JP3312857B2 - 架橋剤、接着剤用及び被覆用樹脂組成物及び物品の処理方法 - Google Patents

架橋剤、接着剤用及び被覆用樹脂組成物及び物品の処理方法

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JP3312857B2 JP09281997A JP9281997A JP3312857B2 JP 3312857 B2 JP3312857 B2 JP 3312857B2 JP 09281997 A JP09281997 A JP 09281997A JP 9281997 A JP9281997 A JP 9281997A JP 3312857 B2 JP3312857 B2 JP 3312857B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリカルボジ
イミド化合物、その製造方法、樹脂組成物及び物品の接
着ないし被覆処理方法に関する。更に詳しくは本発明
は、反応性皮膜形成材料の架橋剤や樹脂処理剤、接着剤
等として有用な反応基としてカルボジイミド基を有する
多官能性反応性化合物、その製造方法、更にそれを用い
た金属製物品、合成樹脂製物品、プラスチックフィル
ム、木製品、織布、不織布、紙等の物品に接着、塗布、
捺染、含浸或は印刷するための樹脂処理剤及び該樹脂処
理剤を用いた上記物品への接着ないし被覆処理方法を提
供するものである。
【0002】
【従来技術】従来、糸、織布、不織布、紙等の繊維性物
品を樹脂加工したり、着色加工するための種々の樹脂処
理剤が使用されている。又、鉄製品やアルミニウム製品
等の金属製物品、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ABS、ポリエステル、ナイロン等の合成
樹脂製物品、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム、木製
品等の物品を塗装、樹脂加工、表面コーティングした
り、印刷したりするために種々の被覆組成物が使用され
てきている。
【0003】例えば、織布への顔料樹脂着色剤としてそ
のバインダー成分としては反応基を有するアクリルエス
テル系、ビニル系、ジエン系等の水性乳化重合液が使用
され、それと反応し得る架橋剤としてメチロール基、ア
ルキルメチロール基、エポキシ基、イソシアネート基、
エチレンイミン環基等が使用されてきた。金属製物品、
合成樹脂製物品、木製品等への塗料やプラスチックフィ
ルムへのグラビヤ印刷インクとして、そのバインダー成
分としては反応基を有するアクリルエステル系、ビニル
系、ジエン系等の重合体溶液、水性重合体溶液、水性乳
化重合液等が使用され、それと反応し得る架橋剤として
同様にメチロール基、アルキルメチロール基、エポキシ
基、イソシアネート基、エチレンイミン環基等が使用さ
れてきた。
【0004】然しながら、織布の分野に於ては繊維の素
材や形状等が多岐にわたるようになり、後処理の温度も
高温では繊維又は織布が変形してしまうものもあり、低
温度ないし常温で架橋を起こさせることが要求されてい
る。又、衛生性に関しても樹脂加工したり、着色加工さ
れた織布等の製品のみならず顔料樹脂着色剤等の繊維性
物品への処理剤としても十分衛生的であり、且つ安全で
あることが要求されている。
【0005】塗料の分野に於ても加熱等の後処理の出来
ない塗装も多く、その場合はベヒクルとして非反応型の
高分子量重合体を使用するか常乾型のアクリル樹脂を使
用したりされてきた。又、印刷インキの場合もプラスチ
ックフィルムの素材や形状等が多岐にわたるようにな
り、後処理の温度も高温ではフィルムが変形してしまう
ものもあり、低温度ないし常温で架橋を起こさせること
が要求されている。又、衛生性に関しても被覆処理され
たり、塗装された物品等の製品のみならず、塗料や被覆
処理剤、印刷インク等の被覆組成物としても同様に十分
衛生的であり、且つ安全であることが要求されている。
【0006】このような要求に対して、カルボキシル基
とアミノ基のアミド化反応やアミノ酸のペプチド化反応
の触媒として使用されていたカルボジイミド化合物が注
目され、最近、このカルボジイミド基を複数個持たせる
ことによって反応性重合体の架橋性反応基となり得るこ
と及び他の反応基等に比し衛生性、安全性が高いことが
見いだされている。例えば、ジイソシアネート化合物を
縮合させたカルボジイミド基を有するジイソシアネート
化合物をモノイソシアネート化合物やモノアルコール或
はジアルコール化合物と反応させた線状カルボジイミド
化合物をバインダーであるカルボキシル基を有する重合
体の架橋剤として使用することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらのカルボジイミ
ド化合物は前記した如き従来の架橋剤として用いられた
反応性化合物に比べて衛生性、安全性の観点では十分評
価されるものであった。然しながら、繊維性物品につい
てみた時、例えば織布でも繊維素材、繊維の断面の形
状、織り方等非常に多岐にわたる織布が広く使用されて
おり、それぞれの織布に対して加工条件特に後処理条件
等いろいろな制限が加えられている。堅牢性の点でみた
時、高温度のベーキング処理では要求する堅牢性が得ら
れたとしても、低温ないし常温での後処理の場合には、
特に合成繊維系の織布に対して乾及び湿の摩擦堅牢度、
洗濯堅牢度等で十分な堅牢度を示すには至らないという
欠陥を示した。
【0008】又、塗料、コーティング剤や印刷インキに
おいても塗装物や印刷物が高い堅牢性を要求されるに拘
らず、被覆処理される素材の材質的な制限や大型である
場合や屋外の建造物のような設置された場所等の要因か
ら加熱架橋処理の出来ない場合も多い。そのような状況
から常温での放置乾燥、送風乾燥ないし低温度の乾燥処
理等の処理条件で充分な堅牢性をもたらす架橋剤が要望
されているが、上記したようなカルボジイミド化合物は
低分子の化合物又は線状の化合物であり、反応性化合物
ではあるが上記のような常温ないし低温での後処理条件
に対して十分な堅牢度を示すには至らないという欠陥を
示した。
【0009】そのようなことから、衛生性、安全性であ
ることを前提として、且つ使用される多岐にわたる織布
等に対して高温度のベーキング処理は勿論のこと低温な
いし常温での後処理においても充分な堅牢性を有する改
良された顔料樹脂着色剤等の繊維性物品の処理剤の開発
が要望されており、塗装物や印刷物等に対しても高温度
の加熱架橋処理は勿論のこと低温ないし常温での後処理
においても充分な堅牢性を有する改良された塗料や印刷
インキ等の物品の被覆処理剤の開発が要望されている。
【0010】本発明者らは、上記の従来の繊維性物品の
処理剤や塗料や印刷インキ等の被覆処理剤の欠陥を解決
するために、種々研究した結果、バインダー成分として
特定の公知の架橋形成性反応性重合体を用い、その架橋
剤として多分岐型の多官能性カルボジイミド化合物を使
用した処理剤が低温ないし常温での後処理においても優
れた性質を発揮することが出来、また得られた樹脂加工
ないし着色加工された物品の諸物性も満足することが出
来できる優れたものであることを見出し本発明を完成し
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によて達成される。即ち本発明は、カルボジイミド基
と反応性の官能基を有する重合体をバインダーとして含
む接着剤、物品の被覆処理剤の架橋剤であって、上記架
橋剤はカルボジイミド基を有する分子鎖が少なくとも4
個以上枝分かれ状に分岐した形で結合している多分岐型
多官能性ポリカルボジイミド化合物であることを特徴と
する架橋剤、更にその具体例としては、1個以上のカル
ボジイミド基及び1個以上のイソシアネート基を有する
イソシアネート化合物(a)と分子中に4個以上の水酸
基、アミノ基及び/又はイミノ基を有するポリオール、
ポリアミン及び/又はアミノアルコール(b)とを反応
させ、必要に応じて更に分子中に水酸基、アミノ基又は
イミノ基を1個有するモノアルコール又はモノアミン
(c)を反応させた反応生成物である多分岐型多官能性
ポリカルボジイミド化合物である架橋剤、反応性高分子
物及び架橋剤を含む樹脂組成物においてその架橋剤とし
て多分岐型多官能性ポリカルボジイミド化合物(A)
を、反応性高分子物としてそれと反応し得る移動し易き
水素を有する反応基を有する架橋形成性重合体(B)を
用いた樹脂組成物及びそれを用いた物品の接着ないし被
覆処理方法を提供するものである。
【0012】本発明の目的とする物品の接着ないし被覆
処理は高分子皮膜形成材料として架橋形成性を有する反
応性重合体を用い、架橋剤により網状化することにより
物品間に強固な接着層を、或は物品上に堅牢な被覆高分
子皮膜を形成させようとするものである。架橋形成性重
合体の網状化に使用される架橋剤が既に提案されている
上記したような線状の低分子カルボジイミド化合物では
仮に1分子当たりの官能基数が多くとも、その内の一か
所が架橋することによってその分子の動きが拘束される
ことが想定され、そのためか架橋反応が不十分であるこ
とが多く、必ずしも重合体の網状化の密度の向上には寄
与しない場合が多い。
【0013】それに対して架橋剤として多分岐型の多官
能性カルボジイミド化合物、即ちカルボジイミド基を数
多く有するポリカルボジイミド分子鎖が数多く放射状に
枝分かれした形の多官能性カルボジイミド化合物を用い
た場合には、それぞれの分岐分子鎖は互いに拘束される
ことなく自由に動きまわることが出来、且つ1分子中の
カルボジイミド基の個数が非常に多いことが挙げられ、
しかも一つの分子鎖のカルボジイミド基の反応は他の分
子鎖のカルボジイミド基の反応とはほとんど影響されず
無関係に起こると考えられる。
【0014】従って、ある一つの分子鎖中のカルボジイ
ミド基が架橋形成性重合体の反応基と一部反応するだけ
で該カルボジイミド化合物自身が該重合体の網状化形成
の中心となって更に同一分子鎖中及び他分子鎖のカルボ
ジイミド基の架橋反応を起こし、それらの架橋反応が進
むにつれて飛躍的に重合体を網状化密度の高い架橋重合
体に変換させる。そのような反応機構により物品上に堅
牢な被覆皮膜を形成する効果を有するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明に使用し、本発明
を特徴づける架橋剤である多分岐型多官能性ポリカルボ
ジイミド化合物(A)は前記したようにカルボジイミド
基を数多く有するポリカルボジイミド分子鎖が数多く放
射状に枝分かれしている形をした多官能性カルボジイミ
ド化合物であって、1個以上のカルボジイミド基及び1
個乃至2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネ
ート化合物(a)に分子中に4個以上の水酸基、アミノ
基及び/又はイミノ基を有するポリオール、ポリアミン
及び/又はアミノアルコール(b)を反応させ、必要に
応じて更に分子中に水酸基、アミノ基又はイミノ基を1
個有するモノアルコール又はモノアミン(c)を反応さ
せることによって得られる。
【0016】上記の多分岐型多官能性ポリカルボジイミ
ド化合物(A)の例として下記のものが挙げられる。 (1)分子中に4個以上の水酸基、アミノ基及び/又は
イミノ基を有するポリオール、ポリアミン及び/又はア
ミノアルコール(b)に1個以上のカルボジイミド基及
び1個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合
物(a−1)を等量で反応させることによって得られる
生成物。 (2)分子中に4個以上の水酸基、アミノ基及び/又は
イミノ基を有するポリオール、ポリアミン及び/又はア
ミノアルコール(b)に1個以上のカルボジイミド基及
び2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート
化合物(a−2)の1個のイソシアネート基を反応さ
せ、更に残余の未反応のイソシアネート基に分子中に水
酸基、アミノ基又はイミノ基を1個有するモノアルコー
ル又はモノアミン(c)を等量反応させることによって
得られる生成物。
【0017】(3)分子中に4個以上の水酸基、アミノ
基及び/又はイミノ基を有するポリオール、ポリアミン
及び/又はアミノアルコール(b)に1個以上のカルボ
ジイミド基及び1個のイソシアネート基を有するイソシ
アネート化合物(a−1)を反応させ、次いで1個以上
のカルボジイミド基と2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物(a−2)を反応させ、更に
残余の未反応のイソシアネート基を分子中に水酸基、ア
ミノ基又はイミノ基を1個有するモノアルコール又はモ
ノアミン(c)を反応させることによって得られる生成
物。 上記に於て、分子中に2個乃至3個の水酸基、アミノ基
及び/又はイミノ基を有するポリオール、ポリアミン及
び/又はアミノアルコールを添加、併用して分子鎖を延
長させてもよい。
【0018】上記で使用した1個以上のカルボジイミド
基及び1個のイソシアネート基を有するイソシアネート
化合物(a−1)は従来公知の方法にしたがい、ジ−な
いしポリイソシアネート化合物を例えば3−メチル−1
−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシド等のカルボ
ジイミド化触媒の存在下で反応させて2個のイソシアネ
ート基を反応させてカルボジイミド基とし、更に分子末
端のイソシアネート基の内の一個を残すようにして残余
のイソシアネート基をモノイソシアネート化合物と反応
させてカルボジイミド基とすることによって得られる。
又、1個以上のカルボジイミド基及び2個以上のイソシ
アネート基を有するイソシアネート化合物(a−2)は
ジ−ないしポリイソシアネート化合物を同様に3−メチ
ル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド等の
カルボジイミド化触媒の存在下で反応させて2個のイソ
シアネート基を反応させてカルボジイミド基とし、分子
末端にイソシアネート基を残すように反応させることに
よって得られる。
【0019】上記のイソシアネート化合物a−1及びa
−2の1分子中のカルボジイミド基の個数は特に限定さ
れるものではないが、架橋剤の原料であることから凡そ
1〜20、好ましくは凡そ2〜10程度である。使用さ
れるジ−ないしポリイソシアネート化合物としては従来
公知の脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネー
ト及び芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。具体的
には例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソ
シアネート、トルイレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート等及びそれらをビウレット結合やイソシア
ヌレート結合で二量化ないし三量化したポリイソシアネ
ート化合物等が挙げられる。
【0020】モノイソシアネート化合物としては従来公
知の脂肪族モノイソシアネート、脂環式モノイソシアネ
ート及び芳香族モノイソシアネート及びα、β−エチレ
ン性不飽和イソシアネート等が挙げられる。具体的には
ヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ト
ルエンイソシアネート、メタロイルイソシアネート、メ
タロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペ
ニル−α、α´−ジメチルベンジルイソシアネート等が
挙げられる。
【0021】又、本発明の多分岐型ポリカルボジイミド
化合物の多分岐型を形成する要因である分子中に4個以
上の水酸基、アミノ基及び/又はイミノ基を有するポリ
オール、ポリアミン及び/又はアミノアルコール(b)
としては分子中に4個以上の水酸基、アミノ基及び/又
はイミノ基を有する公知の脂肪族、脂環式及び芳香族ポ
リオール、−ポリアミン、−アミノアルコール;脂肪
族、脂環式及び芳香族ポリカルボン酸のヒドロキシエス
テル;エポキシ樹脂の水和物等から選ばれた1種ないし
2種以上のポリオール、ポリアミン又はアミノアルコー
ルである。
【0022】具体的には例えばジグリセリン、テトラグ
リセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等のポリ
グリセリン類、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、ソルビタン、ソルビット等及びこれらのエチ
レンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加
物;ポリエチレンイミン;エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、ポリエチレンイミン等のアミン類のエチレンオ
キサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物;フェ
ノール系ノボラック樹脂のエチレンオキサイド付加物及
びプロピレンオキサイド付加物;ビスフェノールA−エ
ピクロルヒドリン付加重合物の水と反応して得られたポ
リオール、トリメチロールプロパンポリグリシジルエー
テルの水と反応して得られたポリオール、ポリグリセリ
ンポリグリシジルエーテルの水と反応して得られたポリ
オール、ソルビタンポリグリシジルエーテルの水と反応
して得られたポリオール;及びこれら多価アルコールの
部分エステル化物で4個以上の水酸基を残存させたアル
コール等から選ばれた1種ないし2種以上のポリオー
ル、ポリアミン又はアミノアルコールである。
【0023】必要に応じて更に反応させられる分子中に
水酸基、アミノ基又はイミノ基を1個有するモノアルコ
ール又はモノアミン(c)としては脂肪族、脂環式及び
芳香族モノアルコール又はモノアミン;脂肪族、脂環式
及び芳香族ポリアルコールモノヒドロキシポリエーテ
ル、モノヒドロキシポリエステル、アニオン性基或はカ
チオン性基を有するモノアルコール等から選ばれた1種
ないし2種以上のモノアルコール又はモノアミンであ
る。
【0024】具体的には例えば、炭素数1〜18の脂肪
族、脂環式及び芳香族モノアルコール類、炭素数2〜4
のポリアルキレングリコールの炭素数1〜18の脂肪
族、脂環式及び芳香族炭化水素基のモノエーテルモノア
ルコール類、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール
の炭素数1〜18の脂肪族、脂環式及び芳香族モノカル
ボン酸のモノエステルモノアルコール類、炭素数1〜1
8の脂肪族、脂環式及び芳香族モノアミン類;スルホン
基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等のアニオン性
基或は3級アミノ基、第4級アンモニウム基、ピリジニ
ウム基等のカチオン性基を有する炭素数1〜18の脂肪
族、脂環式及び芳香族モノアルコール類等から選ばれた
1種ないし2種以上のモノアルコール又はモノアミンで
ある。
【0025】具体的には、ヒドロキシメタンスルホン
酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ヒドロキシプロパン
スルホン酸、スルホコハク酸モノエトキシモノヒドロキ
シエチルエステル、タウリン、N−メチルタウリン、ス
ルファニル酸、メタニル酸等のスルホン酸類のナトリウ
ム塩、トリエチルアミン塩等、2−ヒドロキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。多分
岐型多官能性ポリカルボジイミド化合物(A)の平均分
子量は凡そ1,000〜30,000であり、好ましく
は凡そ2,000〜20,000である。
【0026】反応性高分子物として使用される、上記し
た架橋剤である多分岐型多官能性ポリカルボジイミド化
合物(A)と反応し得る活性水素を有する反応基を有す
る架橋形成性重合体(B)について説明する。上記のカ
ルボジイミド基と反応し得る活性水素を有する反応基と
してはカルボキシル基、水酸基、アミノ基、チオール基
等が挙げられ、架橋形成性重合体中には上記反応基群か
ら選ばれた一個ないし二個以上の反応基が含有される。
上記の架橋形成性重合体中に含有される活性水素を有す
る反応基の含有量としては反応基の種類によっても変わ
り一概に決められるものではないが、凡そ0.1〜10
重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0027】架橋形成性重合体としては、上記の反応基
を有する従来公知の、例えば各種の接着剤、塗料、コー
ティング剤、印刷インク、顔料樹脂捺染剤、繊維樹脂加
工剤等に使用されている架橋形成性重合体が使用され
る。具体的にはそれぞれ上記の反応基を有するポリアク
リルエステル系、ポリビニル系、ポリジエン系等の付加
重合系重合体、ポリウレタン系、ポリウレタン尿素系、
エポキシ樹脂系等の付加縮合系重合体、アルキッド樹脂
系、ポリエステル系、ポリアミド系等の縮合重合系重合
体、ロジン変性樹脂、セルロース誘導体等の天然物の誘
導体等が挙げられる。
【0028】上記の架橋形成性付加重合系重合体を合成
するために使用される、上記の活性水素を有する反応基
を有する共単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマール酸、イタコン酸よりなる不飽和カ
ルボン酸類、及びそれらのヒドロキシアルキル(但しC
2〜C4)エステル、ポリオキシアルキレン(但しC2
4)エステル、グリセリルエステル等、アリルアルコ
ール、アリルアミン、上記の不飽和ジカルボン酸のモノ
エステル及びモノアミド等からなる単量体群から選ばれ
た反応性単量体が挙げられる。
【0029】それらの反応基を有する共単量体と共重合
される単量体としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチ
レン等のビニル系、エチレン、ブタジエン、イソプレン
等のアルキレン系、アクリル酸のメチル(C1 )ないし
ステアリル(C18)エステル、シクロヘキシルエステ
ル、ベンジルエステル等のアクリル酸エステル系及びメ
タクリル酸のメチル(C1 )ないしステアリル(C18
エステル、シクロヘキシルエステル、ベンジルエステル
等のメタクリル酸エステル系の単量体が挙げられ、1種
類或は2種以上混合して使用される。
【0030】又、上記の架橋形成性付加縮合系重合体或
は縮合重合系重合体を合成するために使用される活性
素を有する反応基を有する共単量体としては、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、それらの酸無水物と
ジオールとの半エステル類、ジメチロールプロピオン
酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、リジン、
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げら
れる。又、上記した成分に、顔料の分散性や物品との親
和性等から非反応性の重合体を塗膜の物性を阻害しない
程度に添加併用してもよい。
【0031】本発明の物品の処理剤において、顔料樹脂
捺染剤や塗料の如く着色を目的として用いられる場合に
使用される着色剤としては、従来公知の顔料、染料、着
色ポリマービーズ、マイクロカプセル化色素等が挙げら
れる。顔料の例としては、有機顔料としては、フタロシ
アニン系、アゾ系、アゾメチンアゾ系、アゾメチン系、
アンスラキノン系、ペリノン・ペリレン系、インジゴ・
チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イ
ソインドリノン・イソインドリン系顔料等や、カーボン
ブラック顔料であり、無機顔料としては酸化チタン顔
料、酸化鉄系顔料、スピンネル系焼成顔料、体質顔料等
である。これらの顔料を水性或は溶剤系の塗料や顔料樹
脂捺染剤に使用する場合には、分散助剤として従来公知
の界面活性剤、水溶性或は溶剤可溶性高分子分散剤を用
いて顔料を予め微分散化した高濃度分散カラーを用いる
のが好ましい。
【0032】本発明の被覆処理される物品を説明する
と、金属製物品、合成樹脂製物品、プラスチックフィル
ム、木製品、織布、不織布、紙等であり、物品を更に説
明すると、鉄製品やアルミニウム製品等の小型の物品、
自動車の車体等の大型物品、建造物等の金属製物品、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、AB
S、ポリエステル、ナイロン等の合成樹脂製物品、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル等のプラスチックフィルム、木製製品、合板製品、
木製建造物等の木製品、糸、織布、不織布、紙等の繊維
性物品等である。
【0033】これらの物品に塗布、捺染、含浸、印刷或
は付着、圧着、接着する等物品への接着或は被覆処理を
する方法について説明する。反応性高分子物及びその架
橋剤を含む接着或は被覆処理をする樹脂組成物におい
て、該架橋剤が、1個以上のカルボジイミド基及び1個
ないし2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネ
ート化合物(a)に分子中に4個以上の水酸基、アミノ
基及び/又はイミノ基を有するポリオール、ポリアミン
及び/又はアミノアルコール(b)を反応させ、必要に
応じて更に分子中に水酸基、アミノ基又はイミノ基を1
個有するモノアルコール又はモノアミン(c)を反応さ
せた反応生成物である多分岐型多官能性ポリカルボジイ
ミド化合物(A)であり、反応性高分子物がそれと反応
し得る移動し易き水素を有する反応基を有する架橋形成
性重合体(B)であり、更に必要に応じて顔料、染料、
消泡剤、増粘剤、平滑剤等を加えて調製された被覆組成
物を物品に塗布、捺染、含浸或は印刷し、常温ないし低
温乾燥及び/又は加熱処理をすることを特徴とする物品
の被覆処理方法である。
【0034】特に本発明は低温度でも反応し得る多官能
性ポリカルボジイミド化合物を多分岐型にして架橋効率
を向上させているものであり、常温乃至100℃以下の
後処理が望ましい繊維性製品、プラスチックフィルム製
品、木製品、大型部品、大型構造物、建造物等の物品の
捺染、樹脂加工、印刷、塗装、接着等の被覆処理或は接
着の際に効果的である。
【0035】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中部又は%とあるのは重量基準である。 合成例1(多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1の
合成) 攪拌機、温度計、蛇管コンデンサーを付けた水分定量受
器、窒素ガス導入管、滴下濾斗の付いた縮合反応装置
に、カルボジイミド化触媒として3−メチル−1−フェ
ニル−3−ホスホレン−1−オキシドを用いてヘキサメ
チレンジイソシアネートを4分子縮合させて得た両末端
にイソシアネート基を有するポリヘキサメチレンカルボ
ジイミドジイソシアネート(1分子中のカルボジイミド
基の平均個数:約2.8)の30%トルエン溶液63
1.4部を仕込み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチ
ルエチルケトン溶液1.3部を加え、60℃に加熱し、
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量:
約1000)の50%トルエン溶液468.5部を60
分間かけて滴下して反応させた。次いで、徐々に昇温さ
せ、100℃にて3時間反応を続けた。次いでデカグリ
セリルモノラウレート(1分子中の水酸基の平均個数:
約11)の50%トルエン溶液37.6部を100℃で
60分間かけて滴下し、更に1時間反応を続けた。反応
は赤外線吸収スペクトル法によりイソシアネート基の減
少及びウレタン基の生成の確認によって判定した。
【0036】次いで、トルエンを115℃で2時間溜出
させ、更に減圧して更に溜去する。50℃にて水177
0部を添加し、分岐したポリカルボジイミド化合物の水
溶液(固形分20%)を得た。以下、多分岐型ポリカル
ボジイミド系架橋剤−1と称する。この化合物は11本
のカルボジイミド基を有する分子鎖を有し、1分子中の
カルボジイミド基の合計が凡そ30個となる様に反応さ
せたものである。
【0037】合成例2(多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−2の合成) 合成例1と同様にして、縮合反応装置に両末端にイソシ
アネート基を有するポリヘキサメチレンカルボジイミド
ジイソシアネートの30%トルエン溶液574.0部を
仕込み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチルエチルケ
トン溶液0.9部を加え、ポリプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル(分子量:約500)の50%トルエ
ン溶液233.6部を滴下し、反応させた。次いでジペ
ンタエリスリトールモノラウレート(1分子中の水酸基
の平均個数:約5)の50%トルエン溶液35.0部を
滴下し、反応を続けた。次いで、トルエンを添加し、分
岐したポリカルボジイミド化合物のトルエン溶液(固形
分20%)を得た。以下、多分岐型ポリカルボジイミド
系架橋剤−2と称する。この化合物は5本のカルボジイ
ミド基を有する分子鎖を有し、1分子中のカルボジイミ
ド基の合計が凡そ14個となる様に反応させたものであ
る。
【0038】合成例3(多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−3の合成) 合成例1と同様にして、縮合反応装置に両末端にイソシ
アネート基を有するポリヘキサメチレンカルボジイミド
ジイソシアネートの30%トルエン溶液574.0部を
仕込み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチルエチルケ
トン溶液0.9部を加え、ポリオキシプロピレン−ポリ
オキシエチレン(50:50)ランダムコポリマーモノ
ブチルエーテル(分子量:約500)の50%トルエン
溶液233.6部を滴下し、反応させた。次いでポリオ
キシエチレン(6)ソルビットモノラウレート(1分子
中の水酸基の平均個数:約5)の50%トルエン溶液5
0.4部を滴下し、反応を続けた。次いで、トルエンを
添加し、分岐したポリカルボジイミド化合物のトルエン
溶液(固形分20%)を得た。以下、多分岐型ポリカル
ボジイミド系架橋剤−3と称する。この化合物は5本の
カルボジイミド基を有する分子鎖を有し、1分子中のカ
ルボジイミド基の合計が凡そ14個となる様に反応させ
たものである。
【0039】合成例4(多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−4の合成) 合成例1と同様にして、縮合反応装置に両末端にイソシ
アネート基を有するポリヘキサメチレンカルボジイミド
ジイソシアネートの30%プロピレングリコールモノメ
チルアセテート(以下PGMEAと称す)溶液574.
0部を仕込み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチルエ
チルケトン溶液0.9部を加え、ポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル(分子量:約550)の50%P
GMEA溶液231.0部を滴下し、反応させた。次い
でポリオキシエチレン(6)ソルビットモノラウレート
の50%PGMEA溶液50.4部を滴下し、反応を続
けた。冷却後、固形分20%になるようにPGMEAを
追加し、分岐したポリカルボジイミド化合物のPGME
A溶液(固形分20%)を得た。以下、多分岐型ポリカ
ルボジイミド系架橋剤−4と称する。この化合物は5本
のカルボジイミド基を有する分子鎖を有し、1分子中の
カルボジイミド基の合計が凡そ14個となる様に反応さ
せたものである。
【0040】合成例5(多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−5の合成) 合成例1と同様にして、縮合反応装置に両末端にイソシ
アネート基を有するポリトルイレンカルボジイミドジイ
ソシアネートの30%PGMEA溶液376.4部を仕
込み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチルエチルケト
ン溶液0.9部を加え、ポリエチレングリコールモノメ
チルエーテル(分子量:約550)の50%PGMEA
溶液231.0部を滴下し、反応させた。次いでポリオ
キシエチレン(6)ソルビットモノラウレートの50%
PGMEA溶液50.4部を滴下し、反応を続けた。冷
却後、固形分20%になるようにPGMEAを追加し、
分岐したポリカルボジイミド化合物のPGMEA溶液
(固形分20%)を得た。以下、多分岐型ポリカルボジ
イミド系架橋剤−5と称する。この化合物は5本のカル
ボジイミド基を有する分子鎖を有し、1分子中のカルボ
ジイミド基の合計が凡そ14個となる様に反応させたも
のである。
【0041】合成例6(多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−6の合成) 合成例1と同様にして、縮合反応装置に両末端にイソシ
アネート基を有するポリトルイレンカルボジイミドジイ
ソシアネートの30%ミネラルターペン溶液376.4
部を仕込み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチルエチ
ルケトン溶液0.7部を加え、オレイルアルコールの5
0%ミネラルターペン溶液61.1部を滴下し、反応さ
せた。次いでポリオキシエチレン(6)ソルビットモノ
ラウレートの50%ミネラルターペン溶液50.4部を
滴下し、反応を続けた。冷却後、固形分20%になるよ
うにミネラルターペンを添加し、分岐したポリカルボジ
イミド化合物のミネラルターペン溶液(固形分20%)
を得た。以下、多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−
6と称する。この化合物は5本のカルボジイミド基を有
する分子鎖を有し、1分子中のカルボジイミド基の合計
が凡そ14個となる様に反応させたものである。
【0042】合成例7(多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−7の合成) 合成例1と同様にして、縮合反応装置に両末端にイソシ
アネート基を有するポリトルイレンカルボジイミドジイ
ソシアネートの30%トルエン溶液376.4部を仕込
み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチルエチルケトン
溶液0.6部を加え、n−ブタノールの50%トルエン
溶液34.2部を滴下し、反応させた。次いでポリオキ
シエチレン(6)ソルビットモノラウレートの50%ト
ルエン溶液50.4部を滴下し、反応を続けた。冷却
後、固形分20%になるようにトルエンを添加し、分岐
したポリカルボジイミド化合物のトルエン溶液(固形分
20%)を得た。以下、多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−7と称する。この化合物は5本のカルボジイミ
ド基を有する分子鎖を有し、1分子中のカルボジイミド
基の合計が凡そ14個となる様に反応させたものであ
る。
【0043】合成例8(多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−8の合成) 合成例1に準じて、縮合反応装置に両末端にイソシアネ
ート基を有するポリトルイレンカルボジイミドジイソシ
アネートの30%PGMEA溶液376.4部を仕込
み、ジブチル錫ジラウレートの5%メチルエチルケトン
溶液0.9部を加え、スルファニル酸トリエチルアミン
塩の50%PGMEA溶液32.9部及びn−ブタノー
ルの50%PGMEA溶液22.2部を滴下し、反応さ
せた。次いでポリオキシエチレン(6)ソルビットモノ
ラウレートの50%PGMEA溶液50.4部を滴下
し、反応を続けた。冷却後、固形分20%になるように
PGMEAを追加し、分岐したポリカルボジイミド化合
物の水溶液(固形分20%)を得た。以下、多分岐型ポ
リカルボジイミド系架橋剤−8と称する。この化合物は
5本のカルボジイミド基を有する分子鎖を有し、1分子
中のカルボジイミド基の合計が凡そ14個となる様に反
応させたものである。
【0044】実施例1(織布への捺染) カルボキシル基含有エチルアクリレート−スチレン−ア
クリル酸(60:36:4)共重合体ラテックス(固形
分40%)20部、多分岐型ポリカルボジイミド系架橋
剤−1(固形分20%)を5部、水10部及びポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル水溶液(固形分2
0%)5部を混合、溶解し、ホモミキサーで攪拌しなが
らミネラルターペン55部を徐々に添加してO/Wエマ
ルジョンとし、そこに銅フタロシアニンブルー顔料の水
性分散液(顔料分20%)5部を配合し十分混合して青
色顔料樹脂捺染剤を調製した。スクリーン捺染機で綿ニ
ット布に青色顔料樹脂捺染剤をプリントし、常温にて乾
燥して、乾、湿摩擦堅牢性、洗濯堅牢性及び耐ドライク
リーニング性等諸堅牢性に優れ、柔軟で且つ発色の鮮明
な青色のプリント布を得た。又、上記の多分岐型ポリカ
ルボジイミド系架橋剤−1に代えて多分岐型ポリカルボ
ジイミド系架橋剤−4、−5及び−6を使用してそれぞ
れ捺染剤を調製し、上記と同様にしてプリントを行い、
諸堅牢性に優れ、柔軟で且つ発色の鮮明なプリント布を
得た。
【0045】実施例2(織布の防水撥水加工処理) ブチルアクリレート−アクリル酸(95:5)共重合ア
クリルゴムの酢酸エチル溶液(固形分20%)90部、
多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−2(固形分20
%)を5部に、銅フタロシアニングリーン顔料をブチル
アクリレート−アクリル酸共重合体の酢酸エチル溶液中
の分散した緑色溶液(顔料分10%、樹脂分10%)1
0部を配合し充分混合して、緑色コーティング液を調製
した。コーティング機でポリエステルタフタ布に上記で
得られた緑色コーティング液を樹脂付着量(湿重量)3
0g/m2 でコーティングし、50℃にて5分間予備乾
燥し、130℃3分間ベーキングを行った。次いで、フ
ッ素−シリコーン系樹脂のトルエン溶液(固形分5%)
をパディングし、撥水加工処理を行った。
【0046】耐透湿性、耐水圧性、乾、湿摩擦堅牢性及
び耐洗濯堅牢性に優れた緑色の鮮明なコーティング布を
得た。又、上記の多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤
−2に代えて多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−
4、−5、−6及び−7をそれぞれ使用してコーティン
グ液を調製し、上記と同様にしてコーティング及び撥水
加工処理を行い、諸堅牢性に優れたコーティング布を得
た。
【0047】実施例3(織布への透湿性コーティング処
理) ポリウレタン系重合体分散液を合成した。グリコール成
分として、ポリテトラメチレングリコール(平均分子
量:1000)、エチレングリコール及びジメチロール
プロピオン酸を用い、ジイソシアネート成分としてジフ
ェニールメタンジイソシアネートを用い(モル比;0.
4:0.3:0.3:1.0)、メチルエチルケトン中
で反応させ、乳白色のポリウレタン分散液(固形分30
%)を得た。ポリウレタン系重合体溶液を合成した。グ
リコール成分として、ポリオキシプロピレン−ポリオキ
シエチレンブロックコポリマー(70/30)を用い、
ジイソシアネート成分としてジフェニールメタンジイソ
シアネートを用い(モル比;1:1)、メチルエチルケ
トン中で反応させ、ポリウレタン溶液(固形分50%)
を得た。
【0048】上記で得たポリウレタン分散液100部、
ポリウレタン溶液5部、多分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤−3を2部を充分に混合し、ホモミキサーで攪拌
しながらメチルエチルケトン−トルエン−水の混合溶媒
(重量比;1:1:4)120部を添加して均一に混合
しW/O型ポリウレタンエマルジョン(固形分14%)
を調製した。上記で得られたW/O型ポリウレタンエマ
ルジョンをポリエステル織布表面に約200g/m2
塗布し、80℃で3分間乾燥し、多孔性シート層を形成
させた。この繊維加工製品は優れた水蒸気透過性の性質
を有し、又、多孔性層に拘らず優れた耐乾、湿摩耗性を
示した。又、上記の多分岐型ポリカルボジイミド系架橋
剤−3に代えて多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−
4、−5、−6、−7及び−8をそれぞれ使用してW/
O型ポリウレタンエマルジョンを調製し、上記と同様に
して塗布、乾燥を行い、優れた水蒸気透過性と耐乾、湿
摩耗性を有する繊維加工製品を得た。
【0049】実施例4(水性接着剤) ポリテトラメチレングリコール(平均分子量約100
0)−ジメチロールプロピオン酸−イソホロンジイソシ
アネート−ジエチレントリアミン(247:24:12
4:5)のアニオン性ウレタン尿素樹脂をトリエチルア
ミンで中和した水性分散液(固形分40%)100部に
多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1(固形分20
%)5部を加えて水性接着剤組成物を調製した。厚さ2
0μmのコロナ放電処理した濡れ指数40ダインのポリ
プロピレン(OPP)フィルムに上記の水性接着剤組成
物コーターを使用し、固形分で2.5μmの厚さになる
ように塗布し、乾燥後直ちに濡れ指数38ダインの厚さ
60μmのポリプロピレン(CPP)フィルムをラミネ
ートロールを使用して約60℃にてドライラミネートし
た。ラミネートフィルムは40℃にて48時間熟成後、
幅15mmの試験片を作成し、シッパー試験機を使用し
て引っ張り強度100mm/分、25〜26℃で接着強
度を測定したところ、173g/15mmを示した。
【0050】比較のために、上記の多分岐型ポリカルボ
ジイミド系架橋剤−1のデカグリセリルモノラウレート
に代えて当量のジエチレングリコールを用いて調製した
線状の非分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤を上記の多
分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1に代えて使用
し、上記と同様にしてラミネートフィルムを調製し、同
様にして接着強度を測定したところ、110g/15m
mであった。上記の結果から、多分岐型ポリカルボジイ
ミド系架橋剤を使用した接着剤が線状の非分岐型ポリカ
ルボジイミド系架橋剤を用いた接着剤に比べた優れた接
着性を示すことが示された。又、上記の多分岐型ポリカ
ルボジイミド系架橋剤−1に代えて多分岐型ポリカルボ
ジイミド系架橋剤−4、−5及び−8を使用してそれぞ
れ水性接着剤組成物を調製し、上記と同様にして塗布、
ラミネートし、優れた接着性を有するラミネートフィル
ムを得た。
【0051】実施例5(水性接着剤) ポリカプロラクトンジオール(平均分子量約2000)
−1,6-ヘキサンジオール−ジメチロールプロピオン酸−
トルイレンジイソシアネート(225:13:12:8
7)のアニオン性ウレタン樹脂をトリエチルアミンで中
和した水性分散液(固形分40%)100部に多分岐型
ポリカルボジイミド系架橋剤−1(固形分20%)を5
部加えて水性接着剤組成物を調製した。上記の水性接着
剤組成物を実施例4と同様にしてOPPフィルムに塗
布、乾燥し、CPPフィルムをドライラミネートした。
ラミネートフィルムの接着強度を測定したところ151
g/15mmを示した。
【0052】比較のために上記の多分岐型ポリカルボジ
イミド系架橋剤−1に代えて、実施例4で使用した線状
の非分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤を用いて得られ
たラミネートフィルムの接着強度は90g/15mmで
あった。同様に多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤を
使用した接着剤が線状の非分岐型ポリカルボジイミド系
架橋剤を用いた接着剤に比べて優れた接着性を示した。
又、上記の多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1に
代えて多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−4、−5
及び−8を使用してそれぞれ水性接着剤組成物を調製
し、上記と同様にして塗布、ラミネートし、優れた接着
性を有するラミネートフィルムを得た。
【0053】実施例6(水性グラビヤインキ) 酸化チタン白色顔料40部、スチレン−マレイン酸モノ
ブチルエステル(40:60)共重合体(平均分子量約
3500)10部、イソプロピルアルコール10部、水
38.5部、顔料分散剤1部及びシリコーン消泡剤0.
5部の配合物をサンドミルで2回練肉分散し、白色顔料
ベースカラーを作成した。上記白色顔料ベースカラー5
0部に実施例4で使用したアニオン性ウレタン尿素樹脂
水性分散液(固形分30%)40部、微粉末無水珪酸
0.5部、ポリエチレンワックス0.5部、シリコーン
消泡剤0.1部及び水8.9部を配合し、サンドミルで
混合、均一とした後、多分岐型ポリカルボジイミド系架
橋剤−1を1部添加、混合し、アンモニア水でpHを8
に調整した。厚さ20μmのナイロンフィルムをコロナ
放電処理し、上記で得られた白色印刷インキを No.4バ
ーコーターで塗布、乾燥後、40℃にて48時間熟成し
た。セロハンテープを用いて印刷インキ層の接着強度試
験を実施した結果、接着性において良好な結果を示し
た。
【0054】次いで製袋用ラミネートフィルムにするた
め、カルボキシル基を有するポリエステル系接着剤(酢
酸エチル溶液、固形分63%)10部と多分岐型ポリカ
ルボジイミド系架橋剤−7を3.8部を配合したドライ
ラミネート用接着剤組成物を準備し、上記ナイロンフィ
ルムの白色印刷面に固形分で3μmの厚みで塗布し、直
ちにコロナ放電処理した厚さ60μmのポリプロピレン
フィルムをラミネートした。ラミネートフィルムは40
℃にて48時間熟成した。次いで、製袋した。ラミネー
トフィルムの袋に水道水を充填し、約90℃にて30分
間煮沸試験した。結果はピンホール状の剥離ほとんどな
く表面外観良好であった。
【0055】又、比較のために上記の多分岐型ポリカル
ボジイミド系架橋剤−1に代えて、実施例4で比較のた
めに使用した線状の非分岐型ポリカルボジイミド系架橋
剤を用いて上記と同様にして白色印刷インキを調製し、
ナイロンフィルムに印刷し、更にポリプロピレンフィル
ムをラミネートした。セロハンテープを用いる印刷イン
キ層の接着強度試験では接着性は良好な結果を示した
が、ラミネートフィルムの袋に水道水を充填した煮沸試
験の結果はピンホール状の剥離が目立ち、又表面外観は
皺が目立った。
【0056】上記の結果から、多分岐型ポリカルボジイ
ミド系架橋剤を使用した接着剤が線状の非分岐型ポリカ
ルボジイミド系架橋剤を用いた接着剤に比べて優れた接
着性を示すことが示された。又、上記の多分岐型ポリカ
ルボジイミド系架橋剤−1に代えて多分岐型ポリカルボ
ジイミド系架橋剤−4及び−5を使用して白色印刷イン
キを調製し、同様にナイロンフィルムに印刷し、更にポ
リプロピレンフィルムをラミネートし、優れた接着性、
耐煮沸性を有するラミネートフィルムを得た。
【0057】実施例7(水性グラビヤインキ) 酸化チタン白色顔料35部、カーボネート系ポリオ−ル
と脂肪族イソシアネートから得られたカルボキシル基を
含有するポリウレタン系水性樹脂(固形分30%)50
部、水分散ワックス(固形分30%)5部、消泡剤1
部、水9部及び多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−
1を5部を配合し、白色水性グラビヤインキを調製し
た。
【0058】別に、フタロシアニンブルー顔料15部、
カルボキシル基を含有するポリウレタン系水性樹脂60
部、水分散ワックス5部、消泡剤1部、水19部及び多
分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1を5部を配合
し、青色水性グラビヤインキを調製した。上記で得た青
色及び白色水性グラビヤインキを用いてポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等のプラスチ
ックフィルムにグラビヤ印刷を行った。それにより得ら
れた印刷物は、ラミネート用印刷物の場合ボイル・レト
ルト処理にも耐えられるものを得、又、表刷りの場合に
は耐熱性や耐薬品性に優れるものが得られた。
【0059】又、上記で使用したカルボキシル基を含有
するポリウレタン系水性樹脂に代えて公知のカルボキシ
ル基を含有するアクリル系水性樹脂、カルボキシル基を
含有するポリエステル系水性樹脂を使用した水性グラビ
ヤインキを用いて得られた印刷物は、同様にラミネート
用印刷物の場合ボイル・レトルト処理にも耐えられるも
のを得、又、表刷りの場合には耐熱性や耐薬品性に優れ
るものを得た。又、上記の多分岐型ポリカルボジイミド
系架橋剤−1に代えて多分岐型ポリカルボジイミド系架
橋剤−4及び−5を使用してグラビヤインキを調製し、
同様にプラスチックフィルムにグラビヤ印刷を行い、ボ
イル・レトルト処理にも耐えられるラミネート用印刷物
や耐熱性、耐薬品性に優れた表刷り印刷フィルムが得ら
れた。
【0060】実施例8(木目柄グラビヤインキ) カルボキシル基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル−アク
リル酸(89:6.7:4.3)共重合体(平均分子量
は凡そ30,000)12部を酢酸ブチル−メチルイソ
ブチルケトン−キシレン(43:20:20)混合溶媒
71部に溶解し、カーボンブラック顔料2部を加えてボ
ールミルに仕込み16時間分散させた。シリカを3部添
加、混合し、更に多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤
−2を12部を加え、混合し、黒色グラビアインキとし
た。別に、木質に近似させて薄い茶色に着色した半硬質
塩化ビニルフィルムの表面に印刷方式で木目柄を印刷
し、その表面に半透明の半硬質塩化ビニルフィルムを加
熱ラミネートを行うと同時にエンボッシング加工により
導管模様の凹部を形成させた。凹部の平均的深さは凡そ
60〜70μm位である。
【0061】次いでその表面全体に上記で得た黒色グラ
ビアインキを流下させながらナイフコーターで塗工し上
記で形成させた凹部に黒色インキを充填させると共に、
フィルム全体に凡そ1μm以下位のカブリ現象的な薄い
インキ層を形成させた。更にその表面にカルボキシル基
と水酸基を有するアクリル樹脂及び上記で使用した多分
岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−2からなるトップコ
ート剤をグラビアベタ版で塗工し凡そ60〜70μm位
のトップコート層を形成させ、導管模様のついた木目印
刷の塩化ビニルシートが得られた。着色インキ及びトッ
プコート剤の乾燥は常温で行い、次いで30〜40℃の
恒温室にて3日間熟成した。
【0062】上記で得られたシートはシートの収縮や凹
部の変化もなく、模様のはっきりした見栄えの良い木目
模様のシートであり、また導管模様はシンナーによる耐
溶剤性試験でも優れた耐溶剤性を示した。又、上記の多
分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−2に代えて多分岐
型ポリカルボジイミド系架橋剤−3、−4、−5、−6
及び−7を使用してグラビヤインキ及びトップコート剤
を調製し、同様にして塗工し、模様のはっきりした耐溶
剤性に優れた木目模様のシートが得られた。
【0063】実施例9(木製品への塗装) カルボキシル基含有メチルメタクリレート−エチルアク
リレート−アクリル酸(64:32:4)共重合体ラテ
ックス(固形分40%)33部、酸化チタン白色顔料2
2部、マイカ3部、タルク7部、3%ヒドロキシエチル
セルロース水溶液10部、顔料分散剤1部、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル1部、エチレングリコー
ル2部、シリコーン消泡剤0.5部、防腐剤0.5部、
多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1(固形分20
%)を5部及び水15部の配合処方の屋外用白色エマル
ジョン塗料を調製した。各種屋外建造物に白色の塗装を
行った。常温で架橋反応を行うことから耐候性、耐久
性、耐水性等の物性に優れた塗装を行うことができた。
又、上記の多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1に
代えて多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−4、−5
及び−8を使用してそれぞれエマルジョン塗料を調製
し、上記と同様にして物性に優れた塗装を行うことがで
きた。
【0064】実施例10(金属製品の塗装) 酸化チタン白色顔料17.9部、カーボンブラック顔料
0.2部、酸化鉄赤色顔料0.6部、メチルメタクリレ
ート−エチルメタクリレート−オクチルメタクリレート
−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸(4
5:20:20:10:5)共重合体の酢酸エチル溶液
(固形分60%)46.8部、多分岐型ポリカルボジイ
ミド系架橋剤−2(固形分20%)14部、色わかれ防
止剤0.1部及びキシロール20.4部の配合処方のグ
レイ色の金属製品用アクリル塗料を調製した。各種の機
械や事務用金属製品等にグレイ色の塗装を行った。常温
乾燥ないし低温度の焼き付けで架橋する塗料として耐候
性、耐久性、耐水性等の物性に優れた塗装を行うことが
できた。又、上記の多分岐型ポリカルボジイミド系架橋
剤−2に代えて多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−
4、−5、−6及び−7をそれぞれ使用して金属製品用
塗料を調製し、上記と同様にして物性に優れた塗装を行
うことができた。
【0065】実施例11(塩化ビニール床材用コート
材) カーボネート系ポリオ−ルと脂肪族イソシアネートから
得られたカルボキシル基を含有するポリウレタン系水性
樹脂(固形分30%)95部、シリカ5部、レベリング
剤0.5部、消泡剤0.1部及び多分岐型ポリカルボジ
イミド系架橋剤−1を3部を配合し、水性床材用コート
剤を調製した。塩化ビニール長尺床材にバーコーター N
o.10を用いて約5μmの厚みに塗布し、100℃で1
分間乾燥させた。架橋剤の効果を見るため、試験片を採
り、耐ブロッキング性試験(乾燥後30分後、2kg/cm2
荷重、60℃、48時間)、耐アルコール性試験(乾燥
後24時間経過後、室温24時間スポット放置テスト)
及び耐メチルエチルケトン性試験(乾燥後24時間経過
後、1kg/cm2荷重、20回ラビングテスト)を行った。
架橋剤を使用しないものに比べいずれも優れた結果を示
した。特に耐ブロッキング性試験において架橋剤を使用
しないものは著しく劣り、大きな差を示した。又、上記
の多分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1に代えて多
分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−4、−5及び−8
を使用してそれぞれ床材用コート剤を調製し、上記と同
様にして物性に優れた塗装を行うことができた。
【0066】実施例12(バンパー用ポリプロピレン成
型物の塗装) カーボネート系ポリオ−ルと脂肪族イソシアネートから
得られたカルボキシル基を含有するポリウレタン系水性
樹脂(固形分40%)50部、タルク10部、炭酸カル
シウム20部、N−メチルピロリドン5部、ヒドロキシ
エチルセルロース5%水溶液1部、レベリング剤0.5
部、水性酸化チタン顔料ベースカラー(顔料分65%)
30部、水性キナクリドンレッド顔料ベースカラー(顔
料分25%)1部、水100部及び多分岐型ポリカルボ
ジイミド系架橋剤−1を2.2部を配合し、水性バンパ
ー用塗料を調製した。スプレーガンでバンパー用ポリプ
ロピレン成型物(表面をコロナ処理)に乾燥膜厚約30
〜40μmに塗布し、50℃の熱風で15分間乾燥さ
せ、密着性、耐久性に優れた塗膜を得た。又、上記の多
分岐型ポリカルボジイミド系架橋剤−1に代えて多分岐
型ポリカルボジイミド系架橋剤−4、−5及び−8を使
用してそれぞれ水性塗料を調製し、上記と同様にして塗
布し、物性に優れた塗装を行うことができた。
【0067】
【発明の効果】本発明の金属製物品、合成樹脂製物品、
プラスチックフィルム、木製品、糸、織布、不織布、紙
等の物品の接着ないし被覆処理は反応性高分子物に対し
て架橋剤として多分岐型の多官能性カルボジイミド化合
物を用いて架橋形成性重合体を網状化することにより物
品間の強固な接着或は物品上に堅牢な被覆皮膜を形成さ
せようとするものである。カルボジイミド化合物が衛生
性及び安全性の高い化合物であるに加えて、常温ないし
低温度の反応条件で反応が進む特長のある反応基であ
る。然しながら、線状のカルボジイミド化合物では常温
ないし比較的低温度の後処理条件では架橋効率が不十分
で重合体の網状化の密度の向上には寄与しない場合が多
いことに比べて多分岐型の多官能性カルボジイミド化合
物を用いた場合には、それぞれの分岐分子鎖中のカルボ
ジイミド基が一部反応するだけで該カルボジイミド化合
物自身が網状化中心となり、更に同一分子鎖中の及び他
分子鎖のカルボジイミド基の架橋反応が進むにつれて架
橋形成性重合体を網状化密度の高い架橋重合体に変換す
る。そのような反応機構により、接着剤 塗料、印刷イ
ンク、顔料樹脂捺染剤、繊維用樹脂加工剤等に使用され
て、常温ないし比較的低温度の後処理条件でも物品上に
強固な接着ないし堅牢な被覆皮膜が形成される効果を有
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋中 博之 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 分部 好孝 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 河村 達夫 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 菅原 栄一 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 大倉 研 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 高橋 正行 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 竹沢 信夫 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−43798(JP,A) 特開 昭61−235415(JP,A) 特開 平8−283301(JP,A) 特開 平9−216931(JP,A) 特開 平9−255779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08G 18/00 - 18/87

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボジイミド基と反応性の官能基を有
    する重合体をバインダーとして含む接着剤、物品の被覆
    処理剤の架橋剤であって、上記架橋剤はカルボジイミド
    基を有する分子鎖が少なくとも4個以上枝分かれ状に分
    岐した形で結合している多分岐型多官能性ポリカルボジ
    イミド化合物であることを特徴とする架橋剤
  2. 【請求項2】 多分岐型多官能性ポリカルボジイミド化
    合物の平均分子量が1,000〜30,000である請
    求項1に記載の架橋剤
  3. 【請求項3】 1個以上のカルボジイミド基及び1個以
    上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物
    (a)と分子中に4個以上の水酸基、アミノ基及び/又
    はイミノ基を有するポリオール、ポリアミン及び/又は
    アミノアルコール(b)とを反応させ、必要に応じて更
    に分子中に水酸基、アミノ基又はイミノ基を1個有する
    モノアルコール又はモノアミン(c)を反応させた反応
    生成物である多分岐型多官能性ポリカルボジイミド化合
    物である請求項1に記載の架橋剤
  4. 【請求項4】 反応性高分子物及び架橋剤を含む接着剤
    樹脂組成物において、該架橋剤が、請求項1又は3に
    記載の多分岐型多官能性ポリカルボジイミド化合物
    (A)であり、反応性高分子がそのカルボジイミド基と
    反応し得る活性水素を有する反応基を有する架橋形成重
    合体(B)であることを特徴とする接着剤用樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 活性水素を有する反応基がカルボキシル
    基、水酸基、アミノ基からなる反応基群から選ばれた反
    応基である請求項に記載の接着剤用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の接着剤用樹脂組成物を
    物品に塗布し、常温ないし低温乾燥及び/又は加熱処理
    をすることを特徴とする物品の接着方法。
  7. 【請求項7】 反応性高分子物及びその架橋剤を含む被
    覆用樹脂組成物において、該架橋剤が、請求項1又は3
    に記載の多分岐型多官能性ポリカルボジイミド化合物
    (A)であり、反応性高分子物がそれと反応し得る活性
    水素を有する反応基を有する架橋形成性重合体(B)で
    あり、更に必要に応じて顔料、染料、消泡剤、増粘剤、
    平滑剤等を加えて調製されたことを特徴とする被覆用
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 活性水素を有する反応基がカルボキシル
    基、水酸基、アミノ基からなる反応基群から選ばれた反
    応基である請求項7に記載の被覆用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 被覆用樹脂組成物が、塗料、印刷イン
    、コーティング剤、顔料樹脂捺染剤、及び繊維用樹脂
    加工剤から選ばれる処理剤である請求項に記載の被覆
    用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の被覆用樹脂組成物を
    物品に塗布、捺染、含浸或は印刷し、常温ないし低温乾
    燥及び/又は加熱処理をすることを特徴とする物品の被
    覆処理方法。
  11. 【請求項11】 被覆用樹脂組成物が、反応性高分子物
    及び架橋剤に顔料を加えた着色コーティング剤である請
    求項10に記載の物品の被覆処理方法。
  12. 【請求項12】 物品が金属製物品、合成樹脂製物品、
    プラスチックフィルム、木製品、糸、織布、不織布、紙
    からなる群から選ばれた物品である請求項に記載の物
    の被覆処理方法。れを用いた物品の接着ないし被覆処
    理方法を提供するものである。てもよい。
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