JP3314714B2 - アンテナ用基体 - Google Patents
アンテナ用基体Info
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Description
に用いられるアンテナ用基体に係り、特に軽量で加工性
に優れ、安価に製造することができ、アンテナの軽量
化、低コスト化に有用なアンテナ用基体に関する。
等に用いられるアンテナ用基体は、アルミナ−ガラス系
材料で構成されており、必要とされる誘電率(ε)と強
度を得るために、緻密(相対密度約100%)な焼結体
とされている。また、この緻密化の促進のために、アル
ミナ−ガラス系材料は、アルミナよりもガラスの配合量
が多い配合組成、一般的にはアルミナ30〜40重量
%、ガラス70〜60重量%の配合組成とされている。
成では、図6に示す如く、低温での焼結が促進され、焼
成温度850℃で密度が飽和領域に達し、相対密度が9
0%以上となるため、従来においては、この飽和領域と
なる焼成温度を採用している。
体では比重が増すため、アンテナ用基体が重くなる。ま
た、ガラス配合量の多い材料を用いるため、得られる焼
結体は、ガラス化した表面層で覆われた状態となること
から、研磨、切断等の加工性が悪化し、製造効率は著し
く低下する。しかも、比較的材料コストの高いガラス粉
末を多く配合するため、製造コストも高騰する。
最も重要な課題でもある軽量化と低コスト化の大きな障
害となっていた。
で加工性に優れ、安価なアンテナ用基体を提供すること
を目的とする。
は、アルミナ60〜85重量%とガラス15〜40重量
%とを混合し、嵩比重2.0〜2.5g/cm3となる
ように焼成した誘電体からなることを特徴とする。
アンテナ用基体の軽量化、低コスト化、加工性の向上を
図るべく鋭意検討を重ねた結果、アルミナ−ガラス系の
材料において、焼結温度の高いアルミナ粉末の添加量を
ガラス粉末より増加させた配合組成で、比較的低温で焼
成を行うと、得られる焼結体の内部に気孔が残留してポ
ーラスな構造となり、比重を低下させることができるこ
とを見出した。また、配合組成について更に検討した結
果、このようなアルミナの多い配合組成であっても従来
と同等な強度を持つ配合比が存在することを見出した。
高いために低温での焼結を促進させるためには、ガラス
の添加が不可欠であるが、アルミナ60〜85重量%、
ガラス15〜40重量%のアルミナ−ガラス材料をガラ
スの軟化点以上の温度で焼成すると、気孔が多くポーラ
スな構造でガラスがアルミナ粒子間の結合剤として機能
し、強度的にも従来品と遜色のない焼結体が得られる。
て達成されたものであり、アルミナの配合比の多いアル
ミナ−ガラス系材料を低嵩比重となるように焼成するこ
とで、軽量でしかもガラス配合比が小さいことから加工
性に優れ、材料コストも低く、かつ、十分な強度を有す
るアンテナ用基体を提供する。
い、アルミナ−ガラス材料では、アンテナ用基体として
の重要な特性である誘電率が低下する傾向にある。しか
し、請求項2に従って、高誘電体材料を配合することに
より、誘電率を制御することができ、所望の高誘電率の
アンテナ用基体を得ることができる。
に説明する。
粉末とガラス粉末との配合比をAl2O3:ガラス=60
〜85:15〜40(重量%)とする。この配合よりも
ガラスが多く、アルミナが少ないとガラス配合量を低減
したことによる本発明の軽量化、低コスト化及び加工性
の向上効果が得られない。逆に、アルミナが多く、ガラ
スが少ないとガラスによる結合相が十分に得られず、得
られる焼結体の強度が低下する。従って、Al2O3:ガ
ラス=60〜85:15〜40(重量%)、好ましくは
68〜72:28〜32(重量%)とする。
Al2O3系ガラス、具体的には次のような組成のものを
用いることができる。
ス材料では、誘電率が低下する傾向にあることから、本
発明においては、Al2O3−ガラス材料に更に高誘電体
材料を混合して、誘電率を高めるのが好ましい。この場
合、高誘電体材料としては、チタン酸ストロンチウム
(SrTiO3)及び/又はチタニア(TiO2)が好ま
しく、その添加量は、Al2O3とガラスとの合計に対し
て5〜40重量%とするのが好ましい。この高誘電体材
料の添加量が上記範囲よりも少ないと、誘電率の向上効
果が望めず、多いと強度が損なわれ、また、高コストと
なる。
2O3とガラスとの合計に対して20〜40重量%であ
る。
原料を用い、嵩密度が2.0〜2.5g/cm3となる
ように焼成すること以外は、常法に従ってアンテナ用基
体を製造することができる。即ち、まず、所定割合で混
合したAl2O3−ガラス原料或いは、これに更に高誘電
体材料粉末を混合した原料粉末に、バインダー、エタノ
ール、n−ブタノール、キシレン等の溶剤、分散剤、可
塑剤を、例えば、次のような配合で混合し、原料スラリ
ーを調製する。なお、用いる原料粉末は平均粒径1.0
〜2.0μm程度であることが好ましい。
を製造し、これを積層した後、所定形状に切断する。次
いで最高温度900℃程度で焼成して脱バインダー処理
した後、用いたガラスの軟化点以上の温度で焼成する。
0〜2.5g/cm3の焼結体を得るために、この焼成
は900℃で行うのが好ましい。なお、焼結体の嵩密度
が3.0g/cm3を超えると本発明による軽量化効果
が十分に得られず、嵩密度が2.0g/cm3未満では
強度が不足する。従って、嵩密度は2.0〜2.5g/
cm3の範囲、特に2.0〜2.1g/cm3の範囲とな
るように焼成する。
用基体としてアンテナを製造するには、常法に従ってこ
の焼結体に導電ペーストを印刷して焼き付けることによ
り給電線等を形成すれば良い。
発明をより具体的に説明する。
は、SiO2−CaO−Al2O3系ガラス粉末「GA−
33」(日本電気硝子社製)を用い、アルミナ粉末とし
ては純度99.8重量%のAl2O3粉末「AL−45−
1」(昭和電工社製、平均粒径1.8μm)を用いた。
また、高誘電体材料のSrTiO3粉末、TiO2粉末と
しては、それぞれ比表面積5m2/gのものを用いた。
また、実験例1及び実験例2における焼結体の製造は、
実施例1における原料スラリーの調製及び焼成と同様に
して行った。
々変えて焼成し、焼成温度と得られる焼結体の嵩密度及
び誘電率との関係を調べ、結果を図2,3に示した。
O3配合量をガラス配合量よりも増加させると、同じ焼
成温度でも嵩密度の低下が顕著となることがわかる。嵩
密度の低下の大きいAl2O3:ガラス=70:30(重
量%)の焼結体について、SEM写真により内部構造を
観察した結果、この焼結体は、ガラス配合の多い従来品
に比べて気孔が多く存在するポーラスな構造となってお
り、ガラスの軟化点(850℃)以上の温度で焼成する
ことにより、Al2O3粒子間をガラスが結合し、十分な
強度を有することが確認された。
く、Al2O3配合比を多くしたものは、低下する傾向に
あることがわかる。
て、更に、SrTiO3粉末又はTiO2粉末をその添加
量を変えて添加したものを900℃で焼成し、これらの
添加量と得られる焼結体の誘電率との関係を調べ、結果
を図4に示した。
することにより、誘電率を制御することができ、誘電率
を所望の値に高めることができることがわかる。
iO3粉末23gを混合してなる原料粉末(Al2O3:
ガラス=70:30(重量%)、SrTiO3はAl2O
3とガラスの合計に対して30重量%)を用い、下記配
合組成で混合して原料スラリーを調製した。
B)):4.5 バインダー(BH−3積水化学エスレックB(PV
B)):4.5 エタノール:26 n−ブタノール:28.5 キシレン:10.2 分散剤:(GAFACフォスフォノールRE−610東
邦化学工業):1 可塑剤:(DBPフタル酸ジフチル):4.5 この原料スラリーをキャスティングし、得られたグリー
ンシートを積層して所定の大きさに切断し、灰化炉で脱
バインダー処理(最高焼成温度600℃)した後、ニク
ロム炉で焼成(最高焼成温度900℃)して焼結体(ア
ンテナ用基体)を得た。この焼結体の嵩密度を表1に示
す。また、強度を三点曲げ法(支点間隔20mm)によ
り測定し結果を表1に示した。
刷して850℃で焼付け、図1に示すマイクロストリッ
プアンテナを製造した。
ンロス)を調べ、結果を図5(a)に示した。
%)の従来のAl2O3−ガラス材料を用いたこと以外は
実施例1と同様にしてアンテナ用基体を製造し、その嵩
密度及び強度を表1に示した。
テナ特性を調べ、結果を図5(b)に示した。
のアンテナ特性を損なうことなく、軽量化、加工性の改
善、コストの低減が図れることがわかる。
基体によれば、従来のアンテナ特性を損なうことなく、
軽量で加工性に優れ、かつ安価なアンテナ用基体が提供
される。
アンテナ特性に優れたアンテナ用基体が提供される。
す斜視図である。
を示すグラフである。
を示すグラフである。
添加量と誘電率との関係を示すグラフである。
(b))で得られたアンテナのアンテナ特性を示すグラ
フである。
度との関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミナ60〜85重量%とガラス15
〜40重量%とを混合し、嵩比重2.0〜2.5g/c
m3となるように焼成した誘電体からなるアンテナ用基
体。 - 【請求項2】 請求項1において、アルミナ及びガラス
に更に高誘電体材料を、アルミナとガラスとの合計に対
して5〜40重量%の配合で混合したことを特徴とする
アンテナ用基体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10787398A JP3314714B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | アンテナ用基体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10787398A JP3314714B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | アンテナ用基体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11302068A JPH11302068A (ja) | 1999-11-02 |
JP3314714B2 true JP3314714B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=14470262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10787398A Expired - Lifetime JP3314714B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | アンテナ用基体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3314714B2 (ja) |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP10787398A patent/JP3314714B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11302068A (ja) | 1999-11-02 |
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