JP3312790B2 - ズームカメラ - Google Patents

ズームカメラ

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JP3312790B2
JP3312790B2 JP21597093A JP21597093A JP3312790B2 JP 3312790 B2 JP3312790 B2 JP 3312790B2 JP 21597093 A JP21597093 A JP 21597093A JP 21597093 A JP21597093 A JP 21597093A JP 3312790 B2 JP3312790 B2 JP 3312790B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ズームカメラ、詳しく
は、ズーム駆動部とズーム以外の駆動部を有し、単一の
モータの連結を上記ズーム駆動部とズーム以外の駆動部
に切り換えることの可能なズームカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、単一のモータをズーム駆動
部と、例えば、フォーカス駆動やフィルム給送駆動等の
ズーム駆動以外の駆動部に切り換える切り換え機構を有
するズームカメラを、特願平4−272478号(特開
平6−148500号公報)において提案している。
記ズームカメラにおいて、上記切り換え動作により、ズ
ーム以外からズームに切り換えた時にはガタが生じるの
で、切り換えた後にズーム駆動部を一定量以上駆動して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このズームカメラの場
合、ワイド位置から一定量未満の位置でズームダウンス
イッチ(以下、スイッチをSWと記載する)が押された
り、テレ位置から一定量未満の位置でズームアップSW
が押された時には、切り換え後、ズームを一定量以上動
かすと、ワイド位置又はテレ位置を越えてしまうのでズ
ーム駆動ができなくなる。したがって、ワイド位置付近
でズームダウンSWを離した後、再度ズームダウンSW
を押してもワイド位置にできず、一旦、ズームアップS
Wを押して、ワイド位置から一定量以上繰り出してか
ら、再度ズームダウンSWを押さなければならなかっ
た。これはテレでも同様であり、ユーザのズーム操作
上、違和感があった。
【0004】本発明は、上述の不具合を解決するために
なされたものであって、ワイド位置やテレ位置から一定
量未満の位置でユーザがズーム操作を停止したり、ワイ
ド、または、テレ駆動の途中でズーム操作を停止して
も、ワイドやテレにならない状況をつくらないズームカ
メラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるズームカメ
ラは、ズーム範囲における光学的なワイド位置及びテレ
位置が機械的な駆動端と異なっているズームレンズと、
単一のモータの連結をズーム駆動部とズーム駆動部以外
の駆動部とに切り換える手段とを具備し、上記モータの
連結を上記ズーム駆動部に切り換えた際にバックラッシ
ュ取り動作を実行するズームカメラにおいて、撮影レン
ズのズーム位置が上記ワイド位置、または、テレ位置か
ら所定量以内に達した場合には、ズーム操作スイッチが
オフ状態になったとしても上記ワイド位置、または、テ
レ位置まで駆動をしてからズーム駆動動作を停止し、上
記ワイド位置、またはテレ位置に停止している場合に
は、上記バックラッシュ取り動作を実行しないようにし
たことを特徴とする。
【0006】
【実施例】本発明のズームカメラは、図1の概念図に示
すように、ズーム駆動部703とズーム駆動以外の駆動
部を有し、単一のモータの連結を上記ズーム駆動部70
3とズーム駆動以外の駆動部に切り換える切り換え手段
701を有するズームカメラにおいて、ズーム操作スイ
ッチ704を操作して、制御手段705、および、ズー
ム制御手段702を介し、ズーム駆動部703により、
撮影レンズのズーム位置をワイド方向、または、テレ方
向に駆動する。そして、判断手段707により、ズーム
位置がワイド位置、または、テレ位置から所定量以内に
近づいたと判断したとき、ズーム操作スイッチ704が
オフ状態になったとしても、上記ワイド位置、または、
テレ位置までズーム駆動することを特徴とする。なお、
図1において、符号706は、上記各ズーム位置を検出
するズーム位置検出手段を示している。以下、本発明の
各実施例を図を用いて説明する。図2は、本実施例のズ
ームカメラ22の概要を示すブロック構成図である。本
カメラ22においては、DXコード入力部23にて、フ
ィルム24のDXコードによりフィルム感度情報を得、
それをCPU25に入力する。ここで、CPU25は、
制御部を内蔵するものである。また、測光部26により
測定された被写体37の輝度情報、及び測距部27によ
り測定された被写体37の距離情報も、上記CPU25
に入力される。
【0007】ズームユニット20は、上記CPU25で
制御されるズームモータ駆動回路28により駆動され
る。このズームユニット20の位置は、ズーム位置検出
部29により検出され、ズーム移動量情報として上記C
PU25に入力される。シャッタユニット21のシャッ
タは、シャッタ制御回路30により開閉制御され、この
シャッタの開き始めるタイミングが、フォトインタラプ
タ(PI)32により検出され、PI入力部33をを介
して上記CPU25に与えられる。
【0008】上記CPU25は、判定部、露光回数情
報、シャッタ秒時演算部、シャッタ秒時情報、露光間ズ
ーム制御部としての機能を果たすものである。このCP
U25には、不図示のレリーズボタンが1段押し込まれ
たときにオンする第1レリーズスイッチ1st、上記レ
リーズボタンが2段押し込まれたときにオンする第2レ
リーズスイッチ2nd、及びモード設定のためのモード
スイッチMODE、等々が接続されている。
【0009】また、図2中の符号40は、ストロボ部、
符号35は、該ストロボ部40の発光制御を行なうスト
ロボ発光制御回路、符号36は、ストロボ部40の充電
回路、符号37は、被写体を示している。
【0010】図3に本実施例のカメラの外形図を示す。
本カメラは、バリア式のズームカメラであり、図3の
(A)がバリア81を閉じた時、図3の(B)がバリア
81を開けた時の外観を示している。
【0011】図4は、ストロボ部40の概略図である。
ストロボユニット301としてのストロボ部40は、ビ
ス41を中心に回転可能になっており、一方がカム環4
2の突起部42aに当接されたバネ43により付勢され
ており、ズームレンズ鏡筒位置が沈胴の時には図4の
(A)のごとく、バネ43によりストロボ部40はカメ
ラ本体46に収納され、ストロボ状態検出手段302と
してのスイッチであるPOPSW44はオフ状態になっ
ている。
【0012】ズームレンズ鏡筒位置が沈胴から撮影域に
繰り出されると、それに連動してカム環42は回動し、
バネ43による付勢が解除され、図4の(B)に示すよ
うにストロボ部40はバネ45によりカメラ本体46か
ら外にポップアップする。この時、POPSW44はオ
ンする。
【0013】図5は、本実施例のカメラのズームレンズ
鏡筒の縦断面図であり、本ズームレンズ鏡筒の構成とし
ては、カメラ本体に取り付けられる固定筒1と、この固
定筒1の外周面に回転自在に嵌合されていて、光軸Oの
前方への移動が固定筒1の前部外周面の周溝に嵌着され
たCリング4により阻止され、後方への移動が固定筒1
の後部の外向フランジ1dによって阻止されたカム筒2
と、上記固定筒1の内周面の前部に光軸方向に前後動自
在に嵌合されていて、内部に1群レンズ保持枠5を移動
自在に支持する移動筒3と、同じく固定筒1の内周面の
後部に光軸方向に前後動自在に嵌合された2群レンズ保
持枠6と、上記移動筒3内に配設されたフォーカス用カ
ム部材7と、上記カム筒2の外周面に配設されたズーム
エンコーダ8と、上記カム筒2の外周面に固定されたカ
ム筒駆動ギヤー9とで、その主要部が構成されている。
【0014】上記固定筒1は、上記図5、および、分解
斜視図である図7に示すように、その周方向の3等分位
置に光軸方向の直進ガイド溝孔1a、1b、1cが穿設
されていて、後述するカムフォロワであるローラピン1
0a〜10cおよび11a〜11cをガイドするように
なっている。
【0015】上記カム筒2には、その周方向の3等分位
置に1群用カム溝孔2a、2b、2cがそれぞれ穿設さ
れており、更に、その側近には2群用カム溝孔2d、2
e、2fがそれぞれ穿設されている。そして、この各1
群用カム溝孔2a、2b、2cには、上記移動筒3の後
部外周面の3等分位置に固植された上記ローラピン10
a、10b、10cが上記直進ガイド溝孔1a、1b、
1cを貫通してそれぞれ嵌入しており、各2群用カム溝
孔2d、2e、2fには、2群レンズ群L2 を支持した
上記2群レンズ保持枠6の外周面の3等分位置に固植さ
れた上記ローラピン11a、11b、11cが上記直進
ガイド溝孔1a、1b、1cを貫通してそれぞれ嵌入し
ている。
【0016】上記1群用カム溝孔および2群用カム溝孔
は、その溝カムの形状が図6の展開図に示されているよ
うに、1群用カム溝孔2a、2b、2cは、ほぼ直線状
に傾斜した溝カムで形成されており、2群用カム溝孔2
d、2e、2fは、ほぼ弓なりの非線形状に形成されて
いる。そして、レンズ鏡筒を正面から見てカム筒2を時
計方向に回転させると、上記移動筒3と2群レンズ保持
枠6とが光軸方向に前進してテレ状態となり、カム筒2
を反時計方向に回動させると、上記移動筒3と2群レン
ズ保持枠6とが光軸方向に後退してワイド状態となる。
【0017】一方、上記図5、および、分解斜視図であ
る図8に示すように、1群レンズ群L1 を保持し上記移
動筒3内に支持される1群レンズ保持枠5は、その上部
に比較的肉厚で小径の筒体からなるガイド部5bを有し
ており、同ガイド部5bの光軸方向の貫通軸孔5aは、
支軸12に移動自在に挿通されている。支軸12は上記
移動筒3の内周面の上部に、光軸方向に前後して設けら
れた取付片3a、3bに、その両端部を固定されて光軸
方向に横架されている。従って、1群レンズ保持枠5は
支軸12に保持され、ガイド部5bにガイドされて光軸
方向に移動するようになっているが、平生は支軸12に
巻回されガイド部5bの前端面と上記前部の取付片3a
との間に介装された伸長性のコイルばね13により、後
方に移動する習性が与えられている。
【0018】しかし、この習性による移動は上記移動筒
3内の後部に回転自在に配置された上記フォーカス用カ
ム部材7により規制されている。このフォーカス用カム
部材7は、短筒体の前面にカム面が形成された端面カム
7aと同カム7aの後面に一体に設けられた回動用ギヤ
ー7bとで構成されていて、その端面カム7aが上記1
群レンズ保持枠5の後端面に当接している。そして、A
F用のモータによりギヤー列を介して上記回動用ギヤー
7bが回動することにより、1群レンズ保持枠5が光軸
方向に前後動し、フォーカシング動作が行われる。
【0019】また、図5、図7に示す如く、上記カム筒
2の外周面に固定されたカム筒駆動ギヤー9は、モータ
からのギヤー列(図示されず)に噛み合っており、これ
により回動するようになっている。
【0020】本実施例のズーム規制における基準位置を
測定する為のフォトリフレクタ90(図5,7参照)の
出力ZMPRと、基準位置からの相対位置を検出する為
のフォトインタラプタ103(図10参照)の出力ZM
PIと、ズームの位置の関係を図9に示す。
【0021】ズームの沈胴位置とワイド位置の間で、図
7における位置検出用シール8は黒から白になり、ZM
PRはHからLになる。同様にスタンダードとテレの間
で白から黒になるので、ZMPRはLからHになる。ズ
ーム位置はZMPIのカウント値で行ない、カウント値
ZMPLSがZMPLS=SNKPLSの時沈胴位置、
ZMPLS=WPLSの時ワイド位置、ZMPLS=T
PLSの時テレ位置と判断する。ZMPLSは相対的な
カウント値なので初期化する必要がある。これは、ZM
PRがHからLになる時にZMPLS←WRPLSと
し、ZMPRがLからHになる時にZMPLS←TRP
LSにすることで行なう。
【0022】次に、駆動切り換え制御装置の機構部につ
いて、図10により詳細に説明する。WZ太陽ギヤー1
25は、モータ119と回転中心を一致した状態で取り
付けられている。WZ太陽ギヤー125とWZ遊星ギヤ
ー121とは常に噛合するようにWZキャリア127に
より結合されている。また、前述のように、WZキャリ
ア127とWZ太陽ギヤー125とは摩擦結合状態にあ
る。ソレノイド113は、WZキャリア127の係止用
であって、コイル113bとプランジャ113aとから
なる。上記コイル113bに電流を流すと(オン状
態)、プランジャ113aが吸引され係止が外れる。そ
こで、WZ太陽ギヤー125をCW方向に回転させる
と、WZ遊星ギヤー121は、フィルム巻き上げ・巻き
戻しのための回転力を伝達するWR太陽ギヤー142と
噛合状態になる。
【0023】また、WZ太陽ギヤー125をCCW方向
に回転させると、WZ遊星ギヤー121は、ズーム機構
を駆動するZギヤー(ズームギヤー)118と噛合状態
になる。なお、ソレノイド113は、上記のWZ遊星ギ
ヤー121の切り換え時のみオフ状態として係止を外
し、それ以外の場合は、コイル113bに電流を切り
(オフ状態)、プランジャ113aを突出させ、WZキ
ャリア127を係止する状態とする。なお、その状態で
WZキャリア127は、プランジャ113aとストッパ
120とで挟持され、位置決めされた状態になる。
【0024】上記WR太陽ギヤー142は、WRキャリ
ア141で支持されるWR遊星ギヤー143と、常時、
噛合している。また、WRキャリア141には、WR太
陽ギヤー142の回転力が摩擦により伝達されるように
なっている。そして、WR太陽ギヤー142がCW方向
に回転すると、WR遊星ギヤー143はフィルム巻き上
げ駆動用のWギヤー144と噛合する状態になり、巻き
上げを実行する。また、CCW方向に回転させると、W
R遊星ギヤー143はフィルム巻き戻し駆動用のWRギ
ヤー145と噛合し、巻き戻しを実行する。上記巻き上
げ時のフィルム24の給送量は、フォトリフレクタ10
2の出力FPRによりフィルムパーフォレーションを検
出することによって検知される。
【0025】上記Zギヤー118は、スリット板132
と一体のZMPIギヤー131と噛合しており、Zギヤ
ー118の回転は適宜のギヤ系列を介して、前記カム筒
2のギヤ9に伝達され、ズームレンズのズーミングが行
われる。上記ZMPIギヤー131の回転角は、上記ス
リット板132のスリットをフォトインタラプタ103
の出力ZMPIにより検出される。そして、レンズ鏡筒
は、モータ119がCW方向に回転するときには、内蔵
するズームレンズがワイド側に繰り込まれ、CCW方向
に回転するときにはテレ側に繰り出される。また、カム
筒2の周壁には前記したレンズ位置検出用シール8が設
けられており、フォトリフレクタ90の出力ZMPRで
この検出用シール8の白、黒を検出し、カム筒2の所定
回転位置を検知する。シールの白色部では、出力ZMP
RはLとなり、黒色部では反射しないのでHとなる。
【0026】図11は、上記駆動切り換え制御装置の機
構部を制御するための電気回路図であり、本回路は、図
2のCPU25に対応するCPU114によりコントロ
ールされる。即ち、ズーミングダウン用のDNSW11
6とアップ用のUPSW115は、ノーマルオフのプッ
シュタイプのスイッチであって、その出力端がCPU1
14に接続される。DNSW116を押圧してオン状態
にするとグランドライン(以下、GNDと称する)と短
絡し、オン信号がCPU114に入力される。このオン
信号によりCPU114は、ズームレンズの繰り込み動
作を実行する。オフ状態にすると該繰り込み動作を停止
する。また、UPSW115を押圧してオン状態にする
と、CPU114は、ズームレンズの繰り出し動作を実
行する。オフ状態にすると該繰り出し動作を停止する。
【0027】モータ制御回路117は、2つのPNPト
ランジスタと2つのNPNトランジスタおよび各トラン
ジスタに接続される2つの電流制限用抵抗からなるブリ
ッジ回路で構成される。そして、CPU114からの出
力信号によりモータ119を制御する。
【0028】また、ソレノイド制御回路218は、PN
Pトランジスタと2つの電流制限用抵抗からなる回路で
あり、CPU114からの出力信号によりソレノイド1
13のコイル113bへの電流を制御する。また、EE
PROM221は、ズームレンズの位置調整データを記
憶し、必要に応じてCPU114に該データ値が取り込
まれる。
【0029】以下、フローチャートを中心に本実施例の
カメラの動作を説明する。図12、13は、該カメラの
メインのフローチャートである。電源電圧によるリセッ
ト時はRSTSTRから、バリア81の開閉時には、バ
リア81に連動したスイッチによる割り込みにより、B
RSTRから始まる。どちらにより始まったかを判断す
る為のフラグRSTFが、リセットでスタートした時に
1、バリア81の割り込みの時に0が設定される。
【0030】カメラの各種調整データが記憶されている
不輝発性メモリEEPROM221から、各種データを
サブルーチン“EPRD”でリードし、電池電圧チェッ
クを行ない、後述するPOPSWのチャタキラー回数P
OPTMを4に、充電中フラグCHBFを1にする。ズ
ーム位置はZMPIによる相対エンコーダで決まり、Z
MPIのカウント値、ZMPLSはCPU25に記憶さ
れているが、電池を抜かれた時には、不定になる。この
為、リセットスタート時、すなわち、RSTF=1の時
は、“ZMSNK”をコールし、ズームを一度沈胴位置
にすることで、ズームのカウント値をリフレッシュす
る。
【0031】RWEDF、すなわち、リワインド終了時
以外でバリア81が開の時は、“ZMWID”により、
ズームをワイド位置にし、リワインド終了時には、沈胴
位置にする。すでに沈胴と判断した時は何もしない。ズ
ーム動作時に、CPU25やインターフェースICの電
圧の保持の為にDC/DCコンバータが起動されている
ので、“DCDCOF”により、DC/DCをオフし、
LCDの表示時間が4分に設定されたタイマをスタート
する。
【0032】バリア81が閉じた時、及び表示時間が4
分経った時には、ズームを沈胴にし、LCD表示をオフ
し、ストップ状態になる。レリーズ、アトブタ、モード
SWズームSWでスタンバイ解除して“JB ” へ飛
ぶ。4分以内の時はLCD表示を行う。ズームPIの状
態の変化をチェックし、3回反転した時は、鏡筒をユー
ザが引っ張ったり、手で押したものと判断し、“JD ”
に飛びズームを沈胴にする。これにより、ズームが不定
の位置でレリーズが行われるのを防ぐ。
【0033】MOVPICTは、ズーム制御(“ZMS
NK”,“ZMWID”,“ZOOM”)の終了時に0
にクリアされ、ズーム後のズームPIの変化をカウント
する。ズームPIは表示が常にオンしていてもよいし、
ズームPIをチェックする時のみオンしてもよい。そし
て、充電のサブルーチン“SCHRG”をコールする。
充電中(CHBF=1)の時は充電を行ない、充電終了
(CHBF=0)の時はすぐ抜ける。
【0034】アトブタが変化した時には、アトブタが開
か閉かをチェックし、閉の時は、開→閉に変化したの
で、ズームを沈胴にした後、空送りを行なう。バリア式
のズームカメラの場合、ズームを繰り返したままで空送
りをしてしまうと、空送り中にユーザがバリア81を閉
じようとして、バリア81を鏡筒にぶつける可能性が十
分あるので、それを防ぐ為に一旦、沈胴してから空送り
をする。同様にアトブタが閉→開に変化した時も沈胴に
する。これは、フィルム24の交換中にバリア81にさ
わることが十分あり、その時、ズームが沈胴位置にいっ
たりすると、ユーザをおどろかしたり、又、カメラを落
とす原因となるからである。
【0035】フィルム24がある状態でアトブタを開け
た時は、フィルム24が巻上げ側にくいついていてフィ
ルム24を取り出せないので、フィルム24のくいつき
をゆるめるときは、50msの間、モータ119を巻戻
し方向に動かし、50msの間、ブレーキを掛ける。リ
ワインドSWがオンした時も、同様に、沈胴にした後、
リワインドを行ない、リワインド終了フラグRWEDF
=1にする。
【0036】第1レリーズ(R1SW)がオンされた
ら、“STOWID”をコールし、ズームが沈胴だった
らワイドする。その後、レリーズ処理“R1”を行な
う。ワイドにする最中にバリア81が閉じられた時には
沈胴にする。沈胴の時(SWKF=1)の時は“R1”
は行なわない。レリーズ“R1”の中で巻上げをした結
果、フィルムエンドだった時(RWEDF=1)は、ズ
ームを沈胴にし、リワンドを行なう。
【0037】R1SWがオフでモードSWが押された時
には、モード変更し、沈胴だった時にはワイドにする。
ズームのアップSW(UPSW)又は、ダウンSW(D
NSW)がオンされた時は、まず、“STOWID”を
コールし、沈胴だった時にはワイドに、その後“ZOO
M”をコールし、ズーム制御を行なう。
【0038】図14にレリーズ処理“R1”を示す。ま
ず、測距、測光を行ない、被写体距離計算、AFレンズ
の繰り出し量計算、Ev値の計算を行なう。後述する第
2実施例のズーム機構においては、鏡筒の一部はBホン
タイの3ヶ所のヒレで保持しており、繰り出しで当て付
いた時と繰り込みで当て付いた時では力の加わり方が異
なり、ボディ本体のゆがみ方が変わる。この為、ボディ
本体についている測距用の光学系の位置関係がゆがみ、
繰り出した時と、繰り込んだ時で測距値がずれる。この
ずれを補正する為、繰り込みの時(ZUPF=0)の時
には測距値を補正している。
【0039】上記Ev値はISO感度と輝度により求め
る。“AECAL”でEv値からシャッタ秒時や発光時
間を計算する。被写体距離の計算の中で、被写体距離が
0.6mより近い時は近すぎて、本実施例のレンズでは
合焦にならないので露出を禁止する(至近ロック)。こ
の為のフラグSIKERF=1とする。又、“AECA
L”の中で、発光が必要で未充電の時にも露出を禁止す
る(未充電ロック)のでその為のフラグSTBERF=
1とする。
【0040】4分タイマ、250msタイマをスタート
する。至近ロックでなく(SIKERF=0)、未充電
ロックでなく(STBERF=0)、第2レリーズがオ
ンした時は、露出を行なう。赤目低減モードで発光する
時は“REDEYE”でストロボをプリ発光させる。但
し、その間にストロボがポップダウンした時(POPS
W=オフ)は、露出は行なわない。そうでない時は、レ
ンズ繰り出しを行ない、シャッタ制御“SHUTR”を
コールし、露出を行なった後、1コマ巻上げレンズ繰り
込みを行なう。
【0041】一方、至近エラー(SIKERF=1)、
未充電ロック(STBERF=1)又は、第2レリーズ
がオフの時には、スイッチのチェックを行なう。第1レ
リーズがオフした時、アトブタが変化した時、POPS
Wがオフ(ポップダウン)した時、又は4分経ったらフ
ローを抜ける。この間に250ms経ったら、ファイン
ダー内(以下F内)のLED表示の処理を行なう。F内
には、赤色のLEDと緑色のLEDがある。
【0042】赤色のLED(STLED)はストロボの
発光予告、未充電ロックの警告用であり、発光フラグ
(FLSHF=1)の時にオン、FLSHF=0で、未
充電ロックフラグ(STBERF=0)の時は、STL
EDをオフし、未充電ロックの時(STBERF=1)
には、STLEDの状態を反転し、2Hzの点滅を行な
う。
【0043】緑色のLED(AFLED)はAFの合焦
表示と至近ロックの警告用であり、至近エラーでない時
(SIKERF=0)にはAFLEDをオンし点灯し、
至近エラーの時(SIKERF=1)には、AFLED
の状態を反転し、2Hzの点滅を行なう。
【0044】次に図15〜図28に沿ってズーム制御を
説明する。ズーム制御を分類したのが図15であり、本
実施例では、沈胴への処理“ZMSNK”と、ワイドへ
の処理“ZMWID”と、ワイド途中でバリア81が閉
じた時に沈胴にもっていく処理“WTOSNK”とマニ
ュアルズーム処理“ZOOM”がある。図中に駆動前の
ズーム位置とズームPRの波形を示す。左側に沈端、右
側にテレ端があり、沈胴(S)、ワイド(W)、テレ
(T)位置と駆動前のズーム位置範囲を斜線で示す。Z
MPRがHの位置が沈胴側とテレ側にあるが、どちらに
あるかの判断は、EEPROM221に記憶したフラグ
ZPRHTLFが1の時テレ側、0の時に沈胴側と判断
する。EEPROM221に記憶するので、電池を抜い
ても情報は保存される。ズーム制御中にZMPRが反転
した時にズームの駆動方向に応じて、ZPRHTLFは
セット又はクリアする。
【0045】先ず、沈胴への処理“ZMSNK”である
が、すでにZMPR=Hで沈胴側(ZPRHTLF=
0)の時はすでに沈胴にいるとして何もしない。それ以
外の時にはZMPIのカウント値ZMPLSをテレの位
置の値TPLSにしてから、ズームダウンして沈胴へ駆
動する。この間、ZMPRが反転したら、ZMPIのカ
ウント値ZMPLSをリフレッシュする。
【0046】ワイドへの処理“ZMWID”であるが、
ZMPR=H、且つ沈胴側の時にはZMPLS=0とし
てズームアップする。この間ZMPRの反転を通るの
で、ZMPLSはリフレッシュされ、正しいワイド位置
で止まる。
【0047】それ以外の時はZMPLSの値を信じてワ
イド位置へ駆動する。すなわち、ZMPLS<WPLS
の時はズームアップ、ZMPLS>WPLSの時はズー
ムダウン、ZMPLS=WPLSの時は何もしない。Z
MPR=Lの時はワイドへ駆動している最中にバリア8
1の状態をチェックし、バリア81を閉じられた時には
沈胴にする。この時には、その時のZMPLSの値をも
とに沈胴にするが途中でZMPRがL→Hになるので、
そこでZMPLSの値がリフレッシュされる。マニュア
ルズームは、ズームアップSW(UPSW)又は、ズー
ムダウンSW(DNSW)により機能する。UPSWが
オンした時に、すでにテレにいる時は何もせず、テレ以
外の時はズームアップする。同様にDNSWがオンした
時にすでにワイドにいる時には何もせず、ワイド以外の
時はズームダウンする。
【0048】ズーム制御のゼネラルフローを図16〜図
18に示す。沈胴処理“ZMSNK”ではまず、IC用
の昇圧を行ない、沈胴処理中を示すフラグDOSNKF
=1とする。“ZMINI”の中でZMPI、ZMPR
のオン及びズームに関するE2 PROM221のデータ
をリードする。ZMPR=H、且つ、沈胴側(ZPRH
TLF=0)のときは“J5 ”に飛び抜ける。それ以外
の時はZMPLS←TPLSとし、繰り出すか繰り込む
かのフラグDOUPF=0(繰り込む)とし、目標のパ
ルスMP=SNKPLSとする。
【0049】“WTOSNK”の時はDOWTOSF=
1、DOUPF=0、MP=SNKPLSとする。この
時、ZMPR=Lであれば、ZPRHTLF=0を“E
PWRZM”でEEPROMに書き込む。すでにZMP
RHTLF=0であれば、改めて書く必要はないので、
ZMPRHTLF=1の時のみ書き込む。
【0050】これにより、沈胴中にZMPRがL→Hに
なったところで電池を抜かれても、すでに沈胴側(ZP
RHTLF=0)を書き込んでいるので、沈胴と判断で
きる。
【0051】ワイドへの処理“ZMWID”の時は、D
OWIDF=1とし、ZMPR=Hで沈胴の時はDOU
PF=1とする。すでにワイドの時(WIDF=1)又
はZMPLS=WPLSの時は5に飛び抜ける。ZMP
LS>WPLSの時にはDOUPF=0、そうでない時
はDOUPF=1とし、目標のパルスMP=WPLSと
する。
【0052】マニュアルズーム“ZOOM”では、ま
ず、マニュアルズームであることを示すフラグDOZM
F=1とし、ズームUPSWが押された時(ZUSW=
0)にはDOUPF=1とし、そうでない時DODNF
=1とし、キー入力の許可フラグKYIWF=1とす
る。又、ズームSWのチョン押しでもズームのバックラ
ッシュを取る為に数パルス動かす。切り換え後はMIN
P=0,切り換えのない時は、MINP=1をセットす
る。MZNP=4になるまで動かすので、それぞれ最低
4パルス,3パルス最低動くことになる。ズームアップ
する時(DOUPF=1)で、すでにテレ(TLF=
1)の時は“J5 ”に飛び、そうでない時MP=TPL
Sとする。ズームダウンする時(DOUPF=0)です
でにワイド(WIDF=1)ならば“J5 ”に飛び、そ
うでなければMP=WPLSとする。
【0053】図17のフローに移り、まず、W→Z(巻
上げ→ズーム)の切り換えをするかどうかを、切り換え
の状態WZPLSWとEEPROM221のデータZY
USEIFでチェックし、切り換えが必要な時は“WT
OZ”でズーム側へ切り換える。
【0054】前回のズームの駆動方向ZUPFと今回の
駆動方向DOUPFとを切り換えるかどうかのフラグW
TOZFにより、駆動方向が反転するかどうかを判断す
る。
【0055】ズームアップからズームダウンに変わった
時点でZMPLSにRVPLSを加え、 ZMPLS=ZMPLS+RVPLS となる。
【0056】ズームダウンからズームアップに変わった
時でRVPLSを引き、 ZMPLS=ZMPLS−RVPLS を計算する。
【0057】これ以前ではまだ、実際にモータ119は
動いていないので、これ以降モータ119を動かす。モ
ータ119の方向を示すフラグDOUPFをZUPFに
移し、これをズーム処理の最後にEEPROM221に
記憶することで、カメラの電源が抜かれた時でも前回の
ズームの駆動方向が分かるようにする。
【0058】ダメージ判断の為の0.5秒タイマと駆動
中に止まったかを判断する為の20msタイマをスター
トさせ、ループを250μs毎に回わす為の250μs
タイマをスタートする。“MPOK”(図23)で目標
になったかを判断し、まだ目標になっていない時(MP
OKF=0)には電圧の設定とモータ119の正転、逆
転の制御を“ZVSET”(図24)で行なう。250
μs経つのを待ち、20ms経っていればKIDF=1
とし、“ZVSET”で再起動するようにする。
【0059】図18のフローに移りワイドにする時(D
OWIDF=1)でZMPR=Lの時には、バリア81
の状態をチェックし、バリア81が閉であれば“WTO
SBRK”(図28)でブレーキし、ワイドから沈胴へ
の処理、“WTOSNK”(図16)へ飛ぶ。
【0060】ワイドへの処理以外(DOWIDF=0)
でキー入力許可(KYINF=1)の時でMINP≦4
でない時はズームスイッチの状態をチェックする。これ
により、4パルス以下の時は、ズームSWのオフを見な
いことになり、ズームをチョン押しした時で最低4パル
ス動かす。又、ズームアップ(DOUPF=1)の時に
テレから、5パルス以内の時は、アップSWのオフをチ
ェックせず、ズームダウン(DOUPF=0)の時にワ
イドから5パルス以内の時は、ダウンSWのオフをチェ
ックしない。ズームアップ中(DOUPF=1)にUP
SWがオフしたり、ズームダウン中(DOUPF=0)
にDNSWがオフした時には、停止禁止位置かどうかを
“BARICK”でチェックし、禁止位置以外(BAR
IF=0)の時は“J5”に飛ぶ。
【0061】“PIPRIN”(図25)中で、ZMP
I、ZMPRの状態をチェックし、ZMPIが変化した
ら、ZMPLSをカウントアップ又はカウントダウン
し、MINPをカウントアップする。この中でZMPI
又はZMPRが変化した時、PIPRCHNF=1とす
るので、PIPRCHNF=1の時には“J7 ”に飛
び、0.5秒タイマ、20msを再起動する。
【0062】ZMPI又はZMPRが0.5秒変化しな
かった時は、沈端又はテレ端にぶつかっていると考えら
れる。ZMDMF=1とし、更に、ZMPR=Hの時で
ズームアップ中(ZUPF=1)の時はZPRHTLF
=1、そうでない時はZPRHTLF=0とし“EPW
RZM”でEEPROM221に記憶し、ダメージ処理
をする。
【0063】図15に示すように、沈胴はZMPR=H
なので、ZMPR=Lの時に、沈胴(DOSNKF=
1)の目標のカウント値になったとしても、モータ11
9を動かし続ける。これはユーザが無理にズームを押し
たり、引っ張ったりして、ズーム位置を動かした場合で
も正しく沈胴に動かす為であり、動いている途中で、Z
MPRがL→Hになったところでカウント値ZMPLS
がリフレッシュされることで行われる。ワイドの時も同
様であり、ZMPR=Hの時にワイド(DOWIDF=
1)の目標のカウント値になったとしてもモータ119
を動かし続ける。
【0064】沈胴、ワイドのどちらも単純に動かし続け
るのであれば、メカニズムがこわれてZMPIだけが出
力され、ズームが動かないような場合、無限ループにな
ってしまう。これをさける為に、“LIMCK”でカウ
ント値ZMPLSが範囲内かをチェックし、範囲外の時
には、LIMERF=1とし、この時はエラー処理“J
6 ”へ飛ぶ。次に、ズーム制御が成功した時の“J5 ”
以降について説明する。マニュアルズームでテレ、又は
ワイドを越えたかを“WIDTLCK”(図26)でチ
ェックし、テレ又はワイドを越えていれば、それぞれD
OTLF,DOWIDFを1とする。次に“ZMBR
K”でモータ119にブレーキを掛ける。
【0065】撮影域(沈胴以外、すなわち、SNKF=
0)の時で、ズームダウンした時は、“MTONBK”
でモータを繰り出し方向にモータを定時間動かす。これ
により、モータから鏡筒へ連結したギア列のバックラッ
シュを取るが、鏡筒まで動かさない為に一定時間を設定
する。
【0066】ワイド位置を基準としたズーム位置の値Z
MENCを ZMENC←ZMPLS−WPLS で計算する。ズーム位置によって、レンズのFNoが変
わったり、レンズの繰り出し量が変わるので、ZMEN
Cを使って計算する。ダメージフラグZMDMF=0と
し、WIDF←DOWIDF、TLF←DOTLF、S
NKF←DOSNKFとして、“EPWRZM”でEE
PROM221に書き込む。ズーム制御後にズームの移
動量をカウントする為のカウンタMOVPICT=0と
する。
【0067】モータ119と鏡筒の間はギア列でつなが
っている為、方向を変えて、しばらくはモータ119や
ギヤー列は動くが、鏡筒は動かない。この様な鏡筒が完
全に動かない途中位置では、ズームの位置はZMPIの
カウント値と一致しない。レンズの繰り出し量はZMP
Iのカウント値(ZMPLS)によって計算するので、
ずれが出てしまう。この様なズレはメカニズム的には小
さな値であっても、ピントにとっては非常に大きな影響
があり無視できない。この為、ズーム位置とZMPLS
が一致する様に、駆動方向が前回のズーム駆動と反対に
動かす時には一定量ZMPIが出力されるまで動かすこ
とで行なう。
【0068】鏡筒のカム環42のカム溝とレンズを保持
しているズーム保持ピンの関係を図19に示す。カム環
42を右側に動かすと、ズーム保持ピンはカム溝の左側
の面に沿って動くのでズームダウンする。カム環42を
左側に動かすとカム溝の右側の面に沿ってズーム保持ピ
ンは動くのでズームアップ方向に動く。カム溝の左右の
面が平面でなく、曲がっている為、ワイド位置のガタa
dとテレ位置でのガタbcは等しくなく、本実施例では
テレ側の方が大きい。
【0069】従って、繰り出し方向が変わった時にバッ
クラッシュを取ろうとすると、ズーム位置毎でバックラ
ッシュ取りをする量を変える必要がある。しかし、それ
では処理が複雑になるので本実施例では、バックラッシ
ュの大きいテレでのバックラッシュに余裕を見込んだ値
BKPLS分を最低でも動かすことで行なう。
【0070】ZMPIはカム環42の回転に連動して動
く。パワーオンで沈胴からワイドになった時にはズーム
保持ピンはa点におり、ズームをテレにし、ワイドに戻
すとa→b→c→dと動く。この時、カム環42はa′
→b′→c′→d′と動いており、ズームアップ方向に
はa′→b′、ダウン方向にはb′→d′であり全体と
して、ダウン方向にa′→d′分カム環42を回転させ
ることになる。これはテレに繰り出してからワイドに戻
す時だけでなく、スタンダード位置でも、どの位置でも
同様である。
【0071】従って、ズームアップとズームダウンで沈
胴や、ワイド、テレの位置を変える必要があることが分
かる。もちろん、沈胴やワイド、テレの位置のカウント
値を2通りの値を持ってもかまわないし、カウント値を
補正するのと同等である。本実施例でズームアップから
ズームダウンに変わった時点でZMPLSにa′→d′
分RVPLSを加え、 ZMPLS=ZMPLS+RVPLS となる。
【0072】ズームダウンからズームアップに変わった
時でRVPLSを引き、 ZMPLS=ZMPLS−RVPLS を計算する。これにより沈胴、ワイド、テレの位置のカ
ウント値は1組である。又、a′→d′分補正するの
で、繰り出しでも繰り込みでもワイド位置に正しく止ま
ることになる。
【0073】ズームが繰り出し方向に動くのは、単純に
ズームアップの時だけでなく、巻上げ系からズーム系に
切り換える時も動く。すなわち、図10に示すように1
つのモータ119を遊星ギア121で切り換えており、
ズーム系に確実に切り換える為にズームのPI出力信号
が出るまで駆動する。従って切り換え後、ズームダウン
する時は、その前がズームダウンであった時でも方向が
変わった時と同様にバックラッシュ取りを行なう必要が
ある。
【0074】これはズーム操作後、ズームPIが4パル
ス以内の時にズームSWのオフの判断をしないことで実
現される。これにより、最低でも5パルス動かすことに
なり、切り換えによって生じたバックラッシュが取れ
る。
【0075】図23に目標のパルスになったかどうかの
判断のサブルーチン“MPOK”を示す。繰り出し方向
の時(DOUPF=1)には、目標までの残りパルスN
Pは、NP=MP−ZMPLS 但し、負の時は0であ
り、繰り込み方向の時(DOUPF=0)には、NPは NP=ZMPLS−MP となる。但し、負の時は0とする。この残りパルスNP
=0の時は、目標のパルスになっているということなの
で、MPOKF=1とし、NP≠0の時はMPOKF=
0とする。
【0076】図24にモータ119のオンと電圧設定の
サブルーチン“ZVSET”を示す。DOUPF=1の
時は、繰り出し方向にモータ119をオンし、DOUP
F=0の時は繰り込み方向にオンする。モータ119の
起動時(KIDF=1)には、30msタイマをスター
トし、KIDF=0としモータ119の電圧を3Vにす
る。起動から30ms以降の時で、前回ダメージでなく
(ZMDMF=0)、電池によるリセットスタートでも
ない(RSTF=0)通常の時で繰り出しの時は、目標
までの残りパルスNPが3パルス以下かを判断し、3パ
ルス以下の時には電圧を1.5Vに下げる。繰り込みの
時は4パルス以下かを判断する。ズームがバネで繰り込
み側に押されてこれにより、目標付近の速度が下がり精
度よく止まる。
【0077】本実施例では、1.5Vのみであるが、メ
カニズムの特性に合わせて複数の電圧で落としてもよい
し、ZMPIのパルス幅で電圧を変えてもよい。30m
s以降で前回ズームダメージ(ZMDMF=1)だった
時、又は電池によるリセットスタートで起動した時(R
STF=1)はズームの初期位置が不定である。
【0078】図9に示す様に沈胴付近とテレ付近のズー
ムの両側の領域ではZMPR=Hであり、中央の領域で
はZMPR=Lとなっており、ZMPR=Hの領域で駆
動方向を間違えると沈胴端又はテレ端にぶつかることに
なる。この為、初期位置が不定の時で、ZMPR=Hの
時にはモータ119の電圧を1.5Vにし、ぶつかった
としてもメカニズムを破壊しないようにする。ZMPR
=Hの領域が2つあり、どちらかという判断は動かして
いる時にZMPRはH←LまたはH→Lと変化すること
によって分かり、その結果をEEPROM221に記憶
し、通常はその値をもとに制御を行なうという機構であ
る為に初期位置不定となることがある。
【0079】すなわち、EEPROM221に書き込む
直前にユーザが電池を抜いてしまい、書き込めなかった
り、カメラの動作とは関係なく、ユーザがズームを強引
に押し込んだり、引張ったりして動かした時にはEEP
ROM221に記憶された値と実際のズームの位置が合
わなくなり、この様な時にでも、ぶつかってメカニズム
を破壊することがないようにする為の処理である。但
し、ズームPIが3パルス以上動いた時は、図13のフ
ローで“JD ”に飛ばし、沈胴にするので、鏡筒をユー
ザが大きくずらしても問題ない。
【0080】図25にZMPI、ZMPRの読み込みの
サブルーチン“PIPRIN”を示す。ズームの位置検
出は図9に示す様に、ZMPRがH←L又はH→Lに変
化する位置を基準に相対エンコーダの出力であるZMP
Iをカウントして決めており、このサブルーチンで実際
のカウント等を行なう。
【0081】始めにZMPRをチェックする。ZMPR
が立下がった時、繰り出し方向(DOUPF=1)の時
は沈胴からワイド途中でのZMPLSのリフレッシュ値
WRPLSをセット(ZMPLS←WRPLS)し、Z
MPI又はZMPRが変化したフラグPIPRCHNF
←1とする。ZMPRが立下がった時で繰り込み(DO
UPF=0)の時、マニュアルズーム(DOZMF=
1)の時はPIPRCHNF←1とするだけだが、それ
以外の時すなわち、沈胴又はワイドへの動作時は、テレ
付近のリフレッシュ値TRPLSをセット(ZMPLS
←TRPLS)する。
【0082】ZMPRが立上がり、繰り出し(DOUP
F=1)の時はZMPLS←TRPLS、繰り込み(D
OUPF=0)の時はZMPLS←WRPLSとし、P
IPRCHNF←1とする。ZMPRが変化しなかった
時はPIPRCHNF←0とする。
【0083】次にZMPIが変化したかどうかをチェッ
クする。ZMPIが反転した時、すなわち、立上がり又
は立下がりがあり、繰り出し(DOUPF=1)の時は
ZMPLSをインクリメント(ZMPLS←ZMPLS
+1)し、繰り込み(DOUPF=0)の時はZMPL
Sをデクリメント(ZMPLS←ZMPLS−1)し、
PIPRCHNF←1とし、MINPをインクリメント
する。デクリメント時負になった時は0にする。本第1
実施例では、注意がない限りZMPIの立上がりから立
下がりまで、又は立下がりから立上がりまでを1パルス
としてカウントする。
【0084】図26にマニュアルズームでワイド又はテ
レになったかを判断するサブルーチン“WIDTLC
K”を示す。ユーザがUPSW又はDNSWを押してマ
ニュアルズームが始まるがUPSWを押してもすでにテ
レにいる時や、DNSWを押してもすでにワイドにいる
ときにはズームを動かす必要がない。すでにテレ位置に
あるかワイド位置にあるかを判断するフラグはそれぞれ
TLF、WIDFであるが、このサブルーチンでは、そ
れぞれDOTLF、DOWIDFにセットする。
【0085】ズーム終了時にTLF←DOTLF、WI
DF←DOWIDFとしてEEPROM221に記憶す
る。まず、マニュアルズームかを判断し、マニュアルズ
ーム(DOZMF=1)の時、繰り出し(DOUPF=
1)の時に、ZMPLS≧TPLSの時はテレの位置に
なっているのでDOTLF←1とし、繰り込み(DOU
PF=0)の時にZMPLS≦WPLSの時はワイドの
位置になっているので、DOWIDF←1とする。
【0086】図27に範囲内チェックのサブルーチン
“LIMCK”を示す。このサブルーチンは、沈胴動作
時でZMPR=Lの時又はワイド動作時でZMPR=H
の時に呼ばれ、ZMPIだけが出力されて、ズームが動
かないようなメカニズム故障が起きていないかをチェッ
クする。
【0087】すなわち、ZMPLS≧WPLS且つ、Z
MPLS≦TPLSの時は、正常なのでLIMERF←
0とし、ZMPLS<WPLS又はZMPLS>TPL
Sの時は、異常なのでLIMERF←1とする。
【0088】図28に通常のズーム時のブレーキのサブ
ルーチン“ZMBRK”とワイド途中でバリア81を開
→閉した時のブレーキのサブルーチン“WTOSBR
K”を示す。2つの違いは“ZMBRK”が確実にメカ
ニズムを止める為に64msとブレーキ時間が長いのに
対して、“WTOSBRK”は、ブレーキ後沈胴動作へ
移るまでの時間を短くする為に、16msのブレーキに
なっている。
【0089】“WTOSBRK”では止まりきれないう
ちに沈胴動作に移り、ZMPIのカウントミスが生じる
可能性があるが、ZMPR=Lの時しかバリア81の開
→閉をチェックしないので、“WTOSBRK”が呼ば
れる時は、ZMPR=Lであり、沈胴にいく途中でZM
PRのL→Hを通る。そこでカウンタ値がリフレッシュ
され、正確な沈胴位置に止めることができる。
【0090】ブレーキ時間以外のどちらも同じ処理であ
り、ブレーキ中にZMPIのカウントを2カウントに制
限する為にBRKP=2とし、ブレーキする。ZMPI
が変化すると、BRKP=0かチェックし、そうでなけ
ればBRKP←BRKP−1とし、DOUPFに応じ
て、インクリメント又はデクリメントする。タイマ時
間、すなわち、64ms又は16ms経ったらモータ1
19をオープンにして終了する。
【0091】ブレーキ中にZMPIをカウントするの
は、ブレーキしてすぐにズームが止まらない為である
が、止まった所がたまたまZMPIのスレッシュぎりぎ
りの時には、ズームは止まっているにもかかわらず、P
Iの羽根の振動等でZMPIが出力されることがあるの
で、ここではカウント値を2カウントに制限することで
大きなカウントミスがおきるのを防ぐ。
【0092】図29に巻上げ系からズーム系への切り換
えのサブルーチン“WTOZ”を示す。モータ119の
CW方向の回転が、巻上げ方向及び繰り込み方向であ
り、ズーム系から巻上げ系の切り換え方向である。モー
タ119のCCW方向の回転が、巻戻し方向及び繰り出
し方向であり、巻上げ系からズーム系への切り換え方向
である。
【0093】本実施例のカメラでは1コマ巻上げ終了
時、及び空送り終了時はもちろんリワインド終了時もギ
アをゆるめる為に巻上げ方向すなわちCW方向に動かし
て終了しているので、WZキャリア127はプランジャ
113から離れている。
【0094】アトブタを閉→開した時には、フィルム2
4が入っている状態でアトブタを開けられた可能性もあ
り、フィルム24がつっぱって、フィルム24が取り出
しずらくなることを防ぐ為に巻戻し方向すなわちCCW
方向に動かしている。この時には、WZキャリア127
はプランジャ113にくっついていて、プランジャ11
3の吸着時このままでは、摩擦が大きすぎて吸着できな
くなることが低温時等で起きる。この為、アトブタ開状
態の時は、まず、CW方向に1.5Vの電圧で30ms
の間、モータ119をオンし、その後、ブレーキを掛け
る。これにより、WZキャリア127はプランジャ11
3から離れるので、W/Zプランジャをオンして20m
s後には確実に吸着する。モータ119をCCW方向に
フル電圧でオンして、遊星ギヤー121を巻上げ方向か
らズーム方向に切り換える。
【0095】巻上げ系でWZPIの間にWZキャリア1
27がある為、遮光されているのでWZPIの出力はH
であるが、切り換わる途中で透光に変わり、Lに変わ
る。WZPIがH→Lになるのを待った後、確実にズー
ム系に切換わったことを確認する為にZMPIが変化す
るのを待つ。
【0096】CCW方向はズームの繰り出し方向なの
で、ZMPLSをインクリメントする。“ZMBRK”
でモータ119をブレーキ、W/Zプランジャをオフ
し、切り換えがズーム側にあるのでZYUSEIF←1
とし、“EPWRZM”でEEPROM221に書き込
む。WZPIをZMPIの両方でチェックすることで確
実な切り換えが行なえる。
【0097】図30にズーム系から巻上げ系への切り換
えサブルーチン“ZTOW”を示す。WZPI=H、且
つ、ZYUSEIF=0の時は、すでに巻上げ系にいる
時なので何もせずフローを抜ける。それ以外の時に切り
換え動作を行なう。
【0098】前回のズーム動作が繰り出し(ZUPF=
1)だった時は、CCW方向に動かして終了しているの
で、WZキャリア127はプランジャ113から離れて
いるが、繰り込み(ZUPF=0)だった時は、CW方
向に動かして終了しており、WZキャリア127はプラ
ンジャ113にくっついている。この為、ZUPF=0
の時は、CCW方向に1.5Vの電圧で30msの間、
モータ119をオンする。これにより、WZキャリア1
27はW/Zプランジャから離れるので、2つの間の摩
擦がなくなるので、W/Zプランジャを20msオンす
ることで確実に吸着する。
【0099】WZキャリアのみ動かす為に、モータの電
圧を1.5Vに下げて30ms間しかオンしないが、カ
ム環まで動力が伝わり、カム環が動く場合があるので、
ZMPIもチェックし、ZMPIが反転したらズーム位
置のカウンタZMPIをインクリメントする。
【0100】CW方向にモータ119をフル電圧でオン
し、切り換えを開始する。WZPIがLからHになった
ことで、切り換え途中まで動いたことが分かる。通常フ
ィルム24のパーフォレーションを検出するフォトリフ
レクタの出力信号WPRが変化したことが確実に切換わ
ったことを検出するが、アトブタが開いている時や、フ
ィルムエンドでフィルム24が動かない時はWPRは変
化しないので100ms経ったら、切換わったと判断す
る。モータ119を64msブレーキしオフした後、W
/Zプランジャをオフし、切り換えが巻上げ側にあるの
でZYUSEIF←0とし“EPWRZM”でEEPR
OM221に書き込む。
【0101】測距出力と1/D(距離)の関係は一般的
にアクティブAFでは図33の様になるが、ズームが繰
り出しで終了したか、繰り込みで終了したかで実線と破
線の様にずれるので、繰り込みの時は、 x←ax+b (a,bは定数) の補正を行なう。もちろん、繰り出し、繰り込みで、異
なる計算式を用いて1/Dを計算してもかまわない。
【0102】ピント合わせを行なう2群のレンズの繰り
出しパルスは、∞基準では図31に示すような曲線とな
る。すなわち、ワイド側よりテレ側の方が大きく、被写
体距離の逆数が大きくなるほど大きくなる。
【0103】本実施例では、 P1 =a{(1/D)×(1/D)+b(1/D)+
C}{ZMENC×ZMENC+d×ZMENC+e} で計算する。b、c、d、eは固定値であって、ズレの
分割数や繰り出しパルスの分解能に合わせて決める。ま
た、aは、調整値とする。
【0104】フォーカス用カム部材は金型にモールドを
流して成形するが、カム部材のレンズを支えている斜面
の傾きを精度良く、作ることは、困難なので、金型に合
わせて、調整値aを決め、EEPROM等の不輝発性メ
モリに記憶する。これにより、金型が変わっても繰り出
し量が精度良く計算できる。
【0105】各ズーム毎の∞までのパルス数は、1群と
2群の相対的な位置がカメラ毎にバラツキ又は繰り出し
時か繰り込み時かによっても変わるので、図32に示す
ように繰り出し(ZUPF=1)又は繰り込み(ZUP
F=0)でワイド、スタンダード、テレの値をEEPR
OM221に記憶し、該値の間は、直線で補間する。実
際の2群の繰り出し量は、 P=P1 +ZP となる。なお、ZP は、図32に示す調整パルス数であ
る。
【0106】次に、本発明の第2実施例のズームカメラ
について説明する。図34〜図39は、上記第2実施例
のズームカメラのレンズ鏡筒の断面図、分解斜視図等で
ある。本実施例におけるレンズ鏡筒は、3群ズームタイ
プであり、前記第1実施例と異なるズーム機構を有して
いる。ただし、第1群,第3群が一体でズーム駆動す
る。したがって、カム環2のインナーカムは、2b、2
cの2本になる。
【0107】本実施例のカメラのレンズ鏡筒において、
B本体201から、固定枠に相当する3本のヒレ201
aが出ており、カム環202を保持している。該カム環
202は、カム環トメ215により、スラストを押えら
れ、摺動自在に支持されている。また、カム環202を
回転させるためのギヤ部202aを有していて、ズーム
ギヤ列により回動可能となっている。
【0108】1Z枠203の後部にはピン203aがあ
り、カム環のカム溝202bにはまっている。カム環2
02を回転させると、1Z枠203が前後に移動する。
1Z枠先端には、1G枠206がネジ結合されており、
1群レンズ群が保持されている。
【0109】2Z枠204の後部には、ピン204aが
あり、カム環のカム溝202cにはまっている。カム環
202を回転させると、2Z枠204が前後する。該2
Z枠内部には、2G枠207がS軸217につられてい
る。具体的にはボス部207aで前後に摺動する。2G
枠207には2群レンズ群が保持されている。2Z枠2
04と2Z蓋209の間には、LDカム212が保持さ
れている。LDカム212は、2Z枠204に対し、回
動自在であり、そのカム部212aは立体カムになって
おり、2G枠の当接部207bが、2Gバネ214によ
り付勢され、当接している。LDカム212が回動する
と、2G枠207は前後に作動する。2G枠前後には、
セクタ211があり、羽根押え210により、サンドイ
ッチ状に保持されている。
【0110】1Z枠後部には、3Z枠205が、取り付
けられており、1Z枠と一体で動く。3Z枠205には
3G枠208がネジ結合しており、該3G枠208には
3群レンズが保持されている。
【0111】B本体201の前部には、光モレ防止用
の、遮光ゴム216がついており、1Z枠203は、摺
動しながら前後に移動する。2Z枠204と、3Z枠2
05の間には、圧縮コイルバネの2Zバネ213が配設
してあり、2Z枠204を前方向(被写体側)に、3Z
枠205(1Z枠203も)を後方向(像面側)に付勢
している。
【0112】カム環202の外周には、ズームエンコー
ダ218がはってあり、フォトリフレクタ290によ
り、その回動位置を検出しているが、この構造は、前記
第1実施例のものと同じである。更に、切換作動、ズー
ム制御の機構部及びシーケンスも前記第1実施例と同じ
である。
【0113】図35は、上記カム環の内径側の展開図で
ある。2Zバネ213の力量により2Z枠のピン204
aはカム環のカム溝202cの前側にあてつきながらズ
ームする。1Z枠のピン203aは、遮光ゴム216の
フリクション力量より、2Zバネ213の力量の方が大
きいので、カム溝202bの後側にあてつきながらズー
ム移動する。本実施例のものにあっては、ズームアップ
方向も、ズームダウン方向も、カムのあてつき位置は同
じである。
【0114】ところで、第1実施例の場合、図19に示
すように、カムはa→b→c→d→aの動きをする。す
なわち、ズームアップ方向はa→bであるが、ズームダ
ウン方向は、c→d間である。したがって、カーブデー
タを2本もっているわけであるが、ここでの欠点は、ズ
ームダウン後に、1Z枠を前から手で押されると、ズー
ム保持ピンは、c→d上から、a−b上へ下がりあてつ
く、電気的には、c−d上にあるものとして取り扱うの
で、フォーカス繰り出しは、c−d上のカーブデータに
より行なわれる。従って、ピントズレが生じる。
【0115】ところが、本実施例の場合、常に、a−b
上にしかないので1Z枠203を手で押しても、ピンの
位置は変化しない。また、逆に1Z枠203を手で引い
た場合でも、2Zバネ213の力が遮光ゴム216のフ
リクション力量より大きいので、手をはなすと、a−b
上にもどる。
【0116】ただし、図36の駆動ギヤー系に示すよう
に、ズームダウン後に1Z枠203を押すと、カム環2
02はカムの分力の作用で、左回転する力が働く。B1
,B2 ……モータまでのギヤーのバックラッシュ分だ
けカム環202は回転する。すなわち、焦点距離が変化
する(少しワイド側になる)。フォーカスの繰り出し量
は焦点距離によって違うので、ここでも焦点調整位置f
cのズレがおこる。
【0117】そこで、第1実施例でも書いたように、ズ
ームダウンした時は、モータを繰り出し方向にモータを
一定時間動かす。これにより、モータから鏡筒へ連結し
たギヤ列のバックラッシュを取る。しかも、鏡筒までは
動かさない。こうすれば、1Z枠203を押して、カム
環202が回転しようとしてもギヤ列のバックラッシュ
がつまっているので、カム環202の回転量としては最
小限ですむ。
【0118】但し、このようにすると、押す方向はよい
が、引っ張る方向は、逆にカム環202が回転してしま
う(テレ方向)。しかし、一般的には、人は引っ張る動
作より押す動作をしやすいものであり、また、カメラの
テレ状態にしておいて、物にぶつけた時も押し方向の力
が作用するので、この構造で問題はない。
【0119】図40は、本発明の第3実施例であるカメ
ラシステムにおける、駆動力伝達機構のうち、モータの
出力を各要素の駆動系に切換えるクラッチ機構まわりの
分解斜視図である。
【0120】モータ501は、ギヤー箱500にビス止
め固定されていると共に、シャフト下端にはピニオンギ
ヤー(不図示)が圧入されている。なお、該モータ1は
正逆転可能となっている。上記ギヤー箱500には上記
ピニオンギヤーと同軸にインターナルギヤーが一体に形
成され、遊星ギヤーユニットが、該インターナルギヤー
部に噛合し、遊星減速機構を構成している。また、その
出力は、遊星ギヤーユニットのキャリヤ外周部のギヤー
より取り出され、後述するギヤー502、更に、太陽ギ
ヤー502a(図41,42参照)が駆動されるように
なっている。また、上記ギヤー箱500には、ラチェッ
トホイール503が回動可能に保持されると共に、後述
の各ギヤー類を回転可能に保持する軸が一体に形成され
ている。
【0121】図41は、上記実施例のカメラシステムに
おけるクラッチ機構を下方向より見た平面図であり、該
図41のA−A′断面図を図42に示す。該図42の断
面図に示すように、上記ギヤー502の上面には後述す
るラチェットホイール503の回動中心位置を決める円
盤状のスペーサ502bが上記ギヤー502と一体に設
けられている。また、該スペーサ502bのさらに上面
には上記ギヤー502と一体に回動する上記太陽ギヤー
502aが同軸に設けられている。
【0122】上記ラチェットホイール503上面の互い
に180゜間隔の対称位置にある両側縁部には支軸ピン
503a,503a′が垂設されていて、該支軸ピン5
03a,503a′にはそれぞれ遊星ギヤー504,5
04′が軸着されている。そして、上記遊星ギヤー50
4,504′は、太陽ギヤー502aと噛合し、該ギヤ
ー502aの周囲を自由に公転,自転できるようになっ
ている。また、上記公転を可能にするために、該ラチェ
ットホイール503と遊星ギヤー504,504′の間
には若干のフリクションを与えるフリクション部材50
5が配設されている。
【0123】従って、上記ギヤー502が回動すると該
ギヤー502と一体に形成されている太陽ギヤー502
aが回動し、これにより該ギヤー502aと噛合してい
る上記遊星ギヤー504も回動するため上記ラチェット
ホイール503には上記ギヤー502aが回動する方向
の回動力が生じることになる。なお、上記ラチェットホ
イール503は黒色の材料で形成され、クラッチギヤー
の反対側は、灰色となるように印刷が施されている。な
お、印刷に限らず、塗装あるいは貼付シール等でも同様
な効果を有する。
【0124】上記図41は、上記実施例のカメラシステ
ムにおけるクラッチ機構を下方向より見た平面図である
が、本図に示すように、太陽ギヤー502aが回動する
と、遊星ギヤー504,504′が回動するため、上記
ラチェットホイール503が回動する方向の回動力が生
じる。
【0125】このラチェットホイール503は、周端面
503dを有する6ケの同型の爪部と、該爪部より少し
長い周端面を有する2ケの同型の爪部と、上記周端面5
03dの2倍以上長い周端部503eを有する1ケの爪
部が突設されている。また、該ラチェットホイール50
3の一側方側の外周部近傍には、該ラチェットホイール
503の回転制御を行う逆止レバー510が配設されて
いる。この逆止レバー510は、その支点を支軸510
dに揺動自在に枢着されていて、一腕端部510cに
は、上記爪部と係合する逆止爪510eが形成されてい
る。また逆止レバー510の一腕端とカメラ本体内所定
位置との間にばね511が架設されていて、該逆止レバ
ー510をラチェットホイール503に向けて付勢して
いる。上記一腕端部510cは、上記ばね511の付勢
力によって係止部512に当接する位置まで揺動すると
ともに、上記逆止爪510eは上記ラチェットホイール
503の爪部の係止面503bに係合している。
【0126】上記ラチェットホイール503の一側方近
傍には、円周方向に、上記ラチェットホイール503の
爪部の間隔に対応する所定間隔をもって駆動ギヤー52
0,521,522,523,524がギヤー箱500
(図40参照)の軸に軸着されて配設されている。また
上記遊星ギヤー504,504′は上記ギヤー502a
の回動に伴って公転運動を行うが、上記逆止爪510e
が上記ラチェットホイール503の爪の、所定の係止面
503bに係合した際に上記駆動ギヤー520,52
1,522,523,524のうちの何れかと噛合する
ようになっている。なお、上記駆動ギヤーは図40中の
ギヤーを介して、それぞれフィルム巻上機構、フィルム
巻戻し機構、オートフォーカス機構、ズームダウン機
構、ズームアップ機構に連結し、その駆動源となってい
る。
【0127】上記ギヤー502aが、図41中、CCW
方向に回転すると上記遊星ギヤー504,504′の公
転運動に伴い上記ラチェットホイール503も同CCW
方向に回転する。ここで上記フリクションの力を上記ば
ね511の付勢力より強い力に設定すると、上記逆止レ
バー510は、その逆止爪510eが上記ばね511の
付勢力に抗して上記ラチェットホイール503の斜面5
03cによって外方に押し上げられ、図中、2点鎖線で
示される位置まで揺動する。そして、上記ラチェットホ
イール503は、ラチェット機構による回転動作を行
う。
【0128】そして、上記逆止レバー510の揺動動作
に基づく制御機構(別途記す)により上記ラチェットホ
イール503の回転動作を制御することで、上記遊星ギ
ヤー504,504′の公転軌跡上での位置制御が可能
となる。すなわち、上記遊星ギヤー504,504′を
所望の位置に停止させて、上記駆動ギヤー520,52
1,522,523,524のうちの何れかと噛合する
ように該遊星ギヤー504,504′の公転動作を制御
することができる。
【0129】上記遊星ギヤー504,504′が上記駆
動ギヤー520,521,522,523,524のう
ち何れかと噛合して選択された後、上記ギヤー502a
を図中CW方向に回転させると、上記ラチェットホイー
ル503には同CW方向に回転する回転力が生じるが、
上記逆止爪510eが、上記ラチェットホイール503
の係止面503bに係合しているため該ラチェットホイ
ール503の回転は規制されて停止したままである。そ
して上記ギヤー502aの回転力は遊星ギヤー504も
しくは遊星ギヤー504′を介して、上記駆動ギヤー5
20,521,522,523,524のうち何れかに
伝達される。なお、図41に示す位置規制部材525
は、遊星ギヤー504,504′の公転軌跡内に位置
し、外力により公転軌跡外へ退避可能なように取り付け
られた弾性部材である。位置規制部材525を通過した
遊星ギヤー504,504′の自転回転位置は一定とな
り、駆動ギヤー520,521,522,523,52
4と噛合する際の歯先のつまりを防止することができ
る。
【0130】次に上記クラッチ機構の制御に必要な信号
の出力について説明する。上記逆止レバー510の他腕
端部には反射板510aが被着されている(図40)と
共に、該他腕端部軌跡上のスラスト方向の所定位置に
は、フォトリフレクタ553が配設されている。なお、
フォトリフレクタ553はフレキシブルプリント基板5
54に装着されている。
【0131】そして、該逆止レバー510が図41中、
2点鎖線にて示す位置に揺動したときに、該フォトリフ
レクタ553は、該逆止レバー510の他腕端部を検出
するようになっている。
【0132】また、図41に示すように、上記遊星ギヤ
ー504、もしくは、504′が駆動ギヤー522と噛
合しているとき、すなわちオートフォーカス機構と連結
しているときは、上記ラチェットホイール503の灰色
部503g、または、503f(図43の(D),図4
8参照)がフォトリフレクタ553の上にくるので、上
記逆止レバー510に被着された反射板が来たときとは
異なったレベルの出力をする。したがって、オートフォ
ーカスの位置を検出することが可能となる。
【0133】また、上述したようにラチェットホイール
503が有する9つの爪部のうちの1つの爪部503e
のみが、他の爪部より周端面が明らかに長くなっている
ため、該ラチェットホイール503を図41中、CCW
方向へ回転させると、上記フォトリフレクタ553から
は、8つの短いオン信号と、1つの長いオン信号が出力
されることになる。
【0134】図43は、上記本実施例のカメラシステム
におけるフォトリフレクタ部まわりの断面を示した説明
図である。図43の(A),(B)はオフ出力、また、
(C)はオン出力、すなわち逆止レバー検出時、(D)
は中間出力、すなわちオートフォーカス位置検出をそれ
ぞれ示している。
【0135】図43の(A)において、図中、ラチェッ
トホイール503の左側部は黒素材面となっており、ま
た、図43(B)において、図中、ラチェットホイール
503の左側部は、フォトリフレクタ313上に爪部が
ないことを示している。
【0136】図44ないし図46は、それぞれ上記実施
例のカメラシステムにおけるズーム機構部の要部分解斜
視図,要部断面図である。上記図44ないし図46に示
すように、このズーム機構は、固定枠321,移動枠3
22,移動枠軸323,送りねじ324,カム軸32
5,カサバギヤー326,第1レンズ枠327,第1レ
ンズ枠軸328,第2レンズ枠329,第2レンズ枠軸
330,第1レンズ枠付勢ばね331,第2レンズ枠付
勢ばね332,支持板333,ナット334,ねじ押え
335,フォーカスカム336,カム押え337,第2
レンズ枠ピン329aとで主要部が構成されている。
【0137】上記固定枠321と支持板313により、
移動枠軸323,送りねじ324,カム軸325が回動
自在に保持されている。また、移動枠322は、移動枠
軸323にスラスト摺動自在に保持されている。さら
に、上記移動枠322にはナット334が回動を規制さ
れた状態で組込まれており、送りねじ324の回転によ
り該移動枠322が光軸方向に駆動されるようになって
いる。
【0138】この状態で上記送りねじ324にスラスト
ガタが有ると、上記移動枠322のスラストガタとなっ
てしまう。したがって、上記送りねじ324のスラスト
ガタを押えるためにネジ押え335によって付勢してい
る(図45)。
【0139】上記移動枠322内には、第1レンズ枠軸
328,第2レンズ枠軸330により支持された、第1
レンズ枠327,第2レンズ枠329が組込まれてい
る。上記第1レンズ枠327,第2レンズ枠329は共
に、第1レンズ枠軸328,第2レンズ枠軸330に嵌
合しており、光軸方向に摺動可能で 第1レンズ枠軸3
28′,第2レンズ枠軸330′により光軸を中心とす
る回転の規制を行っている。上記第1レンズ枠327
は、第1レンズ枠付勢ばね331によりフォーカスカム
336を介してカム押え337に当て付けられており、
移動枠322の光軸方向の移動により光軸方向に移動す
るようになっている。
【0140】上記第2レンズ枠329は第2レンズ枠ピ
ン329aが、カム軸325のカム溝に係合している。
よって、該カム軸325の回転により該第2レンズ枠3
29は、移動枠322とは独立した駆動が可能となる。
また、第2レンズ枠付勢ばね332により付勢されてい
るためガタを生じること無く駆動される(図46)。
【0141】さらに、図44に示すように、傘歯ギヤー
326,カム軸325,送りねじ324は、それぞれ平
歯ギヤーを有して噛合している。したがって、上記傘歯
ギヤー326に入力されたズーム駆動力により、送りね
じ324、カム軸325が駆動され、第1レンズ枠32
7は、上記送りねじ324のリードによる直線駆動,第
2レンズ枠329は、カム軸325のカム溝による非直
線駆動を行い、また、上記第1レンズ枠327と第2レ
ンズ枠329との光学的位置を保ちながらズーミングを
行うことが可能となっている。
【0142】図47は、本実施例のカメラシステムにお
けるファインダー光学系のズーミングを示した分解斜視
図である。ファインダカム413は、固定枠(不図示)
に撮影レンズの光軸を中心に回動可能に保持されてい
る。すなわち、移動枠415のまわりで回動可能となっ
ている。また、該移動枠415とファインダカム41
3,カムフォロワー415aとカム溝413cで連動
し、図中、矢印W,Tで示した方向に該移動枠415が
移動すると、上記ファインダカム413もこのW,T方
向へ回転する。
【0143】また、ファインダカム413外周面側に
は、カム溝413a,413bが形成されている。この
カム溝413aには、レンズ2−T(405)の係合ボ
ス405cが、カム溝413bには、レンズ3−T(4
06)の係合ボス406cが、それぞれ嵌合し、当接ば
ね412によりガタ無く当接するようになっている。そ
して、移動枠415の移動によりファインダカム413
が回転すると、レンズ2−T(405),レンズ3−T
(406)の位置がカム溝413a,413bにより変
えられ、ファインダー光学系のズーミングが行われる。
【0144】次に、本実施例のカメラシステムにおける
前記クラッチ機構を含む駆動力伝達機構について、前記
機構部平面図である図41、図41のA−A′断面図で
ある図42、および、ラチェットホイール503を上記
図41とは逆方向より見た形状を示す図48、更に、図
49のフォトインタラプ出力信号処理回路図等を用い
て、更に詳細に説明する。
【0145】前記図42に示すように、正逆回転可能な
モータ501の出力軸にはピニオン501aが取り付け
られていて、該ピニオン501aは図示しない減速ギヤ
ー列を介して上記モータ501の回転動力をギヤー50
2へ伝達するようになっている。また、ピニオン501
aの反対側のモータ駆動軸にはフォトインタラプタ羽根
550が取り付けられており、フォトインタラプタ羽根
550とをはさむようにフォトインタラプタ556が設
置されている。
【0146】このフォトインタラプタ羽根550とフォ
トインタラプタ556の関係は詳しくは上記図49に示
すようになっており、フォトインタラプタ羽根550は
透明のアクリル等の材質からなる円盤で、駆動軸をその
中心としている。また、フォトインタラプタ羽根550
には放射状に円周方向に一等ピッチで黒パターンが印刷
されておりフォトインタラプタ556のLEDから発せ
られる光は黒パターンにより遮光され、LEDに対向し
たフォトトランジスタはオフし、黒パターンのないとこ
ろ(透明なところ)で透過しフォトインタラプタ556
のフォトトランジスタへ届き、フォトトランジスタはオ
ンする。
【0147】これにより、モータ501の駆動軸ととも
にフォトインタラプタ羽根550が回転することにより
フォトインタラプタ556のフォトトランジスタはオン
/オフを繰り返し、モータ駆動信号パルスとしてI/F
−IC552およびCPO555を介してCPU551
へ伝えられる。
【0148】さて、前記図41において、上記太陽ギヤ
ー502aが図中、矢印CCW方向に回転すると上記遊
星ギヤー504,504′の公転運動に伴い上記ラチェ
ットホイール503も同じCCW方向に回転する。ここ
で、前記フリクション部材505の力の上記ばね511
の付勢力より強い力に設定すると、上記逆止レバー51
0は、その逆止爪510eが上記ばね511の付勢力に
抗して上記ラチェットホイール503爪部の斜面503
cによって外方に押し上げられ、図中、2点鎖線にて示
される位置まで揺動する。そして、上記ラチェトホイー
ル503はラチェット機構による回転動作を行う。
【0149】図48は、上記ラチェットホイール503
を上記図41とは逆方向より見た形状を示している。こ
の状態は、フォトリフレクタ553側から見たラチェッ
トホイール503の形状である。上記遊星ギヤー50
4,504′がオートフォーカス駆動機構に連結された
状態のとき上記フォトリフレクタ553の全面に相当す
る位置に他のラチェットより反射率の高い灰パターン5
03fまたは503gが停止している。その他のラチェ
ト位置では反射率の低い黒パターンとなっている。
【0150】そして、上記逆止レバー510の揺動動作
に基づく制御機構(後述する)により、上記ラチェット
ホイール503の回転動作を制御することで、上記遊星
ギヤー504,504′の公転軌跡上での位置制御が可
能となる。すなわち、上記遊星ギヤー504,504′
を所望の位置に停止させて、上記駆動ギヤー520,5
21,522,523,524のうちの何れかと噛合す
るように該遊星ギヤー504,504′の公転動作を制
御することができる。
【0151】上記遊星ギヤー504,504′が上記駆
動ギヤー520,521,522,523,524のう
ちの何れかと噛合して選択された後、上記ギヤー502
aを図中、矢印CW方向に回転させると、上記ラチェッ
トホイール503には同CW方向に回転する回転力が生
じるが、上記逆止爪510eが上記ラチェットホイール
503爪部の係止面503bに係合しているため該ラチ
ェットホイール503の回転は規制されて停止したまま
である。そして、上記ギヤー502aの回転力は、上記
遊星ギヤー504もしくは遊星ギヤー504′を介して
上記駆動ギヤー520,521,522,523,52
4のうちの何れかに伝達される。
【0152】次に、上記逆止レバー510の揺動動作に
基づく制御機構について説明する。上記逆止レバー51
0の他腕端部には反射板510aが被着されているとと
もに、該他腕端部の揺動軌跡上のスラスト方向の所定位
置にはPR(フォトリフレクタ)553が配設されてい
る。そして、該逆止レバー510が図中、2点鎖線にて
示す位置に揺動した際に、該フォトリフレクタ553は
該逆止レバー510の他腕端部を検出するようになって
いる。
【0153】図50は、上記ラチェットホイール50
3,逆止レバー510の動作および上記フォトリフレク
タ553の出力信号を示したタイムチャートである。な
お、図50中、ラチェットホイール503の状態を示す
符号は、それぞれ、 Wind:フィルム巻上 RW :フィルム巻戻 AF :オートフォーカス ZD :ズームダウン ZU :ズームアップ であり、上記状態は、それぞれ上記駆動ギヤー520,
521,522,523,524に対応している。すな
わち、上記ラチェットホイール503が回転し、上記遊
星ギヤー504,504’の何れかが上記駆動ギヤー5
20,521,522,523,524の何れかと噛合
し、上記状態の何れかを選択するようになっている。
【0154】また、上述したように、上記ラチェットホ
イール503の9つの爪部のうち1つの爪部のみが他の
爪部より周端面が長くなっているため、該ラチェットホ
イール503を図41中、CCW方向に回転させると上
記フォトリフレクタ553からは8つの短いオン信号
(パルス信号)と1つの長いオン信号(パルス信号)が
出力されることになる。
【0155】本実施例では、上記1つの長いオン信号の
立ち下がりから8つめのオン信号の立ち下がり時、すな
わち、図41に示す上記遊星ギヤー504がオートフォ
ーカス駆動機構に連結された駆動ギヤー522に噛合し
ている状態を初期位置とする。
【0156】ここで上記オートフォーカス位置にあると
きにはフォトリフレクタ553の出力は上記503f,
503gの灰パターンにより中間レベルとなる。CPU
551はI/F−IC552に対しフォトリフレクタ5
53の反射光電流の検出レベルを設定できる。該検出レ
ベルよりも光電流が大きい場合I/F−IC552の出
力するCPOは“L”レベルを出力し、上記光電流が小
さい場合には上記CPOは“H”レベルになる。
【0157】上記検出レベルはHパターン検出レベルと
灰パターン検出レベルの2種を有する。Hパターン検出
レベルは係止レバー510がフォトリフレクタ553の
前面にあることを検出するレベルで、上記係止レバー5
10がフォトリフレクタ553の前面にある場合CPO
は“L”レベルを出力し、灰パターンおよびLパターン
がフォトリフレクタ553の前面にある場合にはCPO
は“H”レベルになる。上記灰パターン検出レベルは、
上記灰パターン503g,503fがフォトリフレクタ
553の前面にある場合CPOを“L”レベルとし、H
パターンがフォトリフレクタ553の前面にある場合に
はCPOを“H”レベルにする値である。
【0158】図51は、本実施例における上記ラチェッ
トホイール503の初期位置設定時に係る上記フォトリ
フレクタ553の出力信号タイムチャートである。上記
フォトリフレクタ553から出力されるパルス信号(図
中、CPOで示す)は、起動(スタート)直後の図中、
タイミングT1においては読み飛ばされる。なお、その
パルス数は、図示しないEEPRオン等に記憶されてい
るデータ(GPSTRT)に基づく。次に、上記パルス
信号は図中、タイミングT2においてパルス数カウンタ
C1においてカウントされ、1周期の駆動シーケンス信
号となる。なお、図中、maxで示されるオン信号区間
は上記1つの長いオン信号が出力されていることを示し
ている。さらに、図中、タイミングT3におけるパルス
信号によってラチェットホイール503がオートフォー
カス駆動ギヤー522に対応する位置、すなわち、上記
遊星ギヤー504が該駆動ギヤー522と噛合する位置
へ移動される。
【0159】図52,図53は、本第実施例におけるラ
チェットホイール503(遊星ギヤー504,50
4′)の初期位置設定動作のサブルーチン“初期位置出
し”を示したフローチャートである。なお、これらのフ
ローチャートはCPU551の動作として説明する。
【0160】上記ラチェットホイール503、ひいては
遊星ギヤー504,504′の初期位置設定動作は、ま
ず、フォトリフレクタ553の反射光電流の判定レベル
をHパターン検出レベルに設定する(ステップS10
1)。この検出レベルは灰パターンがあってもCPOは
“H”レベルになるモータ駆動電圧を設定し(ステップ
S102)、モータ501を駆動した後(ステップS1
03)、読み飛ばしパルス数C0を図示しないEEPR
OM等に記憶された値に設定する(ステップS10
4)。
【0161】なお、このときフラグ101=1とする。
その後、パルス数カウンタC1=8として(ステップ1
05)、該パルス信号の立ち下がり(Lowエッジ)を
検出するまで待機する(ステップS106)。上記ステ
ップS106で該パルス信号の立ち下がりを検出する
と、パルス幅タイマT0がスターとし(ステップS10
7)、該パルス信号の立ち下上がり(Highエッジ)
を検出するまで図示しないCPUのハードタイマをかけ
る(ステップS108)。すなわち、ここでパルス幅を
検出する。
【0162】上記ステップS108で該パルス信号の立
ち上がりを検出すると、上記タイマT0、すなわち、上
記フォトリフレクタ553から出力されるパルス幅を読
み込み(ステップS109)、上記EEPROM等に記
憶されている最低パルス幅のデータと比較する(ステッ
プS110,ステップS111)。そして、上記フォト
リフレクタ553から出力されるパルス幅が上記EEP
ROM等に記憶されている最低パルス幅以下のときは、
チャタリングが生じたとして上記ステップS106に戻
る。
【0163】上記ステップS110,ステップS111
で、上記フォトリフレクタ553から出力されるパルス
幅が上記EEPROM等に記憶されている最低パルス幅
以上のときは、上記フラグF1を調べて読み飛ばし中か
否かを検出する(ステップS112)。ここで、読み飛
ばし中であるなら、上記読み飛ばしパルス数C0をデク
リメントして(ステップS113)、C0=0か否かを
調べる(ステップS114)。そして、該ステップS1
14でC≠0であるなら直接、また、C0=0であるな
ら読み飛ばし終了して(ステップS115)、それぞれ
上記ステップS106に戻る。
【0164】上記ステップS112で読み飛ばし終了で
あると判定されると、図53の“J12”に移行して、上
記フォトリフレクタ553からの現在のパルス幅を過去
の最大値と比較する(ステップS116,ステップS1
17)。そして、現在のパルス幅の方が大きいときは該
現在のパルス幅を最大値とし(ステップS118)、パ
ルス数カウンタC1の値を図示しないRAMにおけるR
AM−1領域にストアした後(ステップS119)、該
パルス数カウンタC1をデクリメントする(ステップS
120)。
【0165】上記ステップS117において現在のパル
ス幅の方が小さいときも該ステップS120に移行し、
その後、該パルス数カウンタC1=0か否かを判定する
(ステップS121)。該ステップS121においてパ
ルス数カウンタC1≠0であるなら、すなわち、上記図
52に示す1周期のシーケンスが終了していないなら、
上記図52中、“J11”に移行して上記ステップS10
6に戻る。
【0166】また、上記ステップS121で該パルス数
カウンタC1=0であるなら、すなわち、上記図51に
示す1周期のシーケンスが終了したなら、上記図53の
上記ラチェットホイール503の現在位置の算出処理を
行う(ステップS122)。すなわち、最大パルス幅の
位置データから9パルス目の絶対位置を算出する。すな
わち、上記図51に示すようにmaxの位置を絶対位置
の4の位置とする。RAM−1のデータに4を加えた値
が現在の絶対位置を示す値となる。なお、上記RAM−
1領域にストアしたデータ+4≧10のときは下1桁目
に1を加えた値を絶対位置を示す値とする。
【0167】この後、遊星ギヤー504をオートフォー
カス駆動ギヤー522と噛合する位置へ駆動することに
なる(ステップS123)。次に、上記検出パターンを
Hパターン検出レベルから灰パターン検出レベルに切換
える(ステップS124)。このときCPOが“H”レ
ベル→“L”レベルへ変化すれば正常終了となり(ステ
ップS125)、CPOが“H”レベルのままだと異常
と判断してステップS101へ戻り、すべて最初からこ
の処理を実行する。そして正常終了の場合には該ラチェ
ットホイール503(遊星ギヤー504,504′)の
現在位置を上記RAMにおけるRAM−2領域にストア
して(ステップS126)、サブルーチンを終了する。
【0168】図54は、本実施例における駆動ギヤー選
択動作のサブルーチン“ギヤー位置決め”を示すフロー
チャートである。なお、このフローチャートも上記のフ
ローチャート同様、CPUの動作として説明する。
【0169】駆動ギヤー選択動作は、まず、駆動ギヤー
の第1の目標位置データD1を図示しないRAMにおけ
るRAM−A領域に設定する(ステップS151)。次
に第2の目標位置データD2をRAM−B領域に設定す
る(ステップS152)。現在位置がオートフォーカス
位置にある場合には(ステップS153)、フォトリフ
レクタ553の反射光電流の検出が灰パターン検出レベ
ルに設定し(ステップS154)、CPOが“L”レベ
ルをチェックする(ステップS155)。CPOが
“H”レベルの場合には、上記初期位置出し処理を行
う。
【0170】次に、検出レベルはHパターン検出レベル
に設定する(ステップS156)。この後、モータ駆動
電圧を設定して(ステップS156)、該RAM−A領
域のデータと上記RAM−2領域のデータとを比較する
(ステップS157,ステップS158)。すなわち、
駆動ギヤーの目標位置と上記ラチェットホイール503
あるいは遊星ギヤー504,504′の現在位置とを比
較する。そして、ステップS159において該遊星ギヤ
ー504,504′が目標位置に到達したら、上記モー
タ501にブレーキをかけて停止させる(ステップS1
67)。
【0171】ここで、上記RAM−2の値が上記RAM
−Aと一致しない場合には、該RAM−B領域のデータ
と上記RAM−2領域のデータとを比較する(ステップ
S160,161)。すなわち、駆動ギヤーの目標位置
と上記ラチェットホイール503あるいは遊星ギヤー5
04,504′の現在位置とを比較する。そして、ステ
ップS161において該遊星ギヤー504,504′が
目標位置に到達したら、上記モータ501にブレーキを
かけて停止させる(ステップS167)。
【0172】停止後、現在位置がオートフォーカス位置
である場合には(ステップS168)、フォトリフレク
タ553の反射光電流の検出レベルを灰パターンレベル
に設定し(ステップS169)、CPOの“L”レベル
をチェックする(S170)。CPOが“H”レベルの
場合には、上記初期位置出し処理(ステップS101)
を行う。
【0173】また、上記ステップS161で該遊星ギヤ
ー504,504′が未だ目標位置に到達していないと
きは、さらにモータ501を駆動させて(ステップS1
62)、上記フォトリフレクタ553からのパルスの立
ち下がり(Lowエッジ)を検出するまで該遊星ギヤー
504,504′を公転させる(ステップS163)。
【0174】そして、上記ステップS163でパルスの
立ち下がりを検出すると、モータ駆動電圧を再設定して
(ステップS164)、パルスの立ち上がりが検出した
か否かを判定する(ステップS165)。その後、上記
RAM−2領域のデータをインクリメントして(ステッ
プS166)上記ステップS158に戻る。
【0175】以上をまとめると、 1)モータ501により、ギヤー502aをCCW方向
に回転させ、駆動させたい駆動系の駆動ギヤーに噛合す
る位置に遊星ギヤー504,504′のうちの一方を移
行させる。この位置は、上記フォトリフレクタ553か
らの出力信号で検出する。・・・駆動系選択動作。 目標位置データM1とM2は同一の被駆動ギヤーの選択
のためのデータであり、図41中の遊星ギヤー504と
504′が存在するためデータを2個もつことになる。
【0176】このため、図55に示すように、駆動ギヤ
ー623と噛合うギヤー601は、図中、CCW方向に
回動し、鏡枠600が光軸に沿ってフィルム面方向に動
いてズームダウン動作となる。なお、駆動ギヤー624
と噛合うギヤー602は、図中、CCW方向に回動し、
該ギヤー602と噛合しているギヤー601がCW方向
に回動し、鏡枠600が光軸に沿って被写体方向に動い
てズームアップ動作となる。
【0177】このとき、駆動ギヤー624,623との
選択の様子を、上記図41を参照して説明する。上記ラ
チェットホイール503がCCW方向に回動して駆動ギ
ヤーを選択し、目標の駆動ギヤーまで到達し、モータを
停止させた時には逆止爪510eとラチェットホイール
の爪部503bとは係合しておらず、ラチェットホイー
ル503の斜面503c付近までオーバーランする。こ
のため次にラチェットホイール503をCW方向に回動
させても遊星ギヤー504と目標の駆動ギヤーは、爪部
503bと逆止爪510eとが係合するまで噛合わず、
この間には、モータの回転を検出するフォトインタラプ
タ556のパルス信号は発生するが、目標の駆動ギヤー
には駆動力が伝わらない(回動しない)という現象が発
生する。これをモータの空走状態と呼び、空走状態で発
生するフォトインタラプタ556のパルス信号を空走パ
ルス(空走量)と呼ぶ。
【0178】本実施例におけるズーム駆動では、図55
の鏡枠600の駆動状態の展開図に示すように、絶対位
置検出手段はワイド位置のワイドスイッチ610のみで
あり、それ以外の位置はフォトインタラプタ556の発
生するパルス信号をカウントする相対アドレス方式であ
るので、ワイド位置以外のところで繰り返し往復動作を
行うと空送パルスが誤差として積算されることになる。
そこで、この空送パルスを補正する方法を図56のタイ
ムチャ−ト、図57〜図60のフローチャートを参照し
て説明する。
【0179】図56は、上記フォトインタラプタ556
の発生するパルス信号および各ズーム位置、ワイドスイ
ッチのオン/オフタイミングを示すタイムチャートであ
る。
【0180】沈胴位置は、前述したようにカメラがパワ
ーオフ状態のときの位置で、ズームを繰り込み側に当て
付けた位置である。鏡枠600がズームアップ動作によ
り被写体方向に移動し始めるとフォトインタラプタ55
6の発生するパルス信号がI/F−IC552を介して
CPO555からCPU551へ入力される。CPU5
51はこのパルスのカウント値をもってズーム位置を相
対的に検出する。フォトインタラプタパルスのカウント
は、沈胴位置からズームアップ方向へカウントアップし
て行く。
【0181】ズームのワイド(広角)位置でのパルスカ
ウント値は#WID、テレ(望遠)位置は#TELEと
なる。カメラがパワーオフからオンとなり撮影可能状態
となるとCPU551はズーム位置をワイド位置へ移動
する。撮影者がズームアップスイッチおよびズームダウ
ンスイッチを操作することによりワイド位置〜テレ位置
間を鏡枠600は移動することになる。
【0182】次に、本実施例のカメラにおいて、パワー
SWをオフし、レンズ鏡筒を沈胴状態にする時の動作に
ついて、図57のフローチャートにより説明する。ま
ず、ズームダウン駆動ギアを選択し、ズームダウン方向
に記憶する為のフラグUPFとして、UPF=0にす
る。
【0183】そして、繰り込み側に当て付ける時に勢い
が強いと、劣化しやすいので1.4Vの電圧でモータを
正転し繰り込む。沈胴に当て付いたかの判断は、PIの
幅が300msを越えたかで行う。これは、CPO端子
でPIの変化を検出する毎に300msタイマを再スタ
ートさせる。タイマが300msを越えた時に、当て付
いたと判断するというやり方でモータを100msの
間、ブレーキを掛けてモータを止める。
【0184】次に、ズームを沈胴からワイドにする動作
を図58のフローチャートにより説明する。まず、ズー
ムアップギアを選択する。CPU上のメモリ(図示しな
い)に、EEPROMから予め記憶されている、沈胴位
置からズームUP時の空走量補正値をPIのカウント値
として読み出し、CPUのRAMにKUPを引いた値を書
き込む。繰り出しなのでUPF=1とする。
【0185】モータをフル電圧にして正転し、ワイド位
置から2パルス手前(=#WID−2)まで繰り出し、
モータ電圧を2.0Vにしてワイド位置#WIDまで繰
り出し100msの間、ブレーキを掛け、AF駆動ギア
を選択する。2パルス手前で電圧をフルから2.0Vに
下げることで、精度良く、ワイド位置でズームを止め
る。
【0186】次に、ズームアップ時の動作について、図
59のフローチャートにより説明する。まず、ズームア
ップ駆動ギヤーを選択する。前回ズームアップかズーム
ダウンかによって、ギヤーのつまり具合が変わるので、
空走量を2つ持つ。又、レンズの性能は、繰り出し側に
ガタを取りきるか、繰り込み側にガタを取りきることで
実現している。
【0187】前回と同じ方向に駆動する場合でも、ズー
ム駆動の間に切換え動作が入り、そこで、つまっていた
がガタがゆるむので、毎回最低でもMINPIパルス以
上駆動する。前回と異なる方向に駆動する場合は、ガタ
をつめる方向が変わる分多く駆動しなければならないの
でMINP0パルス(ZMINP1)以上駆動する。
【0188】予め現在位置を示すパルスカウント値から
空走量補正値を減じておくことにより、空走量を補正す
る。繰り出しなのでUPF=1とする。モータをフル電
圧で正転する。CPOが立上がる毎にZMPLSをイン
クリメントするとともに、MINPを0になるまでデク
リメントする。
【0189】MINP=0(すなわち、PIがMINP
分駆動した後)、且つ、テレより6パルス以上手前の時
には、ZUSWをチェックし、オフ(=H)していたら
ズームの停止動作を行なう。これで、ZUSWをチョン
押しした時でも、最低MINPパルス駆動する。
【0190】又、テレ位置の6パルス以内でZUSWを
放してもテレ位置まで繰り出す。ズーム位置がテレの2
パルス手前(=#TELE−2)になったら停止動作を
行なう。停止動作はモータを2.0Vに下げて速度を落
とし、2パルス動いたらブレーキを100msの間、掛
けて停止させる。レリーズタイムラグを減らす為に、A
F駆動ギアを選択して、ズームアップ動作を終える。
【0191】次に、ズームダウン動作について、図60
のフローチャートによって説明する。まず、ズームダウ
ン駆動ギヤーを選択する。
【0192】前回ダウンかアップかに対応した空走量補
正値をKDNにセットし、MINPにMINP1かMIN
P0をセットする。方向が変わった時には大きく駆動し
たいのでMINP0≧MINPであり、固定値でも良い
が、EEPROMに記憶し、カメラ1台毎にガタ量を測
定して記憶してもよい。
【0193】フル電圧でモータを駆動し、CPOが立上
がる毎にZMPLSをデクリメントするとともに、MI
NPを0になるまでデクリメントする。ワイドSWが立
下がった時(HからL)には、ZMPLS←WRPLS
と、リフレッシュする。これにより、繰り込み時のワイ
ド位置の精度を上げる。
【0194】MINP=0(すなわちPIがMINP分
駆動した後)且つ、ワイドより6パルス以上手前の時に
は、ZDSWはチェックし、オフ(=H)していたら、
ズームの停止動作を行なう。これでZDSWをチョン押
しした時でも、最低MINPパルス駆動する。又、ワイ
ドの6パルス以内でZDSWを離してもワイド位置まで
繰り込む。
【0195】ズーム位置がワイドの3パルス手前(#W
ID+3)になったら停止動作を行なう。停止動作は、
モータを1.5Vに下げ、速度を落として、3パルス動
いたらブレーキを100msの間掛けて停止させる。
【0196】ズームのアップ動作とダウン動作により、
落とす電圧が2.0Vと1.5Vと異なり、また、低い
電圧で動かすパルス数が2パルスと3パルスと異なるよ
うにしたのは、アップとダウンの停止のしやすさの違い
によらず、停止精度を上げる為である。
【0197】ワイドやテレの6パルス以内ではズームS
Wを離しても、ワイド位置やテレ位置まで動かすので、
ワイドやテレに対して、ガタを取りきれないような、近
い所で止まることがなく、常にガタを確実にとることが
でき、非常に性能の高いズーム装置となる。
【0198】
【発明の効果】本発明のズームカメラは、ズームとズー
ム以外の駆動部を切換えるズームカメラにおいて、ガタ
を確実にとりきり、ワイド位置又はテレ位置へ如何なる
ときにも駆動可能であり、操作上、異和感のないズーム
カメラをユーザに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すズームカメラの概要
を示すブロック構成図である。
【図3】上記図2の第1実施例のズームカメラの外観を
示す正面図であり、(A)はレンズバリアを閉じた状
態、(B)はレンズバリアを開いた状態を示す。
【図4】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、ストロボ部を示す図であって、(A)はストロボ収
納状態、(B)はストロボポップアップ状態を示す。
【図5】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、ズームレンズ鏡筒の縦断面図である。
【図6】上記図5のズームレンズ鏡筒のカム筒の展開図
である。
【図7】上記図5のズームレンズ鏡筒の分解斜視図であ
る。
【図8】上記図5のズームレンズ鏡筒の移動枠部の分解
斜視図である。
【図9】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、ズーム規制の基準位置検出用フォトインタラプタ
と、基準位置からのズーム駆動相対位置を検出するフォ
トリフレクタのタイムチャ−トである。
【図10】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、駆動切り換え制御装置の機構部の配置図である。
【図11】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、駆動切り換え制御装置の電気回路図である。
【図12】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
るメインフローチャートの一部である。
【図13】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
るメインフローチャートの一部である。
【図14】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、レリーズ処理“RI”のフローチャートである。
【図15】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
るズーム駆動状態を分類して示した説明図である。
【図16】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、ズーム制御のゼネラルフローチャートの一部であ
る。
【図17】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、ズーム制御のゼネラルフローチャートの一部であ
る。
【図18】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、ズーム制御のゼネラルフローチャートの一部であ
る。
【図19】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、カム溝とズーム保持ピンの関係を示す図である。
【図20】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“MTONBK”フローチャートであ
る。
【図21】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、WZPLSWの状態とW,Zの切り換え状態の関係
を示す図。
【図22】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、フラグZUPF,DOUPFとZMPLSの補正の
関係を示す図。
【図23】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“MPOK”フローチャートである。
【図24】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“ZVSET”フローチャートであ
る。
【図25】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“PIPRIN”フローチャートであ
る。
【図26】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“WIDTLCK”フローチャートで
ある。
【図27】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“LIMCK”フローチャートであ
る。
【図28】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“ZMBRK”,“WTOSBRK”
フローチャートである。
【図29】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“WTOZ”フローチャートである。
【図30】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、サブルーチン“ZTOW”フローチャートである。
【図31】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、被写体距離に対する2群レンズの繰り出しパルスを
示す線図である。
【図32】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、各ズーム毎の調整パルス数を示す線図である。
【図33】上記図2の第1実施例のズームカメラにおけ
る、各被写体距離に対する測距出力を示す線図である。
【図34】本発明の第2実施例のズームカメラにおけ
る、レンズ鏡筒の縦断面図である。
【図35】上記図34のレンズ鏡筒のカム環カム溝部の
展開図である。
【図36】上記図34のレンズ鏡筒のカム環のズーム駆
動系を示す図である。
【図37】上記図34の第2実施例のズームカメラの分
解斜視図の一部である。
【図38】上記図34の第2実施例のズームカメラの分
解斜視図の一部である。
【図39】上記図34の第2実施例のズームカメラの分
解斜視図の一部である。
【図40】本発明の第3実施例のズームカメラにおける
モータの出力を各機能に切換えるクラッチ機構を示した
分解斜視図である。
【図41】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、クラッチ機構を下方向より見た平面図である。
【図42】上記図41のA−A断面を示した、駆動力伝
達機構の要部断面図である。
【図43】上記図40の第3実施例のズームカメラのク
ラッチ機構における、フォトリフレクタ部の断面を示し
た説明図であり、(A),(B)はオフ出力、(C)は
オン出力、(D)は中間出力状態をそれぞれ示してい
る。
【図44】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ズーム機構部の要部分解斜視図である。
【図45】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ズーム機構部の要部縦断面図である。
【図46】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ズーム機構部の要部縦断面図である。
【図47】上記図40の第3実施例のズームカメラのに
おけるファインダー光学系のズーミング機構部を示した
分解斜視図である。
【図48】上記図40の第3実施例のズームカメラのク
ラッチ機構のクラッチホイールの平面図である。
【図49】上記図42に示すフォトインタラプタ羽根と
フォトインタラプタ、および、該フォトインタラプタの
出力信号処理回路を示した図である。
【図50】上記図41に示すラチェットホイール,逆止
レバーの動作および上記フォトリフレクタの出力信号を
示したタイムチャートである。
【図51】上記図40の第3実施例のズームカメラのク
ラッチ機構における、ラチェットホイールの初期位置設
定時に係るフォトリフレクタの出力信号タイムチャート
である。
【図52】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ラチェットホイールの初期位置設定動作のサブル
ーチンを示したフローチャートの一部である。
【図53】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ラチェットホイールの初期位置設定動作のサブル
ーチンを示したフローチャートの一部である。
【図54】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、駆動ギヤー選択動作のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図55】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける鏡枠の駆動手段を示す説明図である。
【図56】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、フォトインタラプタ出力信号とワイドSWの出力
信号のタイムチャ−ト。
【図57】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ズーム沈胴動作のサブルーチンを示したフローチ
ャートである。
【図58】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ズームワイド駆動動作のサブルーチンを示したフ
ローチャートである。
【図59】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ズームアップ動作のサブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図60】上記図40の第3実施例のズームカメラにお
ける、ズームダウン動作のサブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
115……………UPSW(ズーム操作スイッチ) 116……………DNSW(ズーム操作スイッチ) 118……………Zギヤー(ズーム駆動部) 119……………モータ(単一のモータ) 121……………WZ遊星ギヤー(切り換え手段) 125……………WZ太陽ギヤー(切り換え手段) 144……………Wギヤー(ズーム駆動以外の駆動部) 145……………WRギヤー(ズーム駆動以外の駆動
部) 501……………モータ(単一のモータ) 502a…………太陽ギヤー(切り換え手段) 503……………ラチェットホイール(切り換え手段) 504,504′……………遊星ギヤー(切り換え手
段) 520,521,522……駆動ギヤー(ズーム駆動以
外の駆動部) 523,524……………駆動ギヤー(ズーム駆動部) 701……………切り換え手段 703……………ズーム駆動部 704……………ズーム操作スイッチ W位置,#WID…………ワイド位置 T位置,#TELE………テレ位置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−259210(JP,A) 特開 平7−43587(JP,A) 特開 平3−182734(JP,A) 特開 平6−148500(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/04,7/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ズーム範囲における光学的なワイド位置
    及びテレ位置が機械的な駆動端と異なっているズームレ
    ンズと、単一のモータの連結をズーム駆動部とズーム駆
    動部以外の駆動部とに切り換える手段とを具備し、上記
    モータの連結を上記ズーム駆動部に切り換えた際にバッ
    クラッシュ取り動作を実行するズームカメラにおいて、 撮影レンズのズーム位置が上記ワイド位置、または、テ
    レ位置から所定量以内に達した場合には、ズーム操作ス
    イッチがオフ状態になったとしても上記ワイド位置、ま
    たは、テレ位置まで駆動をしてからズーム駆動動作を停
    止し、上記ワイド位置、またはテレ位置に停止している
    場合には、上記バックラッシュ取り動作を実行しないよ
    うにしたことを特徴とするズームカメラ。
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