JP3313299B2 - 半導体装置及びそのエージング方法 - Google Patents

半導体装置及びそのエージング方法

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JP3313299B2 JP05967597A JP5967597A JP3313299B2 JP 3313299 B2 JP3313299 B2 JP 3313299B2 JP 05967597 A JP05967597 A JP 05967597A JP 5967597 A JP5967597 A JP 5967597A JP 3313299 B2 JP3313299 B2 JP 3313299B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、埋め込み絶縁膜
を有する半導体基板上に形成された半導体装置及びその
エージング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体装置としては、例えばS
IMOX(Separated by IMplanted OXygen)基板を用
いたものがあり、その構造は、シリコン基板にシリコン
酸化膜の絶縁膜を埋め込み、このシリコン酸化膜上に5
00〜2000オングストロームのシリコン膜をエピタ
キシャル成長させ、このシリコン膜にMOS形トランジ
スタを形成すると言うものである。
【0003】図8は、一般的なSIMOX基板上に形成
されたnチャネルMOS形トランジスタの断面を模式的
に示している。同図において、SIMOX基板11は、
シリコン基板12にシリコン酸化膜13を埋め込み、こ
の上にシリコン膜14を成長させてなり、このシリコン
膜14に、チャネル領域15、n+拡散層のソース領域
16とドレイン領域17、及び素子分離用酸化膜18を
形成し、チャネル領域15上にゲート酸化膜19を介し
てゲート電極20を形成している。
【0004】nチャネルMOS形トランジスタ21は、
シリコン酸化膜13によってシリコン基板12から絶縁
されており、そのソース領域16とドレイン領域17が
シリコン酸化膜13に接している。
【0005】この様なSIMOX基板上の半導体装置
は、多くの性能向上を実現する上で有利であり、将来的
に重要な技術として注目されている。例えば、トランジ
スタの駆動電流の増大、オフ特性の改善、CMOS論理
回路の動作速度の向上や消費電力の低減に寄与する接合
容量の低減、及びソフトエラーの改善等を実現すること
ができる。
【0006】ところで、SIMOX基板上のnチャネル
MOS形トランジスタ21では、例えばイオン注入法に
よってボロン等の不純物をチャネル領域15に導入し、
そのしきい値を適宜に設定するが、この不純物濃度が高
い場合、チャネル領域15を完全に空乏化しようとして
も、図9に示す様にチャネル領域15の空乏層22に空
乏化されない部分23が生じて、チャネル領域15の電
位が不安定になり、トランジスタの電流−電圧特性の異
常、いわゆるキンク現象が発生し、ソース−ドレイン間
の耐圧が劣化したり、オフ時のリーク電流が増加した。
【0007】このキンク現象を抑制するために、例えば
図10に示す様にソース領域16内にチャネル領域15
と同じ導電型の拡散層24を設け、チャネル領域15近
傍で発生した正孔をソース領域16に取り込むと言うも
のが提案されている(特開平5−75120号公報を参
照)。
【0008】しかしながら、ソース領域16内に拡散層
24を設けるには、ソース領域16に対する高精度の微
細加工を必要とし、製造上困難を極めた。
【0009】なお、この特開平5−75120号公報で
は、SOI基板について述べているが、SIMOX基板
ついても同様の問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この様にSIMOX基
板上のMOS形トランジスタは、様々な利点を有するも
のの、チャネル領域の完全な空乏化がなされずに、キン
ク現象が発生することが多かった。また、これを解決す
るための特開平5−75120号公報の技術は、実現が
困難であった。
【0011】一方、この従来技術を適用せずに、キンク
現象を解消する場合は、製造上のバラツキが殆ど許容さ
れず、不良率が非常に高くなった。
【0012】例えば、チャネル領域15を全て空乏化す
るには、シリコン膜14の膜厚を薄くすれば良い。とこ
ろが、シリコン膜14の膜厚を薄くすると、ソース領域
16とドレイン領域17の抵抗が増大するため、シリコ
ン膜14の薄膜化には限度があり、50nm程度の膜厚と
なる。この50nm程度の膜厚を設定すれば、チャネル領
域15を全て空乏化するためのMOS型トランジスタ2
1のしきい値Vthも決まり、このしきい値Vthが0.4
V程度となる。しかしながら、この場合、製造上のバラ
ツキとして、例えばシリコン膜14の膜厚に10パーセ
ント程度の誤差を生じただけでも、0.4Vのしきい値
Vthをゲート電極20に印加したときに、チャネル領域
15が全て空乏化せず、キンク現象が発生し、ソース−
ドレイン間の耐圧が劣化したり、オフ時のリーク電流が
増加した。
【0013】そこで、この発明は、この様な従来の課題
を解決するものであって、SIMOX基板上に形成され
たMOS形トランジスタとして、製造が容易であって、
特性の安定した半導体装置及びそのエージング方法を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、埋め込み絶縁膜を有する半導体基板上
に形成された半導体装置のエージング方法において、こ
の半導体装置がnチャネルMOS形トランジスタであっ
て、このトランジスタのチャネルと埋め込み絶縁膜の界
面に電荷が注入されるように、ゲート、ソース領域、ド
レイン領域および半導体基板に、予め定められた所定の
電位を与えて、トランジスタのしきい値をシフトさせて
いる。
【0015】MOS型トランジスタを製造した後に、こ
の発明のエージング方法を適用すれば、トランジスタの
しきい値をシフトして、所望のしきい値を設定すること
ができる。しかも、nチャネルMOS型トランジスタの
場合は、後で述べる様に製造の段階でしきい値を大きめ
に予め設定しておき、この発明のエージング方法によっ
てしきい値を低くシフトすれば、しきい値を正確に設定
することができるだけでなく、シフトされたしきい値を
該トランジスタのチャネルに印加することによって、こ
のチャネルを確実に空乏化することが可能となる。
【0016】nチャネルMOS形トランジスタのしきい
値のシフト量は、例えば、−0.5Vよりも小さく設定
する。
【0017】半導体基板及びnチャネルMOS形トラン
ジスタのゲート、ソース領域、ドレイン領域および半導
体基板に与えられる各電位は、このトランジスタのソー
ス領域およびゲートが0V、このトランジスタのドレイ
ン領域が1〜3.5V、このトランジスタの半導体基板
5V以上である。
【0018】一方、この発明の半導体装置は、埋め込み
絶縁膜を有する半導体基板上に形成された半導体装置に
おいて、この半導体装置がnチャネルMOS形トランジ
スタであって、このトランジスタのしきい値がシフトす
るように、このトランジスタのチャネルと埋め込み絶縁
膜の界面に電荷が注入されている。
【0019】この様にトランジスタのチャネルと埋め込
み絶縁膜の界面に電荷を注入することによって、先のエ
ージング方法と同様に、このトランジスタのしきい値を
シフトさせることができる。逆に言えば、先のエージン
グ方法は、トランジスタのチャネルと埋め込み絶縁膜の
界面に電荷を注入するための方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、この発明の基本的な原理を
説明する。埋め込み絶縁膜を有する半導体基板、例えば
図8に示す様なSIMOX基板11上に形成されたnチ
ャネルMOS形トランジスタ21において、シリコン基
板12の電圧Vbaseに対するチャネル領域15における
ゲート電極20近傍の部分(以下トップチャネルと称
す)のしきい値Vth1の特性は、図2のグラフの点線3
1で示す様なものとなる。領域Sは、このトランジスタ
21が完全に空乏化し得る領域であり、この領域Sがシ
リコン基板12の電圧Vbase=0Vに対して右よりに偏
っている。このため、シリコン基板12の電圧Vbaseの
バラツキに対するトップチャネルのしきい値Vth1のマ
ージンが小さくなっている。
【0021】チャネル領域15のトップチャネルのしき
い値Vth1を大きくすると、このしきい値Vth1の特性
は、図2のグラフの一点鎖線32で示す様にシフトする
ものの、やはり、トップチャネルのしきい値Vth1のマ
ージンが小さいままである。
【0022】ところが、このnチャネルMOS形トラン
ジスタ21を形成して、チャネル領域15のトップチャ
ネルのしきい値Vth1を大きめに一旦設定してから、何
らかの方法によって、このトップチャネルのしきい値V
th1を小さくして適正な値に補正すると、このトップチ
ャネルのしきい値Vth1が図2のグラフの実線33で示
す様にシフトして、トップチャネルのしきい値Vth1の
マージンが大きくなる。
【0023】この様なトップチャネルのしきい値Vth1
の特性は、チャネル領域15のしきい値Vthの特性に近
似し、チャネル領域15のしきい値Vthについても、こ
のしきい値Vthを大きめに一旦設定してから、何らかの
方法によって、このしきい値Vthを補正して小さくする
と言う手順を踏まえれば、シリコン基板12の電圧Vba
seのバラツキに対するしきい値Vthのマージンが大きく
なり、チャネル領域15の確実な空乏化が保証される。
【0024】一方、SIMOX基板11上に形成された
nチャネルMOS形トランジスタ21のしきい値Vth
は、そのチャネル領域15が完全に空乏化する完全空乏
形動作時には次式(1)で表すことができ、この式
(1)中のφs2を次式(2)で表すことができる。
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】ただし、 φms :ゲート電極20とシリコン膜14の仕事関数差 φms2 :シリコン基板12とシリコン膜14の仕事関数差 Cox :ゲート酸化膜19の容量 Cbox :シリコン酸化膜13の容量 Csi :シリコン膜14の容量 Qox1 :ゲート酸化膜19界面の電荷 Qox2 :シリコン膜14界面の電荷 φf :シリコン膜14のフェルミエネルギー φs2 :シリコン膜14とシリコン酸化膜13界面のポテンシャル Vb :シリコン基板12のバイアス電圧 先に述べた様に、チャネル領域15のしきい値Vthを大
きめに一旦設定してから、何らかの方法によって、この
しきい値Vthを補正して小さくするには、上式(1)に
おける第1乃至第4項を適宜に変更すれば良い。
【0028】ここで、上式(1)における第1乃至第3
項は、しきい値チャネル領域15のしきい値Vthやシリ
コン膜14の厚さに応じて決定され、nチャネルMOS
形トランジスタ21の形成後に補正することが困難であ
るものの、第4項については補正することが可能であ
る。
【0029】この第4項のφs2は、上式(2)で表さ
れ、この式(2)における各パラメータのうちの変更可
能なものは、CboxとQox2である。Cboxは、SIMOX基
板11のシリコン酸化膜13の膜厚で決まるパラメータ
であり、このSIMOX基板11の欠陥を抑制する上
で、変更することが困難である。これに対して、Qox2
は、シリコン膜14とシリコン酸化膜13界面の固定電
荷であり、このnチャネルMOS形トランジスタ21の
形成後であっても、この界面にキャリアを注入すること
によって、このQox2を制御することが可能である。
【0030】したがって、このQox2を変更することによ
って、nチャネルMOS形トランジスタ21のしきい値
Vthを補正して小さくすれば、シリコン基板12の電圧
Vbaseのバラツキに対するしきい値Vthのマージンを大
きくして、チャネル領域15の確実な空乏化を保証する
ことが可能となる。
【0031】このQox2を変更するために、シリコン膜1
4とシリコン酸化膜13界面にキャリアを注入するに
は、この発明のエージング方法を適用すれば良い。
【0032】この発明のエージング方法の一実施形態で
は、チャネル領域15におけるシリコン酸化膜13近傍
の部分(以下バックチャネルと称す)をオンさせて、シ
リコン膜14とシリコン酸化膜13界面にホットキャリ
アを注入し、このバックチャネルのしきい値Vth2を小
さくして補正すると言うものである。
【0033】SIMOX基板11の場合、通常のバルク
トランジスタとは異なり、チャネル領域15のバックチ
ャネルの特性変動がnチャネルMOS形トランジスタ2
1の動作に影響を与え、チャネル領域15のバックチャ
ネルのしきい値Vth2の低下に伴い、このトランジスタ
21のしきい値Vthも低下する。
【0034】この実施形態のエージング方法では、シリ
コン基板12の電圧Vbaseをバックチャネルのしきい値
5V以上の10Vに設定し、ソース領域16及びゲート
電極20を0Vに設定し、かつドレイン領域17の電圧
Vdrainを1〜3.5Vに設定している。
【0035】図3のグラフは、ドレイン領域17の電圧
Vdrain(=1〜5V)に対するバックチャネルのしき
い値Vth2のシフト量の特性を示している。このグラフ
から明らかな様に、ドレイン領域17の電圧Vdrainが
3.5V以下では、バックチャネルのしきい値Vth2が負
にシフトしており、正孔がシリコン酸化膜13にトラッ
プされていることが判る。また、ドレイン領域17の電
圧Vdrainが3.5Vを越えると、逆にバックチャネルの
しきい値Vth2が正にシフトしているので、電子がトラ
ップされていることが判る。
【0036】チャネル領域15が完全に空乏化している
場合は、チャージカップリングによって、シリコン膜1
4とシリコン酸化膜13界面の電荷がチャネル領域15
のトップチャネルのポテンシャルに影響を与えるので、
このトップチャネルのしきい値Vth1も変動する。例え
ば、バックチャネルのしきい値Vth2が負にシフトした
ときには、トップチャネルのしきい値Vth1も負にシフ
トする。
【0037】図4のグラフは、正孔がシリコン酸化膜1
3にトラップされたときのチャネル領域15の深さに対
するポテンシャル分布を示している。このグラフからも
明らかな様に、シリコン膜14とシリコン酸化膜13界
面の正孔は、シリコン膜14表面、つまりトップチャネ
ル側のポテンシャルを引き上げており、これによっても
チャネル領域15の確実な空乏化が示唆されている。
【0038】この実施形態のエージング方法では、正孔
がシリコン膜14とシリコン酸化膜13界面に注入され
る条件、つまりドレイン領域17の電圧Vdrainが1〜
3.5Vを満たす範囲で、このnチャネルMOS形トラ
ンジスタ21のエージングを行う。また、ドレイン領域
17の電圧Vdrain及びエージング時間は、チャネル領
域15のしきい値Vthをどれ程大きめに設定して、この
しきい値Vthをどれ程小さく補正するかに応じて決める
が、エージングを過度に行うと、バックチャネルの漏れ
電流が大きくなったり、シリコン酸化膜13が劣化する
ので、チャネル領域15のしきい値Vthのシフト量(補
正の程度)を最小限に抑えるのが好ましい。ここでは、
シリコン基板12の電圧Vbaseを10Vに、ドレイン領
域17の電圧Vdrainを1〜3.5Vに設定しており、両
者の電圧が共に低いので、バックチャネルの漏れ電流や
シリコン酸化膜13の劣化を招かずに済む。
【0039】図1は、この発明のエージング方法の一実
施形態が適用されるnチャネルMOS形トランジスタの
断面を示している。このnチャンネルMOS形トランジ
スタ21は、図8のトランジスタに、層間絶縁膜25及
び各電極26を付設したものである。
【0040】この様な構成において、シリコン酸化膜1
3を100nmに、シリコン膜14を50nmに、ゲー
ト酸化膜19を7nmに設定し、このnチャネルMOS
形トランジスタ21のしきい値Vthを0.4Vに設定す
るために、公知のイオン注入法によって、注入エネルギ
ー10KeV、注入量3×1012cm-2で、ボロンをチャ
ネル領域15に注入する。
【0041】この様なnチャネルMOS形トランジスタ
21を製造上のバラツキなしに形成することができた場
合、シリコン基板12の電圧Vbase対するチャネル領域
15のトップチャネルのしきい値Vth1の特性は、図2
のグラフの点線31で示す様なものとなる。また、ゲー
ト電圧に対するドレイン電流の特性を図5のグラフの点
線34に、ドレイン電圧に対するドレイン電流の特性を
図6のグラフの点線35に示す。
【0042】ところが、製造上のバラツキによって、例
えばシリコン膜14の膜厚が10パーセント増加し、こ
の膜厚が55nmになったときには、ゲート電圧に対す
るドレイン電流の特性が図5のグラフの一点鎖線36
に、ドレイン電圧に対するドレイン電流の特性が図6の
グラフの一点鎖線37に示す様なものとなる。
【0043】図5及び図6のグラフから明らかな様に、
シリコン膜14の膜厚が10パーセント増加しただけ
で、オフ時のリーク電流が増加し、キンク現象が発生し
ており、これらがトランジスタの動作不良の原因とな
る。
【0044】そこで、先に述べた様にチャネル領域15
のしきい値Vthを大きめに一旦設定してから、上記実施
形態のエージング方法、つまり正孔をシリコン膜14と
シリコン酸化膜13界面に注入することによって、この
しきい値Vthを小さくして適正な値に補正する。
【0045】チャネル領域15のしきい値Vthを大きめ
の0.6Vに設定するために、チャネル領域15へのボ
ロンの注入量3×1012cm-2を4×1012cm-2に増加さ
せる。この場合、シリコン膜14の膜厚が50nmであ
れば、シリコン基板12の電圧Vbase対するチャネル領
域15のトップチャネルのしきい値Vth1の特性は、図
2のグラフの一点鎖線32に示す様なものとなる。
【0046】このボロンの注入量の増加したnチャネル
MOS形トランジスタ21を形成した後、シリコン基板
12の電圧Vbaseを10Vに、ソース領域16及びゲー
ト電極20を0Vに、かつドレイン領域17の電圧Vdr
ainを2Vに設定し、略10000秒間、エージングを
施した。
【0047】これによって、チャネル領域15のしきい
値Vthが0.2Vだけ負にシフトして0.4Vとなる。こ
のとき、シリコン基板12の電圧Vbase対するチャネル
領域15のトップチャネルのしきい値Vth1の特性は、
図2のグラフの実線33に示す様なものとなって、シリ
コン基板12の電圧Vbaseのバラツキに対するしきい値
Vthのマージンが大きくなり、チャネル領域15の確実
な空乏化が保証され、これに伴いドレイン電圧に対する
ドレイン電流の特性が図7のグラフの実線38に示す様
なものとなって、キンク現象が解消される。
【0048】ここで、シリコン膜14の膜厚が50nm
よりも厚くなったり薄くなると、シリコン基板12の電
圧Vbase対するチャネル領域15のトップチャネルのし
きい値Vth1の特性が図2のグラフの一点鎖線32から
外れる。この場合は、先のエージングの条件を変更して
(例えばエージング時間の10000秒を変更して)、
チャネル領域15のしきい値Vthのシフト量を変更し、
このしきい値Vthを0.4Vに補正する。図2のグラフ
の実線33から明らかな様に、シリコン膜14の膜厚が
50nmのときのしきい値Vthのマージンが大きいの
で、しきい値Vthのシフト量を変更しても、チャネル領
域15の確実な空乏化が保証され、キンク現象が解消さ
れる。
【0049】この発明のエージング装置をサブミクロン
の半導体装置に適用する場合は、ゲート酸化膜19の膜
厚が12〜5nmのとき、しきい値Vthのシフト量を0
〜−0.5V程度に設定すると、良好な性能が得られ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明した様に、この発明のエージン
グ方法を適用すれば、トランジスタのしきい値をシフト
して、所望のしきい値を設定することができる。しか
も、nチャネルMOS型トランジスタの場合は、製造の
段階でしきい値を大きめに予め設定しておき、この発明
のエージング方法によってしきい値を低くシフトすれ
ば、しきい値を正確に設定することができるだけでな
く、シフトされたしきい値を該トランジスタのチャネル
に印加することによって、このチャネルを確実に空乏化
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエージング方法の一実施形態が適用
されるnチャネルMOS形トランジスタを示す断面図
【図2】SIMOX基板のシリコン基板の電圧Vbaseに
対するnチャネルMOS形トランジスタのチャネル領域
のトップチャネルのしきい値Vth1の特性を示すグラフ
【図3】nチャネルMOS形トランジスタのドレイン領
域の電圧に対するバックチャネルのしきい値Vth2のシ
フト量の特性を示すグラフ
【図4】正孔がnチャネルMOS形トランジスタのシリ
コン酸化膜にトラップされたときのチャネル領域の深さ
に対するポテンシャル分布を示すグラフ
【図5】nチャネルMOS形トランジスタのゲート電圧
に対するドレイン電流の特性を示すグラフ
【図6】従来のnチャネルMOS形トランジスタのドレ
イン電圧に対するドレイン電流の特性を示すグラフ
【図7】この発明のエージング方法を適用したnチャネ
ルMOS形トランジスタのドレイン電圧に対するドレイ
ン電流の特性を示すグラフ
【図8】一般的なSIMOX基板上に形成されたnチャ
ネルMOS形トランジスタを模式的に示す断面図
【図9】図8のチャネル領域の空乏層の状態を示す図
【図10】従来のSOI基板上に形成されたnチャネル
MOS形トランジスタを模式的に示す断面図
【符号の説明】
11 SIMOX基板 12 シリコン基板 13 シリコン酸化膜 14 シリコン膜 15 チャネル領域 16 ソース領域 17 ドレイン領域 18 素子分離用酸化膜 19 ゲート酸化膜 20 ゲート電極 21 nチャネルMOS形トランジスタ 22 空乏層 23 空乏化されない部分 25 層間絶縁膜 26 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 埋め込み絶縁膜を有する半導体基板上に
    形成された半導体装置のエージング方法において、 この半導体装置がnチャネルMOS形トランジスタであ
    って、このトランジスタのチャネルと埋め込み絶縁膜の界面に
    電荷が注入されるように、ゲート、ソース領域、ドレイ
    ン領域および半導体基板に、予め定められた所定の電位
    を与えて、 トランジスタのしきい値をシフトさせる、半
    導体装置のエージング方法。
  2. 【請求項2】 nチャネルMOS形トランジスタのしき
    い値のシフト量を−0.5Vよりも小さく設定した請求
    項1に記載の半導体装置のエージング方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板及びnチャネルMOS形トラ
    ンジスタのゲート、ソース領域、ドレイン領域および半
    導体基板に与えられる各電位は、このトランジスタの
    ース領域およびゲートが0V、このトランジスタのドレ
    イン領域が1〜3.5V、このトランジスタの半導体基
    板が5V以上である請求項1に記載の半導体装置のエー
    ジング方法。
  4. 【請求項4】 埋め込み絶縁膜を有する半導体基板上に
    形成された半導体装置において、 この半導体装置がnチャネルMOS形トランジスタであ
    って、 このトランジスタのしきい値がシフトするように、この
    トランジスタのチャネルと埋め込み絶縁膜の界面に電荷
    が注入されている半導体装置。
JP05967597A 1997-03-13 1997-03-13 半導体装置及びそのエージング方法 Expired - Fee Related JP3313299B2 (ja)

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