JP3314713B2 - 温度センサ - Google Patents

温度センサ

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JP3314713B2 JP09936098A JP9936098A JP3314713B2 JP 3314713 B2 JP3314713 B2 JP 3314713B2 JP 09936098 A JP09936098 A JP 09936098A JP 9936098 A JP9936098 A JP 9936098A JP 3314713 B2 JP3314713 B2 JP 3314713B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各所の温度検出を
行うために用いられる温度センサに関し、特に、自動車
排気系の触媒コンバータ等に取付けられ、異常温検出と
か触媒劣化検出等を行なう排気温センサに用いて好適で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の温度センサとしては、実
開平1−117540号公報に記載のEGRガス温度セ
ンサが提案されている。これは、サーミスタチップと、
そのリード線を絶縁固定するインシュレータチューブ
と、このチューブから突設するリード線が貫通されるラ
バーとが、有底円筒状のケース内に挿入され、ケース内
の充填されている接着剤にてサーミスタチップをケース
先端の底部(閉塞部)に接着固定したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来公
報においては、サーミスタチップの構造に関する記述は
ないが、図示例では、サーミスタチップとケース先端部
の内面とが当接している。本発明者等に検討によれば、
このように両者が当接関係にあること、および、EGR
ガス温度センサとしての感温部耐熱性が通常最大400
℃位であることから、サーミスタ(抵抗体)及び電極線
(ジュメット線)からなるサーミスタ素子ガラス封止し
たタイプのサーミスタチップと推定される。従って、サ
ーミスタ及び電極線は、ガラスコートされてケースとは
絶縁されるため、サーミスタチップ先端をケース内底の
閉塞部に当接するように組付けることができる。
【0004】しかしながら、近年、センサの高応答化に
関して、サーミスタをケース内のより先端部に配置した
いという要請がある。そのためには、上記ガラスのよう
な絶縁部材を設けずにいわゆる剥き出しの状態で、サー
ミスタ自体を究極的には、ケース先端の閉塞部内面に当
たるまで配置できることが好ましい。ここで、本発明者
等の検討によれば、有底筒状の金属製のケースを用いた
場合、ケースの内面は製造過程(加熱検査)とか実用過
程で熱により酸化膜(金属酸化物の膜)が形成されるた
め、サーミスタの一部がケース内面に触れたとしても、
実用上R−T特性(抵抗−温度特性)に影響を与えるこ
とはない。
【0005】ちなみに、金属製のケースの内表面に積極
的に絶縁酸化膜を形成したものとしては、特開平9−1
89617号公報に記載のものが提案されており、サー
ミスタとケースとの間に上記絶縁部材を介在させること
なく、サーミスタをケース内の先端部に配置することが
できる。ところが、一端側が開口部をなし他端側が閉塞
部をなす有底筒状のケースに挿入組付されるサーミスタ
素子としては、一般に、サーミスタ信号取出し用の一対
の電極線(線状の電極部)が接続され、この一対の電極
線がケース閉塞部とは反対側(開口部側)の同一方向に
信号取出しのために引き出された構成のもの、いわゆる
ラジアル型サーミスタが用いられる。そのため、絶縁部
材を設けずに、サーミスタをケース内の先端側(閉塞部
側)に配置しようとすると、サーミスタの電極がケース
内面に当たって電流がリークしてしまうという問題があ
る。
【0006】この問題について、図2に示す本発明者等
が試作したラジアル型サーミスタに基づいて説明する。
サーミスタ素子20は、半導体等のサーミスタ材料にて
円柱形状に成形されたサーミスタ21を有し、このサー
ミスタ21には、一対の電極線(白金線等)22が一定
の電極間隔(極間)をもって円柱軸方向に略平行に埋設
されている。このサーミスタ素子20はサーミスタ材料
の成形体に一対の電極線22を埋設した後、焼成するこ
とで形成される。
【0007】ここで、各電極線22は、一端部22aが
サーミスタ21の一端側から一部露出し、他端部22b
がサーミスタ信号取出しのために、サーミスタ21の他
端側から引き出された形となっている。ここで、以下、
一端部22aを露出端部、他端部22bをサーミスタ信
号取出用端部という。このように、露出端部22aが露
出しているのは、以下の理由による。
【0008】各電極線22は、サーミスタ21内部の抵
抗が不均一とならないようにサーミスタ21全体を貫通
するように挿入されるが、信号取出用端部22bとは反
対側の露出端部22aがなるべくサーミスタ21から突
出しないように、露出端部22aの端面とサーミスタ2
1表面とが同一平面上に位置するように埋設される。し
かし、埋設後の焼成において、電極線22よりもサーミ
スタ21の方が熱収縮が大きいため、どうしても露出端
部22aがサーミスタ21表面から露出する(ちなみ
に、露出長さは0.数mm程度である)。つまり、サー
ミスタ21の抵抗特性を良好なものとするためには、露
出端部22aが露出せざるを得ない。
【0009】従って、図2に示すような、信号取出し側
とは反対側の電極線端部が露出しているラジアル型サー
ミスタを、絶縁部材を設けずに、有底筒状のケース内の
より先端に配置する場合には、電極線の露出部分がケー
スの閉塞部(底部)に当たる可能性が大きい。電極線
は、サーミスタに比べて抵抗が小さくリークしやすいた
め、ケースに当たらないようにする必要がある。
【0010】そこで、本発明は上記点に鑑みて、電極線
の信号取出し側とは反対側の端部がサーミスタから露出
しているラジアル型サーミスタを、有底筒状のケースに
挿入してなる温度センサにおいて、電極線の露出部分が
ケース内面に接触しないようにしつつ、サーミスタをで
きるだけケース閉塞部側に近づけた配置を可能とするこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、有底筒状金属製のケースとラジアル型サーミ
スタとの配置関係に着目し、ケース閉塞部の形状に工夫
を施すことによりなされたものである。すなわち請求項
1記載の発明においては、有底筒状金属製のケース(1
0)内部の閉塞部(12)近傍にサーミスタ(21)が
設けられ、サーミスタ(21)に埋設された一対の電極
線(22)のうち、一端部(22a)すなわち上記露出
端部がケース(10)の閉塞部(12)側に位置し、他
端部(22b)すなわち信号取出端部がケース(10)
の開口部(11)側から引き出されている温度センサに
おいて、閉塞部(12)の内面を、一対の電極線(2
2)の一端部(22a)から離れる方向に先窄まり状に
突出する凸面形状を有するものとしたことを特徴として
いる。
【0012】本発明では、閉塞部(12)内面の凸面形
状によって、サーミスタ(21)から凸面頂部に向かっ
て先窄まりの空間が形成され、一対の電極線(22)の
露出端部である一端部(22a)は、この空間に配置さ
れた形となる。そのため、この一端部(22a)は空隙
を介してケース(10)内面と非接触の状態になり、サ
ーミスタ(21)をできるだけケース(10)の閉塞部
(12)側、すなわち先端側に位置させることが可能と
なる。
【0013】また、上記一端部(22a)のサーミスタ
(21)の閉塞部(12)と対向する端部からの露出長
さを考慮すると、閉塞部(12)の内面の頂部は、請求
項2記載の発明のように、サーミスタ(21)の閉塞部
(12)側端部から、0.5mm以上離れていることが
好ましい。また、通常、有底筒状の金属製ケースは、絞
り加工(深絞り)によって製造されるが、請求項3記載
の発明のように、閉塞部(12)の内面の凸面形状を球
面形状とすれば、例えば、閉塞部(12)の肉厚均一化
が容易とできる等、製造上好ましい。
【0014】また、請求項4記載の発明は、サーミスタ
(21)をその軸がケース(10)の軸と平行に配置さ
れた円柱形状をなしているものとし、一対の電極線(2
2)を一定の間隔をもってサーミスタ(21)の円柱軸
方向に略平行に埋設されたものとしたことを特徴として
おり、ラジアル型サーミスタの具体的形状を提供するも
のである。ここで請求項5ないし請求項7記載の発明
は、請求項4のラジアル型サーミスタ形状において、実
用時の熱衝撃によるサーミスタの割れ防止可能な寸法関
係を提供するものであり、サーミスタの耐熱衝撃性を向
上できる。
【0015】また、請求項8記載の発明においては、ケ
ース(10)の内周面のうち閉塞部(12)以外の内周
面とサーミスタ(21)との間に、ケース(10)とサ
ーミスタ(21)とを絶縁する絶縁部材(40)を介在
させたことを特徴としており、ケース(10)とサーミ
スタ(21)とのより確実な絶縁確保が可能となる。そ
して、この絶縁部材としては、請求項9記載の発明のよ
うに、ケース(10)の内周面形状に対応した筒形状を
有する碍子管(40)を用いることができる。
【0016】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)本実施形態では、本発明の温度センサ
を、例えば触媒コンバータ等の自動車排気ガス浄化装置
に装着され異常温検出とか触媒劣化検出を行なう排気温
センサに適用したものとして説明する。この温度センサ
は、主に自動車排気ガスの排出経路に取付けられるの
で、例えば1000℃程度の高温に耐えられるように、
感温部であるセンサ素子部には耐熱性、耐熱衝撃性、耐
振性等が要求される。
【0018】従って、センサ素子部もそれに耐えられる
耐熱材料が使用され、堅ろうな構造設計がとられてい
る。さらに、最近ではエンジン制御システム上、より精
度ある排気温検出が要求され、熱応答性も向上した追従
性ある温度検出が望まれている。図1は、これらの新し
いシステム用途にも十分対応出来るよう設計された本発
明の温度センサの一実施形態を示す一部切欠断面図で、
主としてセンサ素子部(感温部)の構成を示してある。
【0019】図1において、10は例えばSUS310
S等の耐熱性の金属からなる有底円筒状のキャップ(ケ
ース)であり、一端側が開口部11をなす中空の円筒部
13と、この円筒部13の他端側を閉塞する閉塞部12
とからなる。閉塞部12の詳細は後述する。また、例え
ばキャップ10の板厚は0.3mm、内径はφ2.5m
mである。温度センサ100はキャップ10の閉塞部1
2を先端側とし、この閉塞部12が、自動車の排気ガス
に触れるように、例えば排気管等に取り付けられる。
【0020】キャップ10内部には、温度検出特性を向
上させるために、円筒部13内の閉塞部12近傍に、ラ
ジアル型サーミスタであるサーミスタ素子20が配設さ
れている。サーミスタ素子20は、円柱体形状に成形さ
れたサーミスタ(サーミスタ部)21と、このサーミス
タ21に埋設されサーミスタ信号を取出すための一対の
線状電極としての電極線22とからなり、上述の図2に
示すものと同型のものである。本実施形態では、サーミ
スタ素子20について図2及び図2のA−A断面である
図3を用い、補足説明をするにとどめる。
【0021】サーミスタ21は例えばCr−Mn−Y系
からなるセラミック半導体等の耐熱性に優れたサーミス
タ材料からなり、その円柱軸がケース10の軸と平行に
配置されている。サーミスタ21に埋設された一対の電
極線22は、サーミスタ21からサーミスタ信号として
の出力(抵抗−温度特性)を取出すためのものであり、
例えば白金線等の耐熱性及び出力特性に優れた線材から
なる。
【0022】そして、各電極線22においては、一端部
(以下、露出端部という)22aがサーミスタ21から
閉塞部12側に露出し、他端部(以下、信号取出用端部
という)22bがサーミスタ21から開口部11側に引
き出されている。この露出端部22aがサーミスタ21
の円柱体端面から露出しているのは、上述の通り製造上
の理由による。例えば露出長さは、0.2mm〜0.3
mm程度である。
【0023】更に、本実施形態では、温度センサとして
の使用方法がますますシビアになるのを想定し、サーミ
スタ素子20における各部の設計検討が行われている。
つまり、高応答化設計のためには、サーミスタの小型化
が要求され、それに伴って実用時の熱衝撃が厳しくな
る。本発明者等は、サーミスタ素子20の耐熱衝撃性向
上が必要ゆえ、サーミスタ21と電極線22との寸法バ
ランスを良くし、素子ワレが生じないようにすべく鋭意
検討を行った。
【0024】図3にサーミスタ素子20の各部寸法を示
す。サーミスタ20の径方向の断面の直径をD1 、その
面積をS1 とし、一対の電極線22の各々の電極線の径
方向の直径をD2 、その面積をS1 としている。また、
サーミスタ21において、一対の電極線22に挟まれる
径方向における部分の肉厚をb1、サーミスタ21の外
周面と一対の電極線22とに挟まれる径方向における部
分の肉厚を各電極線に対してa1、c1としている。な
お、肉厚b1は一対の電極線22の一定の極間にも相当
する。上記検討の結果、これら寸法を次の関係で設定す
るとよいことが判った。
【0025】まず、サーミスタ21の径方向における各
肉厚a1、b1、c1のうち、最小寸法が0.1mm以
上であることが好ましい。また、サーミスタ21の直径
1 上に一対の電極線22の直径D2 がある場合、換言
すれば、サーミスタ21の円柱における径方向の断面の
中心を通る直線が、一対の電極線22における径方向の
断面の中心を通る直線と一致している場合に、両直径D
1 及びD2 には、2D2 ≦0.8D1 の関係が成立して
いることが好ましく、望ましくは、2D2 ≦0.5D1
の関係が成立していることが好ましい。
【0026】そして、サーミスタ21の直径D1 上に一
対の電極線22の直径D2 がない場合、換言すれば、サ
ーミスタ21の円柱における径方向の断面の中心を通る
直線が、一対の電極線22における径方向の断面の中心
を通る直線と一致していない、すなわち、ずれている場
合に、サーミスタ21の断面積S1 と一対の電極線22
の各々の電極線の断面積S2 には、S2 ≦0.32S1
の関係が成立していることが好ましく、望ましくは、S
2 ≦0.125S1 の関係が成立していることが好まし
い。
【0027】本実施形態では、上記各関係を満足すべく
サーミスタ素子20の寸法が設定されている。ちなみ
に、その一例としては、a1=0.25mm、b1=
0.50mm、c1=0.25mm、D1 =1.6m
m、D2 =0.30、とできる。そして、この一例に従
って寸法設定されたサーミスタ素子20を6個作製し、
熱衝撃性に関する信頼性試験(1000℃(5分)と常
温(5分)との熱サイクル)を実施したところ、目標で
ある熱サイクル200回に対して、6個とも500回ま
で、素子ワレは発生せず、サーミスタ素子としての機能
も維持できた。
【0028】ところで、サーミスタ素子20の出力は、
一対の電極線22両極で取り出され、ケース10の開口
部11から一端部が挿入されたシースピン(配線部材)
30にて、外部の制御回路に伝えられる。シースピン3
0は、ステンレス(例えばSUS310S等)製の2本
の芯線31と、MgO等の絶縁粉末32と、ステンレス
(例えばSUS310S等)製のシース外筒33とで構
成されている。
【0029】シースピン30は、太い材料状態から減径
加工〜焼鈍工程を繰返し作られた部材ゆえ、使用時の細
径状態(例えばシース外筒33の外径約φ2.5mm)
では絶縁粉末32も密度高く詰まっており、2本の芯線
31も固く保持されている。そして、キャップ10の円
筒部13は、開口部11側にてシース外筒33とラップ
されて、このラップ部にて円筒部13の内周面とシース
外筒33の外周面とが円周溶接され(図1中、符号Mで
示す部分)、両者が固定されている。
【0030】そして、サーミスタ素子20とシースピン
30との電気的接続は、次のように行われる。芯線31
は、シースピン30のうちキャップ10内への挿入側端
部において、絶縁粉末32及びシース外筒33から露出
している。この芯線31の露出部分にサーミスタ素子2
0の各電極線22の信号取出用端部22bがラップされ
溶接(抵抗溶接またはレーザ溶接)で接合される。
【0031】ここで、本実施形態では、サーミスタ素子
20を耐振上有利になるよう、この接合に於いても、次
の配慮がなされている。図4は、芯線31と各電極線2
2の信号取出用端部22bとの接合構造の詳細を示すも
ので、(b)は(a)のB−B断面図である。図4
(a)に示す様に、芯線31と各電極線22の信号取出
用端部22bとのラップ長Lは大きく(例えば2.5m
m以上)とられ、ラップ部の両端付近にて計2点(図4
(a)中、符号Kにて示す部分)、片側溶接され、接合
強度を確保している。
【0032】また、両線31、22は、図4(b)に示
す様に、芯線31の互いの線及び電極線22の互いの線
が、それぞれクロスするようにラップされている。従っ
て、クロスしないように同一側でラップする場合に比べ
て、両線31、22は、線材の弾性力により互いにくっ
つき合うように作用するため、耐振機能の高い接合状態
となっている。
【0033】そして、シースピン30におけるキャップ
10内への挿入側端部とは反対側の図示しない他端側
は、図示しないリードワイヤ等を介して外部の制御回路
(車両の制御回路等)へ導かれており、サーミスタ素子
20からの出力は、シースピン30から上記制御回路に
取出される。そして、この出力に基づき、排気ガス温度
を検出し、最適なエンジン制御が行われるようになって
いる。
【0034】次に、本発明の独自の構成であるキャップ
10の閉塞部12について、図5を参照して述べる。図
5は、図1に示す温度センサ100におけるキャップ1
0先端部の拡大断面図である。キャップ10において、
円筒部13は軸方向に略同一内径を有するが、閉塞部1
2の内面は、一対の電極線22の露出端部22aから離
れる方向に先窄まり状に突出する球面形状を有してい
る。そのため、サーミスタ21を、その円柱の端面の一
部が閉塞部12の内面に接触した状態、もしくは非接触
ではあるが非常に接近した状態で配置できる(図2では
非接触状態を示す)とともに、一対の電極線22の露出
端部22aを閉塞部12の内面とは非接触の状態となる
ように配置できる。
【0035】すなわち、キャップ10内においては、円
筒部13から閉塞部12の球面頂部に向かって先窄まり
となっているため、円柱状のサーミスタ21をキャップ
10に挿入していくと、サーミスタ21自身はキャップ
10と干渉し、サーミスタ21の外径(つまり上記直径
1 )よりも内径の小さいキャップ10内部には入らな
い。しかし、一対の電極線22の露出端部22aは、こ
の先窄まり空間内に収納される。従って、露出端部22
aを閉塞部12内面と非接触としつつ、サーミスタ21
をできるだけ閉塞部12側、すなわち先端側に位置させ
ることが可能となっている。
【0036】本実施形態では、閉塞部12と対向するサ
ーミスタ21の円柱端面から球面頂部までの高さHが
0.5mm以上となるように、閉塞部12の球面形状を
規定している。これは、上述のように、露出端部22a
の露出長さが、0.2mm〜0.3mm程度であるた
め、後述の製造上の理由から求められる閉塞部12の曲
率との関係を考慮して求められたものである。なお、閉
塞部12の板厚は約0.3mm程度であり、キャップ1
0全体の板厚と略同等である。
【0037】ここで、本実施形態では閉塞部12の内面
および外面を球面形状としているが、内面のみ球面形状
であればよく、外面は例えば平坦面であってもよい。ま
た、本実施形態では閉塞部12が球面形状であるため、
断面が円弧形状となっているが、断面がV字状、U字
状、台形状となるような形状でもよい。つまり、閉塞部
12の内面が、一対の電極線22の露出端部22aから
離れる方向に先窄まり状に突出する凸面形状であればよ
い。
【0038】次に、かかる構成の温度センサ100の製
造方法について簡単に説明する。サーミスタ素子20
は、上述のように、サーミスタ材料の成形体に一対の電
極線22を埋設した後、焼成することで形成される。具
体的には、サーミスタ材料の円柱成形体に、一対の電極
線22を挿入可能とすべく軸方向に略平行に一定の間隔
を持って一対の貫通穴を形成する。その後、この貫通穴
に一対の電極線22を挿入する。こうして、一対の電極
線22がサーミスタ21全体を均一に貫通するため、サ
ーミスタ21内部の抵抗が不均一とならない。
【0039】ここで、上述のように、露出端部22aの
端面とサーミスタ21表面とが同一平面上に位置するよ
うに挿入埋設される。その後、一対の電極線22が完挿
埋込まれたサーミスタ21を、焼成(約1500℃)す
ることにより、一対の電極線22がサーミスタ21に焼
きばめされたサーミスタ素子20が形成される。このと
き、上述のように、焼成後における電極線22とサーミ
スタ21との熱収縮量の相違から、露出端部22aはサ
ーミスタ21表面から露出する。
【0040】一方、キャップ10は、ステンレス等の金
属板に絞り加工(深絞り)を施すことにより、製造され
る。ここで、通常、深絞りによって有底筒状のキャップ
を加工する場合、キャップの底部の形状は、本実施形態
の閉塞部12のように外方に向かって凸面をなすものに
おいては板厚が薄くなりやすく、平坦面を成すものの方
が底部の板厚を均一に形成するためには好ましい。
【0041】しかし、本実施形態では、絞り加工におい
て、閉塞部12を円筒部13と略同等の板厚としやすく
するように、製造面からの考慮を加え、閉塞部12の凸
面を、上述の断面がV字状、U字状、台形状となるよう
な凸面形状ではなく球面形状としている。そして、球面
形状における曲率等も、この製造上の理由により、規定
されている。
【0042】これらサーミスタ素子20及びキャップ1
0に加え、上述の減径加工〜焼鈍工程を経て作られたシ
ースピン30を用意し、シースピン30とサーミスタ素
子20とを、芯線31及び電極線22の信号取出用端部
22bにて溶接する。その後、キャップ10の開口部1
1と露出端部22aとを対向させ、キャップ10をサー
ミスタ素子20に被せる。このとき、サーミスタ21が
キャップ10内底の閉塞部12の内面に、当接してもよ
い。
【0043】そしてキャップ10の円筒部13とシース
外筒33とをラップした部分をレーザ溶接等で円周溶接
しシールする。こうして温度センサ100が完成する。
以上述べてきたように、本実施形態においては、有底筒
状金属製のキャップ10内部に、ラジアル型のサーミス
タ素子20を設けるにあたって、キャップ10の閉塞部
12の内面を、一対の電極線22の露出端部22aから
離れる方向に先窄まり状に突出する球面形状を有するも
のとしている。そのため、サーミスタ21から球面頂部
に向かって先窄まりの空間が形成され、露出端部22a
は、この空間に配置された形となる。
【0044】そのため、露出端部22aは空隙を介して
キャップ10内面と非接触の状態になり、サーミスタ2
1をできるだけ閉塞部12側、すなわち先端側に位置さ
せることが可能となる。よって電極線からキャップ10
へのリークや、両電極線22間での短絡を防止できる。
なお、図1では閉塞部12と対向するサーミスタ21の
端面の周縁部と、閉塞部12とは非接触状態であるが、
当接した接触状態としてもよい。
【0045】なお、サーミスタ21と閉塞部12とが接
触したとしても、本実施形態では、サーミスタ21の一
部すなわち円柱端面の縁部が接触するのみであるため、
課題の欄にて述べたように、キャップ10に形成される
金属酸化膜により、実用上R−T特性(抵抗−温度特
性)に影響を与えることはない。また、本実施形態によ
れば、閉塞部12内面を球面形状としているため、絞り
加工(深絞り)によって製造されるキャップ10におい
て、閉塞部12の肉厚均一化が容易とできる等、製造上
好ましい。
【0046】また、本実施形態によれば、サーミスタ素
子20の各寸法(a1、b1、c1D1 、D2 、S1
2 )を上述のように規定しているので、サーミスタ素
子20の耐熱衝撃性向上が図れ、使用時の熱衝撃による
素子ワレを防止できる。 (第2実施形態)上記第1実施形態では、サーミスタ2
1と閉塞部12とが接触したとしても、キャップ10に
形成される金属酸化膜により、実用上R−T特性に影響
を与えることはない。このことは、本発明者等の試作検
討により確認されている。
【0047】しかし、特性面への影響がないことを理論
的に証明することは難かしく、また、サーミスタ21と
キャップ10との当たりによる欠け等までを考慮した場
合、本第2実施形態のように、サーミスタ素子20外周
にアルミナ等の耐熱性の絶縁材料からなる碍子管(絶縁
部材)40を被せた構成としてもよい。この様子を図6
に示す。なお、本実施形態では、上記図1の温度センサ
100において、碍子管(絶縁部材)40を付与したの
みの構成であり、他の同一部分については図中同一符号
を付して説明を省略する。
【0048】碍子管40は、キャップ10の円筒部13
の内周面形状に対応した円筒形状を有し、円筒部13と
サーミスタ21との間に介在保持されている。碍子管4
0の長さは、シースピン30のキャップ10への挿入側
端部(皮むきされて芯線31が露出している端部)から
サーミスタ21の先端(閉塞部12と対向する端面)ま
での距離に合わせられている。
【0049】この碍子管40の組付は、碍子管40をサ
ーミスタ素子20に被せた後、キャップ10を被せる
か、もしくは、碍子管40をキャップ10に挿入した
後、碍子管40にサーミスタ素子20を挿入する等によ
り、行うことができる。ここで、組付を容易とするに
は、前者の方が好ましい。本実施形態においても、上記
第1実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、キ
ャップ10とサーミスタ21とのより確実な絶縁確保が
可能となる。
【0050】また、通常、キャップ(ケース)とサーミ
スタとの間の絶縁確保は、キャップ10内に予め粉末状
あるいは泥状の絶縁部材を注入しておき、その後サーミ
スタ21を挿入し組付けることにより行われる。特に、
本実施形態のように、センサの小型化、高応答化のため
に細径化されたキャップを用い、キャップ(ケース)と
サーミスタとの隙間を小さくしているものにおいては、
絶縁部材を効率良く注入することは難しい。
【0051】しかし、本実施形態では、絶縁部材として
円筒状の碍子管40を用いているため、簡単に組付ける
ことができる。以上、本発明について述べてきたが、サ
ーミスタ21の形状は、上記円柱体に限定されるもので
はなく、要するに、線状の電極が、サーミスタ外方の同
一方向に信号取出用端部として引き出され、その反対側
端部がサーミスタ外方に露出する、ラジアル型サーミス
タ構造であれば、本発明を適用できる。その場合、電極
の露出端部と対向するキャップ閉塞部の形状が、露出端
部から離れる方向に先窄まり状に突出する凸面形状とな
っていればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る温度センサを示す
一部切欠断面図である。
【図2】図1におけるサーミスタ素子の構成を示す図で
ある。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】(a)は図1の温度センサにおけるサーミスタ
素子とシースピンとの接合構造を示す図であり、(b)
は(a)のB−B断面図である。
【図5】図1に示す温度センサにおけるキャップ先端部
の拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る温度センサを示す
一部切欠断面図である。
【符号の説明】
10…キャップ、11…キャップの開口部、12…キャ
ップの閉塞部、21…サーミスタ、22…一対の電極
線、22a…一対の電極線の露出端部、22b…一対の
電極線の信号取出用端部、40…碍子管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−189617(JP,A) 特開 平9−69417(JP,A) 実開 平1−117540(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 7/22 H01C 7/00 - 7/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側が開口部(11)をなし、他端側
    が閉塞部(12)をなす筒状金属製のケース(10)
    と、 前記ケース(10)内部のうち前記閉塞部(12)近傍
    に設けられたサーミスタ(21)と、 前記サーミスタ(21)に埋設されるとともに、一端部
    (22a)が前記サーミスタ(21)の前記閉塞部(1
    2)側から露出し、他端部(22b)がサーミスタ信号
    を取出すために前記サーミスタ(21)の前記開口部
    (11)側から引き出されている一対の電極線(22)
    とを備え、 前記閉塞部(12)の内面は、前記一対の電極線(2
    2)の一端部(22a)から離れる方向に先窄まり状に
    突出する凸面形状を有し、 前記閉塞部(12)の内面と前記一対の電極線(22)
    の一端部(22a)とは、空隙を介して非接触の状態に
    あることを特徴とする温度センサ。
  2. 【請求項2】 前記閉塞部(12)の内面の頂部は、前
    記サーミスタ(21)の前記閉塞部(12)と対向する
    端部から、0.5mm以上離れていることを特徴とする
    請求項1に記載の温度センサ。
  3. 【請求項3】 前記閉塞部(12)の内面の凸面形状は
    球面形状であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の温度センサ。
  4. 【請求項4】 前記サーミスタ(21)は、その軸が前
    記ケース(10)の軸と略平行に配置された円柱形状を
    なしているものであり、 前記一対の電極線(22)は、一定の間隔をもって前記
    円柱の軸方向に略平行に埋設されていることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1つに記載の温度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 前記サーミスタ(21)は、前記一対の
    電極線(22)に挟まれる径方向における部分の肉厚
    (b1)、および、前記サーミスタ(21)の外周面と
    前記一対の電極線(22)とに挟まれる径方向における
    部分の肉厚(a1、c1)のうち、最小の肉厚寸法が
    0.1mm以上であることを特徴とする請求項4に記載
    の温度センサ。
  6. 【請求項6】 前記サーミスタ(21)における前記円
    柱における径方向の断面の中心を通る直線が、前記一対
    の電極線(22)における径方向の断面の中心を通る直
    線と一致しており、 前記サーミスタ(21)における前記円柱の径方向の断
    面の直径をD1 、前記一対の電極線(22)における電
    極線の径方向の断面直径をD2 としたときに、2D2
    0.8D1 、の関係が成立していることを特徴とする請
    求項4または5に記載の温度センサ。
  7. 【請求項7】 前記サーミスタ(21)における前記円
    柱における径方向の断面の中心を通る直線が、前記一対
    の電極線(22)における径方向の断面の中心を通る直
    線と、ずれており、 前記サーミスタ(21)における前記円柱の径方向の断
    面積をS1 、前記一対の電極線(22)における電極線
    の径方向の断面積をS2 としたときに、 S2 ≦0.32S1 、の関係が成立していることを特徴
    とする請求項4または5に記載の温度センサ。
  8. 【請求項8】 前記ケース(10)の内周面のうち前記
    閉塞部(12)以外の内周面と前記サーミスタ(21)
    との間には、前記ケース(10)と前記サーミスタ(2
    1)とを絶縁する絶縁部材(40)が介在されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載
    の温度センサ。
  9. 【請求項9】 前記絶縁部材は前記ケース(10)の内
    周面形状に対応した筒形状を有する碍子管(40)であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の温度センサ。
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