JP3184972B2 - 遠隔操作によるツインアーム作業機 - Google Patents

遠隔操作によるツインアーム作業機

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俊彦 清水
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株式会社タカハシワークス
高橋 隆造
俊彦 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行車体上に旋回
体が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に載置さ
れ、旋回体にブームとその先端のアームとから成る屈折
自在な作業アームが起伏自在に支持される土木工事や建
設工事などの無人作業をおこなう遠隔操作の作業機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から知られているバックフォーなど
油圧ショベル系の建設工事用の作業機は、作業者が2本
の操作レバーを操作して、一本のブームやアームを動作
させて、作業に応じてアーム先端に取り付けられる専用
のアタッチメントを使って、掘削や破砕等の作業をおこ
なうものであった。
【0003】図21の10で示す掘削作業をおこなう油
圧ショベルは、走行車体13上に旋回体14が旋回軸受
けを介して縦軸芯廻りに(図のr1で示す方向へ)旋回
可能に載置され、旋回体14の旋回軸近傍にブーム16
とその先端のアーム17とから成る屈折自在な一本の作
業アーム8が起伏自在に支持されている。
【0004】 また、アーム17の先端には作業に応じ
て、図においては18で示すアタッチメント(挟持、破
砕装置)が取り付けられている。そして、旋回体14上
に設けられた座席から作業者20が2本の操作レバー2
1を操作することで、ブーム16やアーム17に取り付
けられた複数の油圧シリンダ19を介して伸縮させるこ
とで、図のr2、r4で示す方向へ屈折自在に作業アー
ム8を動作させている。
【0005】 一般的には、図22の21a、21bで
示すような2本の操作レバーにより1本の作業アーム8
に指令が成されるもので、図においては、座席22の右
側操作レバー21aによりバケットの上下動か、又はブ
ーム16の上下動かの何れかが選択される一方、左側操
作レバー21bによりアーム17の上下動か、又は旋回
体14の左右旋回かの何れかが選択される。このように
左右2本の操作レバー21で各々1種づつ選択された指
令(図21のr1、r2、r4、r5で示す方向)に従
って作業アーム8が起動されている。
【0006】 更に図22の23a、23bで示すフッ
トペダルは、走行車体13の左右に設けられた車軸を動
作させて、図21の26で示すクローラを介して前後走
行又は左右旋回走行をおこなわせるもので、図22の2
3aで示す側のペダルが走行車体13の右側のクローラ
26aを動作させて、23bで示す側のペダルが走行車
体13の左側のクローラ26bを動作させている。
【0007】ここで、図21の3は旋回体14を支える
走行車体13の走行フレームである。
【0008】一方、油圧ショベル系の作業機は、アタッ
チメント18の交換で掘削、破砕、解体、リフトなど多
彩な仕事をこなすもので、近年、上記作業機にもう1本
作業アームを配して、工程毎に他のアタッチメントを装
備した作業アームに切り替えて作業をおこなうことで、
アタッチメントの交換の手間を省き作業効率の向上を目
指すような構成のもが提案されている。
【0009】なお上記従来の技術においては、一人の作
業者によって1本の作業アームを動作させて、取り付け
られたアタッチメントに応じた1つの作業をおこなうも
のであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の油圧ショベ
ル等作業機の構成においては、アタッチメントの交換で
掘削、破砕、解体、リフトなど多彩な仕事をこなすもの
ではあるが、1つの仕事のみをおこなう構成のものであ
り、素早く仕事を処理するという点で必ずしも効率がよ
いとは言えず多くの問題点を有するものであった。
【0011】すなわち、例えば、コンクリート等硬い側
壁の解体作業にあっては、球状の鉄重りをアーム先端に
ロープを介して吊り上げておいて、旋回反復動作で徐々
に重りを揺らしながら、振幅の大きくなった時点で重り
を側壁にぶつけて解体する方法が知られているが、重り
を揺らす作業は周辺物に危険が伴い難しく、しかも衝突
の際のエネルギー量をコントロールすることが困難で、
このような作業にあっては側壁自身が衝撃で崩れて、倒
れてしまったりする危険すらあり、効率よく重りを揺ら
して作業をおこなわせる点で問題を有するものであっ
た。
【0012】また、砕けた側壁を挟持用のアタッチメン
トでコンクリート片を持ち上げて移動する作業の際、コ
ンクリート片に埋設されている鉄骨材が移動作業の邪魔
をしてしまう。そこで作業者は鉄骨材の切断を待ってか
らコンクリート片を移動することになるが、この間持ち
上げたコンクリート片を人手による切断作業が終了する
まで保持し続けなければなければならないという問題が
ある。更にこの場合、コンクリート片を1本の作業アー
ムで挟み上げるには、対象物の重心位置と挟持ポイント
とが異なる際は、モーメント力が挟持ポイントに働い
て、挟持ポイントに滑りが生じ易いく、対象物が重量物
である場合は大変危険である。このため、大きな力でコ
ンクリート片を挟み込まねばならない一方、対象物は破
断し易く、特に建設部材などを所定の枠に合致するよう
支えねばならない組立作業にあっては、モーメント力に
逆らって建設部材を所望の姿勢に保たねばならないが、
滑りを防止するため強烈な力で建設部材を挟まねばなら
ず、建設部材が挟持部でつぶれたり傷ついたりし易く、
さらに建設部材の強度がモーメントに逆らい保持する際
にその周辺で割れてしまったりするという問題点があ
る。
【0013】更にリフト作業で、重量物をロープなどで
吊り上げる作業の際は、作業アームを前方に伸ばして重
量物を持ち上げると作業機の機体重心位置が前方へずれ
てしまい転倒の危険を伴い、更にリフトされた重量物が
揺れることで、作業機自身が振られて転倒し易いという
問題がある。また、機体の重心が前方へずれてしまう
と、リフト力の低下を招くと共に、リフトされた重量物
の揺れは、時に重量物機材をばらけて落下させてしまう
という問題もある。
【0014】また、ビル解体作業などにあって、高所ま
で持ち上げられたアーム先端の破砕具での解体作業は、
破砕されたコンクリの破片の落下の危険を伴うことか
ら、ごく僅かづつ構造物を徐々に根気よく破砕して処理
することが要求されるが、作業時間を費やし、効率悪い
作業であった。一方、建材側壁を所望の位置で引き裂く
には、側壁が所望の位置で固定されていなければ引き裂
く作業は困難で、手間でも破砕機やカッタで除々に切断
処理するしかない。なお、建材が全く固定されてない時
は破砕機先端を裂け目に沿ってはめ込まねば破砕できな
いことから、建材の押さえが効かず大変効率の悪い作業
となるという問題を有するものであった。
【0015】上述のように、従来の構成のものにあって
は、重りを揺らす、対象物を保持する、リフト物の揺れ
や機体転倒の防止、或いは破砕作業の手間などの例にみ
られるように、解体作業や組立作業にあっては、従来の
作業機による作業では大変効率が悪く、素早く仕事を処
理するという点で多くの問題点を有している。
【0016】 一方、特H4−70452号(特開S
63−7427号)公報にあっては、1本の作業アーム
に掘削用バケットとリフト装置の2種の装置を備えるも
のが開示されているが、連続した工程を何れか一方のみ
を動作させることで、切り替えて使用しようというもの
である。しかしながら、このような構成にあっては、例
えばリフト装置で吊り上げた品物の揺れをバケット装置
で挟持して添えることで揺れを防止するようなことはで
きない。というのは作業アームを動かせば同時に両方の
装置が動いてしまう構造であり、上記同様に1つの作業
のみにしか対応できない構成であり、上述示した種々の
問題点を解決するものではない。
【0017】また、2本の作業アームを備える構成のも
のとして、実開H5−89543号公報や特開H8−3
11919号公報が知られているが、これらの公報はに
あっては、作業ポイントに対して、前後に設けられた作
業アームの何れか1本で選択的に作業をおこなうもの
で、断続的に連続した工程の作業を何れか一方の作業ア
ームが選ばれて作業をおこなうものである。この構成に
あっては異なる同一の工程が連続して続けて発生する場
合はアタッチメントを取り替える手間を省くことができ
るが、1つ1つの作業としては何ら従来の油圧ショベル
と作業効率は変わらず、1つの仕事のみにしか対応でき
ない作業機構成であり、上述示した種々の問題点を解決
するものではない。
【0018】さらに、実開H5−89544号公報で
は、1本の作業アームと形状の異なる第2の作業アーム
を作業ポイント側に設けられるものである。上記実開H
5−89543号公報のように作業者は旋回動作で作業
ポイントに向けて反転した位置へ姿勢をとる必要はない
が、上記公報構造にあっては作業アームのアタッチメン
トとしてバケットとブレーカとを備えて、上記同様に選
択的に何れか一方のアタッチメントを選択して油圧回路
を切り替えて作業をおこなう構成のものである。したが
って、同様に上述示した種々の問題点を解決するものと
は言い難い。
【0019】 すなわち、上記実開H5−89543号
公報や特開H8−311919号公報或いは実開H5−
89544号公報にあっては、一台の作業機に2本の作
業アームを備えるが、1台の作業機にあっては1つエン
ジンが生じる油圧力には限界があり、2本の作業アーム
を効率よく同時に並行して操作できず、油圧回路を切り
替えて1つの作業アームのみが動作可能なように構成さ
れている。さらに、2本の作業アームを同一ポイントで
作業する好適な位置に配して作業するには機体の重心位
置との兼ね合いで転倒の危険性が増すことから困難な構
成であると言える。
【0020】そこで、土木工事や建設工事用の作業機と
しては、作業者不足が懸念される高齢化社会において
も、1人で効率よく作業をこなすことのできるよう、2
つの作業を個別にしかも同時に同一作業ポイントにおこ
なうことのできる構成のものが望まれていた。
【0021】本発明は、連結構成で2本の作業アームを
備えて、遠隔操作で2つの作業を個別にしかも同時にお
こなうと共に、安全で比較的大きな力を発揮でき、しか
も極めて効率よく、広範囲な無人作業に適応した建設工
事の作業機を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の遠隔操作による
ツインアーム作業機は、上記従来例の問題点を解決する
ため、走行車体上に旋回体が旋回軸受けを介して縦軸芯
廻りに旋回可能に載置され、旋回体にブームとその先端
のアームとから成る屈折自在な作業アームが起伏自在に
支持されて成る第1の作業機と、第1の作業機に隣接
し、第1の作業機と構造略同じくして成る第2の作業機
と、第1の作業機の走行車体と第2の作業機の走行車体
とを連結する連結体とを有する機体と、右側の作業機の
作業アームを操作する右操作レバーと左側の作業機の作
業アームを操作する左操作レバーと左右に一対の前後可
動走行ペダルとを有する上記機体外の位置に配された操
作部とを具備して、2台の連結された作業機の操作を遠
隔操作でおこなうものであることを特徴とする。
【0023】そして、機体外に配された操作部に操作ス
イッチが配設され、操作レバーの動作状態に関わらず、
操作スイッチの動作時に作業アーム及びアタッチメント
の動作を予め設定された動作に応じて強制的に遠隔操作
して成ることが好適である。
【0024】また、機体の作業アームの各リンク駆動装
置に駆動圧を検出する圧力センサを備え、駆動圧力に応
じて機体外方の操作部の操作レバーの動作圧を制御する
ものが遠隔の操作においても作業アームの干渉状況を実
感として捕らえるものとなる。
【0025】更に、機体の作業アームの各リンク駆動装
置に設けられた駆動圧を検出する圧力センサと、各リン
ク部のリンク回転速度を検出する速度センサとを備え
て、各々の圧力センサの上昇信号とあい対する速度セン
サの下降信号とを検出し、機体外方の操作部へ衝撃信号
をフィードバックするものが、遠隔の操作においても作
業アームの衝撃状況を実感として捕らえるものとなる。
【0026】そこで、操作部に主に送信動作を司る送受
信装置が、連結体に主に受信動作を司る送受信装置が設
けられ、操作部の送受信装置と連結体の送受信装置とが
互いに各チャンネルが対応する多チャンネルの同時デー
タ伝送機能を備えて、操作部の操作に応じて出力される
多重信号が、操作部の送受信装置から連結体の送受信装
置に伝送され、送受信装置で受けた多重信号により、機
体外に設けられた操作部からの遠隔操作で連結された2
台の作業機の操作をおこなうものが好適である。
【0027】なお、機体の連結体に、遠隔操作で上下左
右に可動するステージと作業位置周辺を写す該ステージ
に間隔を隔てて配設された2台のカメラとを有し、機体
外に配された操作部に、上記ステージを上下左右に遠隔
操作するジョイスティックと、2台のカメラが捕らえた
画像を左右画像として、2種の偏光板の偏向角と左右画
像とが各々対で交互に切り替えられるタイミングに応じ
て左右画像データを交互に写す立体画像表示機能を備え
たモニタとが設けられ、左右眼鏡の偏向角が上記2種の
偏向角に各々略合致する偏向メガネを通して、機体外に
配された操作部からモニタに写る連結体前方の作業現場
を立体イメージの情報で捕らえる一方、機体の左右に配
設されたマイクで作業アームの動作音波を検出し、機体
外に配された操作部内に出力することが、遠隔操作にあ
っても細かな作業を素早く正確にこなすものとなる。
【0028】 また、連結体に備えられた傾斜計と連結
体に配され連結角の状態を検出する回転角検出計とを具
備して、機体外に配された操作部に上記傾斜計値と連結
角とを示すモニタを備えて、機体の姿勢情報を把握しな
がら遠隔操作するものが、全く未知の地形であっても機
体の姿勢を得るものとなる。
【0029】ここで、機体側の連結体に備えられたGP
S装置と機体外に配された操作部に上記GPS装置が出
力する座標を参照して、ナビゲーション表示するモニタ
とを備えて、機体の座標情報を把握することが、遠隔操
作で機体を目的地へ誘導できるものとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
〜図13を参照して簡単に説明する。
【0031】本発明の遠隔操作によるツインアーム作業
機1は、建設工事などで使用される、走行車体13上
に、旋回体14が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回
可能に載置され、旋回体14にブーム16とその先端の
アーム17とから成る屈折自在な作業アーム8が起伏自
在に支持されて、アーム17の先端にアタッチメント1
8を備えて成る第1の作業機11(油圧ショベル系作業
機)と、第1の作業機11に隣接し第1の作業機11と
構造略同じくして成る第2の作業機12(第2の油圧シ
ョベル系作業機)と、第1の作業機11の走行車体13
と第2の作業機の走行車体13とを連結する連結体2と
を有する機体1cと、第1の作業機11の作業アーム5
を操作する操作レバー21aと第2の作業機12の作業
アーム6を操作する操作レバー21bと左右に一対の前
後可動走行ペダル23とを有する上記機体1c外の位置
に配された操作部7とを具備して、上記機体1cの右側
に位置する作業機11の操作レバー21aが操作部7の
右側に、機体1cの左側に位置する作業機12の操作レ
バー21bが操作部7の左側に各々配設され、上記一対
の前後可動走行ペダル23が操作部7の前方下部位置左
右に配設されて、操作部7の作業者が遠隔操作で、操作
部7の左右操作レバー21を両手で走行ペダル23を両
足で操作して、2台の連結された作業機11、12の操
作を遠隔操作でおこなうものである。
【0032】そして、上記左右操作レバー21が多リン
ク状に形成され腕に連動して可動するアームレバー38
を有し、機体1c外に配された操作部7に操作スイッチ
77が配設され、上記アームレバー38の動作状態に関
わらず、操作スイッチ77の動作時に作業アーム8及び
アタッチメント18の動作を予め設定された動作に応じ
て強制的に遠隔操作している。
【0033】また、機体1cの作業アーム8の各リンク
駆動装置(油圧シリンダの駆動源)19に駆動圧を検出
する圧力センサPを備え、各部の駆動圧力を検出し、駆
動圧力に応じて機体外方の操作部7の操作レバー21の
動作圧(空気抵抗)Tが制御されている。
【0034】更に、機体1cの作業アーム8の各リンク
駆動装置(油圧シリンダの駆動源)に設けられた駆動圧
を検出する圧力センサPと、各リンク部Liのリンク回
転速度を検出する速度センサVとを備えて、各々の圧力
センサPの上昇信号Spとあい対する速度センサVの下
降信号Svとを検出し、両者が同時に同一リンクで発生
した際作業アーム8の衝突と見なし、機体外方の操作部
7へ衝撃信号パルスDを操作レバーの肘掛け部へ衝撃を
印加することでフィードバックしている。
【0035】そこで、操作部7に主に送信動作を司る送
受信装置が、連結体4に主に受信動作を司る送受信装置
が設けられ、操作部7の送信装置と連結体2の受信装置
とが互いに各チャンネルが対応する多チャンネルの同時
データ伝送機能を備えて、操作部7の操作に応じて出力
される多重信号が、上記送信装置から連結体2の受信装
置に伝送され、受信装置で受けた多重信号により、機体
外に設けられた操作部7からの遠隔操作で連結された2
台の作業機11、12の操作をおこなっている。
【0036】なお、機体1cの連結体2に、遠隔操作で
面接線方向が上下左右に可動するステージ80と作業位
置周辺を写す該ステージ80に間隔を隔てて配設された
2台のカメラ81a、81bとを有し、機体外に配され
た操作部7に、上記ステージ80を上下左右に遠隔操作
するジョイスティック82と、2台のカメラ81a、8
1bが捕らえた画像を左右画像として、2種の偏光板の
偏向角と左右画像とが各々対で交互に切り替えられるタ
イミングに応じて左右画像データ83を交互に写す立体
画像表示機能を備えたモニタ84cとが設けられ、左右
眼鏡の偏向角が上記2種の偏向角に各々略合致する偏向
メガネ85を通して、操作部7からモニタ84cに写る
連結体2前方の作業現場を立体イメージの情報で捕らえ
ている。
【0037】また、上記2台のカメラ81a、81bが
各々マイク端子を備えて、機体1cの左右の作業アーム
根本に配設されたマイクで、作業アーム5、6が物体に
触れる際に生じる動作音を検出して、その音波を機体外
に配された操作部7内の左右スピーカから左右信号のス
テレオ音として変調出力している。
【0038】 また、連結体2に備えられた傾斜計86
と連結体2に配され連結角の状態を検出する回転角検出
計87とを具備して、機体外に配された操作部7に上記
傾斜計値と連結角とを示すモニタ84dを備えて、機体
1cの姿勢情報を把握しながら遠隔操作し、更に機体側
の連結体2に備えられたGPS装置88と機体外に配さ
れた操作部7に上記GPS装置88が出力する座標を参
照して、ナビゲーション表示するモニタ84eとを備え
て、機体1aの座標情報を把握している。
【0039】ここで、上記カメラ81で捕らえた作業現
場の画像を写すモニタ84cと、上記傾斜計86と回転
角検出計87とで姿勢を示すモニタ84dと、上記GP
S装置88によるナビゲーションで座標表示をおこなう
モニタ84eとが同一のマルチモニタ装置84に表示さ
れている。
【0040】 (作用) 本発明は上記構成によって、次のような作用を営むこと
ができる。すなわち、走行車体13上に旋回体14が旋
回可能に載置され、旋回体14にブーム16とアーム1
7とから成る作業アーム8が支持されて成る2台の作業
機11、12が、連結体2との間で連結されることか
ら、2本の作業アーム5、6を備える構成の作業機を極
めて安価な開発コストで実現することができ、しかも連
結構造を有した作業機の安定性は、各作業機の重心位置
が連結体2側へ互いにずれ合って、互いに支え合うこと
で、安全で格段に安定なものとなる。この安定な構造に
あっては、作業アーム8をより長く設けることができ、
旋回を伴う作業アーム8の作業範囲を拡張できると共
に、長い作業アーム8は進行方向前方に障害物が存在す
る際も障害物を上方より超えて更に前方の目標点まで作
業アーム8を伸ばして、より奥の部分の作業ポイントに
作業を施すことができる。しかも各旋回体14に各々の
作業アーム5、6が個別に設けられることで、両作業ア
ーム5、6を旋回させて同一作業ポイントに作用させた
り、各々を異なる作業ポイントに作用させたりすること
ができる。
【0041】また、左右の作業アームを操作する左右に
配された操作レバーと左右に一対の前後可動走行ペダル
とを有する上記機体外の位置に配された操作部にあって
は、1人の作業者が無人の作業機を両手足で左右の操作
レバー21a、21bや左右走行ペダルを各々操作し
て、走行しながら容易に両作業アーム5、6を個別にし
かも同時に遠隔動作させることができる。
【0042】このような無人作業機の遠隔操作は、一般
に人が乗って操作できない作業環境で使用されることが
多い。例えば、火砕流の危険のある地域や臨界事故で放
射能汚染の危険のある原発関連設備などは、火山災害や
放射能被爆の危険があり、人が容易にその地域へ進入す
ることができない。このような作業現場に要求される無
人作業機の要件の1つに自力脱出が上げられる。すなわ
ち、無理して或いは誤って転倒した際、人が入って助け
ることができないことから、自力で立ち上がることが可
能か否かが重要なポイントとして評価されることにな
る。
【0043】上記構成にあっては、2本の作業アーム8
と走行車体13を備える連結構成を備えて、仮に機体を
溝などに横転させてしてしまった際も、1本の作業アー
ムで地面を支えて機体を押し上げて、もう一本の作業ア
ームで機体を引き上げ、更に走行装置を駆動すること
で、自力で横転状態から脱出可能である。
【0044】一方小型の機体で人が乗って操作できない
もの或いは人が入り込めない作業現場の場合も遠隔操作
の対象である。この場合も上記同様に狭い領域などに入
り込み、行く手が悪路でふさがれた際も、自力で突破す
る自力走行が要求されるが、上記構成にあっては2本の
作業アーム8を備えて障害物をかき分けながら容易に走
行することができる上、段差や斜面にあっても、一方の
作業アーム8で持ち上げ、もう一方で支え、走行装置で
よじ登るなどして、従来の作業機では考えられない自力
突破を容易におこなわせることができる。
【0045】しかも、機体の重心位置がブーム根本の間
近にある1台の作業機の構造では、作業アーム8を前方
へ伸ばしきって作業すると、バランスが崩れて作業アー
ム8の反力をもろに機体が受けてズレ易い構造である
が、連結固定された構造は、ブーム16に対して重心位
置までの距離がかせげて、大きなトルクを生じる安定性
ある安全な構造である。尚かつ、1本の作業アームでは
力が出し切れない作業にあっても、フリーとなるもう1
本の腕に対応する作業アームで、モーメントを打ち消す
好適な位置の地面を押さえながら、或いは何か固定物で
支えながら作業をおこなうことで、機体の重心位置から
の距離を更にかせいで、反作用力を受けてモーメントが
生じないよう支える構造を固定物と支え側作業アームと
連結体との3者間に生じて、動作する作業アーム8の作
用力を逃がすことなく合成した力で印加して、対象物に
大きな力を作用させることができる。
【0046】さらに、2本の作業アーム5、6が作業対
象物を互いに引き合ったり、押し合ったりした際でも、
連結して固定された構造ゆえに反作用力が内力としてキ
ャンセルされる略三角形ループ構造(連結体を底辺とす
る旋回自在な2本の作業アームで成す三角形)を成し
て、作業アーム5、6の作用力を逃がすことなく合成し
た力で印加して、対象物に大きな力を作用させることが
できる。そして、ブーム16とアーム17で構成される
2本の作業アーム8は、両作業アーム5、6の可動範囲
内の自在な空間位置に上記作用点を作用させることがで
きる。
【0047】すなわち、上記示す遠隔操作による2本の
作業アーム5、6を備える構成にあっては、「作業アー
ム5で一つの仕事をしながら、作業アーム6で別の仕事
をする」という2種の異なる作業を同時に、しかも任意
の作業ポイントで、両作業アームで補いながら無人でお
こなわせる作用を営み、従来1本の作業アームのみでは
実現しなかった、広範囲の作業を極めて効率よくこなす
ことのできる遠隔操作の作業機を実現することができ
る。
【0048】 そして、機体1c外に配された操作部7
に操作スイッチ77が配設され、操作レバー21の動作
状態に関わらず、操作スイッチ77の動作時に作業アー
ム8及びアタッチメント18の動作を予め設定された動
作に応じて強制的に遠隔操作するものであれば、横着や
操作ミスを未然に防ぎ、例えばアタッチメント18が挟
機構を備えるものなら、アームレバー38の指示に関
わらず物体を強制的に挟み続けることができる。特に遠
隔操作の場合、対象物や作業を直視できないことが想定
されるが、そのような時も一旦掴んだものを掴み続ける
ような上記機能は大変有効である。
【0049】また、機体1cの作業アーム8の各リンク
駆動装置19に圧力センサPを備え、各部の駆動圧力を
検出し、駆動圧力に応じて機体外方の操作部7の操作レ
バー21の動作圧Tが制御されるものなら、例えば作業
アーム8の一部が障害物に当たり、更に動こうとする
時、そのリンク部を駆動している駆動装置19の圧力が
急激に増加することになるが、この圧力を圧力センサP
で捕らえて、操作部7の操作レバー21へフィードバッ
クすることで、遠隔地の操作部7にあっても作業アーム
8の干渉を腕で実感として捕らえることができる。すな
わち、操作レバー21が重くなり操作を妨げるようレバ
ー動作圧Tが制御されることで、作業者20は作業アー
ム8の状態をレバー圧で感じ、探りながら作業すること
が可能となる。そこで、自力脱出や自力走行の際も動作
圧Tを探りながら機体1cを容易に遠隔操作させること
ができる。
【0050】更に、機体1cの作業アーム8の各リンク
駆動装置に設けられた駆動圧を検出する圧力センサP
と、各リンク部Liのリンク回転速度を検出する速度セ
ンサVとを備えて、各々の圧力センサの上昇信号Spと
あい対する速度センサの下降信号Svとを検出し、機体
外方の操作部7へ衝撃信号Dをフィードバックするもの
であれば、圧力センサPの上昇信号Spと速度センサV
の下降信号Svとが同時に同一リンクで発生した際は、
作業アーム8の衝突と見なすことができることから、作
業アーム8がターゲットに当たった際(コンという衝撃
を受け際)に遠隔地の操作部に同様に(コンという)衝
撃をフィードバックすることができ、物に接する感覚
を、例えば操作レバーへ衝撃を印加するなどによりエミ
ュレーションすることができる。従って上記レバー動作
圧制御同様に作業アーム8の状態を衝撃信号パルスDで
感じ、探りながら作業することが可能となり、機体1c
を容易に遠隔操作させることができる。
【0051】そこで、機体1c外に設けられた操作部7
からの遠隔操作が、機体1cから操作部7間をつなぐ、
機体1cから引き出された多数の信号ケーブル78を介
しておこなわれるか、又は操作部7に主に送信動作を司
る送受信装置(以下送信装置)が、連結体4に主に受信
動作を司る送受信装置(以下受信装置)が設けられ、操
作部7の送信装置と連結体2の受信装置とが互いに各チ
ャンネルが対応する多チャンネルの同時データ伝送機能
を備えて、操作部7の操作に応じて出力される多重信号
が、上記送信装置から連結体2の受信装置79dに伝送
され、受信装置で受けた多重信号により、機体外に設け
られた操作部7からの遠隔操作で連結された2台の作業
機11、12の操作をおこなうかの何れかでおこなわれ
るものであれば、有線式の多芯ケーブルにしろ、無線式
の多チャンネルにしろ、上記何れであっても複数のデー
タを同時伝送することができるため、作業アーム8の連
続同時動作などを殆ど時間遅れなしで容易に遠隔操作さ
せることができる。また、連結体4に送受信装置が設け
られることで、危険な操作で機体が横転した際も、第1
の作業機11と第2の作業機12間に挟まれている連結
体2に守られて送受信装置を破損することがない。
【0052】なお、機体1cの連結体2に、遠隔操作で
上下左右に可動するステージ80と作業位置周辺を写す
該ステージ80に間隔を隔てて配設された2台のカメラ
81a、81bとを有し、機体外に配された操作部7
に、上記ステージ80を上下左右に遠隔操作するジョイ
スティック82と、2台のカメラ81a、81bが捕ら
えた画像を左右画像として、2種の偏光板の偏向角と左
右画像とが各々対で交互に切り替えられるタイミング
で、左右画像データ83を交互に写す立体画像表示機能
を備えたモニタ84cとが設けられ、左右眼鏡の偏向角
が上記2種の偏向角に各々略合致する偏向メガネ85を
通して、操作部7からモニタ84cに写る連結体2前方
の作業現場を立体イメージの情報で捕らえるものであれ
ば、2台のカメラ81a、81bは両作業アーム8の中
間の連結体2上に位置して、その前方の様子をジョイス
ティック82の操作で見渡すことができる。しかもカメ
ラ81a、81bは連結体2に間隔を隔てて設けられる
ことで、右眼と左眼の配置を得て、各々左右の画像を対
で2種の偏光板で交互に表示することで、同様な2種の
偏向角を左右に備えた偏光メガネ85にあっては、交互
に映し出される左右画像を立体イメージで捕らえること
ができる。一般に人が2本の作業アーム5、6の先端を
正確に作業ポイントに合わせる作業は平面画像にあって
は遠近感が得られず微妙にずれてしまうが、立体視され
る画像にあっては正確に合わせることができる。
【0053】一方、機体1cの左右に配設されたマイク
の音を操作部7内に出力するものであれば、例えばカメ
ラ81a、81bのマイク端子からマイク線を這わし
て、左右の作業アーム5、6に各々配設することがで
き、マイクが捕らえた作業アームの振動音などを立体音
(ステレオ音)として操作部7内の左右スピーカから出
力することができる。そこで、遠隔地の作業者は、この
スピーカ音を聞いて、作業アーム5、6が何かの物体に
接触したか否かを判断しながら操作レバーを操作するこ
とで、繊細な遠隔動作をおこなわせることができる。
【0054】特に原子炉施設など、何が起こっているか
さえ不明で、しかも直視できない位置から遠隔操作をお
こなわせる場合、立体画像表示されるモニタを見なが
ら、しかも音を聞きながら作業をおこなうことができる
ことから、作業現場の状況を素早く把握し、その状態に
合わせて、適切な処置を正確に実行することができる。
【0055】 また、連結体2に備えられた傾斜計86
と連結体2に配され連結角の状態を検出する回転角検出
計87とを具備して、機体外に配された操作部7に上記
傾斜計値と連結角とを示すモニタ84dを備えて、機体
1cの姿勢情報を把握しながら遠隔操作し、更に機体側
の連結体2に備えられたGPS装置88と機体外に配さ
れた操作部7に上記GPS装置88が出力する座標を参
照して、ナビゲーション表示するモニタ84eとを備え
て、機体1aの座標情報を把握するものであれば、連結
体2に設けられた傾斜形86や回転検出計87は、全く
作業現場の地形状況が把握できない場合に、機体が傾く
斜面上にいるのか、或いは横転状態になっているのかな
どを、伝送されるデータから連結体2の姿勢を知ること
ができる貴重な情報となる。例えば、上述の自力立ち上
がり動作を目視できない地点からおこなわせる時、遠隔
からの作業アーム8や走行装置13の操作で、どの様に
機体が動くかを上記傾斜計86などで確認できて、全く
不明な地形であっても自力脱出や自力走行を支援するこ
とができる。
【0056】一方、雲仙普賢岳の火砕流現場など広大な
範囲での作業が要求される場合、機体に設けられたGP
S装置は緯度と経度と高度を出力することから、地図な
どを参照しながら遠隔操作で機体を目的地へ走行させる
ことができる。
【0057】ここで、上記カメラ81で捕らえた作業現
場の画像を写すモニタ84cと、上記傾斜計86と回転
角検出計87とで姿勢を示すモニタ84dと、上記GP
S装置88によるナビゲーションで座標表示をおこなう
モニタ84eとが同一のマルチモニタ装置84で表示可
能であり、1つ又は複数の情報を選択してモニタ84へ
表示させるものであれば、立体画像や姿勢或いは座標位
置などを組み合わせて表示することで、上述のように目
視できない作業環境での、無人作業機の要件の重要なポ
イントである自力脱出や自力走行を容易に達成すること
ができる。
【0058】以上の如く本発明のツインアーム作業機1
は、土木工事や建設工事用の作業機として、作業者不足
が懸念される高齢化社会においても、2台の作業機を連
結して個別に動作する2本の作業アームを備えて、機体
外の操作部から遠隔操作で、しかも1人で効率よく作業
をこなし、2つの作業を個別にしかも同時に無人で作業
をおこなう構成を実現することができる。
【0059】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1〜図13は本発明の実施例
を示すものである。図1は本発明を土木作業や建設工事
などで使用される油圧ショベルに適用したもので、図の
1で示すツインアーム作業機は、走行車体13上に、旋
回体14が旋回軸受けを介して縦軸芯廻りに旋回可能に
載置され、旋回体14にブーム16とその先端のアーム
17とから成る屈折自在な作業アーム8が起伏自在に支
持されて、アーム17の先端にアタッチメント18を備
えて成る第1の作業機11(油圧ショベル)と、第1の
作業機11に隣接し第1の作業機11と構造略同じくし
て成る第2の作業機12(第2の油圧ショベル)と、第
1の作業機11の走行車体13と第2の作業機の走行車
体13とを連結する連結体2とを有する機体1cと、第
1の作業機11の作業アーム5を操作する操作レバー2
1aと第2の作業機12の作業アーム6を操作する操作
レバー21bと左右に一対の前後可動走行ペダル23と
を共に有する上記機体1c外の位置に配された操作部7
と備えている。
【0060】そして、上記機体1cの右側に位置する作
業機11の操作レバー21aが操作部7の右側に、機体
1cの左側に位置する作業機12の操作レバー21bが
操作部7の左側に各々配設され、上記一対の前後可動走
行ペダル23が操作部7の前方下部位置左右に配設され
て、操作部7の作業者が遠隔操作で、操作部7の左右操
作レバー21を両手で走行ペダル23を両足で操作し
て、2台の連結された作業機11、12の操作を遠隔操
作でおこなうものである。
【0061】 図の76は複数の送受信装置、79は各
受信装置76に対応する複数のアンテナである。また、
図の点線で示す76は、多芯信号ケーブ線を示すもの
で、上記送受信装置76か多芯ケーブルかのいずれかで
遠隔操作をおこなうものである。ここで、作業アーム8
の各リンク部の屈折方向は一軸方向のみに可動可能に枢
支されているものである。なお、図1に示す26はクロ
ーラ、14aは第1の作業機11の旋回体、14bは第
2の作業機12の旋回体、21は操作レバー、19は油
圧シリンダである。
【0062】図1の4は、第1の作業機11の側面の走
行フレーム3と第2の作業機12の側面の走行フレーム
3との連結部を示すもので、連結部4が連結ピンで摺動
変位可能にかつ、連結ピンの抜き差しで両作業機11、
12が切離し可能に2カ所で連結されている。そして、
この連結は両作業機11、12が横列状に並んで、走行
フレーム3の側面で摺動状態で固定可能に連結されてい
る。
【0063】図1の7はキャビン15内に設けられた操
作部を示すもので、機体1cとは離れた位置に設けら
れ、機体1cを遠隔操作している。
【0064】この横列状の可動連結構造にあっては、走
行フレーム3が連結されても、その上部に位置する旋回
体14a、14bは自在に旋回可能であり、前面方向
(図のXで示す方向)に2本の作業アーム8両方を旋回
させることができる。しかも、地面に応じて機体か摺動
変位することで安定性に優れ、更に全ての走行装置13
が同一方向(図のXで示す方向)を成すことで、機動性
に富む連結構造である。
【0065】一方、図2は、上記図1の横列連結を縦列
連結に変更した例である。そこで、図2においては、図
1と共通する部分に同一符号を付し詳細な説明は省略す
る。
【0066】図3のツインアーム作業機1も上記同様
に、図の4は、第1の作業機11の側面の走行フレーム
3と第2の作業機12の側面の走行フレーム3との連結
部を示すもので、連結部4が連結ピンで摺動変位可能に
かつ、連結ピンの抜き差しで両作業機11、12が切離
し可能に連結されている。そして、この連結は両作業機
11、12が縦列状に並んで、走行フレーム3の前後面
で摺動状態で固定可能に連結されている。
【0067】この縦列状の可動連結構造にあっては、走
行フレーム3が連結されても、その上部に位置する旋回
体14a、14bは自在に旋回可能であり、前面方向
(図のXで示す方向)に2本の作業アーム8両方を旋回
させることができる。しかも、地面に応じて機体か摺動
変位することで安定性に優れ、更に全ての走行装置13
が同一方向(図のYで示す方向)を成すことから、略Y
方向ラインに沿って連続的に作業ポイントが存在する用
途に適した連結構造である。
【0068】なお、図1、図2に示す機体1c側の送受
信装置76は、2カ所で摺動自在に可動する連結体2上
に設けられている。
【0069】 更に右操作レバー21a、21b
図4の38で示す多リンク状に形成され腕に連動して可
動するアームレバーで構成されている。図6(a)の7
7は、機体1c外に配された操作部7に設けられたアー
ムレバー38の先端に設けられた操作スイッチを示して
いる。そして、図6(b)に示す操作スイッチ77には
3つのスイッチ77c、77d、77eが設けられてい
て、これらのスイッチ77は上記アームレバー38の動
作状態に関わらず、操作スイッチ77の動作時に、作業
アーム8及びアタッチメント18の動作を予め設定され
た動作に応じて強制的に遠隔操作している。なお、77
cは強制挟持動作、77dは駆動リンクの選択、77e
は強制停止などに使用されている。ここで図6(a)
(b)において、69はレバー長の調整機構部、71と
72は挟持レバー、r6の矢印は挟持レバー71と72
の回動機構リンクを示す。
【0070】図8は上記強制遠隔動作の原理を示すもの
で、図4のVRで示すアームレバー38の任意のリンク
角が指令信号として入力された場合、この図8に示す制
御ブロックは、まずVRと現在の作業アーム8の相対応
するリンク部の回転角LPとの偏差eを求めている。な
お図のKはLP信号を上記VRの信号と同一レベルの信
号に変換(K・LP)する比例定数。この偏差eはPI
D(比例P+積分I+微分D)制御が施され、図のFで
示す解を得て、図のAで示すAMPで増幅されて電流信
号iとして比例バルブ(油圧サーボ弁)のポートへ出力
される。作業アームに配設された油圧シリンダ19は油
圧力を受けて動き出す。このことで、作業アームは可動
し、その動きに応じてLPを出力して、図のeで示す偏
差がゼロになるようにフィードバック制御している。な
お、図8の下方に示す式は、上記PID制御の制御式の
概略を示すものもである。
【0071】一方、図6(b)に示す操作スイッチ77
が選択された場合、アームレバー38の状態に関わら
ず、例えば作業アーム8を強制停止制御して、作業アー
ム8の動作をロックしている。これは、図8の点線で示
す強制信号入力77(操作スイッチ)を受けて、図のA
で示すAMPがゲートの役割を備えて、PID制御の値
Fに関わらず強制的に信号77で示される電流出力iを
おこなうことでおこなわれるものである。
【0072】ここで、強制信号77が予め設定された一
定値iであれば、比例バルブからはiに比例する一定の
油圧力が出力される一方、強制信号77がマイナス信号
であれば、iが強制的にゼロとなり比例バルブからは油
圧力が出力されなくなるものである。
【0073】 また、機体1cの作業アーム8の各リン
ク駆動装置(油圧シリンダの駆動源)19に駆動圧を検
出する圧力センサP(紙面の都合上図示省略)を備え、
各部の駆動圧力を検出し、駆動圧力に応じて機体外方の
操作部7の操作レバー21の動作圧(空気抵抗)Tが制
御されている。すなわち、作業アームが何かに当たり、
なおかつ押し続けた場合、該当する油圧シリンダの油圧
が急激に上昇する。この油圧増を圧力センサPで捕らえ
て、例えば図4のLiで示す位置において動きを妨げる
ように、図のTで示すエアーバルブのトルクを増加させ
ている。
【0074】 そこで図5に示すエアーバルブ機構T
は、図の矢印方向へリンク角が動作した場合、通常状態
では、減圧弁48は開いた状態で空気が流れるが、一
方圧力センサが油圧力の上昇を検出して、図のStで示
す信号が入力されると、減圧弁48は信号入力の大き
さに応じて開口を閉じて、図の矢印で示す方向への空気
の流れを妨げるように動作させている。したがって、例
え遠隔操作で負荷の動きを目視できなくても、人は容易
にレバーの重さを感じて負荷の様子を伺うことができ
る。
【0075】更に、機体1cの作業アーム8の各リンク
駆動装置(油圧シリンダの駆動源)に設けられた駆動圧
を検出する圧力センサPと、各リンク部Liのリンク回
転速度を検出する速度センサVとを備えて、図7(a)
に示す各々の圧力センサPの状態と図7(b)に示すあ
い対するリンク位置の速度センサVの状態から、図のS
pで示す上昇信号と、Svで示す下降信号とを検出し、
図のt2で示すタイミングで両者が同時に同一リンクで
発生した際、作業アーム8の衝突と見なし、機体外方の
操作部7へ衝撃信号パルスD(操作レバーへ衝撃印加)
をフィードバックしている。
【0076】すなわち、例えば動作を始めた任意のリン
ク部が、図7のt1までゆっくりと速度が上昇し、t2
まで一定速度で可動している場合、ここで何かに当たる
と、油圧力は上昇する(t3)、一方その速度はものに
当たり低下してゆく。この時図の三角塗りつぶし部分に
示すSpの上昇とSvの下降の微分信号を捕らえて、図
7(c)のAND回路で、両者が同時に発生する瞬間を
捕らえて衝撃信号パルスを作成する。このパルスを操作
部7のアームレバー38の肘掛け部に振動や衝撃信号と
して印加している。この衝撃で操作者は、目視できない
遠隔地で動作する作業アーム8が物に当たる様子を実感
として感じることができる。
【0077】そこで、操作部7に主に送信動作を司る図
3に示す操作部送信装置が、連結体4に主に受信動作を
司る機体受信装置が設けられ、操作部7の送信装置と連
結体2の受信装置とが互いに各チャンネルが対応する多
チャンネルの同時データ伝送機能を備えて、操作部7の
操作に応じて出力される多重信号が、送受信装置76か
ら連結体2の送受信装置76に伝送されることで、機体
外に設けられた操作部7からの遠隔操作で連結された2
台の作業機11、12の操作をおこなっている。
【0078】なお図3の操作部送信装置は20種の10
ビットデータが4ブロックに分けられ、更に3ビットが
1つのブロックにまとめられて、主に操作部のレバー信
号が機体受信装置に並列的にデータ転送されている。一
方、機体送信装置からは、32種の10ビットデータが
9種のブロックに分けられて、主に機体のセンサ信号が
操作部受信装置に並列的にデータ転送されている。この
ように多くの信号をいくつかのブロックに分離して並列
信号として同時転送がおこなわれれば、時間の遅れなく
データの送受信をおこなわせることができる。
【0079】一方、機体1cの図9に示す連結体2に、
遠隔操作で面接線方向が上下左右に可動するステージ8
0と作業位置周辺を写す該ステージ80に間隔を隔てて
配設された2台のカメラ81a、81bとが設けられて
いる。そして、機体外に配された操作部7に、図11に
示す上記ステージ80を図の矢印で示す上下左右に遠隔
操作するジョイスティック82と、ジョイスティック8
2の信号を伝送する送信機79cとが設けられ、ジョイ
スティック82の信号は機体1cの受信機79dで受信
され、ステージ駆動装置80aに伝送される。この信号
を受けてステージ80が可動して、カメラ81(一定間
隔に配された81a、81b)の視界範囲を決めてい
る。
【0080】 ここで、図10に示す2台のカメラ81
a、81bが捕らえた画像83a、83は、カメラA
MP81cで左右画像83としてインタレスモード毎に
合成される。この左右画像83は、送信装置79cで操
作部の受信装置79dに送られる。そして、伝送された
左右画像83はモニタ装置84cに入力される。モニタ
装置84cは、2種の偏光板85dを備えて、偏向角と
左右画像とが各々対で交互に切替器85cで切り替えら
れ、インタレスモードのタイミングに応じて左右画像デ
ータ83を左右交互に写している。この立体画像表示機
能を備えたモニタ84cの表示画像を、左右眼鏡の偏向
角が上記2種の偏向角図の85a、85bに各々略合致
する偏向メガネ85を通して見れば、右画像が表示され
た時は右目のみに、左画像が表示された時は左目のみに
入力されて、操作部7から図13に示すモニタ84cに
写る連結体2前方の作業現場を立体イメージの情報で捕
らえることができる。
【0081】また、紙面の都合上省略したが、上記カメ
ラ81a、81bは各々マイク端子を備えて、左右の作
業アーム5、6に各々配設されたマイクが捕らえた振動
音などの立体音(ステレオ音)を操作部内左右スピーカ
から出力している。そして、遠隔地の作業者は、このス
ピーカ音を聞くことで、操作レバーを操作しながら、作
業アーム5、6が何かの物体に接触したか否かを判断す
ることもできるように設けられている。なお、この検出
された左右の音波信号は、例えば機体外に配された操作
部内の左右操作レバーへ各々バイブ信号として出力して
もかまわない。
【0082】 また、図9に示す連結体2に備えられた
傾斜計86と、連結部4に配され連結角の状態を検出す
る回転角検出計87とを具備して、機体外に配された操
作部7に上記傾斜計値と連結角とを示する図13に示
すモニタ84dを備えて、機体1cの姿勢情報を把握し
ながら遠隔操作している。更に機体側の連結体2に備え
られた図9に示すGPS装置88と機体外に配された操
作部7に上記GPS装置88が出力する座標を参照し
て、ナビゲーション表示する図13に示すモニタ84e
とを備えて、機体1aの座標情報を把握している。な
お、図9において76は送受信装置、11は第1の作業
機側、12は第2の作業機側をを示している。
【0083】以上のように図13の84で示すモニタに
映し出される画像は、上記カメラ81で捕らえた作業現
場の画像を写すモニタ84cの画像と、上記傾斜計86
と回転角検出計87とで姿勢を示すモニタ84dの画像
と、上記GPS装置88によるナビゲーションで座標表
示をおこなうモニタ84eの画像が一緒に表示されてい
る。このマルチモニタ装置は図12の84で示す操作部
7内に設けられている。なお、図12において、22は
座席、38aは右アームレバー、38bは左アームレバ
ー、また23a、23bは一対の前後進走行レバーを示
す物である。
【0084】以上のように上記実施例にあっては、間接
的ではあるが機体の作業状況を感覚的に或いは視覚的、
聴覚的に得て作業をおこなう遠隔操作を実現することが
できる。
【0085】 なお、本実施例において、図5に操作レ
ーの動作圧を制御する機構を図示したが、ここに示す
エアー圧縮の機構のみに限定するものではなく、油圧の
圧縮などであってもかまわない。また、図7に示す操作
部7に衝撃信号をフィードバックする場合、衝撃信号パ
ルスでおこなう例を示したが、振動や音で出力するもの
であってもかまわない。さらに操作スイッチ77による
強制遠隔操作は、図8に示す制御ブロックに限定するも
のではない。すなわち本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0086】次に、上述の連結構成で2本の作業アーム
を備えた本発明の応用例を図14〜図20を参照して説
明する。
【0087】 図14の太点線で示すA1(第1の作業
機)、A2(連結体)、A3(第2の作業機)は、互い
に連結し固定されている状態を示すもので、右作業アー
ム5はA1に、左作業アーム6はA3に各々設置されて
いる。この2本の作業アームで掴まれた部材75は、図
のF1で示す方向(部材75を収縮させる方向)へ作業
アーム5、6が動作すると、その反作用(図のfで示す
の方向)を受けることになる。しかしながら、右作業ア
ーム5−A1−A2−A3−左作業アーム6で示す略三
角形のループBは、A1−A2−A3が固定されてい
るが故、反作用力を逃がすことなく、反作用力の合成ベ
クトルをキャンセルして、大きな作用力F1を部材75
に印加することができる構造である。また図のF2で示
す方向(部材75を伸張する方向)についても上記F1
方向の場合と同様に、反作用力は略三角形のループBで
キャンセルされて2本の作業アームで大きな力を印加す
ることができる。従って、例えば連結が成されてない2
台の作業機による構成のものと比較すると、相互に機体
のズレが生じて反作用力を逃がしてしまい、物体に大き
な力を印加できないもを、連結構造の作業機は互いに相
対位置が固定されているため反作用力を逃がすことなく
大きな力を発揮できる。
【0088】更に、作業アーム5、6で図のF3で示す
方向(部材75を曲げる方向)へ力を印加する場合は、
作業アーム5、6を略同一作業ポイントに作用させるこ
とができ、例えば一方の作業アームで部材75を固定し
て、もう一方の作業アームで曲げ加工をおこなう作業
や、或いは両方の作業アーム5、6で曲げ力を印加して
曲げ加工をおこなう作業を実現することができる。この
ように、1本の作業アームでは部材75がフリーな状態
にあっては、上手く曲げ力などを印加できないものを、
2本の作業アームにあっては作用力を逃がすことなく容
易に作業ポイントへ印加することができる。
【0089】 図15の太点線のZで示す部分は、第1
の作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で
固定され、それらに作業アーム5、6が各々設置されて
いることを示すものである。ここで、図の作業アーム5
で吊り上げられたバケツ60は土や砂、小石などをすく
う工具9である。一方、バケツ60内の土砂が重量物で
ある場合、或いは作業アーム5を伸ばしきって作業をせ
ねばならない場合などは、機体の重心位置が前方へ移動
して転倒の危険、或いはバケツ60が揺れたり、傾いて
土砂をこぼしてしまう危険があるが、連結構造で安定し
た重心位置を確保する構造であれば、より遠くの、より
重い対象物を吊り上げることができ、しかも図の6で示
す連結されたもう一本の作業アームでバケツ60の底側
面などを挟持してやることで、安定して吊り上げ作業を
おこなわせることができる。
【0090】また、作業アーム6を図のGで示す地面な
ど固定物に設けて、図のYで示す固定ループを形成する
ことで、重心位置が固定されて、転倒の危険なく大きな
力で対象物をリフトすることができる。これは、通常の
作業機にあっては、作業アームを伸ばすと、機体が浮い
てしまい殆どリフト力が得られないものを、図のYで示
す固定ループで支えることで、遙かに大きなリフト力を
生じるものとなる。しかも図のGで示すポイントは、作
業アームであるが故に、作業現場の状況に応じて自在な
位置に設けることが可能である。
【0091】 図16の太点線のZで示す部分は、第1
の作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で
固定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置
されていることを示すものである。ここで、一方の作業
アーム6は固定物Gであるコンクリート壁54を掴み、
もう一方の作業アーム5で破壊工具9となる金槌55を
掴んでいる。ここで図の74は工具9の抜け防止ロープ
を示している。そこで、ブームとアームを振りかざすこ
とで、例えゆっくりとした動作であっても、手首のスナ
ップを効かせるが如くの連続動作で振り下ろし動作をお
こなえば、長尺状の取手を備える金槌55の先端は、大
きな加速度を得て、図の矢印で示す方向へ大きな破壊力
を生じることができる。これは、工具9から作用
影響で機体が逆に振り回されることなく、連結構成が故
に、図ので示す固定ループで支えて、金槌55に大き
な力を作用させることができるため得られるものであ
る。そこで、金槌55で叩かれたコンクリート壁54
は、その部分が破壊されることになるが、仮に壁全体が
壊れて崩れかけても、作業アーム6で支えられていれば
一気に崩れ去ることのない安全な作業をおこなわせるこ
とができる。
【0092】 図17の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6はコンクリート片56を掴み、もう一方の作業ア
ーム5は切断工具9であるニッパー58を掴んでいる。
ここで例えば震災によるビル崩壊や解体現場などにあっ
て、解体物を処理する作業において、図の56で示すコ
ンクリート片などには鉄骨材57が埋設されているた
め、作業アーム6はコンクリート片56を図の矢印方向
へ持ち上げることができても、それらを移動させるに
は、人手で鉄骨材57を切断しなければならないが、人
手を借りることなく、保持されたコンクリート片56に
絡む鉄骨材57を、もう一本の作業アーム5により、テ
コを利用したニッパー58で切断することができる。そ
こで作業アーム6は作業を中断することなくスムーズに
効率よくコンクリート片56を移動させることが可能と
なる。
【0093】 図18の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6はブロック59を掴み、もう一方の作業アーム5
はブロック積みの組立補助をおこなっている。すなわち
作業アーム5は図の矢印で示す方向へ組み付けられたブ
ロック59を押さえる役割を担当し、ブロック組み付け
状態が崩壊することを防止している一方、作業アーム6
は次々とブロック59を供給する役割を担当している。
各々が異なる2種の作業を独自にしかも同時におこなう
と共に、連結された作業アーム同士は、作業進行に応じ
て走行をおこない作業ポイントを移動した際も、作業ア
ーム同士の相対位置関係が一定であることから、容易に
作業位置関係をつかむことができる。
【0094】 図19の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム6は防御工具9である塵取り62を掴み、もう一方
の作業アーム5は破砕工具9である釘抜き61を掴み高
所作業をおこなっている。2種の異なる工具9を両作業
アーム5、6に備えることができると共に、各々異なる
作業を同一作業ポイントにおこなわせるものである。そ
こで、一方の作業アーム5で高所に位置するコンクリー
ト壁54を釘抜き61で割って解体すると共に、もう一
方の作業アーム6で、解体で生じる破片56が落下せぬ
よう塵取り62で受けている。この落下物の処理は人命
にも関わる重要なポイントであるが、連結構造が故に、
次々と作業ポイントが移動して落下物を処理する塵取り
62を作業ポイントに沿わせる際に、相対位置関係にあ
る両作業アーム5、6は、走行移動(図のX方向)に関
わらず、その位置関係が把握し易く、安全にしかもスム
ーズに落下物処理などの作業をおこなわせることができ
る。
【0095】 図20の太点線Zで示す部分は、第1の
作業機と第2の作業機とが図の斜線部で示す連結体で固
定されていて、それらに作業アーム5、6が各々設置さ
れていることを示すものである。ここで、一方の作業ア
ーム5は建築組み付け用の製品機材63を掴み、もう一
方の作業アーム6はその機材63を挟持してリフト作業
をおこなっている。仮に一本の作業アーム5のみで機材
63を掴み上げる場合は、その重心位置との関係で、図
のRiで示す方向に回転モーメントを生じて滑りやすく
なる。そこで強い力で対象物を挟む必要があるが、製品
(機材63)がつぶれたり傷つき易くなり、しかも組立
姿勢に合致するよう機材63を図のRj方向へ設けよう
とすると、図の点線矢印で示す製品(機材63)の挟持
位置周辺に歪みが生じて割れなどが発生してしまう。他
方、もう一方の作業アーム6で機材63の低側面を支え
る場合は、上記RiやRi又は点線矢印の要因をキャン
セルして、しかも作業アーム5の挟持力を殆ど必要とせ
ずに機材63を好みの姿勢に保つことが可能となる。組
立姿勢に保たれた機材63は、連結構成で両作業アーム
5、6の相対位置関係が一定に保たれるが故、組立位置
(図のXで示す方向)まで、その姿勢を維持した状態で
走行して運ぶことができる。
【0096】以上のように上記応用例にあっては、2本
の作業アームの動作圧を感じながら或いは探りながら、
遠隔操作で多彩な作業をおこなうことができる。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、連結構成で2本の作業
アームを備えて、遠隔操作で2つの作業を個別にしかも
同時におこなうと共に、安全で比較的大きな力を発揮で
き、しかも極めて効率よく、広範囲な無人作業に適応し
た建設工事の作業機を提供することができる。
【0098】また、感覚的な間接情報で機体の状況を得
ることで、遠隔操作の作業を容易に実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図。
【図2】他の実施例を示す斜視図。
【図3】送受信装置を示す説明図。
【図4】レバー部機構を示す斜視図。
【図5】その動作圧機構を示す概念図。
【図6】そのレバースイッチを示す、(a)上面図、
(b)説明図。
【図7】衝撃信号の原理を示す、(a)(b)はタイミ
ングチャート図、(c)は説明図。
【図8】その制御方法を示すブロック図。
【図9】各センサを示す概念図。
【図10】立体モニタ装置を示す概念図。
【図11】ジョイスティックを示す概念図。
【図12】操作部を示す斜視図。
【図13】モニタ表示を示す説明図。
【図14】応用例を示す原理図。
【図15】応用例を示す原理図。
【図16】応用例を示す原理図。
【図17】応用例を示す原理図。
【図18】応用例を示す原理図。
【図19】応用例を示す原理図。
【図20】応用例を示す原理図。
【図21】従来例を示す斜視図。
【図22】その操作部を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ツインアーム作業機 1c 機体 2 連結体 3 走行フレーム 4 連結 5 (右側に位置する)第1作業アーム 6 (左側に位置する)第2作業アーム 7 操作部(遠隔操作部) 8 作業アーム 10 油圧ショベル(又はバックフォ) 11 第1の作業機(油圧ショベル) 12 第2の作業機(油圧ショベル) 13 走行車体 14、14a、14b 旋回体 15 キャビン 16 ブーム 17 アーム 18 アタッチメント 21 操作レバー 21a 右操作レバー 21b 左操作レバー 23 ペダルレバー 23a 右ペダル 23b 左ペダル 38 アームレバー 76 送受信装置群 79 アンテナ群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 9/20 E02F 3/36 E02F 3/96 E02F 9/00 E04G 23/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車体上に旋回体が旋回軸受けを介し
    て縦軸芯廻りに旋回可能に載置され、旋回体にブームと
    その先端のアームとから成る屈折自在な作業アームが起
    伏自在に支持されて成る第1の作業機と第1の作業機に
    隣接し、第1の作業機と構造略同じくして成る第2の作
    業機と第1の作業機の走行車体と第2の作業機の走行車
    体とを連結する連結体とを有する機体と、 右側の作業機の作業アームを操作する右操作レバーと左
    側の作業機の作業アームを操作する左操作レバーと左右
    に一対の前後可動走行ペダルとを有する上記機体外の位
    置に配された操作部とを具備して、 2台の連結された作業機の操作を遠隔操作でおこなうも
    のであることを特徴とする遠隔操作によるツインアーム
    作業機。
  2. 【請求項2】 機体外に配された操作部に操作スイッチ
    が配設され、操作レバーの動作状態に関わらず、操作ス
    イッチの動作時に作業アーム及びアタッチメントの動作
    を予め設定された動作に応じて強制的に遠隔操作して成
    る請求項1記載の遠隔操作によるツインアーム作業機。
  3. 【請求項3】 機体の作業アームの各リンク駆動装置に
    駆動圧を検出する圧力センサを備え、駆動圧力に応じて
    機体外方の操作部の操作レバーの動作圧を制御する請求
    項1又は2記載の遠隔操作によるツインアーム作業機。
  4. 【請求項4】 機体の作業アームの各リンク駆動装置に
    設けられた駆動圧を検出する圧力センサと、各リンク部
    のリンク回転速度を検出する速度センサとを備えて、 各々の圧力センサの上昇信号とあい対する速度センサの
    下降信号とを検出し、機体外方の操作部へ衝撃信号をフ
    ィードバックする請求項1又は2又は3記載の遠隔操作
    によるツインアーム作業機。
  5. 【請求項5】 操作部に主に送信動作を司る送受信装置
    が、連結体に主に受信動作を司る送受信装置が設けら
    れ、操作部の送受信装置と連結体の送受信装置とが互い
    に各チャンネルが対応する多チャンネルの同時データ伝
    送機能を備えて、 操作部の操作に応じて出力される多重信号が、操作部の
    送受信装置から連結体の送受信装置に伝送され、 送受信装置で受けた多重信号により、機体外に設けられ
    た操作部からの遠隔操作で連結された2台の作業機の操
    作をおこなう請求項1又は又は3又は4記載の遠隔操
    作によるツインアーム作業機。
  6. 【請求項6】 機体の連結体に、遠隔操作で上下左右に
    可動するステージと作業位置周辺を写す該ステージに間
    隔を隔てて配設された2台のカメラとを有し、 機体外に配された操作部に、上記ステージを上下左右に
    遠隔操作するジョイスティックと、 2台のカメラが捕らえた画像を左右画像として、2種の
    偏光板の偏向角と左右画像とが各々対で交互に切り替え
    られるタイミングに応じて左右画像データを交互に写す
    立体画像表示機能を備えたモニタとが設けられ、 左右眼鏡の偏向角が上記2種の偏向角に各々略合致する
    偏向メガネを通して、機体外に配された操作部のモニタ
    に写る連結体前方の作業現場を立体イメージの情報で捕
    らえて成る請求項1又は又は又は4又は5記載の遠
    隔操作によるツインアーム作業機。
  7. 【請求項7】 機体の左右に配設されたマイクで、作業
    アームの動作音波を検出し、機体外部に配された操作部
    内に出力する請求項1又は又は又は又は5又は6
    記載の遠隔操作によるツインアーム作業機。
  8. 【請求項8】 連結体に備えられた傾斜計と連結体に配
    され連結角の状態を検出する回転角検出計とを具備し
    て、 機体外に配された操作部に上記傾斜計値と連結角とを示
    すモニタを備えて、 機体の姿勢情報を把握しながら遠隔操作して成る請求項
    又は又は又は又は又は6又は7記載の遠隔操
    作によるツインアーム作業機。
  9. 【請求項9】 機体側の連結体に備えられたGPS装置
    と機体外に配された操作部に上記GPS装置が出力する
    座標を参照して、ナビゲーション表示するモニタとを備
    えて、 機体の座標情報を把握して成る請求項1又は又は
    又は又は又は7又は8記載の遠隔操作によるツ
    インアーム作業機。
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