JP3314065B2 - 走行装置付ツインアーム作業機 - Google Patents

走行装置付ツインアーム作業機

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JP3314065B2
JP3314065B2 JP35901399A JP35901399A JP3314065B2 JP 3314065 B2 JP3314065 B2 JP 3314065B2 JP 35901399 A JP35901399 A JP 35901399A JP 35901399 A JP35901399 A JP 35901399A JP 3314065 B2 JP3314065 B2 JP 3314065B2
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俊彦 清水
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株式会社タカハシワークス
高橋 隆造
俊彦 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行車体上に旋回
体が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に載置さ
れ、旋回体にブームとその先端のアームとから成る屈折
自在な作業アームが起伏自在に支持される土木工事や建
設工事などの作業をおこなう作業機及びその走行装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から知られているバックフォーなど
油圧ショベル系の建設工事用の作業機は、作業者が2本
の操作レバーを操作して、一本のブームやアームを動作
させて、作業に応じてアーム先端に取り付けられる専用
のアタッチメントを使って、掘削や破砕等の作業をおこ
なうものであった。
【0003】図14の10で示す掘削作業をおこなう油
圧ショベルは、走行車体13上に旋回体14が旋回軸受
けを介して縦軸芯廻りに(図のr1で示す方向へ)旋回
可能に載置され、旋回体14の旋回軸近傍にブーム16
とその先端のアーム17とから成る屈折自在な一本の作
業アーム8が起伏自在に支持されている。
【0004】 また、アーム17の先端には作業に応じ
て、図においては18で示すアタッチメント(挟持、破
砕装置)が取り付けられている。そして、旋回体14上
に設けられた座席から作業者20が2本の操作レバー2
1を操作することで、ブーム16やアーム17に取り付
けられた複数の油圧シリンダ19を介して伸縮させるこ
とで、図のr2、r4で示す方向へ屈折自在に作業アー
ム8を動作させている。
【0005】 一般的には、図15の21a、21bで
示すような2本の操作レバーにより1本の作業アーム8
に指令が成されるもので、図においては、座席22の
側操作レバー21aによりバケットの上下動か、又はブ
ーム16の上下動かの何れかが選択される一方、左側操
作レバー21bによりアーム17の上下動か、又は旋回
体14の左右旋回かの何れかが選択される。このように
左右2本の操作レバー21で各々1種づつ選択された指
令(図14のr1、r2、r4、r5で示す方向)に従
って作業アーム8が起動されている。
【0006】 更に図15の23a、23bで示すフッ
トペダルは、走行車体13の左右に設けられた車軸を動
作させて、図14の26で示すクローラを介して前後走
行又は左右旋回走行をおこなわせるもので、図15の2
3aで示す側のペダルが走行車体13の右側のクローラ
26aを動作させて、23bで示す側のペダルが走行車
体13の左側のクローラ26bを動作させている。
【0007】ここで、図14の3は旋回体14を支える
走行車体13の走行フレームである。
【0008】一方、油圧ショベル系の作業機は、アタッ
チメント18の交換で掘削、破砕、解体、リフトなど多
彩な仕事をこなすもので、近年、上記作業機にもう1本
作業アームを配して、工程毎に他のアタッチメントを装
備した作業アームに切り替えて作業をおこなうことで、
アタッチメントの交換の手間を省き作業効率の向上を目
指すような構成のもが提案されている。
【0009】なお上記従来の技術においては、一人の作
業者によって1本の作業アームを動作させて、取り付け
られたアタッチメントに応じた1つの作業をおこなうも
のであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の油圧ショベ
ル等作業機の構成においては、アタッチメントの交換で
掘削、破砕、解体、リフトなど多彩な仕事をこなすもの
ではあるが、1つの仕事のみをおこなう構成のものであ
り、素早く仕事を処理するという点で必ずしも効率がよ
いとは言えず多くの問題点を有するものであった。
【0011】すなわち、例えば、コンクリート等硬い側
壁の解体作業にあっては、球状の鉄重りをアーム先端に
ロープを介して吊り上げておいて、旋回反復動作で徐々
に重りを揺らしながら、振幅の大きくなった時点で重り
を側壁にぶつけて解体する方法が知られているが、重り
を揺らす作業は周辺物に危険が伴い難しく、しかも衝突
の際のエネルギー量をコントロールすることが困難で、
このような作業にあっては側壁自身が衝撃で崩れて、倒
れてしまったりする危険すらあり、効率よく重りを揺ら
して作業をおこなわせる点で問題を有するものであっ
た。
【0012】また、砕けた側壁を挟持用のアタッチメン
トでコンクリート片を持ち上げて移動する作業の際、コ
ンクリート片に埋設されている鉄骨材が移動作業の邪魔
をしてしまう。そこで作業者は鉄骨材の切断を待ってか
らコンクリート片を移動することになるが、この間持ち
上げたコンクリート片を人手による切断作業が終了する
まで保持し続けなければなければならないという問題が
ある。更にこの場合、コンクリート片を1本の作業アー
ムで挟み上げるには、対象物の重心位置と挟持ポイント
とが異なる際は、モーメント力が挟持ポイントに働い
て、挟持ポイントに滑りが生じ易いく、対象物が重量物
である場合は大変危険である。このため、大きな力でコ
ンクリート片を挟み込まねばならない一方、対象物は破
断し易く、特に建設部材などを所定の枠に合致するよう
支えねばならない組立作業にあっては、モーメント力に
逆らって建設部材を所望の姿勢に保たねばならないが、
滑りを防止するため強烈な力で建設部材を挟まねばなら
ず、建設部材が挟持部でつぶれたり傷ついたりし易く、
さらに建設部材の強度がモーメントに逆らい保持する際
にその周辺で割れてしまったりするという問題点があ
る。
【0013】更にリフト作業で、重量物をロープなどで
吊り上げる作業の際は、作業アームを前方に伸ばして重
量物を持ち上げると作業機の機体重心位置が前方へずれ
てしまい転倒の危険を伴い、更にリフトされた重量物が
揺れることで、作業機自身が振られて転倒し易いという
問題がある。また、機体の重心が前方へずれてしまう
と、リフト力の低下を招くと共に、リフトされた重量物
の揺れは、時に重量物機材をばらけて落下させてしまう
という問題もある。
【0014】また、ビル解体作業などにあって、高所ま
で持ち上げられたアーム先端の破砕具での解体作業は、
破砕されたコンクリの破片の落下の危険を伴うことか
ら、ごく僅かづつ構造物を徐々に根気よく破砕して処理
することが要求されるが、作業時間を費やし、効率悪い
作業であった。一方、建材側壁を所望の位置で引き裂く
には、側壁が所望の位置で固定されていなければ引き裂
く作業は困難で、手間でも破砕機やカッタで除々に切断
処理するしかない。なお、建材が全く固定されてない時
は破砕機先端を裂け目に沿ってはめ込まねば破砕できな
いことから、建材の押さえが効かず大変効率の悪い作業
となるという問題を有するものであった。
【0015】上述のように、従来の構成のものにあって
は、重りを揺らす、対象物を保持する、リフト物の揺れ
や機体転倒の防止、或いは破砕作業の手間などの例にみ
られるように、解体作業や組立作業にあっては、従来の
作業機による作業では大変効率が悪く、素早く仕事を処
理するという点で多くの問題点を有している。
【0016】 一方、特H4−70452号(特開S
63−7427号)公報にあっては、1本の作業アーム
に掘削用バケットとリフト装置の2種の装置を備えるも
のが開示されているが、連続した工程を何れか一方のみ
を動作させることで、切り替えて使用しようというもの
である。しかしながら、このような構成にあっては、例
えばリフト装置で吊り上げた品物の揺れをバケット装置
で挟持して添えることで揺れを防止するようなことはで
きない。というのは作業アームを動かせば同時に両方の
装置が動いてしまう構造であり、上記同様に1つの作業
のみにしか対応できない構成であり、上述示した種々の
問題点を解決するものではない。
【0017】また、2本の作業アームを備える構成のも
のとして、実開H5−89543号公報や特開H8−3
11919号公報が知られているが、これらの公報はに
あっては、作業ポイントに対して、前後に設けられた作
業アームの何れか1本で選択的に作業をおこなうもの
で、断続的に連続した工程の作業を何れか一方の作業ア
ームが選ばれて作業をおこなうものである。この構成に
あっては異なる同一の工程が連続して続けて発生する場
合はアタッチメントを取り替える手間を省くことができ
るが、1つ1つの作業としては何ら従来の油圧ショベル
と作業効率は変わらず、1つの仕事のみにしか対応でき
ない作業機構成であり、上述示した種々の問題点を解決
するものではない。
【0018】さらに、実開H5−89544号公報で
は、1本の作業アームと形状の異なる第2の作業アーム
を作業ポイント側に設けられるものである。上記実開H
5−89543号公報のように作業者は旋回動作で作業
ポイントに向けて反転した位置へ姿勢をとる必要はない
が、上記公報構造にあっては作業アームのアタッチメン
トとしてバケットとブレーカとを備えて、上記同様に選
択的に何れか一方のアタッチメントを選択して油圧回路
を切り替えて作業をおこなう構成のものである。したが
って、同様に上述示した種々の問題点を解決するものと
は言い難い。
【0019】すなわち、上記実開H5−89543号公
報や特開H8−311919号公報或いは実開H5−8
9544号公報にあっては、一台の作業機に2本の作業
アームを備えるが、1台の作業機にあっては1つエンジ
ンが生じる油圧力には限界があり、2本の作業アームを
効率よく同時に並行して操作できず、油圧回路を切り替
えて1つの作業アームのみが動作可能なように構成され
ている。さらに、2本の作業アームを同一ポイントで作
業する好適な位置に配して作業するには機体の重心位置
との兼ね合いで転倒の危険性が増すことから困難な構成
であると言える。
【0020】そこで、土木工事や建設工事用の作業機と
しては、作業者不足が懸念される高齢化社会において
も、1人で効率よく作業をこなすことのできるよう、2
つの作業を個別にしかも同時に同一作業ポイントにおこ
なうことのできる構成のものが望まれていた。
【0021】本発明は、連結構成の走行装置と2本の作
業アームを備えて、2つの作業を個別にしかも同時にお
こなうと共に、作業ポイントに応じて移動して、極めて
効率よく、広範囲な作業に適応した建設工事の作業機を
提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の走行装置付ツイ
ンアーム作業機は、上記従来例の問題点を解決するた
め、走行車体上に旋回体が旋回軸受けを介して縦軸芯廻
りに旋回可能に載置され、旋回体にブームとその先端の
アームとから成る屈折自在な作業アームが起伏自在に支
持されて成る第1の作業機と、第1の作業機に隣接し、
第1の作業機と構造略同じくして成る第2の作業機と、
第1の作業機の走行車体と第2の作業機の走行車体とを
連結する連結体と、第1の作業機の作業アームを操作す
る操作レバーと第2の作業機の作業アームを操作する操
作レバーとを共に有する操作部とを具備して、上記操作
部に左右に一対の前後走行ペダルが設けられ、走行ペダ
ルの指令に応じて、第1の作業機走行車体の左右の走行
回転速度と第2の作業機走行車体の左右の走行回転速度
とを各々個別に可変可能にかつ、個別に正逆回転可能に
走行制御されるものであることを特徴とする。
【0023】そして、2台の作業機が横列状に連結され
て成り、走行軸方向に操作部の方向が設けられた作業機
において、左右の走行ペダルが共に同一方向を示す操作
である時、左右の操作量に応じて、操作量の大きい側
に位置する作業機の外方の走行装置の回転速度が一番大
きく、操作量の小さい側に位置する作業機の走行装置の
回転速度が一番小さくなるよう順次走行装置の回転速度
が定められると共に、左右の走行ペダルが共に異なる方
向を示す操作量である時、左右の操作量に応じて、正転
操作量を示す側に位置する作業機の外方の走行装置の
回転速度が内側より大きく共に正転し、逆転側操作量
示す側に位置する作業機の走行装置の回転速度が内側よ
り大きく共に逆転することで走行することが好適であ
る。
【0024】一方、2台の作業機が縦列状に連結されて
成り、走行方向に直交する側に操作部方向が設けられた
作業機において、左右の走行ペダルの何れか一方のみの
ペダルが選択された時、その操作量に応じて、ペダルの
方向に全ての走行装置が同一速度で回転して走行すると
共に、左右の走行ペダルが共に異なる方向を示す操作量
である時、左右の操作量に応じて、操作部の前方側に位
置する左右2台の作業機の走行装置の回転方向を、操作
部の後方側に位置する左右2台の作業機の走行装置の回
転方向と逆方向へ回転させて、各々の走行装置が略同一
速度で回転することで走行する一方、左右の走行ペダル
が共に同一方向を示す操作量である時、左右の操作量
応じて、操作部の前方側に位置する左右2台の作業機の
走行装置の回転速度を、操作部の後方側に位置する左右
2台の作業機の走行装置の回転速度と異なる速度で回転
させて、各走行装置が同一方向に回転することで走行す
ることが好適である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
〜図6を参照して簡単に説明する。
【0026】本発明の走行装置付ツインアーム作業機1
は、建設工事などで使用される、走行車体13上に旋回
体14が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に載
置され、旋回体14にブーム16とその先端のアーム1
7とから成る屈折自在な作業アーム8が起伏自在に支持
されて、アーム17の先端にアタッチメント18を備え
て成る第1の作業機11(油圧ショベル系作業機)と、
第1の作業機11に隣接し、第1の作業機11と構造略
同じくして成る第2の作業機12(第2の油圧ショベル
系作業機)と、第1の作業機11の走行車体13と第2
の作業機12の走行車体13とを連結する連結体2と、
右側に位置する作業機11の作業アーム5を油圧操作す
る右操作レバー21aと左側に位置する作業機12の作
業アーム6を油圧操作する左操作レバー21bとを各々
左右に有する操作部7とを具備して、上記操作部7が上
記2台の作業機11、12の中間に位置して作業機同士
を連結する連結体2上に配設されて、操作部7に左右に
シーソ状に前後に可動する一対の油圧式前後進走行ペダ
ル23が設けられ、左右の走行ペダル23a、23bの
前後ペダルの指令操作量に応じて、第1の作業機走行車
体13c、13dの左右の走行回転速度と第2の作業機
走行車体13e、13fの左右の走行回転速度とを各々
個別に可変可能にかつ、個別に正逆回転可能に走行制御
するものである。
【0027】そして、2台の作業機11、12が横列状
に連結されて成り、走行軸方向Xに操作部7の方向が設
けられた作業機1においては、左右の走行ペダル23
a、23bが共に同一方向を示す指令操作量である時、
左右の操作量に応じて、操作量の大きい側(例えば23
a側)に位置する作業機11の外方の走行装置13cの
回転速度が一番大きく、操作量の小さい側に位置する作
業機12の外方の走行装置13fの回転速度が一番小さ
くなるよう順次(13c>13d>13e>13f)走
行装置の回転速度が定められて走行すると共に、左右の
走行ペダル23a、23bが共に異なる方向を示す指令
操作量である時、左右の操作量に応じて、正転側操作量
を示す側(例えば23a側)に位置する作業機11の外
方の走行装置の回転速度が内側より大きく(13c>1
3d)共に正転し、逆転側操作量を示す側に位置する作
業機12の走行装置の回転速度が内側より大きく(13
f>13e)共に逆転することで走行するように設けら
れている。
【0028】一方、2台の作業機11、12が縦列状に
連結されて成り、走行方向Yに直交する側Xに操作部7
方向が設けられた作業機1においては、左右の走行ペダ
ル23a、23bの何れか一方のみのペダルが選択され
た時(例えば23bのみが選択された時)、その指令
作量に応じて、ペダルの方向Yに全ての走行装置13
c、13d、13e、13fが同一速度で回転して走行
すると共に、左右の走行ペダル23a、23bが共に異
なる方向(例えば23bが前進側、23aが後進側)を
示す指令操作量である時、左右の操作量に応じて、操作
部7の前方側に位置する左右2台の作業機の走行装置1
3c、13eの回転方向をY方向へ、操作部7の後方側
に位置する左右2台の作業機の走行装置13d、13f
の回転方向をYとは逆方向へ回転させて、各々の走行装
置13a、13b、13c、13dが略同一速度で回転
することで走行する一方、左右の走行ペダル23a、2
3bが共に同一方向を示す指令操作量である時は、左右
操作量に応じて(例えば23b>23aの時)、操作
部7の前方側に位置する2台の作業機の走行装置13
c、13eの回転速度を、操作部7の後方側に位置する
2台の作業機の走行装置13d、13fの回転速度と異
なる速度((13c=13e)>(13d=13f))
で回転させて、各走行装置13c、13d、13e、1
3fが同一方向に回転することで走行するように設けら
れている。
【0029】 (作用) 本発明は上記構成によって、次のような作用を営むこと
ができる。すなわち、走行車体13上に旋回体14が旋
回可能に載置され、旋回体14にブーム16とアーム1
7とから成る作業アーム8が支持されて成る2台の作業
機11、12が、連結体2との間で連結されることか
ら、2本の作業アーム5、6を備える構成の作業機を極
めて安価な開発コストで実現することができ、しかも連
結構造を有した作業機の安定性は、各作業機の重心位置
が連結体2側へ互いにずれ合って、互いに支え合うこと
で、安全で格段に安定なものとなる。この安定な構造に
あっては、作業アーム8をより長く設けることができ、
旋回を伴う作業アーム8の作業範囲を拡張できると共
に、長い作業アーム8は進行方向前方に障害物が存在す
る際も障害物を上方より超えて更に前方の目標点まで作
業アーム8を伸ばして、より奥の部分の作業ポイントに
作業を施すことができる。しかも各旋回体14に各々の
作業アーム5、6が個別に設けられることで、両作業ア
ーム5、6を旋回させて同一作業ポイントに作用させた
り、各々を異なる作業ポイントに作用させたりすること
ができる。
【0030】また、第1の作業機11の作業アーム5を
操作する操作レバー21aと第2の作業機12の作業ア
ーム6を操作する操作レバー21bとを共に有する操作
部に、操作レバー21が各々配設されることで、1人の
作業者が容易に左右の操作レバー21a、21bを各々
両手で操作して、両作業アーム5、6を個別にしかも同
時に動作させることができる。そこで、作業の際に2本
の作業アーム8と連結体2とで作るループが反作用力を
打ち消し合い大きな作用力を発揮できると共に、作業ア
ームを前方へ伸ばし切った際に機体が不安定に成るもの
を連結構成で吸収し、しかももう一本の作業アームで支
えるなど、互いに補い作業をおこなうことができる。
【0031】さらに、操作部7に左右に一対の前後進走
行ペダル23が設けられ、該操作部7が2台の作業機1
1、12の連結体2上に配設されるものであって、左右
の走行ペダル23a、23bの前後ペダル操作量に応じ
て、走行制御することで、上記同様に1人の作業者が容
易に左右に一対の前後進走行ペダル23を各々両足で操
作することができる構成である。
【0032】そこで、例えば建築機材63などの重量物
を持ち上げて移動する際は、上記2本の作業アーム5、
6を備えた構成にあっては、一方が持ち上げた位置と対
角線上の位置を、もう一本の作業アームで支えること
で、リフト物の揺れを抑え、しかも重量物のモーメント
力をキャンセルして極めて小さな挟持力で重量物である
建築機材63を持ち上げることができる。そして、持ち
上げられた建築機材63を2本の作業アーム5、6で例
えば組立作業に都合の良い好みの姿勢に保つことができ
る。一方、この様に2本の作業アーム8で一定の姿勢に
建築機材63を保持した時は、その組み付け姿勢を保つ
には、2本の作業アーム8の可動範囲は極端に制限され
ることになるが、上記ペダル23による走行装置13を
備えることで、両手の操作レバー21で機材63を支え
ながら、両足のペダルレバー23で機材63を所望の位
置まで、揺れを抑えながら、しかも組み付け姿勢を保っ
て、移動させることができる。
【0033】一方、仮に走行装置13c、13d、13
e、13fの何れかが溝などにはまって脱出できない時
でも、2本の作業アーム8の一方で下方の地面を押さえ
て、もう一方で上方の固定物などで支えることで、両作
業アーム8で機体を持ち上げる操作をおこないながら走
行装置を駆動することで、単独で簡単に溝から脱出する
ことができる。同様に劣悪な条件の、悪路や段差或いは
斜面などにあっても、2本の作業アーム8と走行装置と
を組み合わせて走行することで容易に目的地に到達する
ことができる。更にそのような劣悪な条件の場所に自ら
進入して、そこに留まり1本の作業アーム8で機体の姿
勢を保ちつつ、もう1本の作業アーム8で作業をおこな
わせることも可能である。
【0034】すなわち、上記示す2本の作業アーム5、
6を備える構成にあっては、「作業アーム5で一つの仕
事をしながら、作業アーム6で別の仕事をする」という
2種の異なる作業を同時に、しかも任意の作業ポイント
で、両作業アームで補いながらおこなわせる作用を営
み、従来1本の作業アームのみでは実現しなかった、広
範囲の作業を極めて効率よく移動しながらこなすことの
できる作業機を実現することができる。
【0035】そして、2台の作業機11、12が横列状
に連結されて成り、走行軸方向Xに操作部7の方向が設
けられた作業機1においては、左右の走行ペダル23
a、23bが共に同一方向を示す操作量である時、左右
操作量に応じて、操作量の大きい側(例えば23a
側)に位置する作業機11の外方の走行装置13cの回
転速度が一番大きく、操作量の小さい側に位置する作業
機12の外方の走行装置13fの回転速度が一番小さく
なるよう順次(13c>13d>13e>13f)走行
装置の回転速度が定められて走行すると共に、左右の走
行ペダル23a、23bが共に異なる方向を示す操作量
である時、左右の操作量に応じて、正転側操作量を示す
側(例えば23a側)に位置する作業機11の外方の走
行装置の回転速度が内側より大きく(13c>13d)
共に正転し、逆転側操作量を示す側に位置する作業機1
2の走行装置の回転速度が内側より大きく(13f>1
3e)共に逆転することで走行するように設けられるも
のであれば、連結体2で横列状に連結されて成ること
で、走行車体13の走行方向が各々揃って並列状に設け
られることから、方向転換や前後進がやり易すく、走行
安定性に優れしかも機動性に富む構成を得るものとな
り、自在に動き回り多様な作業に対応するような用途に
適した構造を実現している。
【0036】一方、2台の作業機11、12が縦列状に
連結されて成り、走行方向Yに直交する側Xに操作部7
方向が設けられた作業機1においては、左右の走行ペダ
ル23a、23bの何れか一方のみのペダルが選択され
た時(例えば23bのみが選択された時)、その操作量
に応じて、ペダルの方向Yに全ての走行装置13c、1
3d、13e、13fが同一速度で回転して走行すると
共に、左右の走行ペダル23a、23bが共に異なる方
向(例えば23bが前進側、23aが後進側)を示す
作量である時、左右の操作量に応じて、操作部7の前方
側に位置する左右2台の作業機の走行装置13c、13
eの回転方向をY方向へ、操作部7の後方側に位置する
左右2台の作業機の走行装置13d、13fの回転方向
をYとは逆方向へ回転させて、各々の走行装置13a、
13b、13c、13dが略同一速度で回転することで
走行する一方、左右の走行ペダル23a、23bが共に
同一方向を示す操作量である時は、左右の操作量に応じ
て(例えば23b>23aの時)、操作部7の前方側に
位置する2台の作業機の走行装置13c、13eの回転
速度を、操作部7の後方側に位置する2台の作業機の走
行装置13d、13fの回転速度と異なる速度((13
c=13e)>(13d=13f))で回転させて、各
走行装置13c、13d、13e、13fが同一方向に
回転することで走行するように設けられるものであれ
ば、直線状に並んで連結体2で縦列状に連結されること
で、走行車体13の走行方向が直列状に並んで面長に設
けられることから、作業機幅が狭い形状で、道路の片車
線のみを占有するだけの幅で工事をおこなうことがで
き、道路側面工事や河川岸工事など略直線状に沿って作
業ポイントが連続して存在するような用途に適した構造
を実現している。
【0037】また、上記横列状の連結や上記縦列状の連
結の構成にあっては、連結体2上に設けられた操作部7
は、操作部7は作業機11、12の走行装置13の振動
や騒音を直下で受けることなく連結体2で低減されるこ
とで、快適な作業空間(操作部キャビン)を提供するこ
とができる。
【0038】以上の如く本発明の走行装置付ツインアー
ム作業機1は、土木工事や建設工事用の作業機として、
作業者不足が懸念される高齢化社会においても、2台の
作業機を連結して個別に動作する2本の作業アームとそ
の走行装置を備えて、操作部から1人で効率よく作業を
こなし、2つの作業を個別にしかも同時に移動しながら
作業をおこなう構成を実現することができる。
【0039】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1〜図6は本発明の実施例を
示すものである。図1は本発明を土木作業や建設工事な
どで使用される油圧ショベルに適用したもので、図の1
で示すツインアーム作業機は、走行車体13上に旋回体
14が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に載置
され、旋回体14にブーム16とその先端のアーム17
とから成る屈折自在な作業アーム8が起伏自在に支持さ
れて、アーム17の先端にアタッチメント18を備えて
成る第1の作業機11(油圧ショベル)と、第1の作業
機11に隣接し、第1の作業機11と構造略同じくして
成る第2の作業機12(第2の油圧ショベル)と、第1
の作業機11の走行車体13と第2の作業機12の走行
車体13とを連結する連結体2と、右側に位置する作業
機11の作業アーム5を油圧操作する右操作レバー21
aと左側に位置する作業機12の作業アーム6を油圧操
作する左操作レバー21bとを各々左右に共に有する操
作部7とを備えている。
【0040】そして、上記操作部7に左右にシーソ状に
前後に可動する一対の油圧式前後進走行ペダル23が設
けられ、図6に示す左右の走行ペダル23(右側走行ペ
ダル23a、左側走行ペダル23b)の前側方向と後側
方向の図の矢印方向で示すペダルの指令操作量に応じ
て、図5に示す第1の作業機11の走行車体13c、1
3dの左右の走行回転速度と第2の作業機12の走行車
体13e、13fの左右の走行回転速度とを各々個別に
可変可能にかつ、個別に正逆回転可能に走行制御するも
のである。
【0041】ここで、作業アーム8の各リンク部の屈折
方向は一軸方向のみに可動可能に枢支されているもので
ある。なお、図1の4は、第1の作業機11の側面の走
行フレーム3と第2の作業機12の側面の走行フレーム
3との連結部を示すもので、連結部4が連結ピンで摺動
変位可能にかつ、連結ピンの抜き差しで両作業機11、
12が切離し可能に連結されている。そして、この連結
は両作業機11、12が横列状に並んで、走行フレーム
3の側面で摺動状態で固定可能に連結されている。さら
に、図1に示す26はクローラ、14aは第1の作業機
11の旋回体、14bは第2の作業機12の旋回体、2
1は操作レバー、19は油圧シリンダ、20は作業者で
ある。
【0042】また、図2の7はキャビン15内に設けら
れた操作部を示すもので、連結体2上に設けられてい
る。そして、キャビン15の左右両端位置に連結部4を
備えて、2カ所で切離し可能に、かつ2カ所で摺動自在
に、しかも摺動状態で固定可能に連結したものである。
なお、図2は図1と略同一構成であり、共通部分に同一
符号を付し詳細な説明は省略する。ここで、図2に示す
38はアーム形状に設けられた操作レバー21である。
【0043】この横列状の可動連結構造にあっては、走
行フレーム3が連結されても、その上部に位置する旋回
体14a、14bは自在に旋回可能であり、操作部7の
前面方向(図のXで示す方向)に2本の作業アーム8両
方を旋回させることができる。しかも、地面に応じて機
体か摺動変位することで安定性に優れ、更に全ての走行
装置13が同一方向(図のXで示す方向)を成すこと
で、機動性に富む連結構造である。
【0044】一方、図3及び図4は、上記図1及び図2
の横列連結を縦列連結に変更した例である。そこで、図
3、図4においては、図1、図2と共通する部分に同一
符号を付し詳細な説明は省略する。
【0045】図3のツインアーム作業機1も上記同様
に、図の4は、第1の作業機11の側面の走行フレーム
3と第2の作業機12の側面の走行フレーム3との連結
部を示すもので、連結部4が連結ピンで摺動変位可能に
かつ、連結ピンの抜き差しで両作業機11、12が切離
し可能に連結されている。そして、この連結は両作業機
11、12が縦列状に並んで、走行フレーム3の走行方
向前後面で連結されている。
【0046】また、図4の7はキャビン15内に設けら
れた操作部を示すもので、連結体2上に設けられてい
る。そして、キャビン15の左右両端位置に連結部4を
備えて、2カ所で切離し可能に、かつ2カ所で摺動自在
に、しかも摺動状態で固定可能に連結したものである。
【0047】この縦列状の可動連結構造にあっては、走
行フレーム3が連結されても、その上部に位置する旋回
体14a、14bは自在に旋回可能であり、操作部7の
前面方向(図のXで示す方向)に2本の作業アーム8両
方を旋回させることができる。しかも、地面に応じて機
体か摺動変位することで安定性に優れ、更に全ての走行
装置13が同一方向(図のYで示す方向)を成すことか
ら、略Y方向ラインに沿って連続的に作業ポイントが存
在する用途に適した連結構造である。
【0048】そして、図5(a)に示すツインアーム作
業機1は、2台の作業機11、12が横列状に連結され
ていて、連結体2上に図のXで示す走行軸方向に操作部
7の方向が設けられた作業機1において、左右の走行ペ
ダル23a、23bが共に同一方向を示す操作量である
時、左右の操作量に応じて、操作量の大きい側(例えば
23a側を操作量大とする)に位置する作業機11の外
方の走行装置13cの回転速度が一番大きく、操作量
小さい側に位置する作業機12の外方の走行装置13f
の回転速度が一番小さくなるよう順次(13c>13d
>13e>13f)走行装置の回転速度が定められて走
行することで、図のX1で示す方向へ左折することにな
る。
【0049】更に、左右の走行ペダル23a、23bが
共に異なる方向を示す操作量である時は、左右の操作量
に応じて、前進(正転)側操作量を示す側(例えば23
a側が前側の操作量とする)に位置する作業機11の外
方の走行装置の回転速度が内側より大きく(13c>1
3d)共に正転(前進回転)し、後進(逆転)側操作量
を示す側に位置する作業機12の走行装置の回転速度が
内側より大きく(13f>13e)共に逆転(後進回
転)することで走行することで、図のX2、X2で示す
方向へ走行力を受けて旋回することになる。
【0050】一方、図5(b)に示すツインアーム作業
機1は、2台の作業機11、12が縦列状に連結されて
いて、連結体2上に走行方向Yに直交する側(図のXで
示す側)に操作部7方向が設けられた作業機1において
は、左右の走行ペダル23a、23bの何れか一方のみ
のペダルが選択された時(例えば23bのみが選択され
た時)、その操作量に応じて、ペダルの方向に全ての走
行装置13c、13d、13e、13fが同一速度で回
転して走行することで、図のYで示す方向に直進する。
【0051】更に、左右の走行ペダル23a、23bが
共に異なる方向(例えば23bが前進側、23aが後進
側)を示す操作量である時、左右の操作量に応じて、操
作部7の前方側に位置する左右2台の作業機の走行装置
13c、13eの回転方向をY方向へ、操作部7の後方
側に位置する左右2台の作業機の走行装置13d、13
fの回転方向をYとは逆方向へ回転させて、各々の走行
装置13a、13b、13c、13dが略同一速度で回
転することで走行することで、図のY1、Y1で示す方
向へ走行力を受けて旋回する。
【0052】一方、左右の走行ペダル23a、23bが
共に同一方向を示す操作量である時は、左右の操作量
応じて(例えば23b>23aの時)、操作部7の前方
側に位置する2台の作業機の走行装置13c、13eの
回転速度を、操作部7の後方側に位置する2台の作業機
の走行装置13d、13fの回転速度と異なる速度
((13c=13e)>(13d=13f))で回転さ
せて、各走行装置13c、13d、13e、13fが同
一方向に回転することで、図のY2で示す方向に走行す
るように設けられている。
【0053】以上のように上記実施例にあっては、一対
のしかも2組の走行装置13を、一人の作業者が両足で
一対の走行ペダル23を操り、横列連結や縦列連結に対
応した走行を得ることができる。
【0054】 なお、本実施例においては第1の作業機
11が左右に一対のクローラ式の走行装置13c、13
dを備え、第2の作業機12も左右に一対のクローラ
の走行装置13e、13fを備える例を示したが、クロ
ーラ式の走行装置に限定するものではなく、例えば走行
装置がホイルローダ式の油圧ショベル系の作業機11、
12であってもかまわない。また、一対の走行ペダルの
配置位置及びその配置方向は図6に示す前方に並んで配
置する必要はなく、操作部7位置内に設けられる前後進
ペダルであれば、好みに応じて何れの場所へ、どのよう
に配置するものであってもかまわない。すなわち本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨
に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範
囲から排除するものではない。
【0055】次に、上述の連結構成で2本の作業アーム
を備えた本発明の応用例を図7〜図13を参照して説明
する。
【0056】 図7の太点線で示すA1(第1の作業
機)、A2(連結体)、A3(第2の作業機)は、互い
に連結し固定されている状態を示すもので、右作業アー
ム5はA1に、左作業アーム6はA3に各々設置されて
いる。この2本の作業アームで掴まれた部材75は、図
のF1で示す方向(部材75を収縮させる方向)へ作業
アーム5、6が動作すると、その反作用(図のfで示す
の方向)を受けることになる。しかしながら、右作業ア
ーム5−A1−A2−A3−左作業アーム6で示す略三
角形のループBは、A1−A2−A3が固定されてい
るが故、反作用力を逃がすことなく、反作用力の合成ベ
クトルをキャンセルして、大きな作用力F1を部材75
に印加することができる構造である。また図のF2で示
す方向(部材75を伸張する方向)についても上記F1
方向の場合と同様に、反作用力は略三角形のループBで
キャンセルされて2本の作業アームで大きな力を印加す
ることができる。従って、例えば連結が成されてない2
台の作業機による構成のものと比較すると、相互に機体
のズレが生じて反作用力を逃がしてしまい、物体に大き
な力を印加できないもを、連結構造の作業機は互いに相
対位置が固定されているため反作用力を逃がすことなく
大きな力を発揮できる。
【0057】更に、作業アーム5、6で図のF3で示す
方向(部材75を曲げる方向)へ力を印加する場合は、
作業アーム5、6を略同一作業ポイントに作用させるこ
とができ、例えば一方の作業アームで部材75を固定し
て、もう一方の作業アームで曲げ加工をおこなう作業
や、或いは両方の作業アーム5、6で曲げ力を印加して
曲げ加工をおこなう作業を実現することができる。この
ように、1本の作業アームでは部材75がフリーな状態
にあっては、上手く曲げ力などを印加できないものを、
2本の作業アームにあっては作用力を逃がすことなく容
易に作業ポイントへ印加することができる。
【0058】 図8の太点線のZで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で
定され、それらに作業アーム5、6が各々設置されてい
ることを示すものである。ここで、図の作業アーム5で
吊り上げられたバケツ60は土や砂、小石などをすくう
工具9である。一方、バケツ60内の土砂が重量物であ
る場合、或いは作業アーム5を伸ばしきって作業をせね
ばならない場合などは、機体の重心位置が前方へ移動し
て転倒の危険、或いはバケツ60が揺れたり、傾いて土
砂をこぼしてしまう危険があるが、連結構造で安定した
重心位置を確保する構造であれば、より遠くの、より重
い対象物を吊り上げることができ、しかも図の6で示す
連結されたもう一本の作業アームでバケツ60の底側面
などを挟持してやることで、安定して吊り上げ作業をお
こなわせることができる。
【0059】また、作業アーム6を図のGで示す地面な
ど固定物に設けて、図のYで示す固定ループを形成する
ことで、重心位置が固定されて、転倒の危険なく大きな
力で対象物をリフトすることができる。これは、通常の
作業機にあっては、作業アームを伸ばすと、機体が浮い
てしまい殆どリフト力が得られないものを、図のYで示
す固定ループで支えることで、遙かに大きなリフト力を
生じるものとなる。しかも図のGで示すポイントは、作
業アームであるが故に、作業現場の状況に応じて自在な
位置に設けることが可能である。
【0060】 図9の太点線のZで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6は固定物Gであるコンクリート壁54を掴み、も
う一方の作業アーム5で破壊工具9となる金槌55を掴
んでいる。ここで図の74は工具9の抜け防止ロープを
示している。そこで、ブームとアームを振りかざすこと
で、例えゆっくりとした動作であっても、手首のスナッ
プを効かせるが如くの連続動作で振り下ろし動作をおこ
なえば、長尺状の取手を備える金槌55の先端は、大き
な加速度を得て、図の矢印で示す方向へ大きな破壊力を
生じることができる。これは、工具9からの反作用の影
響で機体が逆に振り回されることなく、連結構成が故
に、図ので示す固定ループで支えて、金槌55に大き
な力を作用させることができるため得られるものであ
る。そこで、金槌55で叩かれたコンクリート壁54
は、その部分が破壊されることになるが、仮に壁全体が
壊れて崩れかけても、作業アーム6で支えられていれば
一気に崩れ去ることのない安全な作業をおこなわせるこ
とができる。
【0061】 図10の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6はコンクリート片56を掴み、もう一方の作業ア
ーム5は切断工具9であるニッパー58を掴んでいる。
ここで例えば震災によるビル崩壊や解体現場などにあっ
て、解体物を処理する作業において、図の56で示すコ
ンクリート片などには鉄骨材57が埋設されているた
め、作業アーム6はコンクリート片56を図の矢印方向
へ持ち上げることができても、それらを移動させるに
は、人手で鉄骨材57を切断しなければならないが、人
手を借りることなく、保持されたコンクリート片56に
絡む鉄骨材57を、もう一本の作業アーム5により、テ
コを利用したニッパー58で切断することができる。そ
こで作業アーム6は作業を中断することなくスムーズに
効率よくコンクリート片56を移動させることが可能と
なる。
【0062】 図11の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6はブロック59を掴み、もう一方の作業アーム5
はブロック積みの組立補助をおこなっている。すなわち
作業アーム5は図の矢印で示す方向へ組み付けられたブ
ロック59を押さえる役割を担当し、ブロック組み付け
状態が崩壊することを防止している一方、作業アーム6
は次々とブロック59を供給する役割を担当している。
各々が異なる2種の作業を独自にしかも同時におこなう
と共に、連結された作業アーム同士は、作業進行に応じ
て走行をおこない作業ポイントを移動した際も、作業ア
ーム同士の相対位置関係が一定であることから、容易に
作業位置関係をつかむことができる。
【0063】 図12の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6は防御工具9である塵取り62を掴み、もう一方
の作業アーム5は破砕工具9である釘抜き61を掴み高
所作業をおこなっている。2種の異なる工具9を両作業
アーム5、6に備えることができると共に、各々異なる
作業を同一作業ポイントにおこなわせるものである。そ
こで、一方の作業アーム5で高所に位置するコンクリー
ト壁54を釘抜き61で割って解体すると共に、もう一
方の作業アーム6で、解体で生じる破片56が落下せぬ
よう塵取り62で受けている。この落下物の処理は人命
にも関わる重要なポイントであるが、連結構造が故に、
次々と作業ポイントが移動して落下物を処理する塵取り
62を作業ポイントに沿わせる際に、相対位置関係にあ
る両作業アーム5、6は、走行移動(図のX方向)に関
わらず、その位置関係が把握し易く、安全にしかもスム
ーズに落下物処理などの作業をおこなわせることができ
る。
【0064】 図13の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム5は建築組み付け用の製品機材63を掴み、もう一
方の作業アーム6はその機材63を挟持してリフト作業
をおこなっている。仮に一本の作業アーム5のみで機材
63を掴み上げる場合は、その重心位置との関係で、図
のRiで示す方向に回転モーメントを生じて滑りやすく
なる。そこで強い力で対象物を挟む必要があるが、製品
(機材63)がつぶれたり傷つき易くなり、しかも組立
姿勢に合致するよう機材63を図のRj方向へ設けよう
とすると、図の点線矢印で示す製品(機材63)の挟持
位置周辺に歪みが生じて割れなどが発生してしまう。他
方、もう一方の作業アーム6で機材63の低側面を支え
る場合は、上記RiやRi又は点線矢印の要因をキャン
セルして、しかも作業アーム5の挟持力を殆ど必要とせ
ずに機材63を好みの姿勢に保つことが可能となる。組
立姿勢に保たれた機材63は、連結構成で両作業アーム
5、6の相対位置関係が一定に保たれるが故、組立位置
(図のXで示す方向)まで、その姿勢を維持した状態で
走行して運ぶことができる。
【0065】以上のように上記応用例にあっては、作業
アーム同士の位置関係を保つ、連結に対応した走行で、
作業ポイントに応じて移動しながら作業をおこなうこと
ができる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、連結構成の走行装置と
2本の作業アームを備えて、2つの作業を個別にしかも
同時におこなうと共に、作業ポイントに応じて移動し
て、極めて効率よく、広範囲な作業に適応した建設工事
の作業機を提供することができる。
【0067】また、横列状或いは縦列状の連結に対応し
た走行を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図。
【図2】横列連結を示す斜視図。
【図3】他の実施例を示す斜視図。
【図4】縦列連結を示す斜視図。
【図5】その走行原理を示す、(a)、(b)は各々説
明図。
【図6】その走行ペダルを示す斜視図。
【図7】応用例を示す原理図。
【図8】応用例を示す原理図。
【図9】応用例を示す原理図。
【図10】応用例を示す原理図。
【図11】応用例を示す原理図。
【図12】応用例を示す原理図。
【図13】応用例を示す原理図。
【図14】従来例を示す斜視図。
【図15】その操作部を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ツインアーム作業機 2 連結体 3 走行フレーム 4 連結 5 (右側に位置する)第1作業アーム 6 (左側に位置する)第2作業アーム 7 操作部 8 作業アーム 10 油圧ショベル(又はバックフォ) 11 第1の作業機(油圧ショベル) 12 第2の作業機(油圧ショベル) 13 走行車体 13c、13d、13e、13f 走行装置 14、14a、14b 旋回体 15 キャビン 16 ブーム 17 アーム 18 アタッチメント 21 操作レバー 21a 右操作レバー 21b 左操作レバー 23 ペダルレバー 23a 右ペダル 23b 左ペダル 26 クローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−173022(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 9/00 E02F 3/36 E02F 9/20 E04G 23/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車体上に旋回体が旋回軸受けを介し
    て縦軸芯廻りに旋回可能に載置され、旋回体にブームと
    その先端のアームとから成る屈折自在な作業アームが起
    伏自在に支持されて成る第1の作業機と、 第1の作業機に隣接し、第1の作業機と構造略同じくし
    て成る第2の作業機と、 第1の作業機の走行車体と第2の作業機の走行車体とを
    連結する連結体と、 第1の作業機の作業アームを操作する操作レバーと第2
    の作業機の作業アームを操作する操作レバーとを共に有
    する操作部とを具備して、 上記操作部に左右に一対の前後走行ペダルが設けられ、
    走行ペダルの指令に応じて、第1の作業機走行車体の左
    右の走行回転速度と第2の作業機走行車体の左右の走行
    回転速度とを各々個別に可変可能にかつ、個別に正逆回
    転可能に走行制御されるものであることを特徴とする走
    行装置付ツインアーム作業機。
  2. 【請求項2】 2台の作業機が横列状に連結されて成
    り、走行軸方向に操作部の方向が設けられた作業機にお
    いて、左右の走行ペダルが共に同一方向を示す操作量
    ある時、左右の操作量に応じて、操作量の大きい側に位
    置する作業機の外方の走行装置の回転速度が一番大き
    く、操作量の小さい側に位置する作業機の走行装置の回
    転速度が一番小さくなるよう順次走行装置の回転速度が
    定められて走行する請求項1記載の走行装置付ツインア
    ーム作業機。
  3. 【請求項3】 2台の作業機が横列状に連結されて成
    り、走行軸方向に操作部の方向が設けられた作業機にお
    いて、左右の走行ペダルが共に異なる方向を示す操作量
    である時、左右の操作量に応じて、正転側操作量を示す
    側に位置する作業機の外方の走行装置の回転速度が内側
    より大きく共に正転し、逆転側操作量を示す側に位置す
    る作業機の走行装置の回転速度が内側より大きく共に逆
    転することで走行する請求項1又は2記載の走行装置付
    ツインアーム作業機。
  4. 【請求項4】 2台の作業機が縦列状に連結されて成
    り、走行方向に直交する側に操作部方向が設けられた作
    業機において、左右の走行ペダルの何れか一方のみのペ
    ダルが選択された時、その操作量に応じて、ペダルの方
    向に全ての走行装置が同一速度で回転して走行する請求
    項1記載の走行装置付ツインアーム作業機。
  5. 【請求項5】 2台の作業機が縦列状に連結されて成
    り、走行方向に直交する側に操作部方向が設けられた作
    業機において、左右の走行ペダルが共に異なる方向を示
    操作量である時、左右の操作量に応じて、操作部の前
    方側に位置する左右2台の作業機の走行装置の回転方向
    を、操作部の後方側に位置する左右2台の作業機の走行
    装置の回転方向と逆方向へ回転させて、各々の走行装置
    が略同一速度で回転することで走行する請求項1又は4
    記載の走行装置付ツインアーム作業機。
  6. 【請求項6】 2台の作業機が縦列状に連結されて成
    り、走行方向に直交する側に操作部方向が設けられた作
    業機において、左右の走行ペダルが共に同一方向を示す
    操作量である時、左右の操作量に応じて、操作部の前方
    側に位置する左右2台の作業機の走行装置の回転速度
    を、操作部の後方側に位置する左右2台の作業機の走行
    装置の回転速度と異なる速度で回転させて、各走行装置
    が同一方向に回転することで走行する請求項1又は4又
    は5記載の走行装置付ツインアーム作業機。
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