JP3313133B2 - 電解コンデンサ用陰極箔の製造方法 - Google Patents
電解コンデンサ用陰極箔の製造方法Info
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信頼性の高い電解コン
デンサの製作を可能とする電解コンデンサ用陰極箔の製
造方法に関するものである。
デンサの製作を可能とする電解コンデンサ用陰極箔の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子部品は小型化が進み、電解コ
ンデンサにおいても小型化の要求が高まり、同時に長寿
命化も強く求められている。よって、これに使用する電
解コンデンサ用陰極箔は静電容量が高く、安定性に優れ
たものが求められている。従来の電解コンデンサ用陰極
箔は、一般にアルミニウム箔をエッチングで表面を粗面
化して表面積を拡大する処理を施した後、水洗浄し、更
にリン酸水溶液中の浸漬処理を施しており、AlPO4 を含
む Al2O3の酸化皮膜の形成により、耐水性を向上させて
いる。
ンデンサにおいても小型化の要求が高まり、同時に長寿
命化も強く求められている。よって、これに使用する電
解コンデンサ用陰極箔は静電容量が高く、安定性に優れ
たものが求められている。従来の電解コンデンサ用陰極
箔は、一般にアルミニウム箔をエッチングで表面を粗面
化して表面積を拡大する処理を施した後、水洗浄し、更
にリン酸水溶液中の浸漬処理を施しており、AlPO4 を含
む Al2O3の酸化皮膜の形成により、耐水性を向上させて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電解コ
ンデンサ用陰極箔の静電容量を高くするためには、上記
した AlPO4を含む酸化皮膜を薄くしなければならない
が、この薄くなった酸化皮膜は AlPO4の絶対量が不足と
なり、外部からの水などの侵入を容易にさせ、耐水性が
大幅に低下する。したがって、この薄くなった酸化皮膜
を使用した電解コンデンサは、電解液中の水とアルミニ
ウム箔とが反応しやすく、水酸化アルミニウムの生成に
伴って多量の水素ガスが発生するため、電解コンデンサ
の内圧を上昇させ、製品の寿命を低下させてしまう。
ンデンサ用陰極箔の静電容量を高くするためには、上記
した AlPO4を含む酸化皮膜を薄くしなければならない
が、この薄くなった酸化皮膜は AlPO4の絶対量が不足と
なり、外部からの水などの侵入を容易にさせ、耐水性が
大幅に低下する。したがって、この薄くなった酸化皮膜
を使用した電解コンデンサは、電解液中の水とアルミニ
ウム箔とが反応しやすく、水酸化アルミニウムの生成に
伴って多量の水素ガスが発生するため、電解コンデンサ
の内圧を上昇させ、製品の寿命を低下させてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、エッチング処理で表面積を拡大し、その
後リン酸水溶液中でケミカル洗浄処理を施したアルミニ
ウム箔を、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセト
アセテートを溶解した10〜60℃の水またはアルコー
ル溶液中へ浸漬させることを特徴とする電解コンデンサ
用陰極箔の製造方法である。
決するために、エッチング処理で表面積を拡大し、その
後リン酸水溶液中でケミカル洗浄処理を施したアルミニ
ウム箔を、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセト
アセテートを溶解した10〜60℃の水またはアルコー
ル溶液中へ浸漬させることを特徴とする電解コンデンサ
用陰極箔の製造方法である。
【0005】
【作用】ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトア
セテートは、無機物の表面に化学的に結合して、有機質
の皮膜をつくる性質を有しているため、ジイソプロポキ
シアルミニウムエチルアセトアセテートを溶解した溶液
中へアルミニウム箔を浸漬させ、アルミニウム箔表面に
薄い有機質皮膜を形成することにより、耐水性が大幅に
向上し、水酸化アルミニウムの生成、水素ガスの発生を
抑制させる。
セテートは、無機物の表面に化学的に結合して、有機質
の皮膜をつくる性質を有しているため、ジイソプロポキ
シアルミニウムエチルアセトアセテートを溶解した溶液
中へアルミニウム箔を浸漬させ、アルミニウム箔表面に
薄い有機質皮膜を形成することにより、耐水性が大幅に
向上し、水酸化アルミニウムの生成、水素ガスの発生を
抑制させる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ア
ルミニウム箔をエッチング処理で表面積を拡大し、洗浄
槽において水洗した後、リン酸濃度として1重量%,5
0℃水溶液中に浸漬処理を施した従来の製造装置による
電解コンデンサ用陰極箔と、その後ジイソプロポキシア
ルミニウムエチルアセトアセテ−ト濃度として1重量
%,50℃水溶液中に浸漬処理を施した電解コンデンサ
用陰極箔を用いて、水が15重量%配合されている電解
液を含浸した定格16V/4700μFの電解コンデン
サを製作し、105℃雰囲気中において印加試験を実施
した際の防爆弁作動率を表1に示す。
ルミニウム箔をエッチング処理で表面積を拡大し、洗浄
槽において水洗した後、リン酸濃度として1重量%,5
0℃水溶液中に浸漬処理を施した従来の製造装置による
電解コンデンサ用陰極箔と、その後ジイソプロポキシア
ルミニウムエチルアセトアセテ−ト濃度として1重量
%,50℃水溶液中に浸漬処理を施した電解コンデンサ
用陰極箔を用いて、水が15重量%配合されている電解
液を含浸した定格16V/4700μFの電解コンデン
サを製作し、105℃雰囲気中において印加試験を実施
した際の防爆弁作動率を表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】表1から明らかなように、本発明法による
電解コンデンサ用陰極箔を使用した電解コンデンサは、
従来法による陰極箔に比べて大幅に耐水性が向上してい
るため、高温雰囲気中においても防爆弁の作動が発生し
ない。なお、上記ジイソプロポキシアルミニウムエチル
アセトアセテートの溶解量は、0.01重量%未満では
発明の効果が得られず、また、10重量%を超えた場合
は析出がみられる。
電解コンデンサ用陰極箔を使用した電解コンデンサは、
従来法による陰極箔に比べて大幅に耐水性が向上してい
るため、高温雰囲気中においても防爆弁の作動が発生し
ない。なお、上記ジイソプロポキシアルミニウムエチル
アセトアセテートの溶解量は、0.01重量%未満では
発明の効果が得られず、また、10重量%を超えた場合
は析出がみられる。
【0009】
【発明の効果】以上のように、本発明法に係わる電解コ
ンデンサ用陰極箔を使用した電解コンデンサは、高温雰
囲気中においても水酸化アルミニウムの生成に伴う水素
ガスの発生が無いため、電解コンデンサの寿命を大幅に
向上し、工業的ならびに実用的価値の大なるものであ
る。
ンデンサ用陰極箔を使用した電解コンデンサは、高温雰
囲気中においても水酸化アルミニウムの生成に伴う水素
ガスの発生が無いため、電解コンデンサの寿命を大幅に
向上し、工業的ならびに実用的価値の大なるものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 エッチング処理で表面積を拡大し、その
後リン酸水溶液中でケミカル洗浄処理を施したアルミニ
ウム箔を、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセト
アセテートを溶解した10〜60℃の水またはアルコ−
ル溶液中へ浸漬させることを特徴とする電解コンデンサ
用陰極箔の製造方法。 - 【請求項2】 上記溶液中ジイソプロポキシアルミニウ
ムエチルアセテートの濃度が、0.01〜10重量%で
あることを特徴とする、請求項1記載の電解コンデンサ
用陰極箔の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07633692A JP3313133B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 電解コンデンサ用陰極箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07633692A JP3313133B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 電解コンデンサ用陰極箔の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05243099A JPH05243099A (ja) | 1993-09-21 |
JP3313133B2 true JP3313133B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=13602520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07633692A Expired - Fee Related JP3313133B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 電解コンデンサ用陰極箔の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3313133B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5144307B2 (ja) * | 1973-01-17 | 1976-11-27 | ||
JPS6217185A (ja) * | 1985-07-15 | 1987-01-26 | Shinei Tsushin Kogyo Kk | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
JPH0274021A (ja) * | 1988-09-09 | 1990-03-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 固体電解コンデンサの製造方法 |
-
1992
- 1992-02-26 JP JP07633692A patent/JP3313133B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05243099A (ja) | 1993-09-21 |
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