みを解除す
るので、時間(3−a)までの瞬間において、エンジン
1は回転速度の位置3Eから減速し、回転速度の位置3
Eaまで低下する。上記のエンジン回転速度の瞬間の低
下により、機械式過給機20は図30に示すように位置
3Sで回転していたのが、位置3Saの位置まで瞬間に
低下して回転する。
【0128】 (E−4)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 また、さらに、アクセル61を踏み込み車両を加速する
と、図30の(4)の時間の状態となる。この位置で
は、エンジン回転速度は位置3Eaから位置4Eまで
上昇しているが、ほぼ、1速時の3Eの位置と同じ位置
まで上昇している。また、マニュアルトランスミッショ
ン40eの出力軸181aはエンジン回転速度の増加に
合わせて変化しているため、リングギヤ14もこれに合
わせて変化している。これにより、リングギヤ14は、
(3)の時間の位置3Fより増速した図30の位置4F
で回転しているため、機械式過給機20は図30の
(3)の時間の位置3Sよりも低い回転速度の位置4S
の状態で回転している。また、この時間(4)では、オ
ペレータは車速に合わせてシフトレバー68を2速から
3速への切換操作を行う。これによりエンジン1、マニ
ュアルトランスミッション40e及び機械式過給機20
は(D−4)のアクセルを踏み込み車両をさらに加速
するときの状態と同様に変化するため、重複説明は省
略する。
【0129】 (F−4)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 第11実施例と同様なため、重複説明は省略する。
【0130】 (G−4)定常走行に入った直後にさらに車両を加速す
るときは長い登坂のときの状態 第11実施例では、オートマチックトランスミッション
40cの変速により車両を増速したが、第12実施例で
は、マニュアルトランスミッション40eの変速により
車両を増速する。第12実施例では、オペレータの操作
により、シフトアップ、シフトダウンの変速が行われて
増減速を行ない、それに合わせて機械式過給機20も対
応し、エンジン出力を増減する
【0131】図31は、第13実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。第13実施例は、第12実施例の
差動駆動過給装置に対し、差動遊星歯車装置10と機械
式過給機20との間にワンウェイクラッチ186を挿入
している所が異なる。これにより、第12実施例ではマ
ニュアルトランスミッション40eを変速すると機械式
過給機20は一時的に回転が低下するが、第13実施例
では、ワンウェイクラッチ186により機械式過給機2
0は一時的な回転の低下を回避している。
【0132】上記構成において、次に作動について説明
する。エンジン1、差動遊星歯車装置10及び機械式過
給機20の回転速度の相互関係は第12実施例の図29
と同じため図示しない。図32は相互の回転速度関係を
示す図であり、横軸に時間を示し、縦軸にエンジン1、
機械式過給機20及びリングギヤ14の回転速度を示し
ている。
【0133】(A−5)車両停止の状態 第12実施例の(A−4)と同様なため、重複説明は省
略する。
【0134】 (B−5)停止状態から車両を発進するときの状態 第12実施例の(B−4)と同様なため、重複説明は省
略する。
【0135】 (C−5)発進状態から車両を加速するときの状態 第12実施例の(C−4)と同様なため、重複説明は省
略する。
【0136】 (D−5)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態 アクセル61を踏み込み車両の加速により、図32の
(3)の時間の状態まで第12実施例と同様に、エンジ
ン1、機械式過給機20及びリングギヤ14の回転速度
は変化する。この時間(3)でオペレータは車速に合わ
せて1速から2速への切換操作を行なうとエンジン1
及びリングギヤ14は、第12実施例と同様に、エンジ
ン1及びリングギヤ14の回転速度は瞬間に低下する。
このとき、第12実施例では機械式過給機20は位置3
Saまで瞬間に低下していた。しかし、第13実施例で
は差動遊星歯車装置10(詳しくは、サンギヤ11)
回転速度は低下するが、ワンウェイクラッチ186によ
り機械式過給機20差動遊星歯車装置10から分離さ
差動遊星歯車装置10による駆動が無くなる。この
とき、機械式過給機20は慣性モーメントにより回転を
維持し回転速度はほとんど低下しない。次に、2速時の
エンジン1及びリングギヤ14の回転速度が増加するこ
とにより差動遊星歯車装置10(詳しくは、サンギヤ1
1)の回転速度が増す。この差動遊星歯車装置10(詳
しくは、サンギヤ11)の回転速度が機械式過給機20
の回転速度より早くなると、再び、ワンウェイクラッチ
186により機械式過給機20は差動遊星歯車装置10
に接続して差動遊星歯車装置10により駆動される。こ
のため、機械式過給機20は第12実施例のように瞬
間的にその回転速度が変化することがなくスムーズな回
転が維持されるとに、加速時間の短縮、エネルギーの
節約が図れる。
【0137】(E−5)アクセルをさらに踏み込み車両
が加速終了時点のときの状態 (F−5)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 (G−)定常走行に入った直後にさらに車両を加速す
るときは長い登坂のときの状態以上の3状態 は、機械式過給機20の回転速度の瞬間的
の低下が無くなることを除き、第12実施例と同様なた
め、重複説明は省略する。
【0138】図33は、第14実施例及び第15実施例
なる差動駆動過給装置の概念図である。第11実施例
第12実施例の差動駆動過給装置が駆動力伝達系40
の変速機40aから動力を得ては、変速機40aと
タイヤ41の間から動力をてギヤ、軸及びギヤを介し
て差動遊星歯車装置10のリングギヤ14を回転してい
た。これに対し、第14実施例及び第15実施例は、ギ
ヤ、過給機用変速機190及びギヤを介して差動遊星歯
車装置10のリングギヤ14を可変に回転する。制御装
置60は、過給機用変速機190の電磁バルブ191に
指令を出力して図示しない変速用の各クラッチを接続す
る。制御装置60は走行速度は作業負荷に合わせて制
御信号を出力し、過給機用変速機190に減速比の選択
の指令を出力する。また、他の例として、オペレータが
過給機用変速機190の回転速度を過給機選択用スイッ
チ192により、高速時に用いるかは用いないかを選
択する。このように、過給機用変速機190を使い分け
ることにより、高速道路等の高速走行の機械式過給機
20の必要でない所では変速比を大きくし、一方、市街
地等のような低速走行の機械式過給機20の必要な所で
は変速比を小さくする等の使い分けできる。また、建設
機械等でも、発進、停止及び低速・中速相走行の多い作
業現場では機械式過給機20を使用し、一方、「自走時
のように高速で走行する」必要でない所では使用しない
等の使い分けできる。これにより、作業効率が向上する
に、燃費が向上する。
【0139】図34は第14実施例であり、駆動力伝達
系40が、第11実施例と同様に、トルクコンバータ4
0b及びオートマチックトランスミッション40cを用
いた場合のエンジン1、機械式過給機20及びリングギ
ヤ14の相互の回転速度関係を示す図である。
【0140】図35は第15実施例であり、駆動力伝達
系40が、第12実施例と同様に、メインクラッチ40
及びマニュアルトランスミッション40eを用いた場
合の相互の回転速度関係を示す図である。また、この
15実施例では、第13実施例と同様に、差動遊星歯車
装置10と機械式過給機20との間にワンウェイクラッ
チ186を挿入している。図34及び図35では、横軸
に時間を示し、縦軸にエンジン1、機械式過給機20及
びリングギヤ14の回転速度を示している。
【0141】上記構成において、次にオートマチックト
ランスミッション40cを用いた場合の第14実施例の
作動について図34を用いて説明する。 (A−6)車両停止の状態 第11実施例の(A−3)と同様なため複説明は省
略する。 (B−6)停止状態から車両を発進するときの状態 第11実施例の(B−3)と同様なため、重複説明は省
略する。
【0142】 (C−6)発進状態から車両を加速するときの状態図34の (2)の時間の状態では、オペレータは、アク
セル61の踏み込みを増している。このときの(2)の
時間は、ローアイドルの回転速度700rpmから加速
しようとしている状態を示す。この(2)の時間では、
制御装置60は走行速度は作業負荷に合わせて制御信
号を出力し、過給機用変速機190に減速比の選択の指
令を出力する。この減速比に応じて過給機用変速機19
0は、オートマチックトランスミッション40cで変速
された出力軸181からの回転速度をさらに変速し、軸
184を介してリングギヤ14を回転させる。このとき
の(2)の時間では、図34に示すように、機械式過給
機20の回転速度は線SC−1に行き、リングギヤ14
の回転速度は線F−1にく。上記図34では、機械
式過給機20の回転速度の線SC−1はリングギヤ14
の回転速度の線3F−1に対応し、回転速度の線SC−
2はリングギヤ14の回転速度の線3F−2に対応し
かつ回転速度の線SC−3はリングギヤ14の回転速度
の線3F−3に対応している。
【0143】 (D−6)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態 さらに、アクセル61を踏み込み車両を加速すると、図
34の(3)の時間の状態となる。この(3)の時間で
は、エンジン回転速度は位置3Eに上昇し、また、リン
グギヤ14も過給機用変速機190の減速比に合わせた
回転速度3F−3で回転している。これによりエンジン
回転速度の位置3Eは、キャリア13、プラネタリギヤ
12及びサンギヤ11を経て機械式過給機20を図3
4に示すように、高速の回転速度の線SC−3で回転す
る。
【0144】 (E−6)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 制御装置60からの指令によりオートマチックトランス
ミッション40cの出力軸181は自動的に変化し、か
つ過給機用変速機190も車速に合わせて減速比を変化
させるために、リングギヤ14も自動的に変化してい
る。これにより、機械式過給機20は図34に示すよ
うに走行速度は作業負荷等に合わせて選択された制
御装置60の指令により、リングギヤ14は低速の回転
速度の線F−3(点5F)から中速の回転速度の線
F−2(点5Fa)に切り換わる。また、これにより、
機械式過給機20は高速の回転速度の線SC−3(点5
S)から中速の回転速度の線SC−2(点5Sa)に切
り換わる。
【0145】 (F−6)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 本実施例では、機械式過給機20は(6)の時間以降で
は、(E−6)と同様に、リングギヤ14は中速の回転
速度の線F−2(点6Fa)から、高速の回転速度の
F−1(点6Fb)に切り換わる。これにより、機
械式過給機20は中速の回転速度の線SC−2(点6S
a)から低速の回転速度の線SC−1(点6Sb)に切
り換わる。このため、車速が所定のほぼ一定のときに
は、機械式過給機20は余分な空気の供給を行わず、エ
ンジン出力は制限され、燃費が向上する。
【0146】 (G−6)定常走行に入った直後にさらに車両を加速す
るとき又は長い登坂のときの状態 第11実施例の(G−3)と同様なため、重複説明は省
略する。
【0147】尚、上記では途中で車速に合わせて過給機
用変速機190の減速比を変化させたが、機械式過給機
20は、回転速度の線SC−1、線SC−2は線SC
−3をそのまま継続しても良い。このとき、(2)の時
間で、制御装置60はオペレータの機械式過給機20の
速度を選択する過給機選択用スイッチ192からの信号
により、過給機用変速機190に減速比の選択の指令を
出力する。これにより、(2)の時間で、例えば線SC
−1、線SC−2及び線SC−3のいずれかが選択され
る。つまり、リングギヤ14の回転速度例えば線3F
−1、線3F−2及び線3F−3のいずれか選択
る。
【0148】上記構成において、次にマニュアルトラン
スミッション40eを用いた場合の第15実施例の作動
について図35を用いて説明する。 (A−7)車両停止の状態 第12実施例の(A−4)と同様なため、重複説明は省
略する。 (B−7)停止状態から車両を発進するときの状態 第12実施例の(B−4)と同様なため、重複説明は省
略する。
【0149】 (C−7)発進状態から車両を加速するときの状態図35の (2)の時間の状態では、オペレータは、アク
セル61の踏み込みを増している。このときの(2)の
時間は、ローアイドルの回転速度700rpmから加速
しようとしている状態を示す。オペレータは、車速に合
わせてシフトレバー68を操作し、また、アクセル61
の踏み込みを実施している。この(2)の時間では、オ
ペレータのシフトレバー68の操作により、マニュアル
トランスミッション40e1速している。制御装置
60は、アクセル量検出センサ62、車速検出センサ6
4及びシフト位置センサ69からの信号により、過給機
用変速機190に減速比の選択の指令を出力する。この
減速比に応じて過給機用変速機190は、マニュアルト
ランスミッション40eで変速された出力軸181aか
らの回転速度をさらに変速し、軸184を介してリング
ギヤ14を回転させる。このときの(2)の時間では、
図35に示すように、機械式過給機20の回転速度は線
SC−1Aに行き、リングギヤ14の回転速度は線3F
−1Aに行く。上記図35では機械式過給機20の回
転速度の線SC−1Aはリングギヤ14の回転速度の線
3F−1Aに対応し、回転速度の線SC−2Aはリング
ギヤ14の回転速度の線3F−2Aに対応しかつ回転
速度の線SC−3Aはリングギヤ14の回転速度の線3
F−3Aに対応している。
【0150】 (D−7)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態 第14実施例の(D−6)と同様なため、詳細な重複
明は省略する。この時間(3)でオペレータ車速に合
わせて1速から2速への切換操作を行なうと、エンジン
1及びリングギヤ14は、第12実施例と同様に、エン
ジン1、リングギヤ14及び機械式過給機20の回転速
度は瞬間に低下する。これを図35では、鋸歯の形状の
点線(Aap)で図示している。ところが、第15実施
例では、第13実施例と同様に、機械式過給機20と差
動遊星歯車装置10の間にワンウェイクラッチ186を
挿入して機械式過給機20の回転速度の瞬間の低下を防
いでいる。これを図35では、機械式過給機20の回転
速度は線SC−1A、線SC−2A及び線SC−3Aで
示している。
【0151】 (E−7)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 オペレータの車速に合わせた車速の切換操作により、マ
ニュアルトランスミッション40eの出力軸181a
回転速度が変化し、かつ制御装置60アクセル量検出
センサ62、車速検出センサ64及びシフト位置センサ
69からの信号により過給機用変速機190に減速比の
選択の指令を出力する。この減速比に応じて過給機用変
速機190は、マニュアルトランスミッション40eで
変速された出力軸181aからの回転速度をさらに変速
し、軸184を介してリングギヤ14を回転させる。こ
れにより、機械式過給機20は図35に示すように、
走行速度は作業負荷等に合わせて選択された制御装置
60の指令により、リングギヤ14は低速の回転速度の
F−3A(点5F)から、中速の回転速度の線
−2A(点5Fa)に切り換わる。また、これにより、
機械式過給機20は高速の回転速度の線SC−3A(点
5S)から中速の回転速度の線SC−2A(点5Sa)
に切り換わる。
【0152】 (F−7)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 本実施例では、機械式過給機20は(6)の時間以降で
は、(F−6)と同様に、リングギヤ14は中速の回転
速度の線F−2A(点6Fa)から、高速の回転速度
の線F−1A(点6Fb)に切り換わる。これによ
り、機械式過給機20は中速の回転速度の線SC−2A
(点6Sa)から低速の回転速度の線SC−1A(点6
Sb)に切り換わる。このため、車速が所定のほぼ一定
のときには、機械式過給機20は余分な空気の供給を行
わず、エンジン出力は制限され、燃費が向上する。
【0153】 (G−7)定常走行に入った直後にさらに車両を加速す
るときは長い登坂のときの状態 第12実施例の(G−4)と同様なため、重複説明は省
略する。尚、上記において、過給機用変速機190の減
速比の変化は、第12実施例と同様に、オペレータの選
択する過給機選択用スイッチ192によっても良い。
【0154】次に、第14実施例及び第15実施例に示
す差動駆動過給装置の過給機用変速機190の具体例を
概念図説明する。図36は、過給機用変速機190とし
歯車列301、302、303の組合せを用いた例を
示す。減速比は、制御装置60からの指令によりシンク
ロメッシュ等によ歯車列301、302及び303の
いずれかの噛み合い選択されて行われる。図37は、
過給機用変速機190としてプーリ列301a、302
a、303aの組合せを用いた例を示す。減速比は、制
御装置60からの指令によりクラッチ等の接合によ
ーリ列301a、302a及び303aのいずれか
されて行われる。図38は、過給機用変速機190
してベルト式無段変速機(CVT)304を用いた例を
示す。減速比は、制御装置60からの指令によりベルト
式無段変速機304のプーリ304a、304bの径が
変化されて行われる。図39は、過給機用変速機190
としてトロイダル式無段変速機305を用いた例を示
す。減速比は、制御装置60からの指令によりトロイダ
ル式無段変速機305の接触子305a変化されて
われる。図40は、過給機用変速機190として油圧式
を用いた例であり、切換バルブ306、固定型ポンプ3
07及び固定型モータ308の組合せにより行う。減速
比は、制御装置60からの指令により切換バルブ306
の切換は流量制御われて固定型モータ308の回
転速度変化て行なう。図41もまた、過給機用変速
機190として油圧式を用いた例である。これは、可変
型ポンプ309及び固定型モータ308の組合せにより
行う。減速比は、制御装置60からの指令により、可変
型ポンプ309の吐出容積の制御を行い、固定型モータ
308の回転速度を変化させて行なう。図42もまた、
過給機用変速機190として油圧式を用いた例であり、
可変型ポンプ309及び可変型モータ310の組合せに
より行う。減速比は、制御装置60からの指令により、
可変型ポンプ309は可変型モータ310の吐出容積
可変制御を行い、可変型モータ310の回転速度を変
化させて行なう。図43は、過給機用変速機190とし
可変容量型流体継手311を用いた例である。減速比
は、制御装置60からの指令により流体継手への作動油
量の制御を行い、可変容量型流体継手311の回転速度
を変化させて行なう。図44は、過給機用変速機190
として電気式を用いた例であり、発電機312及び電気
モータ313の組合せにより行う。減速比は、制御装置
60からの指令により、発電機312は電気モータ3
13の電流は電圧の制御を行い、電気モータ313の
回転速度を変化させて行なう。
【0155】次に、第16実施例及び第17実施例なる
差動駆動過給装置について説明する。第11実施例及び
第12実施例では、差動遊星歯車装置10のリングギヤ
14の回転には駆動力伝達系40の変速機40aから、
又は、変速機40aとタイヤ41の間から動力を
いる。また、第1実施例及び第1実施例は第11実
施例及び第12実施例に過給機用変速機190を挿入し
ところが、第16実施例及び第17実施例は、上記
実施例に対しさらにリングギヤ14の回転を断続制御
する過給機用クラッチ315を挿入している。以下の図
では、変速機40aとタイヤ41の間から動力を
いる例を示している。本実施例は、定常走行時車両負
低く、従って機械式過給機20によるエンジン出力
トルクのアップ不要であることに着目し、定常走行時
に過給機用クラッチ315を切断する。これにより、リ
ングギヤ14の負荷が軽くなり、リングギヤ14が空転
し、機械式過給機20の回転は停止し、駆動力の損失が
なくなる。
【0156】図45は、第16実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。駆動力伝達系40は、変速機40
aとタイヤ41との出力軸181にギヤ182が配設さ
れている。ギヤ182には、ギヤ183が噛み合い、ギ
ヤ183は軸184及び過給機用クラッチ315を介し
てリングギヤ14を駆動するギヤ185に結合してい
る。ギヤ185は、差動遊星歯車装置10のリングギヤ
14の外方のギヤ14aに噛み合っている。
【0157】上記構成において、図27を参照して作動
説明する。 (A−8)車両停止の状態 (B−8)停止状態から車両を発進するときの状態 (C−8)発進状態から車両を加速するときの状態 (D−8)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態以上の4状態 では、制御装置60は、アクセル量検出セ
ンサ62及び車速検出センサ64(又はさらに、シフト
位置センサ69)からの信号により過給機用クラッチ3
15を接続する。これにより、低速・中速時に機械式過
給機20は回転し、エンジン出力トルクのアップが図ら
れる。
【0158】 (E−8)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 は (F−8)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 は、制御装置60はアクセル量検出センサ62及び車速
検出センサ64(又はさらに、シフト位置センサ69)
からの信号により過給機用クラッチ315を切断する。
これにより、リングギヤ14の駆動力はなくなり、リン
グギヤ14が空転し、機械式過給機20の回転は停止
し、機械式過給機20の駆動力の損失がなくなり、燃費
の向上が図れる。
【0159】図46は、第17実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。駆動力伝達系40は、変速機40
aとタイヤ41との出力軸181にギヤ182が配設さ
れている。ギヤ182には、ギヤ183が噛み合い、ギ
ヤ183は軸184、過給機用変速機190及び過給機
用クラッチ315を介してリングギヤ14を駆動するギ
ヤ185に結合している。ギヤ185は、差動遊星歯車
装置10のリングギヤ14の外方のギヤ14aに噛み合
っている。
【0160】上記構成において、図34を参照して作動
説明する。 (A−9)車両停止の状態 (B−9)停止状態から車両を発進するときの状態 (C−9)発進状態から車両を加速するときの状態 (D−9)アクセルを踏み込み車両をさらに加速すると
きの状態以上の4状態 では、制御装置60は、アクセル量検出セ
ンサ62、車速検出センサ64及びシフト位置センサ
9(又はさらに、過給機選択用スイッチ192)からの
信号により過給機用変速機190の減速比を選択すると
に、過給機用変速機190及び過給機用クラッチ31
5を接続する。これにより、低速・中速時に機械式過給
機20は回転し、エンジン出力トルクのアップが図られ
る。
【0161】 (E−9)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了時
点のときの状態 は (F−9)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一定
のときの状態 は、制御装置60はアクセル量検出センサ62、車速検
出センサ64及びシフト位置センサ69(又はさらに、
過給機選択用スイッチ192からの信号により過給機
用クラッチ315を切断する。これにより、リングギヤ
14の駆動力はなくなり、リングギヤ14が空転し、機
械式過給機20の回転は停止し、機械式過給機20の駆
動力の損失がなくなり、燃費の向上が図れる。上記実施
例では、変速機40aについては特定していないが、オ
ートマチックトランスミッション40c及びマニュアル
トランスミッション40eのいずれにも用いることがで
きる。また、機械式過給機20と差動遊星歯車装置10
の間にワンウェイクラッチ186を挿入している例で
図示(図45及び図46)しているが、省略してもよ
い。
【0162】次に、第18実施例なる差動駆動過給装置
を図47を参照し説明する。図47において、ギヤ7と
リングギヤ14の間にはリングギヤ用無段変速機3
20が配設され、このリングギヤ用無段変速機320は
ギヤ7に固設されている。リングギヤ用無段変速機32
0は制御装置60からの指令により、リングギヤ用電
磁バルブ320aを介した油圧により、詳細を後述する
例えばベルト式無段変速機(CVT)のプーリ及びトロ
イダル式無段変速機の接触子の制御を行い、リングギヤ
14の回転速度を可変している。
【0163】また、ブレーキ部172は、制御装置60
からの指令により、ブレーキ用電磁バルブ174を介し
た油圧により、ブレーキ板172aと固定側ブレーキ板
172bとの断続を行う。上記のように、エンジン1と
差動遊星歯車装置10のリングギヤ14の間にリング
ギヤ用無段変速機320を挿入することにより、差動遊
星歯車装置10の減速比が利用でき、リングギヤ用無段
変速機320を小容量で、小型で安価にできる。
【0164】上記構成において、次に、図34を参照し
作動説明する。 (A−10)車両停止の状態 (B−10)の停止状態から車両を発進するときの状態 (C−10)の発進状態から車両を加速するときの状態 (D−10)のアクセルを踏み込み車両をさらに加速す
るときの状態以上の4状態 では、制御装置60はアクセル量検出セン
サ62、車速検出センサ64及びシフト位置センサ69
(又はさらに過給機選択用スイッチ192からの信号
により、リングギヤ用無段変速機320の減速比を選択
し、機械式過給機20を高速で回転する。これにより、
低速・中速時には機械式過給機20は高速回転し、エン
ジン出力トルクのアップが図られる。
【0165】 (E−10)アクセルをさらに踏み込み車両が加速終了
時点のときの状態 又は (F−10)エンジン回転速度は車速が所定のほぼ一
定のときの状態 は、制御装置60は、アクセル量検出センサ62、車速
検出センサ64及びシフト位置センサ69(又はさらに
過給機選択用スイッチ192からの信号によりリング
ギヤ用無段変速機320を回転し、機械式過給機20を
低速で回転する。上記において、加速初期には増速比を
大きくして機械式過給機20を早く回して加速力を
る。また、加速後期には増速比を小さくして機械式過給
機20をゆっくり回し定常走行へ移行するとに、機械
式過給機20の駆動力の損失がなくなり、燃費の向上
られる。
【0166】次に、第18実施例に示す差動駆動過給装
置のリングギヤ用無段変速機320の具体例を概念図で
説明する。図48はリングギヤ用無段変速機320とし
、トロイダル式無段変速機321を用いた例を示す。
減速比は制御装置60からの指令によりトロイダル式
無段変速機321の接触子321aの変化により行われ
る。図49はリングギヤ用無段変速機320として、
ルト式無段変速機(CVT)322を用いた例を示す。
減速比は制御装置60からの指令によりベルト式無段
変速機322のプーリ径322a、322bの変化によ
り行われる。
【0167】上記の差動駆動過給装置の作動を纏める
と、図50に示すフローチャートが得られる。 (ステップ1)エンジン回転数センサ63からの信号に
よりエンジン回転速度を検出する。 (ステップ2)オペレータからエンジン1への負荷指令
をアクセル量検出センサ62はラック位置センサ66
からの信号により検出する。 (ステップ3)エンジン回転数センサ63及びアクセル
量検出センサ62(はラック位置センサ66)からの
信号により、制御装置60は機械式過給機20からエン
ジン1への過給空気量、即ち、機械式過給機20の回転
速度の目標値を図示しない記憶装置に記憶されているマ
ップより求める。 (ステップ4)制御装置60は、回転速度の目標値に応
じて、リングギヤ14に付設した油圧モータ30等の回
転負荷可変体に最大負荷を掛けるか、リングギヤ14に
付設したフライホイール171にブレーキを掛けるか、
リングギヤ14に接続したクラッチ315等を接続する
か、又はリングギヤ14に接続した無段変速機320の
減速比を最大にするかの指令を回転負荷可変体、フライ
ホイール171、クラッチ315又は無段変速機320
に出力する。 (ステップ5)制御装置60は、開閉弁22を閉じる指
令と、開閉弁25を開く指令とを出力する。
【0168】図51は、第19実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。 リングギヤ14にクラッチ部35
付設してある。クラッチ部355は、高速電磁バル
ブ350を介した油圧により、リングギヤ14側に付設
された可動クラッチ板356とリングギヤ14の外方
のケースに固定されている固定側クラッチ板357との
接続、接続と遮断との間での高速交互切り換え及び遮断
を行っている。高速電磁バルブ350は制御装置60に
接続され、指令を受けてパイロットポンプ351からの
油圧をクラッチ部355に供給する。制御装置60に
、エンジン回転数センサ63及びラック位置センサ6
6からの信号が入力る。
【0169】上記構成において、次に作動について説明
する。図52を用いて説明する。図52は横軸にエンジ
ン回転速度を、縦軸にエンジン1の正味平均有効圧力を
示す。図52において、エンジン回転数センサ63から
の信号により回転速度が定格負荷回転速度位置(Na
点)であることを検出し、かつック位置センサ66か
らの信号によりエンジン1への負荷指令が定格無過給最
大出力点近傍(Pma点)であることを制御装置60が
判断すると、制御装置60は高速電磁バルブ350に指
令を出力せずに、ポート位置350aに位置させてパイ
ロットポンプ351からの油圧をクラッチ部355に供
給しない。このため、クラッチ板356と固定側クラッ
チ板357との遮断を行っている。これにより、リング
ギヤ14は自在回転するため、差動遊星歯車装置10の
減速比はゼロとなり機械式過給機20は停止し、エンジ
ン1への空気の過給はなわれない。次に、エンジン回
転速度が中速回転速度位置近傍(Nb点)であり、かつ
ラック位置センサ66からの信号によりエンジン1への
負荷指令がさらに高い出力点近傍(Pmb点)であるこ
とを制御装置60が判断すると、制御装置60は高速電
磁バルブ350に、図53に示すON−OFF高速切換
指令を出力してポート位置350aと350bとを高速
交互に切り換え、パイロットポンプ351からの油圧
をクラッチ部355に高速に断続供給する。このため、
クラッチ板356と固定側クラッチ板357とは高速で
遮断と接続とを交互に繰り返し、リングギヤ14を高速
電磁バルブ350の切換制御速度に応じて減速して回転
させる。これにより、リングギヤ14の回転は規制さ
れ、差動遊星歯車装置10の減速比は中減速となり、機
械式過給機20は中速度で回転し、エンジン1への空気
過給行う。これにい、エンジン1の正味平均有効圧
力は、定格無過給最大出力点近傍(Pma点)より
い中速回転速度位置(Pmb点)まで高まり、発生トル
クも上昇する。さらに、エンジン回転速度が低速回転速
度位置近傍(Nc点)であり、かつラック位置センサ6
6からの信号によりエンジン1への負荷指令がさらに高
い出力点近傍(Pmc点)であることを制御装置60が
判断すると、制御装置60は高速電磁バルブ350に一
定の指令を出力してポート位置350bに切り換え、パ
イロットポンプ351からの油圧をクラッチ部355に
連続して供給する。このため、クラッチ板356と固定
側クラッチ板357とは接続し、クラッチ板356の回
転は停止する。これにより、リングギヤ14は停止し、
差動遊星歯車装置10の減速比は最高減速となり、機械
式過給機20はさらに回転を増して高速回転し、エンジ
ン1への空気過給を増。これにい、エンジン1の正
味平均有効圧力は、さらに、中速回転速度位置(Pmb
点)から低速回転速度位置(Pmc点)まで高まり、発
生トルクもさらに上昇する。
【0170】上記結果により、従来では、図52の無過
給エンジン出力トルクの上限カーブは点線Tcaであっ
たのが、本発明により機械式過給機20が可変の回転速
度で駆動されるため、正味平均有効圧力は図52に示す
斜線部範囲が拡大する。図52において、機械式過給機
20の作動範囲は、定格無過給最大出力点を通る出力一
定カーブ(実線Haa)を上限とし、かつ下限は本来の
無過給エンジン出力上限カーブ付近(点線Tca)
本来の無過給エンジンのスモーク悪化手前(空気過剰率
低下によるもの)の出力上限カーブ付近として、この二
つの出力カーブに挟まれる領域として差動遊星歯車装置
10により制御される。上記において、定格無過給最大
出力点近傍(Pma点)ではクラッチ部355を遮断
し、低速回転速度位置近傍(Nc点)ではクラッチ部3
55を接続している。また、定格無過給最大出力点近傍
(Pma点)と低速回転速度位置近傍(Nc点)との間
の中速回転速度位置(Pmb点)では、例えば、高速電
磁バルブ350の遮断の時間を一定とし、接続している
時間を可変としてリングギヤ14に制動トルクを与え、
リングギヤ14の回転速度を可変とする。これにより、
定格無過給最大出力点近傍(Pma点)から低速回転速
度位置近傍(Nc点)までのリングギヤ14の回転速度
を一次曲線は二次曲線により可変として変化させる。
このリングギヤ14の回転速度の変化により機械式過給
機20の回転速度も変化る。
【0171】上記の制御は纏めると、図54に示すフロ
ーチャートとなる。 (ステップ1)エンジン回転数センサ63からの信号に
よりエンジン回転速度を検出する。 (ステップ2)オペレータからエンジン1への負荷指令
をラック位置センサ66からの信号により検出する。 (ステップ3)エンジン回転数センサ63及びラック位
置センサ66からの信号により、制御装置60は機械式
過給機20からエンジン1への過給空気量、即ち、機械
式過給機20の回転速度の目標値を図示しない記憶装置
に記憶されているマップより求める。 (ステップ4)制御装置60は機械式過給機20から
ンジン1への過給空気量をに、機械式過給機20の回
転速度を可変とする差動遊星歯車装置10の減速比を図
示しない記憶装置に記憶されているマップより求める。 (ステップ5)制御装置60は求めた減速比から高速電
磁バルブ350に指令を出力し、ブレーキ板172aと
固定側ブレーキ板172bとの接続、滑りは断絶を行
なう。 (ステップ6)図示しない機械式過給機回転数センサか
の信号により機械式過給機20の回転速度を検出す
る。 (ステップ7)ステップ3で求めた機械式過給機20の
回転速度の目標値と、ステップ6で測定した機械式過給
機回転数センサからの回転速度を照合する。ステップ
7で一致る場合はステップ1に戻り、一致しない場合
はステップ8にき補正値を求めステップ5に戻る。
【0172】図55は、第20実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。図55において、エンジン1には
出力軸1Aに差動遊星歯車装置10が付設され、差動遊
星歯車装置10には機械式過給機20と、可変油圧モー
タ30等の回転負荷可変体とが付設されている。機械式
過給機20の吸入側の配管21はターボ過給機400を
経て図示しないフィルタを経て大気Uに至る。また、
管21の機械式過給機20とターボ過給機400の間
から分岐した配管21aには開閉弁22が配設され、配
管21aはエンジン1の吸気管23に接続ている。機
械式過給機20の吐出側の配管24には開閉弁25が配
設され、配管24はエンジン1の吸気管23に接続
いる。開閉弁22、25は、制御装置60からの指令
により開閉し、大気から図示しないフィルタを介して配
管21a、開閉弁22及び吸気管23から直ちに空気を
エンジンに供給するかは機械式過給機20を経て配管
24、開閉弁25及び吸気管23から空気をエンジン1
に供給するの切りえを行う。エンジン1からの排気
ガス管401はターボ過給機400に接続されている。
また、他の構成部品、例えば制御装置60、エンジン回
転数センサ63、車速検出センサ64、噴射ポンプ6
5、ラック位置センサ66、操作レバー位置センサ67
及びシフト位置センサ69等は図示しないが、図1と同
である。
【0173】上記構成において、次に作動説明する。
機械過給機20は、第1実施例と同様に、エンジン回
転速度の変化に対し差動遊星歯車装置10により可変に
駆動され、エンジン回転速度が低くなるにい、図56
に示すように、正味平均有効圧力(Pme)を大きくし
てエンジン出力を等出力(Haa)にしている。図57
では、横軸にエンジン回転速度を示し、縦軸にエンジン
1への過給した空気量を示す。図の一点鎖線(Amc)
は機械式過給機20からの過給空気量を示し、二点鎖線
(Atc)はターボ過給機400からの過給空気量を示
す。図57において、エンジン1の低速回転領域(Na
点近傍)では、差動遊星歯車装置10により機械過給機
20が高速に増速されて図57に示す等馬力(Haa)
の空気量を過給している。このとき、ターボ過給機40
0は排気ガスを受けて一定度で回転し、空気を機械過
給機20に供給している。エンジン1の中速回転領域
(Nb点近傍)では、差動遊星歯車装置10により機械
過給機20が中速に増速されて所定の空気量(Am
を過給している。このとき、ターボ過給機400は排気
ガスを受けて一定度で回転し、所定の空気量(At
)を機械過給機20に供給している。これによりエン
ジン1は一定の空気量(Acc)を得ている。エンジン
1の高速回転領域(Nc点近傍)では、差動遊星歯車
置10により機械過給機20は停止している。このと
き、ターボ過給機400は排気ガスを受けて一定度で
回転し、ターボ過給機400からの空気は配管21a、
開閉弁22及び吸気管23から直ちにエンジンに供給さ
れる。これによりエンジン1は一定の空気量Acc
を得ている。このように、機械式過給機20とターボ過
給機400により過給するハイブリッド過給は空気量
が一定(Acc)となる。このハイブリッド過給で、エ
ンジン1の必要空気量及び供給する燃料流量を一定にす
ることにより、排気ガスエネルギーを一定にする。ター
ボ過給機400の回転速度を一定にする。この一定の排
気エネルギーによりターボ過給機400の回転速度を一
定化できるため、図58に示すように、ナロウレンジ
(狭幅レンジ)のマップのディフューザ付きのコンプレ
ッサが使用できる。従って、コンプレッサ効率を最高の
効率範囲(Laa)で使え、ワイドレンジ(広幅レン
ジ)のターボに比べると、ターボ効率を約5%アップで
きる。また、定格点と最大トルクとの効率の差まで
慮すると、従来に比してターボ効率を約10%アップで
きる
【0174】上記の制御は纏めると、図59に示すフロ
ーチャートとなる。 (ステップ1)エンジン回転数センサ63からの信号に
よりエンジン回転速度を検出する。 (ステップ2)オペレータからエンジン1への負荷指令
をラック位置センサ66からの信号により検出する。 (ステップ3)エンジン回転数センサ6及びラック位
置センサ66からの信号により、制御装置60は機械式
過給機20からエンジン1への過給空気量、即ち、機械
式過給機20の回転速度の目標値を図示しない記憶装置
に記憶されているマップから求める。 (ステップ4)制御装置60は機械式過給機20から
ンジン1への過給空気量をに、機械式過給機20の回
転速度を可変とする差動遊星歯車装置10の減速比を図
示しない記憶装置に記憶されているマップより求める。 (ステップ5)制御装置60は求めた減速比から回転負
荷可変体に指令を出力し、機械式過給機20を所定速
で回転させる。 (ステップ6)制御装置60はステップ3で求めた空気
量に応じて開閉弁22に所定の開度量を開く指令を出力
する。 (ステップ7)図示しない機械式過給機回転数センサか
の信号により機械式過給機20の回転速度を検出す
る。 (ステップ8)ステップ3で求めた回転速度の目標値
と、ステップ7で測定した機械式過給機回転数センサか
らの回転速度を照合する。一致る場合はステップ1
に戻り、一致しない場合はステップ9にき補正値を求
ステップ5に戻る。上記発明において、ハイブリッ
ド過給によってエンジン1の必要空気量及び供給する燃
料流量を一定にすることにより、図56に示すように、
ターボ過給機400によりさらに正味平均有効圧力は
機械式過給機20のみの正味平均有効圧力(Haa)か
らターボ過給機400も加えた高い正味平均有効圧力
(Hbb)に増すことができる。
【0175】ところで、本発明によれば、可変の回転速
度で駆動される機械式過給機20によって低速時にも所
定の過給空気をエンジン1に供給することにより、吸入
空気の限界がなくなるとに、圧縮比εを低くとれるの
で図60に示すように軸平均有効圧力を高くとれるとい
う効果が得られる。尚、図60は、横軸に軸平均有効圧
力Pmeを示し、縦軸に気筒内の最大燃焼圧力Pmax
を示し実線はエンジン1の圧縮比εを示している。
こに、図の圧縮比ε=10以下は、ガソリンエンジンと
同一でありディーゼルエンジンとしての熱効率の良さを
発揮できない領域である。また、図の設計許容限(約1
50Kg/cm2)は、ディーゼルエンジンでは最大燃
焼圧力Pmax約150Kg/cm2程度であり、そ
れ以上ではクランクシャフト及びコンロッド等の軸受が
大きくなり設計バランスが崩れ効率的な構成が形成で
きない領域であることを示すそこで、従来では、低温
始動性を確保する目的から設計上の圧縮比εは直接噴
射式で15〜19であり、また、副室噴射式で19
〜24である。
【0176】これに対し、本発明では、低速時にも機械
式過給機20で所定の過給空気をエンジン1に供給する
ことにより、過給空気温度が上昇することがテスト結
果より本出願人により確認された。例えば、エンジン回
転速度が80rpm程度の始動時のエンジンクランキン
グ速度であっても、機械過給機20が増速比6程度(機
械過給機20の回転速度は480rpm程度)あれば、
機械式過給機20の前に対して後では、亜断熱圧縮によ
り約45°Cの給気温度の上昇が確認された。これによ
り、機械式過給機20で過給することにより、気温マイ
ナス20°Cの低温吸気でも、機械式過給機20の後で
はプラス25°Cまで上昇する。これにより、設計上の
圧縮比εは低くても、従来機のエンジン1と同程度の始
動性が得られる。
【0177】即ち、図61は横軸に圧縮比εを示し、縦
軸に吸入温度を示し、実線では無過給時のエンジン1の
始動性を示す。例えば圧縮比ε=17では、気温マイナ
ス20°Cでエンジン1が始動可能限界に達する(図中
のA点で示す)。しかし、吸入空気を機械式過給機20
により圧縮して吸気することにより、圧縮比εが10程
度と低くても従来機のエンジン1と同程度の始動可能限
界能力が得られる(図中B点で示す)。このため、参考
例ながら、上記実施例を搭載するエンジン1の圧縮比ε
は、直接噴射式で10〜15あれば良く、また、副室
噴射式で10〜20あれば良い。、下限の圧縮比
共にε=10であるのは、ガソリンエンジンと同一であ
りディーゼルエンジンとしての熱効率の良さを発揮でき
ない領域だからであるある。他方、上限の圧縮比ε
直接噴射式ではε=15であり、副室噴射式でε=2
であるのは、従来機と同一となることより規制される
領域だからである。
【0178】次に、本発明の車載したときの実施例を示
す。図62は、その第21実施例なる差動駆動過給装置
の概念図であり、図55とほぼ同じである。制御装置6
0には、エンジン回転数センサ63、ラック位置センサ
66アクセル量検出センサ62、車速検出センサ64
及びシフト位置センサ69からの信号が入力する。とこ
ろで、アクセルペダル61には、例えば、アクセル量の
領域A領域Dが設けられている。図63は、横軸にエ
ンジン回転速度を示し、縦軸に正味平均有効圧力Pme
示し、横の実線でアクセル量の領域A〜領域Dを示
す。また、正味平均有効圧力Pme領域PmA領域
PmDが設けられそれぞれに差動遊星歯車装置10の
増速比βが設定されている。例えば領域PmAではβ=
1、領域PmBではβ=2、領域PmCではβ=4、領
域PmDではβ=6のごとく設定され、図示しない記憶
装置に記憶されている。、正味平均有効圧力Pmeの
領域PmA、領域PmB、領域Pm及び領域PmDはア
クセル量の領域A、領域B、領域C及び領域Dに対応し
て設定されている。
【0179】次に、作動図64のフローチャートを参
照し説明する。例えば、 (ステップ1)エンジン回転数センサ63からの信号に
よりエンジン回転速度を検出する。 (ステップ2)オペレータが踏み込むアクセルペダル6
1がアクセル量の領域A〜領域Dのいずれの領域にある
かをアクセル量検出センサ62より検出する。、領域
領域Dいずれの領域にあるかは、ラック位置セン
サ66からも検出できる。 (ステップ3)エンジン回転数センサ63からの信号
、アクセル量の領域 〜領域Dのいずれかの領域にあ
るかの信号により差動遊星歯車装置10の増速比β
図示しない記憶装置に記憶されているマップより求め
る。例えば、領域Dにあると、その軸平均有効圧力Pm
eが、図63に示すように、領域PmDになるように、
差動遊星歯車装置10の増速比β=6を図示しない記憶
装置に記憶されているマップより求める。 (ステップ4)制御装置60は求めた増速比βから回転
負荷可変体に指令を出力して差動遊星歯車装置10を所
定の増速比βとし、機械式過給機20を所定速度で回転
させる。これにより、ステップ3の増速比β=6とき
は、機械式過給機20は、β=1である領域Aにあると
きよりも6倍で早く回転する。 (ステップ5)制御装置60はステップ3で求めた空気
量に応じて開閉弁22に所定の開度量を開く指令を出力
する。、このステップ5はステップ4と入れ換えても
良い。 (ステップ6)図示しない機械式過給機回転数センサか
の信号により、機械式過給機20の回転速度を検出す
る。 (ステップ7)所定の増速比βに基づきステップで求
めた機械式過給機20の所定の回転速度と、ステップ6
検出した機械式過給機回転数センサからの回転速度
を照合する。一致る場合はステップ1に戻り、一致し
ない場合はステップ8に行き補正値を求めステップ4
に戻る。
【0180】図65は、第22実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。エンジン1には、蓄圧式噴射系の
噴射ポンプ421、潤滑系のオイルポンプ422、冷却
系の水ポンプ423及び発電機424等の補機420が
付設されている。従来では、これら補機420はエンジ
ン回転に対し一定比で連動して回転る。ところが、第
22実施例を始めとする後述の実施例は、これら補機
420は、低速域においてより増速するエンジン回転反
比例型は可変型の装置を介して駆動される。図65に
おいて、エンジン出力軸1Aには差動遊星歯車装置10
が一方に接続され、差動遊星歯車装置10には機械式過
給機20と、可変油圧モータ30等の回転負荷可変体と
が付設されている。そして、出力軸1Aの他方には、可
変増速度比装置430を介して前記補機420が付設さ
れている。ここで、可変増速比装置430は、詳細は図
示しないが、差動遊星歯車装置10と回転負荷可変体と
の組合せによりエンジン1の低速域においてより増速
し、前記補機420の回転速度を早くしている。そし
、補機420には、補機用回転数センサ425が付設
され、各補機420の回転速度を検出している。他の構
成部品、例えば制御装置60、エンジン回転数センサ6
3、車速検出センサ64、噴射ポンプ65、ラック位置
センサ66、操作レバー位置センサ67及びシフト位置
センサ69等は図示しないが、図1と同様である。
【0181】次に、作動を図66及び図67を参照し
明する図66は、横軸にエンジン回転速度を示し、縦
軸に正味有効平均出力Pmeを示し、実線で等出力Ha
aを示しかつ点線で従来の出力Tcaを示す。図67
は、横軸にエンジン回転速度を示し、縦軸にオイルポン
プ422の吐出量Qを示し、実線でオイルポンプ422
の吐出量Qaaを示しかつ点線で従来のオイルポンプ
422aの吐出量Qtaを示す。図66において、従来
では、例えばエンジン1の低速回転領域(Na点近傍)
の20馬力(Pm1点)では、図67において、オイル
ポンプ422aの吐出量Qtsも少なく、中速回転領域
(Nb点近傍)の50馬力(Pm2点)で所定量Qtc
を吐出している。また、高速回転領域(Nc点近傍)の
100馬力(Pm3点)で所定量Qtcを吐出してい
る。これに対し、第22実施例では、エンジン1の低速
回転領域(Na点近傍)の100馬力(Pm4点)で
は、図67において、オイルポンプ422の吐出量Qa
dは大きく、中速回転領域(Nb点近傍)の100馬力
(Pm5点)では、低速回転領域の吐出量Qadよりも
少ない所定量Qaeを吐出している。また、高速回転領
域(Nc点近傍)の100馬力(Pm6点)で所定量Q
afを吐出している。このように、差動遊星歯車装置
により増速して機械式過給機20を駆動しエンジン
が等馬力を出力するときに、機械式過給機20の回転速
及び/又は仕事量に応じてオイルポンプ422の回転
速度を増速している。このように、補機420が可変増
速比装置430により低速域で増速されることにより、
従来エンジンに比較して低速トルクの大幅増加に伴う必
要潤滑油量及び必要冷却水量の増加を補うことができ
る。また、同様に、低速時に高い噴射圧が要求される本
発明の高トルク型エンジン1では、低速域で増速するこ
とによりこれらの要求に対応できる。これにより、主運
動部分の潤滑不良(特に、低速域での油膜の形成)及び
低速域の出力増大による各部の冷却不良が解消され、信
頼性、耐久性が従来機と同等以上の高トルク型エンジン
1が得られる。
【0182】次に、図68のフローチャート図にって
作動説明する。 (ステップ1)エンジン回転数センサ63からの信号に
よりエンジン回転速度を検出する。 (ステップ2)オペレータからエンジン1への負荷指令
をラック位置センサ66からの信号により検出する。 (ステップ3)エンジン回転数センサ63及びラック位
置センサ66からの信号により、制御装置60は機械式
過給機20からエンジン1への過給空気量、即ち、機械
式過給機20の回転速度の目標値を図示しない記憶装置
に記憶されているマップより求める。 (ステップ4)制御装置60は機械式過給機20から
ンジン1への過給空気量に応じて補機420を回転駆動
する可変増速比装置430の増速比を図示しない記憶装
置に記憶されているマップより求める。 (ステップ5)制御装置60は求めた増となるよう
可変増速比装置430に指令を出力する。 (ステップ6)補機用回転数センサ425からの信号に
より補機420の回転速度を検出する。 (ステップ7)ステップ3で求めた補機420の回転速
度の目標値と、ステップ6で測定した補機用回転数セン
サ425からの回転速度を照合する。一致している場
合はステップ1に戻り、一致しない場合はステップ8に
き補正値を求めステップ5に戻る。
【0183】図69は、第23実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。尚、第22実施例と同一部品には
同一符号を付して重複説明は省略する。図69におい
て、エンジン出力軸1Aには、第1実施例と同様に、差
動遊星歯車装置10が一方に接続され、差動遊星歯車装
置10には機械式過給機20と、可変油圧モータ30等
の回転負荷可変体とが付設されている。また、この差動
遊星歯車装置10には、補機420の噴射ポンプ42
1、オイルポンプ422、冷却系の水ポンプ423及び
発電機424等が付設されている。また、その他の構成
部品、例えば制御装置60、エンジン回転数センサ6
3、車速検出センサ64、噴射ポンプ65、ラック位置
センサ66、操作レバー位置センサ67及びシフト位置
センサ69等は図示しないが、図1と同様に構成されて
いる。作動については第22実施例と同一のため、重複
説明は省略する。
【0184】図70は、第24実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。尚、第22実施例と同一部品には
同一符号を付して重複説明は省略する。図70におい
て、エンジン出力軸1Aには、第1実施例と同様に差動
遊星歯車装置10が一方に接続され、差動遊星歯車装置
10には機械式過給機20と、可変油圧モータ30等の
回転負荷可変体とが付設されている。また、この差動遊
星歯車装置10には、補機420のオイルポンプ422
及び冷却系の水ポンプ423とが付設されている。さら
に、エンジン出力軸1Aには、従来と同様に、補機42
0の噴射ポンプ421、オイルポンプ422a、冷却系
の水ポンプ423a及び発電機424等とがエンジン1
に一定比で連動して回転するように付設されている。ま
た、その他の構成部品、例えば制御装置60、エンジン
回転数センサ63、車速検出センサ64、噴射ポンプ6
5、ラック位置センサ66、操作レバー位置センサ67
及びシフト位置センサ69等は図示しないが、図1と同
様に構成されている。
【0185】作動について、第24実施例では、エンジ
ン1の低速域で差動遊星歯車装置10により増速して機
械式過給機20を駆動するとに、差動遊星歯車装置
により補機420のオイルポンプ422及び水ポンプ
423を増速して必要潤滑油量及び必要冷却水量の増加
を補うことができる。
【0186】図71は、第25実施例なる差動駆動過給
装置の概念図である。第25実施例は、第20実施例と
同様、差動遊星歯車装置10に機械式過給機20と、可
変油圧モータ30等の回転負荷可変体とが付設されてい
る。また、機械式過給機20の吸入側の配管21にはタ
ーボ過給機400が配設されている。さらに、第25実
施例では、ターボ過給機400の排出口400aに配管
428が接続され、配管428にはタービン429が接
続されている。タービン429には、補機420を駆動
するとに、エネルギーを回収する可変増速切換装置4
40が付設されている。可変増速切換装置440は、補
機420のオイルポンプ422及び冷却系の水ポンプ4
23が付設されているとに、エンジン出力軸1Bに連
結されている。また、その他の構成部品、例えば、制御
装置60、エンジン回転数センサ63、車速検出センサ
64、噴射ポンプ65、ラック位置センサ66、操作レ
バー位置センサ67及びシフト位置センサ69等は図示
しないが、図1と同様に構成されている。
【0187】作動について、第25実施例では、エンジ
ン1の低速域では、エンジン回転数センサ63及びラッ
ク位置センサ66からの信号により、制御装置60が可
変増速切換装置440に指令を出力し、タービン429
の駆動力を補機420のオイルポンプ422と冷却系の
水ポンプ423に伝えて回転駆動する。これによりエ
ンジン1の低速域では、補機420のオイルポンプ42
及び水ポンプ423を増速して必要潤滑油量及び必要
冷却水量の増加を補うことができる。また、エンジン1
が高速域では、制御装置60が可変増速切換装置440
に指令を出力し、タービン429の駆動力を補機420
から出力軸1Bに切り換えて補機420のオイルポンプ
422及び水ポンプ423を停止するとに、タービン
429の駆動力を出力軸1Bに伝えてエネルギーを回収
する。
【0188】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる機
械式過給機の差動駆動方式では、回転負荷可変体を制御
することにより機械式過給機の回転力、回転速度を外部
より制御することができ、ゼロ発進からの加速も含めて
応答性の良い車両運動性能が得られ、さらに、ひきずり
抵抗がなく、エネルギーロスがほとんどないエネルギー
を有効に活用できる、低速高トルク型で、燃料経済性の
高い、しかも、応答性のよいパワートレインを得ること
ができる。また、産業車両、建設機械等の作業用の油圧
源を用いることにより、構造が簡単で、安価で、高効率
の機械式過給機を差動駆動方式が得られる。
【0189】リングギヤにブレーキ及びクラッチを介し
てフライホイール等の慣性体を付設しているので車両の
低速時に機械式過給機を急激に加速することができ、低
速時のエンジン出力を高くできる。また、高速時には、
クラッチを切断することに機械式過給機を停止すること
ができ、高速時のエンジン出力を低くして燃費を向上し
ている。また、車両の減速時にフライホイール等の慣性
体にエネルギーを蓄え、再発進時にそのエネルギーを用
いて機械式過給機をさらに急激に加速することができ、
低速時のエンジン出力をさらに高くできる。長時間運転
は登坂時にブレーキを作動することにより機械式過
給機を回転することができ、加速時のエンジン出力を高
くする。従来のようにブレーキのみにると、ブレーキ
負荷、特に過渡期に滑らせる状態となり、摩擦熱の発生
によるクリープ状態は耐久性の低下が発生する問題
が、フライホイールの慣性力を利用することでブレーキ
負荷を軽減できる。リングギヤの駆動に車両駆動系の変
速機の後方の出力軸から駆動力をることにより、変速
機の変速を用いて低速時には、機械式過給機を急激に加
速することができ、高速時には機械式過給機の回転を一
定に保つことができる。また、機械過給機にワンウェイ
クラッチを付設することにより、段階的な変速機の変速
にもらず機械過給機の回転を滑らかに変速できる。リ
ングギヤの駆動に車両駆動系の変速機の後方の出力軸か
ら駆動力をるとに、過給機用変速機を介して駆動す
ることにより、作業等用途に応じて機械過給機の回転を
選択でき、最適の所要のエンジン低速時の出力が得られ
る。エンジン出力軸とリングギヤの間にリングギヤ用無
段変速機を挿入することにより差動駆動装置(差動遊星
歯車装置)の増速比を可変にでき、加速初期には増速比
を大きくして加速力を増し、また、加速後期には増速比
を小さくして機械過給機をゆっくり回し、定常走行への
移行をスムーズにする。上記のく、低速高トルク型
で、燃料経済性の高い、しかも、小型で安価な応答性の
よいパワートレインを得ることができる。
【0190】リングギヤにクラッチを装着して、このク
ラッチを高速電磁バルブにより遮断、高速に遮断及び接
は接続を行ない低速高トルクをるため、小型で安
価な応答性のよいパワートレインを得られる。機械過給
機とターボ過給機とを組み合わせるとに、差動駆動装
置により機械過給機を駆動して等出力を出力し、さら
に、その上にターボ過給機の出力を加えることができ、
高出力のエンジンがられる。また、差動駆動装置によ
り機械過給機を駆動して排気エネルギーを一定にしてい
るためにターボ過給機の回転速度を一定で回転すること
ができ、コンプレッサ効率を最高の効率範囲で使え、効
率を約10%アップできる。これに伴い、燃費が約3グ
ラム/馬力・時間の節約ができる。また、低速時に高速
で機械過給機により過給して亜断熱圧縮により吸気温度
を上昇させるため、圧縮比を下げても低温始動性が確保
できるとに、圧縮比が下げられるために正味平均有効
圧力は高く設定でき、低速時高トルクを発生するエンジ
ンが得られる。また、常に等量の空気を過給してエンジ
ンに送り込むことができるので、低速域でのターボラ
グ、即ち、加速時の初期に過給遅れからくる停滞感を解
消できる。また、エンジン回転速度が低速時に補機類を
高速で回転させるため、潤滑、冷却は燃料噴射が十分
に行え、高い耐久性、信頼性の高トルク型のエンジンが
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例なる差動駆動過給装置
の概念図である。
【図2】第1実施例なる差動遊星歯車装置の噛み合い側
面図であり、エンジン、機械式過給機及び可変油圧モー
タの回転速度図である。
【図3】第1実施例に係わるエンジン、機械式過給機
可変油圧モータの回転速度の相互関係図である。
【図4】ホイールローダの作業状態を示す図である。
【図5】第1実施例での車両の作業状態時のエンジンと
空気供給の状態を示し、横軸にエンジン回転速度を、縦
軸にエンジンの1サイクルにおける正味平均有効圧Pm
eをとり、実線にて機械式過給機及び自然吸気による空
気の供給量の区分を示すである。
【図6】第2実施例なる差動駆動過給装置の概念図であ
る。
【図7】第3実施例なる差動駆動過給装置の概念図であ
る。
【図8】第3実施例なる差動遊星歯車装置の噛み合い側
面図であり、エンジン、機械式過給機及び可変油圧モー
タの回転速度図である。
【図9】第3実施例に係わるエンジン、機械式過給機
可変油圧モータの回転速度の相互関係図である。
【図10】第3実施例での車両の作業状態時のエンジン
と空気供給の状態図である。
【図11】第4実施例なる差動駆動過給装置の概念図で
ある。
【図12】第4実施例なる差動遊星歯車装置の噛み合い
側面図であり、エンジン、機械式過給機及び可変油圧モ
ータの回転速度図である。
【図13】第4実施例に係わるエンジン、機械式過給機
及び可変油圧モータの回転速度の相互関係図である。
【図14】第4実施例での車両の作業状態時のエンジン
と空気供給の状態図である。
【図15】第5実施例なる差動駆動過給装置の概念図で
ある。
【図16】第6実施例なる差動駆動過給装置の概念図で
ある。
【図17】第7実施例なる差動駆動過給装置の概念図で
ある。
【図18】第8実施例なる差動駆動過給装置の概念図で
ある。
【図19】第9実施例なる差動駆動過給装置の概念図で
ある。
【図20】第9実施例なる差動遊星歯車装置の噛み合い
側面図であり、エンジン、機械式過給機及びフライホイ
ール(リングギヤ)の回転速度図である。
【図21】第9実施例に係わるエンジン、機械式過給機
及びフライホイールの回転速度の相互関係図である。
【図22】第10実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図23】第10実施例なる差動遊星歯車装置の噛み合
い側面図であり、エンジン、機械式過給機及びフライホ
イール(リングギヤ)の回転速度図である。
【図24】第10実施例に係わるエンジン、機械式過給
及びフライホイールの回転速度の相互関係図である。
【図25】第11実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。(オートマチックトランスミッション)
【図26】第11実施例なる差動遊星歯車装置の噛み合
い側面図であり、エンジン、機械式過給機及びリングギ
ヤの回転速度図である。
【図27】第11実施例に係わるエンジン、機械式過給
及びリングギヤの回転速度の相互関係図である。
【図28】第12実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。(マニュアルトランスミッション)
【図29】第12実施例なる差動遊星歯車装置の噛み合
い側面図であり、エンジン、機械式過給機及びリングギ
ヤの回転速度図である。
【図30】第12実施例に係わるエンジン、機械式過給
及びリングギヤの回転速度の相互関係図である。
【図31】第13実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。(ワンウェイクラッチ)
【図32】第13実施例に係わるエンジン、機械式過給
及びリングギヤの回転速度の相互関係図である。
【図33】第14実施例び第15実施例なる差動駆動
過給装置の概念図である。(過給機用変速機)
【図34】第14実施例に係わるエンジン、機械式過給
及びリングギヤの回転速度の相互関係図である。(オ
ートマチックトランスミッション)
【図35】第15実施例に係わるエンジン、機械式過給
及びリングギヤの回転速度の相互関係図である。(マ
ニュアルトランスミッション)
【図36】歯車列の組合せを用いた過給機用変速機の概
念図である。
【図37】プーリ列の組合せを用いた過給機用変速機の
概念図である。
【図38】ベルト式無段変速機(CVT)を用いた過給
機用変速機の概念図である。
【図39】トロイダル式無段変速機を用いた過給機用変
速機の概念図である。
【図40】切換バルブ、固定型ポンプ及び固定型モータ
の組合せを用いた油圧式過給機用変速機の概念図であ
る。
【図41】可変型ポンプ及び固定型モータの組合せを用
いた油圧式過給機用変速機の概念図である。
【図42】可変型ポンプ及び可変型モータの組合せを用
いた油圧式過給機用変速機の概念図である。
【図43】可変容量型流体継手を用いた過給機用変速機
の概念図である。
【図44】発電機及び電気モータの組合せを用いた電気
式過給機用変速機の概念図である。
【図45】第16実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。(過給機用クラッチ)
【図46】第17実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。(過給機用クラッチと過給機用変速機)
【図47】第18実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。(リングギヤ用無段変速機)
【図48】トロイダル式無段変速機を用いたリングギヤ
用無段変速機の概念図である。
【図49】ベルト式無段変速機(CVT)を用いたリン
グギヤ用無段変速機の概念図である。
【図50】第1実施例から第18実施例に示す主要な差
動駆動過給装置の作動を説明するフローチャート図であ
る。
【図51】第19実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図52】エンジン回転速度に対し本発明に係る正味平
均有効圧力と、従来の正味平均有効圧力との説明図であ
る。
【図53】高速電磁バルブのON−OFF高速切換制御
の作動説明図である。
【図54】第19実施例の作動を示すフローチャート図
である。
【図55】第20実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図56】エンジン回転速度に対し本発明に係る機械式
過給機及び機械式過給機にターボ過給機とを加えた正味
平均有効圧力と、従来の正味平均有効圧力との説明図で
ある。
【図57】エンジン回転速度に対し本発明に係る機械式
過給機とターボ過給機とからエンジンへの過給した空気
量を供給する説明図である。
【図58】機械式過給機とターボ過給機とを用いたハイ
ブリッド方式におけるターボ過給機のコンプレッサ効率
説明図である。
【図59】第20実施例の作動を示すフローチャート図
である。
【図60】軸平均有効圧力Pme及び気筒内の最大燃焼
圧力Pmaxに対する圧縮比ε及び最大燃焼圧力Pma
xの設計許容限界の関係図である。
【図61】圧縮比ε及び吸入空気温度に対するディ
ルエンジンの着火性説明図である。
【図62】第21実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図63】エンジン回転速度とアクセル量の領域に対し
て所定の正味平均有効圧力が得られるのを説明する図で
ある。
【図64】第21実施例の作動を示すフローチャート図
である。
【図65】第22実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図66】エンジン回転速度に対し本発明に係るエンジ
ンの等馬力と従来のエンジンの馬力と説明図である。
【図67】エンジン回転速度に対し本発明に係るエンジ
ンのオイルポンプの吐出量と従来のエンジンのオイルポ
ンプの吐出量との関係図である。
【図68】第22実施例の作動を示すフローチャート図
である。
【図69】第23実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図70】第24実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図71】第25実施例なる差動駆動過給装置の概念図
である。
【図72】従来の歯車駆動なる機械式過給方式を示す図
である。
【図73】従来の機械式過給方式によるエンジンへの空
気供給状態図である。
【図74】従来の第1の差動駆動過給装置の概念図であ
る。
【図75】従来の第2の差動駆動過給装置の概念図であ
る。
【図76】使用条件に合わせて、高速回転速度時に高出
力を望まれるエンジン出力説明図である。
【図77】使用条件に合わせて、低・中速回転速度時に
高出力を望まれるエンジン出力説明図である。
【図78】エンジン回転速度の回転速度に対する吸入空
気量の限界、最大燃焼圧力の設計上の限界値から現在
のエンジン出力トルクの限界との説明図である。
【図79】エンジン回転速度に対する従来のエンジン出
力トルク説明図である。
【図80】従来のターボ過給機のみを用いた場合コン
プレッサ効率説明図である。
【符号の説明】
1:エンジン、1A,1B,1C:出力軸、10,7
0:差動遊星歯車装置(差動駆動装置)、11,72:
サンギヤ、12:プラネタリギヤ、13,71:プラネ
ットキャリア、14:リングギヤ、20:機械式過給
機、22,25:開閉弁、23:吸気管、30:可変容
量型油圧モータ、30a:可変容量型油圧モータのサー
ボ弁、40:車両の駆動力伝達系、40b:トルクコン
バータ、40c:オートマチックトランスミッション、
40d:メインクラッチ、40e:マニュアルトランス
ミッション、50:可変容量型油圧ポンプ、50a:可
変容量型油圧ポンプのサーボ弁、53:切換弁、60:
制御装置、62:アクセル量検出センサ、63:エンジ
ン回転数センサ、64:ラック位置センサ、77:ブレ
ーキ踏み込み量検出センサ、80:駆動力伝達系のクラ
ッチ、90:可変容量型油圧ポンプ・モータ、110:
アキュムレータ、120:発電機・電動モータ、13
0:バッテリ、140:クラッチ、170:クラッチ
部、171:フライホイール、172:ブレーキ部、1
80:リバースギヤ、186:ワンウェイクラッチ、1
90:過給機用変速機、192:過給機選択用スイッ
チ、301,302,303:歯車列、301a,30
2a,303a:プーリ列、304:ベルト式無段変速
機(CVT)、305:トロイダル式無段変速機、30
6:切換バルブ、307:固定型ポンプ、308:固定
型モータ、309:可変型ポンプ、310:可変型モー
タ、311:可変容量型流体継手、312:発電機、3
13:電気モータ、315:過給機用クラッチ、32
0:リングギヤ用無段変速機、321:トロイダル式無
段変速機、322:ベルト式無段変速機(CVT)、3
50:高速電磁バルブ、351:パイロットポンプ、3
55:クラッチ部、400:ターボ過給機、420:補
機、421:蓄圧式噴射系の噴射ポンプ、422:潤滑
系のオイルポンプ、423:冷却系の水ポンプ、42
4:発電機、425:補機用回転数センサ、429:タ
ービン、430:可変増速比装置、440:可変増速切
換装置。

Claims (35)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差動駆動装置を介してエンジン出力で駆
    動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置におい
    て、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出力
    の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、かつリングギ
    ヤに回転負荷可変体を連結し、キャリアからのエンジン
    回転速度の変化に合わせて、リングギヤに接続した回転
    負荷可変体を増減速し、機械式過給機をほぼ一定の回転
    速度にすることを特徴とする差動駆動過給装置。
  2. 【請求項2】 差動駆動装置を介してエンジン出力で駆
    動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置におい
    て、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出力
    の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、かつリングギ
    ヤに回転負荷可変体を連結し、機械式過給機の回転速度
    を停止させたときに、回転負荷可変体のエネルギーロス
    を低減するため回転負荷可変体への負荷を低減し、回転
    負荷可変体を空転するかは回転負荷可変体のエネルギ
    ーを蓄圧することを特徴とする差動駆動過給装置。
  3. 【請求項3】 前記回転負荷可変体のエネルギーロスを
    低減する手段は、固定型及び可変容量型ポンプ、固定型
    及び可変容量型モータ、固定型及び可変容量型でポンプ
    とモータとを兼ねるポンプ・モータ並びに蓄圧器のいず
    れか一である請求項2記載の差動駆動過給装置。
  4. 【請求項4】 差動駆動装置を介してエンジン出力で駆
    動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置におい
    て、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出力
    の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、リングギヤに
    回転負荷可変体を、かつエンジン出力軸に回転負荷可変
    体を駆動する動力源を連結したことを特徴とする差動駆
    動過給装置。
  5. 【請求項5】 回転負荷可変体を駆動する動力源が固定
    及び可変容量型ポンプ、発電機並びに空気圧縮機のい
    ずれかであり、及/又は、回転負荷可変体と回転負荷
    可変体を駆動する動力源との間に蓄圧器を設けた請求項
    4記載の差動駆動過給装置。
  6. 【請求項6】 差動駆動装置を介してエンジン出力で駆
    動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置におい
    て、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出力
    の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、リングギヤに
    回転負荷可変体を、かつ回転負荷可変体を駆動する動力
    源にアキュムレータはバッテリ等の蓄圧器を連結した
    ことを特徴とする差動駆動過給装置。
  7. 【請求項7】 機械式過給機の回転速度を停止させたと
    に回転負荷可変体のエネルギーロスを低減するため
    リングギヤと回転負荷可変体とをクラッチを介して連結
    する請求項1、4、5又は6に記載の差動駆動過給装
    置。
  8. 【請求項8】 差動駆動装置を介してエンジン出力で駆
    動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置におい
    て、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出力
    の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、リングギヤに
    回転負荷可変体を、かつ車両の駆動力伝達系の出力軸に
    回転負荷可変体により生ずる動力源を受ける駆動装置を
    連結したことを特徴とする差動駆動過給装置。
  9. 【請求項9】 回転負荷可変体が固定型及び可変容量型
    ポンプ、発電機並びに空気圧縮機のいずれかであり、か
    つ駆動装置が固定型及び可変容量型モータ、並びに電動
    モータのいずれかである請求項8記載の差動駆動過給装
    置。
  10. 【請求項10】 機械式過給機とエンジンとの間び大
    気とエンジンとの間のそれぞれの吸気管にエンジンへの
    空気を断続する開閉弁と、エンジン回転速度を検出する
    エンジン回転速度センサと、エンジン回転速度センサか
    らの所定の回転速度の信号を受けて開閉弁を開閉する信
    号を出力する制御装置とを備える請求項1、2、4、6
    又は8に記載の差動駆動過給装置。
  11. 【請求項11】 制御装置は、機械式過給機の回転速度
    を停止させたときに、機械式過給機とエンジンとの間の
    開閉弁を閉じ、大気とエンジンとの間の開閉弁を開き、
    エンジンへの空気を自然吸気とする信号を開閉弁に出力
    してなる請求項10記載の差動駆動過給装置。
  12. 【請求項12】 エンジン回転速度を制御するアクセル
    と、アクセルの移動量を検出するアクセル量検出センサ
    と、エンジンへの燃料の噴射量を制御する噴射ポンプの
    ソレノイドと、噴射ポンプの噴射量を検出するラック位
    置センサと、機械式過給機とエンジンとの間び大気と
    エンジンとの間のそれぞれの吸気管にエンジンへの空気
    を断続する開閉弁と、エンジン回転速度を検出するエン
    ジン回転速度センサと、回転負荷可変体の容量を増減す
    るサーボ体と、回転負荷可変体に動力を与える切換弁
    と、アクセル量検出センサ、ラック位置センサびエン
    ジン回転速度センサからの所定の信号を受けて、ソレノ
    イド、切換弁及びサーボ体に信号を出力し、エンジン
    び機械式過給機の回転速度を制御する制御装置とからな
    る請求項1、2、4、6又は8に記載の差動駆動過給装
    置。
  13. 【請求項13】 制御装置は、機械式過給機を増減速す
    るときに、機械式過給機とエンジンとの間の開閉弁を開
    き、大気とエンジンとの間の開閉弁を閉じ、エンジンへ
    の空気を過給する信号を出力し、かつ切換弁に切り換
    信号と、回転負荷可変体のサーボ体に容量を増加する信
    号とを出力してなる請求項12記載の差動駆動過給装
    置。
  14. 【請求項14】 制御装置は、機械式過給機をほぼ一定
    の回転速度にするときに、機械式過給機とエンジンとの
    間の開閉弁を開き、大気とエンジンとの間の開閉弁を閉
    じ、エンジンへの空気を過給する信号を開閉弁に出力
    し、かつ噴射ポンプのソレノイドにエンジン回転速度を
    増減する信号と、切換弁に切り換え信号と、回転負荷可
    変体のサーボ体に回転速度の増減を与える信号とを出力
    してなる請求項13記載の差動駆動過給装置。
  15. 【請求項15】 エンジン回転速度を制御するアクセル
    と、アクセルの移動量を検出するアクセル量検出センサ
    と、噴射ポンプの噴射量を検出するラック位置センサ
    と、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度セン
    サと、機械式過給機とエンジンとの間び大気とエンジ
    ンとの間のそれぞれの吸気管にエンジンへの空気を断続
    する開閉弁と、リングギヤと回転負荷可変体は回転負
    荷可変体を駆動する動力源とを断続するクラッチと、制
    御装置とを備え、制御装置は、アクセル量検出センサ、
    ラック位置センサびエンジン回転速度センサからの所
    定の信号を受けて、大気とエンジンとの間の開閉弁に開
    き信号と、クラッチに遮断する信号とを出力し、エンジ
    ンへの吸気を自然吸気にし回転負荷可変体のエネルギ
    ーロスを低減することを特徴とする差動駆動過給装置。
  16. 【請求項16】 エンジン回転速度を制御するアクセル
    と、アクセルの移動量を検出するアクセル量検出センサ
    と、噴射ポンプの噴射量を検出するラック位置センサ
    と、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度セン
    サと、回転負荷可変体の容量を増減するサーボ体と、車
    両の駆動力伝達系の出力軸に回転負荷可変体により生ず
    る動力源を受ける駆動装置のサーボ体と、回転負荷可変
    体と駆動装置とを断続する切換弁と、エンジンの出力軸
    と動力伝達系の出力軸との間の動力を断続するクラッチ
    と、制御装置とを備え、制御装置は、アクセル量検出セ
    ンサ、ラック位置センサびエンジン回転速度センサか
    らの所定の信号を受けて、クラッチに遮断する信号と、
    切換弁に回転負荷可変体と駆動装置とを接続する信号
    と、回転負荷可変体に容量を増減する信号と、駆動装置
    に容量を増減する信号とを出力し、エンジンの出力を回
    転負荷可変体から駆動装置を経て車両の駆動力伝達系の
    出力軸に出力することを特徴とする差動駆動過給装置。
  17. 【請求項17】 差動駆動装置を介してエンジン出力で
    駆動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置にお
    いて、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出
    力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、リングギヤ
    にブレーキクラッチを介しフライホイールを配設
    することを特徴とする差動駆動過給装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の差動駆動過給装置に
    おいて、クラッチとフライホイールとの間に正転・逆転
    の切換のリバースギヤを配設した差動駆動過給装置。
  19. 【請求項19】 差動駆動装置を介してエンジン出力で
    駆動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置にお
    いて、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出
    力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、かつリング
    ギヤに車両の駆動力伝達系の変速機は変速機の後方の
    出力軸からの駆動軸を連結したことを特徴とする差動駆
    動過給装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の差動駆動過給装置に
    おいて、リングギヤと、変速機は変速機の後方の出力
    軸との間に過給機用変速機を配設した差動駆動過給装
    置。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20記載の差動駆動過
    給装置において、サンギヤと機械式過給機との間にワン
    ウェイクラッチを配設した差動駆動過給装置。
  22. 【請求項22】 過給機用変速機が、歯車列、プーリ
    列、ベルト式無段変速機、トロイダル式無段変速機、油
    圧ポンプと油圧モータ、油圧ポンプと油圧モータと切換
    バルブ、発電機と電気モータ、び、可変容量型流体継
    手のいずれかである請求項20の差動駆動過給装置。
  23. 【請求項23】 請求項19、20、21又は22記載
    の差動駆動過給装置において、変速機は変速機の後方
    の出力軸と機械式過給機との間にクラッチを配設した差
    動駆動過給装置。
  24. 【請求項24】 差動駆動装置を介してエンジン出力で
    駆動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置にお
    いて、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出
    力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、かつエンジ
    ン出力の動力軸とリングギヤとの間にリングギヤ用無段
    変速機を配設したことを特徴とする差動駆動過給装置。
  25. 【請求項25】 差動駆動装置を介してエンジン出力で
    駆動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置にお
    いて、差動駆動装置のプラネットキャリアにエンジン出
    力の動力軸を、サンギヤに機械式過給機を、かつリング
    ギヤにブレーキを配設するとに、ブレーキを遮断、高
    速断続及び接続のいずれかを行う高速電磁バルブを設け
    たことを特徴とする差動駆動過給装置。
  26. 【請求項26】 差動駆動装置を介してエンジン出力で
    駆動される機械式過給機を用いた差動駆動過給装置にお
    いて、エンジンの吸気回路中に、外部より動力を受ける
    差動駆動装置付機械式過給機とターボ過給機とを直列に
    付設し、エンジンが差動駆動装置付機械式過給機により
    ほぼ等馬力を出力して低速回転速度から高速回転速度ま
    でほぼ等しい排気エネルギーをターボ過給機に供給して
    なることを特徴とする差動駆動過給装置。
  27. 【請求項27】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、リングギヤに
    外部より回転を与えてサンギヤに取着した機械式過給機
    の回転速度の増減を制御し、及び/又は、リングギヤを
    空転させてサンギヤに取着した機械式過給機の回転速度
    の停止し、かつ機械式過給機の回転速度の増速時に蓄え
    られたエネルギーを用いることを特徴とする差動駆動過
    給装置の制御方法。
  28. 【請求項28】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、リングギヤに
    外部より回転を与えてサンギヤに取着した機械式過給機
    の回転速度の増減を制御し、及び/又は、リングギヤを
    空転させてサンギヤに取着した機械式過給機の回転速度
    の停止し、かつリングギヤの空転時にエンジンの動力を
    蓄えることを特徴とする差動駆動過給装置の制御方法。
  29. 【請求項29】 エンジンの回転速度を差動駆動装置に
    より増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給
    する差動駆動過給装置の制御方法において、エンジンの
    回転速度び負荷を検出し、所定の回転速度び負荷の
    ときにリングギヤを空転させてサンギヤに取着した機械
    式過給機の回転速度停止し、及び/又は、所定の回転
    速度び負荷のときに外部の回転負荷可変体とリングギ
    ヤとを遮断してリングギヤを空転させサンギヤに取着
    した機械式過給機の回転速度停止することを特徴とす
    る差動駆動過給装置の制御方法。
  30. 【請求項30】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、プラネット
    ャリアからのエンジン回転速度の変化に合わせてリング
    ギヤに外部より変化する回転を与えて機械式過給機をほ
    ぼ一定の回転速度に制御することを特徴とする差動駆動
    過給装置の制御方法。
  31. 【請求項31】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、エンジンの動
    力より生じた動力源によりリングギヤに外部より回転を
    与えて、サンギヤに取着した機械式過給機の回転速度の
    増減を制御することを特徴とする差動駆動過給装置の制
    御方法。
  32. 【請求項32】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、エンジン回転
    速度び噴射ポンプの噴射量を検出し、回転速度び噴
    射ポンプの噴射量に応じて機械式過給機とエンジンとの
    び大気とエンジンとの間のそれぞれの吸気管に設け
    た開閉弁を開閉し、エンジンへ供給する空気を自然吸気
    は過給吸気に制御することを特徴とする差動駆動過給
    装置の制御方法。
  33. 【請求項33】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、エンジン回転
    速度び噴射ポンプの噴射量を検出し、回転速度び噴
    射ポンプが所定範囲内の値にあるときに、エンジン出力
    軸と動力伝達系の出力軸との間の動力を遮断し、エンジ
    ンの動力を差動駆動装置を経て回転負荷可変体で圧力
    は電力に変換し、駆動装置で圧力は電力より動力に戻
    して車両の駆動力伝達系の出力軸に出力することを特徴
    とする差動駆動過給装置の制御方法。
  34. 【請求項34】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、リングギヤに
    外部より回転を与えてサンギヤに取着した機械式過給機
    の回転速度の増減を制御するとき、エンジン回転速度
    びアクセルペダルの踏み込み量を検出し、エンジン回転
    速度びアクセルペダルの踏み込み量に応じて、リング
    ギヤに付設した回転負荷可変体に最大負荷を掛けるか、
    リングギヤに付設したフライホイールにブレーキを掛け
    るか、リングギヤに接続したクラッチを接続するか及び
    リングギヤに接続した無段変速機の減速比を最大にする
    かのいずれかを行うことを特徴とする差動駆動過給装置
    の制御方法。
  35. 【請求項35】 エンジン回転速度を差動駆動装置によ
    り増速して過給機を駆動し、エンジンへの空気を過給す
    る差動駆動過給装置の制御方法において、機械式過給機
    の回転速度及び又は仕事量に応じて、エンジンにより
    駆動されるエンジンの噴射ポンプ潤滑用ポンプ及び
    却用ポンプ等の補機の回転速度とエンジン回転速度との
    比を可変にすることを特徴とする差動駆動過給装置の制
    御方法。
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