JP3184974B2 - 可変連結型ツインアーム作業機 - Google Patents

可変連結型ツインアーム作業機

Info

Publication number
JP3184974B2
JP3184974B2 JP35901799A JP35901799A JP3184974B2 JP 3184974 B2 JP3184974 B2 JP 3184974B2 JP 35901799 A JP35901799 A JP 35901799A JP 35901799 A JP35901799 A JP 35901799A JP 3184974 B2 JP3184974 B2 JP 3184974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
working machine
working
arm
work
machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35901799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001173015A (ja
Inventor
俊彦 清水
Original Assignee
株式会社タカハシワークス
高橋 隆造
俊彦 清水
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社タカハシワークス, 高橋 隆造, 俊彦 清水 filed Critical 株式会社タカハシワークス
Priority to JP35901799A priority Critical patent/JP3184974B2/ja
Publication of JP2001173015A publication Critical patent/JP2001173015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3184974B2 publication Critical patent/JP3184974B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
  • Shovels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行車体上に旋回
体が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に載置さ
れ、旋回体にブームとその先端のアームとから成る屈折
自在な作業アームが起伏自在に支持される土木工事や建
設工事などの作業をおこなう作業機及び、その連結構成
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から知られているバックフォーなど
油圧ショベル系の建設工事用の作業機は、作業者が2本
の操作レバーを操作して、一本のブームやアームを動作
させて、作業に応じてアーム先端に取り付けられる専用
のアタッチメントを使って、掘削や破砕等の作業をおこ
なうものであった。
【0003】図17の10で示す掘削作業をおこなう油
圧ショベルは、走行車体13上に旋回体14が旋回軸受
けを介して縦軸芯廻りに(図のr1で示す方向へ)旋回
可能に載置され、旋回体14の旋回軸近傍にブーム16
とその先端のアーム17とから成る屈折自在な一本の作
業アーム8が起伏自在に支持されている。
【0004】 また、アーム17の先端には作業に応じ
て、図においては18で示すアタッチメント(挟持、破
砕装置)が取り付けられている。そして、旋回体14上
に設けられた座席から作業者20が2本の操作レバー2
1を操作することで、ブーム16やアーム17に取り付
けられた複数の油圧シリンダ19を介して伸縮させるこ
とで、図のr2、r4で示す方向へ屈折自在に作業アー
ム8を動作させている。
【0005】 一般的には、図18の21a、21bで
示すような2本の操作レバーにより1本の作業アーム8
に指令が成されるもので、図においては、座席22の
側操作レバー21aによりバケットの上下動か、又はブ
ーム16の上下動かの何れかが選択される一方、左側操
作レバー21bによりアーム17の上下動か、又は旋回
体14の左右旋回かの何れかが選択される。このように
左右2本の操作レバー21で各々1種づつ選択された指
令(図17のr1、r2、r4、r5で示す方向)に従
って作業アーム8が起動されている。
【0006】 更に図18の23a、23bで示すフッ
トペダルは、走行車体13の左右に設けられた車軸を動
作させて、図17の26で示すクローラを介して前後走
行又は左右旋回走行をおこなわせるもので、図18の2
3aで示す側のペダルが走行車体13の右側のクローラ
26aを動作させて、23bで示す側のペダルが走行車
体13の左側のクローラ26bを動作させている。
【0007】ここで、図17の3は旋回体14を支える
走行車体13の走行フレームである。
【0008】一方、油圧ショベル系の作業機は、アタッ
チメント18の交換で掘削、破砕、解体、リフトなど多
彩な仕事をこなすもので、近年、上記作業機にもう1本
作業アームを配して、工程毎に他のアタッチメントを装
備した作業アームに切り替えて作業をおこなうことで、
アタッチメントの交換の手間を省き作業効率の向上を目
指すような構成のもが提案されている。
【0009】なお上記従来の技術においては、一人の作
業者によって1本の作業アームを動作させて、取り付け
られたアタッチメントに応じた1つの作業をおこなうも
のであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の油圧ショベ
ル等作業機の構成においては、アタッチメントの交換で
掘削、破砕、解体、リフトなど多彩な仕事をこなすもの
ではあるが、1つの仕事のみをおこなう構成のものであ
り、素早く仕事を処理するという点で必ずしも効率がよ
いとは言えず多くの問題点を有するものであった。
【0011】すなわち、例えば、コンクリート等硬い側
壁の解体作業にあっては、球状の鉄重りをアーム先端に
ロープを介して吊り上げておいて、旋回反復動作で徐々
に重りを揺らしながら、振幅の大きくなった時点で重り
を側壁にぶつけて解体する方法が知られているが、重り
を揺らす作業は周辺物に危険が伴い難しく、しかも衝突
の際のエネルギー量をコントロールすることが困難で、
このような作業にあっては側壁自身が衝撃で崩れて、倒
れてしまったりする危険すらあり、効率よく重りを揺ら
して作業をおこなわせる点で問題を有するものであっ
た。
【0012】また、砕けた側壁を挟持用のアタッチメン
トでコンクリート片を持ち上げて移動する作業の際、コ
ンクリート片に埋設されている鉄骨材が移動作業の邪魔
をしてしまう。そこで作業者は鉄骨材の切断を待ってか
らコンクリート片を移動することになるが、この間持ち
上げたコンクリート片を人手による切断作業が終了する
まで保持し続けなければなければならないという問題が
ある。更にこの場合、コンクリート片を1本の作業アー
ムで挟み上げるには、対象物の重心位置と挟持ポイント
とが異なる際は、モーメント力が挟持ポイントに働い
て、挟持ポイントに滑りが生じ易いく、対象物が重量物
である場合は大変危険である。このため、大きな力でコ
ンクリート片を挟み込まねばならない一方、対象物は破
断し易く、特に建設部材などを所定の枠に合致するよう
支えねばならない組立作業にあっては、モーメント力に
逆らって建設部材を所望の姿勢に保たねばならないが、
滑りを防止するため強烈な力で建設部材を挟まねばなら
ず、建設部材が挟持部でつぶれたり傷ついたりし易く、
さらに建設部材の強度がモーメントに逆らい保持する際
にその周辺で割れてしまったりするという問題点があ
る。
【0013】更にリフト作業で、重量物をロープなどで
吊り上げる作業の際は、作業アームを前方に伸ばして重
量物を持ち上げると作業機の機体重心位置が前方へずれ
てしまい転倒の危険を伴い、更にリフトされた重量物が
揺れることで、作業機自身が振られて転倒し易いという
問題がある。また、機体の重心が前方へずれてしまう
と、リフト力の低下を招くと共に、リフトされた重量物
の揺れは、時に重量物機材をばらけて落下させてしまう
という問題もある。
【0014】また、ビル解体作業などにあって、高所ま
で持ち上げられたアーム先端の破砕具での解体作業は、
破砕されたコンクリの破片の落下の危険を伴うことか
ら、ごく僅かづつ構造物を徐々に根気よく破砕して処理
することが要求されるが、作業時間を費やし、効率悪い
作業であった。一方、建材側壁を所望の位置で引き裂く
には、側壁が所望の位置で固定されていなければ引き裂
く作業は困難で、手間でも破砕機やカッタで除々に切断
処理するしかない。なお、建材が全く固定されてない時
は破砕機先端を裂け目に沿ってはめ込まねば破砕できな
いことから、建材の押さえが効かず大変効率の悪い作業
となるという問題を有するものであった。
【0015】上述のように、従来の構成のものにあって
は、重りを揺らす、対象物を保持する、リフト物の揺れ
や機体転倒の防止、或いは破砕作業の手間などの例にみ
られるように、解体作業や組立作業にあっては、従来の
作業機による作業では大変効率が悪く、素早く仕事を処
理するという点で多くの問題点を有している。
【0016】 一方、特H4−70452号(特開S
63−7427号)公報にあっては、1本の作業アーム
に掘削用バケットとリフト装置の2種の装置を備えるも
のが開示されているが、連続した工程を何れか一方のみ
を動作させることで、切り替えて使用しようというもの
である。しかしながら、このような構成にあっては、例
えばリフト装置で吊り上げた品物の揺れをバケット装置
で挟持して添えることで揺れを防止するようなことはで
きない。というのは作業アームを動かせば同時に両方の
装置が動いてしまう構造であり、上記同様に1つの作業
のみにしか対応できない構成であり、上述示した種々の
問題点を解決するものではない。
【0017】また、2本の作業アームを備える構成のも
のとして、実開H5−89543号公報や特開H8−3
11919号公報が知られているが、これらの公報はに
あっては、作業ポイントに対して、前後に設けられた作
業アームの何れか1本で選択的に作業をおこなうもの
で、断続的に連続した工程の作業を何れか一方の作業ア
ームが選ばれて作業をおこなうものである。この構成に
あっては異なる同一の工程が連続して続けて発生する場
合はアタッチメントを取り替える手間を省くことができ
るが、1つ1つの作業としては何ら従来の油圧ショベル
と作業効率は変わらず、1つの仕事のみにしか対応でき
ない作業機構成であり、上述示した種々の問題点を解決
するものではない。
【0018】さらに、実開H5−89544号公報で
は、1本の作業アームと形状の異なる第2の作業アーム
を作業ポイント側に設けられるものである。上記実開H
5−89543号公報のように作業者は旋回動作で作業
ポイントに向けて反転した位置へ姿勢をとる必要はない
が、上記公報構造にあっては作業アームのアタッチメン
トとしてバケットとブレーカとを備えて、上記同様に選
択的に何れか一方のアタッチメントを選択して油圧回路
を切り替えて作業をおこなう構成のものである。したが
って、同様に上述示した種々の問題点を解決するものと
は言い難い。
【0019】すなわち、上記実開H5−89543号公
報や特開H8−311919号公報或いは実開H5−8
9544号公報にあっては、一台の作業機に2本の作業
アームを備えるが、1台の作業機にあっては1つエンジ
ンが生じる油圧力には限界があり、2本の作業アームを
効率よく同時に並行して操作できず、油圧回路を切り替
えて1つの作業アームのみが動作可能なように構成され
ている。さらに、2本の作業アームを同一ポイントで作
業する好適な位置に配して作業するには機体の重心位置
との兼ね合いで転倒の危険性が増すことから困難な構成
であると言える。また、上記2本の作業アームを備える
ものは、機体がかさばり搬送しにくいという問題点を有
するものであった。
【0020】そこで、土木工事や建設工事用の作業機と
しては、作業者不足が懸念される高齢化社会において
も、1人で効率よく作業をこなすことのできるよう、2
つの作業を個別にしかも同時に同一作業ポイントにおこ
なうことのできる構成のものが望まれていた。
【0021】本発明は、摺動自在な連結構成をもたせ
て、2本の作業アームで2つの作業を個別にしかも同時
におこなうと共に、安全で比較的大きな力を発揮でき、
しかも極めて効率よく広範囲な作業に適応した建設工事
の作業機を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の可変連結型ツイ
ンアーム作業機は、上記従来例の問題点を解決するた
め、走行車体上に旋回体が旋回軸受けを介して縦軸芯廻
りに旋回可能に載置され、旋回体にブームとその先端の
アームとから成る屈折自在な作業アームが起伏自在に支
持されて成る第1の作業機と、第1の作業機に隣接し、
第1の作業機と構造略同じくして成る第2の作業機と、
第1の作業機の走行車体と第2の作業機の走行車体とを
連結する連結体と、第1の作業機の作業アームを操作す
る操作レバーと第2の作業機の作業アームを操作する操
作レバーとを共に有する操作部とを具備して、上記第1
の作業機の走行車体面と第2の作業機の走行車体面とが
連結体を介して互いに隣接間隔幅を保ち自在に摺動変位
するよう、第1の作業機と第2の作業機とが上記連結体
で連結され、上記2台の作業機を摺動自在に連結したこ
とを特徴とする。
【0023】この摺動自在な連結体の摺動範囲が当たり
部材で規制されると共に、摺動自在な連結体が摺動状態
位置で位置保持可能に固定されて成ることが好適であ
る。
【0024】そして、第1の作業機と第2の作業機との
連結が連結体の側部両端位置で各々第1の作業機と第2
の作業機に対して、摺動自在に2カ所で連結されて、更
に第1の作業機と第2の作業機とを連結する連結体が、
連結の切離し可能に設けられることが優れた連結を達成
するものとなる。
【0025】なお、第1の作業機と隣接する第2の作業
機とが略同一方向へ並んで連結体で摺動自在に連結され
て、更に摺動自在な連結体の連結体上に操作部が配設さ
れることが、操作を容易にするものとなる。
【0026】ここで、作業機に対して摺動自在な連結体
の摺動方向が、少なくともチルト角方向か、アングル角
方向かの何れかの方向へ変位可能に連結されることが好
適である。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
〜図9を参照して簡単に説明する。
【0028】本発明の可変連結型ツインアーム作業機1
は、建設工事などで使用される、走行車体13上に旋回
体14が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に載
置され、旋回体14の旋回軸近傍にブーム16とその先
端のアーム17とから成る屈折自在な一本の作業アーム
8が起伏自在に支持されて、アーム17先端にアタッチ
メント18を備えて成る第1の作業機11(油圧ショベ
ル系作業機)と、第1の作業機11に隣接し、第1の作
業機11と構造略同じくして成る第2の作業機12(第
2の油圧ショベル系作業機)と、第1の作業機11の走
行車体13と第2の作業機12の走行車体13とを連結
する連結体2と、右側に位置する作業機11の作業アー
ム5を油圧操作する右操作レバー21aと左側に位置す
る作業機12の作業アーム6を油圧操作する左操作レバ
ー21bとを各々左右に有する操作部7とを具備して、
上記第1の作業機11の走行車体13面(走行フレーム
面)と第2の作業機12の走行車体13面(走行フレー
ム面)とが連結体2を介して、互いに隣接間隔幅を保ち
自在に摺動変位可能なように、第1の作業機11と第2
の作業機12とを、機体の配置がお互い並行に揃う状態
で、上記連結体2で摺動自在に連結したものである。
【0029】この摺動自在な連結体2の摺動範囲は当た
り部材29bで規制されると共に、摺動自在な連結体2
の所望の摺動状態位置で、その位置が必要に応じて保持
可能に摺動保持部材29cで固定することができるもの
である。
【0030】 そして、第1の作業機11と第2の作業
機12との連結が作業機11,12の近傍の連結体2の
側部両端位置4(連結部)で各々第1の作業機11と第
2の作業機12に対して、摺動自在に2カ所で連結され
ていて更に、第1の作業機11と第2の作業機12とを
連結する連結体2が、摺動部分で連結ピン31を介し
て各々連結の切離しが可能なように設けられている。
【0031】なお、第1の作業機11と隣接する第2の
作業機12とが略同一方向Xを向いて並んで連結体2で
摺動自在に連結されていて、操作部7は摺動自在な連結
体2の上に配設されている。
【0032】ここで、作業機11,12に対して摺動自
在な連結体2の摺動方向とは、チルト角方向R1及びア
ングル角R2方向であり、各々の方向へ自在に変位可能
に連結されるものである。
【0033】 (作用)本発明は上記構成によって、
次のような作用を営むことができる。すなわち、走行車
体13上に旋回体14が旋回可能に載置され、旋回体1
4にブーム16とアーム17とから成る作業アーム8が
支持されて成る2台の作業機11、12が、連結体2と
の間で連結されることから、2本の作業アーム5、6を
備える構成の作業機を極めて安価な開発コストで実現す
ることができ、しかも連結構造を有した作業機の安定性
は、各作業機の重心位置が連結体2側へ互いにずれ合っ
て、互いに支え合うことで、安全で格段に安定なものと
なる。この安定な構造にあっては、作業アーム8をより
長く設けることができ、旋回を伴う作業アーム8の作業
範囲を拡張できると共に、長い作業アーム8は進行方向
前方に障害物が存在する際も障害物を上方より超えて更
に前方の目標点まで作業アーム8を伸ばして、より奥の
部分の作業ポイントに作業を施すことができる。しかも
各旋回体14に各々の作業アーム5、6が個別に設けら
れることで、両作業アーム5、6を旋回させて同一作業
ポイントに作用させたり、各々を異なる作業ポイントに
作用させたりすることができる。
【0034】また、左右に位置する作業機11、12の
左右操作レバー21a、21bを共に有する操作部7に
あっては、1人の作業者が容易に左右の操作レバー21
a、21bを左右両手で操作して、両作業アーム5、6
を個別にしかも同時に動作させることができる。ここで
機体は隣接間隔を保ち連結体2で摺動自在に連結される
ことから、左右の作業機11、12の隣接位置関係が常
に定まった状態が得られて、作業アーム8の操作感覚が
掴みやすく操作容易である。
【0035】しかも、上記2本の作業アーム8や走行車
体を備えるものであれば、仮に一方の作業機(11、1
2の作業機の一方)の何れかが溝などにはまって脱出で
きない時でも、2本の作業アーム8の一方で下方の地面
を押さえて、もう一方を上方の固定物などで支えて、地
形に合わせて両作業アーム8で機体を持ち上げる操作を
おこないながら走行装置を駆動することで、単独で簡単
に溝から脱出することができる、自己復帰性に優れた構
成である。同様に劣悪な条件の、悪路や段差或いは斜面
などにあっても、2本の作業アーム8と走行装置とを組
み合わせて走行することで容易に目的地に到達すること
ができる。更にそのような劣悪な条件の場所に進入し
て、そこに留まり1本の作業アーム8で機体の姿勢を保
ちつつ、もう1本の作業アーム8で作業をおこなわせる
ことも可能である。
【0036】すなわち、上記示す2本の作業アーム5、
6を備える構成にあっては、「作業アーム5で一つの作
業をしながら、作業アーム6で別の作業をする」という
2種の異なる作業を同時に、しかも任意の作業ポイント
で、両作業アームで補いながらおこなわせる作用を営
み、従来1本の作業アームのみでは実現しなかった、広
範囲の作業を極めて効率よくこなすことのできる作業機
を実現することができる。
【0037】また、この摺動自在な連結体2の摺動範囲
は当たり部材29bで規制されると共に、所望の摺動状
態位置で位置保持可能に固定されて成るものであれば、
当たり部材29bで規制されることで、作業機11、1
2は各々規制範囲までは自在に摺動できる一方、危険な
範囲まで摺動した際はその姿勢で支えられることで、危
険な斜面などの作業性を向上させることができる。
【0038】そして、所望の摺動状態位置で位置保持可
能に固定されることで、地形や作業現場に応じて摺動し
た状態で連結が固定されることになる。したがって、例
えば機体の重心位置がブーム根本の間近にある1台の作
業機の構造では、作業アーム8を伸ばしきって作業する
とバランスが崩れて、作業アーム8の反力をもろに受け
て機体が逆にズレ易い構造であるが、一方連結が固定さ
れた構造にあっては、ブーム16に対して重心位置まで
の距離がかせげて、大きなトルクを生じる安定性ある安
全な構造である。尚かつ、1本の作業アームでは力が出
し切れない作業にあっても、フリーとなるもう1本の腕
に対応する作業アームで、モーメントを打ち消す好適な
位置の地面を押さえながら、或いは何か固定物で支えな
がら作業をおこなうことで、機体の重心位置からの距離
を更にかせいで、反作用力を受けてモーメントが生じな
いよう支える構造を固定物と支え側作業アームと連結体
との3者間に生じて、動作する作業アーム8の作用力を
逃がすことなく合成した力で印加して、対象物に大きな
力を作用させることができる。
【0039】しかも、2本の作業アーム5、6が作業対
象物を互いに引き合ったり、押し合ったりした際でも、
連結して固定された構造ゆえに反作用力が内力としてキ
ャンセルされる略三角形ループ構造(連結体を底辺とす
る旋回自在な2本の作業アームで成す三角形)を成し
て、作業アーム5、6の作用力を逃がすことなく合成し
た力で印加して、対象物に大きな力を作用させることが
できる。そして、ブーム16とアーム17で構成される
2本の作業アーム8は、両作業アーム5、6の可動範囲
内の自在な位置に上記作用点を作用させることができ
る。
【0040】さらに、第1の作業機11と第2の作業機
12との連結が連結体2の側部両端位置で各々第1の作
業機11と第2の作業機12に対して、摺動自在に2カ
所で連結されていて更に、第1の作業機11と第2の作
業機12とを連結する連結体2が連結の切離しが可能な
ように設けられるものであれば、2カ所で摺動自在に連
結されることで、各々左右の作業機11、12が各々の
下方の地形に合致した傾斜に摺動した地形から応力を受
けない状態で、連結体2を左右の状況に大きく依存され
ることなく、左右均等に姿勢を保つ一方、例えば上述の
固定による反作用をキャンセルするループも、機体とし
ては安定したで状態でムリなく反力を吸収できる姿勢を
得ることができる。
【0041】また、連結体2が連結の切離しが可能なよ
うに設けられるなら、機体を輸送する際は、大きな機体
を第1の作業機11と第2の作業機12と連結体2とに
分離できて、極めて容易に搬送することができる。しか
も連結を解いて個別に作業させるよう設けることも容易
であり、その際は作業アーム8を備えた各作業機11、
12にあっては、搬送先の現場で容易に自身の機体を連
結状態に組み付けることができる。
【0042】なお、第1の作業機11と隣接する第2の
作業機12とが略同一方向Xを向いて並んで連結体2で
摺動自在に連結されていて、操作部7は摺動自在な連結
体2の上に配設されるものであれば、連結体2を走行車
体13の走行方向が各々揃って並列状に設ける横列連結
や直線状に並んで面長に設ける縦列連結が可能であり、
例えば横列連結を成せば、方向転換や前後進がやり易す
く、走行安定性に優れしかも機動性に富む構成を得るも
のとなり、自在に動き回り、多様な作業に対応するよう
な用途に適した構造を実現する一方、例えば縦列連結を
成せば、作業機幅が狭い形状で、道路の片車線のみを占
有するだけの幅で工事をおこなうことができて、道路側
面工事や河川岸工事など略直線状に沿って作業ポイント
が連続して存在するような用途に適した構造を実現する
ことができる。
【0043】更に操作部7が摺動自在な連結体2の上に
配設されるものであれば、上記横列連結(か縦列連結)
をもたせることで、旋回体14上の作業アーム5、6は
走行方向へ向けて(或いはそれに直交する方向へ)旋回
できることから、操作部7の前方へ両作業アーム5、6
を旋回させて、連結体2上の操作部7の前方で作業をお
こなう構成を得るものとなり、しかも作業機11、12
の中間に操作部7が位置して、左右の作業アーム5、6
を作業者は相対する左右の手で個別に操作できる操作容
易な構成を得ることができる。
【0044】また、連結体2上の操作部7にあっては、
操作部7は作業機11、12のエンジンの振動や騒音を
直下で受けることなく低減されて、作業アーム8からの
反動衝撃の直撃も回避することができ、快適な作業空間
(操作部キャビン)を提供することができる。特に上記
示した、2点で摺動連結するものにあっては、連結体2
は左右走行車体13の状況に大きく依存されることな
く、左右均等に姿勢を保つ部位であることから、連結体
2上の操作部7は周辺状況に大きく依存することなく安
定した姿勢を保ち、作業性を向上させるものとなる。
【0045】ここで、作業機11,12に対して摺動自
在な連結体2の摺動方向が、チルト角方向R1及びアン
グル角R2方向であれば、走行車体13と互いに隣接間
隔を保ち自在に摺動させることができて、前後の昇りや
下り、或いは左右の上下傾斜に依存せず左右作業機1
1、12を各々地形に応じた、地形から応力を受けない
姿勢に保つ機構を簡単に実現することができる。
【0046】以上の如く本発明の可変連結型ツインアー
ム作業機1は、土木工事や建設工事用の作業機として、
作業者不足が懸念される高齢化社会においても、2台の
作業機を摺動自在に連結して個別に動作する2本の作業
アームを備えて、操作部から1人で効率よく作業をこな
し、2つの作業を個別にしかも同時におこなう構成を実
現することができる。
【0047】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1〜図9は本発明の実施例を
示すものである。図1は本発明を土木作業や建設工事な
どで使用される油圧ショベルに適用したもので、図の1
で示すツインアーム作業機は、走行車体13上に旋回体
14が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に載置
され、旋回体14の旋回軸近傍にブーム16とその先端
のアーム17とから成る屈折自在な一本の作業アーム8
が起伏自在に支持されて、アーム17先端にアタッチメ
ント18を備えて成る第1の作業機11(油圧ショベ
ル)と、第1の作業機11に隣接し、第1の作業機11
と構造略同じくして成る第2の作業機12(第2の油圧
ショベル)と、第1の作業機11の走行車体13と第2
の作業機12の走行車体13とを連結する連結体2と、
右側に位置する作業機11の作業アーム5を油圧操作す
る右操作レバー21aと左側に位置する作業機12の作
業アーム6を油圧操作する左操作レバー21bとの左右
操作レバー21を各々左右に共に有する操作部7とを備
える。
【0048】 そして、上記第1の作業機11の走行車
体13面と第2の作業機12の走行車体13面とが連結
体2を介して、互いに隣接間隔幅を保ち自在に摺動変位
可能なように、第1の作業機11と第2の作業機12と
を上記連結体2で摺動自在に連結されている。ここで、
作業アーム8の各リンク部の屈折方向は一軸方向のみに
可動可能に枢支されているものである。なお、図1に示
す19は油圧シリンダ、23は一対の走行ペダル、26
クローラ、20は作業者である。
【0049】図1の4は、第1の作業機11の側面の走
行フレーム3と第2の作業機12の側面の走行フレーム
3との連結部を示すもので、連結部4は連結ピンで蝶番
上に摺動変位可能にかつ、連結ピンの抜き差しで両作業
機11、12が切離し可能に連結されている。そして、
この連結は両作業機11、12が横列状に並んで、走行
フレーム3の側面で連結されている。
【0050】また、図2の7はキャビン15内に設けら
れた操作部を示すもので、連結体2上に設けられてい
る。そして、キャビン15の左右両端位置に連結部4を
備えて、2カ所で切離し可能に、かつ2カ所で摺動自在
に連結したものである。なお、図2は図1と略同一構成
であり、共通部分に同一符号を付し詳細な説明は省略す
る。
【0051】 一方、他の連結方法として、図3の3で
示す走行フレームには、連結補助部材3a、3bが設け
られ、図の2で示す連結体に設けられた連結補助部材2
aとの間で、R2(アングル角)方向とR1(チルト
角)方向とに変位可能に連結されている。ここで、図の
30で示すトーションバネは、連結部4で図のR1、R
2で示す方向へ各作業機11、12が自在に摺動変位し
た際に、連結姿が元のポジション状態位置に戻るよう
に、摺動方向とは逆の方向へテンションを印加する役目
を果たしている。また、図の31bはR1方向へのみ変
位可能なコロ部材を示し、図の31aはR2方向へのみ
変位可能な連結ピンを示している。そして、連結ピン3
1aは取外しが可能に設けられている。なお、図の26
クローラ位置を示すものである。
【0052】このような連結にあっては図1に示すよう
に、第1の作業機11と隣接する第2の作業機12とが
走行方向に並行して同一方向に並んで、機体の側面近傍
位置の走行フレーム3同士を連結体2で横列状に摺動自
在に連結されたものである。
【0053】また、図2に示す操作部7はキャビン15
内に設けられた構造を成し、連結体2上に走行方向Xに
向いて、X方向に並行して設けられた図1同様の横列連
結例を示すものである。したがって、ここでは操作部7
は摺動自在な連結体2の上に配設されている。
【0054】 この横列状の可動連結構造にあっては、
走行フレーム3が連結されても、その上部に位置する旋
回体14a、14bは自在に旋回可能であり、操作部7
の前面方向(図のXで示す方向)に2本の作業アーム
8両方を旋回させることができる。しかも全ての走行装
置13が同一方向(図のXで示す方向)を成すことか
ら、機動性に富む連結構造である。また、作業現場の地
面の凹凸や傾斜に応じて連結部4が可動変位することか
ら、機体が不安定となることなく、走行車体13がしっ
かりと地面を捕らえることができる。そして、この安定
した姿勢にあって、ブーム16とアーム17とで構成さ
れる作業アーム8は、ブーム長とアーム長との長腕で得
られる広範囲の旋回領域で自在に可動するものとなる。
【0055】一方、図4及び図5は、上記図1及び図2
の横列連結を縦列連結に変更した例である。そこで、図
4、図5においては、図1、図2と共通する部分に同一
符号を付し詳細な説明は省略する。
【0056】図4のツインアーム作業機1も上記同様
に、第1の作業機11の走行車体13面と第2の作業機
12の走行車体13面とが連結体2を介して、互いに隣
接間隔幅を保ち自在に摺動変位可能なように、第1の作
業機11と第2の作業機12とを上記連結体2で摺動自
在に連結されている。
【0057】また、図4の4は、第1の作業機11の側
面の走行フレーム3と第2の作業機12の側面の走行フ
レーム3との連結部を示すもので、連結部4が連結ピン
で蝶番上に摺動変位可能にかつ、連結ピンの抜き差しで
両作業機11、12が切離し可能に連結されている。そ
して、この連結は両作業機11、12が縦列状に並ん
で、走行フレーム3の前後面(走行方向面)で連結され
ている。
【0058】なお、図5の7はキャビン15内に設けら
れた操作部を示すもので、連結体2上に設けられてい
る。そして、キャビン15の左右両端位置に連結部4を
備えて、2カ所で切離し可能に、かつ2カ所で摺動自在
に連結したものである。
【0059】 一方、他の連結方法として、図6の3で
示す走行フレームには、連結補助部材3a、3bが設け
られ、図の2で示す連結体に設けられた連結補助部材2
aとの間で、R2(アングル角)方向とR1(チルト
角)方向とに変位可能に連結されている。ここで、図の
30で示すトーションバネは、連結部4で図のR1、R
2で示す方向へ各作業機11、12が自在に摺動変位し
た際に、連結姿が元のポジション状態位置に戻るよう
に、摺動方向とは逆の方向へテンションを印加する役目
を果たしている。また、図の31bはR1方向へのみ変
位可能なコロ部材を示し、図の31aはR2方向へのみ
変位可能な連結ピンを示している。そして、連結ピン3
1aは取外しが可能に設けられている。なお、図の26
クローラ位置を示すものである。
【0060】このような連結にあっては図4に示すよう
に、第1の作業機11と隣接する第2の作業機12とが
走行方向に並行して同一方向に並んで、機体の前後面近
傍位置の走行フレーム3同士を連結体2で横列状に摺動
自在に連結されたものである。
【0061】また、図5に示す操作部7はキャビン15
内に設けられた構造を成し、連結体2上に走行方向Yに
直交する方向Xを向いて、Y方向に直線状に並んで設け
られた図4同様の縦列連結例を示すものである。したが
って、ここでは操作部7は摺動自在な連結体2の上に配
設されている。
【0062】この縦列状の可動連結構造にあっては、走
行フレーム3が連結されても、その上部に位置する旋回
体14a、14bは自在に旋回可能であり、操作部7の
前面方向(図のXで示す方向)に2本の作業アーム8両
方を旋回させることができる。しかも全ての走行装置1
3が同一方向(図のYで示す方向)を成すことから、略
Y方向ラインに沿って連続的に作業ポイントが存在する
用途に適した連結構造である。また、作業現場の地面の
凹凸や傾斜に応じて連結部4が可動変位することから、
機体が不安定となることなく、走行車体13がしっかり
と地面を捕らえることができる。そして、この安定した
姿勢にあって、ブーム16とアーム17とで構成される
作業アーム8は、ブーム長とアーム長との長腕で得られ
る広範囲の旋回領域で自在に可動するものとなる。
【0063】ここで図3、図6で示す横列状または縦列
状に連結された可動部(連結部4)は、図7(a)の矢
印(アングル角)方向へ可動変位可能となると共に、図
7(b)の矢印(チルト角)方向へも可動変位可能とな
る。
【0064】なお、この摺動自在な可動変位機構は上記
実施例に限定するものではなく、例えば、図8(a)の
2で示す連結体は、図の矢印で示すアングル角方向への
摺動範囲を当たり部材29b(摺動範囲規制部材)で規
制すると共に、図8(b)の29cで示す油圧シリンダ
(摺動保持部材)で、図の矢印方向で示す所望の摺動状
態位置で、その位置が位置保持可能に固定することがで
きるものである。ここで油圧シリンダ29cは通常は油
圧力を保持せず背圧のみ(又は僅かな油圧力のみ)が印
加していて伸縮自在に設けられていて、一方固定したい
際には、方向弁などで油圧力を保持して伸縮せぬよう位
置固定されるものである。また、図8(c)の28cで
示すピンは、図の矢印で示す方向に差し抜き可能に設け
られた蝶番構造のピン体を成している。この蝶番29a
により図の3b側が、図8(b)のdで示す間隔を保っ
て可動するものである。
【0065】ここで図8に示す3bは走行フレーム3へ
の取付部材を示すものである。なお、図8(a)(b)
(c)においては、各々に同一符号を付し詳細な説明は
省略する。
【0066】 他方、例えば、図9(a)の2で示す連
結体は、図の矢印で示すチルト角方向への摺動範囲を当
たり部材29b(摺動範囲規制部材)で規制すると共
に、図9(b)の29cで示す油圧シリンダ(摺動保持
部材)で、図の矢印方向で示す所望の摺動状態位置で、
その位置が位置保持可能に固定することができるもので
ある。ここで油圧シリンダ29cは通常は油圧力を保持
せず背圧のみ(又は僅かな油圧力のみ)が印加していて
伸縮自在に設けられていて、一方固定したい際には、方
向弁などで油圧力を保持して伸縮せぬよう位置固定され
るものである。また、この場合も同様に、図9(c)の
dで示す間隔を保って可動するものである。ここで図9
に示す3は走行フレーム3への取付部材を示すもので
ある。また4は連結部の可動枢支軸を示している。な
お、図9(a)(b)(c)においては、各々に同一符
号を付し詳細な説明は省略する。
【0067】以上のように上記実施例においては、作業
現場の地面などの状況に応じて摺動変位する構成で、状
況に応じた安定した横列状或いは縦列状の連結を得るこ
とができる。
【0068】なお、本実施例において、連結部4を構成
する走行フレーム3間の連結は、例えば作業機のブレー
ドなどを利用して連結してもよい。さらに、少なくとも
操作部7内に左右作業機の操作レバー21a、21bを
共に備えるものであれば、機体の何れの場所に他の操作
レバー21等が別途設けられていてもかまわない。すな
わち本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを
本発明の範囲から排除するものではない。
【0069】次に、上述の連結構成で2本の作業アーム
を備えた本発明の応用例を図10〜図16を参照して説
明する。
【0070】 図10の太点線で示すA1(第1の作業
機)、A2(連結体)、A3(第2の作業機)は、互い
に連結し固定されている状態を示すもので、右作業アー
ム5はA1に、左作業アーム6はA3に各々設置されて
いる。この2本の作業アームで掴まれた部材75は、図
のF1で示す方向(部材75を収縮させる方向)へ作業
アーム5、6が動作すると、その反作用(図のfで示す
の方向)を受けることになる。しかしながら、右作業ア
ーム5−A1−A2−A3−左作業アーム6で示す略三
角形のループBは、A1−A2−A3が固定されてい
るが故、反作用力を逃がすことなく、反作用力の合成ベ
クトルをキャンセルして、大きな作用力F1を部材75
に印加することができる構造である。また図のF2で示
す方向(部材75を伸張する方向)についても上記F1
方向の場合と同様に、反作用力は略三角形のループBで
キャンセルされて2本の作業アームで大きな力を印加す
ることができる。従って、例えば連結が成されてない2
台の作業機による構成のものと比較すると、相互に機体
のズレが生じて反作用力を逃がしてしまい、物体に大き
な力を印加できないもを、連結構造の作業機は互いに相
対位置が固定されているため反作用力を逃がすことなく
大きな力を発揮できる。
【0071】更に、作業アーム5、6で図のF3で示す
方向(部材75を曲げる方向)へ力を印加する場合は、
作業アーム5、6を略同一作業ポイントに作用させるこ
とができ、例えば一方の作業アームで部材75を固定し
て、もう一方の作業アームで曲げ加工をおこなう作業
や、或いは両方の作業アーム5、6で曲げ力を印加して
曲げ加工をおこなう作業を実現することができる。この
ように、1本の作業アームでは部材75がフリーな状態
にあっては、上手く曲げ力などを印加できないものを、
2本の作業アームにあっては作用力を逃がすことなく容
易に作業ポイントへ印加することができる。
【0072】 図11の太点線のZで示す部分は、第1
の作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で
固定され、それらに作業アーム5、6が各々設置されて
いることを示すものである。ここで、図の作業アーム5
で吊り上げられたバケツ60は土や砂、小石などをすく
う工具9である。一方、バケツ60内の土砂が重量物で
ある場合、或いは作業アーム5を伸ばしきって作業をせ
ねばならない場合などは、機体の重心位置が前方へ移動
して転倒の危険、或いはバケツ60が揺れたり、傾いて
土砂をこぼしてしまう危険があるが、連結構造で安定し
た重心位置を確保する構造であれば、より遠くの、より
重い対象物を吊り上げることができ、しかも図の6で示
す連結されたもう一本の作業アームでバケツ60の底側
面などを挟持してやることで、安定して吊り上げ作業を
おこなわせることができる。
【0073】また、作業アーム6を図のGで示す地面な
ど固定物に設けて、図のYで示す固定ループを形成する
ことで、重心位置が固定されて、転倒の危険なく大きな
力で対象物をリフトすることができる。これは、通常の
作業機にあっては、作業アームを伸ばすと、機体が浮い
てしまい殆どリフト力が得られないものを、図のYで示
す固定ループで支えることで、遙かに大きなリフト力を
生じるものとなる。しかも図のGで示すポイントは、作
業アームであるが故に、作業現場の状況に応じて自在な
位置に設けることが可能である。
【0074】 図12の太点線のZで示す部分は、第1
の作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で
固定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置
されていることを示すものである。ここで、一方の作業
アーム6は固定物Gであるコンクリート壁54を掴み、
もう一方の作業アーム5で破壊工具9となる金槌55を
掴んでいる。ここで図の74は工具9の抜け防止ロープ
を示している。そこで、ブームとアームを振りかざすこ
とで、例えゆっくりとした動作であっても、手首のスナ
ップを効かせるが如くの連続動作で振り下ろし動作をお
こなえば、長尺状の取手を備える金槌55の先端は、大
きな加速度を得て、図の矢印で示す方向へ大きな破壊力
を生じることができる。これは、工具9からの反作用
影響で機体が逆に振り回されることなく、連結構成が故
に、図ので示す固定ループで支えて、金槌55に大き
な力を作用させることができるため得られるものであ
る。そこで、金槌55で叩かれたコンクリート壁54
は、その部分が破壊されることになるが、仮に壁全体が
壊れて崩れかけても、作業アーム6で支えられていれば
一気に崩れ去ることのない安全な作業をおこなわせるこ
とができる。
【0075】 図13の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6はコンクリート片56を掴み、もう一方の作業ア
ーム5は切断工具9であるニッパー58を掴んでいる。
ここで例えば震災によるビル崩壊や解体現場などにあっ
て、解体物を処理する作業において、図の56で示すコ
ンクリート片などには鉄骨材57が埋設されているた
め、作業アーム6はコンクリート片56を図の矢印方向
へ持ち上げることができても、それらを移動させるに
は、人手で鉄骨材57を切断しなければならないが、人
手を借りることなく、保持されたコンクリート片56に
絡む鉄骨材57を、もう一本の作業アーム5により、テ
コを利用したニッパー58で切断することができる。そ
こで作業アーム6は作業を中断することなくスムーズに
効率よくコンクリート片56を移動させることが可能と
なる。
【0076】 図14の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6はブロック59を掴み、もう一方の作業アーム5
はブロック積みの組立補助をおこなっている。すなわち
作業アーム5は図の矢印で示す方向へ組み付けられたブ
ロック59を押さえる役割を担当し、ブロック組み付け
状態が崩壊することを防止している一方、作業アーム6
は次々とブロック59を供給する役割を担当している。
各々が異なる2種の作業を独自にしかも同時におこなう
と共に、連結された作業アーム同士は、作業進行に応じ
て走行をおこない作業ポイントを移動した際も、作業ア
ーム同士の相対位置関係が一定であることから、容易に
作業位置関係をつかむことができる。
【0077】 図15の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6は防御工具9である塵取り62を掴み、もう一方
の作業アーム5は破砕工具9である釘抜き61を掴み高
所作業をおこなっている。2種の異なる工具9を両作業
アーム5、6に備えることができると共に、各々異なる
作業を同一作業ポイントにおこなわせるものである。そ
こで、一方の作業アーム5で高所に位置するコンクリー
ト壁54を釘抜き61で割って解体すると共に、もう一
方の作業アーム6で、解体で生じる破片56が落下せぬ
よう塵取り62で受けている。この落下物の処理は人命
にも関わる重要なポイントであるが、連結構造が故に、
次々と作業ポイントが移動して落下物を処理する塵取り
62を作業ポイントに沿わせる際に、相対位置関係にあ
る両作業アーム5、6は、走行移動(図のX方向)に関
わらず、その位置関係が把握し易く、安全にしかもスム
ーズに落下物処理などの作業をおこなわせることができ
る。
【0078】 図16の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム5は建築組み付け用の製品機材63を掴み、もう一
方の作業アーム6はその機材63を挟持してリフト作業
をおこなっている。仮に一本の作業アーム5のみで機材
63を掴み上げる場合は、その重心位置との関係で、図
のRiで示す方向に回転モーメントを生じて滑りやすく
なる。そこで強い力で対象物を挟む必要があるが、製品
(機材63)がつぶれたり傷つき易くなり、しかも組立
姿勢に合致するよう機材63を図のRj方向へ設けよう
とすると、図の点線矢印で示す製品(機材63)の挟持
位置周辺に歪みが生じて割れなどが発生してしまう。他
方、もう一方の作業アーム6で機材63の低側面を支え
る場合は、上記RiやRi又は点線矢印の要因をキャン
セルして、しかも作業アーム5の挟持力を殆ど必要とせ
ずに機材63を好みの姿勢に保つことが可能となる。組
立姿勢に保たれた機材63は、連結構成で両作業アーム
5、6の相対位置関係が一定に保たれるが故、組立位置
(図のXで示す方向)まで、その姿勢を維持した状態で
走行して運ぶことができる。
【0079】以上のように上記応用例にあっては、摺動
自在な安定した連結で、2本の作業アームは、大きな力
を発揮できて効率よく広範囲な作業に対応することがで
きる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、摺動自在な連結構成を
もたせて、2本の作業アームで2つの作業を個別にしか
も同時におこなうと共に、安全で比較的大きな力を発揮
でき、しかも極めて効率よく広範囲な作業に適応した建
設工事の作業機を提供することができる。
【0081】また、横列状或いは縦列状に、しかも地面
などの状況に応じて摺動変位可能に安定した連結を容易
に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図。
【図2】横列連結を示す斜視図。
【図3】その連結構造を示す断面図。
【図4】他の実施例を示す斜視図。
【図5】縦列連結を示す斜視図。
【図6】その連結構造を示す断面図。
【図7】変位方向を示す概念図。
【図8】可動構造を示す概念図。
【図9】他の可動構造を示す概念図。
【図10】応用例を示す原理図。
【図11】応用例を示す原理図。
【図12】応用例を示す原理図。
【図13】応用例を示す原理図。
【図14】応用例を示す原理図。
【図15】応用例を示す原理図。
【図16】応用例を示す原理図。
【図17】従来例を示す斜視図。
【図18】その操作部を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ツインアーム作業機 2 連結体 3 走行フレーム 4 連結 5 (右側に位置する)第1作業アーム 6 (左側に位置する)第2作業アーム 7 操作部 8 作業アーム 10 油圧ショベル(又はバックフォ) 11 第1の作業機(油圧ショベル) 12 第2の作業機(油圧ショベル) 13 走行車体 14、14a、14b 旋回体 16 ブーム 17 アーム 21 操作レバー 23 ペダルレバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 9/00 E02F 3/36 E02F 3/96 E04G 23/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車体上に旋回体が旋回軸受けを介し
    て縦軸芯廻りに旋回可能に載置され、旋回体にブームと
    その先端のアームとから成る屈折自在な作業アームが起
    伏自在に支持されて成る第1の作業機と、 第1の作業機に隣接し、第1の作業機と構造略同じくし
    て成る第2の作業機と、 第1の作業機の走行車体と第2の作業機の走行車体とを
    連結する連結体と、 第1の作業機の作業アームを操作する操作レバーと第2
    の作業機の作業アームを操作する操作レバーとを共に有
    する操作部とを具備して、 上記第1の作業機の走行車体面と第2の作業機の走行車
    体面とが連結体を介して互いに隣接間隔幅を保ち自在に
    摺動変位するよう、第1の作業機と第2の作業機とが上
    記連結体で連結され、 上記2台の作業機を摺動自在に連結したことを特徴とす
    る可変連結型ツインアーム作業機。
  2. 【請求項2】 摺動自在な連結体の摺動範囲が当たり部
    材で規制されて成る請求項1記載の可変連結型ツインア
    ーム作業機。
  3. 【請求項3】 摺動自在な連結体が摺動状態位置で位置
    保持可能に固定されて成る請求項1又は2記載の可変連
    結型ツインアーム作業機。
  4. 【請求項4】 第1の作業機と第2の作業機との連結が
    連結体の側部両端位置で各々第1の作業機と第2の作業
    機に対して、摺動自在に2カ所で連結されて成る請求項
    又は2又は3記載の可変連結型ツインアーム作業機。
  5. 【請求項5】 第1の作業機と第2の作業機とを連結す
    る連結体が、連結の切離し可能に設けられて成る請求項
    又は又は3又は4記載の可変連結型ツインアーム作
    業機。
  6. 【請求項6】 第1の作業機と隣接する第2の作業機と
    が略同一方向へ並んで連結体で摺動自在に連結されて成
    る請求項1又は又は又は4又は5記載の可変連結型
    ツインアーム作業機。
  7. 【請求項7】 摺動自在な連結体の連結体上に操作部が
    配設されて成る請求項1又は又は又は又は5又は
    6記載の可変連結型ツインアーム作業機。
  8. 【請求項8】 作業機に対して摺動自在な連結体の摺動
    方向が、少なくともチルト角方向か、アングル角方向か
    の何れかの方向へ変位可能に連結されて成る請求項1
    又は又は又は又は6又は7記載の可変連結型
    ツインアーム作業機。
JP35901799A 1999-12-17 1999-12-17 可変連結型ツインアーム作業機 Expired - Fee Related JP3184974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35901799A JP3184974B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 可変連結型ツインアーム作業機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35901799A JP3184974B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 可変連結型ツインアーム作業機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001173015A JP2001173015A (ja) 2001-06-26
JP3184974B2 true JP3184974B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=18462322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35901799A Expired - Fee Related JP3184974B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 可変連結型ツインアーム作業機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3184974B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105442652A (zh) * 2016-01-07 2016-03-30 厦门理工学院 一种多工作臂的工程车
CN105625492A (zh) * 2016-01-07 2016-06-01 厦门理工学院 一种安全型工程车

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105442652A (zh) * 2016-01-07 2016-03-30 厦门理工学院 一种多工作臂的工程车
CN105625492A (zh) * 2016-01-07 2016-06-01 厦门理工学院 一种安全型工程车
CN105625492B (zh) * 2016-01-07 2019-01-22 厦门理工学院 一种安全型工程车
CN105442652B (zh) * 2016-01-07 2019-01-22 厦门理工学院 一种多工作臂的工程车

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001173015A (ja) 2001-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002161547A (ja) 積載型ツインアーム作業機
EP1062390B1 (en) Rotatable implement depth control apparatus
JPH11181815A (ja) 作業機械
JP4677190B2 (ja) 土木作業および、載荷を昇降および移送するなどの他の作業用の可動装置
JPH07150892A (ja) 油圧掘削機
US3989149A (en) Excavating device
JP3184974B2 (ja) 可変連結型ツインアーム作業機
US4908967A (en) Heavy duty rock trencher
JP3314067B2 (ja) アームレバーを備えたツインアーム作業機
JP3314065B2 (ja) 走行装置付ツインアーム作業機
JP3328695B2 (ja) 連結型ツインアーム作業機
JP3314064B2 (ja) 保護装置付ツインアーム作業機
JP3314068B2 (ja) 連結固定型ツインアーム作業機
JP3184972B2 (ja) 遠隔操作によるツインアーム作業機
JP3314066B2 (ja) ツイン作業アーム作業機
JP3184973B2 (ja) 掴みハンドを備えたツインアーム作業機
JP3868370B2 (ja) 移動式作業車
JP3314063B2 (ja) 制御装置付ツインアーム作業機
AU2009243213B2 (en) Excavator, mounting device and excavator tool
JPH09194183A (ja) 型鋼の架設解体機
JP2014020012A (ja) 建設機械の作業装置
JP2008202325A (ja) 掘削機械のブームシリンダ支持構造及び運転方法
JPH09268557A (ja) 杭打抜装置
JP2002335733A (ja) 伐採物移動機構を備えた草刈り機
JPH061586Y2 (ja) 鋼材取り扱い機

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees